JPH06200103A - 塩化ビニル・ポリウレタン複合体及びこれに用いられる塩化ビニル系樹脂粉末組成物 - Google Patents

塩化ビニル・ポリウレタン複合体及びこれに用いられる塩化ビニル系樹脂粉末組成物

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JPH06200103A
JPH06200103A JP36142992A JP36142992A JPH06200103A JP H06200103 A JPH06200103 A JP H06200103A JP 36142992 A JP36142992 A JP 36142992A JP 36142992 A JP36142992 A JP 36142992A JP H06200103 A JPH06200103 A JP H06200103A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
based resin
parts
polyurethane
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JP36142992A
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English (en)
Inventor
Kazumitsu Kato
和光 加藤
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Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 取扱いに危険を伴わず且つ塩化ビニル系樹脂
層の劣化防止性及び縞模様発生防止性に優れる塩化ビニ
ル・ポリウレタン複合体及びそれに用いられる塩化ビニ
ル樹脂系組成物を提供する。 【構成】 本複合体は、塩化ビニル系樹脂100重量部
に、下記一般式(I)で表されるハイドロタルサイト類
化合物及びゼオライト類等の少なくとも一種0.05〜
20重量部、βジケトン化合物0.01〜10重量部、
可塑剤及び顔料をドライブレンドしてなる樹脂粉末組成
物から形成される塩化ビニル系樹脂層と、該樹脂層に積
層配置される発泡ポリウレタン基体層と、からなる。 Mg1−x−yZnAl(OH)・mHO (I) 〔0<x+y≦0.50、mは正の数を示す。Aは(C
2−1/2,(SO 2−1/2,F,Cl
,Br,At,OH若しくは(PO 3−
1/3

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂層の
劣化防止性と縞模様の発生防止性に優れた塩化ビニル・
ポリウレタン複合体及びこれに用いられる塩化ビニル系
樹脂粉末組成物に関する。本発明は、例えば、クラッシ
ュバッド、アームレスト、ヘッドレスト、コンソール、
メーターカバー、ドアトリム等の自動車内装材等に利用
される。
【0002】
【従来の技術】自動車用内装材等に用いられる塩化ビニ
ル樹脂系粉末組成物として、塩化ビニル系樹脂組成物に
過塩素酸塩及びハイドロタルサイト類化合物を含有させ
たものが知られている(特開昭62−2706451号
公報及び特開平4−50250号公報等)。また、上記
公報のうち前者のものでは、塩ビシートの裏面にウレタ
ンフォーム基材層を形成・積層させた塩化ビニル・ポリ
ウレタン複合材であって、この塩化ビニル層が上記粉末
組成物で形成されているものが開示されている。このポ
リウレタン(特に発泡ポリウレタン)は、通常、ポリオ
ール、水、発泡剤及び触媒等からなる第一成分とポリイ
ソシアネートを主成分とする第二成分とを混合、注入
し、発泡させて製造される。この触媒としてアミン系化
合物(例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミ
ン等)を使用するが、このアミン系化合物は、塩化ビニ
ル系樹脂組成物からなる表面層等と接触すると、塩化ビ
ニル系樹脂の劣化(変色を含む。)を促進させることが
多い。これを解決するために、上記粉末組成物には、安
定剤として、過塩素酸金属塩及び所定のハイドロタルサ
イト類化合物を配合して、劣化防止性の向上を図らんと
