JPH06198333A - 薄板連続巻取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低速で送給される高温の薄板を所要の大きさ
のコイルに円滑に連続して巻取ることができる薄板連続
巻取り装置を提供する。 【構成】 薄板鋳片６２をオンラインの前，後段２台の
巻取り機１０からなる巻取り装置３０によってコイル状
に巻取る薄板製造設備において、前記各々の巻取り機１
０に耐熱ベルト１７を具備したベルトラッパ１６と空気
層５を有した耐熱マンドレル１を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、薄板連続鋳造装置によ
って鋳造した薄板または連続鋳造鋳片をオンラインで連
続熱間圧延した薄板をオンラインで巻取る薄板製造設備
の薄板連続巻取り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は、従来装置の一例としての双ドラ
ム式薄板連続鋳造装置による薄板製造設備を示す側面概
念図で、図７は、前記設備による薄板鋳片の連続鋳造及
び巻取りを示す側面概念図である。

【０００３】図６に示すように、ダミーシート６０を搬
送ローラ上に載置してタンゼシャルロール５７及びピン
チロール５６によって挟持し、その先端部を巻取りドラ
ム５８にボルト５９によって連結する。そして、このダ
ミーシート６０を、その後端部が、一対の冷却ドラム５
１と一対のサイド堰５２とから成る湯溜り部５３に突出
するように、双方の冷却ドラム５１によって挟持し、薄
板鋳片６２の連続鋳造に備える。

【０００４】次に、図７に示すように、湯溜り部５３に
溶湯６１を連続して供給し、双方の冷却ドラム５１を回
転しながら溶湯６１を冷却して凝固させ、薄板鋳片６２
を連続鋳造する。

【０００５】この薄板鋳片６２は、先端部が、ダミーシ
ート６０の後端部に接続され、ダミーシート６０に先導
されてタンゼンシャルロール５７，搬送ローラ５５，ピ
ンチロール５６を通板し、巻取りドラム５８によってダ
ミーシート６０と共にコイル状に巻取る。

【０００６】また、例えば、この双ドラム式または双ベ
ルト式等の連続鋳造装置のオンラインに圧延機を設け、
連続鋳造された帯板状の鋳片を連続熱間圧延するものも
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の設備では、連続
鋳造され、またはそのオンラインで連続熱間圧延され、
低速で送給される、例えば６００℃程度の高温の薄板を
直接巻取り機によってコイル状に巻取る際に、所要の大
きさのコイルに連続して巻取ることができなかった。従
って、その製品化が困難であった。

【０００８】また、従来の設備では、高温の薄板を巻取
り機によって、鋳造速度とほぼ同等の低速で巻取るの
で、所要の大きさのコイルになるまでに長時間を要す
る。このため、巻取りドラムに薄板の顕熱が充分伝熱し
て昇温し、その強度が低下したり、その作動に不具合が
発生していた。

【０００９】本発明は、このような実情の基に提案され
たもので、低速で送給される高温の薄板を所要の大きさ
のコイルに円滑に連続して巻取ることが出来る薄板連続
巻取り装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の、請求項１の発明は、薄板連続鋳造装置によって連続
鋳造した薄板、または連続鋳造装置のオンラインに配設
した圧延機によって熱間圧延した薄板を、オンラインの
複数の巻取り機からなる巻取り装置によってコイル状に
巻取る薄板製造設備において、前記各々の巻取り機に耐
熱金属製ベルトを具備した高温用ベルトラッパを設けた
ことを特徴とする。

【００１１】請求項２の発明は、薄板連続鋳造装置によ
って連続鋳造した薄板、または連続鋳造装置のオンライ
ンに配設した圧延機によって熱間圧延した薄板を、オン
ラインの複数の巻取り機からなる巻取り装置によってコ
イル状に巻取る薄板製造設備において、前記各々の巻取
り機に、セグメントと外層との間に両者との接触面積が
小さい多数の支持材を介装して空気層を形成した耐熱マ
ンドレルを設けたことを特徴とする。

