JPH06204518A - 光起電力素子及びその製造方法、並びに発電システム - Google Patents

光起電力素子及びその製造方法、並びに発電システム

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JPH06204518A
JPH06204518A JP43A JP34746192A JPH06204518A JP H06204518 A JPH06204518 A JP H06204518A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34746192 A JP34746192 A JP 34746192A JP H06204518 A JPH06204518 A JP H06204518A
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俊光 狩谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、光励起キャリアー再結合を防止
し、開放電圧及び正孔のキャリアーレンジを向上した光
起電力素子及びその製造方法並びに発電システムを提供
することを目的とする。 【構成】 多結晶または単結晶シリコンからなるn型基
板上に、微結晶または多結晶または単結晶シリコンから
なる第1のp型層、非単結晶半導体材料からなるn型
層、非単結晶半導体材料からなるi型層、及び非単結晶
半導体材料からなる第2のp型層が順次積層された光起
電力素子において、前記i型層はシリコン原子とゲルマ
ニウム原子を含有し、且つドナーとなる価電子制御剤と
アクセプターとなる価電子制御剤が共にドーピングされ
たi型層であって、層厚方向にバンドギャップがなめら
かに変化し、バンドギャップの極小値の位置が層厚の中
央の位置より前記第2のp型層側に片寄っていることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン系非単結晶半導
体材料からなるpin構造と、微結晶シリコンまたは多
結晶シリコンまたは単結晶シリコンのpn構造との積層
からなる光起電力素子とその製造方法に係わる。また、
該光起電力素子を利用した発電システムに係わる。特に
i型層中のバンドギャップが変化しているpin型の光
起電力素子に関するものである。更に該光起電力素子の
マイクロ波プラズマCVD法による堆積方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン系非単結晶半導体材料か
らなるpin構造の光起電力素子において、i層がシリ
コン原子とゲルマニウム原子または炭素原子を含有し、
バンドギャップが変化している光起電力素子については
いろいろな提案がなされている。例えば、 (1) "Optimum deposition conditions for a-(Si,G
e):H using a triode-configurated rf glow discharge
system", J.A.Bragagnolo,P.Lottlefield,A.Mastrovit
o and G.Storti,Conf.Rec.19th IEEE Photovoltaic Spe
cialists Confence-1987 pp.878. (2) "Efficiency improvement in amorphous-SiGe:
H solar cells and itsapplication to tandem type so
lar cells", S.Yoshida,S.Yamanaka,M.Konagaiand K.Ta
kahashi,Conf.Rec.19th IEEE Photovoltaic Specialist
s Conference-1987 pp.1101. (3) "Stability and terrestrial application of
a-Si tandem type solarcells" A.Hiroe,H.yamagishi,
H.Nishio,M.Kondo, and Y.Tawada,Conf.Rec.19thIEEE P
hotovoltaic Specialists Conference-1987 pp.1111. (4) "Preparation of high quality a-SiGe:H film
s and application to the high efficiency triple-ju
nction amorphous solar cells", K.Sato,K.Kawabata,
S.Terazono,H.Sasaki,M.Deguchi,T.Itagaki,H.Morikaw
a,M.Aiga and K.Fujikawa,Conf.Rec.20th IEEE Photovo
ltaic Specialists Conference-1988 pp.73, (5) USP 4,816,082 等が報告されている。
【0003】バンドギャップが変化している光起電力素
子の特性の理論的研究は、例えば、 (6) "A novel design for amorphous silicon allo
y solar cells", S.Guha,J.Yang,A.Pawlikiewicz,T.Gla
tfelter,R.Ross,and S.R.Ovshinsky,Conf.Rec.20th IEE
E Photovoltaic Specialists Conference-1988 pp.79, (7) "Numerical modeling of multijunction,amorp
hous silicon based P-I-N solar cells", A.H.Pawliki
ewicz and S.Guha,Conf.Rec.20th IEEE Photovoltaic S
pecialists Conference-1988 pp.251,等が報告されてい
る。
【0004】このような従来技術の光起電力素子ではp
/i、i/n界面近傍での光励起キャリアーの再結合を
防止する目的、開放電圧を上げる目的、及ぶ正孔のキャ
リアーレンジを向上させる目的で前記界面にバンドギャ
ップが変化している層を挿入している。
【0005】また多結晶シリコン基板上に形成されたp
n接合と、非晶質シリコンから構成されたpin接合を
積層した光起電力素子が報告されている。例えば、 (8) "Amorphous Si/Polycrystalline Si Stacked S
olar Cell Having MoreThan 12% Convoersion efficien
cy", Koji.Okuda,Hiroaki.Okamoto and Yoshihiro.Hama
kawa,Japanese Journal of Physics Vol.22 No.9 Sep.
1983 pp.L605. (9) "Device Physics and Optimum Design of a-Si
/poly Si Tandem SolarCells", H.Takakura,K.Miyagi,
H.Okamoto,Y.Hamakawa,Proceedings of 4th Internatin
al Photovoltaic Science and Engineering Conference
1989 pp.403. 等がある。
【0006】またドーピング層に周期律表第III族元
素を主構成元素とする層と、シリコンと炭素を主構成元
素とする層を積層した光起電力素子が報告されている。
例えば、 (10) "Characterization of δ-Doped a-SiC p-La
yer Prepared by Trimethylboron and Triethylboron a
nd its Appiication to Solar Cells",K.Higuchi,K.Tab
uchi,S.Yamanaka,M.Konagai and K.Takahashi,Proceedi
ngs of 5th Internatinal Photovoltaic Science and E
ngineering Conference 1990 pp-529. (11) "High Efficiency Amorphous Siiicon Solar
Cells with "Delta-Doped" P-Layer",Y.Kazama,K.Sek
i,W.Y.Kim,S.Yamanaka,M.Konagai and K.Takahashi,Jap
anese Journal of Applied Physics, Vol.28 No.7 July
l989 pp.1160-1164. (12) "High Efficiency Delta-Doped Amorphous S
ilicon Solar Cells Prepared by Photochemical Vapor
Deposition",K.Higuchi,K.Tabuchi,K.S.Lim,M.Konagai
and K.Takahashi,Japanese Journal of Applied Physi
cs Vol.30 No.8 August 1991 pp.1635-1640. (13) "High Efficiency Amorphous Silicon Solar
Cells with "Delta-Doped"P-Layer", A.Shibata,Y.Kaz
ama,K.seki,W.Y.Kim,S.Yamanaka,M.Konagai andK .Taka
hashi,Conf.Rec.20th IEEE Photovoltaic .Specialists
Conference-1988 pp.317,などがある。
【0007】従来のシリコン原子とゲルマニウム原子を
含有しバンドギャップが変化している光起電力素子は、
光励起キャリアーの再結合、開放電圧、及び正孔のキャ
リアーレンジについて更なる向上が望まれている。
【0008】更に従来のシリコン原子とゲルマニウム原
子を含有しバンドギャップが変化している光起電力素子
においても、900nm以上の長波長感度が悪く、更な
る向上が望まれている。
【0009】また従来のシリコン原子とゲルマニウム原
子を含有しバンドギャップが変化している光起電力素子
は、光起電力素子に光を照射した場合、変換効率が低下
するという問題点があった。
【0010】更に従来のシリコン原子とゲルマニウム原
子を含有しバンドギャップが変化している光起電力素子
はi層中に歪があり、振動等があるところでアニーリン
グされると光電変換効率が低下するという問題点があっ
た。
【0011】更に従来のpin/pn積層型の光起電力
素子では、開放電圧が小さいという問題点があった。
【0012】また従来のpin/pn積層型の光起電力
素子では、光起電力素子に光を照射した場合、変換効率
が低下するという問題点があった。
【0013】また従来のpin/pn積層型の光起電力
素子はi層中に歪があり振動等があるところでアニーリ
ングされると光電変換効率が低下するという問題点があ
った。
【0014】またドーピング層が積層構造になっている
従来の光起電力素子では、光起電力素子に光を照射した
場合、変換効率が低下するという問題点があった。
【0015】またドーピング層が積層構造になっている
従来の光起電力素子は積層構造中に歪があり振動等があ
るところでアニーリングされると光電変換効率が低下す
るという問題点があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決する光起電力素子を提供することを目的とし
ている。即ち、本発明は、光励起キャリアー再結合を防
止し、開放電圧及び正孔のキャリアーレンジを向上した
光起電力素子を提供することを目的としている。また、
本発明は、光起電力素子に光を照射した場合に変換効率
が低下しにくい光起電力素子を提供することを目的とし
ている。
【0017】更に本発明は、長期間振動下でアニーリン
グした場合に光電変換効率が低下しにくい光起電力素子
を提供することを目的としている。
【0018】更に本発明は、短波長感度、長波長感度を
向上させ、短絡電流の向上させた光起電力素子を提供す
ることを目的としている。
【0019】また更に加えて、本発明は上記目的を達成
した光起電力素子を利用したシステムを提供することを
目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するために見いだされた本発明の光起電力素子は、多
結晶シリコンまたは単結晶シリコンからなるn型基板ま
たはp型基板上に、微結晶シリコンまたは多結晶シリコ
ンまたは単結晶シリコンからなる第1のp型層または第
1のn型層(但し、基板と反対導電型とする)、非単結
晶半導体材料からなるn型層またはp型層(但し、基板
と同一導電型とする)、非単結晶半導体材料からなるi
型層、及び非単結晶半導体材料からなる第2のp型層ま
たは第2のn型層(但し、基板と反対導電型とする)が
順次積層された光起電力素子において、前記i型層はシ
リコン原子とゲルマニウム原子を含有し、且つドナーと
なる価電子制御剤とアクセプターとなる価電子制御剤が
共にドーピングされたi型層であって、層厚方向にバン
ドギャップがなめらかに変化し、バンドギャップの極小
値の位置が層厚の中央の位置より前記第2のp型層側ま
たはp型層側に片寄っていることを特徴とする。
【0021】該光起電力素子において、前記第2のp型
層(または第2のn型層)、n型層(またはp型層)及
び第1のp型層(または第1のn型層)の内少なくとも
一つの層は、シリコン原子を主構成元素とし価電子制御
剤として周期律第III族元素または第V族元素または
第VI元素を含有する層(A層)と、周期律第III族
元素または第V族元素または第VI元素を主構成元素と
する層(B層)と、の積層構造とするのが好ましい。
【0022】更に本発明の光起電力素子の望ましい形態
としては、前記アクセプターとなる価電子制御剤が周期
律表第III族元素、ドナーとなる価電子制御剤が周期
律表第V族元素または/及び第VI族元素とする光起電
力素子である。
【0023】本発明の他の光起電力素子は、多結晶シリ
コンまたは単結晶シリコンからなるn型基板またはp型
基板上に、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンまたは
単結晶シリコンからなる第1のp型層または第1のn型
層(但し、基板と反対導電型とする)、非単結晶半導体
材料からなるn型層またはp型層(但し、基板と同一導
電型とする)、非単結晶半導体材料からなるi型層、及
び非単結晶半導体材料からなる第2のp型層または第2
のn型層(但し、基板と反対導電型とする)が順次積層
された光起電力素子において、前記i型層はシリコン原
子とゲルマニウム原子を含有し、層厚方向にバンドギャ
ップがなめらかに変化し、バンドギャップの極小値の位
置が層厚の中央の位置より前記第2のp型層またはp型
層側に片寄っているi型層であり、且つ前記第2のp型
層または第2のn型層、n型層またはp型層、第1のp
型層または第1のn型層の内少なくとも一つの層は、シ
リコン原子を主構成元素とし価電子制御剤として周期律
第III族元素または第V族元素または第VI元素を含
有する層(A層)と、周期律第III族元素または第V
族元素または第VI元素を主構成元素とする層(B層)
と、の積層構造であることを特徴とする。
【0024】本発明の光起電力素子の好ましい形態は、
前記A層が、炭素、酸素、窒素の内少なくとも1つを含
有する光起電力素子である。
【0025】また本発明の光起電力素子の望ましい形態
としては、前記i型層の2つの界面の内少なくとも一方
の界面で、前記i型層のバンドギャップの最大値があっ
て、該バンドギャップ最大値の領域が1〜30nmであ
る光起電力素子である。
【0026】また更に本発明の光起電力素子の望まし形
態としては、前記i型層に炭素原子または/及び酸素原
子または/及び窒素原子が含有されている光起電力素子
である。
【0027】加えて本発明の光起電力素子の望ましい形
態としては、前記i型層に含有される水素含有量がシリ
コン原子の含有量に対応して変化している光起電力素子
である。
【0028】本発明の光起電力素子の製造方法は、内圧
50mTorr以下の真空度で、堆積膜堆積用の原料ガ
スをマイクロ波エネルギーで分解し、該原料ガスを10
0%分解するのに必要なマイクロ波エネルギーより低い
マイクロ波エネルギーを前記原料ガスに作用させ、且つ
同時に該マイクロ波エネルギーより高いRFエネルギー
を前記原料ガスに作用させることを特徴としている。
【0029】本発明の光起電力素子を利用したシステム
は、本発明の光起電力素子と、該光起電力素子の電圧及
び/または電流をモニターし蓄電池及び/または外部負
荷への前記光起電力素子からの電力の供給を制御する制
御システムと、前記光起電力素子からの電力の蓄積及び
/または外部負荷への電力の供給を行う蓄電池と、から
構成されていることを特徴としている。
【0030】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に
説明する。
【0031】図1(a)は本発明の光起電力素子の模式
的説明図である。図1(a)において、本発明の光起電
力素子は裏面電極101、n型シリコン基板102、第
1のp型層103、n型層104、i型層105、第2
のp型層106、透明電極107、及び集電電極108
等から構成されている。図中、n型基板と第1のp型層
の界面を「p/基板界面」、第1のp型層とn型層の界
面を「n/p界面」、n型層とi型層の界面を「i/n
界面」、i型層と第2のp型層の界面を「p/i界面」
と呼ぶことにする。
【0032】図1(b)は本発明の光起電力素子の他の
模式的説明図である。図1(b)において、本発明の光
起電力素子は裏面電極121、p型シリコン基板12
2、第1のn型層123、p型層124、i型層12
5、第2のn型層126、透明電極127、及び集電電
極128等から構成されている。図中、p型基板と第1
のn型層の界面を「n/基板界面」、第1のn型層とp
型層の界面を「p/n界面」、p型層とi型層の界面を
「i/p界面」、i型層と第2のn型層の界面を「n/
i界面」と呼ぶことにする。
【0033】図2から図5までは、本発明の光起電力素
子(図1(a))のバンドギッャプの変化の例の模式的
説明図である。この図はバンドギャップの1/2(Eg
/2)を基準にi型層内のバンドギャップの変化を示し
ている。図において左側がi/n界面側で、右側がp/
i界面側である。
【0034】本発明においてはi型層のバンドギャップ
最小の位置がp/i界面側に片寄っているために、i型
層のp/i界面側で伝導帯の電界が大きく、従って電子
と正孔の分離が効率よく行われ、電子と正孔の再結合を
減少されることができる。またi型層において、i/n
界面に向かって、価電子帯の電界が大きくなっているこ
とによって、i/n界面の近傍で光励起された電子と正
孔の再結合を減少させることができる。
【0035】更に、i型層中にドナーとなる価電子制御
剤とアクセプターとなる価電子制御剤をともに添加する
ことによって電子と正孔のキャリアーレンジを長くする
ことができる。特にバンドギャップが最小値のところで
価電子制御剤を比較的多く含有させることによって電子
と正孔のキャリアーレンジを効果的に長くすることがで
きる。その結果、前記p/i界面近傍の高電界及びi/
n界面近傍の高電解を更に有効に利用することができて
i型層中で光励起された電子と正孔の収集効率を格段に
向上させることができる。またp/i界面近傍及びi/
n界面近傍において欠陥準位(いわゆるD- 、D+ )が
価電子制御剤で補償されることによって欠陥準位を介し
たホッピング伝導による暗電流(逆バイアス時)が減少
する。
【0036】加えてi型層内部にドナーとなる価電子制
御剤とアクセプターとなる価電子制御剤をともに含有さ
せることによって光劣化に対する耐久性が増加する。そ
のメカニズムの詳細は不明であるが、一般に光照射によ
って生成した未結合手がキャリアーの再結合中心になり
光起電力素子の特性が劣化するものと考えられている。
そして本発明の場合、i型層内にドナーとなる価電子制
御剤とアクセプターとなる価電子制御剤の両方が含有さ
れ、それらは100%活性化していない。その結果光照
射によって未結合手が生成したとしても、それらが活性
化していない価電子制御剤と反応して未結合手を補償す
るものと考えられる。
【0037】また特に光起電力素子に照射される光強度
が弱い場合にも、欠陥準位が価電子制御剤によって補償
されているため光励起された電子と正孔がトラップさせ
る確立が減少する。また前記したように逆バイアス時の
暗電流が少ないために十分な起電力を生じることができ
る。その結果光起電力素子への照射光強度が弱い場合に
おいても優れた光電変換効率を示すものである。
【0038】加えて本発明の光起電力素子は、長期間振
動下でアニーリングした場合においても光電変換効率が
低下しにくいものである。この詳細なメカニズムは不明
であるが、バンドギャップを連続的に変えるために構成
元素も変化させて光起電力素子を形成する。そのため光
起電力素子内部に歪が蓄積される。即ち光起電力素子内
部に弱い結合が多く存在することになる。そして振動に
よってi型層中の弱い結合が切れて未結合手が形成され
る。しかしドナーとなる価電子制御剤とアクセプターと
なる価電子制御剤とを共に添加することで、局所的な柔
軟性が増し、長期間の振動によるアニーリングにおいて
も光起電力素子の光電変換効率の低下を抑制することが
できるものと考えられる。
【0039】また更に微結晶または多結晶または単結晶
シリコン半導体層からなるpn構造の上に、前記シリコ
ン原子とゲルマニウム原子を主構成原子とし価電子制御
剤を含有するi型層等からなるpin構造とを積層する
ことによって、特に短波長光、長波長光に対する感度が
向上し、短絡電流が向上し、さらに開放電圧が向上する
ものである。
【0040】更に該pn接合上に形成される非単結晶材
料からなるn(p)型層は下地の層が微結晶または多結
晶または単結晶シリコン半導体材料から構成されている
ために、容易に微結晶化、あるいは多結晶化できるた
め、開放電圧、あるいは短絡光電流を向上させることが
できる。
【0041】また上記、微結晶シリコン、または多結晶
シリコン半導体層材料からなるn(p)型層の上に、前
記シリコン原子とゲルマニウム原子を主構成原子とし価
電子制御剤を含有するi型を積層することによって、i
型層の緻密さが向上し、特に光を長時間照射したときの
光電変換効率の低下(光劣化)を減少させることがで
き、さらに長時間の振動によるアニーリングにおいても
光電変換効率の低下を抑制することができる。
【0042】更に該pn接合上に前記シリコン原子とゲ
ルマニウム原子を主構成原子とし価電子制御剤を含有す
るi型層等からなるpin構造を積層する前に水素プラ
ズマ処理することによって、結晶粒界の欠陥に水素原子
が結合して欠陥を補償することや、結晶粒界近傍の原子
の緩和が進み欠陥準位を減少させることができ、該pn
接合上に前記シリコン原子とゲルマニウム原子を主構成
元素とするi型層等からなるpin構造を積層した場合
の光起電力素子の光電変換効率が向上するものである。
加えて該pn積層構造の金属電極の接触面及びpin構
造の接触面は、縮退した半導体層を設けることによって
より多くの電流と起電力を得ることができるものであ
る。
【0043】図2(a)の例はバンドギャップ最小の位
置がp/i界面の近くにあり、且つバンドギャップの最
大値はp/i界面とi/n界面に接してあるように構成
されているものである。図2(b)においては図2
(a)と同じようにバンドギャップの最小値はp/i界
面寄りにあるが、バンドギャップの最大値はp/i界面
に接してあるように構成されたものである。図2(b)
のバンドギャップ構成にすることによって特に開放電圧
を上げることができるものである。
【0044】図3(a)から図5まではp/i界面近傍
または/及びi/n界面近傍のi型層内にバンドギャッ
プが一定の領域のある光起電力素子のバンドギャップの
変化の模式的説明図である。各図はEg/2を基準にバ
ンドギャップの変化を描いたものであり、バンド図の左
側のi/n界面、及び右側がp/i界面である。図3
(a)はp/i界面近傍のi型層中にバンドギャップの
一定な領域312があり、バンドギャップがi/n界面
側からp/i界面に向かって減少している領域311の
ある例である。そしてバンドギャップの最小値が領域3
12と領域311の界面にあるものである。また領域3
11と領域312の間のバンドの接合は、バンドが不連
続に接続されているものである。このようにバンドギャ
ップが一定な領域をもうけることによって光起電力素子
の逆バイアス時の欠陥準位を介したホッピング伝導によ
る暗電流を極力押さえることができるものである。その
結果光起電力素子の開放電圧が増加するものである。ま
たバンドギャップが一定の領域312の層厚は非常に重
要な因子であって好ましい層厚の範囲は1から30nm
である。バンドギャップが一定の領域の層厚が1nmよ
り薄い場合、欠陥準位を介したホッピング伝導による暗
電流を抑えることができず、光起電力素子の開放電圧の
向上が望めなくなるものである。一方バンドギャップが
一定の領域の層厚が、30nmより厚い場合では、バン
ドギャップ一定の領域312とバンドギャップが変化し
ている領域311の界面近傍に光励起された正孔が蓄積
され易くなるため、光励起されたキャリアーの収集効率
が減少する。即ち短絡光電流が減少するものである。
【0045】図3(b)はi型層のp/i界面近傍にバ
ンドギャップ一定の領域322をもうけ、またバンドギ
ャップが変化している領域321のi/n界面近傍は、
バンドギャップが領域322と等しくなっている例であ
る。
【0046】図3(c)はp/i界面近傍、及びi/n
界面近傍のi型層にバンドギャップ一定の領域332、
333を設けたものである。p/i界面近傍、及びi/
n界面近傍のi型層にバンドギャップ一定の領域をもう
けることによって、光起電力素子に逆バイアスを印加し
た場合に、より一層暗電流が減少し光起電力素子の開放
電圧が大きくなるものである。
【0047】図4から図5まではp/i界面近傍、また
は/及びi/n界面近傍のi型層にバンドギャップ一定
の領域を有し、且つp/i界面またはi/n界面方向に
バンドギャップが急激に変化している領域を有する本発
明の光起電力素子の例である。
【0048】図4(a)は、p/i界面近傍、及びi/
n界面近傍のi型層にバンドギャップ一定の領域34
2、343を有し、またバンドギャップが変化している
