JPH06200108A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

生分解性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH06200108A
JPH06200108A JP34817992A JP34817992A JPH06200108A JP H06200108 A JPH06200108 A JP H06200108A JP 34817992 A JP34817992 A JP 34817992A JP 34817992 A JP34817992 A JP 34817992A JP H06200108 A JPH06200108 A JP H06200108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
parts
gluten
polyvinyl alcohol
biodegradability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34817992A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiro Okuda
尚宏 奥田
Yuujirou Uchiyama
雄二朗 内山
Seiji Shiraki
成治 白木
Takashi Domae
孝志 同前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP34817992A priority Critical patent/JPH06200108A/ja
Publication of JPH06200108A publication Critical patent/JPH06200108A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生分解性にすぐれ、高機械的強度およびすぐ
れた生分解性、耐湿性を有するとともに、ある程度の耐
水性を有しながら徐々に崩壊しうる成形体とすることが
できる生分解性樹脂組成物を提供すること。 【構成】 グルテンおよびポリビニルアルコールを含有
してなり、グルテンとポリビニルアルコールとの重量比
が1/99〜99/1である生分解性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性樹脂組成物に
関する。さらに詳しくは、生分解性にすぐれ、高機械的
強度およびすぐれた生分解性、耐湿性を有するととも
に、ある程度の耐水性を有しながら水中で徐々に崩壊し
うる成形体とすることができる生分解性樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、数千万トンのプラスチックが生
産、消費されており、これらのプラスチックは、不要に
なるとそのごく一部は回収されてリサイクルに利用され
るが、大部分は廃棄されて埋め立てや焼却に供される。
しかしながら、これらのプラスチックは、埋め立てても
腐敗しないので減容化せず、また燃やすと高熱を発して
焼却炉を損傷させたり、塩化水素などのような有害ガス
を発生するなどの多くの問題を有する。
【0003】このようなことから、近年、使用時の利便
性のみならず、地球や自然環境への影響を念頭に置い
た、「生分解性」という新しい性質を有するプラスチッ
クに対する社会的なニーズおよび関心が高まってきてい
る。ここでいう「生分解性」とは、たとえば土中、海中
などの自然環境中の微生物などによって容易に分解さ
れ、自然環境に悪影響を与えない性質を意味する。
【0004】かかる生分解性プラスチックとしては、デ
ンプン−ポリビニルアルコールブレンド組成物(特開平
3−31333号公報および特開平3−79645号公
報)が提案されているが、かかるブレンド組成物は、確
かに生分解性を有するものの該生分解性は当初考えられ
ていたよりも分解時間が長いことがわかってきた。たと
えば前記生分解性プラスチックからなる袋に樹木や芝な
どの伐採物を詰め、コンポスト(有機肥料)化する検討
が進められているが、前記生分解性プラスチックからな
る袋は、12カ月経過後であっても、75〜80%は掌
大の大きさであり、生分解性が充分であるとはいえな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、従来
のデンプンにかえてグルテンを用い、ポリビニルアルコ
ールとの組成物としたばあいには、驚くべきことに、ポ
リビニルアルコールが有する生分解性がいちじるしく向
上されて生分解性に非常にすぐれた樹脂組成物をうるこ
とができ、しかも該樹脂組成物を用いてえられる成形体
が、生分解性にすぐれるのはもちろんのこと、高機械的
強度およびすぐれた耐湿性を有し、しかもある程度の耐
水性を有しながら水中で徐々に崩壊しうるものであるこ
とをようやく見出し、本発明を完成するにいたった。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はグル
テンおよびポリビニルアルコールを含有してなり、グル
テンとポリビニルアルコールとの重量比が1/99〜9
9/1である生分解性樹脂組成物に関する。
【0007】
【作用および実施例】本発明の生分解性樹脂組成物は、