している。特に、この過塩素酸金属塩は、劣化防止性に
ついて著しい効果があり、現在では、この分野での使用
は必要不可欠のものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記過塩素酸
金属塩等は、火薬工事等に用いられ、消防法においても
第1類酸化性固体として規定される危険物であり、その
取扱には安全面への細心の注意が必要となる。尚、上記
後者の組成物は、この危険性を回避するための組成物で
あるが、従来の含塩素樹脂用粉末安定剤に比べ、爆発等
の危険性を低下させたものに過ぎず、危険性を完全に排
除したものではない。そして、上記前者の積層品の場合
では、塩化ビニル製表面層の表面に縞状の模様を形成
し、外観を著しく損なうことが多い。以上より、上記過
塩素酸金属塩等を用いず、且つ、塩化ビニル層と発泡ポ
リウレタン層とを積層して用いた場合でも、劣化防止性
及び縞模様発生防止性(以下、単に「縞模様防止性」と
いう。)の双方の性能に優れる塩化ビニル系樹脂組成物
若しくはこれを用いた複合体の出現が望まれるところで
ある。
【0004】本発明は、上記観点に鑑みなされたもので
あり、劣化防止性と縞模様防止性に優れ、且つ、取扱い
に危険を伴わない塩化ビニル樹脂系組成物、及びこれを
用いた塩化ビニル・ポリウレタン複合体を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、過塩素酸金
属塩等を含有せず、且つ劣化防止性及び縞模様防止性に
優れる塩化ビニル樹脂系粉末組成物について鋭意研究し
て、更に、塩化ビニル・ポリウレタン複合体において、
この塩化ビニル層表面に発生する縞模様の原因及びその
対策について研究して、本発明を完成するに至ったので
ある。即ち、本第1発明の塩化ビニル・ポリウレタン複
合体は、塩化ビニル系樹脂100重量部(以下、「部」
という。)に、上記一般式(I)で表されるハイドロタ
ルサイト類化合物、ゼオライト類及び上記一般式(I
I)で表される塩基性アルミニウムリチウム炭酸塩の少
なくとも一種0.05〜20部、βジケトン化合物0.
01〜10部、可塑剤及び顔料をドライブレンドしてな
る塩化ビニル系樹脂粉末組成物から形成される塩化ビニ
ル系樹脂層と、該塩化ビニル系樹脂層に積層配置される
ポリウレタン基体層と、からなることを特徴とする。
【0006】本第2発明の塩化ビニル系樹脂粉末組成物
は、上記第1発明の塩化ビニル・ポリウレタン複合体を
構成する塩化ビニル系樹脂層の形成に利用されるもので
あって、該塩化ビニル系樹脂粉末組成物から形成される
塩化ビニル系樹脂層がポリウレタン基体層に積層配置さ
れる場合、該塩化ビニル系樹脂層の表面に縞模様が発生
することを防止したことを特徴とする。
【0007】上記「塩化ビニル系樹脂」には、懸濁重合
法、塊状重合法及び乳化重合法でつくられる塩化ビニル
重合体、塩化ビニルと共重合し得るエチレン、プロピレ
ン、ビニルアセテート等との共重合体、エチレン及びビ
ニルアセテートの共重合体と塩化ビニルとのグラフト共
重合体、及びこれらの二種以上の重合体の混合物からな
るものが含まれるが、必ずしもこれに限定されるもので
はない。
【0008】上記「ハイドロタルサイト類化合物」は、
上記一般式(I)で表される炭酸複塩化物等であり、含
有するマグネシウム、亜鉛及びアルミニウムの比率は、
0<x+y≦0.50の範囲内で変化させることがで
き、また含まれる結晶水の量も加熱脱水の程度によって
任意に変化させることができる。また、この化合物の使
用量を上記の様に定めるのは、使用量が0.01部未満
では成形時の耐熱性が十分に得られず、20部を越える
と塩化ビニル系樹脂層の表面に、分散不良による白点が
発生し好ましくないからである。
【0009】上記「ゼオライト類」は、三次元ゼオライ
ト結晶構造を有するアルミノケイ酸塩であり、代表例と
しては、A型、X型、Y型及びP型ゼオライト、モルデ
ナイト、アナルサイト、ソーダライト族アルミノケイ酸
塩、クリノプチロライト、エリオナイト及びチャバサイ
ト等、並びにこれらのアルミノケイ酸塩の第Ia族金属
イオンの一部又は全部が第II族又は第IV族金属イオ
ンでイオン交換された金属置換型等を挙げることができ
る。また、これらのゼオライト類は、結晶水を有するも
