JP2622177B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2622177B2
JP2622177B2 JP1270992A JP27099289A JP2622177B2 JP 2622177 B2 JP2622177 B2 JP 2622177B2 JP 1270992 A JP1270992 A JP 1270992A JP 27099289 A JP27099289 A JP 27099289A JP 2622177 B2 JP2622177 B2 JP 2622177B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、情報記録層として有機フォトクロミック色
素であるスピロピラン化合物を用いた光記録媒体に関す
るものである。詳しくは、レーザ光を照射して情報の記
録,再生及び消去を行なう書換え可能な光記録媒体に関
するものである。
<従来の技術> 分子素子の研究開発は、記録素子,表示素子,エネル
ギー変換素子,光非線形素子,スイッチング素子、整流
素子,光電変換素子,高密度記録素子,光応答性素子等
の機能制御を目指している。なかでも、高密度記搬を目
指した光メモリの研究は、光の吸収から始まる物質の励
起状態を経由した光化学反応,光異性化反応などのミク
ロな量子状態の変化を高度な機能と結び付けている点で
重要である。光照射によりその分子構造が可逆的に変化
する現象は、フォトクロミズムとしてよく知られてお
り、この反応を利用した光メモリの研究が活発に進めら
れている。フォトクロミック化合物を用いると、単分子
レベルで光化学反応が起こるため、従来のヒートモード
記録の記録密度を越えるフォトンモード記録が可能とな
る。このフォトクロミック素材としては、吸光度感度の
大きいスピロピラン化合物が有望視されている。このス
ピロピラン化合物を用いて、真空蒸着法,スピンコート
法,キャスト法、Langmuir−Blodgett(以下LB)法によ
り成膜した記録層を有する書き換え可能な光記録媒体が
提案されている。
有機薄膜はそれ自身で電子的あるいは光学的な機能素
子として応用しやすい構造をしており、薄膜中の分子の
配向化技術によって、分子の会合状態を制御し、延いて
は高度な機能を有する素子の開発が奇態できる。分子を
配向化する技術としてLB法が最も有望である。LB法は常
温常圧下での薄膜作製法であるとともに、異積膜の膜厚
を累積回数によって制御できる点に特徴がある。また分
子内の親水性部位と疎水性部位のバランスをコントロー
ルすることにより、膜中の分子の配向,配列を制御する
ことができる。
<発明が解決しようとする課題> スピロピラン化合物は、有色状態では一般に不安定で
あり、たとえ暗所中で保存しておいても自然に退色して
しまうという問題がある。このため従来のスピロピラン
化合物を用いた光記録媒体は情報を長時間にわたって保
持することができないといった欠点が生じる。
<課題を解決するための手段及び作用> 着色体の会合体形成を利用して記録安定性を高めたス
ピロピラン化合物が既に開示されている(特開昭62−90
649号)。有機分子単独の構造変化に基づくだけでな
く、分子集合状態を形成することによって機能する結
果、物性が変化することに注目し、会合体形成可能な新
たなスピロピラン化合物の探索を行なった。
本発明者は、分子内にOH基を導入したスピロピラン分
子の場合、紫外光照射によりイオン解離して生成した着
色体のフェノキシイオンとOH基との分子間又は分子内の
水素結合に基づく相互作用により、その着色状態が安定
化し、元の無色体に戻りにくくなることを見い出した。
特にLB法を用いて成膜すると、膜内で着色体であるフォ
トメロシアニン分子どうしが非常に接近して配列配向化
するため、分子間の素子結合により会合体が形成し易
く、効果的に着色体の安定化を図ることができる。
また、LB法ではスピロピラン分子を水面上に展開し、
その単分子膜を基板上に累積することから、下相液のpH
をコントロールすることによりスピロピラン分子の官能
基であるOH基の脱プロトン化,プロトン化が可能であ
る。したがって、成膜時にpHを制御し、スピロピラン分
子の分子構造を変化させることによって、蒸着膜やスピ
ンコート膜,キャスト膜とは異なる特性を有する光記録
媒体を得ることができる。
<実施例> 本発明は光記録媒体を作製するために、単結晶基板又
は石英,ガラス等のガラス基板,プラスチック基板など
のいずれかの基板上に、フォトクロミック化合物をLB
法,スピンコート法,キャスト法,蒸着法のいずれかに
より積層して、光情報記録層を形成する。このとき、前
記基板と光情報記録層との間にAl等からなる反射膜を形
成してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
