JPH06198747A - 光造形技術による3次元物体形成装置 - Google Patents

光造形技術による3次元物体形成装置

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JPH06198747A
JPH06198747A JP4348974A JP34897492A JPH06198747A JP H06198747 A JPH06198747 A JP H06198747A JP 4348974 A JP4348974 A JP 4348974A JP 34897492 A JP34897492 A JP 34897492A JP H06198747 A JPH06198747 A JP H06198747A
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dimensional object
light
photocurable resin
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Masahiko Abiko
雅彦 安孫子
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3次元物体の形成にかかる多くの時間を削減
し、しかも紫外線レーザの精度や耐久性もそれほど高い
ものを必要とせずに3次元物体を形成する。 【構成】 図1は本発明第1実施例の光造形技術による
3次元物体形成装置1の全体構成図であり、紫外線照射
装置3、液晶板5、光硬化性樹脂9が収納される樹脂槽
11、液晶駆動回路13、コンピュータ15等を備えて
いる。3次元物体形成装置1により樹脂槽11内に3次
元物体17が形成される。紫外線照射装置3は樹脂槽1
1の光硬化性樹脂9に紫外線を照射している。液晶板5
は紫外線照射装置3から照射される紫外線を液晶の表示
パターンにより遮断している。液晶駆動回路13はコン
ピュータ15からの平面データ(XY軸データ)を受け
液晶板5の液晶の表示パータンを制御する電気回路であ
る。コンピュータ15は3次元物体17の図形データを
入力して液晶駆動回路13等に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体状の光硬化性樹脂
に光線を照射することにより3次元物体を形成する光造
形技術による3次元物体形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工業の分野では生産の前にさまざまな3
次元モデルが試作され、外観デザイン、部品組立機構、
試験、金型製作などに役立てられている。最近では、個
人の嗜好が多様化してきたためこれらの3次元モデルは
多くの曲線が取り入れられ、ますます複雑になってきて
いる。そのため熟練者でも設計図を理解することが困難
になってきている。また進歩が著しいCAD/CAMで
も、3次元モデルが限られた条件でしか製作できないの
が現状である。このような状況から現在、創造性の高い
複雑形状のモデルの大部分は、高度な熟練者の手作業で
製作されている。しかしこれらの熟練者数は年々減少の
傾向でモデルの試作業界では危機感がもたれている。
【0003】このような背景から光造形技術により3次
元物体を形成する技術が検討されてきている。液体状の
光硬化性樹脂に紫外線等の光線を照射すれば、光エネル
ギーの与えられた部分は重合反応によって固化する。固
化する樹脂の深さおよび幅は、樹脂を構成する成分の混
合割合および照射された光のエネルギー量により変化す
る。光量と樹脂の性状を適切に調整し、この原理を立体
像の製作まで拡張・自動化したものが光造形技術による
3次元物体形成装置である。光造形技術によれば従来、
熟練者が手作業で形成していた複雑な3次元物体も容易
に形成することができる。
【0004】従来、光造形技術による3次元物体形成装
置として例えば「型技術」第7巻第6号(1992年5
月号)第20〜28頁に示される装置があった。光造形
技術による3次元物体形成装置にはいくつかのシステム
があるが、一般に図7に示す3次元物体形成装置101
のように、紫外線レーザ発振装置103、レーザ光走査
装置105、エレベータ装置107、液体状の光硬化性
樹脂109が収納される光硬化性樹脂収納部材111、
コンピュータ113等を備えている。3次元物体を形成
