JP2001262169A - アンモニア冷媒用冷凍機油 - Google Patents

アンモニア冷媒用冷凍機油

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JP2001262169A
JP2001262169A JP2000074512A JP2000074512A JP2001262169A JP 2001262169 A JP2001262169 A JP 2001262169A JP 2000074512 A JP2000074512 A JP 2000074512A JP 2000074512 A JP2000074512 A JP 2000074512A JP 2001262169 A JP2001262169 A JP 2001262169A
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mol
refrigerating machine
machine oil
hfc
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JP2000074512A
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Tomomasa Osumi
智正 大隅
Katsuya Takigawa
克也 瀧川
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Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンモニア冷媒と共に用いた場合に、潤滑
性、冷媒相溶性、低温流動性、安定性などの要求性能全
てをバランスよく満足する冷凍機油を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 [式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表
し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは数
平均分子量が500以上5000以下となるような整数
を表し、前記R2で表されるアルキレン基においてエチ
レン基の占める割合が0を越え80モル%以下であり、
末端水酸基と隣接するR2がエチレン基である分子の全
体に対する割合が20モル%以下である]で表されるポ
リアルキレングリコールモノエーテルを含有することを
特徴とする、アンモニア冷媒用冷凍機油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍機油に関し、詳
しくはアンモニア冷媒用冷凍機用として有用な冷凍機油
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のオゾン層破壊の問題から、従来よ
り冷凍機器の冷媒として使用されてきたCFC(クロロ
フルオロカーボン)およびHCFC(ハイドロクロロフ
ルオロカーボン)が規制の対象となり、これらに代わっ
てHFC(ハイドロフルオロカーボン)が冷媒として使
用されつつある。しかしながら、このようなHFC冷媒
においても、地球温暖化能が高いなどの問題がある。そ
こで、これらのフロン系冷媒に代わる代替冷媒としてア
ンモニアなどの自然系冷媒の使用が検討されている。
【0003】従来より、アンモニアは主に産業用冷凍機
の冷媒として使用されており、アンモニア冷媒用冷凍油
としては鉱油系の油が使用されてきた。しかしながら、
アンモニアは鉱油系の油とは相溶しないため、このよう
な冷凍機油を使用すると、圧縮機から吐出された油が冷
媒と共に冷凍サイクルを循環する際に再び圧縮機へ戻り
にくくなり、その結果圧縮機の潤滑不良や熱交換の効率
低下を来す傾向があった。そのため、アンモニアに対し
て相溶性を有する冷凍機油の開発が進められている。
【0004】アンモニアと相溶する冷凍機油としては、
特開平5−009483号公報に開示されているような
ポリアルキレングリコール(PAG)化合物の使用が検
討されている。しかしながら、特開平5−009483
号公報に開示されている従来の冷凍機油をアンモニア冷
媒と共に用いた場合には、冷凍サイクル中に水や酸素が
混入した場合の安定性が劣るという問題があった。
【0005】このように、潤滑性、冷媒相溶性、低温流
動性、安定性などの要求性能全てをバランスよく十分に
満足する冷凍機油は未だ開発されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、アンモニ
ア冷媒と共に用いた場合に、潤滑性、冷媒相溶性、低温
流動性、安定性などの要求性能全てをバランスよく十分
に満足する冷凍機油を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来は安定性に問