領域341があって、領域341はバンドギャップ最小
の位置がp/i界面側に片寄っていて、領域341のバ
ンドギャップと領域342、343のバンドギャップが
連続されている例である。バンドギャップを連続するこ
とによってi型層のバンドギャップが変化している領域
で光励起された電子と正孔を効率よくn型層及びp型層
にそれぞれ収集することができる。また特にバンドギャ
ップ一定の領域342、343が5nm以下の薄い場合
に、i型層のバンドギャップが急激に変化している領域
は、光起電力素子に逆バイアスを印加した場合の暗電流
を減少させることができ、従って光起電力素子の開放電
圧を大きくすることができるものである。 図4(b)
は、バンドギャップが変化している領域351がバンド
ギャップ一定の領域352、353と不連続で比較的緩
やかに接続されている例である。しかしバンドギャップ
一定の領域とバンドギャップが変化している領域でバン
ドギャップが広がる方向で緩やかに接続しているので、
バンドギャップが変化している領域で光励起されたキャ
リアーは効率よくバンドギャップ一定の領域に注入され
る。その結果光励起キャリアーの収集効率は大きくなる
ものである。
【0049】バンドギャップが一定の領域とバンドギャ
ップが変化している領域とを連続に接続するか不連続に
接続するかは、バンドギャップ一定の領域及びバンドギ
ャップが急激に変化している領域との層厚に依存するも
のである。バンドギャップ一定の領域が5nm以下で薄
くかつバンドギャップが急激に変化している領域の層厚
が10nm以下の場合にはバンドギャップ一定の領域と
バンドギャップが変化している領域とが連続して接続さ
れている方が、光起電力素子の光電変換効率は大きくな
り、一方バンドギャップ一定の領域の層厚が5nm以上
厚く、且つバンドギャップが急激に変化している領域の
層厚が10から30nmの場合にはバンドギャップが一
定の領域とバンドギャップが変化している領域とが不連
続に接続している方が光起電力素子の変換効率は向上す
るものである。
【0050】図4(c)は、バンドギャップが一定の領
域とバンドギャップが変化している領域とが2段階で接
続している例である。またバンドギャップが極小の位置
がp/i界面寄りにある例である。バンドギャップが極
小の位置から緩やかにバンドギャップを広げる段階と急
激に広げる段階とを経てバンドギャップの広い一定の領
域362に接続することによって、バンドギャップが変
化している領域361で光励起されたキャリアーを効率
よく収集できるものである。また図4(c)においては
i/n界面近傍のi型層に、i/n界面に向かってバン
ドギャップが急激に変化している領域を有するものであ
る。
【0051】図5は、p/i界面近傍、及びi/n界面
近傍の両方のi型層にバンドギャップ一定の領域を有
し、且つp/i界面近傍のバンドギャップ一定の領域3
72にはバンドギャップ変化領域371から2段階のバ
ンドギャップの変化を経て接続され、i/n界面のバン
ドギャップ一定の領域373には急激なバンドギャップ
の変化で接続されている例である。
【0052】上記のようにバンドギャップ一定の領域と
バンドギャップの変化している領域とが構成元素の類似
した状態で接続することによって内部歪を減少させるこ
とができる。その結果長期間振動下でアニーリングして
もi型層の弱い接合が切断されて欠陥準位が増加して光
電気の変換効率が低下するという減少が生じ難くなり、
高い光電変換効率を維持することができるものである。
【0053】また価電子制御剤をi型層に含有させるこ
とによってi型層中のキャリアーのキャリアーレンジを
大きくすることができるためキャリアーの収集効率を大
きくすることができる。特に価電子制御剤をバンドギャ
ップの変化に対応させてバンドギャップの狭いところで
多くバンドギャップの広いところで少なくすることによ
って更に光励起キャリアーの収集効率を大きくすること
ができるものである。本発明においてシリコン原子とゲ
ルマニウム原子を含有するi型層のバンドギャップ極小
値の好ましい埴は、照射光スペクトルにより種々選択さ
れるものではあるが、1.3〜1.6eVが望ましいも
のである。
【0054】また本発明のバンドギャップが連続的に変
化している光起電力素子において、価電子帯のテイルス
テイトの傾きは、光起電力素子の特性を左右する重要な
因子であってバンドギャップの極小値のところのテイル
ステイトの傾きからバンドギャップ最大のところのテイ
ルテイトの傾きまでなめらかに連続していることが好ま
しいものである。
【0055】以上、pin/pn構造の光起電力素子に
ついて説明したが、nip/np構造やpinpin/
pn構造やnipnip/np構造やpinpinpi
n/pn構造やnipnipnip/np構造等やpi
n構造やnipを積層した光起電力素子についても適用
できるものである。
【0056】図6は本発明の光起電力素子の堆積膜形成
を行うのに適した製造装置の模式的説明図である。該製
造装置は、堆積室401、真空計402、RF電源40
3、基板404、加熱ヒーター405、コンダクタンス
バルブ407、補助バルブ408、リークバルブ40
9、RF電極410、ガス導入管411、マイクロ波導
波部412、誘電体窓413、シャッター415、原料
ガス供給装置2000、マスフローコントローラー20
11〜2018、バルブ2001〜2008、2021
〜2028、圧力調整器2031〜2038、原料ガス
ボンベ2041〜2048等から構成されている。
【0057】本発明の堆積方法に於けるマイクロ波プラ
ズマCVD法の堆積メカニズムの詳細は不明であるが、
つぎのように考えられる。
【0058】原料ガスを100%分解するに必要なマイ
クロ波エネルギーより低いマイクロ波エネルギーを前記
原料ガスに作用させ、高いRFエネルギーをマイクロ波
エネルギーと同時に前記原料ガスに作用させることによ
って、堆積膜を形成するに適した活性種を選択できるも
のと考えられる。更に原料ガスを分解するときの堆積室
内の内圧が50mTorr以下の状態では良質な堆積膜
を形成するに適した活性種の平均自由工程が充分に長い
ために気相反応が極力抑えられると考えられる。そして
また堆積室内の内圧が50mTorr以下の状態ではR
Fエネルギーは、原料ガスの分解にほとんど影響を与え
ず、堆積室内のプラズマと基板の間の電位を制御してい
るものと考えられる。即ちマイクロ波プラズマCVD法
の場合、プラズマと基板の間の電位差は小さいが、RF
エネルギーをマイクロ波エネルギーと同時に投入するこ
とによってプラズマと基板の間の電位差(プラズマ側が
+で、基板側が−)を大きくすることができる。このよ
うにプラズマ電位が基板に対してプラスで高いことによ
って、マイクロ波エネルギーで分解した活性種が基板上
に堆積し、同時にプラズマ電位で加速された+イオンが
基板上に衝突し基板表面での緩和反応が促進され良質な
堆積膜が得られるものと考えられる。
【0059】特にこの効果は堆積速度が数nm/sec
以上のときに効果が顕著になるものである。
【0060】更にRFはDCと違って周波数が高いため
電離したイオンと電子の分布によってプラズマの電位と
基板の電位の差が決まってくる。すなわちイオンと電子
のシナジティクによって基板とプラズマの電位差が決ま
ってくるものである。従って堆積室内でスパークが起こ
りにくいという効果がある。その結果安定したグロー放
電を10時間以上の長時間に及び維持することができる
ものである。
【0061】また加えて、バンドギャップを変化させた
層を堆積させることにおいて、原料ガスの流量及び流量
比が経時的または空間的に変化するため、DCの場合D
C電圧を経時的または空間的に適宜変化させる必要があ
る。ところが本発明の堆積膜形成方法においては、原料
ガスの流量及び流量比の経時的または空間的な変化によ
ってイオンの割合が変化する。それに対応してRFのセ
ルフバイアスが自動的に変化する。その結果RFをRF
電極に印加して原料ガス流量及び原料ガス流量比を変え
た場合、DCバイアスの場合と比較して放電が非常に安
定するものである。
【0062】更に加えて本発明の堆積膜形成方法におい
て、i型層内のバンドギャップの変化を得るためには、
層形成中にシリコン原子含有ガスとゲルマニウム含有ガ
スとの流量比を時間的に変化させることが有効であり、
その際、堆積室から5m以下の距離のところで上記のガ
スを混合することが好ましいものである。5mより離れ
て前記原料ガスを混合すると、所望のバンドギャップ変
化に対応してマスフローコントローラーと制御しても原
料ガスの混合位置が離れているために原料ガスの変化に
遅れや原料ガスの相互拡散が起こり、所望のバンドギャ
ップに対してズレが生じる。即ち原料ガスの混合位置が
離れすぎているとバンドギャップの制御性が低下するも
のである。
【0063】また、i型層中に含有される水素含有量を
層厚方向に変化させるには、本発明の堆積膜形成方法に
おいて、水素含有量を多くしたいところでRF電極に印
加するRFエネルギーを大きくし、水素含有量を少なく
したいところでRF電極に印加するRFエネルギーを小
さくすれば良い。詳細なメカニズムに関しては依然、不
明であるが、RF電極に印加するRFエネルギーを増や
すと、プラズマ電位が上昇し、水素イオンが基板に向か
って、より加速されるためにi型層中により多くの水素
原子が含有されるものと考えられる。
【0064】更に、RFエネルギーと同時にDCエネル
ギーを印加する場合においては、水素原子の含有量を多
くしたいところでRF電極に印加するDC電圧を+極性
で大きな電圧を印加すれば良く、水素含有量を少なくし
たいときには、RF電極に印加するDC電圧を+極性で
小さな電圧に印加すれば良い。詳細なメカニズムに関し
ては依然、不明であるが、RF電極に印加するDCエネ
ルギーを増やすと、プラズマ電位が上昇し、水素イオン
が基板に向かって、より加速されるためにi型層中によ
り多くの水素原子が含有されるものと考えられる。
【0065】また更に、i型層中に含有される水素含有
量を層厚方向に変化させる別な方法としては、本発明の
堆積膜形成方法において、シリコン原子含有のガスとし
て、ハロゲン原子(X)を含有する上記のガス(例え
ば、SiX4 ,Si2 6 ,SiHN 4-N ,Si2
N 6-N ,等)と、ハロゲン原子を含有しない上記のガ
ス(例えば、SiH4 ,Si2 6 ,Si3 8,Si
4 ,SiHD3 ,SiH2 2 ,SiH3 D,SiD
3 H,Si2 3 3 等)とを混合してi型層を形成す
る方法もある。水素含有量を少なくしたいところでは全
シリコン原子含有のガスに帯するハロゲン原子(X)と
シリコン原子を両方含有するガスの割合(Y)を多く
し、水素含有量を少なくしたいところでは割合(Y)を
小さくすれば良い。詳細なメカニズムに関しては依然、
不明であるが、フッ素原子を含有する上記のガスを堆積
室により多く流すと、プラズマ中にマイクロ波によって
励起されたフッ素系ラジカルの量が増え、フッ素系ラジ
カルのフッ素原子とi型層中に依存している水素原子が
置換反応を起こし、i型層内の水素含有量が減少すると
考えられる。
【0066】また更に、i型層中に含有される水素含有
量を層厚方向に変化させる別な方法としては、本発明の
堆積膜形成方法において、堆積室内にハロゲンランプ、
あるいはキセノンランプを設け、i型層形成中にこれら
のランプをフラッシュさせ、基板温度を一時的に上昇さ
せるのである。その際、水素含有量を少なくしたいとこ
ろでは、単位時間当たりのフラッシュ回数を増し、基板
温度を一時的に上昇させ、水素含有量を多くしたいとこ
ろでは、単位時間当たりのフラッシュ回数を少なくする
ことによって、基板温度を一時的に下げれば良い。基板
温度を一時的に上げることによって、i型層表面からの
水素の脱離反応が活性化されものと考えられる。
【0067】本発明の堆積膜形成方法は以下のように行
われるものである。
【0068】まず図6の堆積室401内に堆積膜形成用
の基板404を取り付け堆積室内を10-4Torr以下
に充分に排気する。この排気にはターボ分子ポンプまた
はオイル拡散ポンブが適している。オイル拡散ポンプの
場合はオイルが堆積室に逆拡散しないように堆積室40
1の内圧が10-4Torr以下になったらH2 ,He,
Ar,Ne,Kr,Xe等のガスを堆積室内へ導入する
のがよい。堆積室内の排気を充分に行った後、H2 ,H
e,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスを、堆積室内に導
入する。堆積室内の圧力としては、0.5〜50mTo
rrが最適な範囲である。堆積室内の内圧が安定した
ら、加熱ヒーター405のスイッチを入れ基板を100
〜500℃に加熱する。基板の温度が所定の温度で安定
したらH2,He,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスを
止め堆積膜形成用の原料ガスをガスボンベからマスフロ
ーコントローラーを介して所定の量を堆積室に導入す
る。堆積室内へ導入される堆積膜形成用の原料ガスの供
給量は、堆積室の体積によって適宜決定されるものであ
る。一方堆積膜形成用の原料ガスを堆積室に導入した場
合の堆積室の内圧は本発明の堆積膜形成方法において非
常に重要な因子であり、最適な堆積室内の内圧はマイク
ロ波プラズマ法の場合0.5〜50mTorrである。
また、本発明の堆積膜形成方法において、堆積膜形成用
に堆積室内に投入されるマイクロ波エネルギーは、重要
な因子である。該マイクロ波エネルギーは堆積室内に導
入される原料ガスの流量によって適宜決定されるもので
あるが、前記原料ガスを100%分解するに必要なマイ
クロ波エネルギーよりも小さいエネルギーであって、好
ましい範囲としては、0.005〜1W/cm3 であ
る。マイクロ波エネルギーの好ましい周波数の範囲とし
ては0.5〜10GHzが挙げられる。特に2.45G
Hz付近の周波数が適している。また本発明の堆積膜形
成方法によって再現性のある堆積膜を形成するため、及
び数時間から数十時間にわたって堆積膜を形成するため
にはマイクロ波エネルギーの周波数の安定性が非常に重
要である。周波数の変動が±2%以下の範囲であること
が好ましいものである。さらにマイクロ波のリップルも
±2%以下が好ましい範囲である。
【0069】更に本発明の堆積膜形成方法において堆積
室内に前記マイクロ波エネルギーと同時に投入されるR
Fエネルギーは、前記マイクロ波エネルギーとの組み合
わせにおいて非常に重要な因子でありRFエネルギーの
好ましい範囲としては、0.01〜2W/cm3 であ
る。RFエネルギーの好ましい周波数の範囲としては、
1〜100MHzが挙げられる。特に13.56MHz
が最適である。またRFの周波数の変動は±2%以内で
波形はなめらかな波形が好ましいものである。RFエネ
ルギーを供給する場合、RFエネルギー供給用のRF電
極の面積とアースの面積との面積比によって適宜選択さ
れるものではあるが、特にRFエネルギー供給用のRF
電極の面積がアースの面積よりも狭い場合、RFエネル
ギー供給用の電源側のセルフバイアス(DC成分)をア
ースした方が良いものである。更にRFエネルギー供給
用の電源側のセルフバイアス(DC成分)をアースしな
い場合は、RFエネルギー供給用のRF電極の面積をプ
ラズマが接するアースの面積よりも大きくするのが好ま
しいものである。
【0070】このようにマイクロ波エネルギーを導波部
412から誘電体窓413を介して堆積室に導入し、同
時にRFエネルギーをRF電源403からRF電極41
0を介して堆積室に導入する。このような状態で所望の
時間原料ガスを分解し前記基板上に所望の層厚の堆積膜
を形成する。その後マイクロ波エネルギーおよびRFエ
ネルギーの投入を止め、堆積室内を排気し、H2 ,H
e,Ar,Ne,Kr,Xe等のガスで充分パージした
後、堆積した非単結晶半導体膜を堆積室から取り出す。
【0071】また前記RFエネルギーに加えて、前記R
F電極410にDC電圧を印加しても良い。DC電圧の
極性としては前記RF電極がプラスになるように電圧を
印加するのが好ましい方向である。そしてDC電圧の好
ましい範囲としては、10から300V程度である。
【0072】以上のような本発明の堆積膜形成方法にお
いて、原料ガスとして挙げられる化合物としては次のも
のが適している。
【0073】具体的にシリコン原子を含有させるための
ガス化し得る化合物としてはSiH 4 ,Si2 6 ,S
iX4 (X:ハロゲン原子),SiXH3 ,SiX2
2 ,SiX3 H,Si2 6 ,Si3 8 ,SiD4
SIHD3 ,SiH2 2 ,SiH3 D,SiFD3
SiX2 2 ,SiD3 H,Si2 3 3 等(総称し
て化合物(Si)と略記する)が挙げられる。
【0074】具体的にゲルマニウム原子を含有させるた
めのガス化し得る化合物としてはGeH4 ,Ge
2 6 ,GeX4 (X:ハロゲン原子),GeXH3
GeX2 2 ,GeX3 H,Ge2 3 ,Ge3 8
GeD4 ,GeHD3 ,GeH2 2 ,GeH3 D,G
eXD3 ,GeX2 2 ,GeD3 H,Ge2 3 3
等(総称して化合物(Ge)と略記する)が挙げられ
る。
【0075】本発明において非単結晶半導体層の価電子
制御するために非単結晶半導体層に導入される価電子制
御剤としては周期律表第III族原及び第V族原子及び
第VI族原子が挙げられる。
【0076】本発明において第III族原子導入用の出
発物資(総称して化合物(III)と略記する)として
有効に使用されるものとしては、具体的にはホウ素原子
導入用しては、B2 6 ,B4 10,B5 9 ,B5
11,B6 10,B6 12,B 6 16等の水素化ホウ素、
BF3 ,BCl3 ,BBr3 等ハロゲン化ホウ素等を挙
げることができる。このほかにAlCl3 ,Al(CH
3 3 ,GaCl3 ,InCl3 ,TlCl3 等も挙げ
ることができる。
【0077】本発明において、第V族原子導入用の出発
物資(総称して化合物(V)と略記する)として有効に
使用されるのは、具体的には燐原子導入用としてはPH
3 ,P2 4 等の水素化燐、PH4 I,PF3 ,P
5 ,PCl3 ,PCl5 ,PBr3 ,PBr5 ,PI
3 等のハロゲン化燐、P2 5 ,POCl3 等の酸素化
合物が挙げられる。このほかAsH3 ,AsF5 ,As
Cl3 ,AsBr3 ,AsF3 ,SbH3 ,SbF3
SbF5 ,SbCl3 ,SbCl5 ,BiH3 ,BiC
3 ,BiBr3 等も挙げることができる。
【0078】本発明において、第VI族原子導入用の出
発物資( 総称して化合物(VI)と略記する) として有
効に使用されるのは、H2 S,SF4 ,SF6 ,S
2 ,SO2 2 ,COS,CS2 ,H2 Se,SeF
6 ,TeH2 ,TeF6 ,(CH 3 2 Te,(C2
5 2 Te 等が挙げられる。
【0079】非単結晶半導体層に窒素を含有させるため
に導入される窒素含有ガスとしてはN2 ,NH3 ,ND
3 ,NO,NO2 ,N2 O(総称して化合物(N)と略
記する)が挙げられる。
【0080】非単結晶半導体層に酸素を含有させるため
に導入される酸素含有ガスとしてはO2 ,CO,C
2 ,NO,NO2 ,N2 O,CH3 CH2 OH,CH
3 OH(総称して化合物(O)と略記する)が挙げられ
る。
【0081】非単結晶半導体層に炭素を含有させるため
に導入される炭素含有ガスとしてはCH4 ,CD4 ,C
n 2n+2(nは整数),Cn 2n(nは整数),Cn
2n+2(nは整数、X:ハロゲン原子)Cn 2n(nは整
数),C2 2 ,C6 H,CO2 ,CO(総称して化合
物(C)と略記する)が挙げられる。
【0082】以上の化合物はi型層を形成する際、用い
るガスあるいはガス化しうるものとして好適である。
【0083】また前記ガス化し得る化合物をH2
2 ,He,Ne,Ar,Xe.Kr等のガスで適宜希
釈して堆積室に導入しても良い。特に前記ガス化し得る
化合物を希釈するのに最適なガスとしてはH2 ,D2
Heが挙げられる。
【0084】本発明の光起電力素子におけるドーピング
層の積層構造は、シリコン原子を主構成元素とし価電子
制御剤として周期律表第III族元素または第V族元素
または第VI族元素を含有する層(A層)と、周期律表
第III族元素または第V族元素または第VI族元素を
主構成元素とする層(B層)とから構成される。またA
層はその主構成元素が炭素、酸素、窒素の中から選ばれ
た少なくともひとつの元素と、シリコンであってもよ
い。
【0085】ドーピング層に本発明の積層構造を用いる
ことにより、ド−ピング層のドナー濃度、あるいはアク
セプタ一濃度を従来のものより向上させ、光起電力素子
の開放電圧を上げることができる。さらにはA層に高濃
度にはドーピングしていない(ライトドープ)材料で、
かつ光の吸収係数の小さい材料を用いることによって、
i型層またはpn接合部により多くの光を入射すること
ができるため、光起電力素子の短絡光電流を向上させる
ことができる。
【0086】さらに本発明の積層構造を有する光起電力
素子は振動等の長時間のアニーリングに対しても光電変
換効率の低下をかなり抑制できるものである。その詳細
なるメカニズムは依然、不明であるが以下のように考え
られる。積層構造内部では構成元素が急激に変化してい
るために歪や応力が発生し易くなるが、A層に炭素また
は/及び酸素または/及び窒素を含有させることによ
り、発生した歪、応力をA層内部で緩和し、従って振動
等の長時間のアニーリングに対しても光電変換効率の低
下を抑制できる考えられる。
【0087】さらに本発明の積層構造を有する光起電力
素子は長時間光を照射した場合にも光電変換効率の低下
をかなり抑制できるものである。その詳細なるメカニズ
ムは依然、不明であるが以下のように考えられる。長時
間光を照射した場合にA層内部でダングリングボンドが
発生するが、A層に含有されている価電子制御剤の一部
は不活性で、発生したダングリングボンドを補償するた
めに、光劣化を抑制できると考えられる。
【0088】A層は非晶質材料(a−と表示する)また
は微結晶材料(μc−と表示する)または多結晶材料
(poly−と表示する)または単結晶材料(c−と表
示する〕から構成される。
【0089】非晶質材料としては、例えば、a−Si:
H、a−Si:HX、a−SiC:H、a−SiC:H
X、a−SiO:H、a−SiO:HX、a−SiN:
H、a−SiN:HX、a−SiON:H、a−SiO
N:HX、a−SiOCN:H、a−SiOCN:H
X、(X:ハロゲン原子)等が挙げられる。微結晶材料
としては、例えば、μc−Si:H、μc−SiC:
H、μc−Si:HX、μc−SiC:HX、μc−S
iO:H、μc−SiN:H、μc−SiON:HX、
μc−SiOCN:HX、等が挙げられる。多結晶材料
としては、例えばpοly−Si:H、poly−S
i:HX、poly−SiC:H、poly−SiC:
HX、poly−Si、poly−SiC、等が挙げら
れる。単結晶材料としては、例えば、c−Si、c−S
iC、等が挙げられる。
【0090】n(p)型層、第2のp(n)型層を積層
構造にする場合にはA層として、短波長光の吸収係数の
小さい、微結晶材料、多結晶材料、単結晶材料が好適に
使用される。
【0091】p型のA層を形成するには、これらの材料
にp型の価電子制御剤(周期律表第III族原子B、A
l、Ga、In、Tl)を添加させ、n型のA層を形成
するには、n型の価電子制御剤(周期律表第V族原子
P、As、Sb、Biまたは/及び周期律表第VI族原
子S、Se、Te)を添加させる。
【0092】p型のA層への周期律表第III族原子の
添加量、あるいはn型のA層への周期律表第V属原子、
第VI族原子の添加量は10〜10000ppmが最適
量として挙げられる。
【0093】また、A型層が微結晶材料、あるいは多結
晶材料で構成されている場合、A層に含有される水素原
子(H、D)またはハロゲン原子はA層の末結合手を補
償する働きをし、ドーピング効率を向上させるものであ
る。A層へ添加される水素原子またはハロゲン原子は0
〜10at%が最適量として挙げられる。A層の界面近
傍では水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が多
く分布しているものが好ましい分布形態として挙げら
れ、該界面近傍での水素原子または/及びハロゲン原子
の含有量はバルク内の含有量の1.1〜2.5倍の範囲
が好ましい範囲として挙げられる。このように界面近傍
で水素原子またはハロゲン原子の含有量を多くすること
によって該界面近傍の欠陥準位や層内応力を減少させ、
さらには機械的歪を緩和することができ本発明の光起電
力素子の光起電力や光電流を増加させることができる。
A層の層厚は0.5〜3nmが好ましい。
【0094】A層の形成方法としてはプラズマCVD
法、光CVD法などがあり、特にプラズマCVD法が好
適に使用される。
【0095】これらの方法でA層を形成する場合、原料
ガスとして、以下のガス化し得る化合物、および該化合
物の混合ガスを挙げることができる。
【0096】シリコン原子含有の原料ガスとしては、前
述した化合物(Si)が挙げられる。炭素原子含有の原
料ガスとしては、前述した化合物(C)が挙げられる。
窒素原子含有の原料ガスとしては、前述した化合物
(N)が挙げられる。酸素原子含有の原料ガスとして
は、前述した化合物(O)が挙げられる。
【0097】p型のA層に導入される物質としては周期
律表第III族原子、n型のA層に導入される原子とし
ては第V族原子及び第VI族原子が挙げられる。第II
I族原子導入用の出発物質として有効に使用されるもの
としては、前述した化合物(III)を挙げることがで
き、特にB26,BF3が適しており、これらの化合物
は通常、H2,He、Ar等のガスで所望の濃度に希釈
して高圧ボンベに保管する。
【0098】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
でき、特にPH3、PF3が適しており、これらの化合物
は通常、H2,He、Ar等のガスで所望の濃度に希釈
して高圧ボンベに保管する。第VI族原子導入用の出発
物質として有効に使用されるのは、前述した化合物(V
I)が挙げられ、特にH2Sが適しており、これらの化
合物は通常、H2、He、Ar等のガスで所望の濃度に
希釈して高圧ボンベに保管する。
【0099】A層をプラズマCVD法で形成する場合に
は、RFプラズマCVD法とマイクロ波プラズマCVD
法が好適である。
【0100】RFプラズマCVD法で堆積する場合、容
量結合型のRFプラズマCVD法が適している。
【0101】RFプラズマCVD法で堆積する場合、堆
積室内の基板温度は、l00〜600℃、内圧は、0.
