JP2941706B2 - 磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスクの製造方法

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JP2941706B2
JP2941706B2 JP8107052A JP10705296A JP2941706B2 JP 2941706 B2 JP2941706 B2 JP 2941706B2 JP 8107052 A JP8107052 A JP 8107052A JP 10705296 A JP10705296 A JP 10705296A JP 2941706 B2 JP2941706 B2 JP 2941706B2
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伸哉 関山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスクの製造方
に係り、特に記録媒体を薄膜磁性金属層とした場合に
好適な、磁気ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度大容量の磁気ディスクにおいて
は、非磁性ディスク基板上に形成される磁気記録媒体
が、従来の磁性粉を樹脂で結合したいわゆる塗布膜か
ら、磁性金属をディスク基板上に蒸着やスパッタリング
等で直接薄膜として形成するいわゆる薄膜磁性金属層に
移ってきた。
【0003】そして、磁気ディスク装置を駆動するに際
しては、予め静止状態の磁気ディスク(以下、単にディ
スクと略称)表面に、特定荷重の磁気ヘッド(以下、単
にヘッドと略称)が弾性的に接触、押圧されており、ス
タート時においては、ディスクが回転するにしたがい、
ヘッドはディスク表面を摺動し始め、回転数が毎分数10
00回転という高速回転に達すると、ヘッドの摺動面とデ
ィスクとの間に生じる空気流による動圧効果によってヘ
ッドはディスク表面から所定間隔浮上する。
【0004】ディスク装置では、この浮上した状態でヘ
ッドがディスクの半径方向に任意に移動できるよう構成
されており、ディスク表面の任意の位置でデータの読書
が行われる。一方、停止時においては、ディスクが減速
回転に入るが、それにしたがいヘッドは再びディスク表
面を摺動し始め、接触し、押圧された状態で停止する。
このような駆動方式を通常コンタクト・スタート・スト
ップ(ontact tart top、略してCSS)と称し
ている。
【0005】つまり、このCSS駆動方式においてヘッ
ドの摺動面は、ディスク表面を停止→摺動→浮上→摺動
→停止の状態となり、駆動する毎にこの周期を繰返すこ
とになる。このヘッドの浮上性を容易にするため、ディ
スク表面には一般に回転する周方向に微細な溝が形成さ
れている。
【0006】図10はディスク80の断面構造を示したも
のであるが、通常この種の溝は、磁性膜を形成する前に
ディスク基板30の表面に予めテクスチャ加工と称される
表面研磨処理が施されて形成されており、かかる凹凸面
を有する基板表面上に薄膜磁性金属層32、さらにその上
に保護膜33、潤滑膜(図示せず)等が形成されて、下地
基板の表面状態に倣った溝がディスク表面に形成される
ことになる。
【0007】ディスク基板表面のテクスチャ加工は、C
SS駆動方式を採用する上で重要な研磨技術であり、例
えば、特開昭62−219227号公報に記載されているように
ディスク基板の表面凹凸の最大面粗さを0.02〜0.1μm
とすることにより、非磁性金属膜(Cr膜)の膜厚を薄
くすることができるようになり生産性が向上し、しかも
CSS試験の結果として、2万回にてディスク表面に傷
が見られなかったが、最大面粗さが0.1μm以上になる
とヘッドクラッシュが生じ易く、テクスチャ加工を施さ
ない場合にはCSSが5000回を過ぎると傷が生じ、ヘッ
ドクラッシュを起こしたと述べられている。
【0008】従来のテクスチャ加工装置の一例を挙げれ
ば、例えば特開昭54−23294号公報に記載されているよ
うに、図12に示すような技術がある。つまり、回転す
るディスク基板30の両面に、それぞれリール6の回転に
従って上下方向に走行する研磨テープ4をコンタクトロ
ーラ8で挟むようにして互いに矢印方向に押圧しながら
ディスク基板の半径方向に往復摺動することにより、デ
ィスク基板の両面を同時に加工する装置が知られてい
る。
【0009】なお、図7及び図8は、それぞれ基板30と
その上を走行する研磨テープ4との位置関係を示したも
ので、図7は正面図、そして図8はその側面図を模式的
に示したものである。この種のテクスチャ加工によれ
ば、研磨テープによって、図11に示すように研磨むら
などのない微細溝37を形成することができるが、この形
成に伴って、溝の肩部に不安定な盛り上がり部36を生
じ、この盛り上がり部36が微細突部として表面に残る問
題があった。
【0010】そこで、例えば特開昭62−248133号公報
みられるように、第1の研磨加工で通常のテクスチャ加
工を施し、次いで第1の研磨工程よりも小さい砥粒によ
る第2の研磨工程で研磨することにより、ディスク基板
表面に形成した微細な溝を除去することなく、第1の研
磨工程で基板表面に生じた突起のみを除去するという方
法が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来か
らもテクスチャ加工によるディスク基板に形成した微細
溝に対して、最大面粗さの規定や、ヘッド浮上性を考慮
した基板上の突起に対する規定が示されているが、CS
S特性やヘッド粘着特性に対する最適なテクスチャ加工
面の表面状については依然として不明であり、ヘッド
クラッシュ等の問題は未だ解決されていない。
【0012】特に最近の磁気ディスクの高密度、大容量
化の進展はめざましく、これに伴いCSSによるディス
ク面上でのヘッドの浮上量は小さくなる一方で、例えば
ディスク回転によりヘッドがディスク面上に浮上した状
態でのディスク面とヘッド摺動面との間隙(いわゆる浮
上量)は0.2μm、或いはそれ以下と、より狭い条件が
要求されている。
【0013】したがって、この厳しい条件をテクスチャ
加工によって実現するためには、当然のことながら溝形
成により、その肩部に盛り上がった突部の高さを、この
浮上量以下とし、ヘッドの浮上時にヘッドが突部に接触
するのを避けねばならず、極めて厳しいディスク表面の
状が要求される。単に突部とヘッド摺動面との接触を
回避するのであれば、ヘッド摺動面の形状、ヘッド荷
重、ディスク回転数等を変化させて、十分なヘッドの浮
上量を確保すればよい。
【0014】しかしながら、前述のとおりディスク装置
の記録密度が高くなるに従って浮上量を小さくする必要
があることから(理想的にはヘッドと磁性膜とを限りな
く密接させたい)、またヘッド摺動時におけるこの突部
の変形量、摩擦摩耗量を少なくする上からも突部の高さ
を揃えて均一化し、ヘッド摺動面との接触面積を大きく
し、さらに摺動屑を回避するためにも深溝を有すること
が必要となる。
【0015】そこで、前述のとおり、従来からも溝形成
により生じた突部の高さを均一に揃えるためにディスク
基板表面の研摩工程を第1、第2の2段工程に分け、第
2工程で突部を研磨して揃えることを試みているもの
の、ヘッドの浮上量が小さい場合のCSS特性、ヘッド
粘着特性に対する最適なテクスチャ加工の表面状につ
いては不明であり、ヘッドクラッシュ等の問題は依然と
して解決されていない。
【0016】すなわち、十分な研磨により突部の高さを
均一に揃えようとすると、ディスク表面(厳密には突部
のヘッド摺動面と接触する研磨面)に対するヘッドの摺
動面積が増大することにより、ヘッドの浮上性が低下
し、しかもヘッド摺動面にディスク面上の潤滑剤(一般
に潤滑膜が形成されている)や雰囲気中の水分が付着
し、これらが表面張力により集積され、遂にはヘッドの
摺動面がディスク面に吸着した状態となり、ディスク回
転不能やヘッド部の損傷等を引起すという新たな問題が
生じる。
【0017】したがって、本発明の目的は、これら従来
の問題点を解消することにあり、ヘッド浮上量を従来よ
り小さくしてもCSS特性に優れ、ヘッドクラッシュが
生じにくい改良された磁気ディスクの製造方法を提供す
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、予
め鏡面加工された非磁性基板の表面を第1及び第2の研
