JPH06196801A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法

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JPH06196801A
JPH06196801A JP33149892A JP33149892A JPH06196801A JP H06196801 A JPH06196801 A JP H06196801A JP 33149892 A JP33149892 A JP 33149892A JP 33149892 A JP33149892 A JP 33149892A JP H06196801 A JPH06196801 A JP H06196801A
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浩樹 内藤
Hideyuki Sugiura
秀幸 杉浦
Toru Takayama
徹 高山
Masahiro Kume
雅博 粂
Kunio Ito
国雄 伊藤
Kazunari Ota
一成 太田
Yuichi Shimizu
裕一 清水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスク等の光源として用いる780nm
帯で、低動作電流、低雑音特性の半導体レーザ装置およ
び、その製造方法を提供する。 【構成】 活性層の主面の少なくとも一方の側に、一導
電型のGa1ーY1AlY1As第一光ガイド層、Ga1ーY2
Y2Asあるいは、In0.5Ga0.5P、In0. 5(Ga
Al)0.5P、InGaAsP第二光ガイド層を順次、
備えるとともに、前記Ga1ーY2AlY2As第二光ガイド
層上には、これとは逆導電型でストライプ状の窓を有す
るGa1ーZAlZAs電流ブロック層が形成されており、
前記ストライプ状の窓には前記光ガイド層と同じ導電型
のGa1ーY3AlY3Asクラッド層を備えてなる。ここ
で、AlAs混晶比、Y1、Y2,Y3およびZは、Z
>Y3>Y2、Y1>Y2の関係を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスク等の光源とし
て好適な、可視域の波長をもつ低動作電流、低雑音の半
導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下に従来の半導体レーザ装置について
説明する。
【0003】図15は従来の半導体レーザ装置の断面図
である。(特開昭62−73687)n型のガリウムヒ
素(GaAs)基板21の上にn型のガリウムアルミヒ
素(Ga0.65Al0.35As)クラッド層22、GaAs
活性層23、p型のGa0.75Al0.25As第一クラッド
層24があり、電流チャンネルとなる窓25a以外の部
分には電流狭窄のために、n型のGa0.51Al0.49As
電流ブロック層25が形成されている。26は、再成長
により形成されたp型のGa0.75Al0.25As第二クラ
ッド層、27は、p型のGaAsコンタクト層である。
【0004】図15の構造において、p型のGaAsコ
ンタクト層27から注入される電流は、窓25a内に有
効に閉じ込められ、窓25a下部のGaAs活性層23
でレーザ発振が生じる。このとき、n型のGa0.51Al
0.49As電流ブロック層25の屈折率は、p型のGa
0.75Al0.25As第二クラッド層26の屈折率より小さ
くなっており、レーザ光も窓25a内に有効に閉じ込め
られる。また、n型のGa0.51Al0.49As電流ブロッ
ク層25の禁制帯幅は、GaAs活性層23の禁制帯幅
よりも、十分、大きいので、レーザ光に対してn型のG
0.51Al0.49As電流ブロック層25は透明となり、
内部損失の小さい低動作電流の半導体レーザが得られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来構造の半導
体レーザでは再成長が困難となるため、p型のGa0.75
Al0.25As第一クラッド層22のAlAs混晶比を高
くできず、温度特性が悪いという問題があった。そのた
め、特に、780nm帯の可視域のレーザが容易に実現
できないという問題があった。すなわち、AlAs混晶
比の高いGaAlAs上に再成長を行うと、表面酸化の
問題から、再成長界面の結晶性が悪くなり、電流−電圧
特性に不良が発生するため、第一クラッド層22のAl
As混晶比をある程度低くする必要があるためである。
容易に作製するためには、AlAs混晶比を0.3以下
にする必要があるが、キャリアの活性層への閉じ込めが
制限されるので、温度特性の優れたレーザは得られな
い。特に、AlAs混晶比が0.5程度必要な可視域で
のレーザ発振はこの場合、非常に困難である。また、ス
トライプ部のエッチングにおいて、時間制御のエッチャ
ントを用いているため、エッチングを薄い第一クラッド
層内で停止させることが困難であり、歩留の低下を招い
ていた。
【0006】さらに、光ディスク等への応用において要
求される低雑音特性の実現も困難である。なぜなら、第
一クラッド層22のAlAs混晶比が上記理由により低
く設定する必要があるので、接合に水平方向の実効屈折
率差が大きくなりスペクトルの単一モード性が高くなる
からである。
【0007】本発明は、上記問題を解決するもので、温
度特性、雑音特性および、製造方法を改善し、可視域に
おいても、容易に作製ができる低動作電流値、低雑音の
半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の半導体レーザ装置は、活性層の主面の少なく
とも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光
ガイド層とエッチングストップ層として作用するAl組
成の低いGa1-Y2AlY2Asあるいは、In0. 5Ga0.5
P、In0.5(GaAl)0.5P、InGaAsPからな
る第二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光
ガイド層上に、これとは逆の導電型でストライプ状に選
択的にエッチングされた窓を有するGa1-ZAlZAs層
が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光
ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えて
なり、AlAs混晶比、Y1、Y2、Y3およびZの間
に、Z>Y3>Y2、Y1>Y2の関係を成立させた構
成を有している。
【0009】
【作用】この構成によって、活性層へのキャリアの閉じ
込めはAlAs混晶比の高いGa1-Y1AlY1As第一光
ガイド層により決定され、再成長はAl組成の低い第二
光ガイド層上への成長となるため、容易に再成長が行え
る。また、ストライプ状の窓を選択エッチングにより制
御良く形成できる。さらに、第一光ガイド層のAlAs
混晶比を高くすることで、接合に水平方向の実効屈折率
差を小さくし、スペクトルを多モード化できる。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例における半導体レ
ーザ装置の断面図である。n型のGaAs基板1の上
に、n型のGaAsバッファ層2が形成されており、そ
の上にn型のGa0.5Al0.5Asクラッド層3、Ga
0.85Al0.15As活性層4、p型のGa0.5Al0.5As
第一光ガイド層5、p型のGa0.8Al0.2As第二光ガ
イド層6が形成されており、電流狭窄のために電流チャ
ンネルとなる窓7a以外の領域には、n型のGa0.4
0.6As電流ブロック層7が形成されている。8はG
0.8Al0.2As保護層、9はp型のGa0.5Al0.5
sクラッド層、10はp型のGaAsコンタクト層であ
る。