1〜10Torr、RFパワーは、0.01〜1W/c
2、堆積速度は、0.01〜0.1nm/secが最
適条件として挙げられる。
【0102】また前記ガス化し得る化合物をH2,D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。
【0103】特に微結晶、または多結晶、または単結晶
材料からなるのA層を堆積する場合は水素ガスで2〜1
00倍に原料ガスを希釈し、RFパワーは比較的高いパ
ワーを導入するのが好ましいものである。RFの周波数
としては1MHz〜100MHzが適した範囲であり、
特に13.56MHz近傍の周波数が最適である。
【0104】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、マイクロ波プラズマCVD装置は、堆積室に誘電体
窓(アルミナセラミクス、石英、窒化硼素等)413を
介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適してい
る。本発明の堆積膜形成方法も適した堆積方法である
が、更に広い堆積条件で光起電力素子に適用可能な堆積
膜を形成することができる。
【0105】マイクロ波プラズマCVD法で、堆積する
場合、堆積室内の基板温度は100〜600℃、内圧は
0.5〜30mTorr、マイクロ波パワーは0.00
5〜lW/cm3、マイクロ波の周波数は0.5〜10
GHzが好ましい範囲として挙げられる。
【0106】また前記ガス化し得る化合物をH2、D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。
【0107】特に微結晶、または多結晶、または単結晶
材料からなるのA層を堆積する場合は水素ガスで2〜1
00倍に原料ガスを希釈し、マイクロ波パワーは比較的
高いパワーを導入するのが好ましいものである。
【0108】A層を光CVD法で堆積する場合、光源と
しては低圧水銀ランプを用い、基板温度は100〜60
0℃、内圧は0.1〜10Torr、堆積速度は0.0
01〜0.1nm/sec、が最適条件として挙げら
れ、前記ガス化し得る化合物を導入するとともに水銀を
1〜100ppm程度導入しても良い。
【0109】前記化合物(Si)のなかでも、Si
26、Si2n6-n(X:ハロゲン原子)などの高次
シランが好適に使用される。
【0110】また前記ガス化し得る化合物をH2、D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。
【0111】特に微結晶、または多結晶、または単結晶
材料からなるのA層を堆積する場合は水素ガスで2〜1
00倍に原料ガスを希釈して導入するのが好ましいもの
である。
【0112】B層の主構成原子は、p型のA層と積層す
る場合、周期律表第III族原子(例えば、B、Al、
Ga、In、Tlからなり、n型のA層と積層する場
合、周期律表第V族原子(例えば、P、As、Sb、B
i)、または/及び周期律表第VI族原子(例えばS、
Se、Te)からなる。B層の層厚は0.5〜3nmが
好ましい。
【0113】B層の形成方法としてはプラズマCVD
法、光CVD法などが好適に使用される。これらの方法
でB層を形成する場合、以下のガス化し得る化合物、お
よび該化合物の混合ガスを挙げることができる。
【0114】第III族原子導入用の出発物質として有
効に使用されるものとしては、前述した化合物(II
I)を挙げることができ、特にB26,B(CH33
適している。
【0115】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
できる。第VI族原子導入用の出発物質として有効に使
用されるのは、前述した化合物(VI)が挙げられる。
【0116】B層をプラズマCVD法で形成する場合に
は、RFプラズマCVD法とマイクロ波プラズマCVD
法が好適である。
【0117】RFプラズマCVD法で堆積する場合、容
量結合型のRFプラズマCVD法が適している。RFプ
ラズマCVD法で堆積する場合、堆積室内の基板温度
は、100〜600℃、内圧は、0.1〜10Tor
r、RFパワーは、0.1〜2W/cm2、堆積速度
は、0.01〜0.2nm/secが最適条件として挙
げられる。
【0118】また前記ガス化し得る化合物をH2、D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。
【0119】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、マイタロ波プラズマCVD装置は、堆積室に誘電体
窓(アルミナセラミックス、石英、窒化硼素等)413
を介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適してい
る。
【0120】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、堆積室内の基板温度は100〜600℃、内圧は
0.5〜30mTorr、マイクロ波パワーは0.01
〜1W/cm3、マイクロ波の周波数は0.5〜10G
Hzが好ましい範囲として挙げられる。
【0121】また前記ガス化し得る化合物をH2、D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。
【0122】B層を光CVD法で堆積する場合、光源と
しては低圧水銀ランプを用い、基板温度は100〜60
0℃、内圧は0.1〜10Torr、堆積速度は0.0
01〜0.2nm/sec、が最適条件として挙げら
れ、前記ガス化し得る化合物を導入するとともに水銀を
1〜100ppm程度導入しても良い。
【0123】また前記ガス化し得る化合物をH2、D2
He、Ne、Ar、Xe、Kr等のガスで適宜希釈して
堆積室に導入しても良い。
【0124】本発明の光起電力素子に用いる積層構造の
積層形態は、A層から始まってA層で終わることが望ま
しく、例えば、ABA、ABABA、ABABABA等
(AB)nAの積層形態、あるいはAll2,All
223等、(Ann)An+1の積層形態が挙げられる。
しかし第2のp型層に積層構造を用いる場合には、A層
から始まってB層で終わってもよく、例えば、AB、A
BAB、ABABAB等(AB)nの積層形態、あるい
はAll、All22等、(Ann)の積層形態が挙
げられる。
【0125】以下に本発明の光起電力素子の構成をより
詳細に説明する。基板(102,122) 基板は、多結晶シリコン基板、あるいは単結晶シリコン
基板であってもよく、さらには絶縁性材料、または導電
性材料からなる支持体上に多結晶シリコン層、あるいは
単結晶シリコン層を積層したものであっても良い。
【0126】基板として多結晶シリコンを用いる場合、
キャスティング法(最新太陽光発電技術、浜川圭弘 編
著、槙書店)によって作製したインゴットを100〜5
00μm程度の厚さにスライスして使用するか、あるい
はシリコン融液に炭素繊維の網を通過させて作製したリ
ボン状のシリコン多結晶を使用するか、あるいはシリコ
ン融液から直接、多結晶シリコンを引き出しながら徐冷
したものを使用しても良い。いずれの場合においても、
グレインバウンダリーに存在する多くのトラップレベル
を減少させるために、基板温度500〜900℃で水素
雰囲気中でアニーリングしたり、あるいは基板温度30
0〜900℃で、水素プラズマ処理を施したり、あるい
は基板にレーザービームを照射し、アニーリングするこ
とが望ましい。
【0127】基板として単結晶シリコンを用いる場合、
CZ(チョコラルスキー)法によって作製されたインゴ
ットを100〜500μm程度の厚さにスライスして使
用するか、あるいはシリコン融液に炭素繊維の網を通過
させて作製したリボン状態のシリコン単結晶を使用する
か、あるいはシリコン融液から直接単結晶シリコンを引
き出しながら徐例したものを使用しても良い。
【0128】支持体上に多結晶シリコン層、あるいは単
結晶シリコン層を積層する際に用いる導電性支持体とし
ては、例えば、NiCr,ステンレス,Al,Cr,M
o,Au,Nb,Ta,V,Ti,PT,Pb,Sn等
の金属または、これらの合金が挙げられる。
【0129】同様に電気絶縁性支持体としては、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロース
アセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂
のフィルム、またはシート、ガラス、セラミックス、紙
などが挙げられる。これらの絶縁性支持体は、好適には
少なくともその一方の表面を導電処理し、該導電処理さ
れた表面側に多結晶シリコン層、あるいは単結晶シリコ
ン層を設けるのが望ましい。
【0130】たとえばガラスであれば、その表面にNi
Cr,Al,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,T
i,Pt,Pb,In2 3 ,ITO(In23 +S
nO2)等から成る薄膜を設けることによって導電性を
付与し、或いはポリエステルフィルム等の合成樹脂フィ
ルムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,N
i,Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,Tl,
Pt等の金属薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッ
タリング等でその表面に設け、または前記金属でその表
面をラミネート処理して、その表面に導電性を付与す
る。支持体の形状は平滑表面あるいは凹凸表面のシート
状とすることができる。その厚さは所望通りの光起電力
素子を形成し得るように適宜決定するが、光起電力素子
としての柔軟性が要求される場合には、支持体としての
機能が十分発揮される範囲で可能な限り薄くすることが
できる。しかしながら、支持体の製造上および取扱い
上、機械的強度等の点から、通常10μm以上とされ
る。
【0131】これらの支持体の表面状に多結晶シリコン
層を形成するには、プラズマCVD法、熱CVD法、光
CVD法などを用いて非単結晶シリコン層を支持体上に
形成し、そのあと、ヒーター、あるいはレーザー、あつ
いは電子ビームなどで融解して再結晶化する方法があ
る。(SOI構造形成技術、古川静二郎 編著、産業図
書)また支持体上に微細な孔、あるいは突起を設け、こ
れを成長核とし、プラズマCVD法、熱CVD法、光C
VD法で多結晶シリコン層を横方向に成長させる方法も
ある。さらにこれらの方法を併用しても良い。
【0132】入射した光の収集効率を上げるために、板
の表面を凹凸(テクスチャー化)化することが望まし
い。テクスチャー処理を行うためには、90〜130
℃、50〜70%のヒドラジン水溶液に10分程度浸す
か、あるいは90〜110℃、0.5〜3%のNaOH
水溶液に5分程度浸せばよい。第1のp(n)型層(103,123) 第1のp(n)型層は、光起電力素子の特性を左右する
重要な層である。
【0133】第1のp(n)型層は微結晶材料(μc−
と表示する)、または多結晶材料(poly−と表示す
る)、または単結晶材料(c−と表示する)から構成さ
れる。
【0134】微結晶材料としては、例えば、μc−S
i:H,μc−SiC:H,μc−Si:HX,μc−
SiC:HX,μc−SiGe:H,μc−SiO:
H,μc−SiGeC:H,μc−SiN:H,μc−
SiON:HX,μc−SiOCN:HX,等(X:ハ
ロゲン原子)が挙げられる。
【0135】多結晶材料としては、例えば、poly−
Si:H,poly−Si:HX,poly−SiC:
H,poly−SiC:HX,poly−SiGe:
H,poly−Si,poly−SiC,poly−S
iGe等が挙げられる。
【0136】結晶材料としては、例えばc−Si,c−
SiC,c−SiGe等が挙げられる。
【0137】伝導型をp型にするにはp型の価電子制御
剤(周期率表第III族原子B,Al,Ga,In,T
l)を高濃度に添加させる。伝導型をn型にするには、
n型の価電子制御剤(周期率表第V族原子P,As,S
b,Biまたは/及び周期率表第VI族原子 S,S
e,Te)を高濃度に添加させる。
【0138】第1のp型層への周期率表第III族原子
の添加量、あるいは第1のn型層への周期率表第V、V
I族原子の添加量は0.1〜10at%が最適量として
挙げられる。
【0139】また、第1のp(n)型層が微結晶材料、
あるいは多結晶材料で構成されている場合、含有される
水素原子(H,D)またはハロゲン原子はp型層または
n型層の未結合手を補償する働きをし、p型層またはn
型層のドーピング効率を向上させるものである。第1の
p(n)型層へ添加される水素原子またはハロゲン原子
は0〜10at%が最適量として挙げられる。p/基板
界面(n/基板界面)近傍、n/p界面(p/n界面)
近傍で水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が多
く分布しているものが好ましい分布形態として挙げら
れ、該界面基板での水素原子または/及びハロゲン原子
の含有量はバルク内の含有量の1.3〜2.5倍の範囲
が好ましい範囲として挙げられる。このように界面近傍
で水素原子またはハロゲン原子の含有量を多くすること
によって該界面近傍の欠陥準位や層内応力を減少させ、
さらには機械的歪を緩和することができ本発明の光起電
力素子の光起電力や光電流を増加させることができる。
【0140】光起電力素子の第1のp(n)型層の電気
特性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のもの
が好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また
比抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm
以下が最適である。さらに層厚は5〜200nmが好ま
しい。
【0141】第1のp(n)型層の形成方法としては薄
膜層を堆積する方法と、n(p)基板の表面から内部に
不純物を混入させる方法がある。
【0142】薄膜層を形成する方法としてはプラズマC
VD法、熱CVD法、光CVD法などがあり、基板内部
に不純物を混入させる方法としては、ガス拡散法、固相
拡散法、イオン注入法などが用いられ、特にガス拡散
法、プラズマCVD法が好適に使用される。
【0143】プラズマCVD法で第1のp(n)型相を
形成する場合、原料ガスとしては、前述した化合物(S
i)が挙げられる。
【0144】さらにゲルマニウム含有ガスとしては、前
述した化合物(Ge)が挙げられる。
【0145】炭素含有ガスとしては、前述した化合物
(C)が挙げられる。
【0146】窒素含有ガスとしては、前述した化合物
(N)が挙げられる。
【0147】酸素含有ガスとしては、前述した化合物
(O)が挙げられる。
【0148】第III族原子導入用の出発物資として有
効に使用されるものとしては、前述した化合物(II
I)を挙げることができ、特にB2 6 ,BF3 が適し
ており、これらの化合物は通常、H2 ,He,Ar等の
ガスで所望の濃度に希釈して高圧ボンベに保管する。
【0149】第V族原子導入用の出発物資として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
でき、特にPH3 ,PF5 が適しており、これらの化合
物は通常、H2 ,He,Ar等のガスで所望の濃度に希
釈して高圧ボンベに保管する。
【0150】第VI族原子導入用の出発物資として有効
に使用されるのは、前述した化合物(VI)を挙げるこ
とができ、特にH2 Sが適しており、これらの化合物は
通常、H2 ,He,Ar等のガスで所望の濃度に希釈し
て高圧ボンベに保管する。
【0151】第1のp(n)型層をプラズマCVD法で
形成する場合には、RFプラズマCVD法とマイクロ波
プラズマCVD法が好適である。
【0152】RFプラズマCVD法で堆積する場合、容
量結合型のRFプラズマCVD法が適している。RFプ
ラズマCVD法で堆積する場合、堆積室内の基板温度
は、100〜600℃、内圧は、0.1〜10Tor
r、RFパワーは、0.01〜5.0W/cm2 、堆積
速度は、0.01〜3nm/secが最適条件として挙
げられる。
【0153】また前記ガス化し得る化合物をH2 ,H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。
【0154】特に、μc−Si:H,μc−SiC:
H,μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc−S
iO:H,μc−SiN:H,μc−SiON:HX,
μc−SiOCN:HX,poly−Si:H,pol
y−Si:HX,poly−SiC:H,poly−S
iC:HX,poly−Si,poly−SiC等の光
吸収の少ない、バンドギャップの広い層を堆積する場合
は水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、RFパ
ワーは比較的高いパワーを導入するのが好ましいもので
ある。RFの周波数としては1MHz〜100MHzが
適した範囲であり、特に13.56MHz近傍の周波数
が最適である。
【0155】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、マイクロ波プラズマCVD装置は、堆積室に誘電体
窓(アルミナセラミックス、石英、窒化硼素、等)41
3を介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適して
いる。
【0156】マイクロ波プラズマCVD法で、堆積する
場合、堆積室内の基板温度は100〜600℃、内圧は
0.5〜30mTorr、マイクロ波パワーは0.00
5〜1W/cm3 、マイクロ波の周波数は0.5〜10
GHzが好ましい範囲として挙げられる。
【0157】また前記ガス化し得る化合物をH2 ,H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。
【0158】特にμc−Si:H,μc−SiC:H,
μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc−Si
O:H,μc−SiN:H,μc−SiON:HX,μ
c−SiOCN:HX,poly−Si:H,poly
−Si:HX,poly−SiC:H,poly−Si
C:HX,poly−Si,poly−SiC等の光吸
収の少ない、バンドギャップの広い層を堆積する場合は
水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、マイクロ
波パワーは比較的高いパワーを導入するのが好ましいも
のである。
【0159】ガス拡散法で第1のp型層を形成する場
合、n型基板の温度を800〜950℃に設定し、堆積
室内に拡散用ガスを導入し、周期表第V族原子、あるい
は第VI族原子を基板に拡散させる。拡散用ガスとして
は前述した化合物(V)、あるいは化合物(VI)が挙
げられ、特にPOCl3 ,P2 5 が適している。
【0160】イオン注入法で第1のp型層を形成する場
合、周期表第III族原子を高い電界のもとで加速し、
n型基板表面に照射し、第III族原子を基板内部に注
入する。例えば、ホウ素を注入させる場合、1×1015
〜10×1015(個/cm3)の11+ を5〜50ke
V程度の加速電圧で行うと良い。
【0161】イオン注入法で第1のn型層を形成する場
合、周期表第V族原子、あるいは第VI族原子を高い電
界のもとで加速し、n型基板表面に照射し、第V族原
子、あるいは第VI族原子を基板内部に注入する。例え
ば、リンを注入させる場合、0.5〜10×1015(個
/cm3 )の31+ を1〜10KeV程度の加速電圧で
行うと良い。n(p)型層(104、124)及び第2のp(n)型
層(106、126) n(p)型層、第2のp(n)型層は、光起電力素子の
特性を左右する重要な層である。
【0162】非単結晶材料からなるn(p)型層、第2
のp(n)型層としては、非晶質材料(a−と略記す
る)、微結晶材料及び多結晶材料が挙げられる。
【0163】非晶質材料としては、例えばa−Si:
H,a−Si:HX,a−SiC:H,a−SiC:H
X,a−SiGe:H,a−SiGeC:H,a−Si
O:H,a−SiON:HX,a−SiOCN:HX等
が挙げられる。
【0164】微結晶材料としてはμc−Si:H,μc
−SiC:H,μc−Si:HX,μc−SiC:H
X,μc−SiGe:H,μc−SiO:H,μc−S
iGeC:H,μc−SiN:H,μc−SiON:H
X,μc−SiOCN:HX等が挙げられる。
【0165】多結晶材料としては、例えばpoly−S
i:H,poly−Si:HX,poly−SiC:
H,poly−SiC:HX,poly−SiGe:
H,poly−Si,poly−SiC,poly−S
iGe等が挙げられる。
【0166】伝導型をp型にするにはp型の価電子制御
剤(周期率表第III族原子B,Al,Ga,In,T
l)を上記材料中に高濃度に添加する。
【0167】伝導型をn型にするにはn型の価電子制御
剤(周期率表第V族原子P,As,Sb,Bi周期率表
第VI族原子S,Se,Te)を上記材料中に高濃度に
添加する。
【0168】特に、第2のp(n)型層には、光吸収の
少ない微結晶性材料、あるいはバンドギャップの広い非
単結晶質材料、例えば、μc−Si:H,μc−Si
C:H,μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc
−SiO:H,μc−SiN:H,μc−SiON:H
X,μc−SiOCN:HX,poly−Si:H,p
oly−Si:HX,poly−SiC:H,poly
−SiC:HX,poly−Si,poly−SiC,
a−SiC:H,a−SiC:HX,a−SiO:H,
a−SiN:H,a−SiON:HX,a−SiOC
N:HX等が適している。
【0169】p型層、及び第2のp型層の周期率表第I
II族原子の添加量およびn型層、及び第2のn型層へ
の周期率表第V族原子及び第VI族の添加量は0.1〜
50at%が最適量として挙げられる。
【0170】またn(p)型層、第2のp(n)型層に
含有される水素原子(H,D)またはハロゲン原子は未
結合手を補償する働きをし、ドーピング効率を向上させ
るもので、0.1〜40at%が最適量として挙げられ
る。特にn(p)型層、第2のp(n)型層が微結晶材
料、多結晶材料からなる場合、水素原子またはハロゲン
原子は0.1〜10at%が最適量として挙げられる。
更に各界面近傍で水素原子または/及びハロゲン原子の
含有量が多く分布しているものが好ましい分布形態とし
て挙げられ、該界面近傍での水素原子または/及びハロ
ゲン原子の含有量はバルク内の含有量の1.1〜2倍の
範囲が好ましい範囲として挙げられる。このように各界
面近傍で水素原子またはハロゲン原子の含有量を多くす
ることによって該界面近傍の欠陥準位、膜内応力を減少
させ、機械的歪を緩和させることができ、本発明の光起
電力素子の光起電力や光電流を増加させることができ
る。n(p)型層、第2のp(n)型層の電気特性とし
ては活性化エネルギーが0.2eV以下のものが好まし
く、0.1eV以下のものが最適である。また比抵抗と
しては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以下が最
適である。さらにn(p)型層の層厚は1〜100nm
が好ましく、3〜30nmが最適であり、第2のp
(n)型層の層厚は1〜50nmが好ましく、3〜20
nmが最適である。
【0171】n(p)型層、第2のp(n)型層の形成
方法としては、プラズマCVD法、熱CVD法、光CV
D法などが用いられ、特にプラズマCVD法が好適に使
用される。
【0172】プラズマCVD法でn(p)型層、第2の
p(n)型層を形成する場合、原料ガスとしては、前述
した化合物(Si)が挙げられる。
【0173】さらにはゲルマニウム含有ガスとしては、
前述した化合物(Ge)が挙げられる。炭素原子含有ガ
スとしては、前述した化合物(C)が挙げられる。窒素
原子含有ガスとしては、前述した化合物(N)が挙げら
れる。酸素原子含有ガスとしては、前述した化合物
(O)が挙げられる。
【0174】第III族原子導入用の出発物資として有
効に使用されるものとしては、前述した化合物(II
I)を挙げることができる。特にB2 6 ,BF3 が適
している。
【0175】第V族原子導入用の出発物資として有効に
使用されるのは、前述した化合物(V)を挙げることが
できる。特にPH3 ,PF3 ,PF5 が適している。第
VI族原子導入用の出発物資として有効に使用されるの
は、前述した化合物(VI)が挙げられる。
【0176】プラズマCVD法として好適に用いられる
堆積方法は、RFプラズマCVD法とマイクロ波プラズ
マCVD法である。RFプラズマCVD法で堆積する場
合、容量結合型のRFプラズマCVD法が適している。
【0177】RFプラズマCVD法で堆積する場合、堆
積室内の基板温度は、100〜450℃、内圧は、0.
