JPH0620225A - 磁気ヘッドのシールド構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの磁気回路要素を外部磁界から効
果的にシールドする。 【構成】 セラミック・スライダ分割体１１、１２の２
つのアウトリガー部１１ｂ、１２ｂの互いの対向面部間
に磁性体からなるシールド枠体１８をはめ込むように取
り付けて、シールド枠体１８により複合コア１３の脚
片、記録再生用コイル１４、消去用コイル１５、ヨーク
１６、１７の周囲をとり囲む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、フロッピーディスク
装置などに用いられる磁気ヘッドに関し、特に、ヘッド
の磁気回路の主要部分を磁気シールドするシールド構造
の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】フロッピーディスク装置用磁気ヘッドの
従来の代表的な構造を図１に示している。この磁気ヘッ
ドはトンネル・イレーズ・ヘッドであり、ラミネートタ
イプと称される偏平なＥ型複合コア１３に非磁性セラミ
ック製のスライダ１０を一体に組合わせたものである。

【０００３】セラミック・スライダ１０は、磁気記録媒
体（フロッピーディスク）の表面と対向する平滑に仕上
げられた正面部１１ａ，１２ａと、正面部１１ａ，１２
ａの両側端から背面側に壁状に突出したアウトリガー部
１１ｂと１２ｂとからなる。Ｅ型複合コア１３の主片部
分がスライダ正面部１１ａと１２ａとの中間に挾みこま
れてスライダ１０と一体化されている（スライダ１０は
２つのスライダ分割体１１，１２からなり、その分割体
の間にコア１３が挾み込まれている）。Ｅ型複合コア１
３脚片には記録再生用コイル３および消去用コイル（図
示省略）それにヨーク（図示省略）が装着されており、
これでヘッドの磁気回路が構成されている。

【０００４】この例の磁気ヘッドは短磁路タイプと呼ば
れるもので、Ｅ型複合コア１３の各脚片の長さが短く、
セラミック・スライダ１０のアウトリガー部１１ｂ、１
２ｂの間の空間にコア１３、コイル１４、ヨークが全て
収まっている。このように構成された磁気ヘッドをジン
バルプレートなどと呼ばれる板バネ製の支持プレート１
９り付ける。支持プレート１９にはコア１３と干渉しな
いように適宜な穴が形成されており、その穴を通してコ
イル１４のリード線がプレート１９の下面側に引き出さ
れる。この磁気ヘッドは、セラミック・スライダ１０の
アウトリガー部１１ｂと１２ａの後端面を支持プレート
１９上に接合し、接着剤で固定している。

【０００５】前記のように支持プレート１９上に取り付
けた磁気ヘッドに対し、外部磁界からヘッドの磁気回路
要素を保護するための磁気シールドを特別に施さない場
合も多いが、必要に応じて次のように磁気シールドの対
策を施す場合もある。図１において１８はパーマロイな
どの磁性体からなる長方形のシールド枠体である。この
シールド枠体１９はセラミック・スライダ１０の外周を
とり囲む大きさに形成されており、支持プレート１９上
に固定された磁気ヘッドの外周にシールド枠体１８をは
め合わせ、この枠体１８も接着剤で支持プレート１９に
固定する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記のようにシールド
枠体１８により磁気ヘッドのセラミック・スライダ１０
の外周囲をとり囲むシールド構造では、次のような問題
点があった。 磁気ヘッドの外形を形作っているセラミック・スライ
ダ１０の外側を覆う形でシールド枠体１８を装着するの
で、シールドしなければならないヘッド磁気回路の中心
要素（複合コア１３およびコイル１４などで構成され
る）に対して枠体１８が大きすぎ、隙間が多くてシール
ド効果が十分でない。 シールド枠体１８の高さをできるだけ複合コア１３の
高さに近づけてシールド効果を高めることが重要である
が、そうすると枠体１８を支持プレート１９上に接着剤
で固定する際に、高さ方向のわずかな位置ずれが生じて
も、シールド枠体１８が磁気記録媒体面に接触する恐れ
が出てくる。枠体１８が記録媒体に接して媒体を傷つけ
るということは、万が一にもあってはならないことであ
る。このことからシールド枠体１８の高さはある程度余
裕をもって小さくしておかなければならない。そうする
と枠体１８とシールド対象要素との間の隙間が大きくな
り、十分なシールド効果が得られない。

【０００７】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、従来より製作および組立が
容易なシールド構造により磁気ヘッドを効果的に磁気シ
ールドすることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこでこの発明では、磁
気記録媒体面と対向する正面部の両側端から背面側に２
つのアウトリガー部を壁状に突設した形状の非磁性セラ
ミック製のスライダと、主片部分が前記スライダ正面部
の中間に挾み込まれて前記スライダと一体化された偏平
なＥ型複合コアと、この複合コアの後背側の脚片に装着
されたコイルおよびヨークとを備えた磁気ヘッドにおい
て、前記スライダの２つの前記アウトリガー部の互いの
対向部面間に磁性体からなるシールド枠体をはめ込むよ
うに取り付け、このシールド枠体により前記複合コア脚
片および前記コイルの周囲をとり囲むようにした。

