JP2622177B2 - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
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- JP2622177B2 JP2622177B2 JP1270992A JP27099289A JP2622177B2 JP 2622177 B2 JP2622177 B2 JP 2622177B2 JP 1270992 A JP1270992 A JP 1270992A JP 27099289 A JP27099289 A JP 27099289A JP 2622177 B2 JP2622177 B2 JP 2622177B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording medium
- film
- spiropyran
- optical recording
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、情報記録層として有機フォトクロミック色
素であるスピロピラン化合物を用いた光記録媒体に関す
るものである。詳しくは、レーザ光を照射して情報の記
録,再生及び消去を行なう書換え可能な光記録媒体に関
するものである。
素であるスピロピラン化合物を用いた光記録媒体に関す
るものである。詳しくは、レーザ光を照射して情報の記
録,再生及び消去を行なう書換え可能な光記録媒体に関
するものである。
<従来の技術> 分子素子の研究開発は、記録素子,表示素子,エネル
ギー変換素子,光非線形素子,スイッチング素子、整流
素子,光電変換素子,高密度記録素子,光応答性素子等
の機能制御を目指している。なかでも、高密度記搬を目
指した光メモリの研究は、光の吸収から始まる物質の励
起状態を経由した光化学反応,光異性化反応などのミク
ロな量子状態の変化を高度な機能と結び付けている点で
重要である。光照射によりその分子構造が可逆的に変化
する現象は、フォトクロミズムとしてよく知られてお
り、この反応を利用した光メモリの研究が活発に進めら
れている。フォトクロミック化合物を用いると、単分子
レベルで光化学反応が起こるため、従来のヒートモード
記録の記録密度を越えるフォトンモード記録が可能とな
る。このフォトクロミック素材としては、吸光度感度の
大きいスピロピラン化合物が有望視されている。このス
ピロピラン化合物を用いて、真空蒸着法,スピンコート
法,キャスト法、Langmuir−Blodgett(以下LB)法によ
り成膜した記録層を有する書き換え可能な光記録媒体が
提案されている。
ギー変換素子,光非線形素子,スイッチング素子、整流
素子,光電変換素子,高密度記録素子,光応答性素子等
の機能制御を目指している。なかでも、高密度記搬を目
指した光メモリの研究は、光の吸収から始まる物質の励
起状態を経由した光化学反応,光異性化反応などのミク
ロな量子状態の変化を高度な機能と結び付けている点で
重要である。光照射によりその分子構造が可逆的に変化
する現象は、フォトクロミズムとしてよく知られてお
り、この反応を利用した光メモリの研究が活発に進めら
れている。フォトクロミック化合物を用いると、単分子
レベルで光化学反応が起こるため、従来のヒートモード
記録の記録密度を越えるフォトンモード記録が可能とな
る。このフォトクロミック素材としては、吸光度感度の
大きいスピロピラン化合物が有望視されている。このス
ピロピラン化合物を用いて、真空蒸着法,スピンコート
法,キャスト法、Langmuir−Blodgett(以下LB)法によ
り成膜した記録層を有する書き換え可能な光記録媒体が
提案されている。
有機薄膜はそれ自身で電子的あるいは光学的な機能素
子として応用しやすい構造をしており、薄膜中の分子の
配向化技術によって、分子の会合状態を制御し、延いて
は高度な機能を有する素子の開発が奇態できる。分子を
配向化する技術としてLB法が最も有望である。LB法は常
温常圧下での薄膜作製法であるとともに、異積膜の膜厚
を累積回数によって制御できる点に特徴がある。また分
子内の親水性部位と疎水性部位のバランスをコントロー
ルすることにより、膜中の分子の配向,配列を制御する
ことができる。
子として応用しやすい構造をしており、薄膜中の分子の
配向化技術によって、分子の会合状態を制御し、延いて
は高度な機能を有する素子の開発が奇態できる。分子を
配向化する技術としてLB法が最も有望である。LB法は常
