JPH06203369A - 裏打ち被覆を有する可撓性磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

裏打ち被覆を有する可撓性磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH06203369A
JPH06203369A JP5279417A JP27941793A JPH06203369A JP H06203369 A JPH06203369 A JP H06203369A JP 5279417 A JP5279417 A JP 5279417A JP 27941793 A JP27941793 A JP 27941793A JP H06203369 A JPH06203369 A JP H06203369A
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parts
recording medium
magnetic recording
meth
acrylate
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JP5279417A
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Michael Bobrich
ミヒャエル、ボブリッヒ
Gregor Brodt
グレーゴル、ブロト
Hermann Roller
ヘルマン、ロラー
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BASF Magnetics GmbH
Emtec Magnetics GmbH
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温高湿条件下における挙動を改善し、調製
の間における分散液の安定性を不変ならしめる、磁気記
録媒体用の裏打ち被覆を提供すること。 【構成】 フィルム状の非磁性基板、この基板主要面上
に施された磁性層と、重合体結合剤、非磁性充填剤、保
持ピグメントから成り、基板の主要面と反対側の面状に
施された裏打ち被覆とから実質的に構成されている可撓
性磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はことにフィルム状の非磁性基板、
このフィルム状の基板主要面上に施された磁性層、およ
び重合体結合剤、非磁性充填剤、保持ピグメントから成
り、基板の主要面と反対側の面上に施された裏打ち被覆
から実質的に構成されている可撓性磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】可撓性磁気記録媒体に磁化され得ない、非
導電性および/もしくは導電性の物質を含有する裏打ち
被覆を施すことは公知である。
【0003】米国特許3293066号明細書には、テ
ープレコーダ中を高速度で走行する磁気テープの静電荷
帯電を、導電性裏打ち被覆を施すことにより回避し得る
こと、さらにこのテープの裏打ち被覆によりテープ裏面
が高耐摩耗性になされ得ることが記載されている。また
英国特許出願公開1197661号公報および米国特許
4135031号明細書は、磁気テープの巻回特性があ
らかじめ定められた表面粗さを有する裏打ち被覆を施す
ことにより改善され得ることを開示している。このよう
な裏打ち被覆は磁気カードについても公知である。さら
にヨーロッパ特許出願公開101020号公報は、特に
カーボンブラックを添加した特定の結合剤混合物が、秀
れた接着力、耐摩耗性および高温高湿条件下における安
定性を有する裏打ち被覆をもたらすことを開示してい
る。
【0004】このような裏打ち被覆は、ビデオテープ、
ことに家庭ビデオテープの場合に特に重要である。耐掻
き傷性の改善およびエラー数の低減のため、米国特許4
735325号明細書は、異なる粒度のカーボンブラッ
クおよびモース硬さ8以上の充填剤を重合体結合剤中に
分散させて成る裏打ち被覆を提案している。この裏打ち
被覆は、耐摩耗性の改善および摩耗の軽減のほかに、テ
ープが商業的ビデオレコーダに使用される場合に特に必
要とされるテープ材料の光の透過性を低減させる作用で
ある。このためにヨーロッパ特許出願公開105471
号公報は、特定のカーボンブラックを添加し、あるいは
