JPH0620549B2 - 血清アミロイドa蛋白吸着体 - Google Patents

血清アミロイドa蛋白吸着体

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JPH0620549B2
JPH0620549B2 JP62294811A JP29481187A JPH0620549B2 JP H0620549 B2 JPH0620549 B2 JP H0620549B2 JP 62294811 A JP62294811 A JP 62294811A JP 29481187 A JP29481187 A JP 29481187A JP H0620549 B2 JPH0620549 B2 JP H0620549B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は血液などに含まれる血清アミロイドA(以下、
SAAという)蛋白を除去するためのSAA蛋白吸着体に関す
る。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] アミロイド−シスはアミロイド物質と呼ばれるβ−フィ
ブリル状の蛋白が血管、臓器およびその他の組織に沈着
し、心、腎などの臓器不全、心刺激伝導障害、進行性痴
呆、脳血管障害、神経障害などの重篤な障害を惹きおこ
す疾患である。
アミロイド−シスには原発性、続発性、家族性、老人性
などの病型が存在することが知られている。続発性アミ
ロイド−シスは、慢性関節リウマチ、若年性関節リウマ
チ、肺化膿症、肺結核などの疾患に続発して起こり、好
発部位として腎、甲状腺、膵、肝、脾などがあげられ
る。
アミロイド−シス沈着物質の蛋白組織は病型により異な
る。続発性アミロイド−シスではアミロイド−シス沈着
物質は、アミロイドA(以下、AAという)蛋白と呼ばれ
る分子量8,500でアミノ酸76個からなる蛋白質により形
成されている。
またそれぞれの病型において沈着するアミロイド−シス
沈着物質に対応する前駆物質が患者血液中に存在するこ
とが明らかになりつつある。続発性アミロイド−シスで
は高密度リポ蛋白(以下、HDLという)のアポリポ蛋白
のひとつであるSAA蛋白がアミロイド−シス沈着物質で
あるAA蛋白の前駆物質であるとされている。このSAA蛋
白は分子量約12,000で、肝細胞で産生され、血液中でHD
Lのアポリポ蛋白となり、体内を循環し、HDLから離れて
加水分解され、AA蛋白となって組織に沈着すると考えら
れている。また、SAA蛋白は、HDLの中では密度が大き
く、分子量が1.75×105であるHDL3のアポリポ蛋白とし
て存在していると考えられている。
アミロイド−シスは前記のごとく重篤な疾患であり、死
亡率も高いことからその治療法について盛んに研究され
てきたが、これまでのところ有効な治療法、とくに薬物
療法は見出されていない。
一方、近年盛んに行なわれるようになってきた対外循環
による血液浄化法、とりわけ血漿交換法によりアミロイ
ド−シスを治療する試みがなされており、前記の前駆物
質を多量に含有する疾患血漿を正常血漿と交換すること
により症状の軽快、病変の進行停止が見られるとの報告
がなされている。
体外循環による血液浄化法とりわけ血漿交換法は現在の
ところ最も有効な治療法であるが、高価かつ貴重な正常
血漿あるいは血漿製剤を大量に使用すること、また疾患
血漿中に含まれる前駆物質以外の有用成分も同時に廃棄
されるなどの欠点を有しているため、前駆物質をより選
択的に除去する方法の開発が強く望まれている。
本発明は叙上の問題点を解決し、SAA蛋白を選択的に除
去しうる安価なSAA蛋白用吸着体を提供することを目的
とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は水不溶性マトリクスであって、そのマトリクス
の表面の少なくとも一部に一般式-NR1R2(式中、R1は水
素原子、メチル基またはエチル基を示し、R2はR2Hとし
た化合物のlog P(Pは水−オクタノール系での分配
係数、以下同様)値が0〜3.2である原子団を示す)で