温常圧下での薄膜作製法であるとともに、異積膜の膜厚
を累積回数によって制御できる点に特徴がある。また分
子内の親水性部位と疎水性部位のバランスをコントロー
ルすることにより、膜中の分子の配向,配列を制御する
ことができる。
<発明が解決しようとする課題> スピロピラン化合物は、有色状態では一般に不安定で
あり、たとえ暗所中で保存しておいても自然に退色して
しまうという問題がある。このため従来のスピロピラン
化合物を用いた光記録媒体は情報を長時間にわたって保
持することができないといった欠点が生じる。
あり、たとえ暗所中で保存しておいても自然に退色して
しまうという問題がある。このため従来のスピロピラン
化合物を用いた光記録媒体は情報を長時間にわたって保
持することができないといった欠点が生じる。
<課題を解決するための手段及び作用> 着色体の会合体形成を利用して記録安定性を高めたス
ピロピラン化合物が既に開示されている(特開昭62−90
649号)。有機分子単独の構造変化に基づくだけでな
く、分子集合状態を形成することによって機能する結
果、物性が変化することに注目し、会合体形成可能な新
たなスピロピラン化合物の探索を行なった。
ピロピラン化合物が既に開示されている(特開昭62−90
649号)。有機分子単独の構造変化に基づくだけでな
く、分子集合状態を形成することによって機能する結
果、物性が変化することに注目し、会合体形成可能な新
たなスピロピラン化合物の探索を行なった。
本発明者は、分子内にOH基を導入したスピロピラン分
子の場合、紫外光照射によりイオン解離して生成した着
色体のフェノキシイオンとOH基との分子間又は分子内の
水素結合に基づく相互作用により、その着色状態が安定
化し、元の無色体に戻りにくくなることを見い出した。
特にLB法を用いて成膜すると、膜内で着色体であるフォ
トメロシアニン分子どうしが非常に接近して配列配向化
するため、分子間の素子結合により会合体が形成し易
く、効果的に着色体の安定化を図ることができる。
子の場合、紫外光照射によりイオン解離して生成した着
色体のフェノキシイオンとOH基との分子間又は分子内の
水素結合に基づく相互作用により、その着色状態が安定
化し、元の無色体に戻りにくくなることを見い出した。
特にLB法を用いて成膜すると、膜内で着色体であるフォ
トメロシアニン分子どうしが非常に接近して配列配向化
するため、分子間の素子結合により会合体が形成し易
く、効果的に着色体の安定化を図ることができる。
また、LB法ではスピロピラン分子を水面上に展開し、
その単分子膜を基板上に累積することから、下相液のpH
をコントロールすることによりスピロピラン分子の官能
基であるOH基の脱プロトン化,プロトン化が可能であ
る。したがって、成膜時にpHを制御し、スピロピラン分
子の分子構造を変化させることによって、蒸着膜やスピ
ンコート膜,キャスト膜とは異なる特性を有する光記録
媒体を得ることができる。
その単分子膜を基板上に累積することから、下相液のpH
をコントロールすることによりスピロピラン分子の官能
基であるOH基の脱プロトン化,プロトン化が可能であ
る。したがって、成膜時にpHを制御し、スピロピラン分
子の分子構造を変化させることによって、蒸着膜やスピ
ンコート膜,キャスト膜とは異なる特性を有する光記録
媒体を得ることができる。
<実施例> 本発明は光記録媒体を作製するために、単結晶基板又
は石英,ガラス等のガラス基板,プラスチック基板など
のいずれかの基板上に、フォトクロミック化合物をLB
法,スピンコート法,キャスト法,蒸着法のいずれかに
より積層して、光情報記録層を形成する。このとき、前
記基板と光情報記録層との間にAl等からなる反射膜を形
成してもよい。
は石英,ガラス等のガラス基板,プラスチック基板など
のいずれかの基板上に、フォトクロミック化合物をLB
法,スピンコート法,キャスト法,蒸着法のいずれかに
より積層して、光情報記録層を形成する。このとき、前
記基板と光情報記録層との間にAl等からなる反射膜を形
成してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
本発明はこれに限定されるものではない。
《実施例1》 以下に実施例1で用いたスピロピラン144(以下SP14
4)の分子構造を示す。本SP144はR位にC18H37,X位に水
素,Y位に水酸基を配置させたものである。
4)の分子構造を示す。本SP144はR位にC18H37,X位に水
素,Y位に水酸基を配置させたものである。
先ず、5%トリメチルクロロシランを含むクロロホル