添加することなく、硫酸バリウム/α−酸化鉄(II
I)を基礎とする裏打ち被覆を提案している。
【0005】また西独特許出願公開4117980号公
報は、耐摩耗性などの機械特性に関する要求に対応し、
また充分な光伝導性を有する磁気記録媒体用の透明裏打
ち被覆をもたらし、従って熱複写法に使用され得る磁気
記録媒体を開示している。
【0006】西独特許出願公開4216847号公報に
は、高速撹拌ボールミルにより調製される裏打ち被覆用
分散液をホスフェート含有ポリウレタンで安定化するこ
とが記載されている。しかしながら、この結合剤はその
極性の故に湿気に対して敏感であり、従って高温高湿条
件下における保存の間にテープのエラー数を増大させ
る。これは他の慣用重合体の添加により改善され得る
が、それでも結果は不満足なものである。トリアルコキ
シシランで処理し、従って撥水性ならしめたSiO2
よびAl23 製品も、秀れた改善をもたらさない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、高温高湿条件下における挙動を改善し、調製の間に
おける分散液の安定性を不変ならしめる、磁気記録媒体
用の裏打ち被覆を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかるにこの目的は、裏
打ち被覆の結合剤マトリックスが、慣用の重合体のほか
に、1モル当たり2個までの末端OH基を有し、平均分
子量200から50000のポリ(メタ)アクリレート
を、1モル当たり平均官能性3.0から6のNCO基を
有する脂肪族ポリイソシアネート混合物と反応させて得
られるポリウレタン尿素(メタ)アクリレートを含有
し、この脂肪族イソシアネート混合物が0.1から10
重量%のジイソシアネート、20から80重量%のトリ
イソシアネートおよび4から10の官能性を有する20
から60重量%のポリイソシアネートから成り、1個の
OH基当たり1.2から3.0個のNCO基が反応し、
残余のNCO基がアミノアルキルトリアルコキシシラン
により置換尿素基に転化されることを特徴とする製造方
法により達成され得ることが本発明者らにより見出され
た。
【0009】本発明による新規の磁気記録媒体の好まし
い実施態様において、裏打ち被覆の結合剤混合物中にお
けるポリウレタン尿素(メタ)アクリレートは、モル当
たり2個までの末端OH基を有し、分子量がことに40
0から4000のポリ(メタ)アクリレートを、モル当
たり平均官能性3.5から5.5のNCO基を含有する
脂肪族ポリイソシアネートの混合物と反応させることに
より得られる。ただしOH基1個に対して1.5から
2.5個のNCO基が反応せしめられる。混合物として
は、0.3から8重量%のジイソシアネート、30から
70重量%のトリイソシアネートおよび20から50重
量%のポリイソシアネートから成り、4から10の官能
性を示すものがことにこの目的に適する。
【0010】ポリウレタン尿素(メタ)アクリレートの
調製に使用されるポリ(メタ)アクリレートは、(メ
タ)アクリル酸とC1 −C25アルキル基を有するアルコ
ール分とのエステル化生成物と、C1 −C25アルキル基
を有する0から2.5%のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートである。適当なアルキル基の例としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t
−ブチル、ペンチル、ノニル、ステアリルが挙げられ、
適当なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、エ
タンジオールモノアクリレートおよびプロパンジオール
モノアクリレートを包含する。
【0011】また重合に際して、ハイドロパーオキサイ
ドのようなOH基含有重合開始剤、あるいはメルカプト
エタノールのようなOH基含有制御剤により、連鎖末端
にOH基を導入することも有利である。
【0012】ポリ(メタ)アクリレートを製造するた
め、他の公知ビニルモノマー、例えばビニルベンゼン、
ビニルクロライド、ビニルアセテート、ビニルプロピオ
ネート、アクリルアミド、アクリロニトリルと合体させ
ることも可能である。
【0013】適当なイソシアネートおよびその反応生成
物は、脂肪族イソシアネートおよび比較的高い分子量の