する際はまず、コンピュータ113に3次元CADで作
成された図形を入力し、水平面の薄い膜でスライスした
断面データを読み出す。そしてその断面データにしたが
ってレーザ光走査装置105からの紫外線を光硬化性樹
脂109の所定の位置に照射する。照射された部分の光
硬化性樹脂109は重合反応を起こして薄い硬化層11
5が形成される。次にエレベータ装置107を下方に移
動して同様の照射処理を行う。硬化層115を積み重ね
ていくことで3次元物体117が形成される。このよう
にして複雑な形状を有する3次元物体117が形成され
る。
【0005】図8はレーザ光を上から照射する場合と下
から照射する場合とを例示している。図8(a)に示す
3次元物体形成装置121では、レーザ光走査装置12
3の光線が光硬化性樹脂125に対して上から照射され
ている。この3次元物体形成装置121では樹脂の粘度
および表面張力の影響により、ある層の光線の照射終了
後、次の1層分に相当する厚さの液層を形成するために
数十秒必要となる。これを仮に待ち時間と呼ぶことにす
ると、待ち時間は各層ごとに必要となるので、結果とし
てモデルの製作を大幅に遅延する。これを短くするため
に、樹脂の粘度を低くするなどの対策がなされている
が、層厚を0.1mm以下にすることが困難なようであ
る。また空気中で化学反応を行わせるので酸素の影響が
無視できなくなる。
【0006】図8(b)に示す3次元物体形成装置13
1では、レーザ光走査装置133の光線が光硬化性樹脂
135に対して下から照射されている。この3次元物体
形成装置131では樹脂の粘度および表面張力の影響が
ないため待ち時間が比較的短く、しかもエレベータの粘
度で層厚が設定できる。さらには無酸素状態で化学反応
を進めることができ、装置全体もレーザ光を上から照射
する3次元物体形成装置121に比較してそれほど高精
度に設置する必要がないなどの利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の光造形技術による3次元物体形成装置101,
121,131によれば、レーザ光走査装置105,1
23,133により紫外線を光硬化性樹脂109,12
5,135の所定の位置に走査することで光硬化性樹脂
109,125,135を固化していたため、最終的に
所望の3次元物体が得られるまでに非常に多くの時間が
かかっていた。
【0008】例えば、レーザ光走査装置105,12
3,133により発せられる紫外線レーザの径が0.5
mm、走査速度が200mm/sec、1層分の厚さが
0.1mmであったとする。このように設定されたレー
ザ光走査装置105,123,133を用いて例えば、
300mm立方の立方体を試作しようとする場合、1層
を形成するのに約600秒、全部で3000層を形成す
ることになるので180万秒、すなわち約500時間を
要することになる。多少条件が異なったとしても、一般
に3次元物体を形成するのには昼夜を通じた運転を日単
位で行う必要があり非常に大きな時間がかかっていた。
【0009】また小さなポイントを正確な位置に照射し
つつ長時間に渡って照射できるレーザ光走査装置10
5,123,133が必要となるため、レーザ光走査装
置105,123,133の精度や耐久性もかなり高い
ものが要求される。光造形システムに利用可能な光源を
表1に示すが、精度の高い光源としてのレーザ光走査装
置105,123,133は非常に高価である。またこ
のようなレーザ光走査装置105,123,133は精
密機器として管理するのにも多くの時間や手間がかかる
問題がある。
【0010】
【表1】
【0011】本発明は、このような課題を解決するもの
とし、3次元物体の形成にかかる多くの時間を削減し、
しかも光線照射の精度もそれほど高いものである必要の
ない光造形技術による3次元物体形成装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためになされた本発明は次のような構成を採用してい
る。すなわち、図6に例示するように、液体状の光硬化
性樹脂を収納する光硬化性樹脂収納部材と、上記光硬化
性樹脂収納部材に収納される光硬化性樹脂に光線を照射
する光線照射手段と、上記光線照射手段により照射され
る光線を、電圧の印加により制御される液晶の表示パタ
ーンで遮光する液晶遮光手段と、上記光線照射手段が上
記光硬化性樹脂部材に収納される光硬化性樹脂に光線を
