JPH06199033A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JPH06199033A
JPH06199033A JP50A JP60893A JPH06199033A JP H06199033 A JPH06199033 A JP H06199033A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 60893 A JP60893 A JP 60893A JP H06199033 A JPH06199033 A JP H06199033A
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JP
Japan
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ink
support
recording sheet
receiving layer
sheet
Prior art date
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JP50A
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English (en)
Inventor
Susumu Ogawa
進 小川
Koji Igarashi
宏二 五十嵐
Hiroshi Tomimasu
弘 冨増
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水性インクで印字されたドット形状に歪みが
少なく、印字濃度が高く、印字後に生じる該シートのう
ねりや印字濃度ムラを抑制し、画像再現性や色再現性に
優れたインクジェット記録シートを得ること。 【構成】 支持体上に、インク受理層を設けてなるイン
クジェット記録シートにおいて、合成樹脂からなる繊維
状物質を熱融着して成形したものを該支持体とし、且つ
該支持体のベック平滑度が、50秒以上であることを特
徴とするインクジェット記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録シ
ートに関するものであり、特に、水性インクで印字され
たドット形状に歪みが少なく、印字濃度の高い、さらに
は、印字後に生じる該シートのうねりや印字濃度ムラを
抑制したインクジェット記録シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
シートに付着させ、画像・文字などの記録を行なうもの
であるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、
漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として
種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色イ
ンクジェット方式により形成される画像は、製版方式に
よる多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、
遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数
が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも
安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く
応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力が成されてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化あるいはフルカラー化などインクジェット記録装置の
性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対しても
より高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該
記録シートとしては、印字ドットの濃度が高く色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等の
高い画像再現性や色再現性が要求される。
【0004】このような要求に対して、従来からいくつ
かの提案がなされてきた。例えば、支持体表面にシリカ
系顔料を主成分とした空隙層となるインク受理層を設け
て、インク吸収性を向上させる工夫がなされてきた(特
開昭52-9074号公報、同58-72495号公報等)。このイン
ク受理層によってインク吸収性を上げ、高い印字ドット
濃度やインク滲みがない印字ドットを得るために、特開
昭55-51583号公報及び特開昭56-157号公報には、非膠質
シリカ粉末を配合する提案がある。また、色彩性や鮮明
性はインク中の染料のインク受理層に於ける分布状態に
あることに着目し、染料成分を吸着する特定の剤を用い
る提案(特開昭55-144172号公報)もなされてきた。
【0005】通常、支持体には、安価であるため、木材
パルプを主成分とした原紙が多く使用される。しかし、
印字された水性インクが支持体の厚さ方向に浸透して、
主成分である木材パルプ繊維が伸縮するために、印字面
にうねりが発生し、美観を損ねるという問題が発生しや
すくなる。また、木材パルプ繊維の伸縮は、保管或いは
保存場所の環境の影響を受けても生じるために、印字面
ばかりでなく白紙面にうねりが発生する場合もある。
【0006】このことから、印字後のうねりの発生を回
避するためには、インク受理層の塗工量を増大させ、イ
ンク受理層のみでインクを吸収する必要がある。しか
し、インクの浸透をインク受理層で抑える目的で、塗工
量を増やしてインク吸収性を高めると、インク受理層の
接着性低下や粉落ちが生じやすくなることから、塗工量
を安易に増やすことはできない。さらに、支持体表面に
インク受理層を設ける塗工工程に於いて、インク受理層
塗被組成物中のバインダーや溶媒(主に水)が支持体中
に浸透したり、乾燥工程に於いてはインク受理層表面に
バインダーが移動したりする。その結果、インク受理層
の面方向と厚さ方向のバインダー分布の不均一化が進
み、インク吸収も不均一となり、ドット形状が不揃いと