【0012】ここで、安定な単一横モード発振を得るた
めに、電流ブロック層7のAlAs混晶比をp型のGa
0.5Al0.5Asクラッド層9のAlAs混晶比より、高
く設定する。もし、電流ブロック層7のAlAs混晶比
がクラッド層9と同様である場合、プラズマ効果による
ストライプ内の屈折率の低下があり、アンチガイドの導
波路となり、単一な横モード発振は得られない。いわん
や、電流ブロック層7のAlAs混晶比がp型のGa
0.5Al0.5Asクラッド層9より、低い場合は、完全
に、横モードが不安定になる。図1に示す本実施例で
は、電流ブロック層7のAlAs混晶比をp型のGa
0.5Al0.5Asクラッド層9のAlAs混晶比より、
0.1高く、0.6としている。
【0013】この構造において、p型のGaAsコンタ
クト層10から注入される電流は窓7a内に閉じ込めら
れ、7a下部のGa0.85Al0.15As活性層4で780
nm帯のレーザ発振が生じる。ここで、p型のGa0.5
Al0.5As第一光ガイド層5のAlAs混晶比は、活
性層のAlAs混晶比より十分に高く、活性層へ有効に
キャリアを閉じ込め、温度特性の良好な可視域の発振を
可能としている。具体的に、特性温度が150K以上の
良好な温度特性を有する780nm帯のレーザ発振を得
るためには、AlAs混晶比0.45以上が必要であ
り、本実施例では、0.5とした。図15に示す従来の
構成では、この第一光ガイド層上への結晶成長が必要と
なるが、AlAs混晶比が0.3以上の層上の再成長は
表面酸化の問題があり、温度特性の良好な可視域の半導
体レーザの実現は困難であった。この問題を解決するた
めに、本発明では、第一光ガイド層上にAlAs混晶比
の低い第二光ガイド層を導入している。すなわち、図1
において、再成長はAlAs混晶比の低いp型のGa
0.8Al0.2As第二光ガイド層6上への成長となるた
め、表面酸化の問題は全くない。具体的に、第二光ガイ
ド層のAlAs混晶比としては、再成長が容易な0.3
以下で、レーザの発振波長に対して透明であることが望
ましい。したがって、本実施例では、0.2としてい
る。さらに、その層厚は、光分布にあまり影響を与えな
い0.05μm以下が望ましい。本実施例では、0.0
3μmとしている。以上、キャリアを閉じ込める層(第
一光ガイド層)と、再成長される層(第二光ガイド層)
を別々に、形成することにより、可視域での発振を可能
としているのである。
【0014】この構造において、活性層へのキャリアの
閉じ込めをさらに良くするために、第一光ガイド層中
に、電子波に対して高い反射率を有する多重量子井戸障
壁層を導入する方法がある。図2(a)に多重量子井戸
障壁層のポテンシャルエネルギー構造図を示す。第一光
ガイド層の活性層近傍において、活性層からの電子のオ
ーバーフローを防ぐために、多重量子井戸障壁層が形成
されている。多重量子井戸障壁層は2種類の半導体層か
らなり、井戸層と障壁層との周期構造の組合せとなって
いる。障壁層のAlAs混晶比は、クラッド層の混晶比
と同じ0.5とした。また、井戸層のAlAs混晶比
は、レーザ光に対する吸収を避けるために活性層の混晶
比より高く0.2とした。量子力学によると、障壁層、
井戸層の各層厚を薄くするにしたがって、高エネルギー
の電子波を活性層に反射させることができる。この効果
により、通常のダブルヘテロ接合の場合よりも優れた活
性層への電子の閉じ込めが可能となり、特性温度の向上
が実現できる。ただし、障壁層がうすくなるとトンネル
効果による電子の透過が増大する。このトンネル効果を
考慮して、本実施例では障壁層の厚さを活性層寄りでは
厚くし、活性層から離れるにしたがって薄くする構成と
している。この構成の反射率の計算結果を図2(b)に
示す。多重量子井戸障壁層がないときの活性層とクラッ
ド層との電子に対する障壁の高さを古典的障壁高さ(V
0)とすると、多重量子井戸障壁層の導入により、V0
1.3倍の電子エネルギーの高さまで電子波に対する反
射率をほぼ100%にすることができることがわかる。
すなわち、多重量子井戸障壁層を用いることにより、高
温時に活性化されたエネルギーの高い電子を活性層内に
有効に閉じ込めることが可能となる。いいかえると、多
重量子井戸障壁層の導入により、高温時に活性層からの
電子のオーバーフローの極めて少ない温度特性の優れた
半導体レーザ装置を実現することができる。なお、多重
量子井戸障壁層の構造としては、電子波の反射率が高く
なっていれば上記以外の構成でも、もちろん、構わな
い。また、第一光ガイド層全体を多重量子井戸障壁層と
しても構わない。
【0015】また、n型のGa0.4Al0.6As電流ブロ
ック層7の禁制帯幅は、Ga0.85Al0.15As活性層4
の禁制帯幅よりも大きいので、電流ブロック層による光
吸収がなく、導波路の損失の小さい低動作電流の素子が
得られる。
【0016】さらに、この構造では、電流ブロック層に
よる光吸収がないため、レーザ光がn型のGa0.4Al
0.6As電流ブロック層7の下部にも広がり、スペクト
ルが多モードになりやすく、低雑音のレーザが容易に得
られる。ただし、接合に水平方向の屈折率差をある程
度、小さくする必要がある。このためには、活性層と電
流ブロック層の間の層の実効屈折率は大きい方が望まし
い。混晶比で言えば、第一光ガイド層のAlAs混晶比
は、クラッド層と同程度まで高くする必要がある。
【0017】図3に、本発明の一実施例におけるスペク
トル特性と構造パラメータの関係の実験結果を示す。波
長780nm帯において、活性層厚(da)、第一光ガ
イド層厚(dp)の広い領域において、多モード発振が
得られていることがわかる。第二光ガイド層厚は、0.
03μmである。ここで、多モードの素子の接合に水平
方向の実効屈折率差は、6×10-3以下であった。この
ように、本発明では、電流ブロック層による光吸収がな
く、小さい実効屈折率差が実現できるため、da、dp
の薄い領域でも多モード発振が得られている。dpが薄
くても良いので、ストライプ外部への漏れ電流が小さい
状態で低雑音のレーザが得られ、また、特に、daが薄
くても良いため、低雑音で高出力のレーザの実現も可能
である。
【0018】ただし、光を導波しうる各GaAlAs
層、実施例ではn型のGa0.5Al0.5Asクラッド層
3、n型のGa0.4Al0.6As電流ブロック層7に、従
来よく使用されている不純物として、液相成長法ではT
eを、また、有機金属気相成長法(MOCVD法)では
Seを添加した場合、これらの不純物はGaAlAs中
でDXセンターとなり、数mWから数十mWで発振して
いる主モードの光密度で可飽和吸収効果を引き起こす。
このため、発振している主モードの定在波に対して損失
グレーティングを形成し、発振している主モード以外の
他のモードを抑圧し、シングルモード性を高めてしまう
結果となる。
【0019】この問題を解決するために、本発明の実施
例では光を導波しうるGaAlAs各層に不純物とし
て、Siを添加している。Siは、GaAlAs中のD
Xセンタ準位と伝導帯との間のキャリアの熱的捕獲およ
び、放出の活性化エネルギーが、Te、Seと異なるた
め、非常に低い光密度で光吸収が飽和してしまい、発振
している主モードに対して損失グレーティングをほとん
ど形成しない。したがって、スペクトルの多モード性が
損なわれる問題はなく、低雑音化が容易となる。同じ理
由から、Siを用いることは、高周波重畳によりスペク
トルを多モード化し、低雑音化を図る際にも効果的であ
る。すなわち、接合に水平方向の実効屈折率差を大きく
し発振モードのスペクトルをシングルモードにした素子
構造において、低雑音化を図るためには、従来、動作電
流に高周波を重畳しスペクトルを多モード化する方法が
用いられてきたが、損失グレーティングが形成されてい
るTe、Seの場合に比べて、Siの方が容易にスペク
トルが多モード化し、低雑音特性が実現できる。
【0020】また、図4にストライプ幅と動作電流値の