題があるとされてきたポリアルキレングリコール(PA
G)モノエーテルのうち特定のものを基油として用いる
ことにより、十分な安定性を有すると共に、潤滑性、冷
媒相溶性などその他の性能をもバランスよく十分に満足
する冷凍機油が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記一般式(1):
【化2】 [式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表
し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは数
平均分子量が500以上5000以下となるような整数
を表し、前記R2で表されるアルキレン基においてエチ
レン基の占める割合(以下、αという)が0を越え80
モル%以下であり、末端水酸基と隣接するR 2がエチレ
ン基である分子の全体に対する割合(以下、βという)
が20モル%以下である]で表されるポリアルキレング
リコールモノエーテルを含有することを特徴とする、ア
ンモニア冷媒用冷凍機油である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0010】本発明の冷凍機油は、下記一般式(1):
【化3】 で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルを含
有するものである。ここで、R1は炭素数1〜10のア
ルキル基を表す。前記R1は直鎖状のものであっても分
枝状のものであっても良く、具体的にはメチル基、エチ
ル基、直鎖状または分枝状のプロピル基、直鎖状または
分枝状のブチル基、直鎖状または分枝状のペンチル基、
直鎖状または分枝状のヘキシル基、直鎖状または分枝状
のヘプチル基、直鎖状または分枝状のオクチル基、直鎖
状または分枝状のノニル基、直鎖状または分枝状のデシ
ル基などが挙げられる。これらのアルキル基の中でも、
相溶性、低温流動性の点からメチル基、エチル基、直鎖
状または分枝状のプロピル基、直鎖状または分枝状のブ
チル基がより好ましく、メチル基またはエチル基がさら
に好ましく、メチル基が最も好ましい。また、潤滑性の
点から炭素数6〜10の直鎖状または分枝状のアルキル
基が好ましく、炭素数8〜10の直鎖状または分枝状の
アルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素数が10
を越えると、冷凍機油の相溶性や低温流動性が不十分と
なる傾向にある。
【0011】また、前記式(1)中、R2は炭素数2〜
4のアルキレン基を表す。このようなアルキレン基とし
ては、具体的には例えば、エチレン基(−CH2CH
2−)、プロピレン基(−CH(CH3)CH2−)、ト
リメチレン基(−CH2CH2CH 2−)、ブチレン基
(−CH(CH2CH3)CH2−)、テトラメチレン基
(−CH2CH2CH2CH2−)などが挙げられる。これ
らのアルキレン基の中でも、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、テトラメチレン基がより好ましい。
【0012】さらに、前記式(1)において、nは式
(1)で表されるポリアルキレングリコールの数平均分
子量が500以上5000以下となるような整数を表
す。ここで、前記数平均分子量は600以上3000以
下であることが好ましく、600以上1500以下であ
ることがより好ましい。数平均分子量が前記上限値未満
であると圧縮機の密閉性が不十分となる傾向にあり、前
記上限値を越えると冷凍機油の相溶性が不十分となる傾
向にある。また、前記ポリアルキレングリコールモノエ
ーテルにおいては、重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.00以上1.2
0以下であることが好ましい。Mw/Mnが1.20を
越えると、アンモニアと冷凍機油との相溶性が不十分と
なる傾向にある。
【0013】さらにまた、前記式(1)で表されるポリ
アルキレングリコールモノエーテルにおいては、前記R
2で表されるアルキレン基においてエチレン基の占める
割合(α)が0を越え80モル%以下であり、好ましく
は5モル%以上60モル%以下であり、より好ましくは
5モル%以上50モル%以下であり、さらにより好まし
くは5モル%以上40モル%以下である。αの値が0で
あると、アンモニアとの相溶性が低下する。また、αの
値が80モル%を越える場合には冷凍機油が常温で固体
となるか、またはその流動点が高くなる。
【0014】上述のように、本発明にかかるポリアルキ
レングリコールモノエーテルにおいて、分子中のポリオ
キシアルキレン鎖[−(OR2)n−]は、オキシエチ
レン基(R2がエチレン基である−OR2−基)と、オキ
