JP3057136U - 金属溶湯の汲み出し装置 - Google Patents

金属溶湯の汲み出し装置

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JP3057136U JP1998006689U JP668998U JP3057136U JP 3057136 U JP3057136 U JP 3057136U JP 1998006689 U JP1998006689 U JP 1998006689U JP 668998 U JP668998 U JP 668998U JP 3057136 U JP3057136 U JP 3057136U
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省三 南
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な構造でもって、溶湯汲み出しの操作性
に優れるとともに、汲み出し効率の良い金属溶湯の汲み
出し装置を提供する。 【解決手段】 上部に加圧気体の給気口7、下部側壁に
溶湯排出口8、底部に溶湯導入口9がそれぞれ設けられ
た圧力室1と、圧力室1の給気口7に接続された加圧気
体の給気配管2と、この給気配管2の給気開閉弁13と圧
力室1の給気口7の間に自動開閉弁11を介して接続され
た排気管12と、圧力室1の溶湯排出口8に接続された逆
V字状の溶湯排出管3と、この溶湯排出管3の逆V字状
の頂部17に自動開閉弁18を介して接続された吸気管19
と、圧力室1の溶湯導入口9を開閉するための弁機構4
とを備えて構成されるとともに、前記弁機構4が圧力室
1の密閉蓋21を貫通して設けられた弁棒23とその弁棒23
を進退駆動させる駆動装置24を備えるとともに、圧力室
1に伸縮自在なベローズ25を介して接続されてなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、金属溶湯の汲み出し装置に関し、特にはアルミ溶解炉や保持炉等に 適用され、それら炉等から取鍋等にアルミ溶湯を移すための溶湯の汲み出し装置 に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶解炉や保持炉等から金属溶湯を取鍋等に移す手段としては種々の装置が知ら れている。その内、本願が対象とするような圧力室と逆V字状の溶湯排出管を備 えた構成の溶湯の汲み出し装置は、例えば特開昭58− 93562号公報に提案された ものがある。
【0003】 上記公報に提案の溶湯の汲み出し装置は、図4(同公報第1図に該当)に示す もので、略逆U字形に形成された汲出管31と、この汲出管31の吸込側31a に取付 けられた底部32a を開放し上部を天板33で閉じた外筒32と、この外筒32の天板33 に接続されたエアー供給管34とで基本的に構成されている。この溶湯の汲み出し 装置による溶湯の汲み出しは次の如くして行われる。
【0004】 汲出管31の吸込側31a を外筒32と共に保温炉A内に入れる。この時エアー供給 管34を外気に開放しておくか、外筒32内を陰圧にしておく。これにより、外筒32 内及び汲出管31の吸込側31a 内に、保温炉Aの残湯Bが、その底部32a と吸込口 35から保温炉Aの残湯湯面l1と同じレベルまで侵入し、外筒32内の上部に外筒32 と湯面l2とで気室36が形成される。
【0005】 然る後、エアー供給管34から外筒32の気室36内にエアーを供給すると、外筒32 内の湯面l2が底部32a 方へ押され、外筒32内の残湯Bが汲出管31の吸込口35から 吸込側31a に供給される。この時、外筒32の残湯Bが底部32a から保温炉Aへ逃 げないように、外筒32の底部32a を保温炉の底面37に接触させるか、できるだけ 近接させ、同時に外筒32内の残湯Bが汲出管31内に入りやすいように汲出管31の 吸込口35を外筒32の底部より上方に位置させておく。そして、汲出管31の吸込側 31a 内の残湯Bが増て汲出管31の頂部31c を越え吐出側31b に至り、それが保温 炉A内の湯面Bより下った時点でエアー供給管34から外筒32内へのエアー供給を 停止しエアー供給管34を外気に開放させると共に、外筒32の底部32a を保温炉底 面37より十分離してやれば、以後はサイフォン効果により保温炉A内の残湯Bが 外筒32の底部32a から吸込口35を通って連続的に汲み出されるようになる。尚、 一旦汲出管31から連続的に残湯Bが汲み出された後、途中で汲み出しを停止した い場合には、エアー供給管34から外筒32内へエアーを供給して外筒32内の湯面l2 を汲出管31の吸込口35より下に押し下げればよい。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