ム溶液中に、透明石英基板を浸漬して、該基板表面を疎
水性処理する。一方、SP144を4×10-4mol/の濃度で
溶かしたクロロホルム溶液を水面上に展開する。この
時、下相液には純水を用い、0.1NのHClを添加してpHを
3.5〜5.5に調整し、水温18℃,表面在20mN/m、基板への
累積速度は10mm/minに設定する。この条件を用いてLB膜
法により前記基板上にSP144を10層累積し、光記録媒体
を作製する。第1図は本実施例1による光記録媒体を示
すもので、同図中、1はは透明ガラス基板、2は記録
層、3はスピロピラン分子であり、記録層はスピロピラ
ン分子3の単分子膜を積層してなる。
ム溶液中に、透明石英基板を浸漬して、該基板表面を疎
水性処理する。一方、SP144を4×10-4mol/の濃度で
溶かしたクロロホルム溶液を水面上に展開する。この
時、下相液には純水を用い、0.1NのHClを添加してpHを
3.5〜5.5に調整し、水温18℃,表面在20mN/m、基板への
累積速度は10mm/minに設定する。この条件を用いてLB膜
法により前記基板上にSP144を10層累積し、光記録媒体
を作製する。第1図は本実施例1による光記録媒体を示
すもので、同図中、1はは透明ガラス基板、2は記録
層、3はスピロピラン分子であり、記録層はスピロピラ
ン分子3の単分子膜を積層してなる。
第2図は本実施例1による光記録媒体の可視−紫外吸
収スペクトルを示したものである。同図中1はスピロピ
ラン(無色体)状態のスペクトル、2は500Wの高圧水銀
ランプを用い、0.16mW/cm2,2分間(以下の実施例でも同
様)波長366nmの紫外光を照射することにより生じたフ
ォトメロシアニン(着色体λ=680nm)状態のスペクト
ルを示す。同図から明らかなように本実施例1による光
記録媒体に紫外線を照射すると、吸光度に顕著な違いが
表われ、書き込みが行なえることがわかる。
収スペクトルを示したものである。同図中1はスピロピ
ラン(無色体)状態のスペクトル、2は500Wの高圧水銀
ランプを用い、0.16mW/cm2,2分間(以下の実施例でも同
様)波長366nmの紫外光を照射することにより生じたフ
ォトメロシアニン(着色体λ=680nm)状態のスペクト
ルを示す。同図から明らかなように本実施例1による光
記録媒体に紫外線を照射すると、吸光度に顕著な違いが
表われ、書き込みが行なえることがわかる。
また、フォトメロシアニン状態の光記録媒体に波長63
3nmのHe−Neレーザ光を照射すると、フォトメロシアニ
ンは無色体のスピロピランに光異性化し、消去可能であ
ることを確認した。更に本実施例1のSP144による上記
フォトクロミック反応は室温下で行なったが、液体窒素
温度下でも同様な反応が得られることを確認した。
3nmのHe−Neレーザ光を照射すると、フォトメロシアニ
ンは無色体のスピロピランに光異性化し、消去可能であ
ることを確認した。更に本実施例1のSP144による上記
フォトクロミック反応は室温下で行なったが、液体窒素
温度下でも同様な反応が得られることを確認した。
上述の工程ではpH3.5〜5.5に調整した下相液を用いた
が、この下相液をpH9.0に調整して成膜したLB膜はフォ
トクロミック反応を示さなかった。ここで、LB膜中にお
ける分子間水素結合を調べるために、弗化カルシウム基
板上に累積したSP144LB膜の透過赤外吸収スペクトルを
測定した。下相液のpHを3.5,5.5に調整して成膜したLB
膜では、分子間水素結合性のOH伸縮振動(3350cm-1)に
基づく吸収が観測された。一方、下相液のpHを9.0に調
整して成膜してLB膜では、前述のOH伸縮振動に基づく吸
収は見られなかった。
が、この下相液をpH9.0に調整して成膜したLB膜はフォ
トクロミック反応を示さなかった。ここで、LB膜中にお
ける分子間水素結合を調べるために、弗化カルシウム基
板上に累積したSP144LB膜の透過赤外吸収スペクトルを
測定した。下相液のpHを3.5,5.5に調整して成膜したLB
膜では、分子間水素結合性のOH伸縮振動(3350cm-1)に
基づく吸収が観測された。一方、下相液のpHを9.0に調
整して成膜してLB膜では、前述のOH伸縮振動に基づく吸
収は見られなかった。
《実施例2》 0.1nの濃度でスピロピラン(SP144)を溶かしたジク
ロロエタン溶液を透明石英基板上に滴下し、溶媒をゆっ
くりと蒸発させて10〜100nm厚のキャスト膜を形成し、
光記録媒体を作成する。分子内に長鎖アルキル基を導入
することにより、基板上での結晶化がおさえられ、均一