シエチレン基以外のオキシアルキレン基と、から構成さ
れる。ここで、前記ポリオキシアルキレン鎖はオキシエ
チレン基とオキシプロピレン基とで構成されることが好
ましい。このようなポリオキシアルキレングリコールモ
ノエーテルは、アンモニアとの相溶性に優れる傾向にあ
る。さらにこの場合、エチレン基の比率、すなわち、下
記式: γ[モル%]=(エチレン基の数/エチレン基の数とプ
ロピレン基の数との和)×100 で表されるγが0を超え80モル%以下であることが好
ましく、5モル%以上60モル%以下であることがより
好ましく、5モル%以上50モル%以下であることがさ
らに好ましく、5モル%以上40モル%以下であること
がさらにより好ましい。γが0であるとアンモニアとの
相溶性が低下する傾向にある。また、γが80モル%を
越える場合にはこれを用いた冷凍機油が常温で固体とな
るか、またはその流動点が高くなる傾向にある。
【0015】また、前記式(1)で表される化合物にお
いては、末端水酸基と隣接するR2がエチレン基である
分子の全体に対する割合(β[モル%])が20モル%
以下であり、10モル%以下であることが好ましく、5
モル%以下であることがより好ましい。βが20モル%
を越えると、ポリアルキレングリコールモノエーテルが
酸化を受けやすくなり、その結果、冷凍機油において十
分な酸化安定性が得られない。
【0016】本発明にかかるポリアルキレングリコール
モノエーテルは、従来より公知の方法を用いて合成する
ことができる(「アルキレンオキシド重合体」、柴田満
太他、海文堂、平成2年11月20日発行)。具体的に
は例えば、アルコール(R1OH)にエチレンオキサイ
ドと、エチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド
1種以上とを付加重合させることによって、式(1)の
ポリアルキレングリコールモノエーテルが得られる。こ
こで、前記ポリアルキレングリコールモノエーテルはラ
ンダム共重合体、ブロック共重合体の何れであっても良
いが、より酸化安定性に優れる傾向にあることから、ブ
ロック共重合体であることが好ましい。さらに、前記ポ
リアルキレングリコールがブロック共重合体である場合
には、R 1に隣接してエチレンオキサイドが重合し、続
いてエチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド1
種以上が重合したブロック共重合体がより好ましく、R
1に隣接してエチレンオキサイドが重合し、続いてプロ
ピレンオキサイドが重合したブロック共重合体が最も好
ましい。
【0017】なお、上記の構造を有するポリアルキレン
グリコールモノエーテルの流動点は−10℃以下である
ことが好ましく、−20〜−50℃であることがより好
ましい。流動点が−10℃以上のポリアルキレングリコ
ールモノエーテルを用いると、低温時に冷凍サイクル内
で冷凍機油が固化しやすくなる傾向にある。
【0018】また、前記ポリアルキレングリコールモノ
エーテルの動粘度は、40℃における動粘度が10mm
2/s以上200mm2/s以下であることが好ましく、
20mm2/s以上150mm2/s以下であることがよ
り好ましい。40℃における動粘度が10mm2/s未
満であると潤滑性や圧縮機の密閉性が低下するという傾
向にあり、また、200mm2/sを越えるとアンモニ
アとの相溶性が低下するという傾向にある。また、前記
ポリアルキレングリコールモノエーテルの100℃にお
ける動粘度は3mm2/s以上30mm2/s以下である
ことが好ましく、5mm2/s以上25mm2/s以下で
あることがより好ましい。100℃における動粘度が3
mm2/s未満であると潤滑性や圧縮機の密閉性が低下
するという傾向にあり、また、30mm2/sを越える
とアンモニアとの相溶性が低下するという傾向にある。
【0019】冷凍システム内においては、系内に混入す
る水分量を極力少なくする必要があり、この点で本発明
の冷凍機油の含有水分量は500ppm以下であること
が好ましく、200ppm以下であることがより好まし
く、100ppm以下であることがさらに好ましい。一
般に、ポリグリコール系油は高い吸湿性を有するが、、
本発明にかかるポリオキシアルキレングリコールモノエ
ーテルのように、末端がモノエーテル(末端の一方がエ
ーテル基、他方が水酸基)の方がジエーテル(両末端と
もエーテル基)に比べ吸湿性が高い。このため、系内に
冷凍機油を導入する際にはその含有水分量に細心の注意
を払うことが好ましい。しかしその一方で、アンモニア
の吸湿性はHFCなどのフロン系冷媒に比べて高く、冷
媒導入時に系内に水分が混入しやすい傾向にある。この
とき、より吸湿性の高いポリアルキレングリコールモノ
エーテルが共存すると、混入した水分はポリアルキレン
グリコールモノエーテルの分子内に捕捉されて遊離しな