前記したように、グルテンおよびポリビニルアルコール
を含有してなり、グルテンとポリビニルアルコールとの
重量比が1/99〜99/1であるものである。
【0008】前記グルテンは、意外なことに、後述する
ポリビニルアルコールと混合することによって該ポリビ
ニルアルコールが本来有する生分解性をいちじるしく向
上させ、すぐれた生分解性を有する樹脂組成物を与える
ものであり、小麦に代表される穀類に含有されるタンパ
ク質を主体とした混合物で、大量に存在する天然高分子
化合物であり、安価で容易に入手することができる。
【0009】なお、本発明においては、通常のグルテン
を酸やアルカリにより部分加水分解または酸化剤や還元
剤により部分的に分解したものを用いることもできる。
【0010】なお、前記グルテンの形状は、とくに限定
がなく、たとえば粉末状、顆粒状、たとえば水などを添
加して混練してえられるペースト状などがあげられる。
【0011】本発明に用いられるポリビニルアルコール
としては、とくに限定がないが、たとえばその平均重合
度が100〜3000、なかんづく500〜2500で
あるものが、えられる樹脂組成物を用いて成形体に加工
する際に、その取扱いが容易であり、えられた成形体が
すぐれた機械的強度を有するという点から好ましい。
【0012】また、前記ポリビニルアルコールのケン化
度については、とくに限定がないが、通常50モル%以
上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90
モル%以上であることが、前記グルテンとの相溶性にす
ぐれるという点から望ましい。
【0013】なお、前記ポリビニルアルコールの構成単
位は、ビニルアルコールおよび残ビニルエステルとして
酢酸ビニルなどを含有するものであるが、これらのほか
にも、たとえばエチレン、プロピレン、イソブチレンな
どのオレフィン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの不飽和酸
類またはこれらの塩類、アルキルエステル類、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、アルキルビニルエー
テル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、プロピオン酸ビニルなどが含有されていてもよ
い。
【0014】前記グルテンとポリビニルアルコールとの
配合割合は、グルテン/ポリビニルアルコール(重量
比)が1/99〜99/1、好ましくは5/95〜95
/5であることが望ましい。かかる配合割合が1/99
よりも小さいばあいには、えられる樹脂組成物および該
樹脂組成物を用いて形成された成形体の生分解性がいち
じるしく低下するようになり、また99/1よりも大き
いばあいには、樹脂組成物を用いて形成された成形体の
引張り強度などの機械的強度がいちじるしく低下するよ
うになる。
【0015】本発明の樹脂組成物は、前記グルテンおよ
びポリビニルアルコールを含有したものであるが、かか
る樹脂組成物には、これらのほかにも、たとえば可塑
剤、充填剤、潤滑剤、着色剤、改質剤、安定剤、補助
剤、離型剤、発泡剤、増量剤、流動加速剤などの添加剤
を、使用目的に応じてその配合量を調整して適宜配合す
ることができる。
【0016】前記可塑剤は、えられる樹脂組成物の可塑
性を向上させるため、樹脂組成物および該樹脂組成物を
用いて形成される成形体が必要以上に乾燥するのを防止
するため、あるいは成形体の柔軟性や屈曲性を向上させ
るために用いられるものであり、かかる可塑剤として
は、たとえばグリセリン、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリス
リトール、グリセロールモノアセテート、グリセロール
ジアセテート、ソルビトール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン−プロ
ピレングリコール)などの多価アルコールおよびその
(部分)エステルなどがあげられ、これらは単独でまた
は2種以上を混合して用いることができるが、本発明の
樹脂組成物の加工性を高め、さらに該樹脂組成物を用い
て形成される成形体中の水分を調節しうるものであれ
ば、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0017】前記可塑剤の配合量は、グルテンおよびポ
リビニルアルコールの合計量100部(重量部、以下同
様)に対して100部以下であることが好ましい。な
お、かかる可塑剤の配合量は、あまりにも多いばあいに
は、えられる樹脂組成物を用いて形成された成形体の柔
軟性などは向上するが、引張り強度などの機械的強度が
低下したり、高湿度下において変形がおこるようになる
傾向があるので、好ましくは50部以下、さらに好まし
くは30部以下であることが望ましい。また、かかる配
合量は、あまりにも少ないばあいには、該可塑剤を配合
したことによる効果が充分に発現されにくく、樹脂組成
物を用いて形成された成形体を乾燥雰囲気下で長期間に
わたって放置したばあいに脆くなる傾向があるので、好
ましくは3部以上、さらに好ましくは5部以上であるこ
とが望ましい。
【0018】前記充填剤としては、たとえばマグネシウ
