JPH0534890Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （従来の技術と問題点） 雨水枡などのコンクリート製品を形成する型枠
は、少なくとも外枠と内枠とから成り、外枠は、
内枠の外周に適宜の間隔を設けて配置され、ま
た、下方を軸とし扇開可能とされ、そのうち一対
の外枠の間には、クランプ装置が装備されること
が多い。

コンクリート製品は、この様な外枠と内枠の間
に生コンクリートを充填して固化させるものであ
る。

固化後コンクリート製品を脱型させるために
は、先ず、クランプ装置を外さねばならないが、
従来のクランプ装置は、一端にクランプ鉤を設け
たクランプバーの他端を、対となつた一方の外枠
に固定的に支持させているため、クランプ鉤との
嵌まり合いで外枠の間を緊締していた係合軸から
クランプ鉤を外した場合、クランプバーを支持し
ていた一方の外枠は、クランプ鉤と係合軸が完全
に離れるわけではないので、わずかしか開かな
い。また、係合軸を形成している側の他方の外枠
も同様に大きくは開かない。このため、コンクリ
ート製品を上方へ吊り上げたり、内部の保守清掃
をするのが不便であつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、かかる点に鑑み、外枠相互の開度を
極めて大きくして、コンクリート製品の吊り上げ
作業や、保守整備に便なる外枠の開閉装置を提供
しようとするものであり、加えて、開度を大きく
することにより生ずる外枠の回転力を利用して一
対の外枠を同時的に扇開させる開閉装置を提供し
ようとするものである。

その要旨とするところは、少なくとも一対の外
枠が、下方を支軸として外方に扇開可能となつて
おり、その１対の外枠の間にクランプ装置が装備
されており、このクランプ装置が、一方の外枠に
設けられ且つ上方を開放した係合部と、この係合
部に先端を係合させた水平方向に伸びるクランプ
バーを介して他の外枠側に形成された係合軸に係
合するクランプ鉤とからなり、その１対の外枠が
扇開する各軸が回転杆を固定的に備えており、そ
の回転杆の間に、一方の外枠の扇開動作が他方の
外枠の扇開動作として伝えられる連結杆を回動自
在に取り付けたことを特徴とするコンクリート型
枠の外枠開閉装置である。

これを更に説明すると、本考案にかかるコンク
リート型枠は、一般には汚水枡等の上下に開口す
る四角筒の様なコンクリート製品用の型枠であ
り、通常外枠は対向した２対からなるが、少なく
とも１対の外枠が対向しているものであるならば
いかなるものでもよい。

この１対の外枠は、台座または下方において軸
止されその軸に扇開可能に取り付けられている。
他方の１対の外枠は、この１対の外枠には挟まれ
ることになつているが、これらは、扇開するもの
でも、外側にそのまま離開するものでもいずれで
もよい。

上記の１対の外枠の間には、他方の１対の外枠
を挟んで緊締解除するクランプ装置が装備されて
いる。このクランプ装置は、一方の外枠に設けら
れ且つ上方を開放したＵ字型の係合部と、この係
合部にナツトなどの係合子を嵌めた先端を係合さ
せた水平方向に伸びるクランプバーを介して他の
外枠側に形成された係合軸に回転片を介して回転
することにより係合するクランプ鉤とからなつて
いる。

更に詳しく言えば、外枠の一方に突設された係
合軸と、この軸に一端を軸着し回転片を備えた回
転片と、この回転片に先端を軸止させた前記係合
軸に係合する凹所を備えたクランプ鉤と、このク
ランプ鉤に連結し、他の外枠の方に水平に伸びる
クランプバーと、上方を開口し側面でクランプバ
ーの先端に係合する係合部からなつている。