1〜10Torr、RFパワーは、0.01〜5.0W
/cm2 、堆積速度は、0.01〜3nm/secが最
適条件として挙げられる。RFの周波数としては1MH
z〜100MHzが適した範囲であり、特に13.56
MHz近傍の周波数が最適である。
【0178】また前記ガス化し得る化合物をH2 ,H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。
【0179】特にμc−Si:H,μc−SiC:H,
μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc−Si
O:H,μc−SiN:H,μc−SiON:HX,μ
c−SiOCN:HX,poly−Si:H,poly
−Si:HX,poly−SiC:H,poly−Si
C:HX,poly−Si,poly−SiC:H,a
−SiC:H,a−SiC:HX,a−SiO:H,a
−SiN:H,a−SiON:HX,a−SiOCN:
HX等の光吸収の少ない微結晶層、多結晶層、あるいは
バンドギャップの広い非晶質層を堆積する場合は水素ガ
スで2〜100倍に原料ガスを希釈し、RFパワーは比
較的高いパワーを導入するのが好ましいものである。
【0180】マイクロ波プラズマCVD法で堆積する場
合、マイクロ波プラズマCVD装置は、堆積質に誘電体
窓を介して導波管でマイクロ波を導入する方法が適して
いる。 マイクロ波プラズマCVD法で、堆積する場
合、堆積室内の基板温度な100〜400℃、内圧は
0.5〜30mTorr、マイクロ波周波数は0.5〜
10GHzが好ましい範囲として挙げられる。
【0181】また前記ガス化し得る化合物をH2 ,H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。
【0182】特にμc−Si:H,μc−SiC:H,
μc−Si:HX,μc−SiC:HX,μc−Si
O:H,μc−SiN:H,μc−SiON:HX,μ
c−SiOCN:HX,poly−Si:H,poly
−Si:HX,poly−SiC:H,poly−Si
C:HX,poly−Si,poly−SiC:H,a
−SiC:H,a−SiC:HX,a−SiO:H,a
−SiN:H,a−SiON:HX,a−SiOCN:
HX等の光吸収の少ない微結晶層、多結晶層、あるいは
バンドギャップの広い非晶質層を堆積する場合は水素ガ
スで2〜100倍に原料ガスを希釈し、RFパワーは比
較的高いパワーを導入するのが好ましいものである。i型層 (105,125) 本発明の光起電力素子において、i型層は照射光に対し
てキャリアを発生輸送する、最も重要な層である。i型
層としては、僅かにp型、僅かにn型の層も使用できる
ものである。
【0183】本発明の光起電力素子のi型層としては、
シリコン原子とゲルマニウム原子とを含有してi型層の
層厚方向にバンドギャップがなめらかに変化し、バンド
ギャップの極小値がi型層の中央の位置よりp/i界面
方向に片寄っているものである。また、該i型層中にド
ナーとなる価電子制御剤とアクセプターとなる価電子制
御剤とがともにドーピングされているものが好ましい。
【0184】i型層に導入される周期率表第III族原
子、第V族原子、第VI原子の導入量は1000ppm
以下が好ましい範囲として挙げられる。また本発明の目
的を達成するために、i型層中には周期率表第III族
原子と第V族原子、あるいは第III族原子と第VI原
子、あるいは第III族原子と第V族原子と第VI族原
子を、ともに補償するように添加するのが好ましいもの
である。
【0185】i型層に含有される水素原子(H,D)ま
たはハロゲン原子(X)は、i型層の未結合手を補償す
る働きをし、i型層でのキャリアの移動度と寿命の積を
向上させるものである。またp/i界面(i/p界
面)、i/n界面(n/i界面)の界面準位を補償する
働きをし、光起電力素子の光起電力、光電流そして光応
答性を向上させる効果のあるものである。i型層に含有
される水素原子または/及びハロゲン原子は1〜30a
t%が最適な含有量として挙げられる。
【0186】特に、p/i界面(i/p界面)、i/n
界面(n/i界面)の各界面側で水素原子または/及び
ハロゲン原子の含有量が多く分布しているものが好まし
い分布形態として挙げられ、該界面近傍での水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の含有量はバルク内の含有量の
1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として挙げられる。
【0187】シリコン原子の含有量が最小のところでの
水素原子または/及びハロゲン原子の含有量は1〜10
at%が好ましい範囲で、水素原子または/及びハロゲ
ン原子の含有量の最大の領域の0.3〜0.8倍が好ま
しい範囲である。本発明の光起電力素子のi型層におい
ては、水素原子または/及びハロゲン原子の含有量をシ
リコン原子の多いところでは多く、シリコン原子が少な
いところでは少なく含有させることが望ましい。即ちバ
ンドギャップに対応して、バンドギャップの狭いところ
では水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が少な
く、バンドギャップの広いところでは水素原子または/
及びハロゲン原子の含有量が多くなっていることが望ま
しい。メカニズムの詳細については不明ではあるが、本
発明の堆積膜形成方法によれがシリコン原子とゲルマニ
ウム原子を含有する合金系半導体の堆積において、シリ
コン原子とゲルマニウム原子のイオン化率の違いによっ
てそれぞれの原子が獲得するRFエネルギーに差が生
じ、その結果合金系半導体において水素含有量または/
ハロゲン含有量が少なくても十分に緩和が進み良質な合
金系半導体が堆積できるものと考えられる。
【0188】加えてシリコン原子とゲルマニウム原子と
を含有するi型層に炭素原子及び/または酸素原子及び
/または窒素原子を1000ppm以下の微量添加する
ことによって、光起電力素子の長期にわたる振動による
アニーリングに対して耐久性が良くなるものである。そ
の原因については詳細は不明であるが、シリコン原子と
ゲルマニウム原子とが一定の割合で混合されている場合
よりも残留歪が多くなる傾向になるものと考えられる。
このような系に炭素原子及び/または酸素原子または/
及び窒素原子を添加することによって構造的な歪を減少
させることができ、その結果、光起電力素子の長期にわ
たる振動によるアニーリングに対して耐久性が良くなる
ものと考えられる。炭素原子及び/または酸素原子また
は/及び窒素原子の層厚方向での分布としてはゲルマニ
ウム原子の含有量に対応して増減している分布が好まし
いものである。この分布は水素原子または/及びハロゲ
ン原子の分布とは反対の分布であるが、構造的な歪を取
り除く効果と未結合手を減少される効果とのかねあいで
このような分布が好ましいものと考えられる。
【0189】更にこのような水素原子(または/及びハ
ロゲン原子)、及び炭素原子及び/または酸素原子及び
/または窒素原子を分布させることによって価電子帯及
び伝導体のテイルステイトがなめらかに連続的に接続さ
れるものである。
【0190】i型層の層厚は、光起電力素子の構造(例
えばシングルセル、タンデムセル、トリプルセル)及び
i型層のバンドギャップに大きく依存するが、0.05
〜1.0μmが最適な層厚として挙げられる。
【0191】本発明の堆積膜形成方法によるシリコン原
子とゲルマニウム原子を含有するi型層は、堆積速度を
2.5nm/sec以上に上げても価電子帯側のテイル
ステイトが少ないものであって、テイルステイトの傾き
は60meV以下であり、且つ電子スピン共鳴(ES
R)による未結合手の密度は1017/cm3 以下であ
る。
【0192】またi型層のバンドギャップはバルクから
p/i界面(i/p界面)に向かって広くなるように設
計することが好ましいものである。またi型層のバンド
ギャップはバルクからi/n界面(n/i界面)に向か
って広くなるように設計することが好ましいものであ
る。このように設計することによって、光起電力素子の
光起電力、光電流を大きくすることができ、更に光に長
時間照射した場合の光電変換効率の低下(光劣化)等を
抑制することができる。
【0193】光起電力素子のi型層には本発明の堆積膜
形成方法が最適である。透明電極 (107、127) 透明電極はインジウム酸化物、インジウムースズ酸化物
の透明電極が適したものである。透明電極の堆積にはス
パッタリング法と真空蒸着法が最適な堆積方法である。
透明電極は以下のようにして堆積される。
【0194】スパッタリング装置において、インジウム
酸化物から成る透明電極を基板上に堆積する場合、ター
ゲットは金属インジウム(In)やインジウム酸化物
(In 2 3 )等のターゲットが用いられる。
【0195】更にインジウムースズ酸化物から成る透明
電極を基板上に堆積する場合ターゲットは金属スズ、金
属インジウムまたは金属スズと金属インジウムの合金、
スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウムースズ酸化
物等のターゲットを適宜組み合わせて用いられる。
【0196】スパッタリング法で堆積する場合、基板温
度は重要な因子であって、25℃〜600℃が好ましい
範囲として挙げられる。また透明電極をスパッタリング
法で堆積する場合の、スパッタリング用のガスとして、
アルゴンガス(Ar)、ネオンガス(Ne)、キセノン
ガス(Xe)、ヘリウムガス(He)等の不活性ガスが
挙げられ、特にArガスが最適なものである。また前記
不活性ガスに酸素ガス(O2 )を必要に応じて添加する
ことが好ましいものである。特に金属をターゲットにし
ている場合、酸素ガス(O2 )は必須のものである。
【0197】更に前記不活性ガス等によってターゲット
をスパッタリングする場合、放電空間の圧力は効果的に
スパッタリングを行うために、0.1〜50mTorr
が好ましい範囲として挙げられる。
【0198】加えてスパッタリング法の電源としてはD
C電源やRF電源が適したものとして挙げられる。スパ
ッタリング時の電力としては10〜1000Wが適した
範囲である。
【0199】透明電極の堆積速度は、放電空間内の圧力
や放電電力に依存し、最適な堆積速度としては、0.0
1〜10nm/secの範囲である。
【0200】真空蒸着法において透明電極を堆積するの
に適した蒸着源としては、金属スズ、金属インジウム、
インジウムースズ合金が挙げられる。
【0201】また透明電極を堆積するとき、堆積室を1
-6Torr以下に減圧した後に酸素ガス(O2 )を5
×10-5Torr〜9×10-4Torrの範囲で堆積室
に導入することが必要である。
【0202】この範囲で酸素を導入することによって蒸
着源から気化した前記金属が気相中の酸素と反応して良
好な透明電極が堆積される。
【0203】また、前記真空度でRF電力を導入してプ
ラズマを発生させて、該プラズマを介して蒸着を行って
も良い。
【0204】上記条件による透明電極の好ましい堆積速
度の範囲としては0.01〜10nm/secである。
堆積速度が0.01nm/sec未満であると生産性が
低下し10nm/secより大きくなると粗な膜となり
透過率、伝導率や密着性が低下する。
【0205】透明電極の層厚は、反射防止膜の条件を満
たすような条件に堆積するのが好ましいものである。具
体的な透明電極の層厚としては50〜300nmが好ま
しい範囲として挙げられる。裏面電極(101,121) 裏面電極としては、Ni,Au,Ti,Pd,Ag,A
l,Cu,AlSi等の可視光から近赤外で反射率が高
く、シリコンと良いオーミックコンタクトが形成できる
金属、あるいはこれらの合金が適している。これらの金
属は、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、印刷
法等で形成するのが望ましい。例えば、真空蒸着法で形
成する場合にはn型シリコン基板には、Ti−Ag、T
i−Pd−Ag、あるいはTi−Ni−Cuが適してお
り、p型シリコン基板にはAlが適している。メッキ法
で形成する場合には、Ni、あるいはAl、あるいはC
rが適しており、さらに良好なオーミックスコンタクト
が得られる。また電極のシリーズ抵抗を下げるために、
最後にCuをメッキしてもよい。印刷法で形成する場合
には、n型シリコン基板に対してはAgペーストを、p
型シリコン基板に対してはAlペーストをスクリーン印
刷機で印刷し、その後、シンターすることにより良好な
コンタクトを得る。これらの金属の層厚としては10n
mから5000nmが適した層厚として挙げられる。こ
れらの金属の表面を凹凸(テクスチャー化)にするため
にはこれらの金属の堆積時の基板温度を200℃以上と
すれば良い。集電電極 (109,129) 集電電極の材質、および形成方法は基本的には裏面電極
と同様なものを用いる。
【0206】しかし、光起電力層であるi型層に効率よ
く光を入射させ、発生したキャリアを効率よく電極に集
めるためには、集電電極の形(光の入射方向から見た
形)、及び材質は重要である。通常、集電電極の形は櫛
型が使用され、その線幅、線数などは、光起電力素子の
光入射方向から見た形、及び大きさ、集電電極の材料な
どによって決定される。線幅は通常0.1mm〜5mm
程度である。材質は通常比抵抗の小さい、Ag,Cu,
Al,Crなどが用いられる。
【0207】続いて、本発明の発電システムについて説
明する。
【0208】本発明の光起電力素子を利用したシステム
は、本発明の光起電力素子と、該光起電力素子の電圧及
び/または電流をモニターし蓄電池及び/または外部負
荷への前記光起電力素子からの電力の供給を制御する制
御システムと、前記光起電力素子からの電力の蓄積及び
/または外部負荷への電力の供給を行う蓄電池とから構
成されている。
【0209】第20図は本発明の電力供給システムの1
例であって光起電力素子を利用した充電および電力供給
基本回路である。該回路は本発明の光起電力素子を太陽
電池モジュールとし、逆流防止ダイオード(CD)、電
圧をモニターし電圧を制御する電圧制御回路(定電圧回
路)、蓄電池、負荷等から構成されている。
【0210】逆流防止用ダイオードとしてはゲルマニウ
ムダイオードやシリコンダイオードやショットキーダイ
オード等が適している。蓄電池としては、ニッケルカド
ミウム電池、充電式酸化銀電池、鉛蓄電池、フライホイ
ールエネルギー貯蔵ユニット等が挙げられる。
【0211】電圧制御回路は、電池が満充電になるまで
は太陽電池の出力とほぼ等しいが、満充電になると、充
電制御ICにより充電電流はストップされる。
【0212】このような光起電力を利用した太陽電池シ
ステムは、自動車用のバッテリー充電システム、船用バ
ッテリー充電システム、街灯点灯システム、排気システ
ム等の電源として使用可能である。
【0213】以上のように本発明の光起電力素子を太陽
電池として使用した電源システムは、長期間安定して使
用でき、且つ太陽電池に照射される照射光が変動する場
合においても光起電力素子として充分に機能することか
ら、優れた安定性を示すものである。
【0214】
【実施例】以下、太陽電池の作製によって本発明の起電
力素子を詳細に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0215】(実施例1)キャスティング法によって製
造したn型の多結晶シリコン基板を用いて、図1(a)
に示す太陽電池を作製した。
【0216】50×50mm2 の基板をHFとHNO3
(H2 Oで10%に希釈した)水溶液に数秒間浸し、純
水で洗浄した。次にアセトンとイソプロパノールで超音
波洗浄し、さらに純水で洗浄し、温風乾燥させた。
【0217】次に、図6に示す原料ガス供給装置200
0と堆積装置400からなるグロー放電分解法を用いた
製造装置により、基板上に半導体層を形成した。以下
に、その形成手順を記す。
【0218】図中の2041〜2048のガスボンベに
は、本発明の光起電力素子を作製するための原料ガスが
密封されており、2041はSiH4 ガス(純度99.