ム、アルミニウム、ケイ素、チタンなどの無機酸化物、
粘土、カーボン、ガラス繊維、パルプ、合成繊維、気泡
などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。かかる充填剤の配合量は、グ
ルテンおよびポリビニルアルコールの合計量100部に
対して50部以下、なかんづく20部以下であることが
好ましい。
【0019】前記潤滑剤としては、たとえばアルミニウ
ム、カルシウム、マグネシウム、スズなどのステアリン
酸塩、タルク、シリコーンオイル、ワセリン、界面活性
剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。かかる潤滑剤の配合量は、
グルテンおよびポリビニルアルコールの合計量100部
に対して5部以下、なかんづく3部以下であることが好
ましい。
【0020】前記着色剤としては、たとえばアゾ系染
料、有機顔料、無機顔料、天然着色剤などがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できるが、これらのなかでは、たとえば鉄、チタンなど
の酸化物などの無機顔料が好ましい。かかる着色剤の配
合量は、グルテンおよびポリビニルアルコールの合計量
100部に対して10部以下、なかんづく3部以下であ
ることが好ましい。
【0021】前記改質剤としては、たとえばイオウ、尿
素などがあげられ、かかる改質剤の配合量は、グルテン
およびポリビニルアルコールの合計量100部に対して
15部以下、なかんづく10部以下であることが好まし
い。
【0022】また、前記安定剤としては、たとえば酸化
防止剤、紫外線吸収剤、生分解性を制御するための微生
物に対する安定剤などを用いることができる。
【0023】さらに、本発明においては、前記樹脂組成
物は水を含有していてもよい。
【0024】前記水の含有量は、後述するように、樹脂
組成物の成形加工方法によって異なるが、通常グルテン
およびポリビニルアルコールの合計量100部に対して
1500部以下であることが好ましい。かかる水の含有
量が1500部をこえるばあいには、加工性がわるくな
るとともに、グルテンの分散が均一でなくなるおそれが
ある。
【0025】本発明においては、前記グルテンおよびポ
リビニルアルコール、さらに必要に応じて可塑剤などの
添加剤、水などを、たとえばミキサーやニーダーなどを
用いて任意の混合形態および順序で均一に混合すること
によって生分解性樹脂組成物をうることができる。
【0026】前記グルテンおよびポリビニルアルコール
を混合するには、固形のグルテンおよび固形のポリビニ
ルアルコールを混合することが可能であるが、一般に市
販の種々のケン化度や重合度を有するポリビニルアルコ
ールの軟化温度は150℃以上であり、かかる高温下で
両者を混合するばあい、混合中にグルテンの一部または
全部が熱変化または熱分解するおそれがある。したがっ
て、これらの熱分解、熱変性を避けるため、グルテンお
よびポリビニルアルコールを溶かす溶剤とともに両者を
液状ないしペースト状の状態とし、可能なかぎり低温で
混合することが好ましい。
【0027】ここで使用しうる溶剤としては、グルテン
およびポリビニルアルコールを溶かすものであればとく
に限定がなく、たとえば水、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドなどがあげられる。これら
は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる
が、これらのなかでは、水がポリビニルアルコールおよ
びグルテンを比較的低い温度で可溶化する性質を有する
ので好ましい。
【0028】混合方法としては、たとえば溶剤の一例と
して水を用いたばあいには、水に溶解させてペースト状
にしたグルテンおよび非含水状態のポリビニルアルコー
ルを混合する方法、非含水状態のグルテンおよび水に溶
解させて水溶液としたポリビニルアルコールを混合する
方法、ペースト状のグルテンおよびポリビニルアルコー
ル水溶液を混合する方法などがあげられるが、本発明に
おいては、まずポリビニルアルコールを水に加熱溶解さ
せたのち、これにグルテンおよび必要に応じて可塑剤な
どの添加剤などを配合する方法が、比較的容易に低温下
で短時間のうちに均一に混合しうるという点から好まし
い。
【0029】混合する際の溶剤の量を変化させることに
より、また一定量の溶剤量を用いて混合したのち濃縮ま
たは乾燥することにより、溶剤を含まないまたは含んだ
固形状ないし溶液状の所望の状態とすることができる。
【0030】一般に固形状ないしペースト状の樹脂組成
物をうるばあいには、溶剤の配合量は、たとえば溶剤と
して水を用いたときには、グルテンおよびポリビニルア
ルコールの合計量100部に対して5〜300部、好ま
しくは10〜200部であることが望ましく、またペー
スト状ないし溶液状の樹脂組成物をうるばあいには、グ
ルテンおよびポリビニルアルコールの合計量100部に
対して150〜1500部、好ましくは200〜900
部、さらに好ましくは200〜600部であることが望
ましい。
【0031】混合する際の温度は、目的とする樹脂組成
物の溶剤の量によって異なるので、一概には決定するこ
とができないが、たとえば固形状ないしペースト状の樹
脂組成物をうるばあいには、通常30〜95℃、なかん
