JPH06196033A - V3 Si超電導極細多芯線材の製造法 - Google Patents

V3 Si超電導極細多芯線材の製造法

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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度マージングが大きく、低交流損失で高安
定性を有する強磁界特性の優れた交流用V3 Si超電導
極細多芯線材を高効率で得る。 【構成】 Cu−Si合金(ブロンズ)マトリックスと
V芯から構成される複合体において、ブロンズの組成な
らびにマトリックス/芯の体積比を調整してVとSiの
組成比(V原子数/Si原子数)を1.7以上に制御
し、この複合体を中間焼鈍と冷間加工によりV芯径が1
0μm以下になるまで線状に加工したのち、V芯1の廻
りにSi濃度の低下したブロンズ4側からV5 Si3
3およびV3Si層2を拡散生成させる熱処理を行い、
そのうちV5 Si3 層3をV3 Siフィラメント間の物
理的及び電気的結合を切る高電気抵抗層として、またS
i濃度が低減したブロンズ4を安定化材として利用する
強磁界特性の優れた交流用超電導極細多芯線材を製造す
る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、V3 Si超電導極細
多芯線材の製造法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、交流用の超電導線材として温度マージ
ングが大きく低交流損失で高安定性を有する強磁界特性
の優れたV3 Si超電導極細多芯線材の高性能、効率的
な製造方法に関するものである。
【従来の技術とその課題】現在、実用化されている交流
用超電導線材はNbTi合金極細多芯線が唯一である。
この通常のNbTi合金極細多芯線では、安定性を十分
確保するためにマトリックス材に純銅を使用している
が、交流磁界中ではフィラメント(NbTi)が電気的
に結合し、フィラメント間に起電力が生じて銅マトリッ
クスに電流が流れ、ジュール損失(結合損失)が発生す
る。これを低減するために、通常は、マトリックスの横
方向電気抵抗率を高めることが有効で、そのため純銅に
替えて高電気抵抗材料をマトリックスとして使用する。
ただし、交流損失のもう一つの原因である磁束線のピン
止めに伴う損失(ヒステリシス損失)は超電導フィラメ
ントが細くなるほど小さくなる。そのためフィラメント
径が1μm以下になるまで伸線加工する必要があること
から、マトリックスの高電気抵抗材料としては、加工性
にも優れたキュブロニッケル等の銅合金に限定されてい
る。しかしながら、マトリックスが高電気抵抗材料であ
る場合には熱伝導率も低くなるので通電中に常電導の芽
が一旦発生してしまうと回復することは不可能で、安定
性が損なわれてしまうことになる。ただ、横方向の電気
抵抗は高いが長手方向の電気抵抗は低いマトリックス材
料がもし存在すれば、低交流損失と高安定性を同時に実
現することができる。そのような理想的なマトリックス
材料を得るために、現実には、純銅と高電気抵抗材料を
適当に配置した混合マトリックス材料を用いる。しか
し、交流用多芯線としては極めて高度な複合加工技術を
必要とする。そして、さらに、NbTi自身の臨界磁界
(4.2K)が11.5Tと低いので8T以上の交流磁
界を発生することは不可能であり、また、臨界温度も
9.5Kと低いので超電導発電機など使用温度が5Kを
越える交流機器には温度マージンが小さ過ぎるという欠
点があった。一方、直流用に開発されてきたブロンズ法
Nb3 Sn極細多芯線は、臨界温度が17K以上でまた
臨界磁界が23Tを越えることから、温度マージンが大
きい強磁界交流用超電導線材としても注目されている。
しかし、このブロンズ法には、伸線工程でブロンズを焼
鈍(約600℃で1時間)しなければならないという欠
点があった。それと言うのもブロンズの加工硬化が顕著
であるからであった。しかし、中間焼鈍で生成する微量
のNb3 Sn化合物は芯径が細くなるほど複合加工性を
