JPH06199966A - フマル酸エステル共重合体 - Google Patents

フマル酸エステル共重合体

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JPH06199966A
JPH06199966A JP29096092A JP29096092A JPH06199966A JP H06199966 A JPH06199966 A JP H06199966A JP 29096092 A JP29096092 A JP 29096092A JP 29096092 A JP29096092 A JP 29096092A JP H06199966 A JPH06199966 A JP H06199966A
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fumarate
copolymer
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acid ester
ester copolymer
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JP29096092A
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Satoshi Asano
聡 浅野
Takeaki Fujii
剛章 藤井
Sadakatsu Suzuki
貞勝 鈴木
Hiroshi Ueno
廣 上野
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含水素系ハロゲン化炭化水素系の代替フロン
冷媒、特に非塩素系ハロゲン化炭化水素冷媒を使用する
冷凍機用の潤滑油に適したフマル酸エステル共重合体を
提供する。 【構成】 次式(化1): 【化1】 で示される構造単位を5〜45モル%および次式(化
2): 【化2】 で示される構造単位を95〜55モル%含み、重合度が
800〜3000であることを特徴とするフマル酸エス
テル共重合体。 【効果】 代替フロン冷媒R134aと相溶する温度範囲が
広く、粘度指数が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフマル酸エステ
ル共重合体に関し、さらに詳しくは、含水素系ハロゲン
化炭化水素冷媒等の代替フロン冷媒を使用する冷凍機用
の潤滑油成分として有用な新規なフマル酸エステル共重
合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルの冷房機、冷蔵庫、エアコン
等の冷凍機に用いられる冷媒として、R11(CCl
3 F)、R12(CCl2 2 )等のフロン系冷媒が使用
されてきた。しかし、炭化水素の全ての水素を塩素を含
むハロゲンで置換した形のこれらのフロンは、成層圏の
オゾン層破壊につながるため、世界的に規制の対象とな
っている。そこで、オゾン層を破壊する恐れのない代替
フロン系冷媒として例えば、R22(CHClF2 )、R
123 (CF3 CHCl2 )R141b、(CCl2 FC
3 )、R134a(CF3 CH2 F)、R152a(CHF2
CH3 )等の含水素系ハロゲン化炭化水素冷媒が開発さ
れている。中でも特に、非塩素系ハロゲン化炭化水素、
例えばR134a(CF3 CH2 F)、R152a(CHF2
3 )等が有力視されている。
【0003】これらの代替フロン冷媒に対しては、従来
使用されていた鉱油、エステル油等の潤滑油はほとんど
相溶性がなく、使用できない。また、ポリアルキレング
リコール系、ポリオールポリエステル系の潤滑油が開発
されたが、いずれも高粘度品に関しては代替フロンとの
相溶性が低く、またポリアルキレングリコール系潤滑油
では吸湿性が高いため、発錆等の問題も生じている。
【0004】本発明者らは先に、フマル酸エステル共重
合体は代替フロンと相溶化する温度範囲が広く、かつ粘
度指数も高いことを見出した(特願平3-344484号)。こ
のように、フマル酸エステル共重合体は代替フロン冷媒
を使用した冷凍機用潤滑油の成分として有用であるの
で、さらに新規なフマル酸エステル共重合体の出現が望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、含水
素系ハロゲン化炭化水素系の代替フロン冷媒、特に非塩
素系ハロゲン化炭化水素冷媒を使用する冷凍機に適した
潤滑油の成分として有用な新規なフマル酸エステル共重