ポリイソシアネートの形態におけるその反応生成物であ
る。このポリイソシアネートは、例えばジオール、トリ
オール、ポリオールと脂肪族ジイソシアネートとの付加
反応、あるいはビウレット形成ないしシアヌレート形成
により得られる。
【0014】本発明により使用されるべきポリウレタン
尿素(メタ)アクリレートは、良好な分散特性および高
度の分散安定性のための広い分子量分布を示すべきであ
る。この分子量は200から50000、ことに500
から40000(GPCにより測定)であり、重量平均
分子量は1000から10000、好ましくは2000
から8000、ことに4000から7000である。
【0015】本発明により使用されるべきポリウレタン
尿素(メタ)アクリレートは、また20から130sの
ペンデュラム硬さ(DIN53157)、500から2
500N/mm2 の弾性率(DIN53457)、70
%以上の破断伸び、25から70N/mm2 の引張り強
さ((DIN53455)を有するのが好ましい。25
から125sのペンデュラム硬さ、600から2000
の弾性率、80から500%破断伸び、25から50N
/mm2 の引張り強さを示すのがことに好ましい。
【0016】新規記録媒体の裏打ち被覆中に存在するポ
リウレタン尿素(メタ)アクリレートは、単独ではな
く、良好な特性をもたらすために他の慣用結合剤と混合
して使用される。結合剤マトリックス中におけるポリウ
レタン尿素(メタ)アクリレートの量は、5から55重
量%、ことに10から30重量%であるのが好ましい。
本発明により使用されるべき結合剤混合物中に在る重合
体は、慣用溶媒に可溶性の、ポリビニルホルマール、ポ
リウレタンエラストマー、ポリイソシアネートと比較的
高い分子量のポリヒドロキシ化合物、ニトロセルロー
ス、テレフタレートもしくはイソフタル酸の線形飽和ポ
リエステル樹脂およびエチレングリコールとの混合物、
60%以上のビニルクロライドブロックを有するビニル
クロライド重合体、2から5個の炭素原子を有する1種
類もしくは複数種類の不飽和カルボン酸をコモノマーと
するビニルクロライド共重合体、ビニルクロライド/ビ
ニルエステル共重合体の部分的加水分解によりあるいは
ビニルクロライドとヒドロキシル基含有モノマー、例え
ばアリルアルコール、4−ヒドロキシブチルもしくは2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの直接共重
合により製造され得るヒドロキシル基含有ビニルクロラ
イド共重合体である。1種類もしくは複数種類のポリウ
レタンエラストマーと、ポリビニルホルマール、フェノ
キシ樹脂、線状飽和ポリエステル樹脂、上述した構成を
有するビニルクロライド共重合体との混合物も結合剤と
して適当である。ことに好ましい重合体はポリウレタン
エラストマーとフェノキシ樹脂、ポリウレタンエラスト
マーとポリビニルホルマール、ポリエステルウレタンと
ビニルクロライドポリマー、線状ポリエステル樹脂と低
分子量OH基含有ポリ尿素ウレタンの混合物である。
【0017】テトラヒドロフラン、ジオキサンのような
環式エーテル、メチルエチルケトンのようなケトン、シ
クロヘキサノンが、結合剤重合体の製造、処理用溶媒と
して使用される。重合体はもちろん他の強極性溶媒、例
えばジメチルホルムアミド、ピロリドン、ジメチルスル
ホキシド、エチルグリコールアセテートに溶解させ得
る。また上述溶媒をトルエン、キシレンのような芳香族
溶媒、エチルもしくはブチルアセテートのようなエステ
ルと混合することもできる。
【0018】適当な充填剤、顔料は、公知の熱分解シリ
カもしくは沈降シリカの形態におけるシリカ、炭酸カル
シウム、硫酸バリウムであって、0.05から4μmの
平均粒度を有するものである。適当な保持ピグメント
は、アルミナ、α−酸化鉄(III)、二酸化チタン、
亜鉄酸亜鉛および/あるいはクロムグリーンのような針
状結晶化合物であって、平均粒度0.1から0.5μm
のものである。球状ポリオレフィンおよびカーボンブラ
ックも30%までの容積濃度で添加され得る。
【0019】ことにシリカと亜鉄酸亜鉛、シリカとAl
23 、シリカと亜鉄酸亜鉛と少量の導電性カーボンブ
ラックの混合物およびAl23 単独の使用が好まし
い。
【0020】分散させるために各組成分は溶解重合体だ
けと、あるいはさらに大豆レシチン、飽和もしくは不飽
和の直鎖もしくは分枝脂肪酸のような慣用の分散助剤と
