JP5999214B2 - 金属板用自走式検査装置および金属板用自走式検査方法、ならびに検査システム - Google Patents

金属板用自走式検査装置および金属板用自走式検査方法、ならびに検査システム Download PDF

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Description

本発明は、屋内で金属板上を自走して金属板の検査を行う金属板用自走式検査装置および金属板用自走式検査方法、ならびにそれを用いた検査システムに関する。
従来、鋼板等の金属板の品質を保証するために、鋼板等の傷や内部欠陥を、超音波探傷にて検査することが行われている。例えば、生産ラインの送りローラ上を搬送される鋼板等の金属板に、複数個並列に並べられた超音波探傷ヘッドを接触させて自動で検査したり、生産ライン外で鋼板等の金属板に超音波探傷ヘッドを接触させて、人手により検査している。
一般に、超音波探傷ヘッドはケーブルで超音波探傷器と接続され、超音波探傷ヘッドで計測された信号が超音波探傷器に入力され、その出力がデータ処理装置に入力されて処理され、傷の有無が探査される。また、鋼板等の金属板の検査面には、超音波の媒体として水が散布される。したがって、人手により金属板を検査する場合は、この方法では、金属板の全面が水で濡れて滑り易い状態となり、検査員が段差がある金属板上を移動する際に転倒する危険性がある。
このような危険性を回避するために、自動探傷装置(自走式検査装置)が開発されている。最も単純なものは、金属板上を移動できる自走式台車に探傷ヘッドを搭載したものである。このような検査装置では金属板の全面を走査するために、金属板の周囲にリブ板等を取り付ける必要がある。
また、特許文献1に開示された自動探傷装置は、図18に示すように、履帯台車8はキャタピラー状の履帯8aで走行し、横方向に移動する際は、横方向移動車輪8bで走行する。履帯台車8の前後には金属板端縁検出センサ2bが設けられ、ガイドレールに金属板上の傷を検査する探触子2aが設けられている。履帯台車8は金属板1の端縁に設けられたメジャーAと金属板1の基準点Pに設けられた伸縮自在メジャーBによって探査位置が算出できるようになされている。
また、自走する検査装置の位置を測定する手法としては、誘導線を走行経路に設置する方法、走行経路の床面や天井面をテレビカメラで撮影して、その映像を画像処理する方法、ジャイロセンサを搭載して、走行速度と角速度を高速に積算して、現在位置を算出する方法が広く知られており、このような手法に基づく位置測定手段により測定した位置に基づいて自走する検査装置の位置を制御する。
特開平5−172798号公報
ところで、自走する検査装置は、車輪を有する台車に、金属板の傷を検査する検査用センサを備えた探傷ヘッドを含む検査用機器を搭載して構成されたものであり、検査装置の位置制御を行う場合には、上述のような位置測定手段を用いて測定した検査装置の位置と所定の目標位置との偏差を求め、その偏差に応じて制御部から車輪を駆動する駆動部に指令を出して台車を所定の目標位置に移動させることが一般的であると考えられる。
しかしながら、検査装置に超音波探傷の際の媒体となる水を貯留するタンクが存在する場合、散水することにより検査途中で検査装置の重量が変化し、その重量変化が制御の外乱となる。また、超音波探傷の場合、超音波探触子を備えた探傷ヘッドは、検査中は金属板に常に接触するため、金属板の種類、製造プロセスの違いに起因する表面の状態によって、探傷ヘッドと金属板との間に発生する摺動抵抗の大きさが変化し、それが制御の外乱となる。
このため、自走式検査装置の位置制御の精度が不十分となってしまう可能性がある。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、位置制御精度が高い金属板用自走式検査装置および金属板用自走式検査方法、ならびにそれを用いた検査システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(17)を提供する。
(1)位置測定手段からの情報に基づいて金属板上を自走し、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査装置であって、
前記検査装置は、正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪と前記車輪を駆動する駆動部を有する台車と、
台車に搭載され、金属板を検査する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドと、
前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与え、前記検査装置を所定の目標位置に自律走行させるように制御する制御手段と
を具備し、
前記制御手段は、前記検査装置の重量変化、または前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗、またはこれらの両方を検出し、その検出値から求められた補正値を前記指令にフィードバックする機能を有することを特徴とする金属板用自走式検査装置。
(2)前記検査装置は、前記探傷ヘッドと前記金属板との間に水を供給する水タンクを有し、
前記制御手段は、前記水タンクの残水量を検出する残水量センサを有し、前記残水量センサの検出値から前記検査装置の重量変化を求めて補正値を算出することを特徴とする(1)に記載の金属板用自走式検査装置。
