JPH06198793A - 繊維複合体及びその製造方法 - Google Patents

繊維複合体及びその製造方法

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JPH06198793A
JPH06198793A JP4348076A JP34807692A JPH06198793A JP H06198793 A JPH06198793 A JP H06198793A JP 4348076 A JP4348076 A JP 4348076A JP 34807692 A JP34807692 A JP 34807692A JP H06198793 A JPH06198793 A JP H06198793A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量かつ高強度の繊維複合体を提供する。 【構成】 芯材1が熱可塑性樹脂発泡シートからな
り、表面材2、2が熱可塑性樹脂と無機繊維の複合シー
トからなる積層体3であって、芯材1に比較的低発泡の
高密度部5が比較的高発泡の低密度部内を線状に連続し
て形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱成形性の優れた内
装材、特に自動車の天井材として好適に使用される繊維
複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車天井材には、軽量で、剛
性、耐熱性、成形性、寸法安定性、リサイクル性等の性
能に優れた材料が要求される。従来から自動車用天井材
として、例えば特公平3−52342号公報に記載され
ているように、熱可塑性樹脂発泡体を芯材とし、熱可塑
性樹脂と無機繊維とを複合した樹脂強化シートを表面材
とした積層体等が好適に用いられている。この積層体
は、無機繊維が分散されたスチレン系エマルジョンを有
機繊維不織布に含浸させて得た樹脂強化シートを、ポリ
スチレン系樹脂発泡シートの両面に積層したもので、軽
量で高剛性の特性を有し、リサイクル性も兼ねていた。
【0003】又、上記の積層体は、ポリスチレン系樹脂
の予備発泡ビーズを押出発泡法又は型内発泡法を用いて
発泡シートを作成し、その両面に樹脂強化シートを接着
させるという方法で製造されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の積層体は
芯材の熱可塑性樹脂発泡体が均一な高発泡体で形成され
ているため、積層体の強度がやや劣る欠点があり、又、
用途により積層体の横方向の強度の向上が要求されるこ
とがあった。又、上記の積層体は、多工程を経て製造さ
れているため、製造コストがかかるという問題があっ
た。
【0005】請求項1記載の発明の繊維複合体は、上記
問題点に鑑みなされたもので、軽量かつ高強度の繊維複
合体を提供することを目的とする。
【0006】又、請求項2記載の発明の繊維複合体は、
軽量にして、横方向の強度も比較的保持した繊維複合体
を提供することを目的とする。
【0007】又、請求項3記載の発明の繊維複合体の製
造方法は、軽量かつ高強度の繊維複合体を連続的に簡便
に単一工程で製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の繊
維複合体は、芯材が熱可塑性樹脂発泡シートからなり、
表面材が熱可塑性樹脂と無機繊維の複合シートからなる
繊維複合体であって、芯材に比較的低発泡の高密度部が
比較的高発泡の低密度部内を線状に連続して形成されて
いることを特徴とするものである。
【0009】請求項2記載の発明の繊維複合体は、芯材
が、波状もしくは網目状に配列された複数の発泡性熱可
塑性樹脂ストランドを発泡させて形成した熱可塑性樹脂
発泡シートからなることを特徴とするものである。
【0010】請求項3記載の発明の繊維複合体の製造方
法は、ストランドダイから押出した複数の発泡性熱可塑
性樹脂ストランドを熱可塑性樹脂と無機繊維の複合シー
トの上に積層し、さらにその上に前記複合シートを積層
し、この積層体を連続的に移送しながら、発泡剤の分解
温度以上の温度に加熱して発泡性熱可塑性樹脂ストラン