のでも、この結晶水を除去した無水物であってもよい。
また、上記「塩基性アルミニウムリチウム炭酸塩」とし
ては、公知のものを目的等により種々選択使用すること
ができる。
【0010】上記「βジケトン化合物」としては、例え
ば、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタ
ン、デヒドロ酢酸等を挙げることができる。この化合物
の使用量を上記の様に定めるのは、使用量が0.01部
未満では良好な劣化防止性が得られず、5部を越えると
塩化ビニル系樹脂層表面へブリードする危険性があるか
らである。また、上記ハイドロタルサイト類化合物、ゼ
オライト類及びβジケトン化合物は、安定剤として使用
されるが、他の安定剤として、オレイン酸カルシウム、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、酸化バリウム、リン酸バリウム等を用い
ることもできる。
【0011】上記「可塑剤」としては、例えば、ジイソ
デシルフタレート、ジイソウンデシルフタレート、アル
キル基の炭素数が9〜11のジアルキルフタレート等の
フタル酸エステル類、トリオクチルトリメリテート、ト
リ2−エチルヘキシルトリメリテート、トリデシルトリ
メリテート、アルキル基の炭素数が7〜11のトリアル
キルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類等を
使用することができる。また、エポキシ系可塑剤、ポリ
エステル系可塑剤等を少量使うことも含まれるが、必ず
しもこれらに限定するものではない。
【0012】また、上記「樹脂粉末組成物」には、上記
成分の他に、必要に応じて、充填剤、各種助剤、フェノ
ール系又はチオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミ
ン系又はホスファイト類化合物、他のジケトン化合物、
サルチル酸エステル系、ベンゾフェノン系若しくはベン
ゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、エポキシ化大豆
油、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの合成で
つくられるエポキシ化合物等を添加することもできる。
【0013】更に、上記「ポリウレタン基体層」は、通
常、発泡層(体)を用いるが、これに限らず、未発泡層
(体)であってもよい。そして、このポリウレタンの製
造に用いられるポリオール、触媒、発泡剤、ポリイソシ
アネート等としては、通常のポリウレタン(特にフォー
ム)の製造に用いられる公知のものを、使用することが
できる。このポリウレタン基体層は、通常、塩化ビニル
系樹脂層と一体的に成形されるが、これに限るものでは
ない。また、この基体層の厚さは、特に限定されるもの
ではない。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (1)粉末組成物の調製 先ず、内容積20リットルのスーパーミキサーに、懸濁
重合法で製造されたストレート塩化ビニル樹脂(商品
名;「PK700」、信越化学工業社製、平均重合度;
700)を2kg仕込み、同樹脂を一定の回転速度(6
0rpm)で攪拌した。そして、加熱用スチームにより
加熱して上記樹脂の温度が80℃になった所で、所定量
のトリメリット酸エステル(TOTM、商品名;「N
o.8」、花王石鹸社製)、ライトブラウン(商品名、
大日精化社製)及びエポキシ化大豆油(商品名;「O−
180P」、旭電化社製)と、表1(実施例)及び表2
(比較例)に示す各安定剤を所定量添加してドライブレ
ンドを行った。そして、このドライブレンド品の温度が
122℃に達したとき、加熱用スチームの供給を停止
し、更に、水冷に切替えて50℃以下の温度に冷却させ
た後、更に微粒の塩化ビニル樹脂(商品名;「GR−8
00S」、信越化学工業(株)製)200gを均一に分
散させ、粉体流動性の良い各粉末組成物(実施例1〜9
及び比較例1〜6)を得た。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】但し、上記各種添加剤(表1に示す安定剤