《実施例1》 以下に実施例1で用いたスピロピラン144(以下SP14
4)の分子構造を示す。本SP144はR位にC18H37,X位に水
素,Y位に水酸基を配置させたものである。
先ず、5%トリメチルクロロシランを含むクロロホル
ム溶液中に、透明石英基板を浸漬して、該基板表面を疎
水性処理する。一方、SP144を4×10-4mol/の濃度で
溶かしたクロロホルム溶液を水面上に展開する。この
時、下相液には純水を用い、0.1NのHClを添加してpHを
3.5〜5.5に調整し、水温18℃,表面在20mN/m、基板への
累積速度は10mm/minに設定する。この条件を用いてLB膜
法により前記基板上にSP144を10層累積し、光記録媒体
を作製する。第1図は本実施例1による光記録媒体を示
すもので、同図中、1はは透明ガラス基板、2は記録
層、3はスピロピラン分子であり、記録層はスピロピラ
ン分子3の単分子膜を積層してなる。
第2図は本実施例1による光記録媒体の可視−紫外吸
収スペクトルを示したものである。同図中1はスピロピ
ラン(無色体)状態のスペクトル、2は500Wの高圧水銀
ランプを用い、0.16mW/cm2,2分間(以下の実施例でも同
様)波長366nmの紫外光を照射することにより生じたフ
ォトメロシアニン(着色体λ=680nm)状態のスペクト
ルを示す。同図から明らかなように本実施例1による光
記録媒体に紫外線を照射すると、吸光度に顕著な違いが
表われ、書き込みが行なえることがわかる。
また、フォトメロシアニン状態の光記録媒体に波長63
3nmのHe−Neレーザ光を照射すると、フォトメロシアニ
ンは無色体のスピロピランに光異性化し、消去可能であ
ることを確認した。更に本実施例1のSP144による上記
フォトクロミック反応は室温下で行なったが、液体窒素
温度下でも同様な反応が得られることを確認した。
上述の工程ではpH3.5〜5.5に調整した下相液を用いた
が、この下相液をpH9.0に調整して成膜したLB膜はフォ
トクロミック反応を示さなかった。ここで、LB膜中にお
ける分子間水素結合を調べるために、弗化カルシウム基
板上に累積したSP144LB膜の透過赤外吸収スペクトルを
測定した。下相液のpHを3.5,5.5に調整して成膜したLB
膜では、分子間水素結合性のOH伸縮振動(3350cm-1)に
基づく吸収が観測された。一方、下相液のpHを9.0に調
整して成膜してLB膜では、前述のOH伸縮振動に基づく吸
収は見られなかった。
《実施例2》 0.1nの濃度でスピロピラン(SP144)を溶かしたジク
ロロエタン溶液を透明石英基板上に滴下し、溶媒をゆっ
くりと蒸発させて10〜100nm厚のキャスト膜を形成し、
光記録媒体を作成する。分子内に長鎖アルキル基を導入
することにより、基板上での結晶化がおさえられ、均一
な薄膜を得ることができた。本実施例2による光記録媒
体に366nmの紫外線を照射したところ、着色体であるフ
ォトメロシアニンが生じ、青色に発色した(λmax=630
nm)。また、この光記録媒体の着色体にHe−Neレーザを
照射すると、直ちに無色体のスピロピランに変化した。
《実施例3》 スピロピラン(SP144)とPMMAとを、SP144を5wt%の
割合で混合したジクロロエタン溶液を透明石英基板上に
滴下し、該基板を回転数1000r・p・mで60秒間回転さ
せて、基板上にスピンコートによる記録層を形成し、光
記録媒体を作成する。本実施例3による光記録媒体に36
5nmの紫外光を照射したところ、着色体であるフォトメ
ニシアニンが生じ、青色に発色した(λmax=630nm)。
また、この光記録媒体の着色体にHe−Neレーザを照射す
ると、直ちに無色体のスピロピランに変化した。ここ
で、SP144はPMMAと混合したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、ポリビニルアルコール,フェノール
樹脂等他の有機化合物であってもよい。
《実施例4》 以下に、実施例4で用いたスピロピラン147(以下SP1
47)の分子構造を示す。本SP147はR位にC18H37,X位に
水酸基、Y位にニトロ基を配置させたものである。
SP147を4×10-4mol/の濃度で溶かしたクロロホル
ム溶液を水面上に展開する。下相液には純水を用い、pH
4.5に調整する。水面上方から紫外光を照射しながら10
分後に圧縮を開始して表面圧を25mN/mにし、上記実施例
1の如く疎水化処理を施した石英基板上に累積を行う。
水面上に展開してから30分以内に累積したLB膜は吸収極
大が590nmである。このLB膜に更に紫外線を照射する
と、わずかに吸光度の増加が見られ、これにHe−Neレー
ザを照射すると、吸光度が減少し、退色する。
更に前述の如く累積したLB膜を40℃で加熱すると、吸
収極大が560nmにシフトする。第3図は本実施例4によ
