JPH0620423Y2 - ラック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、上部領域には普通の棚板を備え、下部領域に
は引き出しを備えたラックに関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 前記のように上部領域には普通の棚板を備え、下部領域
には引き出しを備えたものは、そのように前以って設計
製作されたものが知られているだけであり、前記棚板及
び引き出しの段数や間隔を使用状況に応じて任意に決め
ることが出来る、組立式のラックは従来考えられていな
かった。

即ち、一般的な組立式のラックとして、ラック四隅に配
置された各支柱に棚受け係止孔を長さ方向適当間隔おき
に設け、ラック長さ方向両端の前後一対の支柱間に前記
棚受け係止孔を介して棚受けを夫々係止し、左右一対の
前記棚受け間に棚板を支持せしめるようにしたラックが
知られているが、この種のラックでは、腰から下の高さ
の品物の出し入れが困難であるばかりでなく、工具類や
ビン類を垂直に保持する保持孔付き棚板の場合には、当
該棚板の上方に前記工具類やビン類を棚板の保持孔から
上方へ抜き取るためのスペースを確保しなければならな
いので、ラックの収納効率が低下する問題点もあった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決するために、
前記のようなラックに於いて、ラックの下部領域には、
前記棚受けに代えて引き出し用ガイドレールを、前記棚
受け係止孔を介して前記前後一対の支柱間に係止し、左
右一対の前記ガイドレール間に引き出しを前後動可能に
支持せしめて成るラックを提案するものである。

（考案の作用） 上記の本考案ラックによれば、棚板を任意の高さに架設
することの出来る、従来周知のラックをそのまま利用し
て、単にラックの下部領域に係止される棚受けに代えて
前記のように引き出し用ガイドレールを支柱に係止し、
このガイドレールに引き出しを支持させるだけで、カー
トンケース類は棚の上部領域の棚板上に載置支持させ、
バラ物は前記引き出しに収納して保管することが出来
る。しかも、前記棚板と同様に引き出しの設置高さや段
数も任意に選択することが出来る。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明
する。

第１図に於いて、１ａ，１ｂ及び２ａ，２ｂはラック四
隅に配置された支柱であり、前面側の両端支柱１ａ，２
ａどうし、及び後面側の両端支柱１ｂ，２ｂどうしは、
夫々上下両端に於いて連結ビーム３ａ，３ｂにより連結
され、ラック長さ方向両端に於いて前後に隣接する支柱
１ａ，１ｂ間、及び２ａ，２ｂ間には、ラック上部領域
に棚受け４が、ラック下部領域には引き出し用ガイドレ
ール５が、夫々上下方向適当間隔おきに架設され、同一
レベルにある左右一対の前記棚受け４間には棚板６が支
持され、同一レベルにある左右一対の前記ガイドレール
５間には引き出し７が前後動可能に支持されている。

第２図〜第４図に示すように、前記各支柱１ａ〜２ｂの
左右両側面には、長さ方向等間隔おきに棚受け係止孔８
が設けられている。一方、前記棚受け４は、水平の棚受
け部４ａと垂直板部４ｂ、及び棚受け部４ａの両端に連
設された棚板位置決め用立ち上がり部４ｃを備え、前記
垂直板部４ｂの両端には、前記支柱１ａ〜２ｂの棚受け
係止孔８に下向きに係合する上下一対の係止用舌片９
ａ，９ｂが切り起こしにより形成されている。又、前記
引き出し用ガイドレール５は、断面コの字形の固定レー
ル部５ａと、この固定レール部５ａにガイドホィール５
ｂを介して前後動可能に内嵌する断面コの字形の第一可
動レール部５ｃと、この第一可動レール部５ｃに対して
前記ガイドホィール５ｂ及び押さえホィール５ｄを介し
て前後動可能に支持された第二可動レール部５ｅとから
構成された従来周知のものを利用し、前記固定レール部
５ａの両端背面に、前記係止用舌片９ａ，９ｂと同一の
上下一対の係止用舌片１０ａ，１０ｂを切り起こしによ
り形成したものである。

