JPH06197629A - 茸類の菌床栽培方法 - Google Patents

茸類の菌床栽培方法

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JPH06197629A
JPH06197629A JP4229665A JP22966592A JPH06197629A JP H06197629 A JPH06197629 A JP H06197629A JP 4229665 A JP4229665 A JP 4229665A JP 22966592 A JP22966592 A JP 22966592A JP H06197629 A JPH06197629 A JP H06197629A
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JP
Japan
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culture medium
sheet
days
protective film
container
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Pending
Application number
JP4229665A
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English (en)
Inventor
Kazuo Watanabe
和夫 渡辺
Masahide Kubo
正秀 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KATSURAGI SANGYO YUGEN
Nara Prefecture
Original Assignee
KATSURAGI SANGYO YUGEN
Nara Prefecture
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】子実体が発芽成育する場所を、培養基の表面の
所望の位置に特定することができるとともに、成育条件
を任意に変更することのできるような栽培方法を提供す
ることを目的としている。 【構成】培養基1の回りに保護膜11を形成し、上下反転
させてから110 日程度経過してから前記シート3を剥が
し、浸水などの発生処理を実施すると、3〜7日後にこ
の面Aにのみ子実体4が発生し始める。発生処理後、10
7 日間にわたって、子実体4が収穫できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロック状に形成した
培養基を用いた茸類の栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】茸類の施設栽培における菌床栽培に用い
る培養基の培養方法としては、きのこ培養基を、通気孔
(フィルター付)を設けた袋に入れて菌糸を蔓延させる
袋栽培方法と、ビンに入れるビン栽培方法がある。しか
し、これらの袋栽培方法やビン栽培方法では、培養基の
均一な分解、代謝水の除去及び保護膜の厚さの制御が困
難なため、害菌に侵されやすく、安定した栽培が困難で
あり、高品質の茸類を栽培することはできなかった。
【0003】そこで、昭和56年7月25日付けで農山
漁村文化協会より発行された、庄司当著の「ナメコ栽培
の実際」の207 頁や、特開平1−160431号、特開
平2−163005号、特開平3−112417号公報
には、複数の容器中の培養基に菌糸を接種して蔓延させ
てから、各容器から培養基を掻き出してまとめて大きな
体積の容器に詰め込んで、容器の中に充填されたブロッ
ク状の培養基を形成する栽培方法が開示されている。
【0004】特開平1−160431号公報には、培養
基の表面を容器との間に隙間を設けないように収容する
とともに、容器に充填された状態の培養基の表面の一部
を、発芽育成する子実体が互いに重なり合わないだけの
間隔をあけて設けた複数の小孔内に露出させ、この露出
させた部分から子実体を発芽育成させるように構成した
栽培方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
な従来の栽培方法では、確かにブロック状の培養基を形
成して、十分な養分を供給することが可能ではあるが、
培養基を充填しておく容器もしくは袋が必要である。そ
のような容器や袋を用いる栽培方法では、培養基の分解
過程に生じる代謝水が容器,袋の底部に溜まり、代謝水
に浸かった部分への酸素の供給が不十分となり、培養基
の分解が不十分になるという問題と、雑菌が繁殖しやす
くなるという問題がある。
【0006】また、容器,袋と密着している培養基の部
分では、空気の供給が不十分となるので、菌糸の蔓延、
および培養基の分解が不充分となり、培養基が弱く崩れ
やすくなり、収穫が終わるまで容器に入れておかなけれ
ばならないという欠点がある。また、子実体が発芽成育
する位置となる小孔の間隔や大きさが決められると、成
育する子実体への条件が限定されるので、多種類の異な
った条件の要求に応じるには、それぞれ異なる条件の小
孔が設けられた容器,袋を多種類準備しなければならな
いので、不便であった。
【0007】そこで、本発明は、子実体が発芽成育する
場所を、培養基の表面の所望の位置に特定することがで
きるとともに、成育条件を任意に変更することのできる
ような栽培方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の茸類の菌床栽培
方法においては、殺菌した後の茸類栽培用の培養基に種
菌を接種し、前記培養基の表面の所望の部分のみを多数
