JPH06195914A - 浮動型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

浮動型磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH06195914A
JPH06195914A JP34798392A JP34798392A JPH06195914A JP H06195914 A JPH06195914 A JP H06195914A JP 34798392 A JP34798392 A JP 34798392A JP 34798392 A JP34798392 A JP 34798392A JP H06195914 A JPH06195914 A JP H06195914A
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magnetic head
floating
floating magnetic
lapping
floating type
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JP34798392A
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Shigeo Maeda
成夫 前田
Kenichiro Kaneko
健一郎 金子
Junichi Kimura
淳一 木村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との対向面
を凹凸状に加工し、浮動型磁気ヘッドのCSS特性を改
善する。 【構成】 フェライトをスライダー2として用いる浮動
型磁気ヘッド1の磁気記録媒体との対向面4を、浮動型
磁気ヘッド1が適度にめりこむ弾性を有するラップ定盤
15とダイヤモンド粒子21を分散させたスラリーを用
いてラップ加工する。 【効果】 磁気記録媒体との対向面4を、ラップ加工と
いうコスト的に優れた手法で、逆スパッタ法に比べて小
さな粗さを有する凹凸性状とすることができ、薄膜媒体
に対応した浮動型磁気ヘッド1のCSS特性を改善する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライトからなるス
ライダーを有する浮動型磁気ヘッド、特に小型ハードデ
ィスク用の浮動型磁気ヘッド及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年小型ハードディスク装置における浮
動型磁気ヘッドの浮上方式は、浮動型磁気ヘッドが磁気
記録媒体の停止・回転とともに磁気記録媒体上で停止
し、磁気記録媒体から一定の間隔で浮上するというCS
S(コンタクト・スタート・ストップ)方式が採用され
ている。また、近年磁気ディスク装置の高密度記録化か
ら特に浮上量を小さくすることが要求されており、さら
にこの浮上量を小さくすべく種々の取り組みが行われて
いる。磁気記録媒体においては、スパッタ法によって磁
性体及び保護層を作製する薄膜媒体が採用され、低浮上
化に対応すべく薄膜媒体表面の平坦化が進んでいる。
【0003】従来浮動型磁気ヘッドとしては、コスト的
に優れたフェライトセラミックスをスライダーとする通
称モノリシックタイプの磁気ヘッド、さらにはMIG
(メタルインギャップ)ヘッドといわれるフェライト磁
気ヘッドが用いられている。
【0004】また浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体と対
向する面の加工は、微小なダイヤモンド砥粒と軟質金属
ラップによる錫製定盤を用いた方法と、例えば特開平1
−251308号公報にみられるような逆スパッタ法に
よる加工が行われている。なお、この逆スパッタ法によ
る加工はフェライトの結晶粒子間での微妙な結合エネル
ギーの違いを利用した方法であり、この方法によれば、
Arイオンによるスパッタによってこの結合エネルギー
の違いが反映された個々の結晶粒子間において凹凸状と
なった表面形状を得ることができる。
【0005】また、逆スパッタ法では図9の従来の浮動
型磁気ヘッドにおける対向面(浮上面)の模式的断面図
に示すごとく定義された凹凸段差及び平均段差と凸凹の
繰り返しピッチeにおいて、この凹凸段差dが平均値に
おいて50〜200オングストローム(好ましくは70
〜170オングストローム)でかつ凸(山)28と凹
(谷)29の繰り返しピッチeが5〜20μmであると
き、コンタクト・スタート・ストップ特性(以下CSS
特性と称す)とよばれているヘッド−ディスク間の摩擦
摩耗特性が顕著に改善される。図9において、山28と
谷29が急激に変化する部分である崖30は、結晶粒子
31〜41の境界に沿って延在している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】浮動型磁気ヘッドとハ
ードディスクを用いた磁気ディスク装置においては、C
SS特性は電磁変換特性と並んで重要な特性であり、前
述したような浮上量がますます小さくなり、薄膜媒体表
面の平坦化が要求される状況においては、CSS特性の
改善はますますより重要な課題となる。
【0007】かかるCSS特性の改善を行うための取り
