JPH0619959U - ダイカスト用給湯装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶湯保持炉内の溶湯をダイカスト機の射出
スリーブへ一定量安定的に供給することが出来ると共
に、溶湯保持炉内の溶湯をダイカスト機の射出スリーブ
へ供給する間に溶湯温度が低下してしまうなどの惧れが
ないダイカスト用給湯装置の提供。 【構成】 溶湯保持炉１内の溶湯ｍを給湯管８を通し
てダイカスト機の射出スリーブ６へ供給するようにした
ダイカスト用給湯装置において、前記溶湯保持炉１を溶
湯保持室３と溶湯加圧室４とに仕切り、また前記溶湯加
圧室４と前記給湯管８との間に溶湯加熱室５を設け、更
に前記溶湯加熱室５内に湯面検知器17を設置し、該湯面
検知器17からの指令により前記溶湯加圧室４に加える圧
力を切るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はダイカスト用給湯装置に関し、更に詳しくは、溶湯保持炉内の溶湯を 給湯管を通してダイカスト機の射出スリーブへ供給するようにしたダイカスト用 給湯装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種ダイカスト用給湯装置では、溶湯保持炉内の溶湯をダイカスト機 の射出スリーブへ供給する間に溶湯温度が低下してしまったり、またその給湯量 が安定しい等の不具合があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこの様な従来の不具合に鑑みてなされたものであり、溶湯保持炉内の 溶湯をダイカスト機の射出スリーブへ一定量安定的に供給することが出来ると共 に、溶湯保持炉内の溶湯をダイカスト機の射出スリーブへ供給する間に溶湯温度 が低下してしまうなどの惧れがないダイカスト用給湯装置を提供せんとするもの である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

斯る目的を達成する本考案のダイカスト用給湯装置は、溶湯保持炉内の溶湯を 給湯管を通してダイカスト機の射出スリーブへ供給するようにしたダイカスト用 給湯装置において、前記溶湯保持炉を溶湯保持室と溶湯加圧室とに仕切り、また 前記溶湯加圧室と前記給湯管との間に溶湯加熱室を設け、更に前記溶湯加熱室内 に湯面検知器を設置し、該湯面検知器からの指令により前記溶湯加圧室に加える 圧力を切るようにした事を特徴としたものである。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明する。 図中１は溶湯保持炉であり、その内部を仕切壁２でもって左右に仕切り、溶湯 保持室３と溶湯加圧室４とを形成すると共に、溶湯加圧室４の上部位置に溶湯加 熱室５を一体的に形成してなる。

【０００６】 そして、溶湯加熱室５とダイカスト機（図示せず）の射出スリーブ６とに渡っ て、加熱ヒータ７を備えた給湯管８を連通接続せしめ、その給湯管８を通して溶 湯保持炉１内の溶湯ｍを射出スリーブ６へ供給し、射出スリーブ６に嵌挿せしめ たプランジャ９でもって射出スリーブ６内の溶湯をダイカスト機のキャビティ内 へ射出充填させるものである。

【０００７】 また、溶湯保持炉１内を仕切る仕切壁２は、その底部近くを略クランク形状に 屈曲形成し、水平部2aに溶湯保持室３と溶湯加圧室４とを連通させるための通孔 10を開口形成せしめ、通孔10を開閉用栓11でもって開閉自在ならしめる。 尚、開閉用栓11は溶湯保持室３上に設置したシリンダ12でもって上下開閉動作 させる。

【０００８】 溶湯保持室３は溶湯ｍを常時大量に保持して置くためのものであり、仕切壁２ に開口形成した通孔10を通して溶湯加圧室４と連通させる。

【０００９】 溶湯加圧室４は、溶湯保持室３から供給された溶湯ｍ’に圧力Ｐ₁ をかけてそ の溶湯ｍ’を溶湯加熱室５へ移送させるためのものであり、溶湯保持室３よりも 十分に小さい容積に形成し、その内部に溶湯加熱室５と連通させるためのストー ク13を設置すると共に、上部位置に空気や不活性ガスなどの圧力気体を送る送気 装置（図示せず）のパイプ14を接続させるための圧気供給口15を形成せしめる。

【００１０】 溶湯加熱室５は射出スリーブ６へ移送する溶湯ｍ”の温度低下を防ぐためのも のであり、その内部にヒータ16及び湯面検知器17を設置し、下部位置に給湯管８ との接続口18を開口形成すると共に、接続口18の周囲にヒータ19を設置する。 尚、図中20はカバーである。

【００１１】 また、この溶湯加熱室５の上部位置には、溶湯加圧室５内の圧気漏れを防ぐた めに、微小圧力を加える送気装置（図示せず）を接続したり或いはバルブ（図示 せず）を接続させるための接続口21を形成せしめる。この様にすれば、溶湯加熱 室５内の溶湯ｍ”を射出スリーブ６へより正確に定量供給できるようになる。

【００１２】 給湯管８は、溶湯加熱室５とダイカスト機の射出スリーブ６とに渡り連通状に 架設せしめ、溶湯加熱室５内に汲み上げた溶湯ｍ”が射出スリーブ６へ移送供給 される間に温度低下しないように、その外周に加熱ヒータ７を設備させる。