999%)ボンベ、2042はGeH4 ガス(純度9
9.999%)ボンベ、2043はH2 ガス(純度9
9.9999%)ボンベ、2044はH2 ガスで100
ppmに希釈されたPH3 ガス(純度99.99%、以
下「PH3 /H2 」と略記する)ボンベ、2045はH
2 ガスで100ppmに希釈されたB2 6 ガス(純度
99.99%、以下「B26/H2」と略記する)ボン
ベ、2046はH2ガスで1%に希釈されたNH3 ガス
(純度99.9999%、以下「NH3 /H2」と略記
する)ボンベ、2047はHeガスで1%に希釈された
2 ガス(純度99.9999%、以下「O2 /He」
と略記する)ボンベ、2048はH2 ガスで1%に希釈
されたCH4 ガス(純度99.9999%、以下、「C
4 /H 2 」と略記する)である。予め、ガスボンベ2
041〜2048を取り付ける際に、各々のガスをバル
ブ2021〜2028までのガス配管内に導入し、圧力
調節器2031〜2038により各ガス圧力を2kg/
cm2 に調節した。
【0219】次に、基板404の裏面を加熱ヒーター4
05に密着させ、堆積室401のリークバルブ409を
閉じ、コンダクタンスバルブ407を全開にして、不図
示の真空ポンプによる堆積室401内を真空排気し、真
空計402の読みが約1×10-4Torrになった時点
でバルブ2001〜2008、補助バルブ408を開け
て、ガス配管内部を真空排気し、再び真空計402の読
みが約1×10-4Torrになった時点でバルブ200
1〜2008を閉じ、2031〜2038を徐々に開け
て、各々のガスをマスフローコントローラー2011〜
2018内に導入した。
【0220】以上のようにして成膜の準備を完了した
後、基板の水素プラズマ処理を行い、基板404上に、
第1のp型層、n型層、i型層、第2のp型層の形成を
行った。
【0221】まず、水素プラズマ処理を行うには、バル
ブ2003を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内
に導入し、H2 ガス流量が500sccmになるように
マスフローコントローラー2013で調節した。堆積室
内の圧力が2.0Torrになるように真空計402を
見ながらコンダクタンスバルブで調整し、基板404の
温度が550℃になるように加熱ヒーター405を設定
し、基板温度が安定したところでシャッター415が閉
じられていることを確認し、μW電源を0.20W/c
3 に設定し、μW電力を導入し、グロー放電を生起さ
せ、シャッター415を開け、水素プラズマ処理を開始
した。30分間経過したところでシャッターを閉じ、μ
W電源を切り、グロー放電を止め、水素プラズマ処理を
終えた。5分間、堆積室401内へH2 ガスを流し続け
たのち、バルブ2003を閉じ、堆積室401内および
ガス配管内を真空排気した。
【0222】第1のp型層を形成するには、バルブ20
03を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入
し、H2 ガス流量が50sccmになるようにマスフロ
ーコントローラー2013で調節した。堆積室内の圧力
が2.0Torrになるように真空計402を見ながら
コンダクタンスバルブで調節し、基板404の温度が3
50℃になるように加熱ヒーター405を設定し、基板
温度が安定したところでさらにバルブ2001、200
5を除々に開けて、SiH4 ガス、B2 6 /H2 ガス
を堆積室401内に流入させた。この時、SiH4 ガス
流量が5sccm、H2 ガス流量が100sccm、B
2 6 /H2 ガス流量が500sccmとなるように各
々のマスフローコントローラーで調節した。堆積室40
1内の圧力は、2.0Torrとなるように真空計40
2を見ながらコンダクタンスバルブ407の開口を調節
した。シャッター415が閉じられていることを確認
し、RF電源を0.20W/cm3 に設定し、RF電力
を導入し、グロー放電を生起させ、シャッター415を
開け、基板上に第1のp型層の形成を開始した。層厚1
00nmの第1のp型層を作製したところでシャッター
を閉じ、RF電源を切り、グロー放電を止め第1のp型
層の形成を終えた。バルブ2001、2005を閉じ
て、堆積室401内へのSiH4 ガス、B2 6 /H2
ガスの流入を止め、5分間、堆積室401内へH2 ガス
を流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、堆積室40
1内およびガス配管内を真空排気した。
【0223】n型層を形成するには、補助バルブ40
8、バルブ2003を除々に開けて、H2 ガスをガス導
入管411を通じて堆積室401内に導入し、H2 ガス
流量が50sccmになるようにマスフローコントロー
ラー2013を設定し、堆積室内の圧力が1.0Tor
rになるようにコンダクタンスバルブで調節し、基板4
04の温度が350℃になるように加熱ヒーター405
を設定した。基板温度が安定したところで、さらにバル
ブ2001、2004を除々に開けて、SiH4ガス、
PH3 /H2 ガスを堆積室401内に流入させた。この
時、SiH4 ガス流量が2sccm、H2 ガス流量が1
00sccm、PH3 /H2 ガス流量が200sccm
となるように各々のマスフローコントローラーで調節し
た。堆積室401内の圧力は、1.0Torrとなるよ
うにコンダクタンスバルブ407の開口を調節した。R
F電源の電力を0.01W/cm3に設定し、RF電極
にRF電力を導入し、グロー放電を生起させシャッター
を開け、第1のp型層上にn型層の作製を開始し層厚3
0nmのn型層を作製したところでシャッターを閉じ、
RF電源を切ってグロー放電を止め、n型層の形成を終
えた。バルブ2001、2004を閉じて、堆積室40
1内へのSiH4 ガス、PH3 /H2 ガスの流入を止
め、5分間、堆積室401内へH2 ガスを流し続けたの
ち、流出バルブ2003を閉じ、堆積室401内および
ガス配管内を真空排気した。
【0224】次に、i型層を作製するには、バルブ20
03を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入
し、H2 ガス流量が300sccmになるようにマスフ
ローコントローラー2013で調節した。堆積室内の圧
力が0.01Torrになるようにコンダクタンスバル
ブで調節し、基板404の温度が350℃になるように
加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定したとこ
ろでさらにバルブ2001、2002、2004、20
05を除々に開けて、SiH4 ガス、GeH4ガス、P
3 /H2 ガス、B2 6 /H2 ガスを堆積室401内
に流入させた。この時、SiH4 ガス流量が120sc
cm、GeH4 ガス流量30sccm、H2 ガス流量が
300sccm、PH3 /H2 ガス流量が2sccm、
2 6/H2 ガス流量が5sccmとなるように各々
のマスフローコントローラーで調節した。堆積室401
内の圧力は、0.01Torrとなるようにコンダクタ
ンスバルブ407の開口を調節した。次に、RF電源4
03の電力を0.40W/cm3 に設定し、RF電極に
印加した。その後、不図示のμW電源の電力を0.20
W/cm3に設定し、誘電体窓413を通して堆積室4
01内にμW電力を導入し、グロー放電を生起させ、シ
ャッターを開け、n型層上にi型層の作製を開始した。
マスフローコントローラーに接続させたコンピューター
を用い、図7に示した流量変化パターンに従ってSiH
4 ガス、GeH4 ガスの流量を変化させ、層厚300n
mのi型層を作製したところで、シャッターを閉じ、μ
W電源を切ってグロー放電を止め、RF電源403を切
り、i型層の作製を終えた。バルブ2001、200
2、2004、2005を閉じて、堆積室401内への
SiH4 ガス、GeH4 ガス、PH3 /H2 ガス、B2
6/H2 ガスの流入を止め、5分間、堆積室401内
へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、
堆積室401内およびガス配管内を真空排気した。
【0225】次に、第2のp型層を形成するには、バル
ブ2003を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内
に導入し、H2 ガス流量が50sccmになるようにマ
スフローコントローラー2013で調節した。堆積室内
の圧力が2.0Torrになるようにコンダクタンスバ
ルブで調節し、基板404の温度が200℃になるよう
に加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定したと
ころでさらにバルブ2001、2005を除々に開け
て、SiH4 ガス、B2 6/H2 ガスを堆積室401
内に流入させた。この時、SiH4 ガス流量が1scc
m、H2 ガス流量が100sccm、B2 6/H2
ス流量が100sccmとなるように各々のマスフロー
コントローラーで調節した。堆積室401内の圧力は、
2.0Torrとなるようにコンダクタンスバルブ40
7の開口を調節した。RF電源を0.20W/cm3
設定し、RF電力を導入し、グロー放電を生起させ、シ
ャッター415を開け、i型層上に第2のp型層の形成
を開始した。層厚10nmの第2のp型層を作製したと
ころでシャッターを閉じRF電源を切りグロー放電を止
め第2のp型層の形成を終えた。バルブ2001、20
05を閉じて、堆積室401内へのSiH4 ガス、B2
6/H2 ガスの流入を止め、5分間、堆積室401内
へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、
堆積室401内およびガス配管内を真空排気し、補助バ
ルブ408を閉じ、リークバルブ409を開けて、堆積
室401をリークした。
【0226】次に、第2のp型層上に、透明電極とし
て、層厚70nmのITO(In2 3 +SnO2 )を
通常の真空蒸着法で真空蒸着した。
【0227】次に透明電極上に銀(Ag)からなる層厚
5μmの集電電極を通常の真空蒸着法で真空蒸着した。
【0228】次に基板の裏面にAg−Tiからなる層厚
3μmの裏面電極を通常の真空蒸着法で真空蒸着した。
【0229】以上でこの太陽電池の作製を終えた。この
太陽電池を(SC実1)と呼ぶことにし、第1のp型
層、n型層、i型層、第2のp型層の作製条件を表1に
示す。 (比較例1)i型層を形成する際に、SiH4 ガス流量
及びGeH4 ガス流量を、図8に示す流量パターンに従
って各々のマスフローコントローラーで調節した以外は
実施例1と同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製した。
この太陽電池を(SC比1)と呼ぶことにする。
【0230】(実施例1−1)i型層を形成する際、P
3 /H2 ガスを流さない以外は実施例1と同様な方
法、同様な手順で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC実1−1)と呼ぶことにする。
【0231】(実施例1−2)i型層を形成する際、B
2 6 /H2 ガスを流さない以外は実施例1と同様な方
法、同様な手順で太陽電池を作製した。この太陽電池を
(SC実1−2)と呼ぶことにする。
【0232】(実施例1−3)i型層を形成する際に、
μW電力を0.5W/cm3 にする以外は、実施例1と
同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製した。この太陽電
池を(SC実1−3)と呼ぶことにする。
【0233】(実施例1−4)i型層を形成する際に、
RF電力を0.15W/cm3 にする以外は、実施例1
と同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製した。この太陽
電池を(SC実1−4)と呼ぶことにする。
【0234】(実施例1−5)i型層を形成する際、μ
W電力を0.5W/cm3 、RF電力を0.55W/c
3 にする以外は、実施例1と同じ条件、同じ条件、同
じ手順で太陽電池を作製した。この太陽電池を(SC実
1−5)と呼ぶことにする。
【0235】(実施例1−6)i型層を形成する際、堆
積室内の圧力を0.08Torrにする以外は、実施例
1と同じ条件、同じ手順で太陽電池を作製した。この太
陽電池を(SC実1−6)と呼ぶことにする。
【0236】作製した太陽電池(SC実1)、(SC比
1)及び(SC実1−1)〜(SC実1−6)の初期光
電変換効率(光起電力/入射電力)及び耐久特性の測定
を行った。
【0237】初期光電変換効率の測定は、作製した太陽
電池を、AM−1.5(100mW/cm2 )光照射下
に設置して、V−1特性を測定することにより得られ
る。測定の結果、(SC実1)の太陽電池に対して、
(SC比1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)の
初期光電変換効率は以下のようになった。
【0238】 (SC比1) 0.38倍 (SC実1−1) 0.91倍 (SC実1−2) 0.91倍 (SC実1−3) 0.63倍 (SC実1−4) 0.81倍 (SC実1−5) 0.65倍 (SC実1−6) 0.83倍 耐久特性の測定は、作製した太陽電池を、湿度70%、
温度60℃の暗所に設置し、3600rpmで振幅0.
1mmの振動を24時間加えた後の、AM1.5(10
0mW/cm2 )照射下での光電変換効率の低下(耐久
試験後の光電変換効率/初期光電変換効率)により行っ
た。測定の結果、(SC実1)の太陽電池に対して、
(SC比1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)の
光電変換効率の低下は以下のようになった。
【0239】 (SC比1) 0.72倍 (SC実1−1) 0.90倍 (SC実1−2) 0.90倍 (SC実1−3) 0.92倍 (SC実1−4) 0.91倍 (SC実1−5) 0.89倍 (SC実1−6) 0.88倍 次に、ステンレス基板と、バリウム硼珪酸ガラス(コー
ニング(株)製7059)基板を用い、SiH4 ガス流
量及びGeH4 ガス流量を、表2に示す値とした以外
は、実施例1のi型層と同じ作製条件で、基板上に、i
型層を1μm形成して物性測定用サンプルを作製した。
これらのサンプルを(SP1−1)〜(SP1−7)と
呼ぶことにする。作製した物性測定用サンプルのバンド
ギャップ(Eg)と組成の分析を行い、Si(シリコ
ン)原子とGe(ゲルマニウム)原子の組成比と、バン
ドギャップの関係を求めた。バンドギャップの測定は、
i型層を作製したガラス基板を分光光度計(日立製作所
製330型)に設置し、i型層の吸収係数の波長依存性
を測定し、アモルファス太陽電池(高橋清 小長井誠共
著 (株)昭晃堂)のp109に記載の方法により、i
型層のバンドギャップを求めた。
【0240】組成分析は、i型層を作製したステンレス
基板を、オージェ電子分光分析装置(日本電子製JAM
P−3)に設置して、Si原子とGe原子の組成比を測
定した。バンドギャップと組成分析の結果を表2と図9
に示す。
【0241】次に、作製した太陽電池(SC実1)、
(SC比1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)の
i型層におけるSi原子とGe原子の層厚方向の組成分
析を、前記組成分析と同様な方法で行った。
【0242】(SP1−1)〜(SP1−7)により求
めたSi原子とGe原子の組成比とバンドギャップの関
係より、i型層の層厚方向のバンドギャップの変化を求
めた。その結果を図10に示す。図10から分かる通
り、(SC実1)、(SC実1−2)〜(SC実1−
6)の太陽電池では、バンドギャップの極小値の位置が
i型層の中央の位置よりp/i界面方向に片寄ってお
り、(SC比1)の太陽電池では、バンドギャップの極
小値の位置がi型層の中央の位置よりi/n界面方向に
片寄っていることが分かった。
【0243】以上、(SC実1)、(SC比1)、(S
C実1−1)〜(SC実1−6)の層厚方向に対するバ
ンドギャップの変化は、堆積室内に流入させる、Siを
含む原料ガス(この場合にはSiH4 ガス)とGeを含
む原料ガス(この場合にはGeH4 ガス)の流量比に依
存することが分かった。
【0244】次に、太陽電池(SC実1)、(SC比
1)、(SC実1−1)〜(SC実1−6)のi型層に
おけるP原子とB原子の層厚方向の組成分析を2次イオ
ン質量分析装置(CZMECA製 IMS−3F)で行
った。測定の結果、P原子、B原子は層厚方向に対して
均一に分布しており、組成比は以下のようになった。
【0245】 (SC実1) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C)〜10ppm (SC比1) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C)〜10ppm (SC実1−1) P/(Si+C) N.D. B/(Si+C)〜10ppm (SC実1−2) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C) N.D. (SC実1−3) P/(Si+C)〜4ppm B/(Si+C)〜18ppm (SC実1−4) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C)〜10ppm (SC実1−5) P/(Si+C)〜4ppm B/(Si+C)〜15ppm (SC実1−6) P/(Si+C)〜3ppm B/(Si+C)〜10ppm N.D.:検出限界以下 (実施例1−7)i型層を形成する際に導入するμW電
力とRF電力をいろいろと変え、他の条件は実施例1と
同じにして、太陽電池を幾つか作製した。図11のはμ
W電力と堆積速度の関係で、堆積速度はRF電力に依存
せず、μW電力が0.32W/cm3 以上では一定で、
この電力で原料ガスであるSiH4 ガスとGeH4 ガス
が100%分解されていることが分かった。AM1.5
(100mW/cm2 )光を照射したときの太陽電池の
初期光電変換効率を測定したところ、図12に示すよう
な結果となった。この図中の曲線は実施例1の初期光電
変換効率を1とした場合の各太陽電池の初期光電変換効
率の割合を示すための包絡線である。図から分かるよう
に、μW電力がSiH4 ガス及びGeH4 ガスを100
%分解するμW電力(0.32W/cm3 )以下で、か
つRF電力がμW電力より大きいとき初期光電変換効率
は大幅に向上していることが分かった。
【0246】(実施例1−8)実施例1でi型層を形成
する際、堆積室401に導入するガスの流量をSiH 4
ガス50sccm、GeH4 ガス10sccmに変更
し、H2 ガスは導入せず、μW電力とRF電力をいろい
ろ変えて太陽電池を幾つか作製した。他の条件は実施例
1と同じにした。堆積速度とμW電力、RF電力の関係
を調べたところ、実施例1−7と同様に堆積速度はRF
電力に依存せず、μW電力が0.18W/cm3 以上で
は一定で、このμW電力で、原料ガスであるSiH4
スおよびGeH4 ガスが100%分解されていることが
分かった。AM1.5光を照射したときの太陽電池の初
期光電変換効率を測定したところ、図12と同様な傾向
を示す結果となった。すなわち、μW電力がSiH4
スおよびGeH4 ガスを100%分解するμW電力
(0.18W/cm3 )以下で、かつRF電力がμW電
力より大きいとき初期光電変換効率は大幅に向上してい
ることが分かった。
【0247】(実施例1−9)実施例1でi型層を形成
する際、堆積室401に導入するガスの流量をSiH 4
ガス200sccm、GeH4 ガス50sccmに変更
し、H2 ガス500sccmに変更し、さらに基板温度
が300℃になるように加熱ヒーターの設定を変更して
μW電力とRF電力をいろいろ変えて太陽電池を幾つか
作製した。他の条件は実施例1と同じにした。
【0248】堆積速度とμW電力、RF電力の関係を調
べたところ、実施例1−7と同様に堆積速度はRF電力
に依存せず、μW電力が0.65W/cm3 以上では一
定で、このμW電力で、原料ガスであるSiH4 ガスお
よびGeH4 ガスが100%分解されていることが分か
った。AM1.5光を照射したときの太陽電池の初期光
電変換効率を測定したところ、図12と同様な傾向を示
す結果となった。すなわち、μW電力がSiH4 ガスを
100%分解するμW電力(0.65W/cm 3 )以下
で、かつRF電力がμW電力より大きいとき初期光電変
換効率は大幅に向上していることが分かった。
【0249】(実施例1−10)実施例1でi型層を形
成する際、堆積室内の圧力を3mTorrから200m
Torrまでいろいろと変え、他の条件は実施例1と同
じにして、太陽電池を幾つか作製した。AM1.5光を
照射したときの太陽電池の初期光電変換効率を測定した
ところ、図13に示す結果となり、圧力が50mTor
r以上では大幅に初期光電変換効率が減少していること
が分かった。
【0250】以上に見られるように本実施例の太陽電池
が、太陽電池(SC比1)よりもさらに優れた特性を有
することが実証された。
【0251】(実施例2)実施例1においてバンドギャ
ップ(Eg)の極小値の層厚方向に対する位置、極小値
の大きさ、およびパターンを変えて太陽電池を幾つか作
製し、その初期光電変換効率および耐久特性を実施例1
と同様な方法で調べた。このときi型層のSiH4 ガス
流量とGeH4 ガス流量の変化パターン以外は実施例1
と同じにした。図14にSiH4 ガス流量とGeH4
ス流量の変化パターンを変えたときの太陽電池の層厚方
向に対するバンド図を示す。(SC実2−1)〜(SC
実2−5)はバンドギャップ極小値の層厚方向に対する
位置を変えたもので、(SC実2−1)〜(SC実2−
5)に従って、p/i界面からi/n界面に向かって変
化させたものである。 (SC実2−6)、(SC実2
−7)は(SC実2−1)のバンドギャップの極小値を
変化させたものである。(SC実2−8)〜(SC実2
−10)はバンドのパターンを変えたものである。作製
したこれらの太陽電池の初期光電変換効率および耐久特
性を調べた結果を表3に示す((SC実2−1)を基準
とした)。これらの結果から分かるように、バンドギャ
ップの極小値の大きさ、変化パターンによらず、i型層
のバンドギャップが層厚方向になめらかに変化し、バン
ドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位置よりp
/i界面方向に片寄っている本発明の太陽電池のほうが
優れていることが分かった。
【0252】(実施例3)実施例1においてi型層の価
電子制御剤の濃度、および種類を変えた太陽電池を幾つ
か作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を実施
例1と同様な方法で調べた。
【0253】このときi型層の価電子制御剤の濃度、お
よび種類を変えた以外は実施例1と同じにした。
【0254】(実施例3−1)i型層のアクセプターと
なる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流量
を1/5倍にし、トータルのH2 流量は実施例1と同じ
にした太陽電池(SC実3−1)を作製したところ、
(SC実1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさら
に良好な初期光電変換効率および耐久特性を有すること
が分かった。
【0255】(実施例3−2)i型層のアクセプターと
なる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流量
を5倍にし、トータルのH2 流量は実施例1と同じにし
た太陽電池(SC実3−2)を作製したところ、(SC
実1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好
な初期光電変換効率および耐久特性を有することが分か
った。
【0256】(実施例3−3)i型層のドナーとなる価
電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を1/5
倍にし、トータルのH2 流量は実施例1と同じにした太
陽電池(SC実3−3)を作製したところ、(SC実
1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な
初期光電変換効率および耐久特性を有することが分かっ
た。
【0257】(実施例3−4)i型層のドナーとなる価
電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を5倍に
し、トータルのH2 流量は実施例1と同じにした太陽電
池(SC実3−4)を作製したところ、(SC実1)と
同様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光
電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0258】(実施例3−5)i型層のアクセプターと
なる価電子制御剤用のガスとしてB2 6 /H2 ガスの
代わりに常温、常圧で液体のトリメチルアルミニウム
(Al(CH3 3 :TMAと略記する)を用いた太陽
電池を作製した。この際、液体ボンベに密封されたTM
A(純度99.99%)を水素ガスでバブリングしてガ
ス化し、堆積室401内に導入する以外は、実施例1と
同様な方法、および手順を用いて太陽電池(SC実3−
5)を作製した。
【0259】このとき、TMA/H2 ガスの流量は10
sccmにした。作製した太陽電池(SC実3−5)は
(SC実1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさら
に良好な初期光電変換効率および耐久特性を有すること
が分かった。
【0260】(実施例3−6)i型層のドナーとなる価
電子制御剤用のガスとしてPH3 /H2 ガスの代わりに
硫化水素(H2 S)ガスを用いた太陽電池を作製した。
実施例1のNH3 /H 2 ガスボンベを水素(H2 )で1
00ppmに希釈されたH2 Sガス(純度99.999
%、以下「H2 S/H2 」と略記する)ボンベに交換
し、実施例1と同様な方法、および手順を用いて太陽電
池(SC実3−6)を作製した。このときH2 S/H2
ガスの流量は1sccmにし、他の条件は実施例1と同
じにした。
【0261】作製した太陽電池(SC実3−6)は(S
C実1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良
好な初期光電変換効率および耐久特性を有することが分
かった。
【0262】(実施例4)p型の多結晶シリコン基板を
用いて図1(b)の太陽電池を作製した。基板上に第1
のn型層、p型層、i型層、第2のn型層を順次形成し
た。表4に形成条件を記す。i型層を形成する際、Si
4 ガス流量とGeH4 ガス流量は図8のパターンのよ
うに変化させ、i/p界面よりにバンドギャップの極小
値がくるようにした。基板及び、半導体層以外の層は実
施例1と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。作製し
た太陽電池(SC実4)は(SC実1)と同様、太陽電
池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0263】(実施例5)p/i界面近傍にi型層のバ
ンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが20n
mである太陽電池を作製した。図15(a)にi型層の
流量変化パターンを示す。
【0264】i型層の流量変化パターンを変える以外は
実施例1と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。次
に、太陽電池の組成分析を実施例1と同様な方法で行
い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンドギャップの
変化を調べたところ、図15(b)のような結果となっ
た。作製した太陽電池(SC実5)は(SC実1)と同
様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電
変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0265】(比較例5)i型層のp/i界面近傍にバ
ンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域の
厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製した。
領域の厚さ以外は実施例5と同じ条件、同じ方法を用い
て作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効率およ
び耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1nm以
上、30nm以下では、実施例1の太陽電池(SC実
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性が得られた。
【0266】(実施例6)i/n界面近傍にi型層のバ
ンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが15n
mである太陽電池を作製した。図15(c)にi型層の
流量変化パターンを示す。
【0267】i型層の流量変化パターンを変える以外は
実施例1と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。次
に、太陽電池の組成分析を実施例1と同様な方法で行
い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンドギャップの
変化を調べたところ、図15(d)のような結果となっ
た。作製した太陽電池(SC実6)は(SC実1)と同
様、太陽電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電
変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0268】(比較例6)i型層のi/n界面近傍にバ
ンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域の
厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製した。
領域の厚さ以外は実施例6と同じ条件、同じ方法を用い
て作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効率およ
び耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1nm以
上、30nm以下では、実施例1の太陽電池(SC実
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性が得られた。
【0269】(実施例7)価電子制御剤がi型層内で分
布している太陽電池を作製した。図16(a)にPH3
/H2 ガスとB2 6 /H2 ガスの流量の変化のパター
ンを示す。作製の際、PH3 /H2 ガスとB2 6 /H
2 ガスの流量を変化させ以外は実施例1と同じ条件、同
じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実
7)は(SC実1)と同様、太陽電池(SC比1)より
もさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有す
ることが分かった。また、i型層中に含有されるP原子
とB原子の層厚方向の変化を2次イオン質量分析装置
(SIMS)を用いて調べたところ、図16(b)に示
すように、バンドギャップが最小の位置で、P原子とB
原子の含有量が最大となっていることが分かった。
【0270】(実施例8−1)i型層に酸素原子が含有
されている太陽電池を作製した。i型層を形成する際、
実施例1で流すガスの他に、O2 /Heガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条
件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実8−1)は(SC実1)と同様、太陽電池(S
C比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐
久特性を有することが分かった。また、i型層中の酸素
原子の含有量をSIMSで調べたところ、ほぼ均一に含
有され、1×1019(個/cm3 )であることが分かっ
た。
【0271】(実施例8−2)i型層に窒素原子が含有
されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形成
する際、実施例1で流すガスの他に、NH3 /H2 ガス
を5sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例
1と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実8−2)は(SC実1)と同様、太陽
電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率
および耐久特性を有することが分かった。また、i型層
中の窒素原子の含有量をSIMSで調べたところ、ほぼ
均一に含有され、3×1017(個/cm3 )であること
が分かった。
【0272】(実施例8−3)i型層に炭素原子が含有
されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形成
する際、実施例1で流すガスの他に、CH4 /H2 ガス
を5sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例
1と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実8−3)は(SC実1)と同様、太陽
電池(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率
および耐久特性を有することが分かった。また、i型層
中の炭素原子の含有量をSIMSで調べたところ、ほぼ
均一に含有され、1×1018(個/cm3 )であること
が分かった。
【0273】(実施例9−1)i型層に酸素原子および
窒素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型層
を形成する際、実施例1で流すガスの他に、O2 /He
ガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5sccm、堆
積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条件、同
じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実
9−1)は(SC実1)と同様、太陽電池(SC比1)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0274】(実施例9−2)i型層に酸素原子および
炭素原子が含有されているシリコン太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例1で流すガスの他に、
2 /Heガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5s
ccm、堆積室401内に導入する以外は実施例1と同
じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電
池(SC実9−2)は(SC実1)と同様、太陽電池
(SC比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率およ
び耐久特性を有することが分かった。
【0275】(実施例9−3)i型層に窒素原子および
炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型層
を形成する際、実施例1で流すガスの他に、NH3 /H
2 ガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、
堆積室401内に導入する以外は実施例1と同じ条件、
同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC
実9−3)は(SC実1)と同様、太陽電池(SC比
1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。
【0276】(実施例10)i型層に酸素原子、窒素原
子および炭素原子が含有されている太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例1で流すガスの他に、
2 /Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5s
ccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、堆積室401
内に導入する以外は実施例1と同じ条件、同じ方法、同
じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実10)は
(SC実1)と同様、太陽電池(SC比1)よりもさら
に良好な初期光電変換効率および耐久特性を有すること
が分かった。
【0277】(実施例11)i型層の水素含有量がシリ
コン含有量に対応して変化している太陽電池を作製し
た。O2 /HeガスボンベをSiF4 ガス(純度99.