いので、冷媒や配管の劣化および氷結などの弊害を防止
する効果が得られる。
【0020】なお、本発明の冷凍機油における前記ポリ
アルキレングリコールモノエーテルの含有量に特に制限
はないが、前記ポリアルキレングリコールモノエーテル
を冷凍機油全量基準で50質量%以上含有することが好
ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、
80質量%以上含有することがさらにより好ましく、9
0質量%以上含有することが最も好ましい。前記ポリア
ルキレングリコールの含有量が50質量%以上である
と、冷凍機油の潤滑性、冷媒相溶性、熱・化学安定性、
電気絶縁性などの各種性能がより向上する傾向にある。
【0021】また、本発明の冷凍機油においては、上記
したポリアルキレングリコールモノエーテルに加えて、
鉱油、オレフィン重合体、ナフタレン化合物、アルキル
ベンゼンなどの炭化水素系基油;エステル、ケトン、ポ
リフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パ
ーフルオロエーテル、ポリビニルエーテル、本発明にか
かるポリアルキレングリコールモノエーテル以外のポリ
グリコール、などの酸素を含有する合成油、を併用して
用いても良い。酸素を含有する合成油としては、上記の
中でもポリビニルエーテル、本発明にかかるポリアルキ
レングリコールモノエーテル以外のポリグリコールが好
ましく用いられる。
【0022】このように、本発明の冷凍機油は、上記の
ポリプロピレングリコールモノエーテル並びに必要に応
じて炭化水素系油および/または酸素を含有する合成油
を含有するものであり、主にこれらを基油として用い
る。本発明の冷凍機油は、添加剤が未添加であっても好
適に使用することができるが、必要に応じて後述する各
種添加剤を配合して使用することもできる。
【0023】先ず、本発明の冷凍機油においては、アミ
ン系酸化防止剤および/またはフェノール系酸化防止剤
を配合して好適に使用することができる。アミン系酸化
防止剤としては、具体的には例えば、ジフェニルアミ
ン、ジアルキルジフェニルアミン(アルキル基の炭素数
は1〜18)、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキ
ルフェニル−α−ナフチルアミン(アルキル基の炭素数
は1〜18)、フェノチアジン、N−アルキルフェノチ
アジン(アルキル基の炭素数は1〜18)などが挙げら
れる。また、フェノール系酸化防止剤としては、具体的
には例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール等のアルキルフェノール類、プロピオン酸
などの有機酸とアルキルフェノール類とのエステル、メ
チレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェノール)などのビスフェノール類などが挙げら
れる。
【0024】また、本発明の冷凍機油においては、ベン
ゾトリアゾール系腐食防止剤、チアジアゾール系腐食防
止剤、ベンゾチアゾール系腐食防止剤などの腐食防止剤
を配合して好適に使用することができる。これらの腐食
防止剤を配合すると、冷凍機油の安定性がより向上する
傾向にある。
【0025】ここでいうベンゾトリアゾール系腐食防止
剤としては、下記の一般式(2):
【化4】 [式(2)中、R3は炭素数1〜4の直鎖状または分枝
状のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)
を表し、aは0〜3(好ましくは0〜2)の数を表す]
で表される(アルキル)ベンゾトリアゾール化合物が挙
げられる。
【0026】また、下記一般式(3):
【化5】 [式(3)中、R4は炭素数1〜4の直鎖状または分枝
状のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)
を表し、R5はメチレン基またはエチレン基を表し、R6
およびR7は同一でも異なっていてもよく、水素原子、
または炭素数1〜18の直鎖状または分枝状のアルキル
基(好ましくは炭素数1〜12の直鎖状または分枝状の
アルキル基)を表し、bは0〜3(好ましくは0または
1)の数を表す]で表される(アルキル)アミノアルキ
ルベンゾトリアゾール化合物を用いることもできる。
【0027】さらに、チアジアゾール系腐食防止剤とし
ては、具体的には例えば、下記一般式(4):
【化6】 [式(4)中、R8は、炭素数1〜30(好ましくは6〜
24)の直鎖状または分枝状のアルキル基を表し、R9
は水素原子、または炭素数1〜30の直鎖状または分枝
状のアルキル基(好ましくは水素原子、または炭素数1
〜24の直鎖状または分枝状のアルキル基)を表し、c
