JPH1147586A - リポタンパク質吸着体及びそれを用いたリポタンパク質吸着器 - Google Patents

リポタンパク質吸着体及びそれを用いたリポタンパク質吸着器

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JPH1147586A
JPH1147586A JP10096611A JP9661198A JPH1147586A JP H1147586 A JPH1147586 A JP H1147586A JP 10096611 A JP10096611 A JP 10096611A JP 9661198 A JP9661198 A JP 9661198A JP H1147586 A JPH1147586 A JP H1147586A
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lipoprotein
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JP10096611A
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English (en)
Inventor
Akira Kobayashi
明 小林
Tsutomu Okuyama
勉 奥山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リポタンパク質を含む溶液から、LDLやV
LDLを効率よく吸着除去しうる吸着体、及び、それを
用いたリポタンパク質吸着器を提供する。 【解決手段】 水不溶性担体の表面の少なくとも一部
に、水−オクタノール系における分配係数Pの対数値
(logP)が0〜3.2である芳香族原子団であって
メタ位に置換基を有するものが、直接に若しくは一つの
原子を介して窒素原子と結合する原子団、又は、カルボ
ニル基を介して窒素原子と結合する芳香族環を含む原子
団であってlogP値が0〜3.2である原子団からな
るリガンドを有するリポタンパク質吸着体、及び、上記
リポタンパク質吸着体を収納してなるリポタンパク質吸
着器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リポタンパク質吸
着体に関する。更に詳しくは、アポBタンパク質を含む
リポタンパク質、なかでも、低密度リポタンパク質(以
下、LDL)及び超低密度リポタンパク質(以下、VL
DL)を選択的に血液成分等から吸着除去するためのリ
ポタンパク質吸着体に関する。
【0002】
【従来の技術】血液中に存在するリポタンパク質、なか
でも、いわゆる悪玉コレステロールとして知られている
LDL及びVLDLはコレステロールを多く含み、動脈
硬化の原因となることが知られている。一方、いわゆる
善玉コレステロールとして知られている高密度リポタン
パク質(以下、HDL)は動脈硬化の遅延因子であるこ
とが知られている。そこで、HDLを除去せずにLDL
及びVLDLを血液成分等から除去する方法が求められ
ている。
【0003】現在、LDL及びVLDLを除去する方法
として、臨床的に用いられている方法には、血漿交換療
法、二重濾過膜法、吸着体(デキストラン硫酸固定化、
アポB抗体固定化等)、ヘルプ(HELP)システム等
がある。しかし、膜による除去方法では、LDL及びV
LDLと同時にHDLも相当量除去されてしまい、リポ
タンパク質の選択性を満足しうるものではなく、また、
血漿タンパク質の一部も同時に除去されるため、これを
補う必要がある等の欠点があった。
【0004】吸着体による除去方法としては、例えば、
抗体等を固定化したいわゆる免疫吸着体を用いる除去方
法、LDLやVLDLに親和性を呈する化合物(以下、
リガンド)を固定化した、いわゆるアフィニティークロ
マトグラフの原理を用いた吸着体を用いる除去方法等が
ある。
【0005】しかしながら、免疫吸着体を用いる除去方
法は、リポタンパク質の選択性をほぼ満足するが、用い
る抗体の入手が困難であったり、経済性や保存安定性が
悪く、滅菌が困難である等の問題点があった。アフィニ
ティークロマトグラフの原理を用いた吸着体を用いる除
去方法では、吸着体のリガンドとして、ヘパリン、デキ
ストラン硫酸等が用いられており、これらリガンドを用
いた吸着体は、リポタンパク質の選択性が良好であり、
リガンドそのものもそれほど高価ではないが、リガンド
を大量に用いる場合には、より低価格のリガンドが望ま
れた。
【0006】フェニルグリシジルエーテルのような有機
化合物をリガンドとして、フェニル基とリポタンパク質
表面の疎水性部位間の疎水性相互作用により、リポタン
パク質を吸着除去する吸着体としては、フェニルセファ
ロースCL−4B(ファルマシアファインケミカルズ社
製)が市販されている。しかしながら、この吸着体は安
価ではあるが、LDL、VLDLのみならず、HDLも
大量に吸着するのでリポタンパク質の選択性の点で大き
な問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、血液、血清、血漿及びそれらの希釈液、又は、これ
らの液に血球除去や血清タンパク質除去等の前処理を施
した液等の種々のリポタンパク質を含む溶液から、LD
LやVLDLを効率よく吸着除去しうる吸着体、並び
に、それを用いたリポタンパク質吸着器を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】特開昭62−18694
0号公報には、アニリン又はアニリン誘導体が水不溶性
担体に固定化されたリポ蛋白用吸着体が記載され、更
に、特開昭63−208764号公報においては、一般
式−NRa b で表され、Rb をRb Hとした化合物の
水−オクタノール系での分配係数Pの対数値(log
P)が0〜3.2である基を、水不溶性マトリックスの
表面に有するリポ蛋白吸着体が記載され、これらにより
LDL及びVLDLを選択的に除去しうる安価なリポ蛋
白除去装置が提供できる旨が開示されている。
【0009】本発明者らは、これらの技術をもとに更に
検討を進めた結果、上記一般式−NRa b で表される
基を有するリポ蛋白吸着体において、上記−NRa b
中、芳香族を含む原子団であるRb のメタ位に置換基を
有するものが、特にLDLやVLDLの選択性が高く、
また、Rb が原子又は原子団を介して芳香族環に結合し
ている基である場合、カルボニル基を介して芳香族環に
結合しているものが、LDLやVLDLの選択性が高
く、更に特定の官能基を有するものが、特にLDLやV
LDLへの選択性が高いことを見い出し本発明に到達し
たものである。すなわち、本発明は、水不溶性担体の表
面の少なくとも一部に、一般式
【0010】
【化14】
【0011】(式中、R1 は、水素原子、メチル基又は
エチル基を表す。φ1 は、直接に又は一つの原子を介し
て窒素原子と結合する芳香族環を含む原子団を表す。X
は、上記芳香族環のメタ位に結合する原子団を表し、φ
1 Xは、Hφ1 Xとして表される化合物のlogP(P
