JPH0619675Y2 - カルバートボックスのコーナー部型枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、カルバートボックスによるトンネル覆工に
おいて、コーナー部に直角断面の施工を容易化できる脱
型構造を設けたカルバートボックスのコーナー部型枠に
関するものである。

（従来の技術） 従来、カルバートボックスによるトンネル覆工におい
て、コーナー部が直角の施工断面を有する場合は側フォ
ームを脱型することが出来なかった。従って、コーナー
部にハンチを設けるように施工変更を施主側に申請する
か、またはハンチフォームを打設コンクリート側に残し
たまま脱型し、後処理することを余儀なくされていた。

（考案が解決しようとする課題） この考案は、上述の事情による施工変更や打設コンクリ
ート側に残されたハンチフォームの取り外しのための処
理に要する手間と、日程の遅れなどの諸々の問題点を解
消できるカルバートボックスのコーナー部型枠の構造を
提示することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） この考案は上記の目的を達成するため、カルバートボッ
クスのコーナー部に直角断面を形成するハンチフォーム
をその施工位置から脱型位置に装脱自在に支持しながら
案内して、移動させたハンチ部と打設コンクリート面と
の間にハンチフォームと共に回動しながら脱型される側
フォームが干渉しないように回動隙間を形成した構造の
カルバートボックスのコーナー部型枠に関するものであ
る。

（作用） この考案は上記のように構成されているので諸々の問題
を解消する作用を有しコーナー部の直角断面の施工を容
易化できる。

即ち、実施例の図面を参照して作用を説明すると、カル
バートボックスのコーナー部型枠１を構成するハンチフ
ォーム２が第１図に示す施工位置Ｉに側フォーム３の取
り付け部材８の上端部９の登り勾配を有する上縁部１０
とハンチフォーム２の基底部６との間隙１６にキャンバ
ー１７を打設してくさび止めされている、所謂、セット
姿でコーナー部に固定されハンチフォーム２のコーナー
に接する面はこれに隣接する側フォーム３および天端フ
ォーム２１の施工面と同一平面上にセットされ、側フォ
ーム３の上端部を構成するつば付き特殊メタル１９のつ
ばの上端２５がハンチフォーム２の直角をなす辺縁４の
下側の端面２７に当接されている。

次に、側フォーム３を脱型するには、第２図に示すよう
に先ずキャンバー１７を取り外すとハンチフォーム２は
コーナーの頂点Ｃを通りその基底部６に直交する断面中
心線ＸＸに沿って斜め下方にガイド内パイプ７がガイド
外パイプ１２に嵌挿されたまま案内され、その基底部６
の辺端１８が側フォーム３および天端フォーム２１の端
面２０，２２と当たるまで移動した脱型位置IIまでコー
ナー部から内方に引き入れられるのでハンチ部の頂点２
４は側フォーム３と共に脱型するため回動させる回動中
心となる天端フォーム２１側のヒンジピン２３の中心と
の距離を回転半径ＲＨとする円弧のハンチフォーム２に
より施工された想像線で示す打設コンクリート面Ｄとの
間に充分な間隙Ｇが確保され、一方、側フォーム３の方
のつば付き特殊メタル１９のつばの上端２５がヒンジピ
ン２３を通る水平方向中心線ＨＨより若干の距離Ｋだけ
下方にあるように形成されたつばの上端２５とヒンジピ
ン２３の中心との距離を回転半径ＲＭとする円弧は同様
に側フォーム３により施工された打設コンクリート面Ｄ
に干渉する恐れがなく容易に側フォーム３を脱型するこ
とができる作用を有する構造である。

（実施例） この考案の実施例を以下、図面に基づいて説明する。

第１図はカルバートボックスのコーナー部型枠１に関す
る実施例を示すものである。

カルバートボックスのコーナー部に直角断面を形成する
ハンチフォーム２の構造は第３図にも示すように側フォ
ーム３と等長のスパンＬを有する長いコーナー部の施工
面を側フォーム３に隣接して配列し形成する等辺山形鋼
材からなるその直角をなす辺縁４の端部の裏側に対向す
る折り曲げつば部５を取り付けて直角二等辺三角形の底
辺を形成する基底部６にコーナーの頂点Ｃを通り直交す
るハンチフォーム２の断面中心線ＸＸに沿ってパイプ材
を切断してなるガイバ内パイプ７を垂設して取り付け部
材８に支持できるハンチフォーム２を構成する。