劣化させる。そのため、Nb芯径を1μm以下まで細く
しなければならない交流用多芯線では、伸線途中で破断
しやすくなる欠点があった。また、overall JC を大き
くするためには、フィラメント間距離は無制限に大きく
できない。そのため、伸線終了後の比較的高温での熱処
理(約700℃で100時間)で、各Nbフィラメント
の廻りに生成するNb3 Snが部分的に合体してフィラ
メント間が物理的に結合するブリッジングが避けられな
い。このようなブリッジングが生じると有効超電導芯径
が大きくなってヒステリシス損失を増大させる欠点があ
り、さらに、Nb3 Snの生成後のブロンズは、結合損
失を軽減するには電気抵抗が低すぎ、また、安定性を向
上させるほどには電気抵抗が高すぎるという中途半端な
ものであった。また、V3 Si化合物も臨界温度が16
K以上で、また臨界磁界(4.2K)が20Tを越すた
め、温度マージンが大きい強磁界交流用超電導線材とし
て期待できる。しかし、ブロンズ法を適用したこのV3
Si化合物の製造法では、ブロンズ中のSi濃度が高い
とV5 Si3 層が優先的に厚く生成し、V3 Si層はV
5 Si3 層と未反応のVとの界面に薄く生成するので、
overall JC は小さかった(K. Tachikawa et al., J.
Mater. Sci.,(1972),1154−1160,M.
Suenaga et al.,“1972 Applied Superconductiv
ity Conference”,IEEE,New York, 1972,p
481−485.)。一方、ブロンズ中のSi濃度を下
げるとV5 Si3 層厚に対するV3 Si層厚の割合が増
加し、Si濃度が1at%以下になるとV3 Si層だけ
が生成する(J. Livingston, J. Mater. Sci.,12(1
977).1759−1763)。この場合、厚くV3
Siを生成させるためにはVに対するブロンズの体積率
をかなり大きくする必要があり、やはりoverall JC
改善は困難であった。なお、Livingstonは、Siに対す
るVの組成比(V原子数/Si原子数)をできるだけ大
きく調整すれば、Si濃度の高いブロンズを出発材料に
用いても熱処理でのブロンズ中のSi濃度の減少にとも
ない、初期に生成したV5 Si3 が最終的にV3 Siに
変態する可能性を指摘した。しかし、 Suenagaらは、V
のSiに対する組成比が十分大きい試料(V/Si〜
3.5)を用いたが、V3 Siを厚く生成させようとす
ると高温で長時間の熱処理が必要であり、そのようにし
て生成したV3 Siは結晶粒が粗大化し、磁束線のピン
止め中心である結晶粒界密度が減少するので、結局大き
なoverall JC は得られないことを報告している。 Sue
nagaらの試料ではV芯径が30μm以上で太かった。な
お、これまでV3 Si線材を交流用超電導線材として着
目した研究報告例は知られていない。この発明は、以上
の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来方法の
欠点を解消し、温度マージングが大きく低交流損失で高
安定性を有する強磁界特性の優れた交流用超電導極細多
芯線材を製造することができる新しい方法を提供するこ
とを目的としている。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するものとして、Cu−Si合金(ブロンズ)マト
リックスとV芯から構成される複合体において、ブロン
ズの組成ならびにマトリックス/芯の体積比を調整して
VとSiの組成比(V原子数/Si原子数)を1.7以
上に制御し、この複合体を中間焼鈍と冷間加工によりV
芯径が10μm以下になるまで線状に加工したのち、V
芯の廻りにブロンズ側からV5 Si3 層およびV3 Si
層を拡散生成させる熱処理を行い、生成したV5 Si3
層をV3Siフィラメント間の物理的及び電気的結合を
切る高電気抵抗層とし、またSi濃度が低減したブロン
ズを安定化材とする低交流損失・高安定の交流用超電導
3 Si極細多芯線材の製造方法を提供する。さらに詳