組みとして、磁気記録媒体との接触面積を減らす観点よ
り対向面をある程度粗すことが有効とされ、粗い砥粒で
加工するとか、あるいは逆スパッタ法によってヘッド表
面に微小な凹凸を付加する方法が提起されている。
【0008】しかしながら、粗い砥粒での加工はスクラ
ッチを発生させることから問題であり、逆スパッタ法を
用いる方法では微小な無機物系の塵や有機物が存在する
と、同様なエッチング速度の不均一化が生じ凹凸量のコ
ントロールができなくなったり、場合によってはCSS
時にヘッドクラッシュを引き起こしたりする突起が発生
するといった問題点や、この方法で仕上げた浮動型磁気
ヘッドを用いた磁気ディスク装置においては、ディスク
あるいはフェライトスライダーから摩耗粉が発生すると
いう問題点もあった。さらに、逆スパッタ法を用いる方
法は、微小な無機物系の塵や有機物突起を除去するため
の完全な洗浄を必要とするため工程数が増加し、コスト
的にも問題であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の浮動型磁気ヘッドの製造方法は、磁気記録媒
体との対向面を弾性定盤とダイヤモンド粒子を分散させ
たスラリーを用いてラップ加工する。また本発明の浮動
型磁気ヘッドは、加工された対向面の表面形状が、逆ス
パッタ法で加工した場合より小さな粗さ、すなわち25
〜45オングストロームの平均段差を有した凹凸状であ
り、凸ブロック表面の粗さの標準偏差が5〜8オングス
トロームとしたものである。
【0010】
【作用】上記構成において、ラップ加工時に浮動型磁気
ヘッドが弾性定盤に適度にめりこみ、ダイヤモンド粒子
がスライダーと弾性定盤間に押し込められたような状態
が得られて微小切削が可能となり、フェライト結晶粒子
間での機械的特性の違いに応じた各粒界を境界とする凹
凸状の形状を得ることができ、さらには凹凸部表面の粗
さが逆スパッタ法で得られる場合に比べて小さくなる。
この結果、摩耗粉を発生することがなく、大きい硬度を
有する磁気ディスクに対しても、逆スパッタ法で得られ
る以上のCSS特性を有する浮動型磁気ヘッドを得るこ
とができる。
【0011】
【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0012】図1は本発明の一実施例における浮動型磁
気ヘッドの製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの斜視図
であり、このタイプはMIGヘッドと呼ばれる。この浮
動型磁気ヘッド1は、フェライトからなるスライダー2
の間にC字型コア3を備えており、磁気記録媒体との対
向面4を片面ラッピング加工機を用いて(表1)に示し
たように、加工No1〜No3のラップ加工条件によっ
て鏡面加工して実施例とし、また比較例として従来の方
法を用いて加工No4をラップ加工で、加工No5を逆
スパッタ法によって製作した。
【0013】
【表1】
【0014】図2は本発明の一実施例における浮動型磁
気ヘッドの製造方法に用いた片面ラッピング加工機の側
面図であり、本体ボックス11の内部には駆動シャフト
12と、この駆動シャフト12を駆動するモータ13が
内蔵されている。駆動シャフト12の上端部にはドライ
ビングプレート14が結合されており、このドライビン
グプレート14上には軟質の弾性定盤からなるラップ定
盤15が装着されている。本体ボックス11の上面側部
にはブロック16が設けられており、このブロック16
にはラップ定盤15の上方へ延出するアーム17が取り
付けられている。アーム17の下面にはアームローラ1
8が設けられており、またアーム17の上面にはアーム
ローラ18を回転させるモータ19が設けられている。
20はモータ13、19を制御する制御ボックスであ
る。
【0015】図3は本発明の一実施例における浮動型磁
気ヘッドの製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドが載置さ
れたラップ定盤の部分拡大断面図である。ラップ定盤1
5にはダイヤモンド粒子21が混入されており、このラ
ップ定盤15は加圧されることにより浮動型磁気ヘッド
1の対向面4がわずかにめり込む弾性を有している。2
2は潤滑剤である。
【0016】ラップ加工の場合は、ラッピング砥粒とし
て平均粒径0.12μmのダイヤモンド粒子21を用
い、ラップ定盤15として、(表1)に示すように一つ
は径30cmで厚み20mmの錫を約30体積%、アク
リルを約60体積%、気孔を約10体積%含む定盤を用
い(加工No1)、一つは、前記寸法を有する鉛を約6
体積%、気孔を約6体積%含む錫製定盤(加工No2)
と、鉛を約46体積%、気孔を約6体積%含む錫製定盤
を用いた(加工No3)。また比較例として従来の錫製
定盤をラップ定盤15の代わりに用いた(加工No
4)。ラップ加工は、粘着性ゴムに張り付けた40個の
浮動型磁気ヘッド1について、定盤回転数40rpmと
ラッピング時間60(sec)の条件にて行った。
【0017】次に、これらの浮動型磁気ヘッド1の表面
形状を比較した。浮動型磁気ヘッド1の磁気記録媒体と
接触する対向面4の表面形状は、5個の浮動型磁気ヘッ
ド1について、各々5箇所触針式表面粗さ計にて約0.