合体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次式(化
3):
【0007】
【化3】 で示される構造単位を5〜45モル%および次式(化
4):
【0008】
【化4】 で示される構造単位を95〜55モル%含み、分子量が
800〜3000であることを特徴とする新規なフマル
酸エステル共重合体を提供するものである。
【0009】本発明のフマル酸エステル共重合体は上記
(化3)で示されるフマル酸ジエチルから誘導される構
造単位および(化4)で示されるフマル酸ジブチルから
誘導される構造単位を有する。(化4)におけるC4
9 部分の構造は、n−ブチル、sec-ブチル、tert- ブチ
ル、イソブチル等すべての構造異性体を包含する。構造
単位(化3)の割合は、5〜45モル%、好ましくは6
〜39モル%であり、構造単位(化4)の割合は、95
〜55モル%、好ましくは94〜61モル%である。共
重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等任意
の共重合体であることができる。
【0010】本発明のフマル酸エステル共重合体は、例
えば次のようにして製造することができる。まず、原料
であるフマル酸ジエチルおよびフマル酸ジブチルを、そ
れぞれの割合が上記の各構造単位の比率になるように配
合する。ここで、フマル酸エステルの重合はマレイン酸
エステルの異性化の後に起こることが知られている(Act
a Polymerica 39(1988) No. 1, 5-8)ので、マレイン酸
ジエチルおよびマレイン酸ジブチルを原料として使用す
ることもできる。次に、原料物質を、重合開始剤の存在
下で重合させる。マレイン酸ジエチルおよびマレイン酸
ジブチルから出発する場合にはさらに異性化触媒(例え
ばモルホリン、ピペリジン等)を共存させる。重合反応
の詳細は上記文献に記載された方法に従うことができ
る。
【0011】重合反応に使用される重合開始剤としては
公知のものが使用できる。アゾニトリル化合物、たとえ
ば2,2'- アゾビスイソブチロニトリル、1-1'- アゾビス
シクロヘキサンカルボニトリル、2,2'- アゾビス(4-メ
トキシ-2,4- ジメチルバレロニトリル)、2,2'- アゾビ
ス(2,4-ジメチルバレロニトリル)など;アゾアミジン
化合物、たとえば2,2'- アゾビス(2-メチル-N- フェニ
ルプロピオンアミジン、2,2'- アゾビス(2- メチルプロ
ピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'- アゾビス[2-(2- イ
ミダゾリン-2- イル)プロパン]二塩酸塩など;アゾア
ミド化合物、たとえば2,2'- アゾビス(イソブチルアミ
ド)二塩酸塩、2,2'- アゾビス{2-メチル-N- [1,1-ビ
ス(ヒドロキシメチル)-2- ヒドロキシエチル]プロピ
オンアミド}など;アルキルアゾ化合物、たとえばアゾ
ジ-tert-オクタン、アゾジ-tert-ブタン、ジメチル2,2'
- アゾビスイソブチレートなどが挙げられる。また有機
過酸化物も好ましく用いられ、ケトンパーオキサイド、
たとえばメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘ
キサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパー
オキサイドなど;パーオキシケタール、たとえば1,1-ビ
ス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキ
サン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタンなど;ハイ
ドロパーオキサイド、たとえばt-ブチルハイドロパーオ
キサイド、ジ- イソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイドなど;ジアルキルパーオキサイド、たとえばジ-t
- ブチルパーオキサイド、ジ- クミルパーオキサイド、
t-ブチルクミルパーオキサイドなど;ジアシルパーオキ
サイド、たとえばアセチルパーオキサイド、イソブチリ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなど;パ
ーオキシジカーボネート、たとえばジ- イソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジ-n- プロピルジカーボネ