関係を示す。本発明の構造では、ストライプ幅を狭くす
ると動作電流値が一段と低減される。ここで、本発明の
構造で、ストライプ幅を狭くした場合、スペクトルの多
モード性は、電流ブロック層への光のしみ出しが、スト
ライプ内部にある光に比べて相対的に増加するので、よ
り一層、強くなる。すなわち、ストライプ幅をせまくす
ることで、より低雑音になる。
【0021】ここで、第一光ガイド層の厚さの設計値に
ついて考察する。最初に、dpの上限について述べる。
プラズマ効果による、ストライプ内の屈折率の低下によ
り導波路がアンチガイドとなることを防ぎ安定な単一横
モードを維持するためには、ストライプ内外の実効屈折
率差Δnの大きさをある値以上にしなければならない。
まず活性層がバルクのGaAlAsの場合について説明
する。この時、プラズマ効果による、ストライプ内の屈
折率の低下による導波路のアンチガイド化を防ぐために
は実効屈折率差Δnを4×10-3以上とする必要があ
る。図5に電流ブロック層を、ストライプ内外の実効屈
折率差Δnを最も大きくすることができるAlAsとし
た場合の、実効屈折率差Δnと第一光ガイド層厚(d
p)との関係を示す。ここで第一光ガイド層、n型およ
びp型のクラッド層のAlAs混晶比は780nm帯で
発振させるために最低限必要な0.45としている。ま
た、活性層厚(da)は垂直広がり角(θv)が25°
を与える0.03μmとしている。θv<25°では、
しきい値の増大が生じるのでda=0.03μmが、実
用上のdaの下限であり、この時Δnは最も大きくな
る。図5より、電流ブロック層をAlAsとした場合、
Δn≧4×10-3とするためには、dp≦0.51μm
でなければならないことがわかる。すなわち、電流ブロ
ック層をAlAsのとき、単一横モード発振を得るため
には、dp≦0.51μmでなければならない。ただ
し、このdpの上限値は、電流ブロック層のAlAs混
晶比に依存する。つまり、電流ブロック層のAlAs混
晶比が下がると、同じdpのときの実効屈折率差Δnは
小さくなるので、dpの上限値も小さくなっていく。図
6に、Δn=4×10-3となるdp(dp−maxと呼
ぶ)と電流ブロック層混晶比との関係を示す。図の実線
より下の部分が単一横モード発振となる領域であり、こ
の領域で素子を作製する必要がある。活性層厚が上記よ
り厚い場合、あるいは、クラッド層のAlAs混晶比が
上記より高い場合にはdp−maxの値は若干、図6の
値より小さくなるが、少なくとも、dpの値は以上よ
り、0.51μmであることが単一横モード発振のため
の必要条件である。
【0022】次にdpの下限について述べる。図7に、
dpと特性温度(T0)との関係を示す。dp≦0.0
5μmでは、高温時にリーク電流が増加するために、半
導体レーザの特性温度(T0)が悪くなる問題が生じ
る。T0の低下は信頼性の低下を招くので、最低130
K以上は必要である。従って、信頼性を確保するために
はdp≧0.05μmである必要がある。
【0023】以上より、ストライプ内外の屈折率差Δn
により横モードを安定に閉じ込め、なおかつ信頼性の高
い半導体レーザを得るための必要最低条件は、第一光ガ
イド層厚dpが0.05μm≦dp≦0.51μmである
ことがわかる。
【0024】さらにスペクトルをシングルモードのみで
動作させるためには、Δn≧6×10-3が必要である。
これは図5よりdp≦0.4μmでなければならない。
従って、横モードが安定でありかつスペクトルがシング
ルモードである半導体レーザを得るための必要最低条件
は、0.05μm≦dp≦0.4μmとなる。
【0025】次に、活性層を量子井戸構造とした場合に
ついて説明する。この時、プラズマ効果によるストライ
プ内の屈折率の低下により導波路がアンチガイドとなる
ことを防ぐためには、ストライプ内と外との実効屈折率
差Δnを2.5×10-3以上とする必要がある。図8に
電流ブロック層をAlAsとし、θv=25°を与える
厚さ10nmのGa0.7Al0.3As障壁層5層と厚さ4
nmのAl0.05Ga0. 95As井戸層4層からなる量子井
戸構造を活性層としてもつレーザのストライプ内外の実
効屈折率差Δnと第一光ガイド層厚(dp)との関係を
示す。量子井戸構造の活性層の場合も、θv<25°で
はしきい値が増大するので、この設計例が最もΔnが大
きくなる。θv>25°を与える他の量子井戸構造の活
性層では、Δnはこの場合より小さくなる。第一光ガイ
ド層、n型およびp型のクラッドのAlAs混晶比は
0.45としている。図8より、Δn≧2.5×10-3
とするためには、dp≦0.40μmとしなければなら
ないことがわかる。また、dp≦0.05μmではバル
ク活性層の場合と同様に、特性温度(T0)が低くな
る。 従って、ストライプ内外の屈折率差Δnにより横
モードを安定に閉じ込め、信頼性の高い半導体レーザを
得るためには、第一光ガイド層厚dpを0.05≦dp
≦0.40μmとしなければならない。
【0026】さらにスペクトルをシングルモードのみで
動作させるためには、Δn≧6×10-3以上が必要であ
る。これは、図8よりdp≦0.26μmでなければな
らない。従って、横モードが安定でありかつスペクトル
がシングルモードである半導体レーザを得るためには、
第一光ガイド層厚dpは0.05μm≦dp≦0.26
μmでなければならない。
【0027】次に、エピタキシャル成長された層の前端
面反射率について説明する。書き込み可能の光ディスク
への応用においては、書き込み時に30mW以上の光出
力と、読み込み時の3mWに−130dB/Hz以下の
低雑音特性が要望される。従来の高出力半導体レーザで
は、スペクトルが単一なので雑音が大きく、読み込み時
には、低雑音化のため、高周波重畳によりスペクトルを
マルチ化する方法が用いられている。図3において示し
たように、本発明の半導体レーザでは、活性層が薄くて
もスペクトルを多モード化できるため、高周波重畳なし
の状態においても低雑音の高出力レーザが実現できる
が、以下ではda、dpをスペクトルがシングルモード
の領域で形成したときの前端面反射率の設計について述
べる。
【0028】図9に、前端面反射率と高周波重畳時の雑
音特性の関係を示す。光出力は3mW、戻り光率は5.
5%、光路長は50mm、重畳周波数は600MHz、
測定周波数は5MHz、帯域は3KHzである。図9よ
り、−130dB/Hz以下の低雑音特性を得るには、
前端面反射率を6%以上にする必要があることがわか
る。また、前端面反射率とCOD(光学的端面破壊)光
出力の関係を図10に示す。30mWでの信頼性を確保
するには40mW以上のCOD出力が要求されるので、
図10より45%以下の反射率にする必要があることが
わかる。
【0029】以上より、光ディスク用の光源には前端面
反射率を6〜45%にする必要があり、本発明の実施例
では11%とした。
【0030】また、光ディスクへの実際の使用において
は、光ディスクからの戻り光が半導体レーザの基板に戻
ってくる場合がある。この戻り光は、さらに基板面で反
射され、ディテクタの信号に重畳されトラッキングノイ
ズなどの原因となる場合がある。この対策として、基板
側の前端面反射率をエピタキシャル成長層の前端面反射
率よりも低くする。すなわち、エピタキシャル成長層の
前端面反射率は上記のように設定し、基板側の反射率だ
けを低くすることでトラッキングノイズなどの増大を抑
制することができる。
【0031】図11(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)は本発明の一実施例における半導体レーザ装置の
製造工程図である。
【0032】図11(a)に示すように、n型のGaA
s基板1の上に、MOCVDあるいはMBE成長法によ
り、n型のGaAsバッファ層2(厚さ、0.5μ
m)、n型のGa0.5Al0.5Asクラッド層3(厚さ、
1μm)、Ga0.85Al0.15As活性層4(厚さ、0.