3mmの距離にわたり測定した。この結果を図4(a)
〜(c)の本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッド
の製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面の表面形
状の測定図に示し、ここでは粗さ曲線における山と谷
(図9参照)の段差に着目して解析した。ここで、図4
(a)、(b)は加工No2、加工No3の実施例、図
4(c)は加工No5の比較例である。またさらに、5
5μmの距離にわたりより精密な測定を10箇所行い、
山あるいは谷の表面粗さに着目して解析した。なお表面
粗さ計は、0.3mmの距離の場合は先端半径0.5μ
mのダイヤモンド製の触針を、縦倍率100万倍、横倍
率500倍の条件にて用いた。距離55μmの場合は、
先端が0.1μm×2.5μmのダイヤモンド製の触針
を縦倍率100万倍、横倍率2000倍の条件にて用い
測定した。またこの場合は、測定値をパソコンに取り込
み解析した。
【0018】(表2)に加工No1〜5による山と谷の
平均段差についての結果を示す。
【0019】
【表2】
【0020】(表2)に示すように、加工No1〜3で
は平均段差(図9参照)25〜45オングストロームを
有する明確な凹凸形状が得られた。一方比較例としての
加工No4においては明確な凹凸形状が得られなかった
が、加工No5の逆スパッタ法においては、段差を有す
る明確な凹凸形状が得られた。なおこの平均段差は、5
0〜70オングストロームであって実施例のラップ加工
での結果に比べ大きかった。
【0021】また、微分干渉顕微鏡を用いてこの表面を
観察すると、実施例のラップ定盤15を用いた加工No
1〜3による加工表面と、比較例の逆スパッタ法による
加工No5による加工表面間において違いは認められな
かった。即ち、実施例のラップ加工の凹凸形状の発生機
構が、比較例の逆スパッタ法による凹凸発生機構のよう
な結晶粒子の結合強度に起因する粒子間の機械的特性の
違いに基づくものであることが推察される。
【0022】また浮動型磁気ヘッド1の断面形状につい
て、実施例のラップ加工と比較例のラップ加工では大き
な違いがあった。図5(a)、(b)は本発明の一実施
例における浮動型磁気ヘッドの製造方法に用いた浮動型
磁気ヘッドの対向面を非接触式形状測定器WYKOで測
定した断面形状図である。図5(a)に示すように、実
施例の加工No1〜3において得られた浮動型磁気ヘッ
ド1は蒲鉾状の断面形状を有しているが、図5(b)に
示すように比較例の加工No4において得られた浮動型
磁気ヘッド1は蒲鉾状の断面形状を有していなかった。
【0023】従って以上の結果により、実施例の加工N
o1〜3と比較例の加工No4間での得られた表面形状
の違いは、浮動型磁気ヘッド1とラップ定盤15あるい
は錫製定盤との接触状態の違いに起因するものと考えら
れる。即ち、加工No1〜3の場合は、浮動型磁気ヘッ
ド1が砥粒によって切削される時に、ラップ定盤15の
弾性が大きいためにスライダー2がラップ定盤15中に
適度にめりこんだ状態となりスライダー2の表面の加工
は移動速度の小さいスライダー2の表面とラップ定盤1
5間に閉じ込められたダイヤモンド粒子21によって行
われる。そしてその結果速度の小さい微小切削が行わ
れ、フェライト結晶粒子の機械特性の違いによる摩耗速
度の違いが顕著になるのである。
【0024】図6(a)、(b)は本発明の一実施例に
おける浮動型磁気ヘッドの製造方法に用いた浮動型磁気
ヘッドの対向面の表面粗さの測定図であり、図6(a)
は実施例の加工No2によるもの、図6(b)は比較例
である加工No5の逆スパッタ法によるものであり、測
定には0.1μm×2.5μmの先端を有するダイヤモ
ンド製の触針を用いた。(表3)に、この表面粗さの結
果を示す。
【0025】
【表3】
【0026】図6及び(表3)で明らかなように、対向
面4の凹凸部における粗さが著しく異なった。すなわ
ち、比較例である加工No5の逆スパッタ法で加工した
場合(ヘッドNo9〜12)の粗さの標準偏差約13オ
ングストロームに対し、実施例の加工No1〜3でラッ
プ加工した場合(ヘッドNo1〜8)の粗さの標準偏差
は約5〜8オングストロームとかなり小さくなった。従
って、以上の結果により、実施例のラップ加工によると
凹凸状の表面形状が得られることが明らかになった。ま
た得られる凹凸各部の表面の粗さも、比較例の逆スパッ
タ法で加工した場合に比べてかなり小さくなることも明