(3)前記検査装置は、前記探傷ヘッドを支持する支持部材を有し、前記制御手段は、前記支持部材の曲げ応力を検出する歪ゲージを有し、前記歪ゲージの検出値から前記摺動抵抗を求めて補正値を算出することを特徴とする(1)または(2)に記載の金属板用自走式検査装置。
(4)前記探傷ヘッドの底面に設けられた電磁石をさらに具備し、前記制御手段は、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の金属板用自走式検査装置。
(5)位置測定手段からの情報に基づいて金属板上を自走し、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査装置であって、
前記検査装置は、正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪と前記車輪を駆動する駆動部を有する台車と、
台車に搭載され、金属板を検査する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドと、
前記探傷ヘッドの底面に設けられた電磁石と、
前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与え、前記検査装置を所定の目標位置に自律走行させるように制御する制御手段と
を具備し、
前記制御手段は、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする金属板用自走式検査装置。
(6)前記探傷ヘッドを支持する支持部材を有し、前記支持部材は弾性体を介して前記台車に支持され、前記弾性体により、前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗をキャンセルすることを特徴とする(4)または(5)に記載の金属板用自走式検査装置。
(7)前記弾性体の変位を検出する検出器をさらに有し、前記制御手段は、前記検出器の検出値に基づいて前記電磁石の磁力を制御することを特徴とする(6)に記載の金属板用自走式検査装置。
(8)前記探傷ヘッドは、前記金属板用自走式検査装置の進行方向に沿って前後に移動可能であることを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載の金属板用自走式検査装置。
(9)位置測定手段からの情報に基づいて金属板上で金属板用自走式検査装置を自走させ、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査方法であって、
正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪を駆動部により駆動させる台車に金属板を検査
する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドを装備した状態とし、
前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与えるとともに、前記検査装置の重量変化、または前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗、またはこれらの両方を検出し、その検出値から求められた補正値を前記指令にフィードバックすることを特徴とする金属板用自走式検査方法。
(10)前記検査装置は、前記探傷ヘッドと前記金属板との間に水を供給する水タンクを有し、前記水タンクの残水量を検出する残水量センサの検出値から前記検査装置の重量変化を求めることを特徴とする(9)に記載の金属板用自走式検査方法。
(11)前記検査装置は、前記探傷ヘッドを支持する支持部材を有し、前記支持部材の曲げ応力を検出する歪ゲージの検出値から前記摺動抵抗を求めることを特徴とする(9)または(10)に記載の金属板用自走式検査方法。
(12)前記探傷ヘッドの底面に電磁石を設け、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする(9)から(11)のいずれかに記載の金属板用自走式検査方法。
(13)位置測定手段からの情報に基づいて金属板上で金属板用自走式検査装置を自走させ、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査方法であって、
正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪を駆動部により駆動させる台車に金属板を検査する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドを装備した状態とし、
前記探傷ヘッドの底面に電磁石を設け、
前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与えるとともに、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする金属板用自走式検査方法。
(14)前記探傷ヘッドは支持部材により支持され、前記支持部材は弾性体を介して前記台車に支持され、前記弾性体により、前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗をキャンセルすることを特徴とする(12)または(13)に記載の金属板用自走式検査方法。
(15)前記弾性体の変位を検出器により検出し、前記検出器の検出値に基づいて前記電磁石の磁力を制御することを特徴とする(14)に記載の金属板用自走式検査方法。