ドを発泡させてストランド同士及びストランドと前記複
合シートとを融着一体化し、次いで冷却することを特徴
とするものである。
【0011】本発明の繊維複合体及び繊維複合体の製造
方法に用いられる複合シートとしては、熱可塑性樹脂中
にモノフィラメントに開繊されたガラス繊維が分散され
ている繊維強化シートを用いるのが好ましい。このよう
な繊維強化シートを用いれば汎用性があるとともに加熱
成形性、耐熱寸法安定性、曲げ強度等を向上させること
ができる。熱可塑性樹脂としては、ボリスチレン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ナイロン、ボ
リエステル、ボリ酢酸ビニル等が挙げられるが、その成
形性、温度、価格等からポリオレフィン系の樹脂を用い
るのが好ましい。複合シートの作成方法としては、例え
ば、25mm以下の短繊維を主体とした所謂抄造法にて
得られた薄手の不織布である市販のガラスペーパ(10
g/m2〜75g/m2 が好適な重量)に熱可塑性樹脂
フィルムを積層し、熱可塑性樹脂の融点以上の温度(溶
融温度領域)に加熱した後、プレス又はロール等によっ
て圧縮、複合したものが好適である。この熱可塑性樹脂
フィルムの厚みは軽量性の観点から50〜150μm程
度が好ましい。
【0012】又、複合シートとしては、上述の作成方法
におけるガラスペーパの代わりに各種ガラス繊維不織布
を用いることもできる。例えば、開繊されたガラス繊維
をニードルパンチング法等の機械的方法で絡めたガラス
繊維不織布、切断されたロービングを特殊なバインダで
結着したチョップドストランドマット、或いは連続した
ロービングで作るコンティニュアスストランドマットや
サーフェイシングマット等を用いることができる。
【0013】又、複合シート中に含まれる無機繊維の含
有率は、樹脂成分100重量部に対して1〜40重量部
が好ましく、15〜30重量部とするのが、強度、成形
性の観点から望ましい。
【0014】又、芯材に用いられる熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の
熱可塑性樹脂が好適に用いられる。芯材としては、熱可
塑性樹脂100重量部に対して熱分解型の発泡剤を1〜
30部、好ましくは5〜15部を混練し、発泡させたも
のが好適である。又、必要に応じて無機繊維を1〜40
部、好ましくは15〜30部、酸化防止剤、熱安定剤、
可塑剤、核剤等の添加剤を加えることもできる。無機繊
維としては市販のガラス繊維を破砕して繊維長を1mm
以下としたミルドファイバが好適であるが、ガラス繊維
を1〜10mmに切断したチョップドストランドを加え
ることもできる。
【0015】熱分解型の発泡剤としては、アゾジカルボ
ンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、pp’−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒトラジミド、アゾジカルボン酸
バリウム、トリヒドラジノトリアジン等を用いることが
できる。
【0016】又、ゲル分率がでない(溶剤に長時間浸漬
しても不溶分が生じない)程度であれば、過酸化物等の
架橋剤を加えて発泡を安定化することも可能である。用
いる過酸化物としては比較的分解温度が高く、化学的に
安定なジアルキル系の過酸化物が好適である。例えば、
ジターシャリーブチルペルオキシド、2、5ジメチル
2、5ジターシャリーブチルペルオキシヘキシンー3が
挙げられる。又、無水マレイン酸等の不飽和酸を加えて
発泡反応をマイルドにしたり、樹脂にガラス繊維接着性
を持たせることも有用である。
【0017】又、繊維複合体は、自動車用天井材等の用
途で必要な軽量性の観点から総重量を600g/m2
満とするのが望ましいので、表面材の複合シートの重量
は200g/m2 未満、好ましくは120g/m2 未満
とし、芯材の重量は200g/m2 〜400g/m2
するのが好ましい。又表面材の複合シートと芯材の重量
比は1:1〜4の範囲内とされているのが望ましい。繊
維複合体としての比重は0.2〜0.7が好ましい。
又、芯材の発泡体の厚みとしては、剛性上の観点からあ