る光記録媒体の可視−紫外吸収スペクトルを示したもの
である。同図中、1は加熱前の累積LB膜のスペクトル、
2は加熱後の累積LB膜のスペクトルを示す。加熱による
着色状態は非常に安定である。加熱して着色状態となっ
たLB膜に色素レーザ光(λ=550nm)を照射すると、吸
光度が減少し、退色する。また、赤外吸収スペクトルを
測定することにより、加熱前と加熱後で分子間水素結合
性のOH伸縮振動(3240cm-1)に基づく吸収の増大が観測
された。
《実施例5》 以下に実施例5で用いたスピロピラン145(以下SP14
5)の分子構造を示す。本SP145はR位にC18H37,X位にヒ
ドロキシメチル基、Y位にニトロ基を配置させたもので
ある。
(1) SP145を4×10-4mol/の濃度で溶かしたクロ
ロホルム溶液を水面上に展開する。下相液には純水を用
い、pH4.5に調整する。水面上のSP145単分子膜に紫外線
を照射して、スピロピラン分子を着色体に光異性化した
状態で、表面圧を25mN/m、累積速度10mm/minの条件下
で、前述の実施例1如く疎水化処理した石英基板上に10
層累積して記録層を形成し、光記録媒体を作成する。成
膜直後、記録層は640nmに吸収極大を有する会合体で形
成されており、この記録層にHe−Neレーザ光を照射する
と、吸光度は減少し、退色する。更に記録層に紫外線を
照射すると、570nmに吸収極大を有するフォトメロシア
ニンが生成する。第4図は本実施例5(1)による光記
録媒体の可視吸収スペクトルを示す。同図中、1はHe−
Neレーザ照射前、2はHe−Neレーザ照射後、3は紫外吹
照射後を示すものである。
R位にステアリル基,X位に水素,Y位にニトロ基を有す
るスピロピランSP98の着色状態の半減期が25℃において
約20分であるのに対し本実施例5の記録層の着色状態の
半減期は120分であり、記録寿命が大幅に拡大した。
(2) 本実施例5(1)製造過程において、SP145を
溶かしたクロロホルム溶液を水面上に展開する際、下相
液として20〜25℃に保たれ、pH4.5に調整された純水を
用い、あとは同様の方法でLB膜からなる記録層を成膜す
る。成膜直後、本記録層は640nmに吸収極大であり、シ
ャープな吸収を有する会合体で形成されている。本記録
層に可視光線或いはHe−Neレーザ光を照射すると、直ち
に無色となる。無色となった記録層に再び紫外線を照射
しても、もはやJ会合体は形成されず、570nmに吸収極
大を有するモノマー状態の着色体が生成して青色に発色
し、更に可視光を照射すると直ちに無色状態となる。
25℃暗所における上記J会合体の半減期は540分であ
り、上記モノマー状態の半減期は135分である。したが
って従来のR位にC18H37(ステアリル基),X位に水素,Y
位にニトロ基を有するスピロピランSP98の半減期は20
分、R位にC18H37,X位にメトキシ基、Y位にニトロ基を
有するスピロピランSP1801の半減期は30分であることか
ら考えると、着色状態の安定性を大幅に改善でき、記録
寿命を延長することができる。
第5図は上記条件の下相液を用いた実施例5(2)に
よる光記録媒体の可視吸収スペクトルを示す。同図中、
1はHe−Neレーザ照射前、2はHe−Neレーザ照射後、3
は紫外線照射後を示すものである。
<発明の効果> 以上の如く、本発明により、pHを調整してOH基を有す
るスピロピラン分子のフォトクロミズムを制御でき、分
子内及び分子間の水素結合を利用して着色体を安定化さ
せ、光記録媒体における記録安定性の向上を図ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例による光記録媒体の構成図、第
2図乃至第5図は本実施例による光記録媒体の吸収スペ
クトル特性図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、 該基板上に形成した、一般式 〔式中、Rはアルキル基(炭素数1〜31)、Xは水素、
    水酸基、又はヒドロキシアルキル基、Yは水酸基、又は
    ニトロ基を表す〕で示され、 X位、及びY位のいずれか一方に水酸基を含むスピロピ
    ラン化合物からなる薄膜記録層とを具備したことを特徴
    とする光記録媒体。
JP1270992A 1989-08-04 1989-10-17 光記録媒体 Expired - Lifetime JP2622177B2 (ja)

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JPS63207887A (ja) * 1987-02-23 1988-08-29 Nitto Electric Ind Co Ltd フオトクロミツク材料とその発色方法

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