磨工程で研磨し、非磁性基板表面に凹凸加工層を形成す
る工程と、前記研磨工程により形成された凹凸加工層上
に薄膜磁性金属層を形成する工程と、前記薄膜磁性金属
層上に保護膜を形成する工程とを有した磁気ディスクの
製造方法において、前記第1の研磨工程として、前記基
板上の少なくとも磁気ヘッドの摺動面幅相当の単位幅内
に微細溝を設け、前記第2の研磨工程として、前記微細
溝形成により盛り上がり形成された凸部を、その頂部か
ら所定量研磨することを特徴とする磁気ディスクの製造
方法により、達成される。
【0019】さらに具体的には、(1)予め鏡面加工さ
れた非磁性基板の表面を、第1及び第2の研磨工程で研
磨することにより、非磁性基板表面に凹凸加工層を形成
する工程と、前記研磨工程により形成された凹凸加工層
上に薄膜磁性金属層を形成する工程と、前記薄膜磁性金
属層上に保護膜を形成する工程とを含む磁気ディスクの
製造方法において、前記第1の研磨工程として、前記基
板上の少なくとも磁気ヘッドの摺動面幅相当の単位幅内
に、凹部として所定の深溝を有する微細溝を設け、前記
第2の研磨工程として、前記微細溝形成によりその肩部
に盛り上がり形成された凸部を、その頂部から所定量研
磨し、かかる凸部の表面を平滑化するに際し、表面形状
を表わす3次元負荷曲線において表面凸部最頂部がCS
Sヘッド荷重により受ける変形量相当の深さの切断面に
おける負荷比率が0.1〜10%の範囲内で、前記頂部から
研磨を終了して成る磁気ディスクの製造方法により、
また、好ましくは、(2)予め鏡面加工された非磁性基
板の表面を、第1及び第2の研磨工程で研磨することに
より、非磁性基板表面に凹凸加工層を形成する工程と、
前記研磨工程により形成された凹凸加工層上に薄膜磁性
金属層を形成する工程と、前記薄膜磁性金属層上に保護
膜を形成する工程とを含む磁気ディスクの製造方法にお
いて、前記第1の研磨工程として、前記基板上の少なく
とも磁気ヘッドの摺動面幅相当の単位幅内に、凹部とし
て所定の深溝を有する微細溝を設け、前記第2の研磨工
程として、前記微細溝形成によりその肩部に盛り上がり
形成された凸部を、その頂部から所定量研磨し、かかる
凸部の表面を平滑化するに際し、表面形状を表わす3次
元負荷曲線において表面凸部最頂部から5〜10nmの深さ
の切断面における負荷比率が、0.1〜10%の範囲内で、
前記頂部からの研磨を終了して成る磁気ディスクの製造
方法により、さらに好ましくは、(3)上記第1の研磨
工程として、非磁性基板の両面へ同時に、第1の研磨テ
ープで所定の第1の加圧力で押圧し、この研磨テープを
前記非磁性基板の円周方向へ走行させると共に、半径方
向へ揺動させながら往復動させ、研磨面に加工液を供給
しながら、前記非磁性基板を前記第1の研磨テープとの
相対速度が所定の第1の相対速度になるように回転させ
ることによって前記非磁性基板を加工したのち、洗浄
し、次いで上記第2の研磨工程として、前記非磁性基板
の両面へ同時に、前記第1の研磨テープよりも砥粒径の
小さい第2の研磨テープを前記第1の加圧力よりも小さ
い第2の加圧力で押圧し、この研磨テープを前記非磁性
基板の円周方向へ走行させると共に、半径方向へ揺動さ
せながら往復動させ、研磨面に加工液を供給しながら、
前記非磁性基板を前記第2の研磨テープとの相対速度が
前記第1の相対速度よりも大きい所定の第2の相対速度
になるように回転させることによって前記非磁性基板を
加工したのち、洗浄するようにして成る磁気ディスクの
製造方法により、達成される。
【0020】ここで、上記本発明に至る本発明者らの検
討結果について以下に詳述する。CSSによって、ディ
スクの最表面は、磁気ヘッドの搭載されたヘッドスライ
ダの摺動によりナノメータ(nm)オーダの寸法で変化
し、この変化によってディスク表面が平滑化し、ヘッド
に及ぼす水平抵抗力が増大しヘッドクラッシュが生じ、
あるいはCSSにおける停止時にヘッド粘着を生じ、デ
ィスク回転不能などの事故が生じる問題を経験した。
【0021】このため、テクスチャ加工によるディスク
基板の加工面に対しては、ただ単に最大面粗さや、凸部
の高さの規定では磁気ディスクのCSS特性やヘッドク
ラッシュ等の耐摺動特性を説明することができないこと
がわかった。最大面粗さよりも、平均面からの凸部の形
状や表面凹凸形状の溝の形状も含めた全体的な性質、さ
らに後述するように3次元的な負荷曲線の性質が重要で
あることに対して従来から何の配慮もなされておらず、
ヘッドクラッシュやCSS特性を改善すべき下地基板の
表面凹凸形状について最も重要な提示が何もなされてい
ないことに気付いた。
【0022】磁気ディスク装置85は、図20にその一部
断面斜視図を示すように、一般には複数の磁気ディスク
80が所定間隔で同一回転軸に装着固定されており、それ
ぞれのディスクの両面に情報の記録、読み出しを行う磁
気ヘッド81が設置されている。
【0023】図21は、上記図20のディスク装置にお
けるディスク80とヘッド81(ヘッドスライダとも称す)
との関係を模式的に示した説明図で、ヘッド81は、アー
ム84の先端に固定され、ディスクが静止状態及び回転初
期状態にあるときはアーム84の弾性力がディスク面上に
押圧され、接触及び摺動状態であるが、ディスクが高速
回転状態になるとヘッド81は、ディスク80との空気流の
効果でサブミクロンの浮上量で浮上した状態となる。
【0024】これらの状態を具体的に示したのが図23
で、図23(a)は、ディスクの停止及び摺動時におけ
る接触状態、図23(b)は、ディスクの高速回転時に
おける浮上状態を示している。また、ヘッド81の形状
は、図22に一例を示すように、ヘッドの両側にディス
ク面と摺動するスライダ82を有する。
【0025】このヘッドスライダ面82の寸法は、一例と
して幅wが0.4mm、長さlが4mmであり、このヘッドス
ライダの長さl(エル)方向がディスクの円周方向と同
一方向になるように設置されている。したがって、ディ
スク表面の凹凸形状は、少なくともヘッドスライダ幅
w、すなわち0.4mmの寸法、あるいは0.4mm以上の寸法に
対する形状が問題である。
【0026】ここで、テクスチャ加工した基板表面の断
面形状の測定法について説明する。この断面形状は、表
面粗さ計タリステップ(ランクテーラーホブソン社製)
を用い、この触針形状が0.1μm×2.5μmのスタイラス
を使用して、下地基板の半径方向にヘッドスライダ幅w
(例えば0.4mm)の長さ、あるいはヘッドスライダ幅0.4
mm以上の長さで測定した曲線である。タリステップから
の出力信号をA/D変換し、コンピュータ処理により、
サンプリング間隔を40nmとして求めた。
【0027】微細突部とは、図29に示すように、ディ
スク基板の近似的に円周方向、あるいは螺旋状に形成し
たテクスチャ加工面に対して、この基板の半径方向に測
定した上記の断面曲線について、その断面曲線の中心線
Cから凸方向、すなわち微細な高さの個々の山(本発明
では凸部と称している)を示す。また、微細突部の高さ
pは、半径方向に計測した単位長Lにおける個々の山
の中での最高の頂部と中心線との距離を表わす。
【0028】また、テクスチャ加工面の表面性状とし
て、テクスチャ断面曲線の対称性を周知の表示法にした
がって次の式で求められるRskで表わした。断面曲線を
函数Y(i)とすると、次の一般式で表わすことができ
る。
【0029】
【数1】
【0030】すなわち、対称性を表わすRskが、負の場
合には断面曲線の溝の成分が大きく、また正の場合には
突部の成分が大きいことを表わしている。Rsk=0の場
合は、突部の成分と溝の成分とが等しく断面曲線が中心
線Cに対して、対称であることを示す。
【0031】ここで、テクスチャ加工した表面の凹凸状
態を3次元的に測定する方法を図30を用いて説明す
る。図30(a)は後述するSTM(Scanning Tunne
lingMicroscope)によるテクスチャ表面の3次元表面
測定Gの結果を示したものであり、これから、3次元表
面を平均面に平行な面H(最外表面から深さΔhiの
面)で等間隔で切断し、これらの切断面積を凹凸加工層
より深い基準面Eにおける全体の面積で除した面積比
(ΔLi)をそれぞれの切断面に対してグラフ化したも
のが図30(b)である。すなわち、この図30(b)
が3次元で表わした負荷曲線である。
【0032】この3次元の負荷曲線は、一般に図31に
示すように2次元の断面曲線に対するアボットの負荷曲