合併して処理される。分散剤は添加しないか、あるいは
極めて少量添加するのが好ましい。摩擦特性を改善する
ため、慣用の滑剤、例えば脂肪酸エステル、シリコーン
オイル、弗素を基礎とする添加剤などを使用し得る。
【0021】分散は垂直型もしくは水平型の撹拌ボール
ミルを使用する。裏打ち被覆はエンボスローラ法を使用
して行うのが好ましい。裏打ち被覆は、熱導坑中を通過
させて、溶媒を蒸散させ、乾燥、固定される。磁性分散
液および裏打ち被覆分散液は、同時にもしくは相次いで
施され得る。被覆されたフィルムは、必要に応じて慣用
の装置により、加熱研磨ローラ対間を必要であれば加圧
下に、通過させてカレンダー処理、押圧処理に付され
る。裏打ち被覆は5.5μm以下、好ましくは2.5μ
m以下、ことに0.2から1μm以下の厚さになされ
る。
【0022】新規の磁気記録媒体の有利な実施態様にお
いて、裏打ち被覆は、平均分子量5000のOH基含有
ポリウレタン尿素(メタ)アクリレートおよび平均官能
性3.8を有し、0.5%のジイソシアネート、60%
のトリイソシアネート、残余が平均官能性4.8を有す
るポリイソシアネートから成るビウレットポリイソシア
ネートから得られ、連鎖末端の残存NCO基がアミノア
ルキレントリアルコキシシランにより置換尿素基に転化
されている2.5から25重量%、ことに5から20重
量%のポリウレタン尿素(メタ)アクリレートと、アジ
ピン酸、1,4−ブタンジオールおよび4,4−ジイソ
シアネートジフェニルメタンから得られる5から30重
量%、ことに10から20重量%の線状ポリエステルウ
レタンと、ビスフェノールAおよびエピクロロヒドリン
から得られる5から30重量%、ことに15から30重
量%のポリフェノキシ樹脂と、5から25重量%、こと
に10から20重量%のポリイソシアネート樹脂と、S
iO2 分が98から99.5%、pH値が5から7、密
度が1.9g/cm3 の15から60重量%、ことに2
0から40重量%の沈降シリカと、平均粒度0.1から
5μmの球状α−Fe23 もしくはAl23 を有す
る4.5から15重量%、ことに6から12重量%の立
方晶亜鉄酸亜鉛と1から5重量%、ことに1.5から3
重量%の球状LDポリオレフィンとから成る。
【0023】従来技術による磁気記録媒体に比べて、本
発明による新規媒体は、その特徴的なポリウレタン尿素
(メタ)アクリレートの顔料表面に対する定着の故に極
めて高い熱安定性および耐湿性を有する。さらにこの新
規記録媒体の裏打ち被覆は、0.5から1.8μmの波
長における赤外線に対する透過性を示す。
【0024】以下に示される実施例と対比例により、本
発明をさらに具体的に説明し、かつ従来技術に対するそ
の有利性を実証する。なおこれら実験例において示され
る部およびパーセントは特に指摘されない限り重量に関
する。
【0025】
【実施例】実施例A 100000容量部の内容積を有し、撹拌器および還流
冷却器を具備する加熱可能の反応容器において、174
82部のテトラヒドロフランを沸騰加熱する。1590
3部のメチルメタクリレート、15903部のn−ブチ
ルメタクリレート、403部のメルカプトエタノールお
よび80部のアゾビスイソブチロニトリルの混合物を2
時間にわたり計量給送する。30分間撹拌してから、1
32部のアゾビスイソブチロニトリルと257部のメル
カプトエタノールの混合物を1532部のテトラヒドロ
フランに溶解させ、これをさらに2時間にわたり添加す
る。2時間後に、3384部のテトラヒドロフラン、2
4部のヘキサメチレンジイソシアネート、2909部の
ヘキサメチレンジイソシアネートビウレット、1430
部の平均官能性4.8を示すポリイソシアネートの混合
物を15分間にわたり添加する。30分間撹拌した後、
200部のジブチル錫ジラウレートを、上記全量100
0000部に添加する。1時間後に2572部の3−ト
リメトキシシリルプロピルアミンおよび15079部の
テトラヒドロフランを添加する。得られた重合体のK値
は、ジメチルホルムアミドの1%濃度溶液で測定して約
20であった。
【0026】実施例1 1.0から1.25mmの直径を有する二酸化ジルコニ
ウム球12500部、等量のテトラヒドロフランとジオ
キサンの混合溶媒中、実施例Aにより得られたポリウレ
タン尿素(メタ)アクリレートの50%溶液50部、ビ
スフェノールAとエピクロロヒドリンから得られ、6%