まり薄いものは好ましいといえず、2mmから5mmの
間で設定するのが好ましい。尚、この厚みは5倍から1
5倍の発泡倍率の範囲に相当する。
【0018】又、繊維複合体を賦形するには樹脂の溶融
温度以上の温度に再加熱し、冷間プレスすればよく、例
えば自動車用天井材として使用する場合には冷間プレス
の際に塩化ビニルレザー、不織布等の化粧用表皮材を積
層して賦形すればよい。
【0019】請求項2記載の発明の繊維複合体におい
て、発泡性熱可塑性樹脂ストランドの配列の仕方として
は、例えば波形、網目形の模様状にストランドを配列す
るのが横方向の強度を効率的に上げるために望ましい。
【0020】発泡性熱可塑性樹脂ストランドを波形、網
目形等の模様状に配列するには、ストランドダイから押
出されたストランドを分離する分離櫛をストランドダイ
と複合シートとの間に設け、カム等により分離櫛に規則
的な周期運動を与える等の方法により行うことができ
る。分離櫛を全て同期させて往復運動させれば、発泡性
熱可塑性樹脂ストランドを複合シート上に波形の模様状
に配列することができ、分離櫛を一本置きに半周期遅れ
て往復運動させれば、発泡性熱可塑性樹脂ストランドを
複合シート上に網目形の模様状に配列することができ
る。
【0021】本発明の繊維複合体及びその製造方法を図
面を参照して説明する。図1及び図2は請求項1記載の
発明の繊維複合体の一例を示し、図1は繊維複合体の断
面図、図2aは発泡前の状態を示した断面図、図2bは
発泡後の状態を示した断面図である。熱可塑性樹脂発泡
シートからなる芯材1の両面に、熱可塑性樹脂と無機繊
維の複合シートからなる表面材2が積層されて繊維複合
体3が形成されている。4は断面円状の発泡性熱可塑性
樹脂ストランドで、表面材2、2間に積層され、発泡さ
れて隣接する発泡ストランド4同士が融着し、熱可塑性
樹脂発泡シートからなる芯材1を形成する。5は芯材1
に形成された複数の高密度部で、発泡前にストランド4
が配置された部分にそれぞれ長手方向に線状に連続して
形成されている。
【0022】次に請求項1記載の繊維複合体の製造方法
の一例について説明する。上述の芯材用の配合物を発泡
剤の分解温度以下の温度に設定した押出機で混練した
後、ストランドダイより押出し直径2mmの発泡性熱可
塑性樹脂ストランドを得る。次にこのストランドを上記
の複合シートの上にストランドとストランドの間隔が約
4〜10mmになるように平行に配列した後、さらにそ
の上に複合シートを積層する。次いでこの積層体を間隙
が約3〜5mmに設定された熱盤の間にセットして発泡
開始まで放置し、発泡が開始されストランドが横に膨張
してストランド間の間隙が無くなりストランド同士が融
着合体したことを確認後、すばやく熱盤から取り出して
急冷する。熱盤の設定温度としては、温度を、発泡剤の
分解温度〜分解温度+20℃の温度に設定するのが望ま
しい。分解温度を20℃以上越える温度では急激な発泡
により発泡後の構造が乱れるので望ましくない。
【0023】図3及び図4は請求項2記載発明の繊維複
合体の製造方法の一例を説明する図面であり、図3は多
数の発泡性熱可塑性樹脂ストランドが複合シート上に波
形の模様で積層されている状態を示す平面図であり、図
4は発泡性熱可塑性樹脂ストランドが複合シート上に網
目状の模様で積層されている状態を示す平面図である。
図3及び図4において、10は複合シート、11は発泡
性熱可塑性樹脂ストランド、12はストランド11を分
離するための分離櫛である。図3においてストランド1
1は波形の模様状に、図4においてストランド11は網
目形の模様状に配列されている。複合シート10は矢印
X方向に移送されており、分離櫛12は図示しないスト
ランドダイと移送される複合シート10との間に設けら
れ、矢印Y方向に往復動されている。
【0024】ストランドダイから複数の発泡性熱可塑性
樹脂ストランド11を下方に押出し、移送されている複
合シート10上に載置・積層するに際し、分離櫛12を
往復動させて下方に押出されているストランド11に周
期的な力を加える。この往復動を同期させて行えば、図
3に示すように、ストランド11は複合シート10上に
波形の模様に配列される。又、往復動を半周期遅らせれ