線、ABBOTT−FIRESTONE(OR BEA
RING RATIO)CURVEと同様の内容である
が、これを3次元に展開したものである。このアボット
の負荷曲線は、軸受等の摺動特性を評価するために用い
られている。本発明者らは、ヘッドとディスクとの接触
現象を、ヘッド摺動面の状態、ディスク表面の状態、さ
らにCSSでのヘッドとディスクとの運動状態を詳細に
観察し、また測定した結果、CSS等の摺動特性に対す
るディスク表面を高精度に評価する方法として、STM
による3次元の負荷曲線が非常に有効であることを見い
だした。
【0033】つまり、この負荷曲線は、前記図30
(a)、(b)に示したように、表面の3次元形状Gの
基準面積Eに対して、3次元形状の頂部から一定間隔に
表面形状を切断し、この切断面Hによる3次元形状のそ
れぞれの切断面積の合計を基準面積Eで割った値を百分
率で切断面毎に表わした曲線を示す。表面形状の頂部に
おいては、切断面による切断面積は小さく、切断面積比
が小さい。すなわち、この表面上に摺動体があると、摺
動の初期では表面形状の頂部のみで摺動体を支持するの
で受圧面積が小さく、面圧が大きくなるので、摺動体に
より頂部は摩擦摺動し、減耗や変形が生じやすい。
【0034】したがって、表面形状の頂部の切断面積比
が大きな表面、すなわち3次元の負荷曲線において、切
断面積比が小さい範囲で、負荷曲線の勾配が小さい表面
形状を現わす表面では、受圧面積が初期状態で大きく、
摺動体を支持するそれぞれの微細突部の面圧が小さくな
るので、耐摺動特性が良くなる。このように、3次元の
負荷曲線は、摺動体に対する摺動される表面の表面
について、負荷能力を表わす評価方法の一つである。
【0035】またテクスチャ表面の3次元表面の測定
法として、SEM(Scanning Electron Microscop
e)を応用した測定原理を図24に示す。すなわち
図にしたがって説明すると、2個の2次電子検出器A、
Bによって、電子プローブの入射角θ(試料の傾き)に
おけるそれぞれの信号強度a、bを検出し、入射角0
(平面に照射)の時の信号強度an、bnとして、下記
の一般式
【0036】
【数2】 tanθ=k{(a2−b2)/(an+bn)2} (ここでkは定数) からθを求める。このようにして求められた試料の傾斜
を積分していくことにより、X軸方向の表面形状を計測
することができる。例えば、この種の測定装置としてエ
リオニクス社製の電子線表面形態解析装置を挙げること
ができる。さらに、Y方向に走査すれば3次元表面の形
状を測定できる。
【0037】本発明は以上のような知見に基づいてなさ
れたものであるが、更に具体的にその検討内容を以下に
詳述する。磁気ディスクの基板は、周知のように非磁性
基板である例えばアルミニウム合金や陽極酸化アルミニ
ウム、Ni−Pめっき等を被覆したアルミニウム合金、
またガラスやプラスチック等の基板から成り、特性向上
の一要因として、その表面に多数の均一な微細溝、微細
突部を形成することが必要とされている。
【0038】これらの微細溝、微細突部は、上記基板面
にダイヤモンドバイトや微細砥粒等の切削研磨工具によ
り微細溝を形成することによって、溝部の肩部には、前
述の図11に示したような盛り上がり部36が形成され
る。これらの微細突部の盛り上がり高さは、溝37の深さ
や大きさによって設定され、微細溝の数は、微細砥粒の
密度や工具送り等の加工条件により設定される。
【0039】ここで、磁気ディスクの表面状として必
須な要点は、ヘッドクラッシュを生じないで、かつ電気
特性、CSS特性、ヘッド粘着特性等の磁気ディスクの
諸特性を満足することである。磁気ディスクは高密度化
を達成するためヘッド浮上隙間が狭くなるのでヘッドと
ディスクとの衝突を回避するためディスク表面は超平滑
面が要求される。
【0040】一方、ヘッドアクセス時間を短縮する必要
から、ヘッド81とディスク80とは既に図23に示したよ
うに停止時には接触し、ディスクの回転とともに浮上す
る、いわゆるコンタクト・スタート・ストップ(以下C
SSと略記する)を行う。このため、ディスク80表面が
平滑面すなわち表面粗さが非常に小さい場合には、停止
時にヘッドとディスクとはディスク面上の潤滑剤83ある
いは雰囲気の水分によりヘッド粘着を生じ、ディスク回
転時にヘッド支持のジンバルやアームの破損また回転駆
動不能となる問題があった。
【0041】図13、図14及び図32に、本発明者ら
により実験した結果を示す。研磨テープを用い下地基板
上に形成したテクスチャ加工(詳細は後で説明する)に
よる微細突部の高さ、テクスチャ断面曲線の対称性並び
に3次元断面負荷比率と、ヘッド浮上特性及びヘッド粘
着力との関係を示す。
【0042】つまり、図13は突部高さと、浮上特性と
してのヘッド浮上高さHt0及びヘッド粘着力の指標とし
てのヘッド接線力Ftとの関係を、図14は対称性Rsk
と、そしてまた図32は3次元断面負荷比率(最頂部か
ら5nmの接断面深さにおける)と同じく浮上高さHt0
びヘッド接線力Ftとの関係を、それぞれ示したもので
あり、測定方法については、以下のとおりである。
【0043】(1)ヘッド浮上高さHt0の測定: 原理的には図20のディスク装置85と同じ構成から成
り、ヘッド81にAEセンサを搭載しておき、ディスク80
の回転始動に伴って、ヘッド81は浮上を開始し、ディス
ク面との接触状態を検出しているAEセンサからの出力
信号が急減したディスク回転数を測定する。一方、ディ
スクの回転数によるヘッドの浮上特性を予め調べてお
き、ヘッドの浮上開始高さHt0を測定する。
【0044】(2)ヘッド接線力Ftの測定: ディスクが1回転(1r/min)する間におけるヘッド
の摺動抵抗力をヘッド81の支持アーム84に設置した歪ゲ
ージで測定する。
【0045】この結果から、浮上高さHt0が小さく、接
線力Ftが小さいというヘッド浮上特性とヘッド粘着力
との両方を同時に満足するに好適な表面性状の有効な範
囲が存在することがわかる。つまり、微小突起Rpにつ
いてみれば図13に示したように数nm〜数10nmの範囲
で、より好ましくは矢印を付した領域内が望ましく、対
称性Rskについては、図14からその値が負となる領
域、好ましくは矢印で示したRsk≦−0.7の領域が望ま
しい。
【0046】また、3次元断面負荷比率との関係につい
てみれば、図32に示したように有効な負荷比率の下限
は浮上特性から、そして上限はヘッド粘着力(ヘッド接
線力Ftで表示)で規制され、好ましくは0.1〜10%、よ
り好ましくは0.24〜8.5%であった。
【0047】さらに、上記の表面状とCSS特性との
関係について、図27〜図28を用いて説明する。図2
7(a)は、微細な砥粒を用いて下地基板にテクスチャ
加工を施した表面の断面形状を表わし、微細突部が、ば
らつきをもって存在している。
【0048】このテクスチャ加工面の3次元の負荷曲線
は、図27(b)に示すように、切断面積比が小さい範
囲、すなわち図27(b)のA部の範囲で、負荷曲線の
勾配が大きい。この図27(a)のような表面上を磁気
ヘッドがCSSを繰り返すと、微細突部はヘッドスライ
ダ面との接触が少なく、このため面圧W/S(W:ヘッ
ド荷重、S:ヘッドスライダとディスク表面との真実接
触面積)が大きくなるので、減耗あるいは変形が激しく
生じ、微細突部を形成した下地基板上に成膜した厚さ数
nmの潤滑膜や厚さ数10nmの保護膜が、多大なダメージを
受ける。
【0049】一方、CSSによる微細突部の減耗あるい
は変形は、微細突部の降伏強さをσとすると、σ<W/
Sの状態では、激しく生じ、またσ≧W/Sとなる状態
で少なくなる。そこで、CSSによって微細突部が減耗
し、あるいは変形することによって、真実接触面積が増
大し、前記のσ≧W/Sを満足する真実接触面積Sにな
り、このとき、仮に保護膜や潤滑膜が損なわれずに形成
されていれば、微細突部の減耗や変形はほとんど無くな
り、安定した表面になる。
【0050】したがって、図27(a)に示す断面形状
の下地基板を、さらに表面加工し、図28(a)に示す
ような微細突部を平滑化した、モデル的に台形の形状に
形成する。ヘッドスライダとディスク表面との真実接触
面積を大きくし、初期状態でσ≧W/Sとなる真実接触
面積の表面形状にすれば、微細突部の面圧が小さくなる
ので、CSSにより微細突部の減耗や変形はほとんど無
くなり、磁気ディスクとして安定した高信頼度の表面を
得ることになる。この図28(a)に示す表面形状の3