04μm)、p型のGa0.5Al0.5As第一光ガイド層
5(厚さ、0.22μm)、p型のGa0.8Al0.2As
第二光ガイド層6(厚さ、0.03μm)、n型のGa
0.4Al0.6As電流ブロック層7(厚さ、0.5μ
m)、Ga0.8Al0.2As保護層8(厚さ、0.01μ
m)を形成する。この保護層8は、n型のGa0.4Al
0.6As電流ブロック層7の上部を表面酸化から守るの
に必要である。保護層8のAlAs混晶比としては、第
二光ガイド層と同様、再成長が容易な0.3以下で、レ
ーザ光に対して透明な混晶比であることが望ましい。こ
こで、活性層厚、第一光ガイド層厚は、安定な単一横モ
ードを得るために、Δn=5×10-3となる厚さにして
いる。図11で、活性層4および、保護層8の導電型
は、特に記載していないが、p型であっても、n型であ
っても、もちろん、アンドープであってもかまわない。
【0033】次に、図11(b)に示すように、ストラ
イプ状の窓7aをフォトリソグラフィー技術を用い、エ
ッチングにより形成する。エッチングの方法としては、
最初に酒石酸または、硫酸などのAlAs混晶比に対し
て選択性のあまりないエッチャントでGa0.4Al0.6
s電流ブロック層7の途中まで、エッチングを行なう。
次に、AlAs混晶比の高い層を選択的にエッチングで
きるフッ酸系のエッチャントを用いて、選択的にGa
0.4Al0.6As電流ブロック層7のエッチングを行な
う。このとき、レジストを除去し保護層8をマスクとし
て、2回目のエッチングを行なってもよい。この2回目
のエッチングにおいて、p型のGa0.8Al0 .2As第二
光ガイド層6は、エッチングストップ層として作用する
ため、エッチングによるばらつきが小さく、高歩留が得
られる。また、ストライプ幅は2.0μmとした。
【0034】フッ酸のエッチャントの組成としては、水
に対する重量比が5%〜50%のものを使用する。5%
未満では、電流ブロック層がエッチングできず、50%
をこえると、エッチレートが速すぎて制御が困難になる
のと、マスクに用いるレジストが浸食されるためであ
る。
【0035】また、フッ化アンモニウムでフッ酸を希釈
したエッチャントを用いてもよい。この場合、フッ酸の
フッ化アンモニウムに対する重量比は25%〜80%と
する。25%未満では、電流ブロック層がエッチングで
きず、80%をこえると、エッチレートが速すぎて制御
が困難になるのと、マスクに用いるレジストが浸食され
るためである。
【0036】また、フッ酸と、単体ではGaAlAsを
エッチングしない酸との混合液を選択エッチ液として用
いてもよい。実施例を以下に示す。
【0037】例えば、リン酸とフッ酸の混合液を含むエ
ッチャントを用いてもよい。この場合、フッ酸のリン酸
に対する重量比は5%〜50%とする。5%未満では、
電流ブロック層がエッチングできず、50%をこえる
と、エッチレートが速すぎて制御が困難になるのと、マ
スクに用いるレジストが浸食されるためである。
【0038】また、硫酸とフッ酸の混合液を含むエッチ
ャントを用いてもよい。この場合、フッ酸の硫酸に対す
る重量比は5%〜80%とする。5%未満では、電流ブ
ロック層がエッチングできず、80%をこえると、エッ
チレートが速すぎて制御が困難になるのと、マスクに用
いるレジストが浸食されるためである。
【0039】また、塩酸とフッ酸の混合液を含むエッチ
ャントを用いてもよい。この場合、フッ酸の塩酸に対す
る重量比は5%〜80%とする。5%未満では、電流ブ
ロック層がエッチングできず、80%をこえると、エッ
チレートが速すぎて制御が困難になるのと、マスクに用
いるレジストが浸食されるためである。
【0040】また、酒石酸とフッ酸の混合液を含むエッ
チャントを用いてもよい。この場合、フッ酸の酒石酸に
対する重量比は5%〜80%とする。5%未満では、電
流ブロック層がエッチングできず、80%をこえると、
エッチレートが速すぎて制御が困難になるのと、マスク
に用いるレジストが浸食されるためである。
【0041】また、酢酸とフッ酸の混合液を含むエッチ
ャントを用いてもよい。この場合、フッ酸の酢酸に対す
る重量比は5%〜80%とする。5%未満では、電流ブ
ロック層がエッチングできず、80%をこえると、エッ
チレートが速すぎて制御が困難になるのと、マスクに用
いるレジストが浸食されるためである。
【0042】以上の酸同士の混合液に反応性を促進する
ために、過酸化水素水を加えてもよい。また、エッチレ
ートを低減するために、水あるいは、フッ化アンモニウ
ムで希釈してもよい。本実施例では、エッチャントとし
て、フッ酸(50%含有):リン酸(86%含有):過
酸化水素水=800:2400:1(cc)を用いた。
この場合、フッ酸の水に対する重量比は、54%、リン
酸に対する重量比は19%である。図12に、このエッ
チャントのエッチング量の組成依存性および、時間依存
性を示す。図12(a)より、AlAs混晶比が0.4
をこえる組成に対する選択エッチ液であることがわか
る。すなわち、この性質により、電流ブロック層だけを
第二光ガイド層上で選択的にエッチングすることができ
る。この性質は、このエッチャントの組成だけに限ら
ず、前記に示した全てのフッ酸との混合液において共通
であり、また、温度による選択性は変わらない。
【0043】図12(b)に電流ブロック層のAlAs
混晶比が0.65、温度20℃のときのエッチング量の
時間依存性を示す。約10秒で0.5μmのエッチング
ができることがわかる。エッチングレートは、フッ酸の
他の液に対する重量比を変えることにより、自由に調整
できる。すなわち、フッ酸の濃度の減少により、エッチ
レートは低下する。また、選択エッチ液の温度をあげる
ことにより、エッチングレートをあげることも可能であ
る。これらのときにおいても、選択性が失われることは
ない。本実施例では、第一回目の酒石酸のエッチング
で、第二光ガイド層の手前までエッチングを行なった
後、第二回目の選択エッチングの時間を5秒と設定する
ことにより、再現性の良いストライプ部のエッチングを
実現している。
【0044】また、上記実施例では、GaAlAs層の
単層を第一光ガイド層に用いる場合のみを示したが、温
度特性を比較するために、図2に示す多重量子井戸障壁
層を第一光ガイド層に含む素子も併せて作製した。
【0045】ここで、ストライプの形状は逆メサ形状よ
りも、順メサ形状とすることが好ましい。逆メサ形状と
した場合には、順メサ形状とした場合に比べて結晶成長
が困難となり、特性の低下に起因する歩留りの低下を招
く恐れがあるためである。実際に、逆メサ形状の場合、
窓の側面の部分において成長したGaAlAsの結晶性
が損なわれ、作製された素子のしきい値電流は、順メサ
形状の素子に比べて、約10mA高くなった。後述する
素子の特性は、順メサ形状のものを示している。
【0046】また、電流ブロック層の不純物濃度n
Bが、1×1017cm-3以下の場合では、電流狭窄がで
きず電流がストライプ外にリークしてしまい、2×10
18cm-3以上の場合では、電流ブロック層の結晶性が悪
化するために、エッチング時にストライプ状の窓側面に
凹凸が生じてしまう。すなわち、滑らかな順メサ形状得
られない。このため、窓側面の部分に成長したp型のク
ラッド層9の結晶性が損なわれ、特性の悪化起因する歩
留の低下を引き起こす。表1に実験結果を示す。表1よ
り、nBを1×1017〜2×1018cm-3とすること
で、電流狭窄と結晶性の良い再成長を行なっている。
【0047】
【表1】
【0048】また、電流ブロック層の膜厚については、
電流ブロック層7の厚さが薄いと、上部のp型のGaA
sコンタクト層8においてレーザ光の光吸収が生じてし
まうので、最低限、0.4μmは必要である。
【0049】次に、図11(c)に示すように、MOC
VDあるいはMBE成長法により、p型のGa0.5Al
0.5Asクラッド層9、p型のコンタクト層10を再成
長により、形成する。このとき、電流の流れるストライ
プ内は、AlAs混晶比の低いp型のGa0.8Al0.2
s第二光ガイド層6上の成長となるため、容易に成長が
行える。ただし、p型のGa0.5Al0.5Asクラッド層
9のドーパントにZnを使用する最場合には、Znのス
トライプ領域の活性層への成長中の拡散により、内部損
失が増大し、電流−光出力特性の温度特性に悪影響を及
ぼす場合がある。特に、量子井戸構造の活性層の場合に
は、拡散による量子井戸の無秩序化が生じてしまう問題
がある。このことを防ぐためには、少なくとも、再成長
界面におけるp型の層のキャリア濃度を1018cm-3
下にする必要がある。本実施例では、7×1017cm-3
とした。
【0050】根本的な対策としては、拡散のあまりない
ドーパントであるカーボンをp型のGa0.5Al0.5As
クラッド層9のドーパントに用いる。カーボンを用いる
ことにより、電流−光出力特性の温度依存性の優れた特
性を得ることができる。実施例では、Znを用いた場合
とカーボンを用いた場合の両方の素子の作製を行なっ
た。
【0051】次に、n型のGaAs基板1および、p型
のGaAsコンタクト層10にそれぞれ、電極を形成す
る。
【0052】最後に、コーティングについて述べる。端
面の反射率の設定は、2種類とした。すなわち、図13
に示すスペクトルを多モード化した素子については両端
面とも32%とし、高出力を得るために前端面反射率を
下げた素子(図14)のコーティングの構成は、前述の
光ディスク用の設計を実現する構成としている。高出力
を得るために行なったコーティングの工程を説明する。
まず、図11(d)に示すように素子の前端面にアルミ
ナなどの誘電体11を反射率が11%になる厚さに、ス
パッタで形成する。後端面反射率はアルミナとシリコン
の2層コート12により、75%の反射率に設定してい
る。後端面の反射率は特に75%以外の値でも構わない
が、スロープ効率を上げるために高反射率であることが
望ましい。
【0053】さらに、基板面における戻り光の反射に起
因するトラッキングノイズを低減するためには、図11
(e)に示すように、基板側の反射率をエピタキシャル
成長部の反射率よりも低く形成する。すなわち、エピタ