づく45〜80℃であることが好ましく、ペースト状な
いし溶液状の樹脂組成物をうるばあいには、通常20〜
95℃、なかんづく20〜80℃であることが好まし
い。
【0032】かくしてえられる樹脂組成物は、溶剤の量
を適宜調整することにより所望の形状のものがえられ、
含水していても含水していなくてもよいが、含水した樹
脂組成物を保存するばあいには、腐敗やカビなどの繁殖
により劣化がおこるおそれを防ぐために、10℃以下、
好ましくは5℃以下の温度で保存することが好ましい。
【0033】なお、混合が終了した含水した樹脂組成物
を、熱風乾燥機などにより乾燥または脱水し、樹脂組成
物の含水量をグルテンおよびポリビニルアルコールの合
計量100部に対して5部以下、好ましくは3部以下に
することにより、腐敗やカビなどの繁殖がなく、劣化の
おそれのない、室温で長期間保存することが可能な安定
した樹脂組成物をうることができる。
【0034】前記樹脂組成物を用いて成形体をうる際に
は、加工法に適した形状の樹脂組成物が用いられる。
【0035】たとえば樹脂組成物が固形状ないしペース
ト状であるばあいには、たとえば20〜80℃、好まし
くは20〜60℃程度の温度に設定されたロールで該樹
脂組成物を充分に混練し、その乾燥状態または含水量を
適当に調節したのち、たとえばロール、粉砕機などを用
いてたとえば板状、シート状、フィルム状、ペレット
状、粉末状などの成形体とすることができる。さらに板
状、ペレット状、粉末状などの成形体は、添加剤の含有
量、含水量などを適宜調節したのち、たとえば圧縮成形
加工、押出し成形加工、射出成形加工、カレンダ加工、
発泡加工などを施すことによってたとえば容器、管、
棒、シート、発泡体、フィルム、袋、医薬用カプセルな
どとすることができる。
【0036】たとえば樹脂組成物がペースト状ないし溶
液状であるばあいには、たとえば必要に応じて減圧下で
脱泡したのち、たとえば精密仕上げが施されたガラス、
金属などの板、ロールなどの表面に流延、塗布または浸
漬させ、乾燥後、剥離することによってフィルムとする
ことができる。
【0037】かくしてえられた成形体は、通常グルテン
およびポリビニルアルコールの合計量100部に対して
0〜15部、好ましくは3〜12部の水分に調節され、
この範囲内において良好な機械的強度を付与することが
できる。
【0038】また、前記成形体には、その機械的強度お
よび耐水性を向上させる目的で熱処理を施すことができ
る。かかる熱処理の温度は、80〜150℃程度、時間
は2分間〜2時間程度であることが好ましい。なお、か
かる熱処理により成形体が過剰に乾燥し、脆くなるよう
になる傾向があるので、熱処理中または熱処理後に加湿
することが好ましい。
【0039】本発明の生分解性樹脂組成物は、生分解性
にすぐれ、該樹脂組成物を用いて形成された成形体は、
すぐれた生分解性、耐湿性および高機械的強度を有する
とともに、ある程度の耐水性を有しながら水中で徐々に
崩壊しうるものであるので、各種容器、包装材料などと
して用いたのち、埋め立てに供するなどして廃棄したば
あいであっても、自然環境に悪影響を与えることなく容
易に分解されうる。
【0040】また、前記成形体の表面に疎水性樹脂フィ
ルムなどをコーティングすることによってその耐水性を
向上させることができ、さらにすぐれた耐水性が要求さ
れるような用途にも利用することができる。
【0041】つぎに本発明の生分解性樹脂組成物を実施
例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。
【0042】実施例1 ポリビニルアルコール(平均重合度:約1400、ケン
化度:99モル%)8部を水24部に80℃で加熱溶解
させた溶液に、粉末状のグルテン(長田産業(株)製、
含水量:約5重量%)80部およびグリセリン12部を
添加し、50℃でミキサーを用いて充分に混合して樹脂
組成物をえた。
【0043】えられた樹脂組成物を40℃に設定したロ
ールを用いて混練し、厚さ5mmの板状の成形体をえ
た。かかる成形体の含水量は約20重量%であった。
【0044】この板状の成形体をさらに室温(25℃)
でロールを用いて圧延し、加湿下、95℃で5分間熱処
理を施して厚さ約400μmのシートを作製した。かか
るシートの含水量は約10重量%であった。
【0045】えられたシートの物性として、生分解性、
機械的強度および耐水性を以下の方法にしたがって調べ
た。その結果を表1に示す。
【0046】(イ)生分解性 9月〜11月の3カ月間、深さ5〜10cmの土中
(I.大阪有機化学工業(株)柏原工場敷地内およびI
I.柏原市内の畑地)にシート(2cm×5cm)を埋
めて3カ月間経過したのちのその外観を目視にて観察
し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0047】(評価基準) A:もとの形状が完全に失われている。 B:もとの形状がほとんど失われている。 C:もとの形状がかなり変化している。 D:もとの形状がやや変化している。 E:形状がまったく変化していない。
【0048】なお、本発明においては、C評価以上であ
るばあいを生分解性試験に合格であるものとする。
【0049】(ロ)機械的強度 JIS K 6732の方法に準拠し、気温25℃、相