下方に設けられている各外枠が扇開する軸に
は、軸とともに回転する回転杆が設けられ、この
回転杆の間に一方の回転を逆に伝える連結杆が連
設されている。

（作用） 本考案は以上のように構成されているので、１
対の外枠を垂直にして対向させ、この１対の外枠
を挟むようにして、クランプ装置の付いているも
う１対の外枠を垂直に立て、クランプバーの先端
をＵ字型の係合部に嵌め、回転片の操作部に操作
ハンドルを入れて回転して係合軸にクランプ鉤の
凹所をクランプする。

この状態で、内枠と外枠の間に生コンクリート
し充填し固化を待つ。

固化完了後回転片の操作ハンドルを逆に回して
クランプ鉤と係合軸との係合を解いてクランプ装
置を外す。クランプ装置を解除すると、クランプ
バーの先端は、係合部が上方に開口しているの
で、上方に移動自在となり、先端を係合部から外
し、係合部のある外枠を外側に扇開出来るように
なる。この扇開により、下方の軸が回転し、それ
とともに回転杆が回転し、連結杆を介して他の回
転杆を逆方法に回転させる。その結果、反対側の
外枠も一挙に大きく扇開する。

（実施例） 以下図面に示す実施例について説明すると、１
は、コンクリート型枠本体、２は内枠、３ａ及び
３ｂは軸４によつて扇開する１対の外枠であり、
５ａ，５ｂは、同じく軸６によつて扇開し、外枠
３を挟んで立設された１対の外枠である。７は、
１対の外枠５ａ，５ｂの間に装備されるクランプ
装置であり、一方の外枠５ａに設けられられ且つ
上方を開放したＵ字型の係合部８にナツトを嵌め
た先端を係合させた水平方向に伸びるクランプバ
ー９が係合しており、このクランプバー９の他端
には、他の外枠５ｂ側に形成された係合軸１０に
係合するクランプ鉤１１が連設されている。１２
は、係合軸１０に一端を軸着し回転操作部１３を
連設した回転片であり、１４は、この回転片１２
に先端を軸止させたクランプ鉤１１に形成され前
記係合軸１０に係合する凹所である。

下方に設けられている外枠５ａ，５ｂが扇開す
る軸６には、軸６とともに回転する回転杆１５が
設けられ、この回転杆１５の間に一方の回転を逆
に伝える連結杆１６が連設されている。

（効果） 以上のように、本考案においては、１対の外枠
の間にクランプが装備され、そのクランプバーの
先端を支持するのは一方の外枠５ａに形成された
上方を開口する係合部であるため、クランプ装置
が解除されたときは、その開口から容易に外れ、
その結果、外枠５は双方とも大きな開度を保証さ
れ、例えば地面まで90度まで開くことができる。
従つて、固化したコンクリート製品の取り外しが
容易となり、保守整備にも便利である。また、外
枠の一方が扇開すると回転杆と連結杆により外枠
の他方も外方に連動して扇開するので、クランプ
を外して一方の外枠を倒すだけで、１対の外枠が
開くことになり、操作が簡単であり、省力化され
ており、且つ構成も簡単であるから安価に提供で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は側面図である。 １……コンクリート型枠本体、２……内枠、３
……外枠、４……軸、５……外枠、６……軸、７
……クランプ装置、８……係合部、９……クラン
プバー、１０……係合軸、１１……クランプ鉤、
１２……回転片、１３……回転操作部、１４……
凹所、１５……回転杆、１６……連結杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも一対の外枠が、下方を支軸として外
   方に扇開可能となつており、その１対の外枠の間
   にクランプ装置が装備されており、このクランプ
   装置が、一方の外枠に設けられ且つ上方を開放し
   た係合部と、この係合部に先端を係合させた水平
   方向に伸びるクランプバーを介して他の外枠側に
   形成された係合軸に係合するクランプ鉤とからな
   り、その１対の外枠が扇開する各軸が回転杆を固
   定的に備えており、その回転杆の間に、一方の外
   枠の扇開動作が他方の外枠の扇開動作として伝え
   られる連結杆を回動自在に取り付けたことを特徴
   とするコンクリート型枠の外枠開閉装置。