次元の負荷曲線は、図28(b)のようになり、図28
(b)のA部に示すごとく極表面での負荷曲線の勾配が
非常に小さくなっていることがわかる。
【0051】本発明者らの実験では、図27(a)に示
すような3次元の表面形状を有する従来のテクスチャ加
工面について、一例としてヘッドスライダ面に対応する
面(例えば0.4mm×0.4mmの面)での3次元の負荷曲線
は、表面形状の頂部から5nm〜10nm、すなわち切断面の
深さ5nm〜10nmでの切断面積比が0.1%以下であり、こ
のような下地基板を用いた磁気ディスクでは、CSS回
数2000回以下でヘッドクラッシュを生じた。
【0052】一方、本発明のテクスチャ加工した、図2
8(a)に示すような表面、すなわち切断面の深さ5nm
〜10nmでの切断面積比が0.1〜10%である3次元の負荷
曲線の表面を有する下地基板を用いた磁気ディスクで
は、CSS回数が20000回以上で保護膜及び潤滑膜とも
それぞれの機能を維持し、安定した表面状態を保ってい
た。
【0053】さらに、CSSによる磁気ディスク表面の
詳細な変化を調べた。本発明者らの実験では、テクスチ
ャ加工した基板に対して、コンタクト・スタート・スト
ップCSS試験を行った基板表面では、図15に示すC
SS試験したディスク表面のSEM観察から測定した表
面形状、また図16に示すディスク極表面の3次元の負
荷曲線から、初期状態の微細突部の頂部は磁気ヘッドの
摺動の繰り返しによって平滑化され、この際のヘッドと
ディスクとの接触する微細突部の面積が増大することが
わかった。
【0054】つまり、図15(a)は初期状態における
表面形状を、そして図15(b)はCSSによる摺動の
繰り返しにより表面が変形した後の状態を、それぞれ示
している。また、図16における負荷曲線Bは、図15
(a)の初期状態における特性を、そして負荷曲線A
は、図15(b)の摺動の繰り返し後における特性をそ
れぞれ示している。
【0055】ここで例えば、CSS回数が2万回での表
面の変化は、図15(b)のA部に示すように磁気ヘッ
ドのスライダ面との接触によって初期状態の頂部から高
さ5〜10nm微細突部が変化し、また図16に示すこの時
のディスク表面の3次元の負荷曲線から微細突部が初期
状態の頂部から5〜10nm変化すると、磁気ヘッドと接触
する切断面積化は0.1%〜数%になっていた。
【0056】すなわち、微細突部の高さが数10nm以上で
あると、磁気ヘッドの浮上特性を劣化させ、ヘッドクラ
ッシュを生じる要因となり、また微細突部が数nm以下で
あっても、切断面積比が小さい場合、CSS試験のヘッ
ド摺動時でのヘッド荷重を支持する基板面、すなわち微
細突部の負荷面積が少なくCSS回数とともに即時に平
滑化され、ヘッド接線力が増大することによりヘッドク
ラッシュを生じやすくなる。
【0057】また、微細突部の負荷面積が少ないと、ヘ
ッド荷重を受ける微細突部の面圧が大きくなるので微細
突部が減小もしくは減耗しやすく、基板表面に形成され
た数nmの潤滑剤層や保護膜層が損傷等を受けやすくな
り、また切断面積比が10%以上で負荷面積が大きい場
合、磁気ヘッドによる基板上の微細突部の変化は少ない
が、接触面積が大きくなるため潤滑剤や雰囲気の水分の
影響でヘッド粘着が生じ易く、またCSS時の磁気ヘッ
ドの摺動抵抗が増大し、磁気ヘッドのジンバルやアーム
の破壊、ディスク回転の困難などの問題を生じた。
【0058】したがって、テクスチャ加工した基板の表
状は、ヘッドの浮上特性やヘッド荷重、ヘッド摺動
による摩擦摩耗による表面変化を考慮し、上述の結果か
ら、微細突部の高さは数nm〜数10nmとし、表面粗さが数
nmRa〜数10nmRa、かつ断面曲線の対称性Rskが負で、
好ましくは−0.7以下、さらに好ましくは−1以下の表
面、あるいは3次元の負荷曲線において、微細突部の最
頂部からCSS時にヘッド荷重により受ける頂部変形量
相当の深さでの切断面、実用的には、頂部から5〜10nm
での切断面の切断面積比が0.1〜10%である表面が望ま
しい。
【0059】この観点から、磁気ディスク用基板に対し
て最適な表面は、図6に示すように、基板表面に疑似的
に円周方向の微細溝を形成し、すなわちテクスチャ加工
した基板面の断面形状で、微細突部の高さが数nm〜数10
nmでかつ均一に平滑化され、表面粗さが数nmRa〜数10n
mRa(望ましくは5nm〜9nmRa)、かつ断面曲線の対称
性Rsk≦−1、頂部から5〜10nmでの切断面積比が0.1
〜10%である。
【0060】そしてまた、ディスク上での円滑なヘッド
摺動を維持するためには、ディスク表面の凹凸加工層に
図6に示したような深溝Vが、スライダ幅を単位幅とし
た場合、この幅内に必ず存在することが重要であり、こ
の深溝Vの深さが少なくとも100nmあれば有効であるこ
とがわかった。
【0061】
【作用】磁気ディスク基板上に形成された微細突部の高
さは数nm〜数10nmとし、表面粗さが数nmRa〜数10nm
a、かつ断面曲線の対称性Rskが−0.7以下、好ましく
は−1以下の表面、特に3次元の負荷曲線において、微
細突部の最頂部からCSS時にヘッド荷重により受ける
頂部変形量相当の深さでの切断面、実用的には、頂部か
ら5〜10nmでの切断面の切断面積比が0.1〜10%である
表面状を有するディスク面は、磁気ヘッドのCSS時
にヘッドのスライダ面と接触し、好ましいヘッド荷重を
受ける。
【0062】また、ディスク面の表面凹凸は磁気ディス
ク表面上に塗布された潤滑膜を保持すると同時に、磁気
ヘッドとの粘着を防止し、ディスク面の深溝でヘッドの
摺動により生じた摺動屑を回避する作用がある。さら
に、多数の微細突部がヘッドスライダ面に接し、ヘッド
摺動による表面変化が起こる頂部から実用的に好ましい
5〜10nmにおいて切断面積比が0.1〜10%であるので、
個々の微細突部の面圧が小さくなり、CSSを繰り返す
ことによる微細突部の変化、すなわち変形や減耗が少な
く、初期状態の表面状を維持する。
【0063】さらに、微細突部の高さは数nm〜数10nmで
あり、磁気ヘッドの浮上隙間(定常状態での磁気ヘッド
と磁気ディスク表面との隙間)150〜250nmに対して非常
に小さく、磁気ディスクの組立精度、回転精度や磁気ヘ
ッドの浮上変動を考慮しても充分に余裕を以て磁気ヘッ
ドは浮上し、磁気ヘッドの衝突によるヘッドクラッシュ
は生じない。
【0064】したがって、磁気ディスクの表面に成膜さ
れた厚さ数nmの保護膜や潤滑膜の減耗や損傷はほとんど
なく、ヘッド粘着も発生せず、CSSの繰り返しによる
ヘッド接線力の増加もなく、ヘッド浮上特性、耐摺動特
性に対する信頼性の高い磁気ディスクを得ることができ
る。
【0065】
【実施例】〈実施例1〉 ディスク基板として、内径40mm、外径130mmのアルミ合
金板を用い、この両面に厚さ10μmのNi−Pめっきを
施し、表面粗さ2〜3nmRa以下に平滑研磨した後、研
磨テープによって溝形状が図17に示すように、微細溝
の肩部に生じた微細突部の高さが数nm〜数10nmと均一
で、表面粗さ5〜8nmRa、かつ断面曲線の対称性Rsk
が−1〜−2となように研磨した。なお、図17の断
面形状の測定は、表面粗さ計タリステップを用い、触針
形状0.1×2.5μmにより溝に対して直角方向に測定して
行った。これらディスク基板の具体的な作製法について
は、後で詳述する。
【0066】図9に磁気ディスクの断面構造を示すよう
に、このようにして得られたディスク基板上に、厚さ約
300nmのCr系非磁性金属下地膜31及び厚さ約60nmのCo
−Ni系磁性薄膜媒体32を、それぞれスパッタリングで
順次形成し、さらに厚さ約50nmのカーボン保護膜33を、
そしてその上に潤滑膜34を順次形成した。
【0067】このようにして製造した磁気ディスクの表
面形状は、図18に示すように、前記図17のディスク
基板のそれとほとんど同じであり、表面粗さ5.5nmR
a(基板上では5.3nmRa)、微細突部の高さRpは19nm
(同20nm)であり、また、断面形状の対称性Rskもほと
んど同じであった。
【0068】この磁気ディスクを図20の磁気ディスク
装置85と同様に複数枚組込み、ヘッド浮上隙間0.2μm
にて浮上試験した結果、ヘッドとディスク表面との接触
は検知されず、良好な浮上特性を示し、CSS回数によ
る磁気ディスク表面形状の変化はほとんど認められなか
った。
【0069】図19は、本実施例のCSS回数とヘッド