なる問題が生じる。
【0007】近年のインクジェット記録装置の高速化や
ビジュアル化指向の高まりによって、印字されたドット
形状が均一で、印字濃度が高い、画像再現性や色再現性
に優れた画像が要求され、さらに、印字面にうねりが発
生しない美観に優れたインクジェット記録シートの要求
が高まっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、支持
体に木材パルプを主成分とする原紙を使用した際に問題
となる印字面のうねりの発生を回避する一方で、印字さ
れたドット形状が均一で、画像濃度が高く、印字濃度ム
ラの発生がない、画像再現性や色再現性に優れたインク
ジェット記録シートを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インクジ
ェット記録シートに関して種々の研究を重ねた結果、該
シートの支持体として、合成樹脂からなる繊維状物質を
シート状に成形したものを用い、更に該支持体の平滑性
を調整することによって、本発明の目的が達せられるこ
とを見い出した。即ち、本発明は、支持体上に、インク
受理層を設けてなるインクジェット記録シートにおい
て、該支持体が、合成樹脂を加熱溶融し、細孔を有する
ダイヘッドから押し出して得た繊維状物質を熱融着して
成形したものであり、且つ該支持体のベック平滑度が、
50秒以上であることを特徴とするインクジェット記録
シートを提供するものである。
【0010】本発明に用いられる繊維状物質の素材とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、
ナイロン、レーヨン、ポリアクリル酸エステル、ポリウ
レタン等の合成樹脂やこれらの混合物が挙げられる。ま
た、該支持体には、必要に応じて、濡れ性改良剤、静電
防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、顔料等を添加しても
よい。
【0011】本発明において、該支持体を得る方法とし
ては、ペレット状或はチップ状の合成樹脂を加熱溶融
し、先端に細孔を有するダイヘッドから繊維状に押し出
した後、空気を吹き付けて繊維をランダムに配向させ、
フォーミングベルト上で再配向させた後、ヒートロール
で熱融着させてシートを得るメルトブロウン法、合成樹
脂を加熱溶融してダイヘッドから押し出した後、高速気
流により繊維を伸長させて繊維径を細くし、繊維を熱融
着させてシートを得るスパンボンド法、合成樹脂に溶剤
を加えてダイヘッドから押し出し、スパンボンド法と同
様にしてシートを得るフラッシュスピン法等を用いるこ
とができる。
【0012】本発明において、合成樹脂を押し出して得
た繊維状物質をシート状に成形した支持体をマシンカレ
ンダー、熱カレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカ
レンダー等によって平滑化処理し、ベック平滑度を50
秒以上とすることにより、インク受理層を均一に塗布す
ることが可能になり、印字されたドット形状に歪みが少
なく、印字濃度の高い画像が得られる。しかし、該支持
体のベック平滑度が50秒未満では、支持体表面の凹凸
によりインク受理層を均一に塗布することが不可能にな
り、ドット形状が歪んだり、印字濃度ムラが生じる。
【0013】平滑化処理によって十分な支持体の平滑度
が得られない場合には、支持体表面に下塗層を設けてベ
ック平滑度を50秒以上としてから、インク受理層を塗
布することも可能である。このような下塗層には、硫酸
バリウム、カオリン、酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、澱粉粒、プラスチックピグメント等の顔
料、スチレン/ブタジエン系、スチレン/アクリル系、
アクリル系、酢ビ系、無水マレイン酸/スチレン系等の
合成樹脂エマルジョン、澱粉、ポリビニルアルコール等
の水溶性接着剤、メラミン/ホルマリン樹脂、エチレン
/尿素樹脂、ポリアミド/ポリ尿素樹脂等の架橋剤、無
水マレイン酸系、スチレン/アクリル系等のサイズ剤、
ポリエチレングリコールやポリオキシエチレンポリグリ
セリルエーテル等の湿潤剤、アルキルベンゼンスルホン
酸塩やアルキルコハク酸塩等の界面活性剤等を適宜組み
合わせて使用できる。
【0014】下塗層は、各種ブレードコータ、ロールコ
ータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレー
ドコータ、ショートドウェルコータ、カーテンコータ、
サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシ
ンで使用し、支持体に塗布することができる。
【0015】本発明に係るインクジェット記録シート
は、上記の方法で製造された支持体のベック平滑度が5
0秒以上の面側に、少なくとも1層以上のインク受理層
が設けられたものであり、必要に応じて、該支持体の他
面にバックコート層を設けたものも含まれる。また、該
支持体の他面にインク受理層を塗設しても構わないが、
ベック平滑度は、50秒以上であることが必須となる。
【0016】本発明に係るインク受理層及びバックコー
ト層には、公知の白色顔料を1種以上用いることができ
る。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロ
イダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメ
ント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有
機顔料等が挙げられる。上記の中でも、インク受理層中
に主成分として含有する白色顔料としては、多孔性無機
顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸
マグネシウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に、細
孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
【0017】また、接着剤としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、