しくは、この発明の製造方法において、全てのSiがV
と反応したときに、Vが全てV5 Si3 に変化しない
(未反応VまたはV3 Siが残る)ようにする。このた
め、ブロンズに含まれるSiの総量をV原子数/Si原
子数で1.7以上になるように、ブロンズ中のSi濃度
およびブロンズのVに対する体積比を制御する。ブロン
ズ中のSi濃度は、ブロンズの体積率を小さくしてover
all JC を大きくするため、また硬度を上げてVとの良
好な複合加工性を確保するために、4原子%、好ましく
は7原子%以上、また、ブロンズの良好な冷間加工性を
保持する上から11原子%、好ましくは9原子%以下と
する。中間焼鈍温度は、ブロンズのSi濃度に応じて変
化させる必要があるが、ブロンズを十分焼鈍するために
は300℃、好ましくは480℃以上、またVとSiが
化合物を生成してその後の伸線加工性を劣化させないた
めには570℃、好ましくは540℃以下とする。最終
的なV芯径は、Siとの拡散反応が比較的低温で短時間
で終了させて結晶粒の粗大化を抑制するため及びヒステ
リシス損失を低減化するために、10μm、好ましくは
1μm以下とする。化合物生成のための最終熱処理温度
は、V3 SiのV5 Si3 に対する割合を実用的な熱処
理時間以内(200時間)で大きくするために600
℃、好ましくは650℃以上、また、V3 Siの結晶粒
を粗大化させないために950℃、好ましくは900℃
以下とする。VとSiの組成比と最終的なV芯径を確保
するために、ブロンズ中のSiとの反応性が無視できる
ほど小さくブロンズとの複合加工性に優れたTa、N
b、これらの合金等の材料をスタック用シース材や拡散
バリア材として複合体中に含んでも良い。添付した図1
は、この発明の製造方法によって得られる極細多芯線材
の部分構成を例示した断面図である。たとえばこの図1
に示したように、V芯線(1)の周囲には、V3 Si層
(2)5 Si3 層(3)、そしてSi濃度の低下し
たCu−Siブロンズ層(4)が形成されることにな
る。V5 Si3 層(3)は、V3 Si層(2)フィラメ
ント間の高電気抵抗層として働き、ブロンズ層(4)は
安定化材として働くことになる。次ぎに実施例を示して
さらに詳しくこの発明について説明する。もちろん、こ
の発明は以下の実施例によって限定されるものではな
い。とくにV/Si比を1.7以上に確保してV芯径を
10μm以下の複合多芯線を作製することが本発明の骨
子なので、実施例と違って多芯線を出発材料としてスタ
ック工程を省略する場合や、また多芯線を出発材料にし
て1回のスタック工程で完了する場合も、この発明の請
求範囲に含まれる。さらに、スタック用シース材とSi
の拡散バリア材を兼ねて実施例ではTaを用いている
が、ブロンズ中のSiとの反応性が低くまたブロンズと
の複合加工性が優れていれば、スタック用シース材や拡
散バリア材としてTa以外の材料でも構わない。
【実施例】電子ビーム溶解により溶製したVインゴット
を1100℃で1時間の中間焼鈍と溝ロール圧延・スウ
ェージングによる冷間加工を交互に繰り返し、直径3.
9mmφの丸棒に加工したのち2次再結晶が生じないよ
うに比較的低温の900℃で1時間での真空焼鈍を行っ
て芯材とした。一方マトリックス材は、アーク溶解炉で
溶製したCu−16wt.%Si母合金と純銅を原材料
にしてタンマン炉でCu−8.5at.%Si合金に溶
製し、溝ロール圧延・スウェージング・ドリル加工によ
り管状(7.9/4.0mmφ)に加工して作製した。
両者を複合後、520℃で1時間の中間焼鈍と50%の
冷間加工(溝ロール圧延・カセットローラダイスによる
伸線加工)を交互に繰り返して、0.7mmφ(V芯
径:350μm)の単芯線に加工した。単芯線に於ける
V/Si組成比は3.2である。ついで、Cu−8.5
at%Siシース管(10.5/7.5mmφ)とTa
シース管(10/7.5mmφ)に上記単芯線を80本
束ねて挿入し、それぞれ上記と同様の中間焼鈍を加えな
がら再び0.7mmφまで伸線加工し、2種類の1次ス
タック線とした。このうちCu−8.5at%Si/C
u−8.5at%Si/V線については10.5/7.