ート、ジ- メトキシイソプロピル パーオキシジカーボ
ネートなど;パーオキシエステル、たとえばt-ブチルパ
ーオキシ アセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレ
ート、クミルパーオキシネオデカネート、t-ブチルパー
オキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノ
エートなどが挙げられる。しかし、これらに限定されな
い。好ましい開始剤は、2,2'- アゾビスイソブチロニト
リル、1,1'- アゾビス(シクロヘキサン-1- カーボニト
リル)、及びジ-t- ブチルパーオキサイドである。
【0012】重合開始剤は原料に対して少くとも1/1
00のモル比で使用するのが好ましく、より好ましくは
少なくとも3/100のモル比である。この総量が、あ
まり多くても特に有利な効果はなく、一般に2/10の
モル比以下である。
【0013】また、収率を向上させるためには、開始剤
を重合反応系に一度に加えるのではなく、回分的又は連
続的に加えるのが好ましい。また重合温度は、好ましく
は50〜180℃、特に80〜160℃である。開始剤
の総てを加えてから、更にこの温度に保って還流攪拌を
続けることが好ましい。開始剤の添加開始から重合反応
の停止まで、好ましくは6〜72時間、特に10〜30
時間かける。
【0014】出発エステルがマレイン酸ジエチルおよび
マレイン酸ジブチルである場合、開始剤を加えたのみで
は重合反応はほとんど進行せず、異性化触媒を加える
と、重合反応は進行する。このこと自体は、従来知られ
ている。異性化触媒を加えると、マレイン酸エステルが
フマル酸エステルへとまず異性化し、これが重合すると
考えられている。異性化触媒は、出発エステルに対して
1/27〜1/2700のモル比で重合反応系に加え、
これ以外は上記フマル酸エステルの重合の場合と同様に
行うことができる。異性化触媒として、公知のモルホリ
ン、ピペリジン、ジプロピルアミン、プロピルアミン、
好ましくはモルホリンを用いることができる。
【0015】重合反応系には溶媒を更に含めてもよく、
溶媒量は、出発エステル濃度を10重量%以上とする量
が好ましい。溶媒としては、一般にラジカル重合に用い
られるものや他には例えば、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、p-キシレン、
o-キシレン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン
などを用いることができる。
【0016】本発明のフマル酸エステル共重合体は、そ
の粘度指数は好ましくは100〜200である。
【0017】本発明のフマル酸エステル共重合体は、常
温で液体であり、かつ安定であるので、冷凍機用の潤滑
油の成分として適している。特に含水素系ハロゲン化炭
化水素系の代替フロン冷媒、とりわけ非塩素系ハロゲン
化炭化水素冷媒を使用する冷凍機用の潤滑油の成分とし
て使用するのに適している。この潤滑油においては、本
発明のフマル酸エステル共重合体を1種類を使用しても
よく、また構造、分子量等が異なる共重合体を2種以上
を混合して使用することもできる。例えば、上記した分
子量範囲の本発明のフマル酸エステル共重合体を主と
し、さらに分子量が3000〜10000のフマル酸エ
ステル重合体を少量添加してもよい。
【0018】本発明のフマル酸エステル共重合体を含有
する潤滑油にはさらに、他の構造を有するフマル酸エス
テル重合体、例えば特願平3-344484に開示された、次式
(化5):
【0019】
【化5】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立して、炭素数1
〜9の直鎖状または分枝状のアルキル基、アリル基また
は末端置換されていてもよいポリアルキレンオキシド基
であり、R3 はアルキレン基、置換アルキレン基または
アルキレンオキシド基であり、mは0以上、nは1以上
の整数であって、R3 は全体の50モル%以下である)
で示されるフマル酸エステル重合体を添加することもで
きる。
【0020】また、上記潤滑油には、その動粘性率、粘
度指数を各種の冷凍機用として調整することを目的とし
てさらに、例えば有機カルボン酸エステル、ポリアルキ
レングリコール、アルキルベンゼン、鉱油等の従来使用
されてきた冷凍機用潤滑油成分を所望の割合で混合して
使用することができる。特に好ましいものは、100℃
における動粘性率範囲が2〜30 cstのものであるその