キシャル成長層をレジスト等でマスキングし、アルミナ
上に基板部の反射率が低くなるように、さらに誘電体膜
13の追加コートを行なう。その後、レジストを除去す
る。本実施例では、基板部の反射率を3%とした。ま
た、上記以外の作製法により、基板部の反射率を下げる
方法もある。例えば、最初に前面の全体に3%以下とな
るように誘電体をコーティングした後に、基板側をレジ
スト等でマスキングし、エピタキシャル成長層部の誘電
体膜を反射率が11%になるまでエッチングする方法も
ある。これらの構成により、基板部への戻り光の反射に
よるノイズの増大を抑制することができる。
【0054】また、上記実施例では、AlAs混晶比の
低いGaAlAsを第二光ガイド層に用いる場合のみを
示したが、GaAsと格子整合できる他の材料でも構わ
ない。ただし、光吸収を抑制するために、レーザ光の波
長よりも大きい禁制帯幅を有することが要求される。た
とえば、他の一実施例として、In0.5Ga0.5Pを第二
光ガイド層に用いても構わない。このときにおいても、
選択エッチングの方法が使用でき、また、組成にAlを
有さないので表面酸化の問題も生じず、同様の特性が得
られる。
【0055】また、In1-XGaXAsY1ーYを用いても
上記と同様の特性が得られる。このとき、GaAsと格
子整合をとるため、XとYは、0.189Y-0.418X+0.013XY+
0.127=0 の関係を満たす必要がある。
【0056】また、レーザ光の波長のエネルギー(E)
よりも、禁制帯幅は大きい必要があるので、 1.35+0.6
72X-1.601Y+0.758X2+0.101Y2-0.157XY-0.312X2Y+0.109X
Y2>Eの関係を満足する必要がある。
【0057】この場合も、作製工程において、表面酸化
の問題はなく、また、エッチングを選択的に第二光ガイ
ド層上で停止させることができる。
【0058】また、他の一実施例として、In0.5(G
1-XAlX0.5Pを第二光ガイド層に用いても良い。
この場合は、Xに関わらず禁制帯幅はレーザ光の波長よ
り大きくなり、格子整合もとれる。ただし、Xが大きす
ぎると酸化の問題があるので、X<0.3が望ましい。
エッチング工程においては、上記と同様に電流ブロック
層の選択エッチングが可能であり、エッチングの制御性
が向上する。
【0059】図13は本発明の一実施例における半導体
レーザ装置の電流−光出力特性図である。端面反射率は
32%としている。本実施例では、低雑音化のために、
da=0.04μm、dp=0.22μmとしているの
で、図3に示すようにスペクトルは多モードである。た
だし、Δnは5×10-3なので横モードは単一である。
共振器長200μmの素子において、室温で3mWのレ
ーザ光を放出するのに必要な動作電流値は25mAであ
る。横モードは、安定な基本モードで発振した。スペク
トルは780nm帯のセルフパルセーションを生じる多
モードで発振しており、0〜10%の戻り光率の範囲内
で−130dB/Hzの相対強度雑音(RIN)の値を
得ており、低雑音特性が得られた。また、再成長時のド
ーパントにZnを用いた場合、特性温度は約150K、
カーボンを用いた場合、特性温度は約180Kとなり、
拡散のあまりないカーボンをp型のドーパントに用いる
ことにより、温度特性の優れた素子が得られることがわ
かる。さらに、第一光ガイド層中に多重量子井戸障壁層
を導入した素子では、200Kという高い値が得られ
た。
【0060】また、本発明の構造は、動作電流値が低い
ので、半導体レーザの高出力化にも、有効である。特
に、本構造において活性層厚を0.03〜0.05μm
と薄くした場合においても、図3に示したように、スペ
クトルを多モードにすることができるので、低雑音で、
かつ、高出力が得られる半導体レーザを可視域で実現す
ることが可能である。このような半導体レーザを光ディ
スクの光源として用いれば、読み込み時に低雑音化を図
るための高周波重畳回路が不要となり、ピックアップの
大幅な小型化が実現できる。
【0061】また、dpを薄くして、横方向への漏れ電
流を小さくすれば、単一な縦モードとなるが、より高出
力化できる。実際に、素子を高出力用に活性層厚0.0
3μm、dp=0.15μm、Δn=7×10-3として十
分に電流狭窄を行い、350μmの共振器長で作製し、
端面に高出力用にコーティングを行うことにより、図1
4に示すように100mW以上の光出力を得ることがで
きた。このコーティングにより、3mWにおける高周波
重畳時に−138dB/Hzの低い相対強度雑音が得ら
れた。
【0062】次に、素子の高性能化のために、活性層に
量子井戸構造を用いた場合について説明する。すなわ
ち、活性層を量子井戸構造とすることにより、さらに、
しきい値を低減でき、高出力が得られる。量子井戸構造
として、780nm帯の発振をする10nmの厚さのG
0.95Al0.05Asウェル層4層、4nmの厚さのGa
0.7Al0.3Asバリア層5層からなるマルチカンタムウ
ェル(MQW)構造を用いたときの電流−光出力特性を
図14に示す。dpを0.2μm、電流ブロック層のA
lAs混晶比を0.7としΔn=6×10-3としてい
る。コーティングを行なった素子において、200mW
以上の光出力が実現できている。コーティングの構成と
しては、前述したバルク活性層の場合と同様に、図9、
図10より30mW以上の光出力と、−130dB/H
z以下の低雑音特性とを満足するために、5〜77%の
前端面反射率が要求され、本実施例では、14%として
いる。このとき、3mWの高周波重畳時のRINは−1
42dB/Hzであった。さらに、基板部の反射率を前
述のバルク活性層のときと同様に、低くすることで基板
部への戻り光の反射によるトラッキングノイズの低減が
図れる。
【0063】また、活性層の量子井戸構造としては、他
の量子井戸構造、すなわち、シングルカンタムウェル
(SQW)構造、ダブルカンタムウェル(DQW)構
造、トリプルカンタムウェル(TQW)構造、グリン
(GRIN)構造、または、そのセパレートコンファイ
ンメントヘテロストラクチャー(SCH)構造などでも
かまわない。
【0064】量子井戸構造の場合においても、再成長時
のドーパントにカーボンを用いることで、成長中のドー
パントの拡散を抑制することができ、250Kという高
い特性温度が得られた。Znを用いたときは約200K
であった。また、第一光ガイド層中に多重量子井戸障壁
層を設けた場合は280Kと非常に高い値が得られた。
【0065】なお、上記全ての実施例において、基板は
n型で、n型の電流ブロック層を用いる場合のみを示し
たが、基板にp型を用い、p型の電流ブロック層を用い
ても構わない。すなわち、電流ブロック層のAlAs混
晶比が高いからである。なぜなら、AlAs混晶比の高
いp型のGaAlAs層の場合、電子の拡散が抑えられ
るので、p型のブロック層の実現が可能となるからであ
る。
【0066】なお、上記全ての実施例では、電流ブロッ
ク層が活性層上、すなわち、活性層から見て、基板と反
対側にある場合のみを示したが、基板と同方向にある場
合でも、同じ効果が得られる。あるいは、電流ブロック
層が両方向にあるダブルコンファイメント構造にすれば
さらに、漏れ電流が少なくなり、低動作電流化が図れる
ことはいうまでもない。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明は、活性層の主面の
少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As
第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As、あるいはIn
0.5Ga0 .5P、In0.5(GaAl)0.5P、InGaA
sPからなる第二光ガイド層を順次、備えるとともに、
前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導電型でストラ
イプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が形成されてお
り、前記ストライプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ
導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えてなり、AlAs
混晶比、Y1、Y2、Y3およびZの間に、Z>Y3>
Y2、Y1>Y2の関係を成立させた構成により、78
0nm帯の低動作電流値の半導体レーザ装置を容易に実
現できるものである。
【0068】すなわち、AlAs混晶比の高いGa1-Y1
AlY1As第一光ガイド層により活性層へキャリアを閉
じ込め、再成長はAl混晶比の低い第二光ガイド層への
成長となるため、容易に可視域のレーザが作製できる。
【0069】特に、第一光ガイド層中に多重量子障壁層
を設けることで、可視域においても特性温度の非常に高
い素子の実現が可能となる。
【0070】また、ストライプを形成するエッチングの
時に、AlAs混晶比の違いによる選択エッチング法を
使用できるため、エッチングのばらつきが小さくなり、
高歩留が得られる。
【0071】さらに、埋込層がp型の場合、再成長時の
ドーパントにカーボンを用いることで、再成長時のp型
ドーパントの活性層への拡散を抑制でき、電流ー光出力
特性の温度依存性の優れた素子が得られる。
【0072】さらに、電流ブロック層がn型の場合、不
純物濃度を1017〜2×1018cm -3とすることで、十
分な電流狭窄が行え、また、ストライプ状の窓のエッチ
ングと窓側面への成長が良好に行え、高歩留が得られ
る。
【0073】また、電流ブロック層のAlAs混晶比
が、クラッド層のAlAs混晶比より高く設定されてい
るため、単一な横モードで発振し、レーザ光の電流ブロ
ック層による光吸収がないため、低動作電流値が得られ
る。
【0074】ここで、第一光ガイド層の厚さをバルクの
活性層のとき0.05μm〜0.51μm、量子井戸活性
層のとき0.05μm〜0.40μmとすることにより、