【００１２】請求項３の発明は、薄板連続鋳造装置によ
って連続鋳造した薄板、または連続鋳造装置のオンライ
ンに配設した圧延機によって熱間圧延した薄板を、オン
ラインの複数の巻取り機からなる巻取り装置によってコ
イル状に巻取る薄板製造設備において、前記薄板の水平
方向走行面の上方に列設した複数の巻取り機と、この各
々の巻取り機に前記薄板を送給するように設けたデフレ
クタピンチロールと、この各々のデフレクタピンチロー
ルの出側で前記水平方向走行面から上方に回動するよう
に設けたゲートロールと、このゲートロールの出側の前
記水平方向走行面の上方に設けたデフレクタロールとを
具備したことを特徴とする。

【００１３】

【作用】請求項１の発明によれば、連続鋳造して直接、
またはオンラインで連続熱間圧延され、鋳造速度とほぼ
同等の低速で各々の巻取り機に順次送給される、高温の
薄板の先端を、その高温用ベルトラッパの耐熱金属製ベ
ルトによって巻取り機のマンドレルに巻き付け、巻取り
を開始する。

【００１４】請求項２の発明によれば、各々の巻取り機
に順次、低速で送給される高温の前記薄板鋳片を、セグ
メントと外層との間に多数の支持材によって空気層を形
成した耐熱マンドレルによって薄板コイルに連続して巻
取り、セグメントの昇温を防止する。

【００１５】請求項３の発明によれば、低速で走行する
薄板を、第一段デフレクタピンチロール及び上方に回動
した第一段ゲートロールによって第一段巻取り機に送給
し、薄板コイルに巻取る。第一段ゲートロールはこの巻
取りを開始すると、下方に回動して水平方向走行面に戻
る。この薄板コイルが所要の大きさになると、送給され
る薄板を切断し、第一段デフレクタピンチロールによる
圧下を解除し、次段のゲートロールを上方に回動する。
そして、切断後送給された後続の薄板を次段のデフレク
タピンチロールによって圧下し、ゲートロールを介して
次段の巻取り機に送給し、前述と同様に、所要の大きさ
の薄板コイルに連続して巻取る。このようにして、薄板
を各々の巻取り機によって順次巻取り、最終段巻取り機
による巻取り完了が近くなるとゲートロールを上方へ回
動し、走行する薄板をデフレクタロールによって前記水
平方向走行面近くに押えながら第一段巻取り機の巻取り
開始位置方向へ持ち上げ、第一段デフレクタピンチロー
ルの入側で切断する。後端部を切断された薄板はゲート
ロールの上面及びデフレクタロールの下面を通って最終
段巻取り機によって巻取られる。また、前記切断部の後
方の後続する薄板の先端部が第一段デフレクタピンチロ
ールに噛込むと、この第一段デフレクタピンチロールを
圧下し、ゲートロールから第一段巻取り機に送給して巻
取りを開始する。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図１は、本発明の一実施例である、双ドラ
ム式薄板連続鋳造装置による薄板製造設備を示す側面概
念図、図２は図１の巻取り機の耐熱マンドレルの構成を
示す説明図、図３は耐熱マンドレルの変形例を示す説明
図である。なお、従来の装置と同一の部材及び部位に
は、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。

【００１７】図１において、薄板鋳片６２の巻取り装置
３０は、耐熱マンドレル１を具備した前，後段２台の巻
取り機１０と、各々の巻取り機１０にそれぞれ付設され
たベルトラッパ１６，ゲート切替機構付きのデフレクタ
ピンチロール１８及びコイルカー１９，２９とによって
構成される。

【００１８】耐熱マンドレル１は、特公昭５８ー３２０
０７号公報によって開示されたものと同一に構成された
ものであり、図２または図３に示すように、セグメント
２と、外層３と、このセグメント２と外層３とに介装さ
れた円柱形の支持材４ａまたは円錐形の支持材４ｂとを
具備していて、薄板鋳片６２の顕熱の伝達を防止する空
気層５が形成されている。

【００１９】ベルトラッパ１６は、高温での張力付与に
耐えられるように、例えばニッケル，クロム合金等のメ
ッシュ製の耐熱ベルト１７を具備していて、その他の構
成は公知のものと同一である。