上述した溶湯の汲み出し装置は、極めてシンプルな構成でもって、一方の容器 (保持炉等)より他方の容器(取鍋等)へと連続して溶湯を移すことができるも のの、給湯開始初期の取鍋等への連続流を得るまでは、外筒の底部を保持炉等の 底面に接触させる操作の後に離す操作が必要であるため、溶湯の汲み出し装置の 全体を昇降操作させなければならない。また、保持炉等より小容量の取鍋等に分 けて溶湯を移す場合には、その都度、外筒の底部を保持炉等の底面に接触させて 外筒内の溶湯湯面が汲出管の吸込口より下方に来るのを待つ必要がある上に、次 の取鍋に給湯するには、前記給湯開始初期の取鍋等への連続流を得るまでの操作 を繰り返す必要があり、汲み出し操作が煩雑であると共に汲み出し効率も悪い。 また、保持炉等の溶湯溜まりが深い場合には、外筒の長さが長いものとなる。
【0007】 本考案は、上記の事情に着目してなしたものであって、その目的は、簡便な構 造でもって、溶湯汲み出しの操作性に優れるとともに、汲み出し効率の良い金属 溶湯の汲み出し装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本考案に係る金属溶湯の汲み出し装置は、上部 に加圧気体の給気口、下部側壁に溶湯排出口、底部に溶湯導入口がそれぞれ設け られた圧力室と、圧力室の給気口に接続された加圧気体の給気配管と、この給気 配管の給気開閉弁と圧力室の給気口の間に自動開閉弁を介して接続された排気管 と、圧力室の溶湯排出口に接続された逆V字状の溶湯排出管と、この溶湯排出管 の逆V字状の頂部に自動開閉弁を介して接続された吸気管と、圧力室の溶湯導入 口を開閉するための弁機構とを備えて構成されるとともに、前記弁機構が圧力室 の密閉蓋を貫通して設けられた弁棒とその弁棒を進退駆動させる駆動装置を備え るとともに、圧力室に伸縮自在なベローズを介して接続されてなるものである。
【0009】 そして、上記構成の金属溶湯の汲み出し装置においては、溶湯排出管の外周に 加熱装置が設けられてあってもよい。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本考案に係る金 属溶湯の汲み出し装置の断面説明図であって、1は圧力室、2は給気配管、3は 溶湯排出管、4は弁機構をそれぞれ示す。なお、5は保持炉、6は取鍋、Mは溶 湯をそれぞれ示す。
【0011】 圧力室1は、上部に加圧気体の給気口7、下部側壁に溶湯排出口8、底部に溶 湯導入口9がそれぞれ設けられるとともに、給気口7には加圧気体の給気配管2 が、溶湯排出口8には逆V字状の溶湯排出管3が取付けられ、また溶湯導入口9 には詳細を後記する弁機構4の弁棒23が開閉可能に取付けられている。
【0012】 給気配管2は、加圧気体源(図示せず)に接続された管路10に、自動開閉弁11 を有する排気管12、開閉弁13、圧力計14及び圧力調整弁15が圧力室1側からこの 順に設けられている。従って、加圧気体源からの加圧気体は、圧力調整弁15によ って所望圧力にセットされ、自動開閉弁11を閉じ、開閉弁13を開けることで圧力 室1内に導入される。また、開閉弁13を閉じ、自動開閉弁11を開けることで圧力 室1内より排気される。
【0013】 溶湯排出管3は、脚長さが略圧力室1の長さで両脚間が保持炉5の炉壁厚さよ り広い間隔の逆V字状に形成された中空管である。従って、溶湯排出側の管端16 は、圧力室1の下部を保持炉5の溶湯M内に浸漬した場合でも、保持炉5の溶湯 Mの湯面より低い位置に開口するので、溶湯Mの連続汲み出しが可能となる。 また、溶湯排出管3の逆V字状の曲率を待った湾曲頂部17には自動開閉弁18を 有する吸気管19、及び溶湯検出子20が取付けられている。従って、汲み出し開始 初期、溶湯Mを溶湯排出管3内に圧入するときは、自動開閉弁18を閉じて圧入す る。圧入された溶湯Mは管端16から取鍋6へ排出される。また、圧入された溶湯 Mは溶湯検出子20で検出され。
【0014】 弁機構4は、圧力室1の密閉蓋21を貫通して設けられ、先端に圧力室1の底部 の溶湯導入口9を開閉する弁部22が形成された弁棒23と、この弁棒23を進退駆動 させるシリンダ24を備えるとともに、弁棒23のフランジ部と圧力室1の密閉蓋21 との間に設けられた伸縮自在なベローズ25を介して圧力室1に取付けられ、また 本例ではシリンダ24を架台26に取付けて構成されている。
【0015】 上記構成の金属溶湯の汲み出し装置による保持炉5から取鍋6への溶湯Mの汲 み出しは、次の如き手順で行われる。即ち、:図1に示すように、圧力室1を 保持炉5の溶湯M中に所定位置まで浸漬する。このとき、給気配管2の開閉弁13 を閉じ加圧気体を所定圧で送気する一方、給気配管2の排気管12の自動開閉弁11 を開け、溶湯排出管3の吸気管19の自動開閉弁18を閉じ、更にシリンダ24を作動 させて弁棒23を上昇させ圧力室1の底部の溶湯導入口9を開けておく。