【０００９】

【作用】前記シールド枠体自体が前記スライダの２つの
アウトリガー部の間の空間に収まり、その空間内にある
前記複合コアおよびコイルのすぐ外側が前記シールド枠
体によりとり囲まれる。

【００１０】

【実施例】図２、図３、図４にこの発明の一実施例によ
る磁気ヘッドのシールド構造を示している。図２は磁気
ヘッド自体の構成を示している。前述したセラミック・
スライダは２つのスライダ分割体１１と１２を組み合わ
せたものである。スライダ分割体１１は記録媒体に接す
る正面部１１ａと、その背後に延びたアウトリガー部１
１ｂとからなる。同様にスライダ分割体１２は、正面部
１２ａとアウトリガー部１２ｂからなる。Ｅ型複合コア
１３は、トンネル・イレーズ・ヘッドの中心構成要素と
なるラミネートコアである。この複合コア１３の主片部
分が２つのスライダ分割体１１と１２で挾み込まれて一
体化され、複合コア１３の３本の脚片部分はアウトリガ
ー部１１ｂと１２ｂの間の空間に位置する。そして、コ
ア１３の脚片に記録再生用コイル１４および消去用コイ
ル１５を装着するとともに、３本の脚片の端部間にかけ
渡すようにしてヨーク１６と１７を接合する。

【００１１】図３に示すように、前記のようにして構成
された磁気ヘッドにおけるセラミックスライダ１１と１
２のアウトリガー部１１ｂと１２ｂの対向する部分の空
間に収まる寸法のシールド枠体１８を設ける。つまり、
シールド枠体１８の短辺の寸法をアウトリガー部１１ｂ
と１２ｂの間隔とほぼ等しくし、枠体１８の長辺の寸法
をセラミック・スライダ分割体１１、１２の長さより少
し大きく設定する。このシールド枠体１８を図４に示す
ようにスライダ・アウトリガー部１１ｂと１２ｂの間に
はめ込むように装着する。するとアウトリガー部１１ｂ
と１２ｂの対向する空間の中央に存在する複合コア１３
の各脚片と記録再生用コイル１４と消去用コイル１５と
ヨーク１６、１７の至近の周囲がシールド枠体１８でと
り囲まれる。この状態の磁気ヘッド組立品を板バネ製の
支持プレート上に搭載して固定すればよい。

【００１２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よる磁気ヘッドのシールド構造では、セラミック・スラ
イダの２つのアウトリガー部の間隔部分の空間に位置す
るヘッド磁気回路要素が、やはりアウトリガー部の内側
空間にはめ込むように取り付けられたシールド枠体でも
ってとり囲まれる。つまりヘッド磁気回路要素の至近の
外周囲をシールド枠体でとり囲むので、シールド効果は
従来の構造のものより大幅に向上する。また、シールド
枠体を取り付ける際にセラミック・スライダ自身が取付
け母体となるので、枠体の位置決めおよび固定も非常に
簡単になる。しかもシールド枠体の位置ずれは生じにく
いし、少々位置ずれを生じても従来のようにシールド枠
体が記録媒体に接するような重大な欠陥には結びつかな
い。したがってシールド効果の優れた高性能な磁気ヘッ
ドを簡単に量産することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の磁気ヘッドのシールド構造を示す分解斜
視図である。

【図２】シールドを施す前の磁気ヘッドの構造を示す分
解斜視図である。

【図３】この発明の一実施例による磁気ヘッドのシール
ド構造を示す分解斜視図である。

【図４】同上実施例のシールド構造を採用した磁気ヘッ
ドの斜視図である。

【符号の説明】

１０ セラミック・スライダ １１、１２ セラミック・スライダ分割体 １１ａ、１２ａ 正面部 １１ｂ、１２ｂ アウトリガー部 １３ 複合コア １４ 記録再生用コイル １５ 消去用コイル １６、１７ ヨーク １８ シールド枠体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気記録媒体面と対向する正面部の両側
   端から背面側に２つのアウトリガー部を壁状に突設した
   形状の非磁性セラミック製のスライダと、主片部分が前
   記スライダ正面部の中間に挾み込まれて前記スライダと
   一体化された偏平なＥ型複合コアと、この複合コアの後
   背側の脚片に装着されたコイルおよびヨークとを備えた
   磁気ヘッドにおいて、 前記スライダの２つの前記アウトリガー部の互いの対向
   部面間に磁性体からなるシールド枠体をはめ込むように
   取り付け、このシールド枠体により前記複合コア脚片お
   よび前記コイルの周囲をとり囲むことを特徴とする磁気
   ヘッドのシールド構造。