4mmφのCu−8.5at%Siシース管に再び80
本を束ねて挿入して2次スタック線とした。また、Ta
/Cu−8.5at%Si/V線については12.3/
9mmφのCu−8.5at%Siシース管に134本
束ねて挿入し2次スタック線とした。2種類の2次スタ
ック線は共に線径が0.315mmまで破断することな
く伸線加工できた。なお、Taを用いた2次スタック線
ではTaがSiの拡散バリアになっているのでVとの反
応に寄与するSiは単芯線部分のブロンズに含まれるだ
けであり、V/Si組成比は単芯線の場合と同様に3.
2である。また、Taを用いない場合はシース材のブロ
ンズも反応に寄与するので、V/Si組成比は1次スタ
ック線で1.4、2次スタック線で0.81となる。こ
のようにして得られた極細多芯線を700〜850℃で
熱処理し、超電導特性を測定した結果を表1に示す。ま
た、観察した微視的組織を表2に示した。Taをスタッ
ク用シース材に用いていない比較例1〜11において
は、Vに対するSiの割合は大きく、熱処理初期にV5
Si3 と未反応Vとの界面に一旦V3 Siが薄く生成す
るが、その後の熱処理によってさらにSiが供給され続
けるため最終的にV5 Si3 に変化し、超電導性を示さ
なくなる。V/Siの比率が大きい3.2の場合には、
V芯径が10μm以上であると(表1比較例12〜1
5、表2比較例19〜23)、同じV芯径でSiの供給
量が多い場合(表1比較例8〜11、表2比較例18)
と比較して、短時間の熱処理で臨界温度の高いV3 Si
が厚く生成し、高磁界でのoverall JC も大きくなる。
しかし、V芯径が10μm以下のもの(表1実施例1〜
11、表2実施例12)と比較するとoverall JC は1
桁ほど小さい。Si濃度が十分低下してブロンズが安定
化材として利用できるまでに要する時間は、V芯径が1
0μm以上の場合には、きわめて長い。そのためV3
iの結晶粒が粗大化し、結局overall JC が低下したと
解釈される。なお、V芯径が細い場合(表1実施例1〜
7)でも長時間熱処理を行うとoverall JC が若干劣化
する。しかし、最適熱処理条件が低温で短時間側にシフ
トするために、overall JC の絶対値はV芯径が10μ
m以上のものと比較すると遙かに大きい。850℃で熱
処理した場合にこれまで得られている超電導特性を比較
すると(表1比較例16〜17および実施例8〜1
1)、V芯径を細くすると最適熱処理時間が短時間側に
シフトしていることが判る。また、表1の実施例8の試
料について磁化測定により超電導有効芯径を求めた。超
電導有効芯径は熱処理前のV芯径とほぼ一致しており、
5 Si3 層が超電導フィラメント同士の直接的な物理
的結合を阻害するのに有効に作用していたことが明らか
にされた。また、生成したV5 Si3 の電気抵抗率は
4.2Kで約5×10-7Ωmであった。この値は、従来
から高電気抵抗材料として用いられているキュブロニッ
ケルの値3.5×10-7Ωmと比較しても大きく、結合
損失を低減させるのに十分な高電気抵抗材料であること
が確認された。
【表1】
【表2】
【発明の効果】この発明の製造法の場合には、従来のV
3 Si化合物の製法と違って、比較的低温で短時間の熱
処理で結晶粒が微細なV3 Si層をV5 Si3 層に比べ
て厚く生成できるので、大きなoverall JC が得られ
る。また、このV5 Si3 層を必要な厚さだけ残すこと
が可能でマトリックス横電気抵抗率を高めるのに利用で
きる。そのうえ熱処理後ブロンズ中のSi濃度が1at
%以下まで減少し電気抵抗が十分低下するので、この純
銅化したブロンズを安定化材として利用できる。したが
って、従来の交流用超電導線材の製法と違って、純銅と
高電気抵抗材との混合マトリックス材料を別途被覆する
ことなく、結合損失が小さくそのうえ安定性にも優れた
交流用超電導線材を製造できる。また、中間焼鈍温度は
570℃以下と低いので、ブロンズ法Nb3 Sn極細多