表わされる基を有しているものであるSAA蛋白吸着体に
関する。
[実施例] 本発明の吸着体は、水不溶性マトリクスの表面の少なく
とも一部に一般式-NR1R2(式中、R1は水素原子、メチル
基またはエチル基を示し、R2はR2Hとした化合物のlog
P値が0〜3.2である原子団を示す)で表わされる基を
有しているものである。
logP値は化合物の疎水性のパラメーターとなり、代表
的なオクタノール−水系での分配係数Pの求め方はつぎ
のとおりである。まず、化合物をオクタノール(もしく
は水)に溶解し、これに等量の水(もしくはオクタノー
ル)を加え、グリッフィン・フラスク・シェイカー(Gri
ffin flask Shaker)(グリッフィン・アンド・ジョー
ジ・リミテッド(Griffin&George Ltd.)製で30分間振盪
する。その後2000rpmで1〜2時間遠心分離しオクタノ
ール層および水層中の化合物濃度を分光学的またはGLC
などの種々の方法により測定することにより次式で求め
られる。
P=Coct/Cw Coct:オクタノール層中の化合物濃度 Cw :水層中の化合物濃度 これまでに多くの研究者らにより種々の化合物のlogP
値が実測されているが、それらの実測値はシー・ハンシ
ュ(C.Hansch)らによって整理されている(「パーティ
ション・コーフィシエンツ・アンド・ゼア・ユージズ (PARTITION COEFFICIENTS AND THEIR USES)」、ケミカ
ル・レビューズ(Chemical Reviews)、71巻、525頁(19
71)参照)。
また実測値の知られていない化合物についてはアール・
エフ・レッカー(R.F.Rekker)がその著書(「ザ・ハイド
ロフォビック・フラグメンタル・コンスタント(THE HYD
ROPHOBIC FRAGMENTAL CONSTANT)」,エルセビア・サイ
エンティフィック・パブリッシング・カンパニー・アム
ステルダム(Elsevier Sci.Pub.Com.,Amsterdam)(1977))
中に示されている疎水性フラグメント定数fを用いて計
算した値(Σf)が参考となる。疎水性フラグメント定
数fは数多くのlogP実測値をもとに、統計学的処理を
行ない決定された種々のフラグメントの疎水性を示す値
であり、化合物を構成するおのおののフラグメントのf
値の和はlogP値とほぼ一致する。
本発明の吸着体に存在する-NR1R2基中の原子団R2の疎水
性はSAA蛋白の吸着に大きな役割をはたしており、R2
した化合物のlogP値が0未満ではSAA蛋白との疎水性相
互作用が弱いためSAA蛋白の吸着能は小さくなる。またR
2Hとした化合物のlogP値が3.2より大きいばあいはSAA
蛋白を吸着すると同時にHDLはじめ他の種々の蛋白質を
吸着し選択性のうえで問題がある。すなわちSAA蛋白の
吸着能と選択性の両面で良好であるために、本発明の吸
着体に存在する原子団R2をR2Hとした化合物のlogP値は
0〜3.2がよい。また、本発明において、水不溶性マト
リクスの表面の少なくとも一部に存在する基-NR1R2はそ
の原子団R2をR2Hとした化合物のlogP値が0〜3.2の基
であれば特別な制限なしに用いることができる。
また、本発明の水不溶性マトリクスの表面の少なくとも
一部に存在する-NR1R2基は1種または2種以上であって
もよい。
本発明の水不溶性マトリクスであって、そのマトリクス
の表面の少なくとも一部に-NR1R2基を有しているもので
あるSAA蛋白吸着体は、その製造方法により、 (1)水不溶性担体に-NR1R2基を導入することによってえ
られる吸着体、および (2)水溶性高分子化合物に-NR1R2基を導入したのち、架
橋などの処理を行ない水不溶性マトリクスとした吸着体
に区別されるが、本発明においてはこれらいずれの製造
方法によるものであってもよい。
前記(1)の吸着体に用いられる水不溶性担体は無機担
体、合成高分子もしく多糖類からなる有機担体、または
有機担体および/または無機担体からなる複合担体のい
ずれであってもよいが、体液中に存在するSAA蛋白の存
在環境を考慮すれば親水性であることが好ましく、さら
に目的物質以外の物質の吸着、いわゆる非特異吸着が少