【0016】 :上記浸漬後、排気管12の自動開閉弁11を閉じるとともに、シリンダ24を作 動させて弁棒23を下降させ圧力室1の溶湯導入口9を閉じ、この後、給気配管2 の開閉弁13を開けて加圧気体を圧力室1内に給気する。これにより、圧力室1内 の溶湯Mは、溶湯排出管3内を上昇し始める。上昇した溶湯Mが湾曲頂部17を越 えて管端16の開口より取鍋6内へ汲み出される(図2参照)。
【0017】 :上記汲み出し開始後、溶湯Mが溶湯排出管3の湾曲頂部17に取付けている 溶湯検出子20で検出されると、タイミングを計って、シリンダ24を作動させて弁 棒23を上昇させ圧力室1の溶湯導入口9を開け、給気配管2の開閉弁13を閉じて 圧力室1内への給気を停止するとともに、給気配管2の排気管12の自動開閉弁11 を開ける(図3参照)。このように操作しても、サイフォン効果により、溶湯M は止まることなく湾曲頂部17を越えて取鍋6内へ連続して汲み出され続ける。
【0018】 :取鍋6内に所定量汲み出されたら、吸気管19の自動開閉弁18を開ける。こ の開放によりサイフォン効果が失われ溶湯Mの汲み出しが停止する。この後、取 鍋6を替えて更に別の取鍋6に溶湯Mを汲み出すには、上記〜の手順を繰り 返すことで行える。
【0019】 なお、上記例では、給気配管2の自動開閉弁11の開閉や圧力調整弁15のセット 、及び溶湯排出管3の自動開閉弁18や、弁機構4のシリンダ24の作動を手動によ って行ってもよいが、より効率的な汲み出しを行うには、これらの機器や溶湯排 出管3の湾曲頂部17の溶湯検出子20等を図示省略する制御装置(パソコン等)に 接続することで自動に近い汲み出しが行える。
【0020】 また、上記例では、溶湯排出管3の湾曲頂部17から管端16の間に加熱装置27を 設けた例を図示したが、このように加熱装置27を設けた場合には、汲み出し完了 後に溶湯が管内で固化することなく排出でき、その後の汲み出しが円滑に行える とともに、溶湯排出管3の寿命向上が期待できる。
【0021】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案に係る金属溶湯の汲み出し装置によれば、簡便な 構造でもって、保持炉等から取鍋等へ溶湯の汲み出しが操作性良く、且つ、効率 良く行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る金属溶湯の汲み出し装置の断面説
明図である。
【図2】本考案に係る金属溶湯の汲み出し装置による汲
み出し開始直後の状態の断面説明図である。
【図3】本考案に係る金属溶湯の汲み出し装置による汲
み出し中の状態の断面説明図である。
【図4】従来の金属溶湯の汲み出し装置の断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1:圧力室 2:給気配管 3:
溶湯排出管 4:弁機構 5:保持炉 6:
取鍋 7:給気口 8:溶湯排出口 9:
溶湯導入口 10:管路 11:自動開閉弁 12:
排気管 13:開閉弁 14:圧力計 15:
圧力調整弁 16:溶湯排出側の管端 17:頂部 18:
自動開閉弁 19:吸気管 20:溶湯検出子 21:
密閉蓋 22:弁部 23:弁棒 24:
シリンダ 25:ベローズ 26:架台 27:
加熱装置 M:金属溶湯

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に加圧気体の給気口、下部側壁に溶
    湯排出口、底部に溶湯導入口がそれぞれ設けられた圧力
    室と、圧力室の給気口に接続された加圧気体の給気配管
    と、この給気配管の給気開閉弁と圧力室の給気口の間に
    自動開閉弁を介して接続された排気管と、圧力室の溶湯
    排出口に接続された逆V字状の溶湯排出管と、この溶湯
    排出管の逆V字状の頂部に自動開閉弁を介して接続され
    た吸気管と、圧力室の溶湯導入口を開閉するための弁機
    構とを備えて構成されるとともに、前記弁機構が圧力室
    の密閉蓋を貫通して設けられた弁棒とその弁棒を進退駆
    動させる駆動装置を備えるとともに、圧力室に伸縮自在
    なベローズを介して接続されてなることを特徴とする金
    属溶湯の汲み出し装置。
  2. 【請求項2】 溶湯排出管の外周に加熱装置が設けられ
    てなる請求項1記載の金属溶湯の汲み出し装置。
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