は、水−オクタノール系における分配係数を表す)が0
〜3.2である原子団を表す)で表される基(以下「−
NR1 φ1 X」とも表す)、及び、一般式
【0012】
【化15】
【0013】(式中、R2 は、水素原子、メチル基又は
エチル基を表す。COは、カルボニル基を表す。φ
2 は、前記カルボニル基を介して窒素原子と結合する芳
香族環を含む原子団を表す。Yは、前記芳香環に結合す
る原子団を表す。Hφ2 Yはベンゼンを除く。COφ2
Yは、Yφ2 COOHとして表される化合物のlogP
(Pは、水−オクタノール系における分配係数を表す)
が0〜3.2である原子団を表す)で表される基(以下
「−NR2 COφ2 Y」とも表す)からなる群より選択
される少なくとも1種(ただし、p−ニトロ安息香酸は
除く)を有するリポタンパク質吸着体である。また、本
発明は上記リポタンパク質吸着体を収納した吸着部、上
記吸着部に液体を流入させるための液体流入部、及び、
上記吸着部に流入した液体を上記吸着部の外部に流出さ
せるための液体流出部からなるリポタンパク質吸着器で
もある。以下に本発明を詳述する。
【0014】本発明のリポタンパク質吸着体は、水不溶
性担体の表面の少なくとも一部に、一般式−NR1 φ1
X(式中、R1 、φ1 及びXは、上記と同じ)で表され
る基、及び、一般式−NR2 COφ2 Y(式中、R2
CO、φ2 、Yは、上記と同じ)で表される基からなる
群より選択される少なくとも1種を有しているものであ
る。
【0015】上記−NR1 φ1 X基において、R1 は、
水素原子、メチル基又はエチル基を表す。上記φ1 は、
直接に又は一つの原子を介して窒素原子と結合する芳香
族環を含む原子団を表す。上記Xは、上記芳香族環のメ
タ位に結合する原子団を表す。また、上記φ1 とXとが
結合してなるφ1 Xは、Hφ1 Xとして表される化合物
のlogP(Pは、水−オクタノール系における分配係
数を表す)が0〜3.2であるものである。
【0016】水−オクタノール系における分配係数の対
数値logPは、化合物の疎水性の程度を表すパラメー
ターである。分配係数Pの代表的な求め方は次のとおり
である。化合物をオクタノール(又は水)に溶解し、こ
れに等量の水(又はオクタノール)を加え、グリフィン
フラスコシェイカー(グリフィン・アンド・ジョージ・
リミテッド社製)で30分間振とうする。その後、20
00rpmで1時間ないし2時間遠心分離し、オクタノ
ール層及び水層中の化合物濃度を、分光学的又はGLC
(気体−液体クロマトグラフ法)等の種々の方法を用い
て測定し、下記式(2)を用いて求める。 P=Coct/Cw (2) 式中、Coctは、オクタノール層中の化合物濃度を表
し、Cwは、水層中の化合物濃度を表す。
【0017】本発明において、Hφ1 Xとして表される
化合物のlogP値は、0〜3.2である。上記log
P値が0未満であると、リポタンパク質との疎水性相互
作用が弱いため、リポタンパク質の吸着能は小さくな
り、上記logP値が3.2を超えると、LDL及びV
LDLを吸着すると同時に、HDLをはじめ他のタンパ
ク質も吸着し、選択性の上で問題があるため、上記範囲
に限定される。好ましくは、上記logP値が0.8〜
2.7である。上記−NR1 φ1 X基中のφ1 Xの疎水
性が、リポタンパク質の吸着に大きな役割を果たすこと
は、特開昭63−208764号公報に説明があるが、
本発明では、疎水性の程度に加え、芳香族環に結合する
官能基の位置が、リポタンパク質の吸着性に関係し、メ
タ位に官能基を有するものが、オルト位、パラ位に官能
基を有するものと比べ、特に選択性が高いことを新たに
見い出したものである。
【0018】上記logP値は、芳香族環に置換する官
能基の位置(オルト位、パラ位、メタ位)が異なって
も、多少の変化はあるものの極端に変化することはない
ため、上記logP値の値は特開昭63−208765
号公報の場合と同様でよい。
【0019】なお、本明細書において、「選択的」と
は、HDLの吸着体への吸着率が低く、LDLやVLD
Lの吸着率が高いことをいう。選択性の指標として下記
式(1)により計算された値を用いた。 選択性の指標=HDLの吸着率/LDLの吸着率 (1) 上記式(1)の値がゼロに近くなるほど選択性が高いこ
とを意味する。
【0020】上記φ1 に含まれる芳香族環としては特に
限定されず、例えば、ベンゼン、ピリジン、ピリミジ
ン、トリアジン及びこれらの縮合環等を挙げることがで
きる。
【0021】上記Hφ1 Xとして表される化合物として
は、logP値が0〜3.2のものであれば特に限定さ
れず、例えば、含まれる芳香族環がベンゼン環である場
合には、トルエン、m−キシレン、エチルベンゼン、フ
ェノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノー
ル、ベンズアルデヒド、アニソール、フェネトール、フ
ェニル酢酸、フェノキシ酢酸、安息香酸メチル、ニトロ
ベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、フルオロ
ベンゼン、m−ジニトロベンゼン、3−ニトロベンズア
ルデヒド、3−ニトロアニソール、3−ニトロトルエ
ン、ベンズアミド、アセトフェノン、3−エチルフェノ
ール、3−エトキシフェノール、アセトアニリド、3−
メチルベンジルアルコール等を挙げることができる。
【0022】上記φ1 に含まれる芳香族環がピリジンで
ある場合には、上記Hφ1 Xとしては、例えば、2−ア
ミノ−4−フルオロピリジン、2−アミノ−6−フルオ
ロピリジン、3−アミノ−5−フルオロピリジン、4−
アミノ−6−フルオロピリジン、2−アミノ−4−ニト
ロピリジン、2−アミノ−6−ニトロピリジン、3−ア
ミノ−5−ニトロピリジン、4−アミノ−6−ニトロピ
リジン、2−アミノ−4−ヒドロキシピリジン、2−ア
ミノ−6−ヒドロキシピリジン、3−アミノ−5−ヒド
ロキシピリジン、4−アミノ−6−ヒドロキシピリジ
ン、2−アミノ−4,6−ジフルオロピリジン、2−ア
ミノ−4,6−ジニトロピリジン、2−アミノ−4,6
−ジヒドロキシピリジン、4−アミノ−2,6−ジフル
オロピリジン、4−アミノ−2,6−ジニトロピリジ
ン、4−アミノ−2,6−ジヒドロキシピリジン、4−
フルオロピリジン−2−カルボキシアミド、6−フルオ
ロピリジン−2−カルボキシアミド、4−ニトロピリジ
ン−2−カルボキシアミド、6−ニトロピリジン−2−
カルボキシアミド、4−ヒドロキシピリジン−2−カル
ボキシアミド、6−ヒドロキシピリジン−2−カルボキ
シアミド、2−カルボキシ−4−フルオロピリジン、2
−カルボキシ−6−フルオロピリジン、2−カルボキシ
−4−ニトロピリジン、2−カルボキシ−6−ニトロピ
リジン、2−カルボキシ−4−ヒドロキシピリジン、2
−カルボキシ−6−ヒドロキシピリジン等を挙げること
ができる。
【0023】上記φ1 に含まれる芳香族環がピリミジン
である場合には、上記Hφ1 Xとしては、例えば、2−
アミノ−4−フルオロピリミジン、2−アミノ−6−フ