接線力(単位はニュートンN)との関係を従来の比較例
と対比して示した特性曲線図である。曲線Cが本実施
例、曲線Dが比較例であり、この図から明らかなように
本実施例の場合、3万回のCSS回数においてもヘッド
接線力の増大はほとんどなく、ヘッド粘着の問題も生じ
なくなり、磁気ディスク及び磁気ディスク装置の信頼性
を大幅に向上させることができた。
【0070】比較例として曲線Dに示すように、従来技
術によって下地基板に図5に示すような断面形状微細溝
を形成した磁気ディスクでは、CSS回数とともにヘッ
ド接線力Dは増大し、磁気ヘッドの破損、ヘッドクラッ
シュ等の問題があった。また、CSS回数とともにディ
スク表面の断面形状は、本発明と比較すると著しく変化
していることが分かる。
【0071】ここで、上記本実施例の基板の作製法につ
いて、以下に具体的に説明する。アルミ合金ディスク基
板の両面に無電解めっき法によりNi−Pめっき膜を厚
さ10μm形成し、表面粗さ0.01μmRmax以下に平滑研
磨した。次いで、第1の研磨工程として、粒度#3000の
アルミナ砥粒の研磨テープで表面加工し、Ni−Pめっ
き基板面に微細溝を形成する。
【0072】この表面加工法は、例えば特開昭54−2329
4号公報に示されているように、図12に示す基板30の
両面に研磨テープ4をコンタクトローラ8で押圧し、基
板を回転させながら研磨テープをリール6で巻き取りな
がら、かつ研磨テープが基板全面に摺動するように基板
上を往復摺動させ、基板両面に近似的に円周状、あるい
は螺旋状の微細な溝を形成する。
【0073】つぎに、基板面上には、高さ100nm以上の
異常な微細突部が数カ所生じ、特に深い溝の肩部に生じ
やすく、これがヘッド浮上特性の劣化要因、さらにはヘ
ッドクラッシュ事故の要因となる。このため、第2の研
磨工程として、上記第1の研磨工程における研磨テープ
よりも粒度の小さい研磨テープを用いて第1の研磨工程
と同様に表面加工した。この第2の研磨工程の表面加工
の結果、異常な微細突部の高さは低減し、さらに多数の
微細突部の頂部が平滑化され、図6に示すように微細突
部Hが平滑化され、しかも周期的に深溝Vの形成された
断面形状の表面を形成することができた。
【0074】なお、上記第1、第2の研磨工程の間に、
第1の工程の表面加工による加工屑などの基板表面の汚
れを除去するため、基板の表面洗浄工程を設けた。な
お、第2の研磨工程においては、研磨終点を検出する手
段として、前述の3次元負荷曲線を図24のSEMの原
理に基づいて求め、図30に示したSTMによる負荷曲
線から微細突部の最頂部から5〜10nmの深さで切断した
切断面積負荷比率が0.1〜10%となる条件を満たすとこ
ろを終点とした。
【0075】〈実施例2〉 以下、本発明の磁気ディスクを製造する際に好適なディ
スク基板表面のテクスチャ加工方法の一実施例を図面に
従って説明するが、その前に装置について説明する
【0076】(1)加工装置構成の説明: 第1図は本発明の基板表面をテクスチャ加工する装置の
一実施例を示す正面図、図2は、この装置の要部を示す
平面図、図3は、図1における基板洗浄手段の詳細を示
す正面図、図4は、この基板洗浄手段の側面図である。
【0077】まず、この基板加工装置の概要を、図1
(a)を用いて説明すると、この装置は、被加工物であ
る基板2を回転自在に支持することができる基板支持具
1と、基板2の両面へ同時に、第1の研磨テープ4を所
定の加圧力で押圧することができるようにした1組のコ
ンタクトローラユニットC、第1の研磨テープ4を巻き
取るためのテープ巻き取りモータ7、コンタクトローラ
ユニットCを基板2の半径方向へ揺動することができる
揺動手段W、コンタクトローラユニットCを基板2の半
径方向へ往復動させることができる往復動手段Rを有
し、基板支持具の一方側に配設された第1の加工ヘッド
H1と、この第1の加工ヘッドH1と同一の構成を有
し、基板支持具に対して第1の加工ヘッドH1と反対側
に配設され、第1の研磨テープの代わりにこれよりも砥
粒径の小さい第2の研磨テープを装着した第2の加工ヘ
ッドH2とからなる一対の加工ヘッドと、前記基板2
を、前記第1、第2研磨テープとの相対速度が所定値に
なるようにして回転させることができる基板回転手段に
係る基板駆動モータ3と、両加工ヘッドの間に配設さ
れ、基板を洗浄することができる基板洗浄手段Sと前記
両加工ヘッドH1、H2、基板駆動モータ3、基板洗浄
手段Sを制御することができる制御装置17を具備した基
板加工装置である。なお、図1(b)は、図1(a)の
第1ヘッドH1を主体とした要部拡大図である。
【0078】さらに、上記の加工ヘッドH1を例に、そ
の要部拡大平面図である図2(a)及びその要部平面図
(一部断面を含む)を用いて詳細に説明する。この加工
ヘッドH1は、前記往復動手段Rに前記基板2の軸方向
に移動可能に支持された一対の平行板バネ10、11と、そ
の平行板バネ10、11を移動し、研磨テープ4の巻き取り
によるバックテンションの影響を無くし、所定の微小な
加圧力の設定を可能とする加圧移動手段23と、基板加工
時の基板形状精度の影響による微小な加圧力の変動を応
答性良く補正する加圧力補正手段50(例えば、圧電アク
チュエータ等)と、上記平行板バネ10、11に取り付けら
れ、上記基板2の両側に設置されかつ中心軸が上記基板
2の半径方向に向けて取り付けられたコンタクトローラ
8、9と、上記往復動手段Rに取り付けられかつ上記研
磨テープ4を上記基板と上記コンタクトローラとの間に
摺動する研磨テープ駆動装置7と、上記平行板バネ10、
11に取り付けられた応力測定手段12、13とその応力測定
手段の出力に応じて上記加圧移動手段23及び加圧力補正
手段50を制御する制御装置17とを設ける。
【0079】したがって、この基板加工装置において
は、加圧力の微小な変動要因である研磨テープの巻き取
りによるバックテンションの変動、すなわち供給及び巻
き取りリール5、6に巻かれた研磨テープの径が加工と
共に変化し、テープの張力が変わることにより、加圧力
が変動する。この変動量を、常に応力測定手段12によっ
て測定し、その変化量に応じて、平行板バネ10、11を加
圧移動手段23により調整すれば、研磨テープの張力の変
動にかかわらず、コンタクトローラ8、9の基板2に対
する加圧力を一定にすることができる。また、加工時に
基板の円周方向のうねりや、基板の半径方向のそりによ
る加圧力の変動に対しては、加圧力の補正の応答性を良
くするため圧電アクチュエータ等の加圧力補正手段50に
よって微小な加圧力を応答性良く補正することができ
る。以上の機能によって、微細溝を精度良く形成するこ
とが可能となった。
【0080】第1の加工ヘッドH1は、基板支持具1の
一方側(図1(a)において右側)に配設されており、
基板2の両面に第1の研磨工程で微細溝(例えば、深さ
約0.1μmの微細溝)を形成するために使用されるもの
である。この加工ヘッドH1は基板2の両面側にくるよ
うに配設された2個1組のコンタクトローラユニットC
のそれぞれに装着されている第1の研磨テープ4を下方
から上方へ巻き取るテープ巻き取りモータ7aとコンタ
クトローラユニットCを半径方向へ揺動させることがで
きる揺動手段Wと、半径方向へ往復動させることができ
る往復動手段Rとからなっている。
【0081】前記コンタクトローラユニットCのそれぞ
れは、第1の研磨テープ4を基板2へ押圧するに使用さ
れるコンタクトローラ8と、平行板バネ10を介してコン
タクトローラ8へ所定の加圧力を負荷することができる
加圧用モータ14とからなるものであり、前記平行板バネ
10には加圧力を検出するための歪ゲージ12が接着されて
おり、また、前記加圧用モータ14は、平行板バネ10を基
板2面と垂直方向に変位されることにより、加圧力が負
荷することができ、加圧力補正圧電アクチュエータ50
は、加工時の微小な加圧力の変動を応答性良く補正する
ことができるようになっている。
【0082】前記揺動手段Wは、揺動用モータ16と、こ
の揺動用モータ16の軸と第1の加工ヘッドH1とを連結
するクランク55とからなっている。また、前記往復動手
段Rは、往復動用モータ15の回転を第1の加工ヘッドH
1へネジ伝達して、この加工ヘッドを往復動させるもの
である。
【0083】第2の加工ヘッドH2は、前述したよう
に、第1の研磨テープの代わりに第2の研磨テープを装
着した以外は前記第1の加工ヘッドと同一の構成を有
し、基板支持具の他方側(図1(a)において左側)に