の微細透孔が設けられたシートで覆い、前記シートで覆
った部分以外の面は露出させることによって菌糸の蔓延
による培養基の分解を促進して固い保護膜を形成し、前
記シートで覆った部分は所定の期間経過後に露出させる
ことによってこの場所にのみ子実体を発芽成育させ、培
養基の表面の所望の部分にのみ子実体を発芽成育させる
ようにした。
【0009】
【作用】上記構成の本発明の茸類の菌床栽培方法によれ
ば、殺菌した後の茸類栽培用の培養基に種菌を接種し、
前記培養基の表面の所望の部分のみを多数の微細透孔が
設けられたシートで覆って、他の表面は露出させたこと
により、十分に空気が供給されるので、培養基の分解が
均一に進み表面に固い保護膜が形成される。
【0010】固くなった保護膜は、培養基内部の乾燥を
防ぐとともに、害菌に対する抵抗力を強くし、培養基の
形状を壊れないように保持する。
【0011】そして、所定の期間経過後にシートを剥が
すが、シートを早めに剥がして露出する期間を長くする
と、剥がした表面には保護膜が形成され始めるため厚く
なり、発芽する子実体の個数が少なくなり、それぞれが
大きくなる。一方、長期間経過後にシートを剥がして露
出する期間を短くすると、剥がした表面の保護膜は薄
く、発芽する子実体の個数が多くなり、それぞれが小さ
くなる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の茸類の菌床栽培方法を実施
例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の茸類の菌
床栽培方法の実施例を示す斜視図、図2は同実施例の培
養基の側面断面図、図3は子実体が発生した状態の培養
基の斜視図である。
【0013】図1,2,3において、1は、殺菌された
培養基にしいたけの種菌を接種したものをブロック状に
成形した培養基である。このブロック状の培養基1の組
成は、ブナのオガ屑(乾重)17g/100 ml、米ぬか
(乾重)2.8 g/100 ml、バイデル(乾重)2.3 g/
100 mlであり、その含水率は60%とした。この培養基
を、容積800 〜1000mlの小型の複数の容器に入れ、接種
した後に菌糸を蔓延させて、二十日程経過してから取り
出しす。これを、断面形状が台形状の箱型の大型容器2
に入れて、2〜10kgのブロック状に成形して培養基1を
得る。このとき、前記容器2の底には0.1 ミクロンから
0.5 ミクロン程度の微小透孔が多数形成されたシート3
を敷いておく。
【0014】なお、前記シート3は、ミクロポァフィル
ター又は有孔ポリフィルムが好ましく、これらに形成さ
れている微小透孔は、若干の通気性を持っており培養基
の分解は進行するが、菌糸が侵入する程の大きさではな
い。このようにして、培養基1を入れた大型容器2に通
気フィルタを備えた蓋を被せ、培養基1の上面Bを中心
に、十日程蔓延させる。
【0015】次に、容器2ごと天地を逆にして、培養基
1を底面と側面から離して、容器との間に隙間を設ける
と、培養基1の他の面C,D,E,Fにも、十分な空気
が供給されるので、菌糸の保護膜11の形成が促進されつ
つ、培養基は全体的に均一に分解される。また、培養基
1の天地を逆にしたときに、培養基1と容器との間に隙
間を設けて宙に浮くようにすることにより、培養基1は
代謝水に接することなく分解される。
【0016】このとき、面Aには、前記シート3が覆っ
ているので、他の面のような保護膜の形成は阻害され
る。
【0017】このようにして、110 日経過して熟成が終
了後に、容器2から培養基1を取り出す。図2に示すよ
うに、この状態の培養基1の面Aには、シート3が覆っ
ていて保護膜は形成されていないが、他面は固い保護膜
11が形成されている。
【0018】このようにして、栽培室において適温,適
湿状態に保ち、所定の期間,例えば培養基1を上下反転
させてから110 日経過後に前記シート3を剥がすと、菌
糸が絡みつくことなく剥がすことができる。そして、浸
水などの発生処理を実施すると、3〜7日後にこの面A
にのみ子実体4が発生し始める。発生処理後、107 日間
に、子実体4が表1に示した通り収穫できた。
【0019】なお、発生処理を施すタイミングは、培養
基1の重量減少を監視することで知ることが可能であ
る。例えば、培養基の重量が27%から35%程度減少した
時点が好ましい。
【0020】前記シート3を早めに剥がすと、面Aにお
ける保護膜11も厚く形成されるが、剥がすタイミングを
遅らすと、面Aにおける保護膜11は薄く形成される。
【0021】シート3を剥がした後の面Aには、子実体
4が発芽し成長するが、他の面B,C,D,E,Fには
固い保護膜11が形成されているので、子実体が発芽する
ことはできない。子実体が発芽する面Aの保護膜11が厚
いと、強い子実体のみが発芽成長するので、収穫する茸
の個数は少ないが、一個あたりの重さは重いので、単価
の高い茸を生産することができる。
【0022】子実体が発芽する面Aの保護膜11が薄い
と、多数の子実体が発芽成長するので、収穫する茸の個
数は多くなるが、一個あたりの重さが軽く単価の安い茸
を生産することができる。このような茸の収穫を数回繰
り返すことができる。
【0023】この場合の実験データを表1に示す。
【0024】
【表1】 表1において、ブロックNo. 1,2は、20日間のビン栽
培後に、大型容器2に入れ、10日後に上下反転し、更に
110 日間熟成させ、発生処理後107 日間に子実体4を収
穫したものである。なお、椎茸の品種は、北研600号
である。
【0025】ブロックNo. 1は、前記培養基1をシート
3を使用せずに、大型容器2に7415グラム入れて形成し
たものであり、120 日後に発生処理を施したときは、培