ルオロピリミジン、4−アミノ−2−フルオロピリミジ
ン、4−アミノ−6−ニトロピリミジン、2−アミノ−
6−ニトロピリミジン、3−アミノ−6−ニトロピリミ
ジン、4−アミノ−6−ニトロピリミジン、2−アミノ
−4−ヒドロキシピリミジン、2−アミノ−6−ヒドロ
キシピリミジン、3−アミノ−5−ヒドロキシピリミジ
ン、4−アミノ−6−ヒドロキシピリミジン、2−アミ
ノ−4,6−ジフルオロピリミジン、2−アミノ−4,
6−ジニトロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒド
ロキシピリミジン、4−アミノ−2,6−ジフルオロピ
リミジン、4−アミノ−2,6−ジニトロピリミジン、
4−アミノ−2,6−ジヒドロキシピリミジン、2−カ
ルボキシ−4−フルオロピリミジン、2−カルボキシ−
6−フルオロピリミジン、4−カルボキシ−2−フルオ
ロピリミジン、4−カルボキシ−6−ニトロピリミジ
ン、2−カルボキシ−6−ニトロピリミジン、3−カル
ボキシ−5−ニトロピリミジン、4−カルボキシ−6−
ニトロピリミジン、2−カルボキシ−4−ヒドロキシピ
リミジン、2−カルボキシ−6−ヒドロキシピリミジ
ン、3−カルボキシ−5−ヒドロキシピリミジン、4−
カルボキシ−6−ヒドロキシピリミジン等を挙げること
ができる。
【0024】上記φ1 に含まれる芳香族環がトリアジン
である場合には、上記Hφ1 Xとしては、例えば、2−
アミノ−4,6−フルオロ−1,3,5−トリアジン、
2−アミノ−4,6−ブロモ−1,3,5−トリアジ
ン、2−アミノ−4,6−クロロ−1,3,5−トリア
ジン、2−アミノ−4,6−ニトロ−1,3,5−トリ
アジン、2−アミノ−4,6−ヒドロキシ−1,3,5
−トリアジン、2−カルボキシ−4,6−フルオロ−
1,3,5−トリアジン、2−カルボキシ−4,6−ブ
ロモ−1,3,5−トリアジン、2−カルボキシ−4,
6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2−カルボキシ
−4,6−ニトロ−1,3,5−トリアジン、2−カル
ボキシ−4,6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジ
ン、2−カルボキシ−4,6−クロロ−1,3,5−ト
リアジン、3−アミノ−5−フルオロ−1,2,4−ト
リアジン、3−アミノ−5−ブロモ−1,2,4−トリ
アジン、3−アミノ−5−クロロ−1,2,4−トリア
ジン、3−アミノ−5−ニトロ−1,2,4−トリアジ
ン、3−アミノ−5−ヒドロキシ−1,2,4−トリア
ジン、3−カルボキシ−5−フルオロ−1,2,4−ト
リアジン、3−カルボキシ−5−ブロモ−1,2,4−
トリアジン、3−カルボキシ−6−クロロ−1,2,4
−トリアジン、3−カルボキシ−5−ニトロ−1,2,
4−トリアジン、3−カルボキシ−5−ヒドロキシ−
1,2,4−トリアジン等を挙げることができる。
【0025】上記−NR1 φ1 H基においては、リガン
ドの構造面から、上記したように芳香族環に結合する官
能基がメタ位に結合したリガンドが、オルト位やパラ位
に結合したリガンドより、LDLの選択性が高い。
【0026】本明細書中、「メタ位」とは、本発明の吸
着体に存在する上記−NR1 φ1 X基において、−NR
1 φ1 Hとした場合にその芳香族環に対して規定される
メタ位(例えば、ベンゼン環にあっては3位、5位)を
いう。上記Xは、上記芳香族環のそれぞれのメタ位にそ
れぞれ単独で結合しても、すべてのメタ位に同時に結合
してもよい。また、すべてのメタ位に同時に上記Xが結
合する場合には、上記Xの種類は異なっていても良い。
【0027】上記Xとしては特に限定されず、例えば、
ニトロ基、水酸基、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素、メチ
ル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオール
基、シアノ基、アミノ基、アセチル基、ヒドラジル基、
カルボキシル基、イソシアネート基、イソチオシアネー
ト基、アルデヒド基等を挙げることができる。上記Xに
他の原子団を結合することが可能な場合は、他の原子団
が結合したものであってもよい。上記置換基のなかで
は、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、アセチル基、チオー
ル基及びアルデヒド基が好ましい。
【0028】以上、−NR1 φ1 X基について説明して
きたが、具体的には、上記−NR1φ1 X基をHNR1
φ1 Xとしたとき、3,5−ジフルオロアニリン、m−
ヒドロキシベンジルアミン、m−ニトロベンジルアミ
ン、m−フルオロベンジルアミン、m−ヒドロキシベン
ズヒドラジド、m−ニトロベンズヒドラジド、m−フル
オロベンズヒドラジド、m−ヒドロキシチオベンズアミ
ド、m−ニトロチオベンズアミド、m−フルオロチオベ
ンズアミド、m−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド、
m−ニトロベンゼンスルホンアミド、m−フルオロベン
ゼンスルホンアミド、m−ヒドロキシアニリン、m−ニ
トロアニリン、m−フルオロアニリン、3,5−ジフル
オロアニリン、m−メルカプトアニリン、m−メトキシ
アニリン、m−アミノフェノール、m−アミノアセトフ
ェノン、m−トルイジン、m−アミノインダゾール、m
−アミノベンジルアルコール、m−ヒドロキシ安息香
酸、m−ニトロ安息香酸、m−フルオロ安息香酸等を挙
げることができる。なかでも、3,5−ジフルオロアニ
リン、m−アミノフェノール、m−アミノアセトフェノ
ン、m−ニトロアニリン、m−ヒドロキシ安息香酸が好
ましく用いられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0029】本発明のリポタンパク質吸着体が上記−N
1 φ1 X基を有する場合、特開昭63−208764
号公報に説明されているものと同様の基を有するリポタ
ンパク質吸着体と比較して、上記(1)式により表され
る選択性の指標において、差が小さいもので約1.5
倍、高いもので約7倍程度その選択性が改善される。
【0030】上記φ1 は、その芳香族環と上記−NR1
φ1 X基中の窒素原子とが直接に又は一つの原子を介し
て結合している。一つの原子を介して結合している場
合、これらの原子又は原子団としては、例えば、炭素原
子、窒素原子、酸素原子、イオウ原子、リン原子等を挙
げることができる。
【0031】上記−NR1 φ1 X基中の窒素原子は、L
DLとHDLとの間の選択性に関与している。上記−N
1 φ1 X基中の窒素原子は、上記−NR1 φ1 X基が
水不溶性担体に導入される方法に応じて、水不溶性担
体、リガンドのいずれに由来するものであってもよい。
例えば、 (1)上記−NR1 φ1 X基は、―般式;
【0032】
【化16】
【0033】(式中、R1 、φ1 及びXは上記と同じ)
で表される化合物(以下「HNR1 φ1 X」とも表す)