照射する際、上記液晶遮光手段の液晶の表示パターンを
制御する遮光領域制御手段とを備えていることを特徴と
する光造形技術による3次元物体形成装置を要旨として
いる。
【0013】
【作用】本発明の光造形技術による3次元物体形成装置
によれば、光硬化性樹脂収納部材に収納された液体状の
光硬化性樹脂に対し光線照射手段が光線を照射する。そ
の際、光線照射手段により照射される光線を、液晶遮光
手段が、電圧の印加により制御される液晶の表示パター
ンで遮光している。液晶遮光手段は、遮光領域制御手段
により液晶の表示パターンが制御されている。光線照射
手段は液晶遮光手段を介して光硬化性樹脂に光線の照射
を行うため、液晶遮光手段の液晶により遮光される遮光
領域は照射が行われず重合反応が起きない。液晶遮光手
段により遮光されない他の通過領域は、光線照射手段の
光線が光硬化性樹脂に照射され重合反応が起きて固化す
る。液晶遮光手段の表示パターンを遮光領域制御手段に
より制御するのは、電気信号を用いることができるため
操作性が非常に優れている。また光線照射手段は、小さ
なポイントを正確に照射するといった制御を必要とせず
一度に大きな領域を照射することができる。そのため迅
速に3次元物体を形成することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。図1は本発明第1実施例の光造形技術による3
次元物体形成装置1の全体構成図である。図に示す通り
3次元物体形成装置1は、紫外線照射装置3、液晶板
5、エレベータ装置7、液体の光硬化性樹脂9が収納さ
れる樹脂槽11、液晶駆動回路13、コンピュータ15
等を備えている。3次元物体形成装置1により樹脂槽1
1内に3次元物体17が形成される。
【0015】紫外線照射装置3は、光線照射手段として
の機能を果たしており、樹脂槽11の光硬化性樹脂9に
紫外線を照射する。利用可能な光源としては、表1に示
した通り、He- Cd,Arイオン,エキシマ,金属
(金)蒸気などを用いることができる。本実施例の紫外
線照射装置3では、液晶板5に対して均一に紫外線を照
射できるものであればよく、レーザ光により小さなポイ
ントを正確な位置に照射する必要はない。紫外線照射装
置3としては、液晶板5の面に対し一度に照射できるも
のであると1層分の形成が一度の照射で形成でき、迅速
に処理を進めることができ好ましい。またそうでなくて
も紫外線照射装置3は、液晶板5に対して所定の領域を
走査するよう構成されていても構わない。
【0016】液晶板5は、液晶遮光手段としての機能を
果たしており、紫外線照射装置3から照射される紫外線
を液晶の表示パターンにより遮断する。液晶板5は、2
枚の透明電極に透明な液晶材料を封入したものであり、
表側と裏側との電極間に電圧を加えると分子の配列が乱
れ、液体が濁ることにより表示パターンがあらわれる。
つまり液晶板5は、液晶駆動回路13により電圧が印加
されることで容易に液晶の表示パターンを変化させるこ
とができる。液晶が表示されている領域は遮光領域とな
り紫外線照射装置3からの紫外線は遮光され、遮光領域
を除くその他の領域は通過領域となり紫外線照射装置3
からの紫外線は樹脂槽11内の光硬化性樹脂9に照射さ
れる。
【0017】本実施例では液晶板5としてネマチック液
晶を用いている。ネマチック液晶は、図2(a)に示す
ように結晶形態が繊維状組織体を示しており、光軸をガ
ラス面に垂直の方向(正)を取っている。その動作原理
は図2(b)に示されるが、正の誘電異方性(Δε>
0)をもった液晶が電極基板面にほぼ平行に配向し、か
つ上下の基板間で90度ねじれた構造をもつ。オフ状態
では、入射光は第1偏光板201で直線偏光となり、ね
じれネマチック層で偏光方向が90度回転する結果、第
2偏光板203で遮光される。一方、十分な電圧が印加
された場合、液晶分子は電界方向に整列し、ねじれ構造
が消失するため通過光が観察される。液晶板5に用いる
液晶としては必ずしもネマチック液晶である必要はな
く、スメクチック、コレステリック等を用いてもよい。
【0018】エレベータ装置7は、樹脂槽11内に形成
される3次元物体17を支えるとともに、3次元物体1
7を上下方向に移動する。エレベータ装置7は、コンピ
ュータ15からZ軸方向の制御データを電気信号で受
け、モータ(図示せず)の駆動により3次元物体17を
上下方向に移動可能となっている。3次元物体形成装置
