JPH06202270A - 光記録素子及びその記録方法 - Google Patents

光記録素子及びその記録方法

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JPH06202270A
JPH06202270A JP4347446A JP34744692A JPH06202270A JP H06202270 A JPH06202270 A JP H06202270A JP 4347446 A JP4347446 A JP 4347446A JP 34744692 A JP34744692 A JP 34744692A JP H06202270 A JPH06202270 A JP H06202270A
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JP
Japan
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optical recording
recording element
film
irradiation
aggregate
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JP4347446A
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Inventor
Hiroshi Oki
博 大木
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機フォトクロミック化合物から構成される
光記録素子において、加熱処理を必要とせず、光照射だ
けで分子会合体を効率良く形成する書き換え可能な光記
録素子及びその記録方法を提供する。 【構成】 高分子化合物であるポリオクタデシルメタク
レートに、有機フォトクロミック化合物として分子構造
式 【化1】 で表されるスピロピラン化合物を含有させた累積膜によ
り、光記録素子を構成する。そして、この累積膜がに水
を含有する状態で、紫外線照射だけでJ会合体を形成さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光照射により分子会合
体を形成し得る有機フォトクロミック化合物から構成さ
れ、書き換え可能な光記録素子及びその記録方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、書き換え型光記録素子において、
光照射による光吸収の波長特性の変化を利用して光照射
により情報の記録、再生及び消去を行うことができる、
有機フォトクロミック材料から構成される光記録素子が
活発に研究されている。これは、有機化合物が、従来の
無機材料と比較して、記録情報の高密度化、大容量化の
可能性を有するほか、経済的にも素子の低コスト化を実
現できるなどの利点を多く有するためである。
【0003】光記録素子に用いられるフォトクロミズム
を示す有機化合物のうち、最も有望でかつ検討がなされ
ているものはスピロピラン化合物である。スピロピラン
化合物を用いた光記録素子としては、スピロピラン化合
物を例えばポリメチルメタアクリレート(PMMA)や
ポリビニルアルコール(PVA)のようなバインダー樹
脂中に分散させて、フィルム状にするかもしくはガラス
基板等の支持体に、スピンコート法やキャスト法により
塗布される。そして、このスピロピラン化合物が、紫外
線の照射により発色し、その後可視光照射もしくは加熱
処理により元の無色状態に戻ることを利用して、光記録
素子に用いられる(特開昭62-147453号公報及び特開昭6
2-147455号公報)。
【0004】また、無極性溶媒に溶解した溶液中のスピ
ロピラン化合物は、紫外線の照射により発色すると、単
量体状態の着色体が凝集してJ会合体と呼ばれる分子会
合体を形成することが知られている。そして、特開昭62
-147455号公報や特公平3-67251号公報等に示されるよう
に、支持体上に膜形成した膜構造で効率良くJ会合体を
形成するため、ラングミュア・ブロジェット法(以下L
B法と略す)という成膜方法が用いられる。すなわち、
分子内に長鎖アルキル基を導入したスピロピラン化合物
とマトリクス分子とを混合し溶液に溶解させた後、ラン
グミュア・ブロジェット膜(以下LB膜と略す)とし
て、ガラス基板等の支持体上に累積膜を形成する。
【0005】すると、紫外線の照射によりスピロピラン
化合物の着色体である単量体のフォトメロシアニン型が
形成され、室温で放置されると元の無色体であるスピロ
ピラン型に戻るが、加熱することにより、溶液中と同様
にLB膜中でJ会合体を効率良く形成することができ
る。このようにして形成されたJ会合体は、色素分子が
数多く集まった凝集体であり、単量体のフォトメロシア
ニン型と比較して着色状態が長時間保持され著しく熱的
に安定化することや、J会合体の最大吸収波長が単量体
であるフォトメロシアニン型の最大吸収波長よりも長波
長側にシフトし、吸収バンド幅が狭くかつ吸光度が大き
いことなど、光記録素子用の記録材料として優れた特長
を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術に示したように、スピロピラン化合物を高分子