から誘導される基であって、上記化合物中の窒素原子を
介して水不溶性担体に固定されているものである場合
は、上記−NR1 φ1 X基中の窒素原子は、リガンドに
由来する。 (2)上記−NR1 φ1 X基が一般式
【0034】
【化17】
【0035】(式中、R1 は上記と同じ)で表される基
(以下「−NR1 H」とも表す)を有する水不溶性担体
と一般式Zφ1 X(式中、Z、φ1 、Xは上記と同じ)
で表される化合物とを反応させることによって水不溶性
担体に導入されたものである場合には、上記−NR1 φ
1 X基中の窒素原子は、水不溶性担体に由来する。
【0036】上記HNR1 φ1 Xで表される化合物とし
ては、Xが、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、アセチル
基、チオール基及びアルデヒド基よりなる群から選択さ
れた1種である化合物並びにこれらの混合物等が好まし
い。また、上記HNR1 φ1 Xで表される化合物として
は、アニリン誘導体又はそれらの混合物、ベンジルアミ
ン誘導体又はそれらの混合物等であってもよい。これら
は、入手が容易であることから特に有用である。
【0037】上記アニリン誘導体としては特に限定され
ず、例えば、m−トルイジン、3,5−キシリジン等の
芳香族アルキル置換アニリン類;m−アミノアニソー
ル、3−アミノフェネトール等の芳香族アルコキシ置換
アニリン類;m−クロロアニリン、m−ブロモアニリ
ン、m−フルオロアニリン、m−ニトロアニリン、3,
5−ジニトロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、
3,5−ジブロモアニリン、3,5−ジフルオロアニリ
ン、m−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸エチル、
3−アミノアセトフェノン、m−アミノフェノール、m
−アミノチオフェノール、m−アミノフェネチルアルコ
ール、m−アミノベンジルアルコール、m−フェニレン
ジアミン等のように1種類以上の置換基を1個以上芳香
族環に有するアニリン類等を挙げることができる。なか
でも、3,5−ジフルオロアニリン、m−アミノフェノ
ール、3−アミノアセトフェノン、m−ニトロアニリン
が好ましく用いられる。これらは単独でも2種以上併用
して用いてもよい。
【0038】上記ベンジルアミン誘導体としては特に限
定されず、例えば、メタ−フルオロベンジルアミン、
3,5−ジフルオロベンジルアミン、メタ−ブロモベン
ジルアミン、3,5−ジブロモベンジルアミン、メタ−
ヨードベンジルアミン、3,5−ジヨードベンジルアミ
ン、メタ−クロロベンジルアミン、3,5−ジクロロベ
ンジルアミン、メタ−ニトロベンジルアミン、3,5−
ジニトロベンジルアミン、メタ−ヒドロキシベンジルア
ミン、3,5−ジヒドロキシベンジルアミン、メタ−メ
ルカプトベンジルアミン、3,5−ジメルカプトベンジ
ルアミン等を挙げることができる。
【0039】上記Zφ1 Xで表される化合物としては特
に限定されず、例えば、m−ヒドロキシベンズアミド、
m−ニトロベンズアルデヒド、m−メトキシベンズアル
デヒド、m−フルオロベンズアルデヒド、3,5−ジヒ
ドロキシベンズアルデヒド、3,5−ジフルオロベンズ
アルデヒド、m−メルカプトベンズアルデヒド、m−ニ
トロ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジニ
トロ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、m−クロロ安息香
酸、m−フルオロ安息香酸、m−メルカプト安息香酸、
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、m−アミノ安息香酸等
を挙げることができる。なかでも、m−ヒドロキシ安息
香酸が好ましく用いられる。これらは単独でも2種以上
併用して用いてもよい。
【0040】上記−NR2 COφ2 Y基において、R2
は、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。COは、
カルボニル基を表す。φ2 は、上記カルボニル基を介し
て窒素原子と結合する芳香族環を含む原子団を表す(た
だし、ニトロ基を除く)。COφ2 Yは、Yφ2 COO
Hとして表される化合物の水−オクタノール系における
分配係数Pの対数値logPが、0〜3.2である原子
団を表す。
【0041】上記HOOCφ2 Yとして表される化合物
のlogP値が0未満であると、リポタンパク質との疎
水性相互作用が弱いため、リポタンパク質の吸着能は小
さくなり、上記logP値が3.2を超えると、LDL
及びVLDLを吸着すると同時に、HDLをはじめ他の
タンパク質も吸着し、選択性の上で問題があるため、上
記範囲に限定される。好ましくは、上記logP値が
0.8〜2.7である。
【0042】上記一般式−NRa b で表される基にお
いて、芳香族を含む原子団であるRb の疎水性が、リポ
タンパク質の吸着に大きな役割を果たすことは、特開昭
53−208764号公報に説明されているが、特に、
リガンドの構造面から上記Rb がCO結合を介して結合
したものである場合、すなわち上記−NR2 COφ2
である場合に、CS結合や、CH2 結合を介して結合し
たものよりLDLの選択性が高くなり、また、特定の官
能基Yを有するものが、更に選択性が高くなることを新
たに見い出したものである。
【0043】なお、上記logP値は、芳香族環に直接
結合する官能基(例えば、メチレン基、カルボニル基
等)の種類により影響を受けるが、これら官能基の有無
又は種類により極端に変化することはない。
【0044】官能基Yとしては、例えば、ハロゲン、水
酸基、アセチル基、チオール基、アルデヒド基、アミノ
基等を挙げることができる。上記φ2 に含まれる芳香族
環としては特に限定されず、例えば、上記φ1 において
例示したもの等を挙げることができる。
【0045】上記−NR2 COφ2 Y基としては、例え
ば、HNR2 COφ2 Yとして表すと、m−ブロモベン
ズアミド、o−ブロモベンズアミド、p−ブロモベンズ
アミド、m−クロロベンズアミド、o−クロロベンズア
ミド、p−クロロベンズアミド、m−フルオロベンズア
ミド、p−フルオロベンズアミド、o−ヨードベンズア
ミド、p−ヨードベンズアミド、m−ニトロベンズアミ
ド、o−ニトロベンズアミド、p−ニトロベンズアミ
ド、m−メルカプトベンズアミド、o−メルカプトベン
ズアミド、p−メルカプトベンズアミド、m−ヒドロキ
シベンズアミド、o−ヒドロキシベンズアミド、p−ヒ
ドロキシベンズアミド、2,4−ジヒドロキシベンズア
ミド、2,5−ジヒドロキシベンズアミド、2,6−ジ
ヒドロキシベンズアミド、3,5−ジヒドロキシベンズ
アミド、3,4,5−トリヒドロキシベンズアミド、m
−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−
アミノベンズアミドとなる化合物等を挙げることができ