ような有機カルボン酸エステルとしては、脂肪族多価ア
ルコールと直鎖状または分枝状の脂肪酸とのポリエステ
ル類およびこれらの部分エステル類;脂肪族多価アルコ
ールと直鎖状または分枝状の脂肪酸との部分エステル類
と、直鎖状または分枝状の脂肪族二塩基酸および/また
は芳香族多塩基酸とのコンプレックスエステル類;直鎖
状または分枝状の脂肪族二塩基酸のジアルキルエステル
類;芳香族二塩基酸のジアルキルエステル類;1価もし
くは多価アルコールのアルキレンオキシド付加物と脂肪
酸との有機カルボン酸エステル類;等が挙げられる。
【0021】またポリアルキレングリコールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のアルキレングリコールの単独重合体、またアルキレン
オキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド等の共重合体等が挙げられ、末端基はメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等で置換されていてもよ
い。平均分子量は通常500〜1800、好ましくは8
00〜1600であり、500未満であると冷媒との高
温での相溶性は高いが、動粘性率は低くなり、さらに熱
安定性も低下する傾向にある。また、1800を超える
と動粘性率は高いが、冷媒との相溶性が低下する傾向に
ある。
【0022】上記の潤滑油には、各種冷凍機に要求され
る所望の動粘性率および粘度指数を得ることを目的とし
て粘度指数向上剤を添加してもよい。そのような粘度指
数向上剤としては慣用のものが使用でき、例えばポリオ
レフィン(例えばポリブテン、ポリα‐オレフィン、エ
チレン・α‐オレフィン共重合体等、水添化物を含
む)、ポリメタクリレート(例えばメタクリレート、ア
クリレートの単独重合体やアクリル酸、メタクリル酸を
成分として含む共重合体等)、ポリイソブチレン、ポリ
アルキルスチレン、エチレン‐プロピレン共重合体、ス
チレン‐ジエン共重合体、スチレン‐無水マレイン酸エ
ステル共重合体等が挙げられる。これら粘度指数向上剤
の配合量は、基油に対して通常0.1〜20重量%、好
ましくは1〜10重量%である。
【0023】冷凍機用の潤滑油は通常、(100℃にお
ける)動粘性率範囲が2〜100 cst、好ましくは2〜
80 cstのものが使用される。2 cst未満であると高温
での冷媒との相溶性は高いが動粘性率が低くなって潤滑
性、シール特性が低下してしまい、さらに熱安定性も低
くなる傾向にある。また100 cstを超えると冷媒との
相溶性が低下する傾向にある。しかし、この範囲内であ
っても、使用機種によってはその使用動粘性率範囲が相
違する。例えば冷蔵庫用では、2〜9 cst、好ましくは
3〜7 cstである。カーエアコン用では、7〜40 cst
である。またカーエアコン用のなかでもレシプロタイプ
のコンプレッサーにおいては7〜15 cst、好ましくは
8〜11 cstであり、ロータリータイプのコンプレッサ
ーにおいては15〜40 cst、好ましくは20〜35 c
stである。冷蔵庫では9 cstを超えると摺動部における
摩擦損失が大となる問題がある。また、レシプロタイプ
のカーエアコンでは7 cst未満であると潤滑性が低下す
るという問題があり、15cstを超えると摺動部におけ
る摩擦損失が大となる問題があり、ロータリータイプの
カーエアコンでは15 cst未満であるとシール特性が低
下するという問題がある。
【0024】冷凍機用の潤滑油には、通常使用される各
種添加剤を使用できる。例えば摩耗防止剤、酸化防止
剤、腐食防止剤、消泡剤、金属不活性化剤、防錆剤等が
挙げられる。
【0025】本発明のフマル酸エステル共重合体を含有
する潤滑油は、例えばビルや家庭用の冷房機、冷蔵庫、
冷凍庫、カーエアコン等の広い分野の冷凍システムに使
用される冷凍機における潤滑油として好ましく使用でき
る。
【0026】以下の実施例により、本発明をさらに詳し
く説明する。
【0027】
【実施例】実施例1 200mlの1口フラスコに、フマル酸ジn-ブチル29
4ミリモル(67.1g、67.8ml)およびフマル
酸ジエチル196ミリモル(33.8g、32.2m
l)を入れ(モル比6:4)、冷却管を取り付けた後、
これをオイルバスにセットした。マグネチックスターラ
ーで撹拌しながら温度を60℃に保持し、2,2'- アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)20ミリモル(3.