一方、側フォーム３の長手方向の各スパン毎に設けられ
ている取り付け部材８の上端部９を曲げて、Ｈ形鋼材か
らなる断面の上縁部１０に登り勾配を付けてハンチフォ
ーム２の基底部６と平行する取り付け面を形成すると共
に、第３図に示すように、Ｈ形断面の両側溝部１１の外
側から上縁部と下縁部の両端面に、パイプ材を切断して
なるガイド外パイプ１２の片側外周部１３をそれぞれ架
設し、ハンチフォーム２の断面中心線ＸＸに沿って矢印
Ｙの方向にガイド内パイプ７を嵌挿した上案内し、斜め
下方の脱型位置IIに至るまでハンチフォーム２を支持さ
せる。従って。ハンチフォーム２の長手方向の両端部１
４に垂設したガイド内パイプ７をそれぞれハンチフォー
ム２の各スパンＬの接ぎ目１５に配列されている側フォ
ーム３の取り付け部材８の片側に取り付けられたガイド
外パイプ１２に嵌挿し、長手方向に施工位置に位置決め
したハンチフォーム２の基底部６と取り付け部材８の上
端部９の間隙１６にキャンバー１７を互い違いに打設し
てハンチフォーム２をコーナー部の施工位置Ｉにセット
することができる。

なお、第２図に示すようにハンチフォーム２の基底部６
の下に介装されていたキャンバー１７を取り外した状態
において、ハンチフォーム２の基底部６の辺端１８が側
フォーム３の上端部に設けたつば付き特殊メタル１９の
上端面２０と天端フォーム２１の側端面２２に当たる位
置まで斜め下方に案内された脱型位置IIにあるので天端
フォーム２１に設けたヒンジピン２３に枢着された側フ
ォーム３の取り付け部材８を回動し側フォーム３を脱型
する場合、ハンチ部の頂点２４の回転半径ＲＨの円弧と
打設コンクリート面Ｄとの間に充分な回動間隙Ｇを形成
することができると共に、側フォーム３の上端に設けた
つば付き特殊メタル１９のつばの上端２５をヒンジピン
２３の水平中心線ＨＨより若干の距離Ｋだけ下方になる
ようつば２６を設けてあるので、つばの上端２５の回転
半径ＲＭの円弧も打設コンクリート面Ｄに干渉しないで
側フォーム３を脱型できることになる。

なお、上記のつばの上端２５はハンチフォーム２のコー
ナー部材を形成する直角をなす辺縁４の下側の端面２７
に当接し、ハンチフォーム２に隣接する施工面を形成さ
せると共に、ハンチフォーム２の直角をなす辺縁４の上
側の端面２８は天端フォーム２１側のつばの先端２９に
当接し、天端フォーム２１側との隣接する施工面を形成
することができる。

（考案の効果） この考案は上述の構成を有するので下記の利点がある。

（１）キャンバーを介装してコーナー部の施工位置に取
り付けたハンチフォームをキャンバーを取り外すことに
より先ず斜め下方の脱型位置に引き下げることによりハ
ンチ部に充分の回転隙間を設けて打設コンクリート面に
干渉されることなく側フォームを容易に脱型できる構造
を有すること。

（２）従って、従来の問題点を解消することによって無
用な手間や日程の遅れを解消しカルバートボックスによ
るコーナー部施工の合理化に貢献できること。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のカルバートボックスのコーナー部型
枠の実施例の施工状態の要部説明断面図、第２図はハン
チフォームの脱型状態とした要部説明断面図、第３図は
第１図のＸＸ断面のハンチフォームの施工状態の長手方
向要部の一部部分断面説明図である。 （主要部分の符号の説明） １……カルバートボックスのコーナー部型枠 ２……ハンチフォーム ３……側フォーム ７……ガイド内パイプ ８……取り付け部材 １２……ガイド外パイプ １７……キャンバー ２４……ハンチ部の頂点 Ｇ……回動間隙 Ｄ……打設コンクリート面 Ｉ……施工位置 II……脱型位置（ハンチフォーム）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カルバートボックスのコーナー部の直角断
   面を形成するハンチフォーム(2)にキャンバー(17)を介
   装してその施工位置(I)に支持する取り付け部材(8)にガ
   イド外パイプ(12)を設け、ハンチフォーム(2)に突設し
   たガイド内パイプ(7)を嵌挿してキャンバー(17)を取り
   外した状態の脱型位置(II)まで斜め下方にハンチフォー
   ム(2)を案内し、ハンチ部の頂点(24)と打設コンクリー
   ト面(D)の間に側フォーム(3)と共に回動するに充分な回
   動隙間(G)を設け、側フォーム(3)の脱型を容易化した構
   造を特徴とするカルバートボックスのコーナー部型枠。