る。これらのなかでは、官能基Yとして水酸基、ニトロ
基、フルオロ基を有するm−ヒドロキシベンズアミド、
3,5−ジヒドロキシベンズアミド、m−ニトロベンズ
アミド、3,5−ジニトロベンズアミド、m−フルオロ
ベンズアミド、3,5−ジフルオロベンズアミド等が好
ましく、m−ヒドロキシベンズアミド、3,5−ジヒド
ロキシベンズアミド、m−フルオロベンズアミド、3,
5−ジフルオロベンズアミドがより好ましい。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0046】本発明のリポタンパク質吸着体が上記−N
2 COφ2 Y基を有する場合、特開昭53−2087
64号公報に記載されたリポタンパク質吸着体と比較し
て、上記式(1)で表される選択性の指標において、少
なくとも2.5倍程度その選択性が改善される。
【0047】上記−NR2 COφ2 Y基中の窒素原子
は、上記−NR2 COφ2 Y基が水不溶性担体に導入さ
れる方法に応じて、水不溶性担体、リガンドのいずれに
由来するものであってもよい。例えば、 (1)上記−NR2 COφ2 Y基が一般式
【0048】
【化18】
【0049】(式中、R2 、CO、φ2 、Yは上記と同
じ)で表される化合物から誘導される基(以下「−HN
2 COφ2 Y」とも表す)であって、上記化合物中の
窒素原子を介して水不溶性担体に固定されているもので
ある場合は、上記−NR2 COφ2 Y基中の窒素原子
は、リガンドに由来する。 (2)上記−NR2 COφ2 Y基が一般式
【0050】
【化19】
【0051】(式中、R2 は上記と同じ)で表される基
(以下「−NR2 H」とも表す)を有する水不溶性担体
と一般式Yφ2 COOH(式中、Y、φ2 は、上記と同
じ)で表される化合物とを反応させることによって水不
溶性担体に導入されたものである場合は、上記−NR2
COφ2 Y基中の窒素原子は、水不溶性担体に由来す
る。
【0052】上記HNR2 COφ2 Yで表される化合物
としては、上記したものを挙げることができる。上記φ
2 COOHで表される化合物としては特に限定されず、
例えば、φ2 の芳香族環にハロゲン、水酸基、アセチル
基、チオール基、アルデヒド基及びアミノ基からなる群
から選択された1種又は2種以上の基が結合した化合物
等を挙げることができる。例えば、m−ブロモ安息香
酸、o−ブロモ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、m−ク
ロロ安息香酸、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香
酸、m−フルオロ安息香酸、p−フルオロ安息香酸、o
−ヨード安息香酸、p−ヨード安息香酸、m−メルカプ
ト安息香酸、p−メルカプト安息香酸、o−メルカプト
安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安
息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−
ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香
酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、アセチル安
息香酸、アセチルアミノ安息香酸、ホルミル安息香酸等
を挙げることができる。なかでも、m−ヒドロキシ安息
香酸、p−ヒドロキシ安息香酸が好ましく用いられる。
これらは単独でも2種以上併用して用いてもよい。
【0053】本発明の水不溶性担体の表面の少なくとも
一部には、上記−NR1 φ1 X基及び上記−NR2 CO
φ2 Y基は、少なくとも1種存在していればよく、上記
−NR1 φ1 X基及び上記−NR2 COφ2 Y基のいず
れかの基が2種類以上存在していてもよい。
【0054】本発明で用いられる水不溶性担体は、無機
担体;合成高分子、多糖類からなる担体等の有機担体;
有機担体及び無機担体からなる複合担体のいずれであっ
てもよい。また、体液中に存在するリポタンパク質の存
在環境を考慮すれば、親水性担体であることが好まし
く、更に、目的物質以外の物質の吸着、いわゆる非特異
吸着が少ないものが好ましい。このようなものとして
は、例えば、架橋アガロース、架橋デキストラン、架橋
セルロース、結晶性セルロース、架橋キチン、架橋キト
サン等の多糖類;スチレン−ジビニルベンゼン、架橋ポ
リビニルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリ
アミド等の合成高分子化合物;ガラスビーズ、シリカゲ
ル等の無機担体;ガラスビーズ等の無機担体表面を多糖
類又は高分子化合物で被覆した有機−無機複合担体;合
成高分子化合物よりなる有機担体表面を多糖類で被覆し
た有機−無機複合担体等を挙げることができる。
【0055】上記水不溶性担体には、固定化反応に用い
うる官能基が存在していてもよい。このようなものとし
ては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チ
オール基、アルデヒド基、ハロゲン基、酸無水物基、ア
ミド基、エステル基、エポキシ基、シラノール基等を挙
げることができる。このようなもののうち、例えば、上
記−NR1 H 基を有する水不溶性担体としては、例え
ば、キトサン等のように元来、上記−NR1 H を有す
る原料よりなる水不溶性担体;本来はアミノ基をもたな
い水不溶性担体をシアン化臭素、エピクロルヒドリン、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル等により
活性化した後、一般式H2 NR1 (式中R1 は、上記と
同じ)で表される化合物を反応させ上記−NR1 H 基
を導入した水不溶性担体等を挙げることができる。
【0056】上記水不溶性担体は、硬質であるものが好
ましい。本明細書において、「硬質」とは、水不溶性担
体を円筒状カラムに均一に充填し、血液、血清、血漿及
びそれらの希釈液、これらの液に血球除去や血清タンパ
ク質除去等の前処理を施した液等を流した際に、担体の
変形等により圧密が起こらない程度の堅さであることを
いう。
【0057】本発明の吸着体をカラムに充填し、体外循
環回路に組み込み、オンラインで治療する際に吸着体の
圧密化が生じると、充分な体液流量が得られなくなり治
療時間が延長され、更には、治療続行不可能となりうる
ので吸着体の圧密化を防ぐためには、吸着体は充分な機
械的強度を有する吸着体であること、即ち、硬質である
ことが好ましい。
【0058】また、本発明の吸着体の微細構造は多孔質
又は非多孔質のいずれであってもよいが、単位体積当た
りの高いLDL及びVLDL吸着能を得るためには、比
表面積が大きいこと、即ち、多孔質、特に全多孔質であ
ることが好ましい。上記「多孔質」とは、細孔容積がみ
かけの水不溶性担体の容積の20%以上で、比表面積が
3m2 /g以上のものであることが好ましい。これらの