化合物である樹脂に混合した光記録素子において、光記
録素子に用いるのに非常に優れた特長を有する分子会合
体を効率良く形成することはできなかった。
【0007】また、スピロピラン化合物とマトリクス分
子とを混合し溶液に溶解させた後、LB法により支持体
上に形成した累積膜から構成される光記録素子におい
て、分子会合体を形成するためには、紫外線等の光照射
だけでなく加熱処理を施さなければならなかった。すな
わち、従来のスピロピラン化合物を用いた光記録素子で
は、光照射の他に加熱処理の工程を必要とするため、光
記録素子への情報の記録あるいは消去を行うには、ヒー
ターや赤外線ランプなどの加熱手段が必要不可欠であっ
た。したがって、光記録素子への情報の記録あるいは消
去を行うための装置には、加熱手段を備えなければなら
ず、消費電力を増大させる原因ともなり、非経済的であ
る等の課題がある。
【0008】本発明は、上述したような課題を解決する
ためになされたものであって、分子会合体を形成し得る
有機フォトクロミック材料を用いた光記録素子におい
て、加熱処理を必要としない光記録素子及びその記録方
法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、分子会合体を形成し得る有機フォトク
ロミック化合物が含まれる高分子化合物の累積膜から光
記録素子を構成している。
【0010】さらに、上記の光記録素子を用いた記録方
法において、前記累積膜が水を含有する状態で光照射す
ることにより前記有機フォトクロミック化合物の分子会
合体を形成する工程を含む光記録素子の記録方法として
いる。
【0011】さらに、分子会合体を形成し得る有機フォ
トクロミック化合物が含まれる高分子化合物の累積膜
と、前記累積膜に水を含有させる手段とから光記録素子
を構成している。
【0012】また、上記の光記録素子において、好まし
くは、前記有機フォトクロミック化合物をスピロピラン
化合物としている。
【0013】
【作用】本発明によれば、光記録素子を分子会合体を形
成し得る有機フォトクロミック化合物が含まれる高分子
化合物の累積膜から構成することにより、累積膜が水を
含有する状態で光照射するだけで、加熱処理を施す必要
なく、有機フォトクロミック化合物の分子会合体を効率
良く形成することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に基づく一実施例を図面を参照
して説明する。
【0015】まず、第1の実施例について説明する。有
機フォトクロミック化合物として下記の分子構造式化1
で表されるスピロピラン化合物(以下SP1822と称
す)と、
【0016】
【化1】
【0017】高分子化合物として下記の分子構造式化2
で表されるポリオクタデシルメタクレート(以下POd
MAと称す)とを、
【0018】
【化2】
【0019】SP1822:POdNMAのモノマー=
1:2のモル比で混合し、純水上に展開した。そして、
5mm/minの圧縮速度で圧縮した後、20mN/m
の表面圧で60分間放置することにより、水面上単分子
膜が得られた。この単分子膜を垂直浸漬法により、表面
に親水化処理が施されたガラス基板に対して親水部分を
向けたZ型と呼ばれる方向で、5mm/minの累積速
度で20層累積し、均一なラングミュア・ブロジェット
膜(LB膜)である累積膜を形成した。
【0020】このように作製した累積膜を室温の純水中
に浸漬し2時間経過した後、純水中に浸漬したまま波長
365nmの光を含む紫外線を10分間照射した。その
直後、吸光度の波長特性を測定すると、図1の1に示す
ように、最大吸収波長563nm付近に緩やかなピーク
をもつ吸収曲線が得られ、累積膜内にフォトメロシアン
が生成されたことがわかる。
【0021】そして、紫外線照射後、更に累積膜を純水
中に2時間浸漬し、吸光度の波長特性を測定した結果、
図1の2に示すような吸収曲線を得た。吸収曲線2は、
最大吸収波長616nm付近に急峻なピークをもってお
り、これは累積膜中にJ会合体が形成されたことによる
ものである。すなわちこの結果から、この累積膜は、加
熱処理を施すことなく純水中で紫外線を照射するだけ
で、J会合体を効率良く形成できることが明らかとなっ
た。
【0022】次に、空気雰囲気中において、J会合体が
形成した累積膜に、J会合体の最大吸収波長である61
6nm可視光のレーザ光を照射すると、J会合体が崩壊
することができた。さらに、純水中での紫外線照射と可
視光照射とを交互に行い、J会合体の形成と崩壊が繰り
返し行えることを確認でき、このことは、書き換え可能
な光記録素子へ応用可能なことを示している。
【0023】比較例として、SP1822と直鎖飽和脂
肪酸であるアラキジン酸とを1:2のモル比で混合し、
上記実施例と同様に、ガラス基板上に20層累積した累
積膜(LB膜)を作製した。そして、上記実施例と同様
に、累積膜を純水中に浸漬し、2時間経過後に紫外線照
射を行った直後と、更に2時間経過した後との吸光度の
波長特性を測定した。その結果、図2に示すように、紫
外線照射直後の吸収曲線3と、紫外線照射後2時間経過