も含む。)の添加割合(重量)は、上記ストレート塩化
ビニル樹脂と微粒の塩化ビニル樹脂との合計量(以下、
「塩化ビニル樹脂量」という。)を100部とした場合
の値であり、上記トリメリット酸エステルが50部、ラ
イトブラウンが3部、エポキシ化大豆油が10部であ
る。尚、同表中のハイドロタルサイト類化合物として
は、Mg3 ZnAl2 ( OH)12・CO3 ・mH2 Oを
用いた。また、同表中の過塩素置換型ハイドロタルサイ
トは、上記ハイドロタルサイト類化合物のCO3 を(C
lO4)2 2- に置換したものである。更に、同表中のゼオ
ライト類化合物としては、モンモリロナイトを用いた。
また、同表中の過塩素置換型ゼオライトとしては、モン
モリロナイトに過塩素酸をモンモリロナイトに対して
5.0%吸着させたものを用いた。
【0018】(2)性能試験及びその評価 上記粉末組成物を用い、以下の様な試験片を作成すると
共に、変色(劣化)防止性及び縞模様防止性に関する性
能試験及び評価を行った。 .性能試験 a.変色防止性 先ず、上記実施例1〜9及び比較例1〜9の各粉末組成
物を用いて粉末成形法により、一方の面にシボ面を有す
る各塩ビシート(800mm×800mm×0.8m
m)を作成した。そして、そのシボ面が下(シボ模様の
形成されていない裏面が上)になる様に各塩ビシート
を、成形型のアルミニウム製支持枠(800mm×80
0mm×10mm)内に、それぞれ配置した。
【0019】その後、ポリオール(グリセリンのプロピ
レンオキシド及びエチレンオキシド付加物を主体とする
もの)に、水、トリエタノールアミン、トリエチレンジ
アミンを添加したポリオール混合物100部に対して、
ポリメリックMD(NCO含有率;80.5%)を50
部の割合で添加し、合計重量が158gとなったもの
を、高速の攪拌機で10秒間混合した。次いで、これを
上記アルミニウム支持枠内に注入し、型締、発泡を行う
と共に、上記各シートの裏面に定着させて、各実施例及
び比較例のウレタン貼合シートサンプルを作成した。
【0020】更に、これらの各シートサンプルを矩形状
(70mm×150mm×10mm)に裁断し、各試験
片を各実施例及び比較例毎にそれぞれ4枚ずつ作成し
た。その後、上記各試験片を、110℃雰囲気のギャー
オープン式加熱炉に入れ、100時間毎に試験片を1枚
ずつ(各実施例及び比較例毎に1枚ずつ)取り出しなが
ら、400時間が経過する迄、変色性試験(耐熱性及び
耐光性)を実施した。この試験の結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】尚、同表中の評価は、グレースケール等級
判定基準又は変退色判定基準により行われ、「5級」は
「全く変化が認められない。」、「4級」は「僅かに変
化が認められるが目立たない。」、「3級」は「変化が
僅かではあるが明らかに認められる。」、「2級」は
「変化がやや著しい。」、「1級」は「変化がかなり著
しい。」、をそれぞれ示す。また、同表中の「GO」は
「ギャーオープン」を、「SWOM」は「サンシャイン
ウェザーメーター」をそれぞれ示す。但し、上記塩ビシ
ートのみを同条件下で試験した所、全く変色は認められ
ず、評価は5級を示した。
【0023】b.縞模様防止性 上記変色防止性の試験に用いた試験片と同じ試験片を、
ポリウレタンクッション材〔BSエバーライト(ブリヂ
ストン社製)により製造されたもの〕に挟んで40℃の
下、400時間放置した後、各試験片の表面状態を肉眼
にて観察することにより行った。この結果も表3に併記
する。尚、同表中の評価は、「無し」は「縞が発生しな
い。」、「有り」は「縞が発生した。」をそれぞれ示
す。但し、上記塩ビシートのみを同条件下で試験した
所、全く縞が発生しなかった。また、この縞模様を構成
する原因物質を調べるために、縞模様部分(その表面及
びその部分の水抽出物)の赤外線吸光分光(IR)測定
をした所、過塩素酸アミン塩と同定できた。従って、こ
の縞模様には、ポリウレタンからアミン化合物が塩化ビ
ニル層側に移行して生じるものと考えられる。
【0024】性能評価 以上の結果によれば、過塩素酸塩を含有する粉末組成物
を用いた比較例1〜6の試験片では、良好な劣化防止性