1では3次元物体17が下部から上部へ向かって形成さ
れていくので、3次元物体17を形成するにしたがって
エレベータ装置7により3次元物体17を下方向に移動
させることになる。
【0019】光硬化性樹脂9は液体状の光硬化性樹脂で
あり、紫外線照射装置3から照射される紫外線により重
合反応を起こして固化する。光硬化性樹脂(液体)に
は、大別してラジカル重合型とイオン重合型とがある
が、本実施例ではラジカル重合型を用いている。これは
所望の性質を有するものであればラジカル重合型とイオ
ン重合型とのどちらを用いても構わない。いずれもオリ
ゴマ(エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートな
ど)、反応性希釈剤(モノマ)、光重合開始剤(ベンゾ
イン系、アセトフェノン系など)を主成分とし、これに
安定剤,消泡剤,増感剤,着色剤,繊維状物質などが添
加されたりする。光硬化性樹脂9に紫外線を照射する
と、光エネルギーの与えられた部分は重合し、はじめは
液体のものが最終的には3次元架橋を形成し固体とな
る。固化する樹脂の深さおよび幅はオリゴマ,モノマ,
重合開始剤などの混合割合、および照射される光のエネ
ルギー源等の条件によって変化する。
【0020】樹脂槽11は、光硬化性樹脂収納部材とし
ての機能を果たし、液体状の光硬化性樹脂9を収納す
る。液晶駆動回路13は、遮光領域制御手段としての一
部機能を果たす電気回路である。液晶駆動回路13はコ
ンピュータ15からの平面データ(XY軸データ)を受
け液晶板5の液晶表示パータンを制御する。
【0021】コンピュータ15は、遮光領域制御手段と
しての一部機能を果たし、3次元CAD等で作られた3
次元物体17の図形データを入力して、エレベータ装置
7、液晶駆動回路13等に出力するパーソナルコンピュ
ータまたはエンジニアリングワークステーションであ
る。入力する3次元データを水平方向にスライスしたデ
ータがXY軸データとなり、垂直方向のZ軸データと対
応がとられてXY軸データは液晶駆動回路13に、Z軸
データはエレベータ装置7に送信される。
【0022】以下、3次元物体形成装置1により3次元
物体17を形成する手順について説明する。まず最初
に、3次元CAD等を用いて3次元物体17の設計また
はモデリングを行う。次に、このようにして作成された
3次元物体17の3次元データをコンピュータ15に入
力する。これは最初からコンピュータ15で3次元物体
17の設計またはモデリングを行なっても構わない。次
に、操作をする者はこの3次元データに、縮小率、拡大
率、回転、塗装や切削が必要な場合は保持等のための部
分、1層分の厚さ、紫外線の強度等の設定を行う。さら
にエレベータ装置7を光硬化性樹脂9の液面の僅か下方
(1層分の厚さ)に移動する等の設定全てが完了する
と、3次元物体形成装置1を作動させコンピュータ15
内に予め入力されているプログラムに基づく処理を実行
させる。
【0023】図3は、3次元物体形成装置1のコンピュ
ータ15が実行する処理を示すフローチャートである。
まず最初にコンピュータ15は、3次元物体17の3次
元データを下から水平方向にスライスしてXY軸方向の
データを読み出し、そのスライスデータを液晶駆動回路
13を介して液晶板5の液晶の表示パターンとして表示
する(S301)。すなわち、3次元物体17として光
硬化性樹脂9を固化する領域(紫外線を通過させる領
域)以外の遮断領域に液晶を表示させる。また液晶板5
が表示パターン表示する前は液晶板5の全面が液晶表示
されており、光硬化性樹脂9に対する全ての紫外線が遮
光されていたものとする。
【0024】液晶板5が表示パターンを表示すると、紫
外線照射装置3からの紫外線が液晶板5を介して光硬化
性樹脂9に照射される。この結果、液晶板5の通過領域
を通過した紫外線のみが光硬化性樹脂9に照射され、重
合反応を起こして固化する。紫外線照射装置3として一
度に液晶板5面を照射できるものを用いた場合、3次元
物体17の1層分が形成される。ここでは光硬化性樹脂
9を固化するために必要となる所定量の紫外線が、光硬
化性樹脂9に照射されればよい。本実施例では、コンピ
ュータ15は紫外線照射装置3に接続されていないが、
コンピュータ15が紫外線照射装置3のオンオフあるい
は照射強度の調整を行う構成としてもよい。
【0025】次にコンピュータ15は、エレベータ装置