大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マ
レイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系
共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリ
ル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸及びメ
タクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体
ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系
重合体ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボ
キシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体
ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹
脂系等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリ
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキ
ッド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で
使用される。
【0018】更に、その他の添加剤として、顔料分散
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合する
こともできる。
【0019】本発明の支持体に、インク受理層又はバッ
クコート層を、塗工又は含浸する方法は、各種ブレード
コータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコー
タ、ロッドブレードコータ、ショートドウェルコータ、
カーテンコータ、サイズプレス等の各種装置をオンマシ
ン或はオフマシンで用いることができる。また、塗工又
は含浸後に、本発明のカレンダー装置でカレンダー処理
するが、その前後で、マシンカレンダー、TGカレンダ
ー、スーパーカレンダー等によりカレンダー処理しても
構わない。
【0020】本発明に係るインク受理層の付着量は、要
求されるインクジェット記録特性に合わせた選択を行え
ば良いが、1g/m2未満では、支持体を完全に覆うこと
が難しくなるし、インク受理能力が不足がちになる。ま
た、20g/m2を超えると接着強度が弱くなる傾向にあ
るので、1〜20g/m2が好ましい。
【0021】本発明のインクジェット記録シートにバッ
クコート層を設ける際の付着量は、カール適性やインク
ジェット記録装置内での搬送性等の要求されるインクジ
ェット記録シートの特性や付着量、乾燥能力、製造速度
等の製造工程の特性に合わせた選択を適宜行えば良い。
【0022】本発明で云う水性インクとは、着色剤、液
媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。着色剤
としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染
料或は食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。
【0023】インクの溶媒としては、水及び水溶性の各
種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコール、
tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭
素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、
ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チオジ
グリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコ
ール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコー
ル類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられ
る。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレ
ングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テルが好ましい。その他の添加剤としては、例えば、p
H調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張
力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が挙げら
れる。
【0024】本発明におけるインクジェット記録シート
は、インクジェット記録シートとしての使用に留まら
ず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記
録シートとして用いてもかまわない。例えば、熱溶融性
物質、染顔料等を主成分とする熱溶融性インクを樹脂フ
ィルム、高密度紙、合成紙等の薄い支持体上に塗布した
インクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶融さ
せて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性インク
を加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジェッ
ト記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインクを用
いたインクジェット記録シート、光重合型モノマー及び
無色または有色の染顔料を内包したマイクロカプセルを
用いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シート等
が挙げられる。
【0025】これらの記録シートの共通点は、記録時に
インクが液体状態である点である。液状インクは、硬