を示したものの、いずれも試験片の表面に縞が発生し、
美観の悪さを示した。尚、これらの試験片の作成に際し
ては、過塩素酸金属塩が危険物であることを考慮し、安
全面への細心の注意が必要であった。一方、過塩素酸塩
を含有しない粉末組成物を用いた比較例7〜9の試験片
では、縞の発生は無かったものの、劣化防止性の悪さを
示した。
【0025】これらに対して、実施例1〜9の全てにつ
いては、全く過塩素酸塩を用いないので、樹脂粉末組成
物の取扱いが極めて安全である。また、ハイドロタルサ
イト類化合物とβジケトンを含有する粉末組成物を用い
た実施例1〜6の試験片では、劣化防止性、縞模様防止
性ともに良好な結果を示した。更に、βジケトンとゼオ
ライトを含有する粉末組成物を用いた実施例7、8の試
験片では、実施例1〜6とほぼ同等の性能を示した。ま
た、ハイドロタルサイト類化合物とβアミノクロトン酸
エステルとを含有する粉末組成物を用いた実施例9の試
験片では、約200時間経過すると着色してくる傾向に
あるが、初期変色には十分に優れた抵抗性を示した。
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに
限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変
更した実施例とすることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル・ポリウレタン複合
体では、その表面層が劣化防止性と縞模様防止性の双方
に優れる塩化ビニル系樹脂組成物により構成されている
ため、その劣化(変色を含む。)も縞模様の発生もなく
(若しくは極めて少なく)、そのため優れた美観を長く
維持することができる。また、この複合体又は樹脂粉末
組成物の製造工程では、爆発の危険を伴う過塩素酸塩を
全く使用しないため、大変安全である。また、本発明の
塩化ビニル系樹脂粉末組成物を用いれば、上記の如く有
用な塩化ビニル・ポリウレタン複合体を製造できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】自動車用内装材等に用いられる塩化ビニ
ル樹脂系粉末組成物として、塩化ビニル系樹脂組成物に
過塩素酸塩及びハイドロタルサイト類化合物を含有させ
たものが知られている(特開昭62−270645号公
及び特開平4−50250号公報等)。また、上記公
報のうち前者のものでは、塩ビシートの裏面にウレタン
フォーム基材層を形成・積層させた塩化ビニル・ポリウ
レタン複合材であって、この塩化ビニル層が上記粉末組
成物で形成されているものが開示されている。このポリ
ウレタン(特に発泡ポリウレタン)は、通常、ポリオー
ル、水、発泡剤及び触媒等からなる第一成分とポリイソ
シアネートを主成分とする第二成分とを混合、注入し、
発泡させて製造される。この触媒としてアミン系化合物
(例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン
等)を使用するが、このアミン系化合物は、塩化ビニル
系樹脂組成物からなる表面層等と接触すると、塩化ビニ
ル系樹脂の劣化(変色を含む。)を促進させることが多
い。これを解決するために、上記粉末組成物には、安定
剤として、過塩素酸金属塩及び所定のハイドロタルサイ
ト類化合物を配合して、劣化防止性の向上を図らんとし
ている。特に、この過塩素酸金属塩は、劣化防止性につ
いて著しい効果があり、現在では、この分野での使用は
必要不可欠のものとなっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】但し、上記各種添加剤(表1に示す安定剤
も含む。)の添加割合(重量)は、上記ストレート塩化
ビニル樹脂と微粒の塩化ビニル樹脂との合計量(以下、
「塩化ビニル樹脂量」という。)を100部とした場合
の値であり、上記トリメリット酸エステルが50部、ラ
イトブラウンが3部、エポキシ化大豆油が10部であ
る。尚、同表中のハイドロタルサイト類化合物として
は、MgZnAl(OH)12・CO・mH
を用いた。また、同表中の過塩素置換型ハイドロタルサ
イトは、上記ハイドロタルサイト類化合物のCO 2−
を(ClO 2−に置換したものである。更に、同