【００２０】図中左方のコイルカー１９は、進行する薄
板鋳片６２と干渉しないように、そのサイドル２０は片
持ちになっている。また、この巻取り装置３０の入側に
は、公知の走間切断機（フライングシャー）４０が配設
されている。

【００２１】次に、本装置の作用について説明する。従
来の技術と同様にダミーシート６０を設定し、双方の冷
却ドラム５１とサイド堰５２とで形成する湯溜り部５３
に溶湯６１を連続して供給し、双方の冷却ドラム５１を
回転しながら溶湯６１を冷却して凝固させ、ダミーシー
ト６０によって先導しながら下方へ排出して薄板鋳片６
２を連続鋳造する。

【００２２】この例えば６００℃程度に冷却された薄板
鋳片６２を、タンゼンシャルロール５７及びピンチロー
ル５６によって搬送ローラ５５上を進行させ、ダミーシ
ート６０及び鋳造開始時の板厚非定常部をフライングシ
ャー４０によって薄板鋳片６２の先端部から切り離し、
図１に示すように、巻取り装置３０の図中右方へ搬送す
る。

【００２３】そして、前記先端部をゲート切替機構付き
のデフレクタピンチロール１８によって図中左方の巻取
り機１０の耐熱マンドレル１に送給し、ベルトラッパ１
６によってこの耐熱マンドレル１に巻き付け、所要の層
数を巻き取ると、ベルトラッパ１６を図中右方へ移動さ
せ、薄板コイル６３に巻き取る。

【００２４】この薄板コイル６３が所要の大きさになる
と、進行している薄板鋳片６２をフライングシャー４０
によって切断し、図中左方のデフレクタピンチロール１
８を通過させて図中右方の巻取り機１０に送給する。そ
して、前述と同様に耐熱マンドレル１によって薄板コイ
ル６３に巻き取る。

【００２５】この巻取りの間に、図中左方の巻取り機１
０によって巻き取った薄板コイル６３をコイルカー１９
によって耐熱マンドレル１から抜き取って搬送し、次の
巻取りに備える。

【００２６】このような作用を反復し、連続鋳造される
薄板鋳片６２を順次、薄板コイル６３に連続して巻き取
る。

【００２７】図４は、本発明の別の実施例である、連続
鋳造装置を用いた薄板製造設備における連続巻取り装置
の側面概念図で、図５はその作用状態図である。

【００２８】これは、先の実施例における水平方向走行
面（パスライン）の上方に巻取り機１０及びデフレクタ
ピンチロール１８（の上ロール）を列設し、各々のデフ
レクタピンチロール１８の出側のパスラインの下方にゲ
ートロール２１を、デフレクタピンチロール１８の上下
ロールの接点を中心に回動自在に設け、このゲートロー
ル２１の出側のパスラインの上方にデフレクタロール２
２を設けた例である。

【００２９】これによれば、最終段の巻取り機１０によ
る薄板鋳片６２の巻取り完了が近くなって、この薄板鋳
片６２を第一段のデフレクタピンチロール１８の入側で
切断すると、後端部はゲートロール２１及びデフレクタ
ロール２２にガイドされて最終段の巻取り機１０に送給
され、後続の薄板鋳片６２の先端部は、ゲートロール２
１にガイドされて第一段の巻取り機１０に送給されるの
で、先行段の巻取り機１０から後行段の巻取り機１０へ
容易にかつ円滑に巻取りを切り替えることができる。

【００３０】なお、本発明は、上記各実施例に限定され
るものでなく、種々の装置で連続鋳造した帯状の鋳片を
オンラインで連続熱間圧延した薄板にも適用できるもの
である。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果が得られる。 （１）請求項１の発明では、連続鋳造装置による薄板製
造設備のオンラインに設けた複数の巻取り機に、耐熱金
属製ベルトを具備したベルトラッパをそれぞれ設けたこ
とにより、耐熱金属製ベルトが昇温してもその強度が大
きく低下しないので、低速で送給される高温の薄板を連
続して容易に巻取り開始することができる。