養基1の重量が29%減少していた。そして、第1回目の
収穫は、大型の子実体(L)が13個、中型(M)が10
個、第2回目は、大型(L)が6個、中型(M)が6
個、第3回目は、大型(L)が11個、中型(M)が14
個、第4回目は、大型(L)が7個、中型(M)が4
個、小型(S)が1個であった。合計で、大型(L)が
37個、中型(M)が34個、小型(S)が6個、合計で個
数は72個、重量は1,986 グラムであった。
【0026】本発明の栽培方法によるブロックNo. 2
は、前記培養基1をTPX製のシート3を敷いた大型容
器2に8,190 グラム入れて形成したものであり、120 日
後に前記シートを剥がし発生処理を施したときは、培養
基1の重量が27%減少していた。これは、第1回目の収
穫は、大型の子実体(L)が12個、中型(M)が43個、
小型(S)が59個、第2回目は、大型(L)が0個、中
型(M)が24個、小型(S)が58個、第3回目は、大型
(L)が5個、中型(M)が11個、小型(S)が5個、
第4回目は、大型(L)が1個、中型(M)が8個であ
った。合計で、大型(L)が18個、中型(M)が86個、
小型(S)が122 個、合計で個数は226 個、重量は2,62
8 グラムであった。
【0027】本発明の栽培方法によるブロックNo. 3,
4は、20日間のビン栽培後に、中型容器に入れ、15日後
に上下反転し、更に72日間熟成させ、56日間で収穫した
ものである。これは前記培養基1を有孔ポリシート製の
シート3を敷いた中型容器に何れも1,785 グラム入れて
形成したものであり、72日後に発生処理を施したとき
は、培養基1の重量が30%減少していた。
【0028】上下反転後32日目に前記シート3を剥がし
た前記ブロックNo. 3では、表1の通り、3回の収穫の
合計で、大型の子実体(L)が8個、中型(M)が17
個、合計25個,460 グラムであった。
【0029】上下反転後72日目に前記シート3を剥がし
たブロックNo. 4においては、表1に示したように、3
回の収穫の合計で、大型(L)が6個、中型(M)が14
個、小型(S)が18個、合計で個数は38個、重量は515
グラムであった。
【0030】このように、シート3で覆っておくことに
より、数量は約3倍,重量は約3割増しのシイタケを収
穫することが可能になった。また、シート3を剥がすタ
イミングを変えて保護膜11の厚みを制御することによっ
て、収穫される子実体4の大きさや数量を変えることが
可能となった。
【0031】また、図4に示したように、大型容器2に
充填するときに、複数の透孔が形成された部材12を培
養基1に押し込んでおくことによって、上下反転したと
きの支柱となるとともに、前記透孔からも空気が供給さ
れるので、培養基の分解が促進される。
【0032】また、図5に示したように、培養基1の側
面にアクリル板等13を押し当てて、この部分に空気が
十分に供給されないようにし、固い保護膜の形成を部分
的に抑制し、保護膜が形成されてから、前記アクリル板
等13を取り除いて、この場所に子実体が発芽するよう
にすることもできる。
【0033】
【発明の効果】このようにして、本発明の茸類の菌床栽
培方法によれば、培養基の所望の発生面に多数の微小透
孔が設けられたシートを被せ、他の面には保護膜を厚く
形成させておき、所定の期間経過後に前記シートを剥が
すことによって、前記発生面に所望の厚さの保護膜を形
成するようにしたので、発生面の保護膜を厚くすると大
型の子実体を少量発生させ、発生面の保護膜を薄くする
と小型の子実体を多量発生させることが可能となった。
即ち、収穫する子実体の大きさ若しくは数量の何れか
を、ある程度指定することが可能となったので、市場の
傾向に応じて最適の形態で収穫できるという効果が得ら
れる。
【0034】また、前記シートを被せる面を選択するこ
とによって、発生面を所望の面に特定することが可能と
なり、栽培の管理が容易になるという効果が得られる。
また、固くなった保護膜は、培養基内部の乾燥を防ぐと
ともに、培養基の形状を壊れないように保持し、害菌に
よる被害を著しく低減するため、長期間にわたって培養
基の形状を保護し、安定した収穫をすることが可能とな
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の茸類の菌床栽培方法の実施例の側面断
面図である。
【図2】同方法による培養基の側面断面図である。
【図3】同方法による子実体の発生した状態を示す斜視
図である。
【図4】同方法の別実施例の側面断面図である。
【図5】同方法による別実施例の培養基の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 培養基 2 容器 3 シート 4 子実体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】殺菌した後の茸類栽培用の培養基に種菌を
    接種し、前記培養基の表面の所望の部分のみを多数の微
    細透孔が設けられたシートで覆い、前記シートで覆った
    部分以外の面は露出させることによって菌糸の蔓延によ
    る培養基の分解を促進して固い保護膜を形成し、前記シ
    ートで覆った部分は所定の期間経過後に露出させること
    によってこの場所にのみ子実体を発芽成育させ、培養基
    の表面の所望の部分にのみ子実体を発芽成育させるよう
    にしたことを特徴とする茸類の菌床栽培方法。
JP4229665A 1992-08-28 1992-08-28 茸類の菌床栽培方法 Pending JPH06197629A (ja)

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