らかとなった。
【0027】次に、実施例のラップ加工及び比較例のラ
ップ加工によって得られた浮動型磁気ヘッド1と比較例
の逆スパッタ法で得られた浮動型磁気ヘッド1のABS
幅(対向面4の幅)を調整し組立た後、2種類の3.5
インチハードディスクを用いてCSS特性及び粉塵の評
価を行った。
【0028】CSS特性の評価は、市販の試験機を用い
て下記条件にて行った、また3.5インチハードディス
クは次のディスクを用いた。
【0029】磁気ディスク(1) 基板;アルミニュウム 下地;Cr 磁性層;Co−Niスパッタ膜 表面層;カーボンスパッタ層及びカーボン層表面に塗布
されたフッソ系固体潤滑剤層 ディスクの表面粗さ;Ra 55オングストローム 表面層硬度;300(kgf/mm2 ) 注;硬度はカーボンスパッタ層5000オングストロー
ムに対する微小硬度。
【0030】磁気ディスク(2) 基板;アルミニュウム 下地;Cr 磁性層;Co−Niスパッタ膜 表面層;カーボンスパッタ層及びカーボン層表面に塗布
されたフッソ系液体潤滑剤層 ディスクの表面粗さ;Ra 90オングストローム 表面層硬度;650(kgf/mm2 ) 注;硬度はカーボンスパッタ層5000オングストロー
ムに対する微小硬度。
【0031】CSSテスト時のディスク駆動条件は以下
の通りである。 ヘッド圧力;93mN(9.5gf) 測定位置;25mm 定常回転数迄の所要時間;6秒 定常回転数と時間;3600rpmで1秒 定常回転数から停止する迄の所要時間;6秒 回転と回転間の停止時間;1秒 図7、図8はそれぞれ本発明の一実施例における浮動型
磁気ヘッドの製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの磁気
ディスク(1)及び磁気ディスク(2)での2万CSS
までのCSSテストの結果を示す図である。結果は、回
転数1rpmの磁気ディスクと浮動型磁気ヘッド1間の
動摩擦係数μkの平均値μのCSS回数による変化で示
した。比較例のラップ加工による浮動型磁気ヘッド1で
は、いずれの磁気ディスクに対してもμが増加し、実施
例のラップ加工による浮動型磁気ヘッド1に対して劣っ
ていた。実施例のラップ加工による浮動型磁気ヘッド1
と比較した比較例の逆スパッタ法で加工した浮動型磁気
ヘッド1においては、磁気ディスクにおける違いが認め
られた。磁気ディスク(1)に対しては、いずれの磁気
ヘッドの場合にも2万CSSを行ってもμの増加はほと
んど無く、μ値も0.2以下と小さかった。しかしなが
ら、磁気ディスク(2)に対して、実施例のラップ加工
による浮動型磁気ヘッド1についてμの増加がややあっ
たのに対し、比較例の逆スパッタ法で加工した浮動型磁
気ヘッド1においては顕著にμが増加しさらにCSS後
において対向面4における凹凸状態が一部消滅した。
【0032】従って、CSS特性の向上に対しては対向
面4の凹凸が必要であり、さらには磁気ディスク(2)
のようなより硬い磁気ディスクに対しては粗い表面形状
であることがかえってフェライト自体の摩耗を招きCS
S特性を悪化させることがわかった。
【0033】粉塵の評価は、磁気ディスク(1)を用い
た市販の磁気ディスク装置とパーテイクルカウンタを用
いて、0.3μm以上の粉塵の発生数について、2万C
SSと0CSS間の増加量から行った。(表4)はその
結果を示したものである。
【0034】
【表4】
【0035】(表4)に示すように実施例のラップ加工
による浮動型磁気ヘッド1の場合は、粉塵の増加は認め
られず30CF(個/Feet3 )以下であった。一
方、比較例の逆スパッタ法での浮動型磁気ヘッド1の場
合には、当初約30CFであったのが約120CFに増
加した。なお、この違いの原因については、詳細は不明
であるが、おそらく表面粗さの違いが要因となっている
と推察される。比較例の逆スパッタ法による浮動型磁気
ヘッド1の場合に見られる粗な表面が微小に摩耗する
か、あるいはこの粗な表面が磁気ディスクの摩耗を促進
するものと考えられる。
【0036】従って、以上の結果より、2種類の磁気デ
ィスクに対する平均値μ及び粉塵の評価からなる総合的
CSS特性において、25〜45オングストロームの平
均段差と凸部における表面粗さにおいてその標準偏差が
5〜8オングストロームである実施例のラップ加工によ
る浮動型磁気ヘッド1の方が比較例の逆スパッタ法によ
る浮動型磁気ヘッド1より優れていることが明確になっ