配設されており、第1の加工ヘッドによって基板の両面
に形成された微細溝の盛り上がりを除去する第2の研磨
工程のために使用されるものである。
【0084】さらに、図1にしたがって、前記加工ヘッ
ドの構成を詳細に説明する。1は水平に設置された基板
取付用回転軸、2は被加工物である基板、3は回転軸を
回転するための駆動モータ、21は回転可能に支持された
ネジ、15はネジ21を回転するための往復移動用モータ、
22は基板の半径方向すなわち矢印Aの方向に移動可能に
支持された往復移動台で、往復移動台22には雌ネジが設
けられ、その雌ネジはネジ21に螺合しており、ネジ21、
モータ15で往復移動手段Rを構成している。23は往復移
動台22に矢印A方向に移動可能に支持された移動体、16
は往復移動台22に固定された振動装置で、振動装置16に
よって移動体23が微小振幅で振動される。
【0085】図2にて更に詳細に説明すると、24は移動
体23に回転可能に支持されたネジ、14はネジ24を回転す
るための加圧用モータ、10、11は移動体23に基板2の軸
方向すなわち矢印Bの方向に移動可能に支持された一対
の平行板バネで、平行板バネ10、11の支持台51には雌ネ
ジが設けられ、その雌ネジはネジ24に螺合しており、ネ
ジ24、モータ14で加圧移動手段を構成している。
【0086】また、基板の円周方向うねりや半径方向の
そりが悪い場合には、加工時に加圧力の変動が生じる。
このため、平行板バネ10、11は加圧力補正圧電アクチュ
エータ50を設けた支持台51に設置し、支持台51に雌ネジ
を設け、この雌ネジを前記のごとくネジ24に螺合する。
【0087】8、9は平行板バネ10、11に回転可能に取
り付けられたコンタクトローラで、コンタクトローラ
8、9は基板2の両側に設置されかつ中心軸が基板の半
径方向に向けて取り付けられている。
【0088】18a、18bは、移動体23に取り付けられた制
動トルクモータ、5a、5bはモータ18a、18bの出力軸に
取り付けられた供給リール、7a、7bは移動体23に取り
付けられた巻取り用モータ、6a、6bはモータ7a、7b
の出力軸に取り付けられた巻取りリール、4a、4bはポ
リエステルフィルムなどの基材にダイヤモン砥粒やア
ルミナ砥粒などの微細な砥粒を樹脂などのバインダーに
より接着保持した研磨テープで、研磨テープ4a、4bの
両端は供給リール5a、5b、巻取りリール6a、6bに固
定されており、モータ18a、18b、供給リール5a、5b、
モータ7a、7b、巻取りリール6a、6bで研磨テープ駆
動装置を構成しており、基板とコンタクトローラとの間
を研磨テープ4a、4bが通過している。
【0089】12、13は平行板バネ10、11に取り付けられ
た歪ゲージ、17はモータ3、14、15等を制御する制御装
置で、制御装置17は歪ゲージ12、13の出力に応じてモー
タ14、及び加圧力補正圧電アクチュエータを制御し、平
行板バネ10、11を移動する。
【0090】つぎに図1(a)における基板の洗浄手段
Sについて、以下、図3及び図4を用いて具体的に説明
する。図3はその要部説明用正面図、図4はその側面図
である。基板洗浄手段は、基板の両面を同時に洗浄する
回転スクラバ(ブラシもしくはスポンジ製)61と、これ
ら回転スクラバ61に回転を与えるスクラバ駆動モータM
と、回転スクラバを破線位置61′と実線位置との間で往
復させることができるエアシリンダ(図示せず)と、液
槽65とからなっている。60は加工液及び洗浄液を供給す
る供給部である。
【0091】(2)上記装置の動作説明: まず、図1(a)の加工装置の基板支持具1に基板2を
取り付ける。制御装置17に、第1の研磨工程を実施する
ために加圧力、相対速度、振動振幅、往復回数などの加
工条件を設定する。
【0092】ここで、基板加工装置をONにすると、モ
ータ3により基板を回転すると同時に、第1の加工ヘッ
ドH1が、揺動用モータ16によって設定揺動振幅で揺動
し、研磨テープ駆動装置7で研磨テープ4a、4bを一定
力で巻き取り、基板への加圧力が設定第1の加圧力に成
るように調整され、かつ往復移動手段Rにより往復移動
台22を往復移動すれば、研磨テープ4a、4bによって基
板2の表面に微細溝が形成される。この間、基板駆動モ
ータ3によって、基板2の回転数が、この基板2と第1
の研磨テープ4との相対速度が設定第1の相対速度にな
るように調整されている。このようにして加工が進行し
ている間、供給部60から基板へ加工液が連続的に供給さ
れる。
【0093】そして、研磨テープ4a、4bの張力が変動
して、平行板バネ10、11が変形したとしても、制御装置
17が歪ゲージ12、13の出力に応じて、すなわち平行板バ
ネ10、11の変形量に応じてモータ14を制御するので、平
行板バネ10、11がその変形量に応じて研磨テープ4a、
4bの張力の変動にかかわらず、コンタクトローラ8、
9の基板2に対する加圧力を一定にすることができるの
で、微小な加圧力を常に維持することができるから、小
さな、かつ均一な微細溝を形成することができる。
【0094】さらに、基板2の回転による加圧力の変動
に対して、また加工ヘッドを基板2の半径方向に摺動す
ることによる加圧力の変動に対しては、すなわち基板2
の円周方向うねりや半径方向の真直度、そりの影響によ
って加圧力が変動するが、これらに対しては、加圧力の
変動量を制御装置17の指令によって、即時に加圧力補正
圧電アクチュエータ50により補正することができる。
【0095】そして、第1の加工ヘッドが設定往復回数
だけ往復動すると、この加工ヘッドH1は後退(図1に
おいて右側へ移動)し、60からの加工液の供給が停止す
る。つぎに、図3、図4に示したように破線位置にあっ
た回転スクラバ61′が実線位置の61まで上昇し、スクラ
バ駆動モータMによって、この回転スクラバ61が回転す
る。基板2も回転し、供給部60から洗浄液が供給され、
基板2が洗浄される。この洗浄が終了すると、回転スク
ラバ61が破線位置61′まで下降し、洗浄液の供給が停止
する。
【0096】それから、第2の研磨工程を実施するため
に図1(a)の基板支持具1を介して第1の加工ヘッド
H1と反対側に配置された第2の加工ヘッドH2が前進
し、この加工ヘッドによって、前記第1の加工ヘッドH
1と同様にして基板2が加工される。
【0097】すなわち、モータ3により基板を回転する
と同時に、第2の加工ヘッドH2が、揺動用モータ16に
よって設定揺動振幅で揺動し、研磨テープ駆動装置7で
研磨テープ62a、62bを一定力で巻き取り、基板への加圧
力が設定第2の加圧力になるように調整され、かつ往復
移動手段により往復移動台63を往復移動すれば、研磨テ
ープ62a、62bによって基板2の表面上に存在している微
細突部を除去し、平滑化する。
【0098】この間、基板駆動モータ3によって、基板
2の回転数が、この基板2と第2の研磨テープとの相対
速度が設定第2の相対速度になるように調整されてい
る。このようにして加工が進行している間、供給部60か
ら基板へ加工液が連続的に供給される。そして、第2の
加工ヘッドH2が設定往復回数だけ往復動すると、この
加工ヘッドは後退(図1において左側へ移動)し、加工
液の供給が停止する。最後に、さきと同様にして基板2
が基板洗浄手段Sによって洗浄されると、基板加工装置
がOFFになる。
【0099】基板支持具1から基板2を取り外せば、所
望の微細溝が形成される。さらに、磁性媒体、保護膜、
潤滑膜を形成すれば、褶動特性に優れた磁気ディスクを
得ることができる。
【0100】(3)上記装置による基板研磨加工の例: Al合金基板上に厚さ約10μmにNi−Pめっきした基
板2に微細溝を形成した具体例を、図5、図6を用いて
説明する。
【0101】図5は、図1に係る基板加工装置の第1の
加工ヘッドH1(第1の研磨工程)で加工した基板の表
状の一例を示す拡大断面曲線図、図6は、さらに第
2の加工ヘッドH2(第2の研磨工程)で加工した基板
の表面状の一例を示す拡大断面曲線図である。
【0102】第1の研磨テープ4は粒径4μmのAl2
3砥粒、第1の加圧力を10N、第1の相対速度を4m
/sec、揺動の振幅を1mmとして、水溶性切削液を供給
しながら、前記基板2を第1の加工ヘッドH1で加工し
たところ、基板2の表面に、図5に示すような、深さV
が約100nmの微細溝が形成されたが、高さHが約30nmの
盛り上がり(微細突部)があり、しかも盛り上がり高さ