然して、前記棚受け４及びガイドレール５は、支柱１ａ
〜２ｂの棚受け係止孔８の内、選択した任意の高さの上
下２つの棚受け係止孔８に夫々の係止用舌片９ａ，９ｂ
及び１０ａ，１０ｂを舌向きに係合させることにより架
設される。尚、棚受け４及びガイドレール５が上方に移
動して棚受け係止孔８から係止用舌片９ａ，９ｂ及び１
０ａ，１０ｂが抜け落ちるのを防止するために、前記の
ように架設された棚受け４及びガイドレール５を支柱１
ａ〜２ｂにピン止めすることも出来る。

棚板６は、その両端が前記棚受け４の棚板位置決め用立
ち上がり部４ｃ間で棚受け部４ａに載せられることによ
り支持される。又、引き出し７は、左右一対の前記ガイ
ドレール５の各第二可動レール部５ｅに左右両側面が固
定されることにより、前後動可能に支持される。このと
き引き出し７は、前記ガイドレール５の構成により、第
２図に示すようにその略全体をラックから前方へ引き出
すことが出来る。

引き出し７は、一般的な受け皿状のものに限定されず、
例えば第２図に仮想線で示すように、ビン類１１や工具
類１２を垂直に保持する保持孔１３を備えたものであっ
ても良い。この場合、保持孔１３に対するビン類１１等
の出し入れは引き出し７を手前に引き出して行うことが
出来るので、当該保持孔１３を有する引き出し７をラッ
ク内に収納したとき、前記保持孔１３に垂直に保持され
たビン類１１等が上側の棚板６（又は引き出し７）に接
触しない程度の空間を当該保持孔付き引き出し７の上方
に確保すれば良い。

又、引き出し用ガイドレール５の固定レール部５ａに直
接係止用舌片１０ａ，１０ｂを形成したが、第５図に示
すように固定レール部５ａの背面に、前記係止用舌片１
０ａ，１０ｂを備えた垂直板１４を固着することも出来
る。

更に第６図及び第７図に示すように、引き出し用ガイド
レール５の固定レール部５ａに、支柱１ａ〜２ｂの棚受
け係止孔８に嵌合する突起１５を例えば上下２段に設
け、この突起１５を前記棚受け係止孔８に嵌合させた状
態で前記固定レール部５ａと支柱１ａ〜２ｂとをビスナ
ット１６により結合することも出来る。この場合、引き
出し用ガイドレール５に作用する荷重は、前記突起１５
及び棚受け係止孔８の下辺を介して支柱１ａ〜２ｂに伝
達され、ビスナット１６は突起１５が棚受け係止孔８か
ら外れるのを阻止するだけであるから、当該ビスナット
１６には剪断力は作用しない。

（考案の効果） 以上のように本考案の構成によれば、棚受けに代えて引
き出し用ガイドレールを支柱に棚受け係止孔を利用して
係合させるだけで従来の一般的な棚板を備えたラックを
そのまま利用して、下部領域に引き出しを備えたラック
として便利に活用することが出来るのである。しかも、
棚板と同様に引き出しの高さや段数も使用条件に合わせ
て任意に設定することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はラック全体の概略斜視図、第２図は要部の縦断
側面図、第３図は棚受けの支持構造を示す縦断正面図、
第４図は引き出し用ガイドレールの支持構造を示す縦断
正面図、第５図及び第６図は各々変形例を示す縦断正面
図、第７図は第６図の横断平面図である。 １ａ〜２ｂ……支柱、３……連結用ビーム、４……棚受
け、５……引き出し用ガイドレール、６……棚板、７…
…引き出し、８……棚受け係止孔、９ａ，９ｂ，１０
ａ，１０ｂ……係止用舌片、１５……突起、１６……ビ
スナット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ラック四隅に配置された各支柱に棚受け係
   止孔を長さ方向適当間隔おきに設け、ラック長さ方向両
   端の前後一対の支柱間に前記棚受け係止孔を介して棚受
   けを夫々係止し、左右一対の前記棚受け間に棚板を支持
   せしめたラックに於いて、ラックの下部領域には、前記
   棚受けに代えて引き出し用ガイドレールを、前記棚受け
   係止孔を介して前記前後一対の支柱間に係止し、左右一
   対の前記ガイドレール間に引き出しを前後動可能に支持
   せしめて成るラック。