化、固化又は定着までに、記録シートのインク受理層の
深さ方向又は水平方向に対して浸透又は拡っていく。上
述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収
性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シ
ートを上述した各種の記録シートとして利用しても何ら
構わない。更に、複写機・プリンター等に広く使用され
ている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録シ
ートとして、本発明におけるインクジェット記録シート
を使用しても構わない。また、粘着層を設けて、ラベル
用インクジェット記録シートとして使用することも可能
である。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例に於いて示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0027】実施例1 高密度ポリエチレン樹脂のペレットを加熱溶解し、先端
に細孔を有するダイヘッドから繊維状に押し出した後、
高速気流により繊維を伸長させて繊維径を約1〜200
μmとし、繊維を配向、熱融着させて成形し、坪量56
g/m2のシートを得た(スパンボンド法)。このシー
トを熱カレンダーで平滑化処理し、ベック平滑度が57
秒の支持体を得た。
【0028】この支持体に、合成非晶質シリカ(ファン
シールX37B:徳山曹達株式会社製)100部、ポリ
ビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製)
30部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン10
01:住友化学株式会社製)20部からなるインク受理
層塗被組成物を固形分13%で塗布、乾燥して、塗工量
5.0g/m2のインク受理層を設けた後、カレンダー
処理を行い、実施例1のインクジェット記録シートを得
た。
【0029】実施例2 高密度ポリエチレン樹脂のペレットを加熱溶解する際
に、ジ−クロロ−ジ−フルオロメタンを加え、先端に細
孔を有するダイヘッドから繊維状に押し出した後、高速
気流により繊維を伸長させて繊維径を約1〜200μm
とし、繊維を配向、熱融着させ、坪量56g/m2のシ
ートを得た(フラッシュス ピン法)。このシートを熱
カレンダーで平滑化処理し、ベック平滑度が75秒の支
持体を得た。この支持体に実施例1と同じ配合及び製造
条件でインク受理層を塗設し、カレンダー処理を行っ
て、実施例2のインクジェット記録シートを得た。
【0030】実施例3 実施例1と同様に押し出した後、繊維を配向、熱融着さ
せ、坪量56g/m2のシートを得た後、熱カレンダー処
理は施さず、顔料(デラミネーテッドクレー;Nucl
ay:Engelhard社製)100部、ポリビニル
アルコール(PVA117:クラレ株式会社製)10部
からなる塗被組成物を固形分15%で、塗布、乾燥し、
塗工量1.5g/m2の下塗層を設けて、実施例3の支持
体を得た。この支持体のベック平滑度は52秒であっ
た。
【0031】この支持体に、実施例1と同じ配合及び製
造条件でインク受理層を塗設し、カレンダー処理を行っ
て、実施例3のインクジェット記録シートを得た。
【0032】実施例4 実施例2と同様に押し出した後、繊維を配向、熱融着さ
せ、坪量56g/m2のシートを得た後、熱カレンダー処
理は施さず、実施例3と同じ配合、製造条件で下塗層を
設けて、熱カレンダー処理し、ベック平滑度102秒の
実施例4の支持体を得た。この支持体に、実施例1と同
じ配合及び製造条件でインク受理層を塗設し、カレンダ
ー処理を行って、実施例4のインクジェット記録シート
を得た。
【0033】比較例1 実施例1と同様に押し出した後、繊維を配向、熱融着さ
せ、坪量56g/m2のシートを得た。このシートに熱カ
レンダー処理を施さず、ベック平滑度23秒の比較例1
の支持体とした。この支持体に、実施例1と同じ配合及
び製造条件でインク受理層を塗設し、カレンダー処理を
行って、比較例1のインクジェット記録シートを得た。
【0034】比較例2 実施例2と同様に押し出した後、繊維を配向、熱融着さ
せ、坪量56g/m2のシートを得た。このシートに熱カ
レンダー処理を施さず、ベック平滑度39秒の比較例2
の支持体とした。この支持体に、実施例1と同じ配合及
び製造条件でインク受理層を塗設し、カレンダー処理を
行って、比較例2のインクジェット記録シートを得た。
【0035】比較例3 実施例1と同様に押し出した後、繊維を配向、熱融着さ
せ、坪量56g/m2のシートを得た。このシートに熱カ
レンダー処理を施さず、顔料(デラミネーテッドクレ
ー;Nuclay:Engelhard社製)100
部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式
会社製)10部からなる塗被組成物を固形分15%で塗
布、乾燥して、塗工量0.5g/m2の下塗層を設けて、
比較例3の支持体を得た。この支持体のベック平滑度は
45秒であった。
【0036】この支持体に、実施例1と同じ配合及び製
造条件でインク受理層を塗設し、カレンダー処理を行っ
て、比較例3のインクジェット記録シートを得た。
【0037】比較例4 支持体は、ベック平滑度56秒、坪量64g/m2の市販
の上質紙とした。この支持体に、実施例1と同じ配合及
び製造条件でインク受理層を塗設し、カレンダー処理を
行って、比較例4のインクジェット記録シートを得た。
【0038】実施例1〜4及び比較例1〜4の評価結果
を表1に示す。尚、表1中の評価項目の測定は、20
℃、65RH%の環境で、各サンプルを24時間以上放
置して、以下の通りに行った。
【0039】1)ベック平滑度 支持体のベック平滑度は、ベック平滑度試験機(熊谷理
機工業株式会社製)を用いて、JIS P8119に基
づき測定した。
【0040】2)ドット形状歪みの評価 インクジェットプリンタ(IO−720:シャープ株式
会社製)を用いて、ブラックインクから成る単色ドット
を印字して、画像解析装置により、ドットの周囲長L及
びドットの面積Aを測定し、下記の数1により定義する
ドット形状係数Cを算出した。ドット形状係数Cが1.