芯線材と違って、中間焼鈍による化合物生成及びそれに
伴う複合加工性の劣化はほとんどない。したがって、V
芯径を1μm以下に伸線加工するのは容易で、そのため
ヒステリシス損失を小さくできる。さらに、最終熱処理
でフィラメント間のブリッジングが仮に生じても、常電
導化合物のV5 Si3 同士が結合するだけで、超電導化
合物のV3 Siの物理的な結合は原理的には生じない。
そのため、超電導有効芯径の増加に伴うヒステリシス損
失の増大はないと思われる。耐歪特性に関しても、一般
的にA15型化合物では負荷歪に対して非可逆的にJc
が劣化し始める歪量εirrev がフィラメント径が小さく
なるほど大きくなるので、1μm以下のフィラメント径
を有する本発明のV3 Si極細多芯線材も比較的大きな
εirrev を有するものと期待される。さらに、この発明
は、特殊な装置を必要とせずに従来のブロンズ法Nb3
Sn極細多芯線の場合と同様の溶解、伸線加工、熱処理
装置をそのまま利用できる利点を有し、そのうえ、キュ
ブロニッケル等の高電気抵抗材や純銅などの安定化材を
別途導入する必要がないので、線材の製造工程が簡略化
され製造コストを下げることが可能である。また、交流
損失が多少あっても臨界温度が16K以上で高いため余
裕をもった設計が可能となる。そのため、マグネットの
小型化を図ることができ、冷却コストの節減につなが
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法によって製造される線材の部分
断面を示したものである。
【符号の説明】
1 V芯線 2 V3 Si層 3 V5 Si3 層 4 Si濃度低下Cu−Siブロンズ層
【図1】
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法によって製造される線材の部分
断面を示したものである。
【符号の説明】 1 V芯線 2 V3 Si層 3 V5 Si3 層 4 Si濃度低下Cu−Siブロンズ層 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu−Si合金(ブロンズ)マトリック
    スとV芯から構成される複合体において、ブロンズの組
    成ならびにマトリックス/芯の体積比を調整してVとS
    iの組成比(V原子数/Si原子数)を1.7以上に制
    御し、この複合体を中間焼鈍と冷間加工によってV芯径
    が10μm以下になるまで線状に加工したのち、V芯の
    廻りにブロンズ側からV5 Si3 層およびV3 Si層を
    拡散生成させる熱処理を行い、生成したV5 Si3 層を
    3 Siフィラメント間の物理的及び電気的結合を切る
    高電気抵抗層とし、またSi濃度が低減したブロンズを
    安定化材とする強磁界特性の優れた交流用のV3 Si超
    電導極細多芯線材の製造方法。
  2. 【請求項2】 ブロンズ中のSi濃度が4原子%〜11
    原子%の範囲で、中間焼鈍温度が300℃〜570℃の
    範囲にある請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 真空、不活性ガス雰囲気で600℃〜9
    50℃の範囲でV5Si3 層およびV3 Si層を拡散生
    成・熱処理する請求項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 V5 Si3 およびV3 Siの拡散生成に
    寄与するSi量を制御し、さらに10μm以下までV芯
    径を伸線加工するために、ブロンズ中のSiとの反応性
    が低く、またブロンズとの複合加工性に優れた材料を拡
    散バリア材またはスタック用シース材として複合体に含
    む請求項1、2または3の製造方法。
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