条件を満たさないものは、吸着容量が小さく実用に耐え
ない。
【0059】上記水不溶性担体は、上記水不溶性担体が
多孔質である場合、球状タンパク質を用いて測定される
排除限界分子量が100万〜1億であるものが好まし
い。上記排除限界分子量は、上記水不溶性担体が多孔質
である場合、その細孔は100万以上の分子量をもつL
DLやVLDLが容易に細孔内に侵入できる大きさが必
要であることから、排除限界分子量が100万以上のも
のが用いられる。上記排除限界分子量が100万未満で
あると、吸着容量が小さく実用に耐えず、上記排除限界
分子量が1億を超えると、吸着体の機械的強度が弱くな
るか、吸着体の固形分含量が小さすぎて充分な吸着容量
が得られず実用に耐えない。より好ましくは、100万
〜1億であり、さらに好ましくは、300万〜7000
万である。
【0060】上記排除限界分子量は、例えば、「実験高
速液体クロマトグラフィ」(波多野博行及び花井俊彦
著、化学同人発行)等の成書に記載されているように、
ゲル浸透クロマトグラフィにおいて細孔内に侵入できな
い、すなわち排除される分子のうち最も小さい分子量を
有するものの分子量をいう。
【0061】上記多孔質担体としては特に限定されず、
例えば、多孔質セルロース担体、多孔質キトサン担体、
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、架橋ポリアクリ
レート、架橋ポリビニルアルコール等からなるビニル系
多孔質体;ガラス、シリカ、アルミナ等からなる無機多
孔質体等を挙げることができる。
【0062】本発明のリポタンパク質吸着体の製造方法
としては、例えば、水不溶性担体に上記HNR1 φ1
で表される化合物を、上記化合物中の窒素原子を介して
水不溶性担体に結合する方法、若しくは、上記−NR1
Hで表される基を有する水不溶性担体と上記Zφ1 Xで
表される化合物とを反応させる方法等により、上記−N
1 φ1 X基を導入する方法、又は、水不溶性担体に上
記HNR2 COφ2 Yで表される化合物を、上記化合物
中の窒素原子を介して水不溶性担体に結合する方法、若
しくは、上記−NR2 Hで表される基を有する水不溶性
担体と上記Yφ2 COOHで表される化合物とを反応さ
せる方法等により、上記−NR2 COφ2 Y基を導入す
る方法等を挙げることができる。また、水溶性高分子化
合物に上記−NR1 φ1 X基又は上記−NR2 COφ2
Y基を導入した後、架橋等の処理を行い、水不溶性担体
として吸着体を得る方法も用いることができる。
【0063】上記水溶性高分子化合物としては特に限定
されず、例えば、デキストラン、デンプン等の多糖類;
ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のうちエチレン含量の低いものをケン化して得られる高
分子等を挙げることができる。
【0064】上記製造方法によって得られる吸着体は、
その製造工程において、上記水不溶性担体又は上記水溶
性高分子化合物に上記−NR1 φ1 X基又は上記−NR
2 COφ2 Y基が導入されるが、その固定の方法として
は特に限定されず、公知の種々の方法を使用することが
でき、例えば、物理的方法、イオン結合法、共有結合法
等を挙げることができる。本発明においては、リガンド
の漏出の可能性が小さい共有結合で、上記水不溶性担体
又は上記水溶性高分子化合物に固定されたものであるこ
とが好ましい。また、必要に応じて、スペーサーを上記
水不溶性担体とリガンドである上記−NR1 φ1 X基又
は上記−NR2 COφ2 Y基との間に導入してもよい。
【0065】本発明の吸着体の形状としては特に限定さ
れず、例えば、粒状、粒子の集合体、繊維状、膜状、フ
ォローファイバー状等任意の形状を選ぶことができる。
【0066】本発明の吸着体は血液、血清、血漿及びそ
れらの希釈液、また、これらの液に血球除去や血清タン
パク質除去等の前処理を施した液等のリポタンパク質を
含む溶液からLDL及びVLDLを除去するために用い
ることができる。具体的には、高脂血症患者の治療用吸
着体として、各種リポタンパク質の分析用の吸着体とし
て用いることができる。
【0067】本発明の吸着器は、本発明のリポタンパク
質吸着体を収納した吸着部、上記吸着部に液体を流入さ
せるための液体流入部、及び、上記吸着部に流入した液
体を上記吸着部の外部に流出させるための液体流出部か
らなる。上記吸着器には、流体及び流体に含まれる成分
は通過できるが、本発明の吸着体は通過できないフィル
ターを設けることが好ましい。
【0068】本発明の吸着体を治療に用いるには、種々
の方法がある。最も簡便な方法としては、患者の血液を
体外に導き出して血液バッグ等に貯め、これに本発明の
吸着体を混合してLDL、VLDLを除去したのち、フ
ィルターを通して上記吸着体を除去して血液を患者に戻
す方法がある。この方法は複雑な装置を必要としない
が、1回の処理量が少なく治療に時間を要し、操作が煩
雑である。
【0069】他の方法としては、本発明の吸着体を充填
した吸着器を用いる方法がある。具体的な方法として
は、本発明の吸着体をカラムに充填した吸着器を体外循
環回路に組み込み、オンラインで吸着除去を行う。処理
方法には全血を直接環流する方法と、血液から血漿を分
離した後に血漿をカラムに通す方法とがある。本発明の
吸着体及びそれを用いた吸着器は、いずれの処理方法に
も用いることができる。
【0070】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0071】参考例1 多孔質セルロース担体(チッソ社製、球状タンパク質の
排除限界分子量5.0×107 、平均粒径184±24
μm)を沈降体積で10ml分取し、約1Lの逆浸透水
にて水洗した。水洗後の担体をグラスフィルターに移
し、吸引ポンプにて15分間吸引することにより担体の
乾燥を行った。担体をよく混ぜた後に0.131g(吸
着体沈降体積で0.2mlに相当)秤量し、マイクロチ
ューブ(Nunc.co,クライオチューブ、内容量
1.8ml)に移し、ヒト血清(国際バイオ社製)を
1.5ml加えた後、37℃で2時間振とうした。振と
う後、上澄み液の総コレステロール(以下「TC」、コ
レステロール−HR(和光純薬工業社製)使用)、中性
脂肪(以下「TG」、クリニメイトTG−2試薬(第一
化学薬品社製)使用)、HDL−コレステロール(以下
「HDL−C」、HDL−Cオート「第一」(第一化学
薬品社製)使用)の濃度の測定を行った。また、LDL
−コレステロール(以下「LDL−C」)の濃度は、下
記に示したFriedewaldの式(Friedew
ald WT,et al,Clin.Chem.1
8:499,1972)より求めた。HDL−Cは、3
6mg/dl、LDL−Cは、146mg/dlであっ
た。 (LDL−C)=TC−(HDL−C)−1/5TG 式(3)
【0072】実施例1 参考例1で用いた多孔質セルロース担体(チッソ社製、
球状タンパク質の排除限界分子量5.0×107 、平均
粒径184±24μm)を沈降体積で40ml分取し、