安定な単一横モード発振と高信頼性を実現している。
【0075】さらに、光が電流ブロック層および、その
下部の活性層に広がり、AlAs混晶比の高い第一光ガ
イド層により接合に水平方向の実効屈折率差を小さく形
成できるため、スペクトルの多モード発振が得られやす
く、低雑音特性が得られる。特に、光が導波しうるn型
のGaAlAs層のドーパントにSiを用いることでス
ペクトルの多モード化が容易となる。
【0076】また、エピタキシャル成長層における前端
面反射率をバルク活性層のとき、6〜45%、量子井戸
活性層のとき、5〜77%とすることで、書換え可能な
光ディスクに好適な光出力と雑音特性が得られる。さら
に、基板部の反射率をエピタキシャル成長部の反射率よ
り低くすることで、戻り光の基板部での反射による雑音
を低減できる。
【0077】780nm帯における低雑音でかつ、低動
作電流のレーザはコンパクトディスクを含む光ディスク
用の光源として最適である。特に、動作電流値の低減
は、レーザマウント部の発熱量の低減をもたらし、より
小型で軽量のヒートシンクの使用が可能となる。この結
果、従来は金属であったレーザパッケージの樹脂化が実
現でき、ピックアップの大幅な小型化、低コスト化が図
れる。
【0078】また、低動作電流化は、活性層における発
熱量の低減をもたらすため、高出力が得られる。特に活
性層を量子井戸構造とすれば、より、高出力が得られ
る。この様な低雑音でかつ、高出力特性を有する本発明
の780nm帯の半導体レーザを光ディスクの光源とし
て用いれば、読み込み時に低雑音化を図るための高周波
重畳回路を排除することが可能となり、ピックアップの
大幅な小型化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における半導体レーザ装置の
断面図
【図2】本発明の一実施例における多重量子井戸障壁層
の構造と、電子に対する反射率の計算結果
【図3】スペクトル特性と構造パラメータとの関係
【図4】動作電流値とストライプ幅との関係
【図5】dpとΔnの関係
【図6】電流ブロック層の混晶比(XB)と単一横モー
ドとなる最大のdp(dp−max)の関係
【図7】dpとT0の関係
【図8】量子井戸活性層のときのdpとΔnの関係
【図9】前端面反射率とRINの関係
【図10】前端面反射率とCOD光出力の関係
【図11】本発明の一実施例における半導体レーザ装置
の製造工程図
【図12】エッチング量の組成依存性と時間依存性
【図13】本発明の一実施例における半導体レーザ装置
の電流−光出力特性図
【図14】本発明の一実施例における半導体レーザ装置
の電流−光出力特性図
【図15】従来の半導体レーザ装置の断面図
【符号の説明】
1 n型のGaAs基板 2 n型のGaAsバッファ層 3 n型のGa0.5Al0.5Asクラッド層 4 Ga0.85Al0.15As活性層 5 p型のGa0.5Al0.5As第一光ガイド層 6 p型のGa0.8Al0.2As第二光ガイド層 7 n型のGa0.4Al0.6As電流ブロック層 7a ストライプ状の窓 8 p型のGa0.8Al0.2As保護層 9 p型のGa0.5Al0.5Asクラッド層 10 p型のGaAsコンタクト層 11 前端面のコーティング膜 12 後端面のコーティング膜 13 基板部の反射率を低減するためのコーティング膜 21 n型のGaAs基板 22 n型のGa0.65Al0.35Asクラッド層 23 GaAs活性層 24 p型のGa0.75Al0.25As第一クラッド層 25 n型のGa0.51Al0.49As電流ブロック層 25a ストライプ状の窓 26 p型のGa0.75Al0.25As第2クラッド層 27 p型のGaAsコンタクト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−156560 (32)優先日 平4(1992)6月16日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−254537 (32)優先日 平4(1992)9月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−259303 (32)優先日 平4(1992)9月29日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−288550 (32)優先日 平4(1992)10月27日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−288553 (32)優先日 平4(1992)10月27日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 粂 雅博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子 工業株式会社内 (72)発明者 伊藤 国雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子 工業株式会社内 (72)発明者 太田 一成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子 工業株式会社内 (72)発明者 清水 裕一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子 工業株式会社内

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1
    s第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層
    を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、こ
    れとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-Z
    AlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓
    には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3
    s層を備えてなり、AlAs混晶比、X、Y1、Y2、
    Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2>X≧0、Y1>
    Y2の関係を成立させたことを特徴とする半導体レーザ
    装置。
  2. 【請求項2】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1
    s第一光ガイド層、In0.5Ga0.5P第二光ガイド層を
    順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これ
    とは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-Z
    ZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓に
    は、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As
    層を備えてなり、AlAs混晶比、X、Y1、Y3およ
    びZの間に、Z>Y3>X≧0、Z>Y1の関係を成立
    させたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1
    s第一光ガイド層、InGaAsP第二光ガイド層を順
    次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これと
    は逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZ
    As層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、
    前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を
    備えてなり、AlAs混晶比、X、Y1、Y3およびZ
    の間に、Z>Y3>X≧0、Z>Y1の関係を成立させ
    たことを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1
    s第一光ガイド層、In0.5(GaAl)0.5P第二光ガ
    イド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上
    に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するG
    1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状
    の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3Al
    Y3As層を備えてなり、AlAs混晶比、X、Y1、Y
    3およびZの間に、Z>Y3>X≧0、Z>Y1の関係
    を成立させたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁
    層を含む第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガ
    イド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上
    に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するG
    1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状
    の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3Al