【００１３】 また、この給湯管８は、図２に詳細に示す如く、アスベスト管8aの内周面に二 硫化モリブデンや窒化ボロン，黒鉛，酸化チタン，炭酸カルシウムなどの耐火性 コーティング8bを施し、このアスベスト管8aの外周を断熱ペーパー8cで保護する と共に、更に断熱ペーパー8cの外周をステンレス材などの金属パイプ8dで補強し たものを使用する。 この様な給湯管８を使用することにより、従来のこの種給湯管と比較して断熱 性及び堅牢性が優るとも劣らない性能を有し、且つ安価に製造することが出来る と共に、設置作業性を向上させることが出来るようになる。

【００１４】 次に、溶湯保持炉１内の溶湯ｍをダイカスト機の射出スリーブ６へ供給する手 順を説明する。 先ず、シリンダ12で開閉用栓11を上げて溶湯保持室３と溶湯加圧室４とを隔て ている仕切壁２に形成した通孔10を開口せしめ、溶湯保持室３内の溶湯ｍを溶湯 加圧室４内へ送り込み、然る後、開閉用栓11を下げて通孔10を閉塞する。

【００１５】 次に、溶湯加圧室４内に送気装置のパイプ14から圧気供給口15を通して圧気を 送り込んで溶湯加圧室４内の溶湯ｍ’の湯面に所要の圧力Ｐ₁ をかけ、溶湯加圧 室４内の溶湯ｍ’をストーク13から溶湯加熱室５内へ移送させると共に、溶湯加 熱室５内の溶湯ｍ”を給湯管８を通してダイカスト機の射出スリーブ６へ移送さ せる。この時、溶湯加熱室５内に上記圧力Ｐ₁ よりも十分に小さい微小圧力Ｐ₂ をかけて、溶湯加熱室５内の圧気漏れを防ぐようにする。

【００１６】 ダイカスト機の射出スリーブ６内に所定量の溶湯が供給される、すなわち溶湯 加熱室５内に所定量の溶湯ｍ”が移送されると、溶湯加熱室５内の溶湯ｍ”の湯 面が湯面検知器17に接触し、すると湯面検知器17からの指令により、溶湯加圧室 ４内へ送り込まれていた圧気の供給が停止して溶湯加圧室４に加える圧力が切ら れ、溶湯加圧室４から溶湯加熱室５への溶湯の移送が停止する。

【００１７】 そして、溶湯加圧室４に加える圧力を切った数秒後に、或いは溶湯加圧室４に 加える圧力を切ると同時に溶湯加圧室４内を数秒間真空引きした後に、射出スリ ーブ６に嵌挿させたプランジャ９を動作させて、射出スリーブ６内の溶湯をダイ カスト機のキャビティ内へ射出充填させる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案のダイカスト用給湯装置は斯様に構成したので、特に請求項１記載のダ イカスト用給湯装置によれば、溶湯保持炉内の溶湯をダイカスト機の射出スリー ブへ一定量安定的に供給することが出来る。

【００１９】 しかも、請求項２記載のダイカスト用給湯装置によれば、溶湯保持炉内の溶湯 をダイカスト機の射出スリーブへ供給する間にその溶湯温度が低下してしまうな どの惧れが全くなくなる。

【００２０】 更に、請求項３記載のダイカスト用給湯装置によれば、溶湯加熱室内に所定量 以上の溶湯が供給されることがなくなるので、射出スリーブへ供給する溶湯量の 一層の定量安定化を図ることが出来ると共に、この溶湯加熱室内上部に設置した ヒータに溶湯が接触する心配がなくなり、従って、溶湯加熱室内を加熱するため のヒータとして高価な浸漬型ヒータを使用する必要がなくなると同時にその設置 が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施の一例を示す概略断面図。

【図２】 本考案に係る給湯管の断面図。

【符号の説明】

１：溶湯保持炉 ２：仕切壁 ３：溶湯保持室 ４：溶湯加圧室 ５：溶湯加熱室 ６：射出スリーブ ７：加熱ヒータ ８：給湯管 ９：プランジャ 10：通孔 11：開閉用栓 13：ストーク 16：ヒータ 17：湯面検知器

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶湯保持炉内の溶湯を給湯管を通して
   ダイカスト機の射出スリーブへ供給するようにしたダイ
   カスト用給湯装置において、前記溶湯保持炉を溶湯保持
   室と溶湯加圧室とに仕切った事を特徴とするダイカスト
   用給湯装置。
2. 【請求項２】 前記溶湯加圧室と前記給湯管との間に
   溶湯加熱室を設けた事を特徴とする請求項１記載のダイ
   カスト用給湯装置。
3. 【請求項３】 前記溶湯加熱室内に湯面検知器を設置
   し、該湯面検知器からの指令により前記溶湯加圧室に加
   える圧力を切るようにした事を特徴とする請求項２記載
   のダイカスト用給湯装置。