およびdは同一でも異なっていてもよく、それぞれ1〜
3(好ましくは1または2)の数を表す]で表される化合
物が挙げられる。
【0028】さらにまた、ベンゾチアゾール系腐食防止
剤としては、下記一般式(5):
【化7】 [式(5)中、R10は炭素数1〜4の直鎖状または分枝
状のアルキル基(好ましくはメチル基またはエチル基)
を表し、R11は炭素数1〜30(好ましくは6〜24)
の直鎖状または分枝状のアルキル基を表し、eは0〜3
(好ましくは0または1)の数を表し、fは1〜3(好
ましくは1または2)の数を表す]で表される化合物が
挙げられる。
【0029】さらに、本発明の冷凍機油において、その
性能をさらに高めるため、必要に応じて、従来より公知
の冷凍機油添加剤、例えば、ジチオリン酸亜鉛などの摩
耗防止剤;塩素化パラフィン、硫黄化合物などの極圧
剤;脂肪酸などの油性剤;シリコーン系などの消泡剤;
粘度指数向上剤;流動点降下剤;清浄分散剤、などの添
加剤を単独で、または数種類組み合わせて配合すること
も可能である。なお、これらの添加剤の合計配合量は特
に制限されないが、冷凍機油全量基準(基油と全配合添
加剤の合計量基準)で好ましくは10質量%以下、より
好ましくは5質量%以下である。
【0030】本発明の冷凍機油の動粘度は特に限定され
ないが、40℃における動粘度が10mm2/s以上2
00mm2/s以下であることが好ましく、20mm2
s以上150mm2/s以下であることがより好まし
い。40℃における動粘度が10mm2/s未満である
と潤滑性や圧縮機の密閉性が低下するという傾向にあ
り、また、200mm2/sを越えるとアンモニアとの
相溶性が低下するという傾向にある。また、前記冷凍機
油の100℃における動粘度は3mm2/s以上30m
2/s以下であることが好ましく、5mm2/s以上2
5mm2/s以下であることがより好ましい。100℃
における動粘度が3mm2/s未満であると潤滑性や圧
縮機の密閉性が低下するという傾向にあり、また、30
mm2/sを越えるとアンモニアとの相溶性が低下する
という傾向にある。
【0031】本発明の冷凍機油はアンモニア冷媒と共に
使用されるが、その他アンモニアとハイドロフルオロカ
ーボンおよび/または炭化水素の混合物を冷媒として用
いた場合にも、本発明の冷凍機油は好適に使用される。
【0032】ここで、前記ハイドロフルオロカーボン冷
媒としては、炭素数1〜3、好ましくは炭素数1〜2、
のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には
例えば、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフル
オロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン
(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロ
エタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリ
フルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフル
オロエタン(HFC−152a)などのHFC、または
これらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらの
冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例え
ばHFC−32単独;HFC−23単独;HFC−13
4a単独;HFC−125単独;HFC−134a/H
FC−32=60〜80質量%/40〜20質量%の混
合物;HFC−32/HFC−125=40〜70質量
%/60〜30質量%の混合物;HFC−125/HF
C−143a=40〜60質量%/60〜40質量%の
混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−1
25=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;
HFC−134a/HFC−32/HFC−125=4
0〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の
混合物;HFC−125/HFC−134a/HFC−
143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜
60質量%の混合物などが好ましい例として挙げられ
る。さらに具体的には、HFC−134a/HFC−3
2=70/30質量%の混合物;HFC−32/HFC
−125=60/40質量%の混合物;HFC−32/
HFC−125=50/50質量%の混合物(R410
A);HFC−32/HFC−125=45/55質量