40mlの逆浸透水(RO水、ヤマト ピュア ライン
アールオー21(Yamato pure line
RO 21)、ヤマト科学社製)を加え40℃に昇温
した。そこに20%NaOH12mlを加え、40℃で
30分間振とうした。つぎにエピクロルヒドリン12m
lを加え、さらに2時間、40℃で振とうを行うことに
より反応を行った。反応終了後、約2.5Lの逆浸透水
にて担体の洗浄を行いエポキシ化担体を得た。導入され
たエポキシ基の量は11.3μmol/gであった。
【0073】得られたエポキシ化担体30mlに3,5
−ジフルオロアニリン1gを溶解したエタノール水溶液
24mlを加え50℃で静置下、6時間反応させた。反
応後、吸着体を濾過し、エタノール(約1L)、逆浸透
水(約2L)の順で吸着体の洗浄を行い、3,5−ジフ
ルオロアニリン固定化吸着体を得た。得られた吸着体を
参考例1と同様の方法で処理し、HDL−C、LDL−
C濃度を参考例1と同様の方法で求めた。つぎに吸着体
への各種リポタンパク質の吸着率は下記式(4)及び下
記式(5)にて求めその結果を表1に示した。また、選
択性の指標として上記式(1)により計算した結果を表
1に示した。
【0074】
【数1】
【0075】実施例2 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてm−アミ
ノフェノール1.1gを用いた以外は実施例1と同様に
してm−アミノフェノール固定化吸着体を得た。得られ
た吸着体を参考例1と同様の方法で処理し、HDL−
C、LDL−Cの濃度を求めた。HDL及びLDLの吸
着率は実施例1に記した方法で求め、結果を表1に示し
た。また、選択性の指標として上記式(1)により計算
した結果を表1に示した。
【0076】実施例3 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてm−アミ
ノアセトフェノン1.3gを用いた以外は実施例1と同
様にしてm−アミノアセトフェノン固定化吸着体を得
た。得られた吸着体を参考例1と同様の方法で処理し、
HDL−C、LDL−Cの濃度を求めた。HDL及びL
DLの吸着率は実施例1に記した方法で求め、結果を表
1に示した。また、選択性の指標として上記式(1)に
より計算した結果を表1に示した。
【0077】実施例4 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてm−ニト
ロアニリン1.3gを用いた以外は実施例1と同様にし
てm−ニトロアニリン固定化吸着体を得た。得られた吸
着体を参考例1と同様の方法で処理し、HDL−C、L
DL−Cの濃度を求めた。HDL及びLDLの吸着率は
実施例1に記した方法で求め、結果を表1に示した。ま
た、選択性の指標として上記式(1)により計算した結
果を表1に示した。
【0078】実施例5 実施例1と同様の方法で得られたエポキシ化担体30m
lに逆浸透水30ml、30重量%のアンモニア水1.
5mlを加え、充分に混合した後、40℃で2日間静置
し反応させた。反応後担体を濾過し、担体を水洗してア
ミノ化担体(以下、「N−担体」)を得た。得られたN
−担体30mlをグラスフィルター上で150mlのジ
オキサン、150mlの10容量%トリエチルアミンジ
オキサン溶液、300mlのジオキサンにより、順番に
置換洗浄した後反応容器に移し、890mgのm−ヒド
ロキシ安息香酸を溶解した75mlのジオキサンを加え
た。これにジシクロヘキシルカルボジイミド300mg
を溶解したジオキサン6mlを攪拌下で加え、3時間攪
拌下で反応させた後さらにジシクロヘキシルカルボジイ
ミド300mgを溶解したジオキサン6mlを加え、さ
らに3時間攪拌下反応を行った。反応後、吸着体を濾過
し、ジオキサン、メタノール、ジオキサン、水の順で吸
着体を洗浄し、m−ヒドロキシ安息香酸固定化N−吸着
体を得た。得られた吸着体を参考例1と同様の方法で処
理し、HDL−C、LDL−Cの濃度を求めた。HDL
及びLDLの吸着率は実施例1に記した方法で求め結果
を表1に示した。また、選択性の指標として上記式
(1)により計算した結果を表1に示した。
【0079】比較例1 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてp−アミ
ノフェノール1.1gを用いた以外は実施例1と同様の
方法でp−アミノフェノール固定化吸着体を得た。得ら
れた吸着体を参考例1と同様の方法で処理し、HDL−
C、LDL−Cの濃度を参考例1と同様の方法で求め
た。HDL及びLDLの吸着率は実施例1に記した方法
で求め結果を表1に示した。また、選択性の指標として
上記式(1)により計算した結果を表1に示した。
【0080】比較例2 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてp−アミ
ノアセトフェノン1.3gを用いた以外は実施例1と同
様の方法でp−アミノアセトフェノン固定化吸着体を得
た。得られた吸着体を参考例1と同様の方法で処理し、
HDL−C、LDL−Cの濃度を求めた。HDL及びL
DLの吸着率は実施例1に記した方法で求め結果を表1
に示した。また、選択性の指標として上記式(1)によ
り計算した結果を表1に示した。
【0081】比較例3 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてp−ニト
ロアニリン1.3gを用いた以外は実施例1と同様の方
法でp−ニトロアニリン固定化吸着体を得た。得られた
吸着体を参考例1と同様の方法で処理し、HDL−C、
LDL−Cの濃度を参考例1と同様の方法で求めた。H
DL及びLDLの吸着率は実施例1に記した方法で求め
結果を表1に示した。また、選択性の指標として上記式
(1)により計算した結果を表1に示した。
【0082】実施例6 m−ヒドロキシ安息香酸890mgに代えてp−ヒドロ
キシ安息香酸890mgを用いた以外は実施例5と同様
にしてp−ヒドロキシ安息香酸固定化吸着体を得た。得
られた吸着体を参考例1と同様の方法で処理し、HDL
−C、LDL−Cの濃度を求めた。HDL及びLDLの
吸着率は実施例1に記した方法で求め、結果を表1に示
した。また、選択性の指標として上記式(1)により計
算した結果を表1に示した。
【0083】実施例7 m−ヒドロキシ安息香酸890mgに代えてm−ニトロ
安息香酸1.0gを用いた以外は実施例5と同様にして
m−ニトロ安息香酸固定化吸着体を得た。得られた吸着
体を参考例1と同様の方法で処理し、HDL−C、LD
L−Cの濃度を求めた。HDL及びLDLの吸着率は実
施例1に記した方法で求め、結果を表1に示した。ま
た、選択性の指標として上記式(1)により計算した結
果を表1に示した。
【0084】比較例4 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてベンジル
アミン1.0gを用いた以外は実施例1と同様の方法で
ベンジルアミン固定化吸着体を得た。得られた吸着体を
参考例1と同様の方法で処理し、HDL−C、LDL−