8g)およびテトラヒドロフラン30mlを加え、この
温度で72時間加熱撹拌を続けた。その後、減圧下で軽
質分を留去し、重合物91.6gを得た。収率91%。
ここで、収率は、減圧蒸留によって重合反応系から軽質
分を除去し、残留物の重量の出発エステルモノマーの総
重量に対する割合として求めた。
【0028】得られた重合物を 1H- NMR および13C-
NMR によって分析した。その結果を図1および2に示
す。なお、 1H- NMR および13C- NMR は次の条件で測
定した。
【0029】 1H- NMR 測定装置:JEOL EX−400 400MHz(日
本電子株式会社製) 測定溶媒:CDCl3 /TMS 30℃ 13C- NMR 測定装置:JEOL EX−400 100MHz(日
本電子株式会社製) 測定溶媒:CDCl3 /TMS 30℃ 図2の13C- NMR の結果より、フマル酸ジブチルの−O
CH2 −に相当するピーク(64ppm )のエリア比6
7.300、およびフマル酸ジエチルの−O−CH2
に相当するピーク(61ppm )のエリア比42.644
であること、ならびに蒸気圧測定法(VPO)により測
定した数平均分子量(Mn)が930であったことか
ら、上記重合物は、次式(化6):
【0030】
【化6】 で示される繰り返し単位を39モル%および次式(化
7):
【0031】
【化7】 で示される繰り返し単位を61モル%有する、重合度が
7.86の、フマル酸ジエチルとフマル酸ジnブチルと
のランダム共重合体であることがわかった。
【0032】次に、上記重合物の動粘性率を測定し、粘
度指数を求めた。また、相溶性の試験も行った。結果を
表1に示す。
【0033】なお、動粘性率はJIS K 2283に
したがって測定した。また、相溶性試験は次のようにし
て行った。すなわち、ガラス管に試料油と冷媒(1,1,1,
2-テトラフルオロエタン、R134a)を、試料油が全体の
15体積%となる割合で合計2mlになるように採取し
て混合し、このガラス管を冷却装置を有する恒温槽に入
れ、低温での試料油と冷媒の分離温度を測定した。次
に、別のガラス管に試料油と冷媒を、試料油が全体の1
0体積%となる割合で合計2mlになるように採取して
混合し、このガラス管を加熱装置を有する恒温槽に入
れ、高温での試料油と冷媒の分離温度を測定した。実施例2 フマル酸ジn-ブチルおよびフマル酸ジエチルの量をそれ
ぞれ402ミリモル(91.8g、92.7ml)およ
び45ミリモル(7.7g、7.3ml)とした(モル
比9:1)以外は実施例1と同様にして重合反応を行っ
た。かくして重合物89.6gを得た。収率90%。
【0034】得られた重合物について、実施例1と同一
条件にて 1H- NMR および13C- NMR による分析を行っ
た。結果を図3および4に示す。
【0035】図4の13C- NMR の結果より、フマル酸ジ
ブチルの−O−CH2 −に相当するピーク(64ppm )
のエリア比99.338およびフマル酸ジエチルの−O
CH2 −に相当するピーク(61ppm )のエリア比
6.630であること、ならびに蒸気圧測定法(VP
O)により測定した数平均分子量(Mn)が1000で
あったことから、上記重合物は、次式(化8):
【0036】
【化8】 で示される繰り返し単位を6モル%および次式(化
9):
【0037】
【化9】 で示される繰り返し単位を94モル%有する、重合度が
6.79の、フマル酸ジエチルとフマル酸ジnブチルと
のランダム共重合体であることがわかった。
【0038】次に、実施例1と同様にして上記重合物の
動粘性率を測定し、粘度指数を求めた。また、相溶性の
試験も行った。結果を表1に示す。比較例1 200mlの1口フラスコに、フマル酸ジエチル610
ミリモル(105g、100ml)を入れ、冷却管を取
り付けた後、これをオイルバスにセットした。マグネチ
ックスターラーで撹拌しながら温度を80℃に保持し、
2,2'- アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)70ミ
リモル(11.5g)およびメチルエチルケトン100
mlを加え、この温度で24時間加熱撹拌を続けた。そ
の後、減圧下で軽質分を留去し、重合物97.8gを得
た。収率93%。
【0039】得られた重合物について、実施例1と同一
条件にて 1H- NMR および13C- NMR による分析を行っ
た。結果を図5および6に示す。これらの結果から、こ
の重合物は、フマル酸ジエチルの単独重合体であること
を確認した。
【0040】次に、実施例1と同様にして、動粘性率を
測定し、粘度指数を求めた。また、相溶性の試験も行っ
た。結果を表1に示す。比較例2 200mlの1口フラスコに、フマル酸ジn-ブチル43
4ミリモル(99g、100ml)を入れ、冷却管を取
り付けた後、これをオイルバスにセットした。マグネチ