(16)金属板上を自走し、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査装置と、前記検査装置の位置の測定を行う位置測定手段とを有し、前記位置測定手段により測定された位置情報に基づいて前記検査装置を自走させて金属板の測定を行う検査システムであって、
前記検査装置は、(1)から(8)のいずれかの構成を有することを特徴とする検査システム。
(17)前記位置測定手段は、三角測量の原理に基づいて屋内空間での前記検査装置の位置を測定する屋内位置測定システムであることを特徴とする(16)に記載の検査システム。
本発明によれば、位置測定手段により認識した検査装置の位置と検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与え、前記検査装置を所定の目標位置に自律走行させる制御手段が、検査装置の重量変化、または前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗、またはこれらの両方を検出し、その検出値から求められた補正値を前記指令にフィードバックするので、検査装置の位置制御精度を高くすることができる。また、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することにより、目標走行ルートに対して位置制御精度が高い金属板用自走式検査装置を実現することができる。
金属板用自走式検査装置を含む検査システムの第1の例を示す斜視図である。 金属板用自走式検査装置を含む検査システムの第2の例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る金属板用自走式検査装置を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る金属板用自走式検査装置の本体を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る金属板用自走式検査装置の本体を示すA−A線による水平断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る金属板用自走式検査装置の本体を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る金属板用自走式検査装置に用いられる台車の駆動部を拡大して示す断面図である。 金属板用自走式検査装置の走行方向を決定するステアリングパターンを説明するための説明図である。 車輪駆動用モータおよび旋回用モータとしてステッピングモータを採用した場合において、金属板用自走式検査装置の本体を目標地点に制御する場合における本体重量による速度パターンの違いを説明するための説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る金属板用自走式検査装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る金属板用自走式検査装置の本体を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る金属板用自走式検査装置の本体を示す正面図である。 車輪駆動用モータおよび旋回用モータとしてステッピングモータを採用した場合において、金属板用自走式検査装置の本体を目標地点に制御する場合における摺動抵抗の有無による速度パターンの違いを説明するための説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る金属板用自走式検査装置を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る金属板用自走式検査装置の本体を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る金属板用自走式検査装置の本体を示す正面図である。 車輪駆動用モータおよび旋回用モータとしてステッピングモータを採用した場合において、金属板用自走式検査装置の本体を目標地点に制御する場合における磁力制御の有無による速度パターンの違いを説明するための説明図である。 従来の技術を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<金属板用自走式検査装置を含む検査システム>
最初に本発明に係る金属板用自走式検査装置を含む検査システムについて説明する。
図1は金属板用自走式検査装置を含む検査システムの第1の例を示す斜視図、図2は金属板用自走式検査装置を含む検査システムの第2の例を示す斜視図である。
図1に示すように、第1の例では、検査システム100は、位置測定手段としての屋内位置測定システム200と、金属板用自走式検査装置300(以下、検査装置300とする)とを有する。
本例において用いる屋内位置測定システム200は、三角測量の原理に基づいて屋内空間での自己位置測定を行うものである。具体的には、屋内位置測定システム200は、屋内に設置された複数の航法用送信機11と、航法用受信機12と、位置演算用ソフトウェアを含むホストコンピュータ13とから構成される。