ば、図4に示すように、ストランド11は複合シート1
0上に網目形の模様に配列される。次いでこのように複
合シート10上に積層されたストランド11の上にさら
に複合シートを積層する。以下は請求項1記載の発明の
繊維複合体と同様の方法である。
【0025】尚、請求項1記載の複合体を得るに当たっ
ては、芯材を形成するための発泡性熱可塑性樹脂ストラ
ンドを、比較的角張って渦巻き状等に配列してから発泡
させてもよい。
【0026】図5は請求項3記載の発明の繊維複合体の
製造方法に用いることができる繊維複合体の製造装置の
一例の正面図である。20は押出機、21は押出機20
の先端に設けられたストランドダイ、22はストランド
ダイ21から下方に押出された発泡性熱可塑性樹脂スト
ランドである。23、24は熱可塑性樹脂と無機繊維の
複合シートでそれぞれ繰出部25、26にロール状に巻
回されている。27、28はそれぞれ下方、上方に設け
られた搬送無端ベルトコンベアで、それぞれ矢印の方向
に駆動されている。30、31は厚み規制熱盤、32は
冷却盤で、厚み規制熱盤30、31及び冷却盤32によ
り、移送ベルトコンベア27、28で挟持されて移送さ
れる積層体が厚みを規制されながら加熱発泡され、冷却
される。尚、35は押えロールである。
【0027】押出機20によりストランドダイ21から
発泡性熱可塑性樹脂ストランド22を押出して、繰出部
25から繰出された片方の表面材となる複合シート23
上に積層する。押えロール35で複合シート23上に積
層されたストランド22を押えながら移送し、この上に
繰出部26から繰出された他方の表面材となる複合シー
ト24を積層する。複合シート23、24間にストラン
ド22を積層した積層体は移送ベルトコンベア27、2
8で挟持されて移送され、連続的に移送されながら、厚
み規制熱盤30、31で全体の厚みを規制されつつ加熱
される。この加熱により発泡性熱可塑性樹脂ストランド
22が発泡し、熱可塑性樹脂発泡シートからなる芯材が
形成される。次いで冷却盤32により冷却され、連続的
に取出される。これにより熱可塑性樹脂発泡シートの芯
材の両面に複合シートが積層された繊維複合体が連続的
に単一工程で製造される。尚、ストランドダイから押出
されたストランドを分離する分離櫛をストランドダイと
複合シートとの間に設け、カム等により分離櫛に規則的
な周期運動を与えるようにしておけば、発泡性熱可塑性
樹脂ストランドを複合シート上に波形又は網目形等の模
様状に配列することができる。
【0028】
【作用】請求項1記載の発明の繊維複合体においては、
芯材に比較的低発泡の高密度部が比較的高発泡の低密度
部内を線状に連続して形成されているので、高密度部の
補強効果により、繊維複合体の強度が向上する。
【0029】請求項2記載の発明の繊維複合体において
は、芯材が、波状もしくは網目状に配列された複数の発
泡性熱可塑性樹脂ストランドを発泡させて形成した熱可
塑性樹脂発泡シートからなるので、高密度部がジクザグ
に形成され、これにより繊維複合体の横方向の強度が比
較的保持される。
【0030】請求項3記載の発明の繊維複合体の製造方
法においては、ストランドダイから押出した複数の発泡
性熱可塑性樹脂ストランドを熱可塑性樹脂と無機繊維の
複合シートの上に積層し、さらにその上に前記複合シー
トを積層し、この積層体を連続的に移送しながら、発泡
剤の分解温度以上の温度に加熱して発泡性熱可塑性樹脂
ストランドを発泡させてストランド同士及びストランド
と前記複合シートとを融着一体化し、次いで冷却するの
で、芯材の両面に複合シートの表面材が積層された軽量
かつ高強度の繊維複合体が連続的に簡便に単一工程で製
造される。
【0031】
【実施例】次に、請求項1記載の発明の繊維複合体の実
施例と従来の繊維複合体の比較例とを説明する。
【0032】実施例1 ガラスペーパ(30g/m2 )(オリベスト社製SEO
−030)の上にメルトインデックス1.2の高密度ポ
リエチレン樹脂フィルム(90g/m2 )を積層し、2
00℃の温度に加熱された熱盤で30kg/cm2 の圧
力で圧縮した。この後全体を冷やし複合シートを作成し
た(繊維含有率20重量%)。メルトインデックス1.