対湿度80%の高湿度条件下で引張強さ(kgf/cm
2 )および伸び率(%)を調べた。なお、引張強さは次
式により算出した。
【0050】引張強さ(kgf/cm2 )=引張切断荷
重(kgf)/[シートの厚さ(cm)×シートの幅
(1(cm))] (ハ)耐水性 室温で、水道水、3%食塩水および20%食塩水中にシ
ート(2cm×5cm)を24時間浸漬したのち、その
外観を目視にて観察し、またその強度を指で押圧してそ
の状態を調べ、各々以下の評価基準に基づいて評価し
た。
【0051】(外観の評価基準) A:形状が変化していない。 B:ほんのわずかに膨潤している。 C:少し膨潤している。 D:かなり膨潤している。 E:膨潤してもとの形状が失われている。
【0052】(強度の評価基準) A:変化していない。 B:強く押圧するとわずかに窪む。 C:強く押圧すると窪む。 D:少し押圧しただけで窪む。 E:少し押圧しただけで崩壊に近い状態となる。
【0053】実施例2 実施例1において、ポリビニルアルコール15部を水4
5部に加熱溶解させ、グルテン80部を70部に、グリ
セリン12部を15部に変更したほかは実施例1と同様
にして樹脂組成物および厚さ5mmの板状の成形体を
え、厚さ400μmのシートを作製した。
【0054】えられたシートの物性を実施例1と同様に
して調べた。その結果を表1に示す。
【0055】実施例3 実施例1で用いられたものと同じポリビニルアルコール
42部を水125部に80℃で加熱溶解させた溶液に、
実施例1で用いられたものと同じ粉末状のグルテン42
部およびグリセリン8部を添加し、50℃でミキサーを
用いて充分に混合したのち、水274部を添加し、充分
に撹拌して均一な粘稠分散液である樹脂組成物をえた。
【0056】えられた樹脂組成物を約20mmHgに減
圧して脱泡したのち、ガラス板の表面に流延し、80℃
で3分間熱処理を施して厚さ約30μmの半透明のフィ
ルムを作製した。
【0057】えられたフィルムの物性を実施例1のシー
トの物性と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0058】なお、参考までに前記樹脂組成物(5g)
についても前記フィルムと同様にして生分解性を調べた
ところ、かかる樹脂組成物はほとんどなくなっており
(B評価)、生分解性にすぐれていることが確認され
た。
【0059】実施例4 実施例3において、ポリビニルアルコール57部を水1
70部に加熱溶解させ、グルテン42部を29部に、グ
リセリン8部を14部に、水274部を230部に変更
したほかは実施例3と同様にして樹脂組成物をえ、厚さ
約30μmの半透明のフィルムを作製した。
【0060】えられたフィルムの物性を実施例3と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0061】実施例5 実施例3において、ポリビニルアルコール74部を水2
20部に加熱溶解させ、グルテン42部を7.5部に、
グリセリン8部を18.5部に、水274部を180部
に変更したほかは実施例3と同様にして樹脂組成物を
え、厚さ約30μmの半透明のフィルムを作製した。
【0062】えられたフィルムの物性を実施例3と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0063】実施例6 実施例3において、グリセリン8部をポリエチレングリ
コール(平均分子量:約200)8部に変更したほかは
実施例3と同様にして樹脂組成物をえ、厚さ約30μm
の半透明のフィルムを作製した。
【0064】えられたフィルムの物性を実施例3と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0065】実施例7 可塑剤を用いなかった例として、実施例3におけるグリ
セリン8部を水8部に変更したほかは実施例3と同様に
して樹脂組成物をえ、厚さ約60μmの半透明のフィル
ムを作製した。
【0066】えられたフィルムの物性を実施例3と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0067】比較例1 実施例1で用いられたものと同じ粉末状のグルテン10
0部にグリセリン20部および水20部を添加し、50
℃でミキサーを用いて充分に混合して樹脂組成物をえ
た。
【0068】えられた樹脂組成物を40℃に設定したロ
ールを用いて混練し、厚さ5mmの板状の成形体をえ
た。かかる成形体の含水量は約20重量%であった。
【0069】この板状の成形体をさらに室温(25℃)
でロールを用いて圧延し、加湿下、95℃で5分間熱処
理を施して厚さ約400μmのシートを作製した。かか
るシートの含水量は約10重量%であった。
【0070】えられたシートの物性を実施例1と同様に
して調べた。その結果を表1に示す。
【0071】比較例2 実施例3において、グルテン42部をばれいしょデンプ
ン42部に変更したほかは実施例3と同様にして樹脂組
成物をえ、厚さ約60μmの半透明のフィルムを作製し
た。
【0072】えられたフィルムの物性を実施例3と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0073】なお、えられた樹脂組成物(5g)につい
ても前記フィルムと同様にして生分解性を調べたとこ