検査装置300は、金属板上を自走して金属板の表面または内部の欠陥の有無を検査するものであり、車輪および駆動部を有する台車14と、台車14に設けられた、検査用センサである超音波探触子を備えた探傷ヘッド35および超音波探傷器32を含む検査機器15と、検査装置本体を別途与えられる所定の目標位置に自律走行させるための制御系とを備えている。制御系は、搭載コンピュータ21を有する。上記ホストコンピュータ13もこの制御系の一部として機能する。検査機器15、および制御系のホストコンピュータ13以外のものは台車14に搭載され、検査装置300を構成する。検査装置300の詳細な構成は後述する。
屋内位置測定システム200には、例えばIGPS(Indoor Global Positioning System)を適用することができる。IGPSは、衛星航法システム(GPS:Global Positioning System)を屋内位置測定システムに適用したものである。IGPSについては、米国特許第6,501,543号明細書に詳細に記載されている。
屋内位置測定システム200にIGPSを適用する場合は、各航法用送信機11は、回転ファンビーム(扇形ビーム)を射出する。回転ファンビームはレーザファンビームであってもよく、他の光放射手段であってもよい。航法用受信機12は送信機から射出される回転ファンビームを受信する。このとき、回転ファンビームは所定の角度でずれており、これを受信する受信機の3次元座標値(以下、「座標値」という)、すなわち位置または高さを測定することができる。航法用受信機12が受信した受信情報はホストコンピュータ13に無線伝送され、ホストコンピュータ13により、三角測量の原理に従って、航法用受信機12の位置を演算する。複数の送信機11から受信した信号を用いて、また演算を繰り返すことにより、航法用受信機12を搭載した走行中の検査装置300の位置情報をリアルタイムで得ることができる。
一方、図2に示すように、第2の例では、検査システム100′は、第1の例とは構成が異なる屋内位置測定システム200′と、検査装置300とを有する。
屋内位置測定システム200′は、三角測量の原理に基づいて屋内空間での自己位置測定を行う屋内位置測定システムであるが、第1の例とは逆に、検査装置300側に航法用送信機を搭載する。このような例として、オフィスビル内を自律走行する清掃ロボットに搭載されたレーザ三角測量技術が挙げられる(例えば、http://robonable.typepad.jp/news/2009/11/25subaru.html参照)。具体的には、本例における屋内位置測定システム200′は、検査装置300の本体に設置された航法用送信機12′と、屋内に設置された複数のリフレクタ11′と、位置演算用ソフトウェアを含むホストコンピュータ13とから構成される。
本例では、第1の例と同じ構成の検査装置300を用いる。すなわち、本例においても検査装置300は、金属板10上を走行する台車14と、台車14に設けられた、検査用センサである超音波探触子を備えた探傷ヘッド35および超音波探傷器32を含む検査機器15と、本体を所定の目標位置に自立走行させるための制御系とを備えている。
本例では、屋内位置測定システム200′の航法用送信機12′はレーザ三角測量を行うべく構成され、航法用送信機12′は検査装置300の上部に設けられ、レーザを投光および受光する機能を有する。そして、航法用送信機(レーザ三角測量)12′から水平面に360°レーザLを投光し、リフレクタ11′からの反射光を受光し、反射光が戻ってくるまでの時間から検査装置300と各リフレクタ11′との距離を、また、反射光の角度から各リフレクタ11′の方向をそれぞれ認識し、事前に登録したリフレクタの座標位置と比較することで検査装置300の位置や方向を算出することが可能となる。
位置測定手段としては、第1の例および第2の例に代表される三角測量の原理に基づいて屋内空間での自己位置測定を行うものを好適に用いることができるが、これに限定されるものではない。
<第1の実施形態に係る金属板用自走式検査装置>
次に、本発明の第1の実施形態に係る検査装置300について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る検査装置300を示すブロック図、図4は検査装置300の側面図、図5は検査装置300のA−A線による水平断面図、図6は検査装置300の正面図、図7は駆動部を拡大して示す断面図である。
本実施形態において、検査装置300は、上述したように、台車14と、超音波探触子を備えた探傷ヘッド35および超音波探傷器32を含む検査機器15と、検査装置300を所定の目標位置に自律走行させるための制御系とを備えている。さらに、検査装置300は、図3のブロック図に示すように、金属板10のエッジを検知するエッジ検知用センサ22と、IOボード23と、走査アクチュエータ24と、コントローラおよびドライバを含み、制御系の一部をなす駆動制御部25と、水供給手段としての水タンク34と、水タンク34内の残水量を測定する残水量センサ44と、残水量センサ44からの信号を増幅するアンプ45とを備え、これらは台車14に搭載されている。IOボード23は、エッジ検知用センサ22およびアンプ45からの信号を搭載コンピュータ21に導く。また、台車14は、走行用の車輪26と、車輪駆動用および旋回用の車輪用モータ27とを備えている。
制御系の一部としても機能するホストコンピュータ13は、図3に示すように、上述した屋内位置測定システム200の航法用受信機12または屋内位置測定システム200′の航法用送信機12′の位置を演算するための現在位置演算用ソフトウェア16と、目標検査位置、経路情報を設定し、また搭載コンピュータ21からの検査データ、検査位置情報を評価する設定・評価ソフトウェア17とを有する。なお、検査装置300の制御系として、ホストコンピュータ13を用いずに、搭載コンピュータ21のみで制御するようにしてもよい。