0から離れ、大きくなるほど、ドットの滲み出し等によ
り、ドット形状が不規則であることを示す。
【0041】
【数1】C=L2/(4π×A) ここで、各変数は以下の意味である。 C :ドット形状係数。 L :ドットの周囲長。 A :ドットの面積。
【0042】3)印字濃度の評価 インクジェットプリンタ(IO−720:シャープ株式
会社製)を用いて、ブラックインクから成る単色ドット
をB5サイズで印字して、ドットの光学濃度を測定し
た。
【0043】4)印字濃度ムラの評価 上記の印字濃度の評価項目において、B5サイズに印字
された面を以下の評価基準で目視評価した。印字濃度ム
ラの発生に伴い、美観を損なう評価はCである。 A:印字濃度ムラの発生は見られない。 B:印字濃度ムラが僅かに認識されるが、美観を損なう
ことはない。 C:著しく印字濃度ムラが発生しており、美観を大きく
損なう。
【0044】5)印字後うねりの評価 インクジェットプリンタ(IO−720:シャープ株式
会社製)を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラ
ックの各インクを重ねて印字し、印字後のシート面のう
ねりを以下の評価基準で測定した。美観を損ねない評価
はA及びBである。 A:全くうねりの発生はない。 B:うねりの発生は小さく、美観を損ねることはない。 C:うねりが多発し、美観を大きく損ねる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】表1から明らかなように、合成樹脂から
なる繊維状物質を熱融着して成形した支持体で、且つ該
支持体のベック平滑度が、50秒以上である場合、ドッ
ト形状の歪みが少なく、印字濃度、印字濃度ムラ、印字
後うねりに優れていること、特に、下塗層を設けた実施
例3及び4では、その効果の高いことが判る。一方、ベ
ック平滑度が50秒未満の比較例1〜3では、ドット形
状の歪みや印字濃度が低くなる傾向があり、特に、塗布
ムラに起因すると推測される印字濃度ムラの発生が、視
覚に認識されるレベルにまで達することが判る。また、
紙を支持体とした比較例4では、印字後のうねりの発生
が問題となること、印字濃度やドット形状の歪みが劣る
ことが判る。
【0047】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、水性インクで印字されたドット形状に歪みが少な
く、印字濃度の高い、更には、印字後に生じる該シート
のうねりや印字濃度ムラを抑制したインクジェット記録
シートを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、インク受理層を設けてなる
    インクジェット記録シートにおいて、該支持体が、合成
    樹脂を加熱溶融し、細孔を有するダイヘッドから押し出
    して得た繊維状物質を熱融着して成形したものであり、
    且つ該支持体のベック平滑度が、50秒以上であること
    を特徴とするインクジェット記録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002200842A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Hokuetsu Paper Mills Ltd インクジェット記録用シート及びその製造方法

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