999%)ボンベに交換し、i型層を形成する際、図1
7(a)の流量パターンに従って、SiH4 ガス、Ge
4 ガス、SiF4 ガスの流量を変化させた。実施例1
と同様な方法によってこの太陽電池(SC実11)の層
厚方向のバンドギャップの変化を求めた。それを図17
(b)に示す。
【0278】さらに2次イオン質量分析装置を用いて水
素原子とシリコン原子の含有量の層厚方向分析を行っ
た。その結果、図17(c)に示すように、水素原子の
含有量はシリコン原子の含有量に対応した層厚方向分布
をしていることがわかった。この太陽電池(SC実1
1)の初期光電変換効率と耐久特性を求めたところ、実
施例1の太陽電池と同様、太陽電池(SC比1)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。
【0279】(実施例12)図6に示すマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いた製造装置により、図1(a)の太
陽電池の半導体層を形成する際、シリコン原子含有ガス
(SiH4 ガス)とゲルマニウム原子含有ガス(GeH
4 ガス)を堆積室から1mの距離のところで混合させる
以外は実施例1と同じ方法、同じ手順で太陽電池(SC
実12)を作製した。作製した太陽電池は(SC実1)
よりもさらにさらに良好な初期光電変換効率および耐久
特性を有することが分かった。
【0280】(実施例13)第1のp型層をガス拡散法
で作製し、i型層を形成する際、SiH4 ガスの代わり
にSi2 6 (ジシラン)ガスを用い、さらにRF電極
410に正のDCバイアスを印加し、RF電力、DCバ
イアス、μW電力を変化させた太陽電池を作製した。ま
ず、NH3 /H2 ガスボンベを水素で10%に希釈され
たBBr3 ガス(純度99.999% 以下、「BBr
3 /H2 ガス」と略記する。)ボンベに交換し、O2
HeガスボンベをSi2 6 ガス(純度99.99%)
ボンベに交換した。第1のp型層を形成する際、基板温
度900℃、BBr3 /H2 ガス流量500sccm、
内圧30Torrの拡散条件で、Bを拡散した。接合深
さが約300nmになったところで、BBr3 /H2
スの導入を止め、実施例1と同じ条件のn型層を形成し
た。次にi型層を形成する際、Si2 6 ガス流量を図
18(a)のように変化させ、RF電極410に正のD
Cバイアスを印加し、RF電力、DCバイアス、μW電
力を図18(b)に示すように変化させた太陽電池を作
製した。他は実施例1と同様に行った。作製した太陽電
池(SC実13)は(SC実1)と同様、太陽電池(S
C比1)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐
久特性を有することが分かった。
【0281】(実施例14)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、図19
のトリプル型太陽電池を作製した。
【0282】基板はキャスティング法によって製造した
n型の多結晶シリコン基板を用いた。50×50mm2
の基板の片面を温度100℃の1%NaOH水溶液に5
分間浸し、純水で洗浄した。NaOHに浸された面を走
査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、表面には
ピラミッド構造を有する凹凸が形成されており、基板が
テクスチャー界面(Textured)されていること
が分かった。次にアセトンとイソプロパレールで超音波
洗浄し、さらに純水で洗浄し、温風乾燥させた。
【0283】実施例1と同様な手順、同様な方法で基板
の水素プラズマ処理を行い、基板のテクスチャー面上に
第1のp型層を形成し、さらに第1のn型層、第1のi
型層、第2のp型層、第2のn型層、第2のi型層、第
3のp型層を順次形成した。第1のi型層を形成する
際、図7のような流量変化パターンに従ってSiH4
ス流量、GeH4 ガス流量を変化させた。
【0284】次に第3のp型層上に、実施例1と同様に
透明電極として、層厚70nmのITO(In2 3
SnO2 )を通常の真空蒸着方法で真空蒸着した。
【0285】次に、実施例1と同様に透明電極上に銀
(Ag)からなる層厚5μmの集電電極を通常の真空蒸
着法で真空蒸着した。
【0286】次に、実施例1と同様に基板の裏面にAg
−Tiからなる層厚3μmの裏面電極を通常の真空蒸着
方法で真空蒸着した。
【0287】以上でマイクロ波プラズマCVD法を用い
たトリプル型太陽電池の作製を終えた。この太陽電池を
(SC実14)と呼ぶことにし、各半導体の作製条件を
表5に記す。
【0288】(比較例14)図19の第1のi型層を形
成する際、図8の流量変化パターンに従って、SiH4
ガス流量、GeH4 ガス流量を変化させる以外は実施例
14と同様な方法、同様な手順でトリプル型太陽電池を
作製した。この太陽電池(SC比14)と呼ぶことにす
る。
【0289】作製したこれらのトリプル型太陽電池の初
期光電変換効率と耐久特性を実施例1と同様な方法で測
定したところ、(SC実14)はトリプル型太陽電池
(SC比14)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0290】(実施例15)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、実施例
1の太陽電池を作製し、モジュール化し、発電システム
に応用した。
【0291】実施例1と同じ条件、同じ方法、同じ手順
で50×50mm2 の太陽電池(SC実1)を65個作
製した。厚さ5.0mmのアルミニウム板上にEVA
(エチレンビニルアセテート)からなる接着材シートを
乗せ、その上にナイロンシートを乗せ、さらにその上に
作製した太陽電池を配列し、直列および並列化を行っ
た。その上にEVAの接着材シートを乗せ、さらにその
上にフッ素樹脂シートを乗せて、真空ラミネートし、モ
ジュール化した。作製したモジュールの初期光電変換効
率を実施例1と同様な方法で測定しておいた。モジュー
ルを図20の発電システムを示す回路に接続し、負荷に
は夜間点灯する街灯を使用した。システム全体は、蓄電
池、及びモジュールの電力によって稼働し、モジュール
は最も太陽光を集光できる角度に設置した。
【0292】1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣
化率(1年後の光電変換効率/初期光電変換効率)を求
めた。このモジュールを(MJ実15)と呼ぶことにす
る。 (比較例15)太陽電池(SC比1)を比較例1と同じ
条件、同じ方法、同じ手順で65個作製し、実施例15
と同様にモジュール化した。このモジュールを(MJ比
15)と呼ぶことにする。実施例15と同じ条件、同じ
方法、同じ手順で初期光電変換効率と1年経過後の光電
変換効率を測定し、光劣化率を求めた。
【0293】その結果、(MJ比15)の光劣化率は
(MJ実15)に対して次のような結果となった。
【0294】 以上の結果より本発明の太陽電池モジュールのほうが比
較例の太陽電池モジュールよりもさらに優れた光劣化特
性を有していることが分かった。
【0295】(実施例16)キャスティング法によって
製造したn型の多結晶シリコン基板を用いて、第2のp
型層を積層構造とした図1(a)に示す太陽電池を作製
した。
【0296】実施例1と同様にして成膜の準備を完了し
た後、基板の水素プラズマ処理を行い、基板404上
に、第1のp型層、n型層、i型層、第2のp型層の形
成を行った。
【0297】まず、水素プラズマ処理を行うには、バル
ブ2003を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内
に導入し、H2 ガス流量が500sccmになるように
マスフローコントローラー2013で調節した。堆積室
内の圧力が2.0Torrになるように真空計402を
見ながらコンダクタンスバルブで調整し、基板404の
温度が500℃になるように加熱ヒーター405を設定
し、基板温度が安定したところでシャッター415が閉
じられていることを確認し、μW電源を0.20W/c
3 に設定し、μW電力を導入し、グロー放電を生起さ
せ、シャッター415を開け、水素プラズマ処理を開始
した。10分間経過したところでシャッターを閉じ、μ
W電源を切り、グロー放電を止め、水素プラズマ処理を
終えた。5分間、堆積室401内へH2 ガスを流し続け
たのち、バルブ2003を閉じ、堆積室401内および
ガス配管内を真空排気した。
【0298】第1のp型層を形成するには、バルブ20
03を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入
し、H2 ガス流量が50sccmになるようにマスフロ
ーコントローラー2013で調節した。堆積室内の圧力
が2.0Torrになるように真空計402を見ながら
コンダクタンスバルブで調節し、基板404の温度が3
50℃になるように加熱ヒーター405を設定し、基板
温度が安定したところでさらにバルブ2001、200
5を除々に開けて、SiH4 ガス、B2 6 /H2 ガス
を堆積室401内に流入させた。この時、SiH4 ガス
流量が5sccm、H2 ガス流量が100sccm、B
2 6 /H2 ガス流量が500sccmとなるように各
々のマスフローコントローラーで調節した。堆積室40
1内の圧力は、2.0Torrとなるように真空計40
2を見ながらコンダクタンスバルブ407の開口を調節
した。RF電源を0.20W/cm3 に設定し、RF電
力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッター415
を開け、基板上に第1のp型層の形成を開始した。層厚
100nmの第1のp型層を作製したところでシャッタ
ーを閉じ、RF電源を切りグロー放電を止めて第1のp
型層の形成を終えた。バルブ2001、2005を閉じ
て、堆積室401内へのSiH4 ガス、B26/H2
スの流入を止め、5分間、堆積室401内へH2 ガスを
流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、堆積室401
内およびガス配管内を真空排気した。
【0299】n型層を形成するには、補助バルブ40
8、バルブ2003を除々に開けて、H2 ガスをガス導
入管411を通じて堆積室401内に導入し、H2 ガス
流量が50sccmになるようにマスフローコントロー
ラー2013を設定し、堆積室内の圧力が1.0Tor
rになるようにコンダクタンスバルブで調節し、基板4
04の温度が350℃になるように加熱ヒーター405
を設定した。基板温度が安定したところで、さらにバル
ブ2001、2004を除々に開けて、SiH4ガス、
PH3 /H2 ガスを堆積室401内に流入させた。この
時、SiH4 ガス流量が2sccm、H2 ガス流量が1
00sccm、PH3 /H2 ガス流量が200sccm
となるように各々のマスフローコントローラーで調節し
た。堆積室401内の圧力は、1.0Torrとなるよ
うにコンダクタンスバルブ407の開口を調節した。シ
ャッター415が閉じられていることを確認し、RF電
源の電力を0.01W/cm3に設定し、RF電極41
0にRF電力を導入し、グロー放電を生起させシャッタ
ーを開け、第1のp型層上にn型層の作製を開始し、層
厚30nmのn型層を作製したところでシャッターを閉
じRF電源を切ってグロー放電を止め、n型層の形成を
終えた。バルブ2001、2004を閉じて、堆積室4
01内へのSiH4 ガス、PH3 /H2 ガスの流入を止
め、5分間、堆積室401内へH2 ガスを流し続けたの
ち、流出バルブ2003を閉じ、堆積室401内および
ガス配管内を真空排気した。
【0300】次に、i型層を作製するには、バルブ20
03を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入
し、H2 ガス流量が300sccmになるようにマスフ
ローコントローラー2013で調節した。堆積室内の圧
力が0.01Torrになるようにコンダクタンスバル
ブで調節し、基板404の温度が350℃になるように
加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定したとこ
ろでさらにバルブ2001、2002を除々に開けて、
SiH4 ガス、GeH4 ガスを堆積室401内に流入さ
せた。この時、SiH4 ガス流量が120sccm、G
eH4 ガス流量30sccm、H2 ガス流量が300s
ccmとなるように各々のマスフローコントローラーで
調節した。堆積室401内の圧力は、0.01Torr
となるようにコンダクタンスバルブ407の開口を調節
した。次に、RF電源403の電力を0.40W/cm
3 に設定し、RF電極に印加した。その後、不図示のμ
W電源の電力を0.20W/cm3に設定し、誘電体窓
413を通して堆積室401内にμW電力を導入し、グ
ロー放電を生起させ、シャッターを開け、n型層上にi
型層の作製を開始した。マスフローコントローラーに接
続させたコンピューターを用い、図7に示した流量変化
パターンに従ってSiH4 ガス、GeH4 ガスの流量を
変化させ、層厚300nmのi型層を作製したところ
で、シャッターを閉じ、μW電源を切ってグロー放電を
止め、RF電源403を切り、i型層の作製を終えた。
バルブ2001、2002を閉じて、堆積室401内へ
のSiH 4 ガス、GeH4 ガスの流入を止め、5分間、
堆積室401内へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2
003を閉じ、堆積室401内およびガス配管内を真空
排気した。
【0301】次に、第2のp型層を形成するには、バル
ブ2003を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内
に導入し、H2 ガス流量が300sccmになるように
マスフローコントローラー2013で調節した。堆積室
内の圧力が0.02Torrになるようにコンダクタン
スバルブで調節し、基板404の温度が200℃になる
ように加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定し
たところでさらにバルブ2001、2005、2008
を除々に開けて、SiH4 ガス、B2 6 /H 2 ガス、
CH4/H2ガスを堆積室401内に流入させた。この
時、SiH4 ガス流量が10sccm、B2 6 /H2
ガス流量が10sccm、CH4/H2ガス流量が300
sccmとなるように各々のマスフローコントローラー
で調節した。堆積室401内の圧力は、0.02Tor
rとなるようにコンダクタンスバルブ407の開口を調
節した。μW電源を0.30W/cm3 に設定し、誘電
体窓を通して堆積室401内にμW電力を導入し、グロ
ー放電を生起させ、シャッター415を開け、i型層上
にライトドープ層(A層)の形成を開始した。層厚約3
nmのA層を作製したところでシャッターを閉じμW電
源を切りグロー放電を止めた。バルブ2001、200
5、2008を閉じて、堆積室401内へのSiH4
ス、B2 6/H2 ガス、CH4/H2ガスの流入を止
め、バルブ2003を開け、5分間、堆積室401内へ
2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、堆
積室401内およびガス配管内を真空排気した。
【0302】次にバルブ2005を除々に開けて、堆積
室401内にB26/H2ガスを流入させ、流量が10
00sccmになるようにマスフローコントローラーで
調節した。堆積室内の圧力が0.02Torrになるよ
うにコンダクタンスバルブで調節し、μW電源を0.2
0W/cm3 に設定し、誘電体窓を通して堆積室401
内にμW電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッ
ター415を開け、A層上にほう素原子の層(B層)の
形成を開始した。6秒間経過したところでシャッターを
閉じμW電源を切りグロー放電を止めた。バルブ200
5を閉じて、堆積室401内へのB2 6 /H2 ガスの
流入を止め、バルブ2003を開け、5分間、堆積室4
01内へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を
閉じ、堆積室401内およびガス配管内を真空排気し
た。
【0303】次にその上に上記した方法と同じ方法、条
件でA層を形成した。
【0304】さらにその上に上記した方法と同じ方法、
条件でB層を形成した。
【0305】さらにその上に上記した方法と同じ方法、
条件でA層を形成し、層厚約10nmの第2のp型層の
形成を終えた。
【0306】次に、実施例1と同様にして第2のp型層
上に、透明電極として、層厚70nmのITO(In2
3 +SnO2 )、銀(Ag)からなる層厚5μmの集
電電極を通常の真空蒸着法で真空蒸着した。
【0307】また、基板の裏面にAg−Tiからなる層
厚3μmの裏面電極を通常の真空蒸着法で真空蒸着し
た。
【0308】以上でこの太陽電池の作製を終えた。この
太陽電池を(SC実16)と呼ぶことにし、第1のp型
層、n型層、i型層、第2のp型層の作製条件を表6に
示す。 (比較例16)i型層を形成する際に、Si
4 ガス流量及びGeH4 ガス流量を、図8に示す流量
パターンに従って各々のマスフローコントローラーで調
節した以外は実施例16と同じ条件、同じ手順で太陽電
池を作製した。この太陽電池を(SC比16)と呼ぶこ
とにする。
【0309】作製した太陽電池(SC実16)及び(S
C比16)の初期光電変換効率(光起電力/入射電力)
及び耐久特性の測定を行った。
【0310】測定の結果、(SC実16)の太陽電池に
対して、(SC比16)の初期光電変換効率は以下のよ
うになった。
【0311】(SC比16) 0.82倍 耐久特性の測定の結果、(SC実16)の太陽電池に対
して、(SC比16)の光電変換効率の低下は以下のよ
うになった。
【0312】(SC比16) 0.81倍 次に多結晶シリコン基板上に積層構造を有する第2のp
型層を形成し、その断面TEM(透過型電子顕微鏡)像
を観察した。B層の堆積時間を12秒にする以外は実施
例16と同様な方法、手順で基板上に第2のp型層を作
製した。作製した試料を断面方向に切断し、第2のp型
層中のA層とB層の積層の様子を観察したところ図21
のように層厚約1nmのB層と層厚約3nmのA層が交
互に積層されていることが分かった。
【0313】以上に見られるように本実施例の太陽電池
(SC実16)が、太陽電池(SC比16)よりもさら
に優れた特性を有することが実証された。
【0314】(実施例17)実施例16においてバンド
ギャップ(Eg)の極小値の層厚方向に帯する位置、極
小値の大きさ、およびパターンを変えて太陽電池を幾つ
か作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を実施
例16と同様な方法で調べた。このときi型層のSiH
4 ガス流量とGeH4 ガス流量の変化パターン以外は実
施例16と同じにした。
【0315】バンドギャップを図14のパターンとなる
ようにSiH4 ガス流量とGeH4ガス流量を変えて作
製したこれらの太陽電池の初期光電変換効率および耐久
特性を調べた結果を表7に示す((SC実17−1)を
基準とした)。これらの結果から分かるように、バンド
ギャップの極小値の大きさ、変化パターンによらず、i
型層のバンドギャップが層厚方向になめらかに変化し、
バンドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位置よ
りp/i界面方向に片寄っている本発明の太陽電池のほ
うが優れていることが分かった。
【0316】(実施例18)B層を水銀増感光CVD法
で形成した太陽電池を作製した。図6の製造装置にφ1
00mm,厚さ10mmの石英ガラス窓と低圧水銀ラン
プを取り付け、石英ガラス窓を通して低圧水銀ランプの
光が堆積室内に入射するようにした。また、石英ガラス
窓には堆積物が付着しないように窓を覆うシャッター
(窓シャッター)を堆積室内部取り付けておいた。さら
に、入口、出口にバルブのついた液体ボンベ2049に
水銀(純度99.999%)を詰めた。このボンベをバ
ルブ2005とマスフロコントローラー2015の間に
取り付け、B26/H2ガスでバブリングすることによ
り、堆積室にB26/H2ガスと共に気化した水銀を導
入できるようにした。B層を形成する際、B26/H2
ガスの流量を1000sccm堆積室内に流入させ圧力
を1.0Torrにし、予めシャッター415は開けて
おき低圧水銀ランプを点灯し60秒間窓シャッターを開
けA層上にB層を形成する以外は実施例16と同じ条
件、同じ方法手順で、図1(a)の太陽電池を作製し
た。
【0317】作製した太陽電池(SC実18)は(SC
実16)と同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに
良好な初期光電変換効率および耐久特性を有することが
分かった。
【0318】(実施例19)p型の多結晶シリコン基板
を用いて図1(b)の太陽電池を作製した。基板上に第
1のn型層、p型層、i型層、第2のn型層を順次形成
した。表8に形成条件を記す。i型層を形成する際、S
iH4 ガス流量とGeH4 ガス流量は図8のパターンの
ように変化させ、i/p界面よりにバンドギャップの極
小値がくるようにした。基板及び、半導体層以外の層は
実施例16と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。作
製した太陽電池(SC実19)は(SC実16)と同
様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期光
電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0319】(実施例20)p/i界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが20
nmである太陽電池を作製した。図15(a)にi型層
の流量変化パターンを示す。
【0320】i型層の流量変化パターンを変える以外は
実施例16と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。次
に、太陽電池の組成分析を実施例16と同様な方法で行
い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンドギャップの
変化を調べたところ、図15(b)のような結果となっ
た。作製した太陽電池(SC実20)は(SC実16)
と同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初
期光電変換効率および耐久特性を有することが分かっ
た。
【0321】(比較例20)i型層のp/i界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例20と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例16の太陽電池(S
C実16)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0322】(実施例21)i/n界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが15
nmである太陽電池を作製した。図15(c)にi型層
の流量変化パターンを示す。
【0323】i型層の流量変化パターンを変える以外は
実施例16と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。次
に、太陽電池の組成分析を実施例16と同様な方法で行
い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンドギャップの
変化を調べたところ、図15(d)のような結果となっ
た。作製した太陽電池(SC実21)は(SC実16)
と同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初
期光電変換効率および耐久特性を有することが分かっ
た。
【0324】(比較例21)i型層のi/n界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例21と同じ条件、同じ方法
を用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効
率および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1n
m以上、30nm以下では、実施例16の太陽電池(S
C実16)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性が得られた。
【0325】(実施例22)第2のp型層を形成する
際、B26/H2ガスの代わりにトリエチルボロン(B
(C253,TEB)を用いた太陽電池を作製した。
【0326】常温、常圧で液体のTEB(99.99
%)を、入口、出口にバルブのついた液体ボンベ204
9に詰めた。このボンベを原料ガス供給装置に取り付
け、H2ガスでバブリングすることにより、堆積室にH2
ガスと共に気化したTEBを導入できるようにした。
【0327】A層を形成する際、TEB/H2ガスの流
量を10sccm堆積室内に流入させる以外は実施例1
6と同じ条件、手順で、i型層上にA層を形成し、5分
間、H2ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を真
空排気した。
【0328】B層を形成する際、TEB/H2ガスの流
量を1000sccm堆積室内に流入させる以外は実施
例16と同じ条件、手順で、A層上にB層を形成し、5
分間、H2ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を
真空排気した。
【0329】次にB層上にA層を形成し、5分間、H2
ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を真空排気し
た。
【0330】次にA層上にB層を形成し、5分間、H2
ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を真空排気し
た。
【0331】次にB層上にA層を形成し、5分間、H2
ガスを堆積室内に流入させた後に堆積室内を真空排気し
た。
【0332】第2のp型層以外は実施例16と同じ条
件、方法、手順で作製した。
【0333】作製した太陽電池(SC実22)は(SC
実16)と同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに
良好な初期光電変換効率および耐久特性を有することが
分かった。
【0334】(実施例23−1)i型層に酸素原子が含
有されている太陽電池を作製した。i型層を形成する
際、実施例16で流すガスの他に、O2 /Heガスを5
sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例16
と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太
陽電池(SC実23−1)は(SC実16)と同様、太
陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変換
効率および耐久特性を有することが分かった。また、i
型層中の酸素原子の含有量をSIMSで調べたところ、
ほぼ均一に含有され、1×1019(個/cm3 )である
ことが分かった。
【0335】(実施例23−2)i型層に窒素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例16で流すガスの他に、NH3 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例16と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実23−2)は(SC実16)と
同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の窒素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、3×1017(個/c
3 )であることが分かった。
【0336】(実施例23−3)i型層に炭素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例16で流すガスの他に、CH4 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例16と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実23−3)は(SC実16)と
同様、太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の炭素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、1×1018(個/c
3 )であることが分かった。
【0337】(実施例24−1)i型層に酸素原子およ
び窒素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例16で流すガスの他に、O2
Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例16と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実24−1)は(SC実16)と同様、太陽電池
(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0338】(実施例24−2)i型層に酸素原子およ
び炭素原子が含有されているシリコン太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例16で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを
5sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例1
6と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実24−2)は(SC実16)と同様、
太陽電池(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変
換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0339】(実施例24−3)i型層に窒素原子およ
び炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例16で流すガスの他に、NH3
/H2 ガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例16と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実24−3)は(SC実16)と同様、太陽電池
(SC比16)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0340】(実施例25)i型層に酸素原子、窒素原
子および炭素原子が含有されている太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例16で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを
5sccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、堆積室4
01内に導入する以外は実施例16と同じ条件、同じ方
法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実2
5)は(SC実16)と同様、太陽電池(SC比16)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0341】(実施例26)i型層の水素含有量がシリ
コン含有量に対応して変化している太陽電池を作製し
た。O2 /HeガスボンベをSiF4 ガス(純度99.