    Y3As層を備えてなり、AlAs混晶比、X、Y2、Y
    3およびZの間に、Z>Y3>Y2>X≧0の関係を成
    立させたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁
    層を含む第一光ガイド層、In0.5Ga0.5P第二光ガイ
    ド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上
    に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するG
    1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状
    の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3Al
    Y3As層を備えてなり、AlAs混晶比、X、Y3およ
    びZの間に、Z>Y3>X≧0の関係を成立させたこと
    を特徴とする半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁
    層を含む第一光ガイド層、InGaAsP第二光ガイド
    層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、
    これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa
    1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状の
    窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3
    As層を備えてなり、AlAs混晶比、X、Y3および
    Zの間に、Z>Y3>X≧0の関係を成立させたことを
    特徴とする半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 活性層となるGa1-XAlXAs層の主面
    の少なくとも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁
    層を含む第一光ガイド層、In0.5(GaAl)0.5P第
    二光ガイド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイ
    ド層上に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有
    するGa1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストラ
    イプ状の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa
    1-Y3Al Y3As層を備えてなり、AlAs混晶比、X、
    Y3およびZの間に、Z>Y3>X≧0の関係を成立さ
    せたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 Ga1-Y1AlY1As層厚が0.05μm
    から0.51μmである第1項、第2項、第3項、およ
    び第4項記載の半導体レーザ装置。
  10. 【請求項10】 n型のGaAlAs層に不純物として
    Siを添加したことを特徴とする第1項、第2項、第3
    項、第4項、第5項、第6項、第7項、および第8項記
    載の半導体レーザ装置。
  11. 【請求項11】 一導電型の層がn型で、n型のGa
    1-ZAlZAs層の不純物濃度が1×1017〜2×1018
    cm-3である第1項、第2項、第3項、第4項、第5
    項、第6項、第7項および、第8項記載の半導体レーザ
    装置。
  12. 【請求項12】 一導電型の層がn型で、p型のGa
    1-Y3AlY3As層の不純物としてカーボンを添加してい
    る第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6項、
    第7項、第8項記載の半導体レーザ装置。
  13. 【請求項13】 エピタキシャル成長した層の前端面反
    射率が6〜45%である第1項、第2項、第3項、第4
    項、第5項、第6項、第7項、および第8項記載の半導
    体レーザ装置。
  14. 【請求項14】 エピタキシャル成長した層の前端面反
    射率を6〜45%とし、かつ、GaAs基板の前端面に
    おける少なくとも一部分の反射率を前記エピタキシャル
    成長した層の前端面反射率よりも低くしたことを特徴と
    する第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第6
    項、第7項、および第8項記載の半導体レーザ装置。
  15. 【請求項15】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光
    ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を順次、
    備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆
    の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs
    層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記
    光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備え
    てなり、AlAs混晶比、Y1、Y2、Y3およびZの
    間に、Z>Y3>Y2、Y1>Y2の関係を成立させた
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  16. 【請求項16】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光
    ガイド層、In0.5Ga0.5P第二光ガイド層を順次、備
    えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の
    導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層
    が形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光
    ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えて
    なり、AlAs混晶比、Y1、Y3およびZの間に、Z
    >Y1、Z>Y3の関係を成立させたことを特徴とする
    半導体レーザ装置。
  17. 【請求項17】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光
    ガイド層、InGaAsP第二光ガイド層を順次、備え
    るとともに、前記第二光ガイド層上に、これとは逆の導
    電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZAs層が
    形成されており、前記ストライプ状の窓には、前記光ガ
    イド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を備えてな
    り、AlAs混晶比、Y1、Y3およびZの間に、Z>
    Y3、Z>Y1の関係を成立させたことを特徴とする半
    導体レーザ装置。
  18. 【請求項18】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光
    ガイド層、In0.5(GaAl)0.5P第二光ガイド層を
    順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これ
    とは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-Z
    ZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓に
    は、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As
    層を備えてなり、AlAs混晶比、Y1、Y3およびZ
    の間に、Z>Y3、Z>Y1の関係を成立させたことを
    特徴とする半導体レーザ装置。
  19. 【請求項19】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁層を含む
    第一光ガイド層、Ga1-Y2AlY2As第二光ガイド層を
    順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これ
    とは逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-Z
    ZAs層が形成されており、前記ストライプ状の窓に
    は、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As
    層を備えてなり、AlAs混晶比、Y2、Y3およびZ
    の間に、Z>Y3>Y2の関係を成立させたことを特徴
    とする半導体レーザ装置。
  20. 【請求項20】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁層を含む
    第一光ガイド層、In0.5Ga0.5P第二光ガイド層を順
    次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これと