のヒドロキシル基を有するポリフェノキシ樹脂の20%
溶液86部、アジピン酸、1,4−ブタンジオール、
4,4−ジイソシアネートジフェニルメタンから得られ
る線形ポリエステルウレタンの、同上混合溶媒中13%
濃度溶液109部、異性体C18カルボン酸0.85部、
等量のテトラヒドロフランおよびジオキサンの混合溶媒
734.4部、平均粒度3μmの沈降シリカ136部、
平均粒度0.12μmの立方晶亜鉄酸亜鉛34部、平均
分子量3000、平均粒径500μmのポリオレフィン
8.5部を、10000容量部の撹拌ボールミル中にバ
ッチ式に導入した。次いでミルを閉じ、6時間分散させ
た。分散の経過をチェックするために、ミルを開き試料
を取出したところ満足すべきものであったので、さらに
等量のテトラヒドロフランおよびジオキサン混合溶媒
中、ポリフェノキシ樹脂の20%濃度溶液350部、線
状ポリエステルウレタンの13%濃度溶液443部、ジ
ブチル錫ジラウレートの10%濃度溶液10部、同上溶
媒中弗素添加剤の10%濃度溶液4部、等量のテトラヒ
ドロフランおよびジオキサン混合溶媒2000部を添加
し、さらに3時間撹拌磨砕を継続した。
【0027】分散液をミルから取出し、一部分を分散安
定性測定のための試料とし、残部を被覆用に供した。
【0028】分散安定性は、100、150、250の
内容積を有する各ガラスビンのそれぞれ3分2となるよ
うに分散液試料を充填し、栓をしてローラスタンド上に
載置して試験した。1時間後および24時間後に、それ
ぞれ分散液試料を、平均ピーク対バレー高さ40から5
0nmの極めて平滑な75μm厚さのポリエチレンテレ
フタレートのフィルム上に、ナイフコータで塗布し、光
沢計によりそれぞれの光沢度を、調製したばかりの分散
液による場合の被覆のそれと対比した。不安定分散液の
場合著しい差が認められるが、安定分散液の場合全く差
が認められないか、あるいはわずかに認められるに止ま
る。
【0029】この安定性テストにより、分散液が例えば
撹拌、濾過などの処理の間において均質性を維持する
か、あるいは磁性層に欠陥をもたらすべき凝結、再凝結
により均質化するかについての情報が提供される。この
テスト結果を下表1に示す。
【0030】分散液残余は次のように処理した。すなわ
ちこれを濾過し、撹拌しつつ分散液1000部に対し、
3モルのトルイレンジイソシアネートと、1モルのトリ
メチロールプロパンから得られるトリイソシアネートの
50%溶液36部を添加し、直ちにエンボスローラによ
り15μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム
上に塗布した。裏打ち被覆と反対側のフィルム面上に同
様にしてビデオ磁性層を形成した。両面に層を形成した
このフィルムを熱坑道中において50から100℃で乾
燥させ、加熱ローラ対間を通して加圧下にカレンダー処
理した。これにより裏打ち被覆厚さを0.4μm、磁性
層厚さを2.2μmとした。次いでフィルムを1/2イ
ンチ幅のテープに切断し、高温高湿条件下の安定性を種
々の方法でテストした。
【0031】方法1 (以下の条件下におけるMIL−T−21029Aによ
る方法)90cm長さのテープを、懸吊重錘による9.
81Nの張力下に12.7mm径のハブに巻回し、テー
プ端部両面を幅の狭い接着テープにより固定し、このよ
うにして得られた巻回体を以下の加熱/加湿サイクルに
付した。
【0032】(a)54.5℃、85±5%の相対湿度
に16から18時間、次いで54.5℃、5%の相対湿
度、次いで室温における貯蔵、(b)(a)と同様、た
だし70℃。
【0033】接着テープを剥離してテープ磁性層だけが
剥離した場合には、高温高湿条件下において安定であ
り、裏打ち被覆が磁性層に膠着している場合には高温高
湿条件下において不安定ということになる。この結果を
下表2に示す。
【0034】1/2インチ幅ビデオテープに対し、調製
後7日にエラー数を測定し、次いで7日間以下のサイク
ルに付した後再び同様の測定を行った。
【0035】5℃、80%の相対湿度で12時間 50℃、80%の相対湿度で12時間 この測定結果を下表3に示す。
【0036】実施例2 本実施例では、ポリウレタン尿素(メタ)アクリレート
の量を実施例1の2倍とし、従って結合剤マトリックス
中のその割合を20%とした。その他の処理およびテス
トは実施例1におけると同様にして行った。この場合の