【００３２】（２）請求項２の発明では、前記（１）項
の各々の巻取り機にセグメントと外層の間に多数の支持
材を介装して空気層を形成した耐熱マンドレルを設けた
ことにより、この空気層が低速で巻き取られる高温の薄
板の顕熱の、セグメント及び巻取り軸への伝熱を防止す
るので、その昇温による強度低下や作動の不具合を防止
することができる。

【００３３】（３）請求項３の発明では、パスラインの
上方に複数の巻取り機及びデフレクタピンチロールを列
設し、各々のデフレクタピンチロールの出側のパスライ
ンの下方にゲートロールを設け、このゲートロールの出
側のパスラインの上方にデフレクタロールを設けたこと
により、最終段巻取り機による薄板の巻取り完了が近く
なって、この薄板を第一段デフレクタピンチロールの入
側で切断すると、後端部はゲートロール及びデフレクタ
ロールにガイドされて最終段巻取り機に送給され、後続
薄板の先端部は、ゲートロールにガイドされて第一段の
巻取り機に送給されるので、先行段の巻取り機から後行
段の巻取り機へ容易にかつ円滑に巻取りを切り替えるこ
とができる。従って、連続して送給される薄板を、所要
の大きさの薄板コイルに連続して巻き取ることができ、
その製品化が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である、双ドラム式薄板連続
鋳造装置による薄板製造設備を示す側面概念図である。

【図２】図１の巻取り機の耐熱マンドレルの構成を示す
説明図である。

【図３】同じく耐熱マンドレルの変形例を示す説明図で
ある。

【図４】本発明の別の実施例である、連続鋳造装置を用
いた薄板製造設備における連続巻取り装置の側面概念図
である。

【図５】同じく作用状態図である。

【図６】従来の薄板製造設備を示す側面概念図である。

【図７】同じく作用状態図である。

【符号の説明】

１ 耐熱マンドレル ２ セグメント ３ 外層 ４ａ，４ｂ 支持材 ５ 空気層 １０ 巻取り機 １６ ベルトラッパ １７ 耐熱ベルト １８ デフレクタピンチロール ２１ ゲートロール ２２ デフレクタロール ３０ 巻取り装置 ４０ フライングシャー ５１ 冷却ドラム ５２ サイド堰 ５３ 湯溜り部 ６１ 溶湯 ６２ 薄板鋳片 ６３ 薄板コイル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 行雄 広島県広島市西区観音六丁目４番31号 株 式会社リョーセンエンジニアズ内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄板連続鋳造装置によって連続鋳造した
   薄板、または連続鋳造装置のオンラインに配設した圧延
   機によって熱間圧延した薄板を、オンラインの複数の巻
   取り機からなる巻取り装置によってコイル状に巻取る薄
   板製造設備において、前記各々の巻取り機に耐熱金属製
   ベルトを具備した高温用ベルトラッパを設けたことを特
   徴とする薄板連続巻取り装置。
2. 【請求項２】 薄板連続鋳造装置によって連続鋳造した
   薄板、または連続鋳造装置のオンラインに配設した圧延
   機によって熱間圧延した薄板を、オンラインの複数の巻
   取り機からなる巻取り装置によってコイル状に巻取る薄
   板製造設備において、前記各々の巻取り機に、セグメン
   トと外層との間に両者との接触面積が小さい多数の支持
   材を介装して空気層を形成した耐熱マンドレルを設けた
   ことを特徴とする薄板連続巻取り装置。
3. 【請求項３】 薄板連続鋳造装置によって連続鋳造した
   薄板、または連続鋳造装置のオンラインに配設した圧延
   機によって熱間圧延した薄板を、オンラインの複数の巻
   取り機からなる巻取り装置によってコイル状に巻取る薄
   板製造設備において、前記薄板の水平方向走行面の上方
   に列設した複数の巻取り機と、この各々の巻取り機に前
   記薄板を送給するように設けたデフレクタピンチロール
   と、この各々のデフレクタピンチロールの出側で前記水
   平方向走行面から上方に回動するように設けたゲートロ
   ールと、このゲートロールの出側の前記水平方向走行面
   の上方に設けたデフレクタロールとを具備したことを特
   徴とする薄板連続巻取り装置。