な薄膜を得ることができた。本実施例2による光記録媒
体に366nmの紫外線を照射したところ、着色体であるフ
ォトメロシアニンが生じ、青色に発色した(λmax=630
nm)。また、この光記録媒体の着色体にHe−Neレーザを
照射すると、直ちに無色体のスピロピランに変化した。
ロロエタン溶液を透明石英基板上に滴下し、溶媒をゆっ
くりと蒸発させて10〜100nm厚のキャスト膜を形成し、
光記録媒体を作成する。分子内に長鎖アルキル基を導入
することにより、基板上での結晶化がおさえられ、均一
な薄膜を得ることができた。本実施例2による光記録媒
体に366nmの紫外線を照射したところ、着色体であるフ
ォトメロシアニンが生じ、青色に発色した(λmax=630
nm)。また、この光記録媒体の着色体にHe−Neレーザを
照射すると、直ちに無色体のスピロピランに変化した。
《実施例3》 スピロピラン(SP144)とPMMAとを、SP144を5wt%の
割合で混合したジクロロエタン溶液を透明石英基板上に
滴下し、該基板を回転数1000r・p・mで60秒間回転さ
せて、基板上にスピンコートによる記録層を形成し、光
記録媒体を作成する。本実施例3による光記録媒体に36
5nmの紫外光を照射したところ、着色体であるフォトメ
ニシアニンが生じ、青色に発色した(λmax=630nm)。
また、この光記録媒体の着色体にHe−Neレーザを照射す
ると、直ちに無色体のスピロピランに変化した。ここ
で、SP144はPMMAと混合したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、ポリビニルアルコール,フェノール
樹脂等他の有機化合物であってもよい。
割合で混合したジクロロエタン溶液を透明石英基板上に
滴下し、該基板を回転数1000r・p・mで60秒間回転さ
せて、基板上にスピンコートによる記録層を形成し、光
記録媒体を作成する。本実施例3による光記録媒体に36
5nmの紫外光を照射したところ、着色体であるフォトメ
ニシアニンが生じ、青色に発色した(λmax=630nm)。
また、この光記録媒体の着色体にHe−Neレーザを照射す
ると、直ちに無色体のスピロピランに変化した。ここ
で、SP144はPMMAと混合したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、ポリビニルアルコール,フェノール
樹脂等他の有機化合物であってもよい。
《実施例4》 以下に、実施例4で用いたスピロピラン147(以下SP1
47)の分子構造を示す。本SP147はR位にC18H37,X位に
水酸基、Y位にニトロ基を配置させたものである。
47)の分子構造を示す。本SP147はR位にC18H37,X位に
水酸基、Y位にニトロ基を配置させたものである。
SP147を4×10-4mol/の濃度で溶かしたクロロホル
ム溶液を水面上に展開する。下相液には純水を用い、pH
4.5に調整する。水面上方から紫外光を照射しながら10
分後に圧縮を開始して表面圧を25mN/mにし、上記実施例
1の如く疎水化処理を施した石英基板上に累積を行う。
水面上に展開してから30分以内に累積したLB膜は吸収極
大が590nmである。このLB膜に更に紫外線を照射する
と、わずかに吸光度の増加が見られ、これにHe−Neレー
ザを照射すると、吸光度が減少し、退色する。
ム溶液を水面上に展開する。下相液には純水を用い、pH
4.5に調整する。水面上方から紫外光を照射しながら10
分後に圧縮を開始して表面圧を25mN/mにし、上記実施例
1の如く疎水化処理を施した石英基板上に累積を行う。
水面上に展開してから30分以内に累積したLB膜は吸収極
大が590nmである。このLB膜に更に紫外線を照射する
と、わずかに吸光度の増加が見られ、これにHe−Neレー
ザを照射すると、吸光度が減少し、退色する。
更に前述の如く累積したLB膜を40℃で加熱すると、吸
収極大が560nmにシフトする。第3図は本実施例4によ
る光記録媒体の可視−紫外吸収スペクトルを示したもの
である。同図中、1は加熱前の累積LB膜のスペクトル、
2は加熱後の累積LB膜のスペクトルを示す。加熱による
着色状態は非常に安定である。加熱して着色状態となっ
たLB膜に色素レーザ光(λ=550nm)を照射すると、吸
光度が減少し、退色する。また、赤外吸収スペクトルを
測定することにより、加熱前と加熱後で分子間水素結合
性のOH伸縮振動(3240cm-1)に基づく吸収の増大が観測
された。
収極大が560nmにシフトする。第3図は本実施例4によ
る光記録媒体の可視−紫外吸収スペクトルを示したもの