ろ、かかる樹脂組成物の変色や変性が認められるものの
いまだ原形をとどめており(D評価)、生分解性に劣る
ものであった。
【0074】また、厚さ約30μmのポリエチレンフィ
ルムおよび厚さ約60μmのポリビニルアルコールフィ
ルムについても実施例3と同様にして生分解性を調べた
ところ、どちらのフィルムも形状がまったく変化してお
らず(E評価)、これらのフィルムは生分解性に劣るも
のであった。
【0075】
【表1】
【0076】表1に示された結果から、実施例1〜7で
えられたシートおよびフィルムは、土中での生分解性に
すぐれ、水道水および種々の濃度の食塩水中で短時間で
の耐水性を有し、高湿度条件下であっても引張強さが大
きく、またグルテン、ポリビニルアルコールなどの配合
量をかえることによって、また可塑剤の添加によって硬
いものから柔かいものまで広範囲の伸び率を有するもの
をうることができることがわかる。
【0077】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂組成物は、生分解
性にすぐれ、該樹脂組成物を用いて形成された成形体
は、すぐれた生分解性、耐湿性および高機械的強度を有
するとともに、ある程度の耐水性を有しながら徐々に崩
壊しうるものであるので、各種容器、包装材料などとし
て用いたのち、埋め立てに供するなどして廃棄したばあ
いであっても、自然環境に悪影響を与えることなく容易
に分解されうるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 同前 孝志 兵庫県宍粟郡山崎町千本屋215 長田産業 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルテンおよびポリビニルアルコールを
    含有してなり、グルテンとポリビニルアルコールとの重
    量比が1/99〜99/1である生分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 含水させてなる請求項1記載の生分解性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 可塑剤を含有してなる請求項1または2
    記載の生分解性樹脂組成物。
JP34817992A 1992-12-28 1992-12-28 生分解性樹脂組成物 Pending JPH06200108A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34817992A JPH06200108A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 生分解性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34817992A JPH06200108A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 生分解性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06200108A true JPH06200108A (ja) 1994-07-19

Family

ID=18395280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34817992A Pending JPH06200108A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 生分解性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06200108A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000061660A1 (en) * 1999-04-08 2000-10-19 Sedos, S.R.O. Polymeric water-soluble biodegradable material and method for its preparation
KR100670014B1 (ko) * 2005-04-25 2007-01-16 동양제철화학 주식회사 수압전사용 폴리비닐 알콜 복합수지 조성물
JP2008184614A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 E I Du Pont De Nemours & Co ポリオールを含むポリ(ビニルアルコール)組成物
JP2010249204A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Nsk Ltd 生分解性樹脂製機械部品及び転がり軸受
JP2012097136A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Nsk Ltd 生分解性樹脂製機械部品及びその製造方法、並びに転がり軸受
WO2013073210A1 (ja) * 2011-11-17 2013-05-23 学校法人関西医科大学 前立腺肥大モデルおよび前立腺手術シミュレーター