%の混合物(R410B);HFC−125/HFC−
143a=50/50質量%の混合物(R507C);
HFC−32/HFC−125/HFC−134a=3
0/10/60質量%の混合物;HFC−32/HFC
−125/HFC−134a=23/25/52質量%
の混合物(R407C);HFC−32/HFC−12
5/HFC−134a=25/15/60質量%の混合
物(R407E);HFC−125/HFC−134a
/HFC−143a=44/4/52質量%の混合物
(R404A)などが挙げられる。
【0033】また、前記炭化水素冷媒としては、25
℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられる。具体的
には炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜4、のアルカ
ン、シクロアルカン、アルケンまたはこれらの混合物で
ある。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、
プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソ
ブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパンまたはこ
れらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらの中
でも、プロパン、ブタン、イソブタンまたはこれらの混
合物が好ましい。
【0034】なお、アンモニアとハイドロフルオロカー
ボンおよび/または炭化水素との混合比については特に
制限はないが、アンモニア100重量部に対してハイド
ロフルオロカーボンと炭化水素の合計量として好ましく
は1〜200重量部、より好ましくは10〜100重量
部を配合して用いられる。
【0035】本発明の冷凍機油は、通常、冷凍機中にお
いては上述したようなアンモニアを含有する冷媒と混合
された冷凍機用流体組成物として存在している。この組
成物における冷凍機油と冷媒との配合割合は特に制限さ
れないが、冷媒100重量部に対して冷凍機油が好まし
くは1〜500重量部、より好ましくは2〜400重量
部である。
【0036】本発明の冷凍機油は、潤滑性、冷媒相溶
性、低温流動性、安定性などの要求性能全てをバランス
よく十分に満足させるものであり、往復動式あるいは回
転式の開放型または密閉型圧縮機を有する冷凍機器など
に好適に使用することができる。前記冷凍機器として、
より具体的には、自動車用エアコン、除湿器、冷蔵庫、
冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラン
トなどの冷却装置などが挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明の
内容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に何ら限定されるものではない。
【0038】実施例1〜7、比較例1〜2 実施例1〜7、比較例1〜2において用いた試料油は以
下の通りである。 試料油1:C49−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体) [R2:エチレン基、R2’:プロピレン基、 α=50[モル%]、β<5[モル%]、γ=50[モ
ル%] 数平均分子量:600、Mw/Mn:1.1] 試料油2:CH3−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体) [R2:エチレン基、R2’:プロピレン基、 α=10[モル%]、β<5[モル%]、γ=10[モ
ル%] 数平均分子量:600、Mw/Mn:1.1] 試料油3:CH3−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体) [R2:エチレン基、R2’:プロピレン基、 α=10[モル%]、β<5[モル%]、γ=10[モ
ル%] 数平均分子量:1200、Mw/Mn:1.1] 試料油4:CH3−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体) [R2:エチレン基、R2’:プロピレン基、 α=20[モル%]、β<5[モル%]、γ=20[モ
ル%] 数平均分子量:1200、Mw/Mn:1.1] 試料油5:C49−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体) [R2:エチレン基、R2’:プロピレン基、 α=50[モル%]、β<5[モル%]、γ=50[モ