2の高密度ポリエチレン樹脂100重量部に対してアゾ
ジカルボンアミド5部、ミルドファイバ(旭グラスファ
イバ社製T10)を10部配合し、30mm単軸押出機
に供給し、160℃の温度でストランドダイより、直径
約2mmの多数のストランドを幅方向に約6mmの間隔
をおいて押出した。この複数のストランドを冷却しない
うちに上記の複合シート上に中心間距離が8mmになる
ように平行に載置し、さらにその上に複合シートを積層
した。次いで全体を厚み1mmのステンレス製の薄肉の
箱状体(縦、横の内寸法250×250mm、厚み4m
m)(側面の気密性はなく発泡中は常圧となる)に入
れ、この箱状体を220℃に加熱された熱盤の間に挟み
略2分30秒後に取り出し、全体を水冷されている冷却
プレスの間に挟み、冷却後繊維複合体を取り出した。得
られた繊維複合体は約3.5mmの厚みになっており、
内部は発泡によりストランドの当初の形状はなく発泡シ
ートとなっていた。又、発泡体の構造は、独立気泡のセ
ルは少なく連続気泡タイプのフォームと判断できた。
又、表面材である複合シートと内部芯材のフォームとの
接着は完全であり、サンドイッチ構造体ととよんでよい
ものであった。(比重約0.6) この発泡シートを上方から見ると始めに積層したストラ
ンドの位置に平行に筋が走っていた。この部分の密度を
測定すると略0.4g/cm3 となっており、他の部分
の略3倍の密度を有しており、圧縮強度も高かった。得
られた繊維複合体から50mm×150mmのサイズで
サンプルをストランドの長手が方向が長くなるように切
取り、曲げ強度と曲げ弾性率を測定し、5回測定の平均
値を求めた。この結果を表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1において押出機から押出す樹脂の形態をストラ
ンド状ではなく、シート状(厚み350μm)とした以
外は実施例1と同様にしてサンプルを作成し物性を測定
した。この結果を表1に示す。比較例1は密度が均一な
通常の発泡シートである点が、高密度部を有する上記実
施例1の場合と異なっている。
【0034】
【表1】
【0035】この結果、実施例1の請求項1記載の繊維
複合体は、比較例1の従来の繊維複合体に比べ、表1に
示すように、曲げ強度、曲げ弾性率のいずれも向上して
いた。
【0036】次に、請求項2記載の発明の繊維複合体の
実施例を説明する。実施例2は芯材が波形の模様状に配
列されたストランドを発泡して形成された熱可塑性樹脂
発泡シートからなる繊維複合体の実施例、実施例3は芯
材が網目形の模様状に配列されたストランドを発泡して
形成された熱可塑性樹脂発泡シートからなる繊維複合体
の実施例である。
【0037】実施例2 ガラスペーパ(45g/m2 )(オリベスト社製FVP
−045)の上に高密度ポリエチレン樹脂フィルム(8
6g/m2 、厚み90μm)を積層し、200℃の温度
に加熱された熱盤で30kg/cm2 の圧力で圧縮し
た。この後全体を冷やし複合シートを作成した。メルト
インデックス20の高密度ポリエチレン樹脂100重量
部に対してアゾジカルボンアミド5部を配合し、50m
m単軸押出機に供給し、150℃の温度でストランドダ
イより、直径略2mmの多数のストランドを幅方向に略
8mmの間隔をおいて下方に押出した。次にストランド
を一本づつ分離する分離櫛を設置し、この分離櫛を一本
一本を同期させて往復周期運動をさせた。周期運動の振
幅は略8mmとし、周期は3秒とした。次いで前記した
複合シートをストランドダイの下を32cm/分の速度
で移動させた。この操作を経た複合シート上に積層され