ないものが好ましい。このような水不溶性担体の例とし
ては、架橋アガロース、架橋デキストラン、架橋セルロ
ース、結晶性セルロース、架橋キチン、架橋キトサンな
どの多糖類からなる水不溶性担体、架橋ポリビニルアル
コール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアミドなどの
合成高分子化合物からなる水不溶性担体、ガラスビー
ズ、シリカゲルなどの無機担体、さらにはガラスビーズ
などの無機担体表面を多糖類または高分子化合物で被覆
した有機−無機複合担体、合成高分子化合物よりなる有
機担体表面を多糖類で被覆した有機−有機複合担体など
があげられるが、本発明はこれらのみに限定されるもの
ではない。
前記(2)の吸着体の製造に用いられる水溶性高分子化合
物の例としてはデキストラン、デンプンなどの多糖類、
ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のうちエチレン含有量の低いものをケン化してえられる
高分子などがあげられるが、本発明はこれらのみに限定
されるものではない。
前記(1)または(2)の製造方法によってえられる吸着体は
その製造工程において、水不溶性担体もしくは水溶性高
分子化合物に-NR1R2基が導入されるが、本発明において
は-NR1R2基はリガンドの漏出の可能性が小さい共有結合
で水不溶性担体または水溶性高分子に固定されているこ
とが好ましい。
したがって、本発明の吸着体に用いる水不溶性担体およ
び水溶性高分子化合物には固定化反応に用いうる官能基
が存在しているとより好都合である。このような官能基
の例としては、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チ
オール基、アルデヒド基、ハロゲン基、酸無水物基、ア
ミド基、エステル基、エポキシ基およびシラノール基な
どがあげられる。
また、本発明の吸着体に存在する-NR1R2基中の窒素原子
は水不溶性担体、水溶性高分子化合物またはリガンドの
いずれに由来するものであってもよい。
すなわち-NR1R2なる基を水不溶性担体または水溶性高分
子化合物に導入する方法としては、-NR1R2基が一般式-H
NR1R2(式中、R1およびR2は前記と同じ)で表わされる
化合物から誘導される基であって、該化合物の窒素原子
が化合物HNR1R2と水不溶性担体とを反応させることによ
って水不溶性担体または水溶性高分子化合物に結合され
て該水不溶性担体または該水溶性高分子化合物に固定さ
れる方法、ならびに-NR1R2基が一般式-NHR1(式中、R1
およびR2は前記と同じ)で表わされる基を有している水
不溶性担体または水溶性高分子化合物と一般式R2X(式
中、R2は前記と同じ、Xはアミノ基と反応可能な官能基
または官能基の一部を示す)で表わされる化合物とを反
応させることによって水不溶性担体または水溶性高分子
化合物に導入させる方法があげられるが、本発明にはこ
れらのいずれを用いてもよい。-NHR1基を有する水不溶
性担体とは、キチン、キトサンなどのように元来-NHR1
を有する原料より成る水不溶性担体、本来はアミノ基を
持たない水不溶性担体に、シアン化臭素、エピクロルヒ
ドリン、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルなど
による活性化ののち、一般式H2NR1(式中、R1は前記と
同じ)で表わされる化合物または一般式NHR1R3(式中、
R1は前記と同じ、R3は担体に結合可能な官能基を有する
原子団を示す)で表わされる化合物を反応させNHR1基を
導入した水不溶性担体などをいう。
-NR1R2基が水不溶性担体または水溶性高分子化合物に導
入される際において、化合物NHR1R2をアミノ基を介して
水不溶性担体または水溶性高分子化合物に結合させるば
あいNHR1R2なる化合物の例としては、アニリン、アニリ
ン誘導体またはそれらの混合物、およびベンジルアミ
ン、ベンジルアミン誘導体またはそれらの混合物など
が、その入手が容易であることからとくに有用である。
アニリン誘導体の例としてはN-メチルアニリン、N-エチ