7に対し垂直方向(Z軸方向)の制御信号を送りエレベ
ータ装置7を1層分だけ下に移動させる(S303)。
3次元物体17の全ての層に対してこれらの液晶表示処
理(S301)およびエレベータ移動処理(S303)
が実行される。全ての層を形成した場合、処理が終了と
なり3次元物体17が完成する(S305:Yes)。
【0026】以上示したように第1実施例としての光造
形技術による3次元物体形成装置1を用いることで、3
次元CADデータなどから直接、複雑な自由曲面や内部
構造を安価な装置で迅速に形成できる。そのためモデル
の製作費用の低減と製作時間の短縮とが可能となる。
【0027】また第1実施例の3次元物体形成装置1で
は、液晶板5が光硬化性樹脂9の液面に隙間なく備えら
れている。そのため粘度および表面張力の影響がなくな
り、待ち時間がさらに短くなるという効果がある。この
ように液晶板5と光硬化性樹脂9とが隙間なく備えられ
ていることが好ましいが、隙間が空けられて備えられて
いたとしても構わない。
【0028】図4は、第2実施例としての3次元物体形
成装置31の構成を示している。3次元物体形成装置3
1も第1実施例と同様に、紫外線照射装置33、液晶板
35、エレベータ装置37、光硬化性樹脂39が収納さ
れる樹脂槽41、液晶駆動回路43、コンピュータ45
等を備えており、樹脂槽43内に3次元物体47aが形
成される。この第2実施例では、紫外線照射装置33が
光硬化性樹脂39を下から照射しており、この点が第1
実施例と異なっている。コンピュータ45が実行する処
理手順も図3のフローチャートと同様となるが、第2実
施例ではエレベータ移動処理(S303)がエレベータ
装置37を上方に移動させる処理となる。
【0029】図5は、第2実施例としての3次元物体形
成装置31を用いた場合で3次元物体47bが形成され
る過程を示している。まず最初に3次元CAD等で、図
5(a−1)に示すような3次元物体47bがモデリン
グまたは設計される。各種設定および準備を終了する
と、コンピュータ45は図3に示したフローチャートに
基づく処理を実行する。
【0030】図5(b)は、3次元物体47bの下部分
が形成された段階を示している。この時点におけるスラ
イスデータ(XY軸データ)は、図5(a−2)に示さ
れる部分である。処理が図5(c)、図5(d)へと進
むにつれて、3次元物体47bの下部から上部が形成さ
れていく。それに伴いエレベータ装置37は3次元物体
47bを上方向に移動させている。図5(e)の状態と
なり、全ての層が形成し終わるとコンピュータ45は処
理を終了する(S305:Yes)。
【0031】第2実施例のように下から紫外線照射装置
33を照射する方法であると、第1実施例で示した効果
に加えて、光硬化性樹脂39の粘度および表面張力の影
響を容易になくすことができ、しかもエレベータの精度
で層厚が設定できるという利点がある。また無酸素状態
で化学反応を進めることができるという利点もある。
【0032】現在このような光造形技術による3次元物
体形成装置1,31は、3次元物体のモデル・メーカや
形状の検討・評価を行う業種、例えば自動車、航空、宇
宙、家電、カメラ、玩具、土木、建築、医療、彫刻、教
育など多くの業界でさまざまな用途へ適用されつつあ
る。例えば(1)インダストリアルデザインにおける意
匠設計(デザイン評価)、(2)製品開発の検討用モデ
ル(機構、組立評価)、(3)木製の代用モデル、
(4)簡易型のマスターモデル、(5)外科用身体部位
などの復元モデル、(6)実験用モデル等があげられ
る。また鋳造への応用として、木製の代用やロストワッ
クス法のろう型代用品としての用途の開発が行われてい
る。またロストワックス法のワックスモデルの代わりに
鋳造焼成工程で樹脂モデルを消失させることによる工程
の合理化の検討も実施されている。
【0033】以上説明した通り本実施例の3次元物体形
成装置1,31によれば、紫外線照射装置3,33は、
液晶板5,35を介して光硬化性樹脂9,39に照射を
行っている。液晶板5,35の液晶が表示されている領
域が遮光領域となり紫外線照射装置3,33からの紫外
線を遮光している。そのため紫外線照射装置3,33
は、光硬化性樹脂9,39に対して大きな領域を一度に
照射することができる。また液晶板5は液晶駆動回路1
3から送られる電気信号により容易に液晶の表示パター
ンを変化させることができ、操作性が非常に優れてい