にばらつきがあった。また、表面粗さは6〜7nmRa
あり、断面曲線の対称性Rskは−0.3であった。また、
3次元の負荷曲線において、表面形状の頂部から5nmの
切断面での切断面積比は0.1%以下であった。
【0103】上記の第1の研磨工程の後に、第2の研磨
工程を適用した。第2の研磨テープは粒径1μmのAl
23砥粒、第2の加圧力を4N、第2の相対速度を8m
/sec、揺動の振幅を1mmとして、純水で洗浄した前記
基板2を、水溶性切削液を供給しながら、第2の加工ヘ
ッドH2で加工したところ、基板2の表面は、図6に示
すように、微細溝の深さVは約100nmに保たれ、盛り上
がり高さHは約10nm以下に低下し、そのばらつきも小さ
かった。また、表面粗さは6〜7nmRaであり、断面曲
線の対称性Rskは−1.5であった。また、3次元の負荷
曲線において、表面形状の頂部から5nmの切断面での切
断面積比は0.8%であった。
【0104】以上説明した実施例によれば、第2の加工
ヘッドによって前記微細溝の肩部に生じた盛り上がり部
分だけを削除することができるので、微細溝深さVが20
〜100nm、盛り上がり(微細突部)高さHが低減させた
平滑な表面を形成することができるという効果がある。
さらに、上記の研磨テープの粒度や砥粒材質、基板上の
往復摺動回数、加圧力等の加工条件を変えれば、任意の
微細溝を形成することができる。
【0105】(4)上記基板の磁気ディスクへの適用: この方法の適用によって、上記の基板を下地基板とし
て、図9にディスクの断面構造を示すように、この基板
30上に非磁性金属下地膜31、磁性媒体膜32、カーボン保
護膜33さらに潤滑膜34を形成した薄膜磁気ディスク80
は、ヘッド浮上特性が良く、信頼性、安定性が著しく優
れている。
【0106】本発明の微細溝を形成した薄膜磁気ディス
クの諸特性について、比較例とともに以下詳細に説明す
る。すなわち、微細突部の高さが数nm〜数10nm、表面粗
さが数nm〜数10nmRa、かつ断面曲線の対称性Rsk
負、好ましくは−0.7以下、さらに好ましくは−1以下
の表面、あるいは3次元の負荷曲線において、微細突部
の最頂部からCSS時にヘッド荷重により受ける頂部変
形量相当の深さでの切断面、実用的には、頂部から5〜
10nmでの切断面の切断面積比が0.1〜10%である表面か
らなる下地基板の磁気ディスクと、それ以外の下地基板
の磁気ディスクとの比較を示す。
【0107】図25は、本発明によるテクスチャ加工面
を3次元的に測定した結果であり、図26は、同様の方
法で測定した従来のテクスチャ加工面である。これら両
図を対比して明らかなことは、本発明の図25の場合、
表面状態が非常に平滑となっている。
【0108】再度図13、図14及び図19を用いて説
明すると、これらは、研磨テープの粒度、加工ヘッドの
往復回数、加圧力等の加工条件を種々変えてテクスチャ
加工し、微細突部の高さや表面状を変えた下地基板上
に前述と同様の非磁性金属膜、磁性媒体膜、カーボン保
護膜さらに潤滑膜を形成した薄膜磁気ディスクに対し
て、ヘッド浮上特性、ヘッド粘着に及ぼす影響、またC
SS試験による表面状(微細突部)の変形量、ヘッド
接線力の影響を調べた結果を示したものである。
【0109】図13に示したように、微細突部の高さが
数nm(2〜3nm)以下、例えば研磨面に近い下地基板の
場合には、ヘッド浮上特性は良いが、ヘッド粘着力が増
大し、ヘッド粘着の問題が生じ、ヘッド支持のジンバル
の損傷や、基板回転駆動用モータに過負荷が掛かり、基
板回転不能になる事故が生じた。
【0110】また、微細突部の高さが数10nm以上、例え
ば微細突部が90nm以上の場合には、ヘッド粘着力は小さ
く、ヘッド粘着の問題は生じないが、ヘッド浮上特性が
悪く、ヘッドクラッシュの事故が生じた。微細突部の高
さが3〜10nmの位には、ヘッド浮上隙間0.15μmにて安
定して浮上し、かつヘッド粘着力も小さく、信頼度の高
い浮上特性を得た。
【0111】図14に示したように、対称性Rskについ
ては、その値が負の領域で特性向上がみられ、好ましく
は、−0.7以下、実用上−1〜−2が好ましい。さらに
また、3次元負荷比率とこれらヘッド浮上特性及びヘッ
ド粘着性(接線力で計測)との関係については、先に図
32をもって説明したとおりである。
【0112】また、図26に示す従来のテクスチャ加工
面では、表面粗さは6nmRaであり、3次元の負荷曲線
において、頂部から5nmでの切断面の切断面積比が0.08
%であり、ヘッド荷重によるそれぞれの微細突部の面圧
が大きく、図19に示す曲線Dのように、CSS回数と
ともに、ヘッドによる微細突部の摺動摩耗が著しく、潤
滑剤さらにカーボン保護膜の損傷が大きくなり、CSS
回数とともにヘッド接線力は増大し、ヘッドクラッシュ
を生じた。
【0113】また、図25に示す本発明によるテクスチ
ャ加工面では、表面粗さは6nmRaであり、3次元の負
荷曲線において頂部から5nmでの切断面の切断面積比が
0.1〜10%であった。この場合には、図19の曲線Cに
示したように、CSS回数が3万回と著しく増大して
も、ヘッド接線力はほとんど増加せず、非常に安定した
高信頼度のCSS特性を得た。この場合のヘッドスライ
ダと摺動したディスク表面では、初期状態とほとんど変
化がなく、潤滑剤や、カーボン保護膜の損傷もほとんど
認められなかった。
【0114】また、表面粗さは6nmRaであり、3次元
の負荷曲線において、頂部から5nmでの切断面の切断面
積比が15%である表面の場合、磁気ヘッドとディスク面
との接触面積が大きく、CSSのスタート時でのヘッド
粘着力が大きくなり、ディスク回転駆動時にヘッド支持
のジンバルの損傷や、基板回転駆動用モータに過負荷が
掛かり、基板回転不能になる事故が生じた。
【0115】上記の実施例では、研磨テープを用いて微
細溝及び微細突部を形成する方法を述べ、この下地基板
を用いた薄膜磁気ディスクの諸特性の利点を示したが、
研磨テープに限らず、切削加工法、研削加工、ラッピン
グ、ポリッシング等の表面加工法、またエッチングやサ
ンドブラスト等の表面処理法、さらにドライプロセスの
パターン形成法にても同様の効果が得られる。また、上
記の加工方法を組み合わせた場合にも、まったく同様の
効果を得ることができる。
【0116】本発明の一実施例として、研磨テープの幅
は、基板の加工面の幅より狭い研磨テープを使用し、こ
の研磨テープを押圧するコンタクトローラを基板の半径
方向に往復動させ、また揺動させながら基板表面を加工
したが、研磨テープの幅を基板の加工すべき面の幅に近
付け、あるいは加工すべき面の幅より大きな幅の研磨テ
ープを使用し、基板の半径方向に揺動させ、あるいは揺
動なしに基板加工しても同様の効果を得ることができ
る。
【0117】さらに、上記のテクスチャ加工をNi−P
めっきした下地基板以外に、Al基板や、非磁性金属下
地膜、また保護膜面上に適用しても同様の効果を得るこ
とができる。
【0118】(5)実施例の効果: 以上詳細に説明したように本実施例によれば、Ni−P
めっき下地基板に微細突部の極めて小さい高精度な微細
溝を形成することができる基板加工方法により、ヘッド
浮上量が例えば0.1μmと小さくてもCSS特性にすぐ
れた磁気ディスクが得られるようになった。
【0119】つまり、磁気ディスク基板表面に、高さ数
nm〜数10nmの微細突部、表面粗さが数nm〜数10nmRa
かつ断面曲線の対称性Rskが−0.7以下の表面、あるい
は3次元の負荷曲線において、微細突部の最頂部からC
SS時にヘッド荷重により受ける頂部変形量相当の深さ
での切断面、実用的には頂部から5〜10nmでの切断面の
切断面積比が0.1〜10%である表面に形成することがで
きるので、磁気ヘッドがディスク表面を間欠的に接触を
繰り返すCSS特性において、ヘッド荷重を上記の多数
の微細突部で受けるようになり、それぞれの微細突部で
の面圧が小さく、微細突部の変形、摺動摩耗が少なくな
る。
【0120】さらに、微細突部に形成されている保護膜
や潤滑膜の劣化も少なく、またCSSによる摺動屑は、
微細溝の特に深溝部に回避するので、耐摺動特性が格段
に向上する。
【0121】また、この基板加工方法において、平行板
バネ、歪ゲージ及び加圧力補正圧電アクチュエータを用
いることによって、コンタクトローラの基板に対する加
圧力を非常に小さく、基板の形状精度にかかわらず、常
に均一にすることができるので、基板全面にわたって安
定した均一な微細溝を形成でき、またNi−Pめっき下