ルアニリンなどのN-モノアルキルアニリン類、o-トルイ
ジン、m-トルイジン、p-トルイジン、2,3-キシリジン、
2,4-キシリジンなどの芳香族アルキル置換アニリン類、
o-アミノアニソール、m-アミノアニソール、p-アミノア
ニソール、2-アミノフェネトール、3-アミノフェネトー
ル、4-アミノフェネトールなどの芳香族アルコキシ置換
アニリン類のほか、o-クロロアニリン、m-クロロアニリ
ン、p-クロロアニリン、o-ニトロアニリン、m-ニトロア
ニリン、p-ニトロアニリン、2,4-ジニトロアニリン、2,
6-ジニトロアニリン、3,5-ジニトロアニリン、o-アミノ
安息香酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸、o-ア
ミノ安息香酸エチル、m-アミノ安息香酸エチル、p-アミ
ノ安息香酸エチル、p-アミノベンゼンスルホンアミド、
o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフ
ェノール、o-アミノフェネチルアルコール、p-アミノフ
ェネチルアルコール、o-フェニレンジアミン、m-フェニ
レンジアミン、p-フェニレンジアミン、2-アミノ-4-ニ
トロアニソール、2-アミノ-4-ニトロトルエンなどのよ
うに1種以上の置換基を1個以上芳香族環状に有するア
ニリン類などがあげられるが、本発明はこれらのみに限
定されるものではない。さらにNHR1R2なる化合物の例と
して、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチル
アミンのようなモノもしくはジアルキルアミンまたはそ
れらの混合物などがあげられるが、本発明はこれらのみ
に限定されるものではない。
また-NR1R2基が、-NHR1で表わされる基を有している水
不溶性担体または水溶性高分子化合物と化合物R2Xとを
反応させることによって水不溶性担体または水溶性高分
子化合物に結合されるばあいR2Xなる化合物の例として
は、n-ブタン酸、n-ペンタン酸、安息香酸、フタル酸な
どのカルボン酸類があげられるが、本発明はこれらのみ
に限定されるものではない。
本発明の吸着体は血液、血清、血漿およびそれらの希釈
液、あるいはこれらの液に血球除去や血清蛋白除去など
の前処理を施した液などのような種々のSAA蛋白を含む
溶液よりSAA蛋白を除去するために用いることができ、
続発性アミロイド−シス患者の体外循環治療用吸着体と
して有用である。
また、体外循環治療用吸着体として用いるばあい、吸着
体の圧密化を防ぐためには、充分な機械的強度を有する
吸着体であるのが好ましい。すなわち、本発明の吸着体
は硬質であることが好ましい。また、本発明の吸着体の
微細構造は多孔質または非多孔質のいずれであってもよ
いが、単位体積あたりの高いSAA蛋白吸着能をうるため
には、比表面積が大きいこと、すなわち多孔質とくに全
多孔質であることが好ましい。
本発明において、硬質とは後記参考例に示すように水不
溶性マトリクスを円筒状カラムに均一に充填し、水性流
体を流した際の圧力損失と流量の関係が0.3kg/cm2まで
直線関係にあることをいう。また、本発明において多孔
質とは、細孔容積がみかけの水不溶性マトリクスの容積
の20%以上で比表面積が3m3/g以上であることを意味
する。これらの条件を満たさないものは、吸着容量が小
さく実用に耐えない。このような水不溶性マトリクスに
用いる担体の例としては、多孔質セルロースゲル、多孔
質キトサンゲル、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体、架橋アクリレート、架橋ポリビニルアルコールなど
からなるビニル系多孔質体およびガラス、シリカ、アル
ミナなどからなる無機多孔質体などがあげられるが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。
さらに、本発明の吸着体が多孔質であるばあい、その細
孔は12000の分子量をもつSAA蛋白が容易に細孔内に侵入
できる大きさであることが必要であるので、球状蛋白質