表中のゼオライト類化合物としては、モンモリロナイト
を用いた。また、同表中の過塩素置換型ゼオライトとし
ては、モンモリロナイトに過塩素酸をモンモリロナイト
に対して5.0%吸着させたものを用いた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】b.縞模様防止性 上記変色防止性の試験に用いた試験片と同じ試験片を、
下記組成からなるA液及びB液を反応させて得られた、
密度0.05g/cmポリウレタンクッション材に
挟んで40℃の下、400時間放置した後、各試験片の
表面状態を肉眼にて観察することにより行った。この結
果も表3に併記する。 組成 A液; 「サンニックスFA−709」(三洋化成社製) 45重量部 「サンニックスFA−311−50」(三洋化成社製)30重量部 「サンニックスFA−733」(三洋化成社製) 25重量部 「DABCO 33LV」 0.3重量部 水 3.0重量部 整泡剤「5309」(日本ユニカー社製) 1.0重量部 B液; 「コロネート 1021」(日本ポリウレタン社製) 42重量部 尚、同表中の評価は、「無し」は「縞が発生しな
い。」、「有り」は「縞が発生した。」をそれぞれ示
す。但し、上記塩ビシートのみを同条件下で試験した
所、全く縞が発生しなかった。また、この縞模様を構成
する原因物質を調べるために、縞模様部分(その表面及
びその部分の水抽出物)の赤外線吸光分光(IR)測定
をした所、過塩素酸アミン塩と同定できた。従って、こ
の縞模様には、ポリウレタンからアミン化合物が塩化ビ
ニル層側に移行して生じるものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 75/04 NGG 8620−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に、下記
    一般式(I)で表されるハイドロタルサイト類化合物、
    ゼオライト類及び下記一般式(II)で表される塩基性
    アルミニウムリチウム炭酸塩の少なくとも一種0.05
    〜20重量部、βジケトン化合物0.01〜10重量
    部、可塑剤及び顔料をドライブレンドしてなる塩化ビニ
    ル系樹脂粉末組成物から形成される塩化ビニル系樹脂層
    と、該塩化ビニル系樹脂層に積層配置されるポリウレタ
    ン基体層と、からなることを特徴とする塩化ビニル・ポ
    リウレタン複合体。 Mg1-x-y Zny Alx ( OH)2 ・AX/2 ・mH2 O (I) 〔0<x+y≦0.50、mは正の数を示す。Aは(C
    3 2- 1/2 ,(SO4 2-1/2 ,F- ,Cl- ,Br
    - ,At- ,OH- 若しくは(PO4 3-1/3 〕 LiAlx (OH)1+3x-2y (CO3 y ・nH2 O (II) 〔0<x<100、n≧0〕
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂100重量部に、下記
    一般式(I)で表されるハイドロタルサイト類化合物、
    ゼオライト類及び下記一般式(II)で表される塩基性
    アルミニウムリチウム炭酸塩の少なくとも一種0.05
    〜20重量部、βジケトン化合物0.01〜10重量
    部、可塑剤及び顔料をドライブレンドされてなる塩化ビ
    ニル系樹脂粉末組成物であって、該塩化ビニル系樹脂粉
    末組成物から形成される塩化ビニル系樹脂層がポリウレ
    タン基体層に積層配置される場合、該塩化ビニル系樹脂
    層表面に縞模様が発生することを防止したことを特徴と
    する塩化ビニル系樹脂粉末組成物。 Mg1-x-y Zny Alx ( OH)2 ・AX/2 ・mH2 O (I) 〔0<x+y≦0.50、mは正の数を示す。Aは(C
    3 2- 1/2 ,(SO4 2-1/2 ,F- ,Cl- ,Br
    - ,At- ,OH- 若しくは(PO4 3-1/3 〕 LiAlx (OH)1+3x-2y (CO3 y ・nH2 O (II) 〔0<x<100、n≧0〕
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