    は逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZ
    As層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、
    前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を
    備えてなり、AlAs混晶比、Y3およびZの間に、Z
    >Y3の関係を成立させたことを特徴とする半導体レー
    ザ装置。
  21. 【請求項21】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁層を含む
    第一光ガイド層、InGaAsP第二光ガイド層を順
    次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上に、これと
    は逆の導電型でストライプ状の窓を有するGa1-ZAlZ
    As層が形成されており、前記ストライプ状の窓には、
    前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層を
    備えてなり、AlAs混晶比、Y3およびZの間に、Z
    >Y3の関係を成立させたことを特徴とする半導体レー
    ザ装置。
  22. 【請求項22】 量子井戸構造の活性層の主面の少なく
    とも一方の側に、一導電型の多重量子井戸障壁層を含む
    第一光ガイド層、In0.5(GaAl)0.5P第二光ガイ
    ド層を順次、備えるとともに、前記第二光ガイド層上
    に、これとは逆の導電型でストライプ状の窓を有するG
    1-ZAlZAs層が形成されており、前記ストライプ状
    の窓には、前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3Al
    Y3As層を備えてなり、AlAs混晶比、Y3およびZ
    の間に、Z>Y3の関係を成立させたことを特徴とする
    半導体レーザ装置。
  23. 【請求項23】 Ga1-Y1AlY1As層厚が0.05μ
    mから0.40μmである第15項、第16項、第17
    項、および第18項記載の半導体レーザ装置。
  24. 【請求項24】 n型のGaAlAs層に不純物として
    Siを添加したことを特徴とする第15項、第16項、
    第17項、第18項、第19項、第20項、第21項、
    および第22項記載の半導体レーザ装置。
  25. 【請求項25】 一導電型の層がn型で、n型のGa
    1-ZAlZAs層の不純物濃度が1×1017〜2×1018
    cm-3である第15項、第16項、第17項、第18
    項、第19項、第20項、第21項、および第22項記
    載の半導体レーザ装置。
  26. 【請求項26】 一導電型の層がn型で、p型のGa
    1-Y3AlY3As層の不純物としてカーボンを添加してい
    る第15項、第16項、第17項、第18項、第19
    項、第20項、第21項、および第22項記載の半導体
    レーザ装置。
  27. 【請求項27】 エピタキシャル成長した層の前端面反
    射率が5〜77%である第15項、第16項、第17
    項、第18項、第19項、第20項、第21項、および
    第22項記載の半導体レーザ装置。
  28. 【請求項28】 エピタキシャル成長した層の前端面反
    射率を5〜77%とし、かつ、GaAs基板の前端面に
    おける少なくとも一部分の反射率を前記エピタキシャル
    成長した層の前端面反射率よりも低くしたことを特徴と
    する第15項、第16項、第17項、第18項、第19
    項、第20項、第21項、および第22項記載の半導体
    レーザ装置。
  29. 【請求項29】 活性層の主面の少なくとも一方の側
    に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、G
    1-Y2AlY2As第二光ガイド層、前記光ガイド層と逆
    の導電型のGa1-ZAlZAs層を、順次、エピタキシャ
    ル成長により形成する工程と、前記Ga1-ZAlZAs層
    だけを選択的にストライプ状にエッチングする工程と、
    前記ストライプ状にエッチングした部分に前記光ガイド
    層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層をエピタキシャ
    ル成長により形成する工程を備え、AlAs混晶比、Y
    1、Y2、Y3およびZの間に、Z>Y3>Y2、Y1
    >Y2の関係を成立させたことを特徴とする半導体レー
    ザ装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 活性層の主面の少なくとも一方の側
    に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、I
    0.5Ga0.5P第二光ガイド層、前記光ガイド層と逆の
    導電型のGa1-ZAlZAs層を、順次、エピタキシャル
    成長により形成する工程と、前記Ga1-ZAlZAs層だ
    けを選択的にストライプ状にエッチングする工程と、前
    記ストライプ状にエッチングした部分に前記光ガイド層
    と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層をエピタキシャル
    成長により形成する工程を備え、AlAs混晶比、Y
    1、Y3およびZの間に、Z>Y3>Y1の関係を成立
    させたことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  31. 【請求項31】 活性層の主面の少なくとも一方の側
    に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、I
    nGaAsP第二光ガイド層、前記光ガイド層と逆の導
    電型のGa1-ZAlZAs層を、順次、エピタキシャル成
    長により形成する工程と、前記Ga1-ZAlZAs層だけ
    を選択的にストライプ状にエッチングする工程と、前記
    ストライプ状にエッチングした部分に前記光ガイド層と
    同じ導電型のGa1-Y3AlY3As層をエピタキシャル成
    長により形成する工程を備え、AlAs混晶比、Y1、
    Y3およびZの間に、Z>Y3>Y1の関係を成立させ
    たことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 活性層の主面の少なくとも一方の側
    に、一導電型のGa1-Y1AlY1As第一光ガイド層、一
    導電型のIn0.5(GaAl)0.5P第二光ガイド層、前
    記光ガイド層と逆の導電型のGa1-ZAlZAs層を、順
    次、エピタキシャル成長により形成する工程と、前記G
    1-ZAlZAs層だけを選択的にストライプ状にエッチ
    ングする工程と、前記ストライプ状にエッチングした部
    分に前記光ガイド層と同じ導電型のGa1-Y3AlY3As
    層をエピタキシャル成長により形成する工程を備え、A
    lAs混晶比、Y1、Y3およびZの間に、Z>Y3>
    Y1の関係を成立させたことを特徴とする半導体レーザ
    装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 Ga1-ZAlZAs層をフッ酸の水に対
    する重量比が5%〜50%のエッチャントで選択的にス
    トライプ状にエッチングする工程を有する第29項、第
    30項、第31項、および第32項記載の半導体レーザ
    装置の製造方法。
  34. 【請求項34】 Ga1-ZAlZAs層をフッ酸のフッ化
    アンモニウムに対する重量比が25%〜80%のエッチ
    ャントで選択的にストライプ状にエッチングする工程を
    有する第29項、第30項、第31項、および第32項
    記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  35. 【請求項35】 Ga1-ZAlZAs層をフッ酸のリン酸
    に対する重量比が5%〜50%のエッチャントで選択的
    にストライプ状にエッチングする工程を有する第29
    項、第30項、第31項、および第32項記載の半導体
    レーザ装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 Ga1-ZAlZAs層をフッ酸の硫酸に
    対する重量比が5%〜80%のエッチャントで選択的に
    ストライプ状にエッチングする工程を有する第29項、
    第30項、第31項、および第32項記載の半導体レー
    ザ装置の製造方法。
  37. 【請求項37】 Ga1-ZAlZAs層をフッ酸の塩酸に
    対する重量比が5%〜80%のエッチャントで選択的に
    ストライプ状にエッチングする工程を有する第29項、
    第30項、第31項、および第32項記載の半導体レー
    ザ装置の製造方法。
  38. 【請求項38】 Ga1-ZAlZAs層をフッ酸の酒石酸
    に対する重量比が5%〜80%のエッチャントで選択的
    にストライプ状にエッチングする工程を有する第29
    項、第30項、第31項、および第32項記載の半導体
    レーザ装置の製造方法。
  39. 【請求項39】 Ga1-ZAlZAs層をフッ酸の酢酸に
    対する重量比が5%〜80%のエッチャントで選択的に
    ストライプ状にエッチングする工程を有する第29項、
    第30項、第31項、および第32項記載の半導体レー
    ザ装置の製造方法。
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