たストランドは、図3に示すような波形の模様をしてお
り、その振幅は略8mm、波長は略16mmの正弦波状
となっていた。次いでさらにこの上に複合シートを重ね
た後、全体を厚み1mmのステンレス製の薄い箱状体
(縦、横の内寸法250×250mm、厚み3mm、厚
みは任意に変更可能で側面の気密性はなく発泡中は常圧
となる)に入れ、この箱状体を220℃に加熱された熱
盤の間に挟んだ。次いで約2分後にストランドが発泡を
開始したのを確認した後、箱状体の厚みを3mmから5
mmまでネジをゆっくり回すことによって増し、約2分
30秒後に取出し全体を水冷されている冷却プレスの間
に挟み、冷却後繊維複合体を取出した。得られた繊維複
合体は約4.5mmの厚みで、表面材の複合シートとス
トランドから形成された芯材との接着は完全であり、サ
ンドイッチ構造とよんでよいものであった。(比重約
0.55) この繊維複合体から50mm×150mmのサイズでサ
ンプルを切取り、曲げ強度と曲げ弾性率を測定し、5回
測定の平均値を求めた。尚、サンプルの方向はは波の進
行方向(X方向)を縦としている。この結果を表2に示
す。
【0038】実施例3 実施例2において、隣合った分離櫛の往復周期運動を半
周期遅らせたこと以外は実施例2と同様の方法で行っ
た。このときストランドの模様は、図4に示すように、
網目形の模様となっていた。
【0039】
【表2】
【0040】この結果、波形の模様の実施例2、網目形
の模様の実施例3のいずれの場合でも、表2に示すよう
に、横方向の曲げ強度と曲げ弾性率は縦方向よりやや低
下するにとどまった。
【0041】実施例4 ガラスペーパー(45g/m2 )(オリベスト社製FV
P−045)の上に厚さ90μmの高密度ポリエチレン
樹脂フィルム(86g/m2 )を積層し、200℃の温
度に加熱されたロールを通すことにより圧縮し、溶融し
た樹脂をサーフェイシングマットの中に含浸させ、この
後全体を冷却することで複合シートを作成した。 この
複合シート23を繰出部25から繰出し、移送ベルトコ
ンベア27により1m/分のライン速度で移送した。次
に押出機20によりストランドダイ21から発泡性熱可
塑性樹脂ストランド22を押出し、ストランド22の間
隔が8mmになるように平行に上記の複合シート23上
に積層した。このときのストランドの配合は、メルトイ
ンデックス1.2の高密度ポリエチレン樹脂100重量
部に対してアゾジカルボンアミド5部、ミルドファイバ
(旭グラスファイバ社製T10)20部を配合したもの
を使用した。押出条件としては、押出機のバレルの設定
温度を160℃の温度に保ちストランドが発泡によって
切れないように注意した。ストランドの直径は約2mm
であった。次にさらに複合シート24を繰出部26から
繰出してストランド22上に積層した後、真空吸引孔が
設けられた厚み規制熱盤30、31の間を移送しながら
厚み規制熱盤30、31により厚みを規制しながら全体
を加熱した(210℃)。最後に冷却盤32の間を移送
して冷却し、移送ベルトコンベア27、28からの製品
を剥離させて連続的に取出した。以上の工程を経て得ら
れた繊維複合体の内部はストランドの発泡によりストラ
ンド同士が融着して連続した発泡体となっていた。又、
発泡体と表面材の複合シートとは強固に接着してサンド
イッチ構造をしており、軽量且つ高剛性となっていた。
実施例1と同様にして得られたサンプルの曲げ強度と曲
げ弾性率の値を表1に示す。又、発泡のセル構造は、図
5に示すように、厚みを広げながら発泡しているので、
厚み方向に縦長となっていた。これにより圧縮強度の向