999%)ボンベに交換し、i型層を形成する際、図1
7(a)の流量パターンに従って、SiH4 ガス、Ge
4 ガス、SiF4 ガスの流量を変化させた。実施例1
6と同様な方法によってこの太陽電池(SC実26)の
層厚方向のバンドギャップの変化を求めた。それを図1
7(b)に示す。
【0342】さらに2次イオン質量分析装置を用いて水
素原子とシリコン原子の含有量の層厚方向分析を行っ
た。その結果、図17(c)に示すように、水素原子の
含有量はシリコン原子の含有量に対応した層厚方向分布
をしていることがわかった。この太陽電池(SC実2
6)の初期光電変換効率と耐久特性を求めたところ、実
施例16の太陽電池と同様、太陽電池(SC比16)よ
りもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有
することが分かった。
【0343】(実施例27)図6に示すマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いた製造装置により、図1(a)の太
陽電池の半導体層を形成する際、シリコン原子含有ガス
(SiH4 ガス)とゲルマニウム原子含有ガス(GeH
4 ガス)を堆積室から1mの距離のところで混合させる
以外は実施例16と同じ方法、同じ手順で太陽電池(S
C実27)を作製した。作製した太陽電池は(SC実1
6)よりもさらにさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。
【0344】(実施例28)第1のp型層をガス拡散法
で作製し、i型層を形成する際、SiH4 ガスの代わり
にSi2 6 (ジシラン)ガスを用い、さらにRF電極
410に正のDCバイアスを印加し、RF電力、DCバ
イアス、μW電力を変化させた太陽電池を作製した。ま
ず、NH3 /H2 ガスボンベを水素で10%に希釈され
たBBr3 ガス(BBr3 /H2)ボンベに交換し、O
2 /HeガスボンベをSi2 6 ガスボンベに交換し
た。第1のp型層を形成する際、基板温度900℃、B
Br3 /H2 ガス流量500sccm、内圧30Tor
rの拡散条件で、Bを拡散した。接合深さが約300n
mになったところで、BBr3 /H2 ガスの導入を止
め、実施例16と同じ条件のn型層を形成した。次にi
型層を形成する際、Si2 6 ガス流量を図18(a)
のように変化させ、RF電極410に正のDCバイアス
を印加し、RF電力、DCバイアス、μW電力を図18
(b)に示すように変化させた太陽電池を作製した。他
は実施例16と同様に行った。作製した太陽電池(SC
実28)は(SC実16)と同様、太陽電池(SC比1
6)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特
性を有することが分かった。
【0345】(実施例29)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、図19
のトリプル型太陽電池を作製した。
【0346】基板は実施例14と同様にして作製した。
続いて、実施例16と同様な手順、同様な方法で基板の
水素プラズマ処理を行い、基板のテクスチャー面上に第
1のp型層を形成し、さらに第1のn型層、第1のi型
層、第2のp型層、第2のn型層、第2のi型層、第3
のp型層を順次形成した。第1のi型層を形成する際、
図7のような流量変化パターンに従ってSiH4 ガス流
量、GeH4 ガス流量を変化させた。
【0347】次に第3のp型層上に、実施例16と同様
に透明電極として、層厚70nmのITO(In2 3
+SnO2 )を通常の真空蒸着方法で真空蒸着した。
【0348】次に、実施例16と同様に透明電極上に銀
(Ag)からなる層厚5μmの集電電極を通常の真空蒸
着法で真空蒸着した。
【0349】更に、実施例16と同様に基板の裏面にA
g−Tiからなる層厚3μmの裏面電極を通常の真空蒸
着方法で真空蒸着した。
【0350】以上でマイクロ波プラズマCVD法を用い
たトリプル型太陽電池の作製を終えた。この太陽電池を
(SC実29)と呼ぶことにし、各半導体の作製条件を
表9に記す。
【0351】(比較例29)図19の第1のi型層を形
成する際、図8の流量変化パターンに従って、SiH4
ガス流量、GeH4 ガス流量を変化させる以外は実施例
29と同様な方法、同様な手順でトリプル型太陽電池を
作製した。この太陽電池(SC比29)と呼ぶことにす
る。
【0352】作製したこれらのトリプル型太陽電池の初
期光電変換効率と耐久特性を実施例1と同様な方法で測
定したところ、(SC実29)はトリプル型太陽電池
(SC比29)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0353】(実施例30)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、実施例
16の太陽電池を作製し、モジュール化し、発電システ
ムに応用した。
【0354】実施例16と同じ条件、同じ方法、同じ手
順で50×50mm2 の太陽電池(SC実16)を65
個作製し、実施例15と同様にしてモジュール化した。
作製したモジュールの初期光電変換効率を実施例16と
同様な方法で測定しておいた。モジュールを図20の発
電システムを示す回路に接続し、負荷には夜間点灯する
街灯を使用した。システム全体は、蓄電池、及びモジュ
ールの電力によって稼働し、モジュールは最も太陽光を
集光できる角度に設置した。
【0355】1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣
化率(1年後の光電変換効率/初期光電変換効率)を求
めた。このモジュールを(MJ実30)と呼ぶことにす
る。 (比較例30)太陽電池(SC比16)を比較例16と
同じ条件、同じ方法、同じ手順で65個作製し、実施例
30と同様にモジュール化した。このモジュールを(M
J比30)と呼ぶことにする。実施例30と同じ条件、
同じ方法、同じ手順で初期光電変換効率と1年経過後の
光電変換効率を測定し、光劣化率を求めた。
【0356】その結果、(MJ比30)の光劣化率は
(MJ実30)に対して次のような結果となった。
【0357】 以上の結果より本発明の太陽電池モジュールのほうが比
較例の太陽電池モジュールよりもさらに優れた光劣化特
性を有していることが分かった。
【0358】(実施例31)本実施例ではキャスティン
グ法によって製造したn型の多結晶シリコン基板を用い
て、i型層がP及びB原子を含有し、且つ第2のp型層
が積層構造をとる図1(a)に示す太陽電池を作製し
た。
【0359】実施例1と同様にして成膜の準備を完了し
た後、基板の水素プラズマ処理を行い、基板404上
に、第1のp型層、n型層、i型層、第2のp型層の形
成を行った。
【0360】まず、水素プラズマ処理を行うには、バル
ブ2003を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内
に導入し、H2 ガス流量が500sccmになるように
マスフローコントローラー2013で調節した。堆積室
内の圧力が2.0Torrになるように真空計402を
見ながらコンダクタンスバルブで調整し、基板404の
温度が550℃になるように加熱ヒーター405を設定
し、基板温度が安定したところでシャッター415が閉
じられていることを確認し、μW電源を0.20W/c
3 に設定し、μW電力を導入し、グロー放電を生起さ
せ、シャッター415を開け、水素プラズマ処理を開始
した。10分間経過したところでシャッターを閉じ、μ
W電源を切り、グロー放電を止め、水素プラズマ処理を
終えた。5分間、堆積室401内へH2 ガスを流し続け
たのち、バルブ2003を閉じ、堆積室401内および
ガス配管内を真空排気した。
【0361】第1のp型層を形成するには、バルブ20
03を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入
し、H2 ガス流量が50sccmになるようにマスフロ
ーコントローラー2013で調節した。堆積室内の圧力
が2.0Torrになるように真空計402を見ながら
コンダクタンスバルブで調節し、基板404の温度が3
50℃になるように加熱ヒーター405を設定し、基板
温度が安定したところでさらにバルブ2001、200
5を除々に開けて、SiH4 ガス、B2 6 /H2 ガス
を堆積室401内に流入させた。この時、SiH4 ガス
流量が5sccm、H2 ガス流量が100sccm、B
2 6 /H2 ガス流量が500sccmとなるように各
々のマスフローコントローラーで調節した。堆積室40
1内の圧力は、2.0Torrとなるように真空計40
2を見ながらコンダクタンスバルブ407の開口を調節
した。RF電源を0.20W/cm3 に設定し、RF電
力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッター415
を開け、基板上に第1のp型層の形成を開始した。層厚
100nmの第1のp型層を作製したところでシャッタ
ーを閉じ、RF電源を切り、グロー放電を止め第1のp
型層の形成を終えた。バルブ2001、2005を閉じ
て、堆積室401内へのSiH4 ガス、B26/H2
スの流入を止め、5分間、堆積室401内へH2 ガスを
流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、堆積室401
内およびガス配管内を真空排気した。
【0362】n型層を形成するには、補助バルブ40
8、バルブ2003を除々に開けて、H2 ガスをガス導
入管411を通じて堆積室401内に導入し、H2 ガス
流量が50sccmになるようにマスフローコントロー
ラー2013を設定し、堆積室内の圧力が1.0Tor
rになるようにコンダクタンスバルブで調節し、基板4
04の温度が350℃になるように加熱ヒーター405
を設定した。基板温度が安定したところで、さらにバル
ブ2001、2004を除々に開けて、SiH4ガス、
PH3 /H2 ガスを堆積室401内に流入させた。この
時、SiH4 ガス流量が2sccm、H2 ガス流量が1
00sccm、PH3 /H2 ガス流量が200sccm
となるように各々のマスフローコントローラーで調節し
た。堆積室401内の圧力は、1.0Torrとなるよ
うにコンダクタンスバルブ407の開口を調節した。R
F電源の電力を0.01W/cm3に設定し、RF電極
にRF電力を導入し、グロー放電を生起させシャッター
を開け、第1のp型層上にn型層の作製を開始し、層厚
30nmのn型層を作製したところでシャッターを閉
じ、RF電源を切ってグロー放電を止め、n型層の形成
を終えた。バルブ2001、2004を閉じて、堆積室
401内へのSiH4 ガス、PH3 /H2 ガスの流入を
止め、5分間、堆積室401内へH2 ガスを流し続けた
のち、流出バルブ2003を閉じ、堆積室401内およ
びガス配管内を真空排気した。
【0363】次に、i型層を作製するには、バルブ20
03を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内に導入
し、H2 ガス流量が300sccmになるようにマスフ
ローコントローラー2013で調節した。堆積室内の圧
力が0.01Torrになるようにコンダクタンスバル
ブで調節し、基板404の温度が350℃になるように
加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定したとこ
ろでさらにバルブ2001、2002、2004、20
05を除々に開けて、SiH4 ガス、GeH4ガス、P
3 /H2 ガス、B2 6 /H2 ガスを堆積室401内
に流入させた。この時、SiH4 ガス流量が120sc
cm、GeH4 ガス流量30sccm、H2 ガス流量が
300sccm、PH3 /H2 ガス流量が2sccm、
2 6/H2 ガス流量が5sccmとなるように各々
のマスフローコントローラーで調節した。堆積室401
内の圧力は、0.01Torrとなるようにコンダクタ
ンスバルブ407の開口を調節した。次に、RF電源4
03の電力を0.40W/cm3 に設定し、RF電極に
印加した。その後、不図示のμW電源の電力を0.20
W/cm3に設定し、誘電体窓413を通して堆積室4
01内にμW電力を導入し、グロー放電を生起させ、シ
ャッターを開け、n型層上にi型層の作製を開始した。
マスフローコントローラーに接続させたコンピューター
を用い、図7に示した流量変化パターンに従ってSiH
4 ガス、GeH4 ガスの流量を変化させ、層厚300n
mのi型層を作製したところで、シャッターを閉じ、μ
W電源を切ってグロー放電を止め、RF電源403を切
り、i型層の作製を終えた。バルブ2001、200
2、2004、2005を閉じて、堆積室401内への
SiH4 ガス、GeH4 ガス、PH3 /H2 ガス、B2
6/H2 ガスの流入を止め、5分間、堆積室401内
へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、
堆積室401内およびガス配管内を真空排気した。
【0364】次に、第2のp型層を形成するには、バル
ブ2003を除々に開けて、H2 ガスを堆積室401内
に導入し、H2 ガス流量が300sccmになるように
マスフローコントローラー2013で調節した。堆積室
内の圧力が0.02Torrになるようにコンダクタン
スバルブで調節し、基板404の温度が200℃になる
ように加熱ヒーター405を設定し、基板温度が安定し
たところでさらにバルブ2001、2005、2008
を除々に開けて、SiH4 ガス、B2 6 /H 2 ガス、
CH4/H2ガスを堆積室401内に流入させた。この
時、SiH4 ガス流量が10sccm、B2 6 /H2
ガス流量が10sccm、CH4/H2ガス流量が300
sccmとなるように各々のマスフローコントローラー
で調節した。堆積室401内の圧力は、0.02Tor
rとなるようにコンダクタンスバルブ407の開口を調
節した。μW電源を0.30W/cm3 に設定し、誘電
体窓を通して堆積室401内にμW電力を導入し、グロ
ー放電を生起させ、シャッター415を開け、i型層上
にライトドープ層(A層)の形成を開始した。層厚約3
nmのA層を作製したところでシャッターを閉じμW電
源を切りグロー放電を止めた。バルブ2001、200
5、2008を閉じて、堆積室401内へのSiH4
ス、B2 6/H2 ガス、CH4/H2ガスの流入を止
め、バルブ2003を開け、5分間、堆積室401内へ
2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を閉じ、堆
積室401内およびガス配管内を真空排気した。
【0365】次にバルブ2005を除々に開けて、堆積
室401内にB26/H2ガスを流入させ、流量が10
00sccmになるようにマスフローコントローラーで
調節した。堆積室内の圧力が0.02Torrになるよ
うにコンダクタンスバルブで調節し、μW電源を0.2
0W/cm3 に設定し、誘電体窓を通して堆積室401
内にμW電力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッ
ター415を開け、A層上にほう素原子の層(B層)の
形成を開始した。6秒間経過したところでシャッターを
閉じμW電源を切りグロー放電を止めた。バルブ200
5を閉じて、堆積室401内へのB2 6 /H2 ガスの
流入を止め、バルブ2003を開け、5分間、堆積室4
01内へH2 ガスを流し続けたのち、バルブ2003を
閉じ、堆積室401内およびガス配管内を真空排気し
た。
【0366】次にその上に上記した方法と同じ方法、条
件でA層を形成した。
【0367】さらにその上に上記した方法と同じ方法、
条件でB層を形成した。
【0368】さらにその上に上記した方法と同じ方法、
条件でA層を形成し、層厚約10nmの第2のp型層の
形成を終えた。
【0369】次に、実施例1と同様にして第2のp型層
上に、透明電極として、層厚70nmのITO(In2
3 +SnO2 )、銀(Ag)からなる層厚5μmの集
電電極を通常の真空蒸着法で真空蒸着した。
【0370】また、基板の裏面にAg−Tiからなる層
厚3μmの裏面電極を通常の真空蒸着法で真空蒸着し
た。
【0371】以上でこの太陽電池の作製を終えた。この
太陽電池を(SC実31)と呼ぶことにし、第1のp型
層、n型層、i型層、第2のp型層の作製条件を表10
に示す。
【0372】(比較例31)i型層を形成する際に、S
iH4 ガス流量及びGeH4 ガス流量を、図8に示す流
量パターンに従って各々のマスフローコントローラーで
調節した以外は実施例31と同じ条件、同じ手順で太陽
電池を作製した。この太陽電池を(SC比31)と呼ぶ
ことにする。
【0373】作製した太陽電池(SC実31)及び(S
C比31)の初期光電変換効率(光起電力/入射電力)
及び耐久特性の測定を行った。
【0374】測定の結果、(SC実31)の太陽電池に
対して、(SC比31)の初期光電変換効率は以下のよ
うになった。
【0375】(SC比31) 0.78倍 耐久特性の測定の結果、(SC実31)の太陽電池に対
して、(SC比31)の光電変換効率の低下は以下のよ
うになった。
【0376】(SC比31) 0.77倍 以上に見られるように本実施例の太陽電池(SC実3
1)が、太陽電池(SC比31)よりもさらに優れた特
性を有することが実証された。
【0377】(実施例32)実施例31においてバンド
ギャップ(Eg)の極小値の層厚方向に帯する位置、極
小値の大きさ、およびパターンを変えて太陽電池を幾つ
か作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を実施
例31と同様な方法で調べた。このときi型層のSiH
4 ガス流量とGeH4 ガス流量の変化パターン以外は実
施例31と同じにした。図14に示すバンドギャップを
有す太陽電池を作製し、初期光電変換効率および耐久特
性を調べた結果を表11に示す((SC実32−1)を
基準とした)。これらの結果から分かるように、バンド
ギャップの極小値の大きさ、変化パターンによらず、i
型層のバンドギャップが層厚方向になめらかに変化し、
バンドギャップの極小値の位置がi型層の中央の位置よ
りp/i界面方向に片寄っている本発明の太陽電池のほ
うが優れていることが分かった。
【0378】(実施例33)実施例31においてi型層
の価電子制御剤の濃度、および種類を変えた太陽電池を
幾つか作製し、その初期光電変換効率および耐久特性を
実施例31と同様な方法で調べた。このときi型層の価
電子制御剤の濃度、および種類を変えた以外は実施例3
1と同じにした。
【0379】(実施例33−1)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流
量を1/5倍にし、トータルのH2 流量は実施例31と
同じにした太陽電池(SC実33−1)を作製したとこ
ろ、(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)よ
りもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有
することが分かった。
【0380】(実施例33−2)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガス(B2 6 /H2 ガス)流
量を5倍にし、トータルのH2 流量は実施例31と同じ
にした太陽電池(SC実33−2)を作製したところ、
(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。
【0381】(実施例33−3)i型層のドナーとなる
価電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を1/
5倍にし、トータルのH2 流量は実施例31と同じにし
た太陽電池(SC実33−3)を作製したところ、(S
C実31)と同様、太陽電池(SC比31)よりもさら
に良好な初期光電変換効率および耐久特性を有すること
が分かった。
【0382】(実施例33−4)i型層のドナーとなる
価電子制御剤用のガス(PH3 /H2 ガス)流量を5倍
にし、トータルのH2 流量は実施例31と同じにした太
陽電池(SC実33−4)を作製したところ、(SC実
31)と同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良
好な初期光電変換効率および耐久特性を有することが分
かった。
【0383】(実施例33−5)i型層のアクセプター
となる価電子制御剤用のガスとしてB2 6 /H2 ガス
の代わりにTMAを用いて太陽電池を作製した。この
際、液体ボンベに密封されたTMAを水素ガスでバブリ
ングしてガス化し、堆積室401内に導入する以外は、
実施例31と同様な方法、および手順を用いて太陽電池
(SC実33−5)を作製した。
【0384】このとき、TMA/H2 ガスの流量は10
sccmにした。作製した太陽電池(SC実33−5)
は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)より
もさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有す
ることが分かった。
【0385】(実施例33−6)i型層のドナーとなる
価電子制御剤用のガスとしてPH3 /H2 ガスの代わり
に硫化水素(H2 S)ガスを用いた太陽電池を作製し
た。実施例31のNH3 /H2 ガスボンベを水素
(H2 )で100ppmに希釈されたH2 Sガス(H2
S/H2)ボンベに交換し、実施例31と同様な方法、
および手順を用いて太陽電池(SC実33−6)を作製
した。このときH2 S/H2 ガスの流量は1sccmに
し、他の条件は実施例31と同じにした。
【0386】作製した太陽電池(SC実33−6)は
(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)よりも
さらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有する
ことが分かった。
【0387】(実施例34)キャスティング法を用いて
作製したp型の多結晶シリコン基板を用いて図1(b)
の太陽電池を作製した。基板の水素プラズマ処理を行
い、基板上に第1のn型層、p型層、i型層、第2のn
型層を順次形成した。表12に形成条件を記す。i型層
を形成する際、SiH4 ガス流量とGeH4 ガス流量は
図8のパターンのように変化させ、i/p界面よりにバ
ンドギャップの極小値がくるようにした。第2のn型層
は実施例31と同様にして積層構造とした。基板及び半
導体層以外の層は実施例31と同じ条件、同じ方法を用
いて作製した。作製した太陽電池(SC実34)は(S
C実31)と同様、太陽電池(SC比31)よりもさら
に良好な初期光電変換効率および耐久特性を有すること
が分かった。
【0388】(実施例35)p/i界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが20
nmである太陽電池を作製した。図15(a)にi型層
の流量変化パターンを示す。
【0389】i型層の流量変化パターンを変える以外は
実施例31と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。次
に、太陽電池の組成分析を実施例31と同様な方法で行
い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンドギャップの
変化を調べたところ、図15(b)と同様な結果となっ
た。作製した太陽電池(SC実35)は(SC実31)
と同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初
期光電変換効率および耐久特性を有することが分かっ
た。
【0390】(比較例35)i型層のp/i界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例5と同じ条件、同じ方法を
用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効率
および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1nm
以上、30nm以下では、実施例31の太陽電池(SC
実31)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐
久特性が得られた。
【0391】(実施例36)i/n界面近傍にi型層の
バンドギャップの最大値があり、その領域の厚さが15
nmである太陽電池を作製した。図15(c)にi型層
の流量変化パターンを示す。
【0392】i型層の流量変化パターンを変える以外は
実施例31と同じ条件、同じ方法を用いて作製した。次
に、太陽電池の組成分析を実施例31と同様な方法で行
い、図9をもとにi型層の層厚方向のバンドギャップの
変化を調べたところ、図15(d)と同様な結果となっ
た。作製した太陽電池(SC実36)は(SC実31)
と同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初
期光電変換効率および耐久特性を有することが分かっ
た。
【0393】(比較例36)i型層のi/n界面近傍に
バンドギャップの最大値を有する領域があり、その領域
の厚さをいろいろと変えた太陽電池をいくつか作製し
た。領域の厚さ以外は実施例6と同じ条件、同じ方法を
用いて作製した。作製した太陽電池の初期光電変換効率
および耐久特性を測定したところ、領域の厚さが1nm
以上、30nm以下では、実施例31の太陽電池(SC
実31)よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐
久特性が得られた。
【0394】(実施例37)価電子制御剤がi型層内で
分布している太陽電池を作製した。図16(a)にPH
3 /H2 ガスとB2 6 /H2 ガスの流量の変化のパタ
ーンを示す。作製の際、PH3 /H2 ガスとB2 6
2 ガスの流量を変化させ以外は実施例31と同じ条
件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実37)は(SC実31)と同様、太陽電池(S
C比31)よりもさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。また、i型層中に含
有されるP原子とB原子の層厚方向の変化を2次イオン
質量分析装置(SIMS)を用いて調べたところ、図1
6(b)に示す結果となり、バンドギャップが最小の位
置で、P原子とB原子の含有量が最小となっていること
が分かった。
【0395】(実施例38−1)i型層に酸素原子が含
有されている太陽電池を作製した。i型層を形成する
際、実施例31で流すガスの他に、O2 /Heガスを5
sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例31
と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太
陽電池(SC実38−1)は(SC実31)と同様、太
陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期光電変換
効率および耐久特性を有することが分かった。また、i
型層中の酸素原子の含有量をSIMSで調べたところ、
ほぼ均一に含有され、1×1019(個/cm3 )である
ことが分かった。
【0396】(実施例38−2)i型層に窒素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例31で流すガスの他に、NH3 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例31と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実38−2)は(SC実31)と
同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の窒素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、3×1017(個/c
3 )であることが分かった。
【0397】(実施例38−3)i型層に炭素原子が含
有されているシリコン太陽電池を作製した。i型層を形
成する際、実施例31で流すガスの他に、CH4 /H2
ガスを5sccm、堆積室401内に導入する以外は実
施例31と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作
製した太陽電池(SC実38−3)は(SC実31)と
同様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期
光電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
また、i型層中の炭素原子の含有量をSIMSで調べた
ところ、ほぼ均一に含有され、1×1018(個/c
3 )であることが分かった。
【0398】(実施例39−1)i型層に酸素原子およ
び窒素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例31で流すガスの他に、O2
Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例31と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実39−1)は(SC実31)と同様、太陽電池
(SC比31)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0399】(実施例39−2)i型層に酸素原子およ
び炭素原子が含有されているシリコン太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例31で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを
5sccm、堆積室401内に導入する以外は実施例3
1と同じ条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した
太陽電池(SC実39−2)は(SC実31)と同様、
太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期光電変
換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0400】(実施例39−3)i型層に窒素原子およ
び炭素原子が含有されている太陽電池を作製した。i型
層を形成する際、実施例31で流すガスの他に、NH3
/H2 ガスを5sccm、CH4 /H2 ガスを5scc
m、堆積室401内に導入する以外は実施例31と同じ
条件、同じ方法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池
(SC実39−3)は(SC実31)と同様、太陽電池
(SC比31)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0401】(実施例40)i型層に酸素原子、窒素原
子および炭素原子が含有されている太陽電池を作製し
た。i型層を形成する際、実施例31で流すガスの他
に、O2 /Heガスを5sccm、NH3 /H2 ガスを
5sccm、CH4 /H2 ガスを5sccm、堆積室4
01内に導入する以外は実施例31と同じ条件、同じ方
法、同じ手順を用いた。作製した太陽電池(SC実4
0)は(SC実31)と同様、太陽電池(SC比31)
よりもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を
有することが分かった。
【0402】(実施例41)i型層の水素含有量がシリ
コン含有量に対応して変化している太陽電池を作製し
た。O2 /HeガスボンベをSiF4 ガス(純度99.