結果を下表1、2、3に示す。
【0037】実施例3 本実施例においては、結合剤マトリックス中のポリウレ
タン尿素(メタ)アクリレート量を実施例1に対して3
0%まで増量した。この場合の結果を同じく下表1、
2、3に示す。
【0038】実施例4 本実施例においては、上記各実施例の立方晶亜鉄酸亜鉛
の代りに、平均粒度0.1から0.2μmのα−Al2
3 を使用した。この場合の結果を同じく下表1、2、
3に示す。
【0039】実施例5 本実施例においては、結合剤マトリックス中に20%含
有されるポリウレタン尿素(メタ)アクリレートのほか
に、結合剤組成分としてヨーロッパ特許99533号明
細書によるポリウレタン尿素樹脂とポリビニルホルマー
ル樹脂を使用した。また実施例1におけるピグメントの
代りにもっぱらAl23 を使用した。顔料容量割合は
46%とした。その他、処理およびテストは実施例1に
おけると同様にして行った。結果を同じく下表1、2、
3に示す。
【0040】対比例1 粒径1.0ないし1.25mmの二酸化ジルコニウムボ
ール12500部と、ポリエステル、ポリエーテルおよ
び平均分子量70000、ホスフェート分40meq/
kg、平均二次粒度3μmの沈降シリカの吸着度0.0
8mg/m2 のMDIを基礎とするポリウレタンの、テ
トラヒドロフラン42.5部をジオキサン42.5部の
混合溶媒中における15%濃度溶液68.3部と、6%
のヒドロキシ基を有し、ビスフェノールおよびエピクロ
ロヒドリンから得られるポリフェノキシ樹脂の、テトラ
ヒドロフラン40部、ジオキサン40部の混合溶媒中に
おける20%濃度溶液80.7部と、アジピン酸、1,
4−ブタンジオールおよび4,4′−ジイソシアネート
フェニルメタンから得られる線状ポリエステルウレタン
樹脂の、テトラヒドロフラン43.5部、ジオキサン4
3.5部の混合溶媒中における13%濃度溶液124部
と、異性体C18カルボン酸3.4部、等量のテトラヒド
ロフランとジオキサンの混合溶媒624部と、沈降シリ
カ136.7部と、平均粒度0.12μmの立方晶亜鉄
酸亜鉛34.2部と、平均分子量3000、平均粒径5
00μmのポリオレフィン8.5部とを、容積1000
0部のバッチ式撹拌ボールミル中に導入した。次いでミ
ルを閉じ、6時間分散処理した。次いでミルを開き、上
述したポリウレタンの、テトラヒドロフラン42.5
部、ジオキサン42.5部の混合溶媒中における15%
濃度溶液68.3部と、上述したポリウレタンの、テト
ラヒドロフラン40部、ジオキサン40部の混合溶媒中
における20%濃度溶液355部と、ジブチル錫ジラウ
レートの、テトラヒドロフラン45部、ジオキサン45
部の混合溶媒中における10%濃度溶液14.87部
と、弗素添加剤の、テトラヒドロフラン45部、ジオキ
サン45部の混合溶媒中における10%濃度溶液6.9
部と、上述した線形ポリエステルウレタン樹脂の、テト
ラヒドロフラン43.5部、ジオキサン43.5部の混
合溶媒中における13%濃度溶液428部と、等量のテ
トラヒドロフランとジオキサンの混合溶媒2095部と
をミル中に導入し、更に3時間粉砕を続けた。得られた
分散液を実施例1で述べたように更に処理し、テストを
行ったが本対比例においては、分散液1000部に対し
てイソシアネート樹脂50%濃度溶液38部を添加し
た。この結果を表1、2、3に示す。
【0041】対比例2 本対比例においては、対比例1で使用した沈降シリカの
代りにトリアルコキシシランで処理した熱分解シリカを
使用した。その他の反応条件はそのままとした。この結
果を表1、2、3に示す。
【0042】対比例3 本対比例においては、沈降シリカ表面に吸着性を示さな
い従来のポリエステルウレタンを使用した。
【0043】1.0ないし1.25mmの直径を有する
二酸化ジルコニウム球体3325部、平均凝集塊サイズ
3μmの沈降シリカ136部、平均粒度0.12μmの
立方晶亜鉄酸亜鉛34部、平均分子量3000、平均球
状粒径500μmのポリオレフィン8.5部、平均分子
量35000、ヒドロキシル基含有量1.8重量%の塩
化ビニル共重合体の、テトラヒドロフラン40部、ジオ
キサン40部の混合溶媒中における20%濃度溶液10
7.5部、アジピン酸、1,4−ブタンジオール、4,
4′−ジイソシアネートジフェニルメタンから得られる
線状ポリエステルウレタンのテトラヒドロフラン43.