を用いて測定された排除限界分子量が12000以上のもの
であることが重要であり12000より小さいものでは吸着
容量が小さく実用に耐えない。
一方、排除限界分子量が1億をこえるものは吸着体の機
械的強度が弱くなるか、または吸着体の固形分含量が小
さすぎて充分な吸着容量がえられないなどの理由から実
用に耐えない。したがって本発明の吸着体の好ましい排
除限界分子量は12000〜1億である。なお、排除限界分
子量とは、たとえば「実験高速液体クロマトグラフィ」
(波多野博行および花井俊彦著、(株)化学同人発行)
などの成書に記載されているごとく、ゲル浸透クロマト
グラフィにおいて細孔内に侵入できない、すなわち排除
される分子のうち最も小さい分子量を有するものの分子
量をいう。
また本発明の吸着体の形状は、粒状、繊維状、膜状また
はホローファイバー状などの任意の形状を選ぶことがで
きる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
参考例 両端に孔径15μmのフィルターを装着したガラス製円筒
カラム(円径9mm、カラム長150mm)にアガロースゲル
(バイオラド(Biorado)社製のBiogel A5m、粒径50〜1
00メッシュ)、ポリマー硬質ゲル(東洋曹達工業(株)
製のトヨパールHW65、粒径50〜100μm、およびチッソ
(株)製のセルロファインGC-700、粒径45〜105μm)
をそれぞれ均一に充填し、ペリスタルティックポンプに
よりカラム内に水を流し、流量と圧力損失△Pとの関係
を求めた。その結果を第1図に示す。
第1図の結果からポリマー硬質ゲルが圧力の増加にほぼ
比例して流量が増加するのに対し、アガロースゲルは圧
密化をひきおこし、圧力を増加させても流量が増加しな
いことがわかる。
実施例1 多孔質セルロースゲルであるCKゲルA3(商品名、チッソ
(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量5000万、粒径63
〜125μm)10mlに水10ml、2N水酸化ナトリウム水溶
液、5.4mlおよびエピクロロヒドリン1.9mlを加え、40℃
で2時間攪拌した。反応後ゲルを濾別、水洗してエポキ
シ化ゲルをえた。
えられたエポキシ化ゲル10mlに、水8mlおよびアニリン1
20mgを加え、よく混合したのち、50℃で静置下、6時間
反応させた。反応後ゲルを濾別し、水洗してアニリン固
定化ゲルをえた。このときCKゲルA3に固定された基は、
一般式-NR1R2(式中、R1は水素原子、Rはフェニル基
を表わす)で示される。一般式R2H(式中、Rはフェ
ニル基を表わす)で示される化合物のlogPを第1表に
示す。
えられたアニリン固定化ゲル0.4mlを試験管にとり、SAA
蛋白を含むヒト血清2.4mlを加えたのち、37℃で2時間
振盪した。振盪後、上澄み液のSAA蛋白およびHDL-コレ
ステロールの濃度を測定した。その結果を第1表に示
す。なお、SAA蛋白の濃度測定は、下記の方法にしたが
って行なった。
(SAA蛋白の濃度測定方法) SAA蛋白の濃度は、固相酵素抗体法(ELISA)により測定し
た。すなわち、プレートに、まず希釈した抗SAA抗体
(ヘキスト社製)を滴下し、プレートに抗体を4℃で12
時間静置して固定した。つぎに希釈した検体および標準
血清を滴下し、抗原−抗体反応を室温で3時間行ない、
ペルオキシターゼ標識抗SAA抗体を滴下して同様に抗原
−抗体反応を室温で3時間行なった。洗浄後、酵素発色
反応を行ない、その発色の程度をCS-930(商品名、
(株)島津製作所製)にて測定(吸光度:492nm)し
た。検体についての発色の程度と標準血清についての発
色の程度を比較することにより、標準血清中のSAA蛋白
の濃度を1としたときの検体中のSAA蛋白の濃度を求め
た。
実施例2 実施例1でえられたエポキシ化ゲル10mlに水10mlおよび
ヘキサメチレンジアミン57mgを加え、充分に混合したの
ち、40℃で2日間静置下、反応させた。反応後ゲルを濾
別して、水洗してアミノ化ゲル(以下、N-ゲルという)
をえた。えられたN-ゲル10mlをグラスフィルター上で50