ル%] 数平均分子量:1200、Mw/Mn:1.1] 試料油6:CH3−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体) [R2:エチレン基、R2’:プロピレン基、 α=40[モル%]、β<5[モル%]、γ=40モル
% 数平均分子量:1800、Mw/Mn:1.1] 試料油7:CH3−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのラン
ダム共重合体にさらにプロピレンオキサイドをブロック
重合した共重合体) [R2:エチレン基、プロピレン基、R2’:プロピレン
基、 α=10[モル%]、β<5[モル%]、γ=10[モ
ル%] 数平均分子量:1200、Mw/Mn:1.1] 試料油8:CH3−(OR2n−OCH3 (プロピレンオキサイドの単独共重合体) [R2:プロピレン基、 α=0[モル%]、β=0[モル%]、γ=0[モル
%] 数平均分子量:1500、Mw/Mn:1.1] 試料油9:CH3−(OR2n−(OR2’)n'−OH (エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロ
ック共重合体) [R2:エチレン基、R2’:プロピレン基、 α:10[モル%]、β>95[モル%]、γ=10
[モル%] 数平均分子量:1200、Mw/Mn:1.1] 上記の試料油1〜9の新油性状(40℃および100℃
における動粘度、全酸価)を表1に示す。
【0039】次に、上記の各試料油について、以下に示
す試験を行った。
【0040】(冷媒との相溶性試験)JIS−K−22
11「冷凍機油」の「冷媒との相溶性試験方法」に準拠
して、アンモニア冷媒4gに対して各試料油を1g配合
し、冷媒と試料油が−50〜30℃の温度範囲において
相溶、分離または白濁しているかを観察し、相溶してい
る場合は上部臨界温度(冷媒と試料油が相互に溶解する
最低温度)を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0041】(冷媒雰囲気下での安定性試験)オートク
レーブ中に、各試料油50g、アンモニア5g、水0.
5gおよび触媒(1.6mmφ×50mmの鉄線、アルミニウ
ム線、銅線各3本)を封入した後、175℃に加熱して
2週間保持した。その後、試料油からアンモニアを除去
し、試料油の外観および触媒の外観を観察すると共に、
試料油の全酸価を測定した。得られた結果を表1に示
す。
【0042】(酸化安定性試験)50mlビーカー(底
面の半径:2cm)の中に各試料油30gを入れて70
℃で10日間放置した後、試料油の全酸価を測定した。
その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示した結果から明らかなように、本
発明の冷凍機油である実施例1〜7の試料油は、アンモ
ニア冷媒と共に用いた場合に、潤滑性、冷媒相溶性、安
定性の全ての性能が十分にバランスよく優れていた。
【0045】それに対して、本発明にかかるポリアルキ
レングリコールモノエーテル以外のポリアルキレングリ
コール化合物を使用した比較例1および2の試料油のい
ずれも、アンモニア冷媒と共に用いた場合に、潤滑性、
冷媒相溶性、低温流動性、安定性のうちのいずれかが劣
るものであった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷凍機油
においては、特定のポリアルキレングリコールモノエー
テルを含有することにより、潤滑性、冷媒相溶性、低温
流動性、安定性の全ての要求性能を十分にバランスよく
達成することが可能となる。従って、アンモニアの幅広
い冷凍機用冷媒としての適用に際し、その機能が十分発
揮される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:08 C10N 30:08 40:30 40:30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 [式(1)中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表
    し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、nは数
    平均分子量が500以上5000以下となるような整数
    を表し、前記R2で表されるアルキレン基においてエチ
    レン基の占める割合が0を越え80モル%以下であり、
    末端水酸基と隣接するR2がエチレン基である分子の全
    体に対する割合が20モル%以下である]で表されるポ
    リアルキレングリコールモノエーテルを含有することを
    特徴とする、アンモニア冷媒用冷凍機油。
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