CN108340564A (zh) * 2018-01-29 2018-07-31 常州纺织服装职业技术学院 一种水溶性聚乙烯醇薄膜的热定型与回潮装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000061660A1 (en) * 1999-04-08 2000-10-19 Sedos, S.R.O. Polymeric water-soluble biodegradable material and method for its preparation
GB2351497A (en) * 1999-04-08 2001-01-03 Sedos S R O Polymeric water-soluble biodegradable material and method for its preparation
GB2351497B (en) * 1999-04-08 2003-09-10 Sedos S R O Polymeric water-soluble biodegradable material
KR100670014B1 (ko) * 2005-04-25 2007-01-16 동양제철화학 주식회사 수압전사용 폴리비닐 알콜 복합수지 조성물
JP2008184614A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 E I Du Pont De Nemours & Co ポリオールを含むポリ(ビニルアルコール)組成物
JP2010249204A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Nsk Ltd 生分解性樹脂製機械部品及び転がり軸受
JP2012097136A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Nsk Ltd 生分解性樹脂製機械部品及びその製造方法、並びに転がり軸受
WO2013073210A1 (ja) * 2011-11-17 2013-05-23 学校法人関西医科大学 前立腺肥大モデルおよび前立腺手術シミュレーター
CN108340564A (zh) * 2018-01-29 2018-07-31 常州纺织服装职业技术学院 一种水溶性聚乙烯醇薄膜的热定型与回潮装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU723458B2 (en) Biodegradable polyester and natural polymer compositions and films therefrom
US5852114A (en) Biodegradable thermoplastic polymer blend compositions with accelerated biodegradation
CA2020405C (en) Polymer base blend compositions containing destructurized starch
JP3923094B2 (ja) 溶融加工可能な生物分解性組成物およびその製品
EP0404723B1 (en) Polymer base blend compositions containing destructurized starch
EP0409788B1 (en) Polymer base blend compositions containing destructurized starch
EP0404727B1 (en) Polymer base blend compositions containing destructurized starch
JP4782284B2 (ja) 生分解性ポリマー
JPH07258488A (ja) デンプン基組成物
JPH0370752A (ja) 変性澱粉を含有する、ポリマーをベースとするブレンド組成物
JP2003073539A (ja) 高強度生分解性樹脂組成物及び成形品
JPH0374444A (ja) 変性澱粉を含有する、ポリマーをベースとするブレンド組成物
JP2009144034A (ja) 生分解性フィルム又はシート並びにその製造方法及び生分解性フィルム又はシート用の組成物
JPH06200108A (ja) 生分解性樹脂組成物
JP4646355B2 (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法
JP2740824B2 (ja) エステル化澱粉を含む高分子組成物
JP3078478B2 (ja) 生分解性成形品用組成物および生分解性成形品の製造方法
JP2002371153A (ja) 生分解性発泡成形体及びその製造法
JPH07113028A (ja) アイオノマー組成物及びその製法
JP2000290515A (ja) 生分解性樹脂組成物
JP2001064458A (ja) 生化学的崩壊性を有するポリプロピレン組成物とその製造方法
AU5491099A (en) Method of making biodegradable polymer compositions
JP2010106051A (ja) 生分解性を有する澱粉組成物
JP2797434B2 (ja) 通気性脱臭又は芳香フィルム
JPH08283458A (ja) 生分解性組成物