mlの10容量%トリエチルアミンジオキサン溶液と100ml
のジオキサンにより、順番に置換洗浄したのち反応容器
に移し、90mgの安息香酸を溶解した25mlのジオキサンを
加えた。これにジシクロヘキシカルボジイミド100mgを
溶解したジオキサン2mlを攪拌下で加え、3時間攪拌下
反応させたのちさらにジシクロヘキシカルボジイミド10
0mgを溶解したジオキサン2mlを加え、さらに3時間攪
拌下反応させた。反応後、ゲルを濾別し、ジオキサン、
メタノール、ジオキサン、水の順でゲルを洗浄し、安息
香酸固定化N-ゲルをえた。このときCKゲルA3に固定され
た基は、一般式-NR1R2(式中、R1は水素原子、Rは1-
フェニルヘキシル基を表わす)で示される。一般式R2H
(式中、Rは1-フェニルヘキシル基を表わす)で示さ
れる化合物のlogPを第1表に示す。
えられたゲルを実施例1と同様の方法にしたがって処理
し、SAA蛋白およびHDL-コレステロールの濃度を測定し
た。その結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1でえられたエポキシ化ゲル10mlにn-ブチルアミ
ン155mgを加え、50%(V/V)エタノール水溶液中、室温で
静置下6日間反応させた。反応終了後、50%(V/V)エタ
ノール水溶液、水で充分に洗浄しn-ブチルアミン固定化
ゲルをえた。このときCKゲルA3に固定された基は、一般
式-NR1R2(式中、R1は水素原子、Rはn-ブチル基を表
わす)で示される。一般式R2H(式中、Rはn-ブチル
基を表わす)で示される化合物のlogPを第1表に示
す。
えられたゲルを実施例1と同様の方法にしたがって処理
し、SAA蛋白およびHDL-コレステロールの濃度を測定し
た。その結果を第1表に示す。
実施例4 n-ブチルアミン155mgのかわりにベンジルアミン227mgを
用いたほかは実施例3と同様にして、ベンジルアミン固
定化ゲルをえた。このときCKゲルA3に固定された基は一
般式-NR1R2(式中、R1は水素原子、Rはベンジル基を
表わす)で示される。一般式R2H(式中、Rはベンジ
ル基を表わす)で示される化合物logPを第1表に示
す。
えられたゲルを実施例1と同様の方法にしたがって処理
し、SAA蛋白およびHDL-コレステロールの濃度を測定し
た。その結果を第1表に示す。
比較例1 n-ブチルアミン155mgのかわりにn-オクチルアミン273mg
を用いたほかは実施例3と同様にして、n-オクチルアミ
ン固定化ゲルをえた。このときCKゲルA3に固定された基
は、一般式-NR1R2(式中、R1は水素原子、Rはn-オク
チル基を表わす)で示される。一般式R2H(式中、R
はn-オクチル基を表わす)で示される化合物のlogPを
第1表に示す。
えられたゲルを実施例1と同様の方法にしたがって処理
し、SAA蛋白およびHDL-コレステロールの濃度を測定し
た。その結果を第1表に示す。
比較例2 n-ブチルアミン155mgのかわりにセチルアミン510mgを用
いたほかは実施例3と同様にしてセチルアミン固定化ゲ
ルをえた。このときCKゲルA3に固定された基は、一般式
-NR1R2(式中、R1は水素原子、Rはセチル基を表わ
す)で示される。一般式R2H(式中、Rはセチル基を
表わす)で示される化合物のlogPを第1表に示す。
えられたゲルを実施例1と同様の方法にしたがって処理
し、SAA蛋白およびHDL-コレステロールの濃度を測定し
た。その結果を第1表に示す。
比較例3 n-ブチルアミン155mgのかわりにL-チロシン384mgを用い
たほかは実施例3と同様にしてL-チロシン固定化ゲルを
えた。このときCKゲルA3に固定された基は、一般式-NR1
R2(式中、R1は水素原子、Rは1-カルボキシ-2-(p-ヒ
ドロキシフェニル)エチル基を表わす)で示される。一
般式R2H(式中、Rは1-カルボキシ-2-(p-ヒドロキシ
フェニル)エチル基を表わす)で示される化合物のlog
Pを第1表に示す。
えられたゲルを実施例1と同様の方法にしたがって処理
し、SAA蛋白およびHDL-コレステロールの濃度を測定し
た。その結果を第1表に示す。