ックスターラーで撹拌しながら温度を60℃に保持し、
2,2'- アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)40ミ
リモル(6.57g)およびテトラヒドロフラン40m
lを加え、この温度で72時間加熱撹拌を続けた。その
後、減圧下で軽質分を留去し、重合物99.9gを得
た。収率100%。
【0041】得られた重合物について、実施例1と同一
条件にて 1H- NMR および13C- NMR による分析を行っ
た。結果を図7および8に示す。これらの結果から、こ
の重合物は、フマル酸ジn-ブチルの単独重合体であるこ
とを確認した。
【0042】次に、実施例1と同様にして、数平均分子
量(Mn)を求めたところ840であった。さらに動粘
性率を測定し、粘度指数を求めた。また、相溶性の試験
も行った。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のフマル酸エステル共重合体は、
含水素系ハロゲン化炭化水素のような代替フロン系冷
媒、特にR134aと相溶する温度範囲が広く、粘度指数が
高い。よってこのような代替フロン系冷媒を使用した冷
凍機用の潤滑油の成分として、工業的に非常に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で製造した本発明のフマル酸
エステル共重合体の 1H- NMRによる分析の結果を表す
チャートである。
【図2】図2は、実施例1で製造した本発明のフマル酸
エステル共重合体の13C- NMRによる分析の結果を表す
チャートである。
【図3】図3は、実施例2で製造した本発明のフマル酸
エステル共重合体の 1H- NMRによる分析の結果を表す
チャートである。
【図4】図4は、実施例2で製造した本発明のフマル酸
エステル共重合体の13C- NMRによる分析の結果を表す
チャートである。
【図5】図5は、比較例1で製造したフマル酸ジエチル
重合体の 1H- NMR による分析の結果を表すチャートで
ある。
【図6】図6は、比較例1で製造したフマル酸ジエチル
重合体の13C- NMR による分析の結果を表すチャートで
ある。
【図7】図7は、比較例2で製造したフマル酸ジエチル
重合体の 1H- NMR による分析の結果を表すチャートで
ある。
【図8】図8は、比較例2で製造したフマル酸ジエチル
重合体の13C- NMR による分析の結果を表すチャートで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(化1): 【化1】 で示される構造単位を5〜45モル%および次式(化
    2): 【化2】 ことを特徴とするフマル酸エステル共重合体。
JP29096092A 1991-12-26 1992-10-06 フマル酸エステル共重合体 Pending JPH06199966A (ja)

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EP93900440A EP0586705B1 (en) 1991-12-26 1992-12-25 Lubricating oil for refrigerator
DE69229859T DE69229859T2 (de) 1991-12-26 1992-12-25 Schmieröl für kühlschrank
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0769820A1 (en) 1995-10-20 1997-04-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Gas and liquid tight sealing structure of the metallic terminal of a enclosed type secondary cell
JP2014109002A (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 Tosoh Corp フマル酸ジエステル系樹脂及びそれを用いた位相差フィルム
JP2014129472A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Tosoh Corp フマル酸ジエステル系樹脂及びそれを用いた位相差フィルム

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JP2014109002A (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 Tosoh Corp フマル酸ジエステル系樹脂及びそれを用いた位相差フィルム
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