した後の吸収曲線4が得られ、2時間経過後に急峻な吸
光度のピークが見当たらず、累積膜中にJ会合体が形成
されなかったことがわかる。
【0024】上記第1の実施例では、累積膜を純水中に
浸漬させ紫外線照射によりJ会合体を形成させたが、純
水に浸漬する代わりに、高湿度雰囲気中で累積膜に紫外
線を照射して同様にJ会合体を形成させても良く、J会
合体を効率良く形成させるのに十分な水を累積膜が含有
する状態で紫外線照射してJ会合体を形成させれば良
い。
【0025】第2の実施例として、累積膜に水を含有さ
せるため、第1の実施例でガラス基板上に作製した累積
膜を純水と共に透明な容器内に、純水が蒸発しないよう
に封じ込めた。そして、透明な容器内の累積膜に波長3
65nmの光を含む紫外線を10分間照射し、2時間経
過後に第1の実施例と全く同様にJ会合体を効率良く形
成することが確認できた。また、形成したJ会合体の最
大吸収波長のレーザ光を照射することにより、J会合体
を崩壊させることもできた。さらに、純水中での紫外線
照射と可視光照射とを交互に行い、J会合体の形成と崩
壊が繰り返し行うことも可能であった。
【0026】第3の実施例として、第1の実施例でガラ
ス基板上に作製した累積膜に、J会合体を効率良く形成
させるのに十分な水を含有させるまで、この累積膜を純
水に浸漬した後、透明な保水膜で覆った。この実施例で
は、保水膜として、ポリアクリル酸ナトリウムを用い
た。この実施例においても、累積膜に波長365nmの
光を含む紫外線を10分間照射し、2時間経過後に第1
の実施例と全く同様にJ会合体を効率良く形成すること
が確認できた。また、形成したJ会合体の最大吸収波長
のレーザ光を照射することにより、J会合体を崩壊させ
ることもできた。さらに、純水中での紫外線照射と可視
光照射とを交互に行い、J会合体の形成と崩壊が繰り返
し行うことも可能であった。
【0027】なお、上記第2及び第3の実施例の他、J
会合体を効率良く形成させるのに十分な水を累積膜に含
有させた状態で樹脂により覆いパッキングするなど、J
会合体を効率良く形成させるのに十分な水を累積膜に含
有させれば良く、上記の実施例に限定されるものではな
い。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、有機フ
ォトクロミック化合物が含まれる高分子化合物の累積膜
から光記録素子を構成することにより、累積膜が水を含
有する状態で、加熱処理を施すことなく、水中で紫外線
を照射するだけで、光記録素子に用いるのに非常に優れ
た特長を有する分子会合体を効率良く形成することがで
きる。したがって、情報の記録消去を行うための装置に
加熱手段を不必要とし、低コストの記録消去装置に使用
可能な書き換え可能な光記録素子を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく一実施例の記録層における吸光
度の波長特性の測定結果を示す図である。
【図2】比較例における吸光度の波長特性の測定結果を
示す図である。
【符号の説明】
1 紫外線照射直後の吸収曲線 2 紫外線照射後2時間経過した後の吸収曲線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子会合体を形成し得る有機フォトクロ
    ミック化合物が含まれる高分子化合物の累積膜からなる
    ことを特徴とする光記録素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光記録素子において、
    前記有機フォトクロミック化合物がスピロピラン化合物
    であることを特徴とする光記録素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の光記録素
    子を用いた記録方法であって、前記累積膜が水を含有す
    る状態で光照射することにより、前記有機フォトクロミ
    ック化合物の分子会合体を形成する工程を含むことを特
    徴とする光記録素子の記録方法。
  4. 【請求項4】 分子会合体を形成し得る有機フォトクロ
    ミック化合物が含まれる高分子化合物の累積膜と、前記
    累積膜に水を含有させる手段とからなることを特徴とす
    る光記録素子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光記録素子において、
    前記有機フォトクロミック化合物がスピロピラン化合物
    であることを特徴とする光記録素子。
JP4347446A 1992-12-28 1992-12-28 光記録素子及びその記録方法 Pending JPH06202270A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014513304A (ja) * 2011-05-06 2014-05-29 ユニベルシテ ドゥ ストラスブール 分子または物質の特性を改変する方法およびデバイス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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