地基板に形成した微細溝の微細突部を微小量ずつ除去す
るので微細突部を高精度に平滑化できる。
【0122】さらに、上記微小加圧力制御の基板加工
により、下地基板面上の微細溝加工のみならず、完成
した磁気ディスク面上の保護膜、例えばカーボン保護膜
面の微細突部をも微小量ずつ切削除去し、微細突部を確
実に除去することができ、かつ微細突部の周囲のカーボ
ン保護膜や磁性媒体等の表面形成膜にダメージを与える
ことがない。したがって、表面精度が良好で、非常に高
い平滑面を得ることができる。
【0123】
【発明の効果】上述のとおり、本発明によれば、ヘッド
浮上量を従来より小さくしてもCSS特性を著しく向上
させることができ、ヘッドクラッシュが生じることのな
い高密度大容量化に好適な信頼性の高い磁気ディスク
製造方法を実現することができるようになった。また、
加工表面の3次元負荷曲線による切断面負荷比率を加工
層における評価指標とする改良された製造方法の実現並
びに前記製造方法における第1、第2の研磨工程を、高
度に制御された第1、第2の加工ヘッドと洗浄手段とを
備えた加工装置で実現することにより、高精度の表面加
工を可能とし、信頼性の高い上記ディスク及びディスク
の製造方法の実現を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板加工装置の一実施例を示す正面
図。
【図2】この装置のヘッドを中心とした要部を示す平面
図及び一部断面平面図。
【図3】図1における基板洗浄手段の詳細を示す正面
図。
【図4】この基板洗浄手段の側面図。
【図5】図1に係る基板加工装置の第1の加工ヘッドH
1で加工した基板の表面の一例を示す拡大断面曲線図。
【図6】さらに第2の加工ヘッドH2で加工した基板の
表面の一例を示す拡大断面曲線図。
【図7】従来の微細溝形成用の基板加工装置を示す正面
図。
【図8】この装置の側面図。
【図9】本発明の下地基板を用いた薄膜磁気ディスクの
断面構成図。
【図10】従来技術の薄膜磁気ディスクの断面構成図。
【図11】微細溝の断面形状説明図。
【図12】従来の基板加工装置の説明図。
【図13】微細突部の高さRpとヘッド浮上特性及びヘ
ッド接線力との関係を調べた特性図。
【図14】対称性Rskとヘッド浮上特性及びヘッド接線
力との関係を調べた特性図。
【図15】CSSによる基板表面のナノメータオーダの
微小な変化を高分解能SEMにより測定し、表面の断面
形状の変化を現わした特性図で、(a)は、CSS前
の、(b)は、CSS後のそれぞれ断面形状を示す特性
図。
【図16】CSS前後の基板の極表面の3次元負荷曲
線。
【図17】本発明の基板表面の断面形状を示した特性
図。
【図18】図17の基板上に磁性媒体を成膜した磁気デ
ィスク表面の断面形状を示した特性図。
【図19】CSS回数とヘッド接線力との関係を示した
特性図。
【図20】本発明の対象とする磁気ディスク装置の概略
を示す一部断面斜視図。
【図21】磁気ディスクと磁気ヘッドとの相対的な関係
を示す説明図。
【図22】磁気ヘッドの形状を示したもので、ヘッドス
ライダの斜視図。
【図23】CSSにおけるヘッドとディスク表面との関
係を示すもので、ディスク停止時と回転時の状態図。
【図24】テクスチャ表面の3次元表面の測定法とし
て、SEMを応用した原理図。
【図25】本発明による磁気ディスクのテクスチャ加工
面を3次元的に表示した図。
【図26】従来のテクスチャ加工面を3次元的に表示し
た図。
【図27】テクスチャ加工面の断面形状と3次元の負荷
曲線との関係を表わし、CSS特性との相関を説明する
説明図。
【図28】テクスチャ加工面の断面形状と3次元の負荷
曲線との関係を表わし、CSS特性との相関を説明する
説明図。
【図29】テクスチャ加工面の断面形状での微細突部を
表わす説明図。
【図30】本発明によりテクスチャ加工面の表面形状の
性質を3次元の負荷曲線を用いて説明する図。
【図31】本発明によりテクスチャ加工面の表面形状の
性質を3次元の負荷曲線を用いて説明する図。
【図32】3次元断面負荷比率とヘッド浮上特性及びヘ
ッド接線力との関係を調べた特性図。
【符号の説明】
1…基板取付け用回転軸、 2(30)…磁気ディスク(基板)、 3…基板駆動用モータ、 4a、4b…第1の研磨テープ、 5a、5b…供給リール、 6a、6b…巻取りリール、 7a、7b…巻取り用モータ、 8、9…コンタクトローラ、 10、11…平行板バネ、 12、13…歪ゲージ、 14…加圧用モータ、 15…往復移動用モータ、 17…制御装置、 18a、18b…制動トルクモータ、 21…ネジ、 22…往復移動台、 24…ネジ、 31…非磁性金属下地膜、 32…磁性媒体膜、 33…保護膜、 34(83)…潤滑膜、 50…加圧力補正圧電アクチュエータ、 60…液供給部、 61(61′)…回転スクラバ、 62…第2の研磨テープ、 63…往復移動台、 65…液槽、 80…磁気ディスク(完成品)、 81…磁気ヘッド、 82…ヘッドスライダ摺動面、 85…磁気ディスク装置、 H1…第1の加工ヘッド、 H2…第2の加工ヘッド、 R…往復動手段、 S…洗浄手段、 W…揺動手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大浦 正樹 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 加藤 義喜 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 岡本 紀明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−236664(JP,A) 特開 昭62−248133(JP,A) 特開 平1−23419(JP,A) 特開 平1−86320(JP,A) 特開 昭54−23294(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め鏡面加工された非磁性基板の表面を第
    1及び第2の研磨工程で研磨し、非磁性基板表面に凹凸
    加工層を形成する工程と、前記研磨工程により形成され
    た凹凸加工層上に薄膜磁性金属層を形成する工程と、前
    記薄膜磁性金属層上に保護膜を形成する工程とを含む磁
    気ディスクの製造方法において、前記第1の研磨工程と
    して、前記基板上の少なくとも磁気ヘッドの摺動面幅相
    当の単位幅内に、凹部として所定の深溝を有する微細溝
    を設け、前記第2の研磨工程として、前記微細溝形成に
    よりその肩部に盛り上がり形成された凸部を、その頂部
    から所定量研磨し、かかる凸部の表面を平滑化するに際
    し、表面形状を表わす3次元負荷曲線において表面凸部
    最頂部から5〜10nmの深さの切断面における負荷比
    率が0.1〜10%の範囲内で、前記頂部からの研磨を
    終了することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】上記第1の研磨工程として、非磁性基板の
    両面へ同時に、第1の研磨テープで所定の第1の加圧力
    で押圧し、この研磨テープを前記非磁性基板の円周方向
    へ走行させると共に、半径方向へ揺動させながら往復動
    させ、研磨面に加工液を供給しながら、前記非磁性基板
    を前記第1の研磨テープとの相対速度が所定の第1の相
    対速度になるように回転させることによって前記非磁性
    基板を加工したのち、洗浄し、次いで上記第2の研磨工
    程として、前記非磁性基板の両面へ同時に、前記第1の
    研磨テープよりも砥粒径の小さい第2の研磨テープを前
    記第1の加圧力よりも小さい第2の加圧力で押圧し、こ
    の研磨テープを前記非磁性基板の円周方向へ走行させる
    と共に、半径方向へ揺動させながら往復動させ、研磨面
    に加工液を供給しながら、前記非磁性基板を前記第2の
    研磨テープとの相対速度が前記第1の相対速度よりも大
    きい所定の第2の相対速度になるように回転させること
    によって前記非磁性基板を加工したのち、洗浄するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスクの
    製造方法。
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