5部、ジオキサン43.5部の混合溶媒中における13
%濃度溶液160部、異性体C18カルボン酸2.5部、
等量のテトラヒドロフランおよびジオキサンの混合溶媒
810部を10000容量部の撹拌ボールミル中にバッ
チ式に導入した。次いで撹拌ボールミルを閉じ、6時間
分散させた。その後ミルを開き更にシブチル錫ジラウレ
ートの、テトラヒドロフラン45部、ジオキサン45部
の混合溶媒中における10%濃度溶液14.8部、弗素
添加剤の、テトラヒドロフラン45部、ジオキサン45
部の混合溶媒中における10%濃度溶液6部、上述の線
状ポリエステルウレタン樹脂の、テトラヒドロフラン4
3.5部、ジオキサン43.5部の混合溶媒中における
13%濃度溶液740部、上述のビニル共重合体の、テ
トラヒドロフラン40部、ジオキサン40部の混合溶媒
中における20%濃度溶液433部、および等量のテト
ラヒドロフランとジオキサンの混合溶媒1725部をボ
ールミル中に導入し、更に3時間粉砕を続けた。得られ
た分散液を実施例1で述べたように更に処理しテストを
行ったが、ここでは分散液1000部に対してイソシア
ネート樹脂の50%濃度溶液32を添加した。この結果
を表1、2、3に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミヒャエル、ボブリッヒ ドイツ連邦共和国、67459、ベール−イゲ ルハイム、イン、デン、ミュールゲルテ ン、3 (72)発明者 グレーゴル、ブロト ドイツ連邦共和国、64646、ヘペンハイム、 ヒュッテンフェルダー、シュトラーセ、11 (72)発明者 ヘルマン、ロラー ドイツ連邦共和国、67071、ルートヴィヒ スハーフェン、エリーザベトシュトラー セ、33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機結合剤中の磁性材料微細粉から成
    り、基板の一方の面に施された磁性層と、結合剤中に分
    散された磁化され得ない固体微細粉から成り、磁性層と
    反対側の基板面上に在る裏打ち被覆とを有する非磁性可
    撓性基板から構成されている磁気記録媒体の製造方法で
    あって、 裏打ち被覆の結合剤マトリックスが、慣用の重合体のほ
    かに、1モル当たり2個までの末端OH基を有し、平均
    分子量200から50000のポリ(メタ)アクリレー
    トを、1モル当たり平均官能性3.0から6のNCO基
    を有する脂肪族ポリイソシアネート混合物と反応させて
    得られるポリウレタン尿素(メタ)アクリレートを含有
    し、この脂肪族ポリイソシアネート混合物が0.1から
    10重量%のジイソシアネート、20から80重量%の
    トリイソシアネートおよび4から10の官能性を有する
    20から60重量%のポリイソシアネートから成り、1
    個のOH基当たり1.2から3.0個のNCO基が反応
    し、残余のNCO基がアミノアルキルトリアルコキシシ
    ランにより置換尿素基に転化されることを特徴とする製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項(1)による方法で製造された磁
    気記録媒体であって、脂肪族ポリイソシアネートの混合
    物が、1モル当たり平均官能性3.5から5.0のNC
    O基を有するが、1個のOH基当たり1.5から2.5
    個のNCO基が反応することを特徴とする磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 請求項(1)による方法で製造された磁
    気記録媒体であって、結合剤マトリックス中のポリウレ
    タン尿素(メタ)アクリレートの量が5から55重量%
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項(1)による方法で製造された磁
    気記録媒体であって、結合剤マトリックスがポリイソシ
    アネート樹脂で架橋されていることを特徴とする磁気記
    録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項(1)による方法で製造された磁
    気記録媒体であって、磁化され得ない固体材料が、シリ
    カ生成物、亜鉄酸亜鉛、Al23 、BaSO4 、カー
    ボンブラック、これらの混合物であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
JP5279417A 1992-11-12 1993-11-09 裏打ち被覆を有する可撓性磁気記録媒体およびその製造方法 Pending JPH06203369A (ja)

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DE4238174.6 1992-11-12

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EP0597293A1 (de) 1994-05-18
DE59309367D1 (de) 1999-03-25
EP0597293B1 (de) 1999-02-10
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