た。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、逆スパッ
タ法に比べてはるかに生産性が高いダイヤモンド粒子を
用いたラップ加工を用いて、フェライトをスライダーと
する浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との対向面を、逆
スパッタ法で得られるような凹凸状形状で逆スパッタ法
に比べてかなり小さい表面粗さを有するものにできる。
さらに、逆スパッタ法による浮動型磁気ヘッドのCSS
特性と同等な特性を、大きい硬度の磁気ディスクに対し
てはるかに優れた特性を有し、かつCSS時に発生する
摩耗粉塵については逆スパッタ法によるものよりも摩耗
粉塵の発生を抑えることができ、ドライブ装置としての
信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの斜視図
【図2】本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた片面ラッピング加工機の側面図
【図3】本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドが載置されたラップ
定盤の部分拡大断面図
【図4】(a)は本発明の一実施例における浮動型磁気
ヘッドの製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面の
表面形状の測定図 (b)は本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面の表面形状
の測定図 (c)は本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面の表面形状
の測定図
【図5】(a)は本発明の一実施例における浮動型磁気
ヘッドの製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面を
非接触式形状測定器WYKOで測定した断面形状図 (b)は本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面を非接触式
形状測定器WYKOで測定した断面形状図
【図6】(a)は本発明の一実施例における浮動型磁気
ヘッドの製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面の
表面粗さの測定図 (b)は本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの対向面の表面粗さ
の測定図
【図7】本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの磁気ディスク
(1)での2万CSSまでのCSSテストの結果を示す
【図8】本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
製造方法に用いた浮動型磁気ヘッドの磁気ディスク
(2)での2万CSSまでのCSSテストの結果を示す
【図9】従来の浮動型磁気ヘッドにおける対向面の模式
的断面図
【符号の説明】
1 浮動型磁気ヘッド 2 スライダー 4 対向面 15 ラップ定盤 21 ダイヤモンド粒子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェライトからなるスライダーを有する浮
    動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との対向面が、弾性定盤
    とダイヤモンド粒子を分散させたスラリーを用いたラッ
    プによって加工され、前記対向面の表面形状が、25〜
    45オングストロームの平均段差を有した凹凸状であ
    り、凸部表面の粗さの標準偏差が5〜8オングストロー
    ムであることを特徴とする浮動型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】フェライトからなるスライダーを有する浮
    動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との対向面が、弾性定盤
    とダイヤモンド粒子を分散させたスラリーを用いたラッ
    プによって加工することを特徴とする浮動型磁気ヘッド
    の製造方法。
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