る。そのため3次元物体の形成にかかる多くの時間が削
減される。しかも紫外線照射装置3,33による照射は
正確な位置にポイントを走査する必要がなく、精度の高
い装置を用いる必要がない。
【0034】特に正確な位置にポイントを走査できるレ
ーザ装置は、精度も長時間の使用に耐える耐久性からも
非常に高信頼性の装置が必要とされ高価であり、管理の
ために多くの時間や手間がかかっていた。そのため3次
元物体形成装置1,31の紫外線照射装置3,33によ
る広い領域を照射する装置であればコスト的にも大幅な
削減につながる。
【0035】また実施例では紫外線照射装置3,33に
より紫外線を照射したが、一般に強い紫外線を照射する
装置では、紫外線とともに強い赤外線(熱線)を発す
る。液晶板5,35の液晶に赤外線(熱線)があたる
と、液晶が安定せず電圧を印加しても所望の表示パター
ンとならない可能性も考えられる。その場合、光硬化性
樹脂9,39としては可視光でも固化するものがあり、
可視光で固化する光硬化性樹脂9,39を用いて、赤外
線が比較的弱い電灯や自然光等で照射すればよい。その
場合、暗室での操作が必要となる。また紫外線を光ファ
イバ等を通して熱線を取り除き冷光として照射すること
も考えられる。
【0036】一般に光硬化性樹脂9,39は、紫外線等
の光線により固化させると収縮してしまう性質がある。
光硬化性樹脂9,39の収縮率があまり大きくなると設
計やモデリングした3次元物体とは異なるものが形成さ
れてしまうため好ましくない。このように収縮が大きく
なることが予想される場合は、ガラスビーズを液体状の
光硬化性樹脂9,39に混入しておくことで収縮率を低
くすることができる。ガラスビーズならば光線を遮断す
ることもないため、多少混入されていたとしても光硬化
性樹脂の固化に問題はない。
【0037】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の光造形技術
による3次元物体形成装置によれば、光線光線照射手段
から光硬化性樹脂に照射される際、液晶により遮光する
遮光領域とその遮光領域を除く通過領域との組み合せに
より遮光する液晶遮光手段を介して行われる。液晶遮光
手段の遮光領域は遮光領域制御手段により電気信号等で
制御することができ操作性が非常に優れている。また光
線光線照射手段は一度に大きな領域を照射することがで
きる。そのため3次元物体の形成にかかる多くの時間を
削減し、しかも光線照射の精度もそれほど高いものを必
要とせずに3次元物体を形成することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明第1実施例としての光造形技術によ
る3次元物体形成装置の全体構成図である。
【図2】 ネマチック液晶の動作原理を示す説明図で
ある。
【図3】 3次元物体形成装置のコンピュータが実行
するフローチャートである。
【図4】 第2実施例としての3次元物体形成装置の
構成図である。
【図5】 3次元物体形成装置が3次元物体を形成す
る過程を示す説明図である。
【図6】 本発明の構成例示図である。
【図7】 従来例を示す第1説明図である。
【図8】 従来例を示す第2説明図である。
【符号の説明】
1,31・・・3次元物体形成装置、3,33・・・紫
外線照射装置、5,35・・・液晶板、7,37・・・
エレベータ装置、9,39・・・光硬化性樹脂、11,
41・・・樹脂槽、13,43・・・液晶駆動回路、1
5,45・・・コンピュータ、17,47a,47b・
・・3次元物体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体状の光硬化性樹脂を収納する光硬化
    性樹脂収納部材と、 上記光硬化性樹脂収納部材に収納される光硬化性樹脂に
    光線を照射する光線照射手段と、 上記光線照射手段により照射される光線を、電圧の印加
    により制御される液晶の表示パターンで遮光する液晶遮
    光手段と、 上記光線照射手段が上記光硬化性樹脂部材に収納される
    光硬化性樹脂に光線を照射する際、上記液晶遮光手段の
    液晶の表示パターンを制御する遮光領域制御手段とを備
    えていることを特徴とする光造形技術による3次元物体
    形成装置。
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