である。同図中、1は加熱前の累積LB膜のスペクトル、
2は加熱後の累積LB膜のスペクトルを示す。加熱による
着色状態は非常に安定である。加熱して着色状態となっ
たLB膜に色素レーザ光(λ=550nm)を照射すると、吸
光度が減少し、退色する。また、赤外吸収スペクトルを
測定することにより、加熱前と加熱後で分子間水素結合
性のOH伸縮振動(3240cm-1)に基づく吸収の増大が観測
された。
《実施例5》 以下に実施例5で用いたスピロピラン145(以下SP14
5)の分子構造を示す。本SP145はR位にC18H37,X位にヒ
ドロキシメチル基、Y位にニトロ基を配置させたもので
ある。
5)の分子構造を示す。本SP145はR位にC18H37,X位にヒ
ドロキシメチル基、Y位にニトロ基を配置させたもので
ある。
(1) SP145を4×10-4mol/の濃度で溶かしたクロ
ロホルム溶液を水面上に展開する。下相液には純水を用
い、pH4.5に調整する。水面上のSP145単分子膜に紫外線
を照射して、スピロピラン分子を着色体に光異性化した
状態で、表面圧を25mN/m、累積速度10mm/minの条件下
で、前述の実施例1如く疎水化処理した石英基板上に10
層累積して記録層を形成し、光記録媒体を作成する。成
膜直後、記録層は640nmに吸収極大を有する会合体で形
成されており、この記録層にHe−Neレーザ光を照射する
と、吸光度は減少し、退色する。更に記録層に紫外線を
照射すると、570nmに吸収極大を有するフォトメロシア
ニンが生成する。第4図は本実施例5(1)による光記
録媒体の可視吸収スペクトルを示す。同図中、1はHe−
Neレーザ照射前、2はHe−Neレーザ照射後、3は紫外吹
照射後を示すものである。
ロホルム溶液を水面上に展開する。下相液には純水を用
い、pH4.5に調整する。水面上のSP145単分子膜に紫外線
を照射して、スピロピラン分子を着色体に光異性化した
状態で、表面圧を25mN/m、累積速度10mm/minの条件下
で、前述の実施例1如く疎水化処理した石英基板上に10
層累積して記録層を形成し、光記録媒体を作成する。成
膜直後、記録層は640nmに吸収極大を有する会合体で形
成されており、この記録層にHe−Neレーザ光を照射する
と、吸光度は減少し、退色する。更に記録層に紫外線を
照射すると、570nmに吸収極大を有するフォトメロシア
ニンが生成する。第4図は本実施例5(1)による光記
録媒体の可視吸収スペクトルを示す。同図中、1はHe−
Neレーザ照射前、2はHe−Neレーザ照射後、3は紫外吹
照射後を示すものである。
R位にステアリル基,X位に水素,Y位にニトロ基を有す
るスピロピランSP98の着色状態の半減期が25℃において
約20分であるのに対し本実施例5の記録層の着色状態の
半減期は120分であり、記録寿命が大幅に拡大した。
るスピロピランSP98の着色状態の半減期が25℃において
約20分であるのに対し本実施例5の記録層の着色状態の
半減期は120分であり、記録寿命が大幅に拡大した。
(2) 本実施例5(1)製造過程において、SP145を
溶かしたクロロホルム溶液を水面上に展開する際、下相
液として20〜25℃に保たれ、pH4.5に調整された純水を
用い、あとは同様の方法でLB膜からなる記録層を成膜す
る。成膜直後、本記録層は640nmに吸収極大であり、シ
ャープな吸収を有する会合体で形成されている。本記録
層に可視光線或いはHe−Neレーザ光を照射すると、直ち
に無色となる。無色となった記録層に再び紫外線を照射
しても、もはやJ会合体は形成されず、570nmに吸収極
大を有するモノマー状態の着色体が生成して青色に発色
し、更に可視光を照射すると直ちに無色状態となる。
溶かしたクロロホルム溶液を水面上に展開する際、下相
液として20〜25℃に保たれ、pH4.5に調整された純水を
用い、あとは同様の方法でLB膜からなる記録層を成膜す
る。成膜直後、本記録層は640nmに吸収極大であり、シ
ャープな吸収を有する会合体で形成されている。本記録
層に可視光線或いはHe−Neレーザ光を照射すると、直ち
に無色となる。無色となった記録層に再び紫外線を照射
しても、もはやJ会合体は形成されず、570nmに吸収極
大を有するモノマー状態の着色体が生成して青色に発色
し、更に可視光を照射すると直ちに無色状態となる。
25℃暗所における上記J会合体の半減期は540分であ
り、上記モノマー状態の半減期は135分である。したが
って従来のR位にC18H37(ステアリル基),X位に水素,Y