999%)ボンベに交換し、i型層を形成する際、図1
7(a)の流量パターンに従って、SiH4 ガス、Ge
4 ガス、SiF4 ガスの流量を変化させた。実施例3
1と同様な方法によってこの太陽電池(SC実41)の
層厚方向のバンドギャップの変化を求めた。それを図1
7(b)に示す。
【0403】さらに2次イオン質量分析装置を用いて水
素原子とシリコン原子の含有量の層厚方向分析を行っ
た。その結果、図17(c)に示すように、水素原子の
含有量はシリコン原子の含有量に対応した層厚方向分布
をしていることがわかった。この太陽電池(SC実4
1)の初期光電変換効率と耐久特性を求めたところ、実
施例31の太陽電池と同様、太陽電池(SC比31)よ
りもさらに良好な初期光電変換効率および耐久特性を有
することが分かった。
【0404】(実施例42)図6に示すマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いた製造装置により、図1(a)の太
陽電池の半導体層を形成する際、シリコン原子含有ガス
(SiH4 ガス)とゲルマニウム原子含有ガス(GeH
4 ガス)を堆積室から1mの距離のところで混合させる
以外は実施例31と同じ方法、同じ手順で太陽電池(S
C実42)を作製した。作製した太陽電池は(SC実3
1)よりもさらにさらに良好な初期光電変換効率および
耐久特性を有することが分かった。
【0405】(実施例43)第1のp型層をガス拡散法
で作製し、i型層を形成する際、SiH4 ガスの代わり
にSi2 6 (ジシラン)ガスを用い、さらにRF電極
410に正のDCバイアスを印加し、RF電力、DCバ
イアス、μW電力を変化させた太陽電池を作製した。ま
ず、O2 /HeガスボンベをSi2 6 ガスボンベに交
換し、さらにNH3 /H2 ガスボンベを水素で10%に
希釈されたBBr3 ガス(BBr3 /H2 ガス)ボンベ
に交換した。第1のp型層を形成する際、基板温度90
0℃、BBr3 /H2 ガス流量500sccm、内圧3
0Torrの拡散条件で、Bを拡散した。接合深さが約
300nmになったところで、BBr3 /H2 ガスの導
入を止め、実施例31と同じ条件のn型層を形成した。
次にi型層を形成する際、Si2 6 ガス流量を図18
(a)のように変化させ(GeH4は実施例31と同様
に変化させた)、RF電極410に正のDCバイアスを
印加し、RF電力、DCバイアス、μW電力を図18
(b)に示すように変化させた太陽電池を作製した。作
製した太陽電池(SC実43)は(SC実31)と同
様、太陽電池(SC比31)よりもさらに良好な初期光
電変換効率および耐久特性を有することが分かった。
【0406】(実施例44)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、図19
のトリプル型太陽電池を作製した。
【0407】基板は実施例14と同様にして作製し、続
いて実施例31と同様な手順、同様な方法で基板の水素
プラズマ処理を行い、基板のテクスチャー面上に第1の
p型層を形成し、さらに第1のn型層、第1のi型層、
第2のp型層、第2のn型層、第2のi型層、第3のp
型層を順次形成した。第1のi型層を形成する際、図7
のような流量変化パターンに従ってSiH4 ガス流量、
GeH4 ガス流量を変化させた。
【0408】次に第3のp型層上に、実施例31と同様
に透明電極として、層厚70nmのITO(In2 3
+SnO2 )を通常の真空蒸着方法で真空蒸着した。
【0409】次に、実施例31と同様に透明電極上に銀
(Ag)からなる層厚5μmの集電電極を通常の真空蒸
着法で真空蒸着した。
【0410】次に、実施例31と同様に基板の裏面にA
g−Tiからなる層厚3μmの裏面電極を通常の真空蒸
着方法で真空蒸着した。
【0411】以上でマイクロ波プラズマCVD法を用い
たトリプル型太陽電池の作製を終えた。この太陽電池を
(SC実44)と呼ぶことにし、各半導体の作製条件を
表13に記す。
【0412】(比較例44)図19の第1のi型層を形
成する際、図8の流量変化パターンに従って、SiH4
ガス流量、GeH4 ガス流量を変化させる以外は実施例
44と同様な方法、同様な手順でトリプル型太陽電池を
作製した。この太陽電池(SC比44)と呼ぶことにす
る。
【0413】作製したこれらのトリプル型太陽電池の初
期光電変換効率と耐久特性を実施例31と同様な方法で
測定したところ、(SC実44)はトリプル型太陽電池
(SC比44)よりもさらに良好な初期光電変換効率お
よび耐久特性を有することが分かった。
【0414】(実施例45)本発明のマイクロ波プラズ
マCVD法を用いた図6の製造装置を使用して、実施例
31の太陽電池を作製し、モジュール化し、発電システ
ムに応用した。
【0415】実施例31と同じ条件、同じ方法、同じ手
順で50×50mm2 の太陽電池(SC実31)を65
個作製し、続いて実施例15と同様にしてモジュール化
した。作製したモジュールの初期光電変換効率を実施例
31と同様な方法で測定しておいた。モジュールを図2
0の発電システムを示す回路に接続し、負荷には夜間点
灯する街灯を使用した。システム全体は、蓄電池、及び
モジュールの電力によって稼働し、モジュールは最も太
陽光を集光できる角度に設置した。
【0416】1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣
化率(1年後の光電変換効率/初期光電変換効率)を求
めた。これらのモジュールを(MJ実45)と呼ぶこと
にする。
【0417】(比較例45)太陽電池(SC比31)を
比較例31と同じ条件、同じ方法、同じ手順で65個作
製し、実施例45と同様にモジュール化した。このモジ
ュールを(MJ比45)と呼ぶことにする。実施例45
と同じ条件、同じ方法、同じ手順で初期光電変換効率と
1年経過後の光電変換効率を測定し、光劣化率を求め
た。
【0418】その結果、(MJ比45)の光劣化率は
(MJ実45)に対して次のような結果となった。
【0419】 以上の結果より本発明の太陽電池モジュールのほうが比
較例の太陽電池モジュールよりもさらに優れた光劣化特
性を有していることが分かった。
【0420】以上のように、本発明の光起電力素子の効
果は、素子構成、素子材料、素子の作製条件に無関係に
発揮されることが実証された。
【0421】
【発明の効果】以上説明したように本発明により、光励
起キャリアーの再結合を防止し、開放電圧及び正孔のキ
ャリアーレンジを向上し、短波長光、長波長光の感度を
向上させ、光電変換効率が向上した光起電力素子を提供
することが可能となる。
【0422】また本発明の光起電力素子は長時間、光を
照射した場合に起こる光電変換効率の低下を抑制でき
る。そして本発明の光起電力素子は、長期間振動下でア
ニーリングした場合に光電変換効率が低下しにくいもの
である。
【0423】更に本発明の光起電力素子の製造方法によ
れば、上記効果を有する光起電力素子を収率良く形成で
きるものである。
【0424】また更に加えて、本発明の光起電力素子を
利用した電源システムは、照射光の弱い場合に於いても
優れた電気供給能力を示すものである。
【0425】
【表1】
【0426】
【表2】
【0427】
【表3】
【0428】
【表4】
【0429】
【表5】
【0430】
【表6】
【0431】
【表7】
【0432】
【表8】
【0433】
【表9】
【0434】
【表10】
【0435】
【表11】
【0436】
【表12】
【0437】
【表13】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の層構成を示す概念図。
【図2】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図3】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図4】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図5】本発明の光起電力素子のバンドギャップの層厚
方向の変化を示す概念図。
【図6】本発明の光起電力素子の製造装置の一例を示す
概念図。
【図7】SiH4 、GeH4 ガス流量パターンを示すグ
ラフ。
【図8】SiH4 、GeH4 ガス流量パターンを示すグ
ラフ。
【図9】Si原子、Ge原子の組成比とバンドギャップ
の関係を示すグラフ。
【図10】バンドギャップの層厚方向の変化を示すグラ
フ。
【図11】μW電力と堆積速度の関係をしめすグラフ。
【図12】初期光電変換効率のμW電力、RF電力依存
性を示すグラフ。
【図13】初期光電変換効率の圧力依存性を示すグラ
フ。
【図14】バンドギャップの層厚方向の変化を示すグラ
フ。
【図15】流量パターン及びバンドギャップの層厚方向
変化を示すグラフ。
【図16】B2 6 /H2 ガス流量、PH3 /H2 ガス
流量の時間変化及びB含有量、P含有量の層厚方向変化
を示すグラフ。
【図17】ガス流量と水素含有量の層厚方向の変化及び
バンドギャップの層厚方向変化を示すグラフ。
【図18】SiH4 流量、DCバイアス、RF電力、μ
W電力の変化パターンを示すグラフ。
【図19】トリプル型太陽電池の層構成を示す概念図。
【図20】発電システムの一例を示すブロック図。
【図21】積層構造の断面を示すTEM像。
【符号の説明】
101、121 裏面電極 102 n型シリコン基板 103 第1のp型層 104 n型層 105 i型層 106 第2のp型層 107、127 透明電極 108、128 集電電極 122 p型シリコン基板 123 第1のn型層 124 p型層 125 i型層 126 第2のn型層 401 堆積室 402 真空計 403 RF電源 404 基板 405 加熱ヒーター 407 コンダクタンスバルブ 408 補助バルブ 409 リークバルブ 410 RF電極 411 ガス導入管 412 マイクロ波導波部 413 誘電体窓 415 シャッター 2000 原料ガス供給装置 2001〜2008、2021〜2028 バルブ 2011〜2018 マスフローコントローラー 2031〜2038 圧力調整器 2041〜2048 原料ガスボンベ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多結晶シリコンまたは単結晶シリコンか
    らなるn型基板またはp型基板上に、微結晶シリコンま
    たは多結晶シリコンまたは単結晶シリコンからなる第1
    のp型層または第1のn型層(但し、基板と反対導電型
    とする)、非単結晶半導体材料からなるn型層またはp
    型層(但し、基板と同一導電型とする)、非単結晶半導
    体材料からなるi型層、及び非単結晶半導体材料からな
    る第2のp型層または第2のn型層(但し、基板と反対
    導電型とする)が順次積層された光起電力素子におい
    て、前記i型層はシリコン原子とゲルマニウム原子を含
    有し、且つドナーとなる価電子制御剤とアクセプターと
    なる価電子制御剤が共にドーピングされたi型層であっ
    て、層厚方向にバンドギャップがなめらかに変化し、バ
    ンドギャップの極小値の位置が層厚の中央の位置より前
    記第2のp型層側またはp型層側に片寄っていることを
    特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 前記アクセプターとなる価電子制御剤は
    周期律表第III族元素であり、前記ドナーとなる価電
    子制御剤は周期律表第V族元素または/及び第VI族元
    素であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素
    子。
  3. 【請求項3】 前記ドナーとなる価電子制御剤とアクセ
    プターとなる価電子制御剤が前記i型層内で分布してい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力
    素子。
  4. 【請求項4】 前記第2のp型層(または第2のn型
    層)、n型層(またはp型層)及び第1のp型層(また
    は第1のn型層)の内少なくとも一つの層は、シリコン
    原子を主構成元素とし価電子制御剤として周期律第II
    I族元素または第V族元素または第VI元素を含有する
    層(A層)と、周期律第III族元素または第V族元素
    または第VI元素を主構成元素とする層(B層)と、の
    積層構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の光起電力素子。
  5. 【請求項5】 多結晶シリコンまたは単結晶シリコンか
    らなるn型基板またはp型基板上に、微結晶シリコンま
    たは多結晶シリコンまたは単結晶シリコンからなる第1
    のp型層または第1のn型層(但し、基板と反対導電型
    とする)、非単結晶半導体材料からなるn型層またはp
    型層(但し、基板と同一導電型とする)、非単結晶半導
    体材料からなるi型層、及び非単結晶半導体材料からな
    る第2のp型層または第2のn型層(但し、基板と反対
    導電型とする)が順次積層された光起電力素子におい
    て、前記i型層はシリコン原子とゲルマニウム原子を含
    有し、層厚方向にバンドギャップがなめらかに変化し、
    バンドギャップの極小値の位置が層厚の中央の位置より
    前記第2のp型層またはp型層側に片寄っているi型層
    であり、且つ前記第2のp型層または第2のn型層、n
    型層またはp型層、第1のp型層または第1のn型層の
    内少なくとも一つの層は、シリコン原子を主構成元素と
    し価電子制御剤として周期律第III族元素または第V
    族元素または第VI元素を含有する層(A層)と、周期
    律第III族元素または第V族元素または第VI元素を
    主構成元素とする層(B層)と、の積層構造であること
    を特徴とする光起電力素子。
  6. 【請求項6】 前記A層は、炭素、酸素、窒素の内少な
    くとも1つを含有することを特徴とする請求項4または
    5に記載の光起電力素子。
  7. 【請求項7】 前記i型層の2つの界面の内少なくとも
    一方に、バンドギャップの最大値があって、該バンドギ
    ャップ最大値の領域が1〜30nmであることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光起電力素
    子。
  8. 【請求項8】 前記i型層は、炭素原子または/及び酸
    素原子または/及び窒素原子を含有することを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  9. 【請求項9】 前記i型層に含有される水素の含有量が
    シリコン原子の含有量に対応して変化していることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光起電力
    素子。
  10. 【請求項10】 多結晶シリコンまたは単結晶シリコン
    からなるn型基板またはp型基板上に、微結晶シリコン
    または多結晶シリコンまたは単結晶シリコンからなる第
    1のp型層または第1のn型層(但し、基板と反対導電
    型とする)、非単結晶半導体材料からなるn型層または
    p型層(但し、基板と同一導電型とする)、非単結晶半
    導体材料からなるi型層、及び非単結晶半導体材料から
    なる第2のp型層または第2のn型層(但し、基板と反
    対導電型とする)が順次積層された光起電力素子の製造
    方法において、該i型層がシリコン原子、ゲルマニウム
    原子及びドナーとなる価電子制御剤とアクセプターとな
    る価電子制御剤とを含有し、バンドギャップが層厚方向
    になめらかに変化し、層厚の中央の位置より前記第2の
    p型層側またはp型層側で極小となるように、内圧50
    mTorr以下の真空度で、堆積膜堆積用の原料ガスを
    100%分解するのに必要なマイクロ波エネルギーより
    低いマイクロ波エネルギーと該マイクロ波エネルギーよ
    り高いRFエネルギーとを同時に該原料ガスに作用させ
    て形成することを特徴とする光起電力素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 多結晶シリコンまたは単結晶シリコン
    からなるn型基板またはp型基板上に、微結晶シリコン
    または多結晶シリコンまたは単結晶シリコンからなる第
    1のp型層または第1のn型層(但し、基板と反対導電
    型とする)、非単結晶半導体材料からなるn型層または
    p型層(但し、基板と同一導電型とする)、非単結晶半
    導体材料からなるi型層、及び非単結晶半導体材料から
    なる第2のp型層または第2のn型層(但し、基板と反
    対導電型とする)が順次積層された光起電力素子の製造
    方法において、前記i型層がシリコン原子とゲルマニウ
    ム原子を含有して、バンドギャップが層厚方向になめら
    かに変化し層厚の中央の位置より前記第2のp型層側ま
    たはp型層側で極小となるように、内圧50mTorr
    以下の真空度で、堆積膜堆積用の原料ガスを100%分
    解するのに必要なマイクロ波エネルギーより低いマイク
    ロ波エネルギーと該マイクロ波エネルギーより高いRF
    エネルギーとを同時に前記原料ガスに作用させて形成
    し、且つ、前記第2のp型層または第2のn型層、n型
    層またはp型層、第1のp型層または第1のn型層の内
    少なくとも一つの層が、シリコン原子を主構成元素とし
    価電子制御剤として周期律第III族元素または第V族
    元素または第VI元素を含有する層(A層)と、周期律
    第III族元素または第V族元素または第VI元素を主
    構成元素とする層(B層)と、の積層構造とすることを
    特徴とする光起電力素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    光起電力素子と、該光起電力素子の電圧及び/または電
    流をモニターし蓄電池及び/または外部負荷への前記光
    起電力素子からの電力の供給を制御するシステムと、前
    記光起電力素子からの電力の蓄積及び/または外部負荷
    への電力の供給を行う蓄電池と、から構成されているこ
    とを特徴とする発電システム。
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