Cの濃度を参考例1と同様の方法で求めた。HDL及び
LDLの吸着率は実施例1に記した方法で求め結果を表
1に示した。また、選択性の指標として上記式(1)に
より計算した結果を表1に示した。
【0085】比較例5 3,5−ジフルオロアニリン1.0gに代えてチオベン
ズアミド1.3gを用いた以外は実施例1と同様の方法
でチオベンズアミド固定化吸着体を得た。得られた吸着
体を参考例1と同様の方法で処理し、HDL−C、LD
L−Cの濃度を参考例1と同様の方法で求めた。HDL
及びLDLの吸着率は実施例1に記した方法で求め結果
を表1に示した。また、選択性の指標として上記式
(1)により計算した結果を表1に示した。
【0086】
【表1】
【0087】表1から、本発明のリポタンパク質吸着体
は、リポタンパク質の吸着に関し、HDLの吸着率が低
く、LDLの吸着率が高いので、高い選択性を有してい
ることがわかる。
【0088】
【発明の効果】本発明のリポタンパク質吸着体は、上述
の構成よりなるので、血液成分等からLDL及びVLD
Lを選択的に吸着除去することができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性担体の表面の少なくとも一部
    に、一般式 【化1】 (式中、R1 は、水素原子、メチル基又はエチル基を表
    す。φ1 は、直接に又は一つの原子を介して窒素原子と
    結合する芳香族環を含む原子団を表す。Xは、前記芳香
    族環のメタ位に結合する原子団を表す。φ1 Xは、Hφ
    1 Xとして表される化合物のlogP(Pは、水−オク
    タノール系における分配係数を表す)が0〜3.2であ
    る原子団を表す)で表される基、及び、一般式 【化2】 (式中、R2 は、水素原子、メチル基又はエチル基を表
    す。COは、カルボニル基を表す。φ2 は、前記カルボ
    ニル基を介して窒素原子と結合する芳香族環を含む原子
    団を表す。Yは、前記芳香環に結合する原子団を表す。
    Hφ2 Yはベンゼンを除く。COφ2 Yは、Yφ2 CO
    OHとして表される化合物のlogP(Pは、水−オク
    タノール系における分配係数を表す)が0〜3.2であ
    る原子団を表す)で表される基からなる群より選択され
    る少なくとも1種(ただし、p−ニトロ安息香酸は除
    く)を有してなることを特徴とするリポタンパク質吸着
    体。
  2. 【請求項2】 一般式 【化3】 (式中、R1 、φ1 、Xは、前記と同じ)で表される基
    は、一般式 【化4】 (式中、R1 、φ1 、Xは、前記と同じ)で表される化
    合物から誘導される基であって、前記化合物中の窒素原
    子を介して水不溶性担体に固定されたものである請求項
    1記載のリポタンパク質吸着体。
  3. 【請求項3】 一般式 【化5】 (式中、R1 、φ1 、Xは、前記と同じ)で表される基
    は、一般式 【化6】 (式中、R1 は、前記と同じ)で表される基を有する水
    不溶性担体と一般式 Zφ1 X (式中、φ1 、Xは、前記と同じ。Zは、アミノ基と反
    応可能な官能基又はその一部を表す)で表される化合物
    とを反応させることによって前記水不溶性担体に導入さ
    れたものである請求項1記載のリポタンパク質吸着体。
  4. 【請求項4】 一般式 【化7】 (式中、R1 、φ1 、Xは、前記と同じ)で表される化
    合物は、1種又は2種以上のアニリン誘導体である請求
    項2記載のリポタンパク質吸着体。
  5. 【請求項5】 一般式 【化8】 (式中、R1 、φ1 、Xは、前記と同じ)で表される化
    合物は、1種又は2種以上のベンジルアミン誘導体であ
    る請求項2記載のリポタンパク質吸着体。
  6. 【請求項6】 一般式 【化9】 (式中、R1 、φ1 、Xは、前記と同じ)で表される化
    合物は、Xが、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、アセチル
    基、チオール基及びアルデヒド基よりなる群から選択さ
    れた1種である化合物並びにこれらの混合物からなる群
    から選択されたものである請求項2記載のリポタンパク
    質吸着体。
  7. 【請求項7】 一般式 Zφ1 X (式中、Z、φ1 、Xは、前記と同じ)で表される化合
    物は、1種又は2種以上の安息香酸誘導体である請求項
    3記載のリポタンパク質吸着体。
  8. 【請求項8】 一般式 【化10】 (式中、R2 、CO、φ2 、Yは、前記と同じ)で表さ
    れる基は、一般式 【化11】 (式中、R2 、CO、φ2 、Yは、前記と同じ)で表さ
    れる化合物から誘導される基であって、前記化合物の窒
    素原子を介して水不溶性担体に固定されたものである請
    求項1記載のリポタンパク質吸着体。
  9. 【請求項9】 一般式 【化12】 (式中、R2 、CO、φ2 、Yは、前記と同じ)で表さ
    れる基は、一般式 【化13】 (式中、R2 は、前記と同じ)で表される基を有する水
    不溶性担体と一般式 Yφ2 COOH (式中、φ2 、Yは、前記と同じ)で表される化合物と
    を反応させることによって前記水不溶性担体に導入され
    たものである請求項1記載のリポタンパク質吸着体。
  10. 【請求項10】 一般式 Yφ2 COOH (式中、φ2 、Yは、前記と同じ)で表される化合物
    は、φ2 の芳香族環にハロゲン、水酸基、アセチル基、
    チオール基、アルデヒド基及びアミノ基よりなる群から
    選択された1種又は2種以上の基が結合した化合物並び
    にこれらの混合物からなる群から選択されたものである
    請求項9記載のリポタンパク質吸着体。
  11. 【請求項11】 水不溶性担体は、親水性担体である請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載
    のリポタンパク質吸着体。
  12. 【請求項12】 水不溶性担体は、硬質で多孔質のもの
    である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0又は11記載のリポタンパク質吸着体。
  13. 【請求項13】 水不溶性担体は、球状タンパク質を用
    いて測定される排除限界分子量が100万〜1億である
    ものである請求項12記載のリポタンパク質吸着体。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12又は13記載のリポタンパク
    質吸着体を収納した吸着部、前記吸着部に液体を流入さ
    せるための液体流入部、及び、前記吸着部に流入した液
    体を前記吸着部の外部に流出させるための液体流出部か
    らなることを特徴とするリポタンパク質吸着器。
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