位にニトロ基を有するスピロピランSP98の半減期は20
分、R位にC18H37,X位にメトキシ基、Y位にニトロ基を
有するスピロピランSP1801の半減期は30分であることか
ら考えると、着色状態の安定性を大幅に改善でき、記録
寿命を延長することができる。
り、上記モノマー状態の半減期は135分である。したが
って従来のR位にC18H37(ステアリル基),X位に水素,Y
位にニトロ基を有するスピロピランSP98の半減期は20
分、R位にC18H37,X位にメトキシ基、Y位にニトロ基を
有するスピロピランSP1801の半減期は30分であることか
ら考えると、着色状態の安定性を大幅に改善でき、記録
寿命を延長することができる。
第5図は上記条件の下相液を用いた実施例5(2)に
よる光記録媒体の可視吸収スペクトルを示す。同図中、
1はHe−Neレーザ照射前、2はHe−Neレーザ照射後、3
は紫外線照射後を示すものである。
よる光記録媒体の可視吸収スペクトルを示す。同図中、
1はHe−Neレーザ照射前、2はHe−Neレーザ照射後、3
は紫外線照射後を示すものである。
<発明の効果> 以上の如く、本発明により、pHを調整してOH基を有す
るスピロピラン分子のフォトクロミズムを制御でき、分
子内及び分子間の水素結合を利用して着色体を安定化さ
せ、光記録媒体における記録安定性の向上を図ることが
可能となる。
るスピロピラン分子のフォトクロミズムを制御でき、分
子内及び分子間の水素結合を利用して着色体を安定化さ
せ、光記録媒体における記録安定性の向上を図ることが
可能となる。
第1図は本発明の実施例による光記録媒体の構成図、第
2図乃至第5図は本実施例による光記録媒体の吸収スペ
クトル特性図である。
2図乃至第5図は本実施例による光記録媒体の吸収スペ
クトル特性図である。
Claims (1)
- 【請求項1】基板と、 該基板上に形成した、一般式 〔式中、Rはアルキル基(炭素数1〜31)、Xは水素、
水酸基、又はヒドロキシアルキル基、Yは水酸基、又は
ニトロ基を表す〕で示され、 X位、及びY位のいずれか一方に水酸基を含むスピロピ
ラン化合物からなる薄膜記録層とを具備したことを特徴
とする光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1270992A JP2622177B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-10-17 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-203070 | 1989-08-04 | ||
JP20307089 | 1989-08-04 | ||
JP1270992A JP2622177B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-10-17 | 光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH03174146A JPH03174146A (ja) | 1991-07-29 |
JP2622177B2 true JP2622177B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=26513731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1270992A Expired - Lifetime JP2622177B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-10-17 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2622177B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63207887A (ja) * | 1987-02-23 | 1988-08-29 | Nitto Electric Ind Co Ltd | フオトクロミツク材料とその発色方法 |
-
1989
- 1989-10-17 JP JP1270992A patent/JP2622177B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03174146A (ja) | 1991-07-29 |
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