比較例4 実施例1でえられたアニリン固定化ゲルのかわりに0.24
mlの生理食塩水を用いたほかは実施例1と全く同様にし
てえられた上澄み液のSAA蛋白およびHDL-コレステロー
ルの濃度を測定した。結果を第1表に示す。
第1表の結果から本発明の吸着体を用いるとSAA蛋白は
吸着されるがHDLはほとんど吸着されていないことがわ
かる。
[発明の効果] 本発明の吸着体は安価であり、体液中に含まれるSAA蛋
白を選択的に除去することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は3種類のゲルを用いて流速と圧力損失との関係
を調べた結果を示すグラフである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水不溶性マトリクスであって、そのマトリ
    クスの表面の少なくとも一部に一般式-NR1R2(式中、R1
    は水素原子、メチル基またはエチル基を示し、R2はR2H
    とした化合物のlog P(Pは水−オクタノール系での
    分配係数)値が0〜3.2である原子団を示す)で表わさ
    れる基を有しているものである血清アミロイドA蛋白吸
    着体。
  2. 【請求項2】水不溶性マトリクスが水不溶性担体および
    該水不溶性担体の表面の少なくとも一部に固定された一
    般式-NR1R2(式中、R1およびR2は前記と同じ)で表わさ
    れる基からなるものである特許請求の範囲第1項記載の
    血清アミロイドA蛋白吸着体。
  3. 【請求項3】一般式-NR1R2(式中、R1およびR2は前記と
    同じ)で表わされる基が、一般式HNR1R2(式中、R1およ
    びR2は前記と同じ)で表わされる化合物と水不溶性担体
    とをアミノ基を介して反応させることによって水不溶性
    担体に固定されている特許請求の範囲第2項記載の血清
    アミロイドA蛋白吸着体。
  4. 【請求項4】一般式-NR1R2(式中、R1およびR2は前記と
    同じ)で表わされる基が、一般式-NHR1(式中、R1は前
    記と同じ)で表わされる基を有している水不溶性担体と
    一般式R2X(式中、R2は前記と同じ、Xはアミノ基と反
    応可能な官能基または官能基の一部を示す)で表わされ
    る化合物とを反応させることによって水不溶性担体に導
    入されている特許請求の範囲第2項記載の血清アミロイ
    ドA蛋白吸着体。
  5. 【請求項5】水不溶性担体が親水性担体である特許請求
    の範囲第2項記載の血清アミロイドA蛋白吸着体。
  6. 【請求項6】水不溶性マトリクスが多孔質体である特許
    請求の範囲第1項記載の血清アミロイドA蛋白吸着体。
  7. 【請求項7】一般式HNR1R2(式中、R1およびR2は前記と
    同じ)で表わされる化合物がアニリン、アニリン誘導体
    またはそれらの混合物である特許請求の範囲第3項記載
    の血清アミロイドA蛋白吸着体。
  8. 【請求項8】一般式HNR1R2(式中、R1およびR2は前記と
    同じ)で表わされる化合物がベンジルアミン、ベンジル
    アミン誘導体またはそれらの混合物である特許請求の範
    囲第3項記載の血清アミロイドA蛋白吸着体。
  9. 【請求項9】一般式HNR1R2(式中、R1およびR2は前記と
    同じ)で表わされる化合物がモノもしくはジアルキルア
    ミンまたはそれらの混合物である特許請求の範囲第3項
    記載の血清アミロイドA蛋白吸着体。
  10. 【請求項10】一般式R2X(式中、R2およびXは前記と同
    じ)で表わされる化合物がカルボン酸である特許請求の
    範囲第4項記載の血清アミロイドA蛋白吸着体。
  11. 【請求項11】水不溶性マトリクスが、球状蛋白を用いて
    えられる12000〜1億の排除限界分子量を有しているも
    のである特許請求の範囲第6項記載の血清アミロイドA
    蛋白吸着体。
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