上した繊維複合体が得られた。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明の繊維複合体におい
ては、芯材に比較的低発泡の高密度部が比較的高発泡の
低密度部内を線状に連続して形成されているので、高密
度部の補強効果により、繊維複合体の強度を向上させる
ことができ、軽量かつ高強度の繊維複合体を得ることが
できる。
【0043】請求項2記載の発明の繊維複合体において
は、芯材が、波状もしくは網目状に配列された複数の発
泡性熱可塑性樹脂ストランドを発泡させて形成した熱可
塑性樹脂発泡シートからなるので、高密度部がジクザグ
に形成され、これにより繊維複合体の横方向の強度向上
させることができ、軽量かつ横方向強度も比較的高い繊
維複合体を得ることができる。
【0044】請求項3記載の発明の繊維複合体の製造方
法においては、ストランドダイから押出した複数の発泡
性熱可塑性樹脂ストランドを熱可塑性樹脂と無機繊維の
複合シートの上に積層し、さらにその上に前記複合シー
トを積層し、この積層体を連続的に移送しながら、発泡
剤の分解温度以上の温度に加熱して発泡性熱可塑性樹脂
ストランドを発泡させてストランド同士及びストランド
と前記複合シートとを融着一体化し、次いで冷却するの
で、芯材の両面に複合シートの表面材が積層された軽量
かつ高強度の繊維複合体を連続的に簡便に単一工程で製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維複合体の一例を示す断面図。
【図2】図1の発泡前後の状態を示した断面図で、図2
aは発泡前、図2bは発泡後の状態を示した断面図。
【図3】本発明の繊維複合体の製造方法の説明図であ
り、ストランドが複合シート上に波形の模様で積層され
ている状態を示す平面図。
【図4】本発明の繊維複合体の製造方法の説明図であ
り、ストランドが複合シート上に網目形の模様で積層さ
れている状態を示す平面図。
【図5】本発明の繊維複合体の製造方法に用いて好適な
繊維複合体の製造装置の一例の正面図。
【符号の説明】
1 芯材 2 表面材 3 繊維複合体 4、11、22 ストランド 5 高密度部 10、23、24 複合シート 12 分離櫛 21 ストランドダイ 27、28 移送ベルトコンベア 30、31 厚み規制熱盤 32 冷却盤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材が熱可塑性樹脂発泡シートからな
    り、表面材が熱可塑性樹脂と無機繊維の複合シートから
    なる繊維複合体であって、芯材に比較的低発泡の高密度
    部が比較的高発泡の低密度部内を線状に連続して形成さ
    れていることを特徴とする繊維複合体。
  2. 【請求項2】 芯材が、波状もしくは網目状に配列され
    た複数の発泡性熱可塑性樹脂ストランドを発泡させて形
    成した熱可塑性樹脂発泡シートからなることを特徴とす
    る請求項1記載の繊維複合体。
  3. 【請求項3】 ストランドダイから押出した複数の発泡
    性熱可塑性樹脂ストランドを熱可塑性樹脂と無機繊維の
    複合シートの上に積層し、さらにその上に前記複合シー
    トを積層し、この積層体を連続的に移送しながら、発泡
    剤の分解温度以上の温度に加熱して発泡性熱可塑性樹脂
    ストランドを発泡させてストランド同士及びストランド
    と前記複合シートとを融着一体化し、次いで冷却するこ
    とを特徴とする繊維複合体の製造方法。
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