検査装置300は、目標ルートに沿って自律走行する機能と、金属板10の検査を行う機能の2つの機能を有する。
前者の機能については、例示した屋内位置測定システム200または200′のような位置測定手段からの情報に基づいて、搭載コンピュータ21、駆動制御部25、車輪26、および車輪用モータ27が担う。すなわち、前述のホストコンピュータ13における演算結果である検査装置300の位置情報および目標検査位置に関する情報は、それぞれ無線通信により搭載コンピュータ21に無線伝送され、搭載コンピュータ21において目標検査位置に対する現在位置の偏差を演算する。同偏差のうち検査装置300の位置に依存する偏差が0となるように、駆動制御部25から車輪用モータ27に速度指令等の制御信号を出力して、車輪26の速度、ステアリング角度のフィードバック制御を行うことで目標走行ルートに沿った自律走行を行う。また、搭載コンピュータ21では、残水量センサ44により検出した水タンク34の残水量に基づいて、検査装置300の重量変化を求め、本体の走行制御に関連する制御パラメータにフィードバックし、制御パラメータを自動調整する。
後者の機能については、金属板10と接触させて検査を行う超音波探触子を備えた探傷ヘッド35を含む検査機器15、探傷ヘッド35を水平方向に走査するための走査アクチュエータ24、搭載コンピュータ21、および駆動制御部25が担う。すなわち、搭載コンピュータ21においてホストコンピュータ13からの目標検査位置と現在位置情報より、検査機器15の構成要素である超音波探触子を含む探傷ヘッド35を走査する走査アクチュエータ24の必要走査量を演算し、駆動制御部25はその必要走査量分だけ走査アクチュエータ24を走査させる。走査アクチュエータ24の位置情報は搭載コンピュータ21にフィードバックされ、現在位置情報と合わせて検査位置情報として演算される。検査機器15による検査データは検査機器からIOボード23を介して搭載コンピュータ21に取り込まれ、検査位置情報と合わせて、ホストコンピュータ13に無線送信される。このとき、走査アクチュエータ24に対して、検査装置300を自律走行させる制御と連動して探傷ヘッド35の位置制御をしてもよいし、検査装置300の自律走行と独立して探傷ヘッド35の位置制御をしてもよい。
次に、検査装置300の本体の具体的な構成について、図4〜7を参照して説明する。
検査装置300は、上段部301a、中段部301b、下段部301cに分かれている。
上段部301aには、搭載コンピュータ21、IOボード23の他、検査機器15の一部をなす超音波探傷器32および無線通信ユニット33、さらにはアンプ45が搭載されている。また、上段部301aには、位置測定システム200の航法用受信機12または位置測定システム200′の航法用送信機12′が取り付けられている。
中段部301bには、上述した水供給手段としての水タンク34が搭載されている。超音波探傷による金属板10の検査を行う場合には、探傷ヘッド35と金属板10との間は常時水で満たしておく必要があるため、水タンク34から水供給用ホース(図示せず)を介して、探傷ヘッド35と金属板10との間に常時水を供給する。水タンク34には、水タンク34内の残水量を測定する残水量センサ44が設けられている。図示の例では残水量センサ44としてフロート式レベル計を用いているが、残水量センサ44としてはフロート式レベル計に限らず、超音波式、静電容量式、圧力式等、一般的に用いられるレベル計を用いることができる。
下段部301cには、走行用の車輪26、ならびに車輪用モータ27としての駆動用モータ27aおよび旋回用モータ27bが取り付けられている。また、下段部301cの周囲にはエッジ検知用センサ22および検査機器15の一部をなす探傷ヘッド35が取り付けられている。さらに、下段部301cには、エッジ検知用センサコントローラ37およびバッテリー38が搭載されている。
探傷ヘッド35は、検査用センサである超音波探触子を有しており、探傷ヘッド35は、探傷ヘッド支持機構36を介して垂直アーム39に取り付けられており、垂直アーム39は垂直レール40に沿って垂直方向に移動可能となっている。また、垂直アーム39は取付部41により水平レール42に取り付けられており、水平レール42は走査アクチュエータ24(図4、5、6では図示せず)により検査装置300に設けられた水平走査軸43に沿って走査される。検査時には、探傷ヘッド35は、金属板10に接触した状態で走査される。
エッジ検知用センサ22は、例えば、渦流式センサにより構成されており、これにより、金属板10上を検査装置300が自律走行している際に板端を検知し、検査装置300が金属板10から落下することを防止する。また、これと同時にエッジ検知用センサ22は、板端の探傷時に、板端に沿って走行するためのセンサとして用いられる。例えば、図5に示すように、探傷ヘッド35が設置されている側の辺には、それぞれ2つのエッジ検知用センサ22が探傷ヘッド35と同一線上となるように設置されており、2つのエッジ検知用センサ22が常に板端を検出するように検査装置300の走行方向を制御することにより、板端に沿った検査が可能である。また、探傷ヘッド35が設置されていない側の辺にも、同様にそれぞれ2つのエッジ検知用センサ22が配置されている。なお、エッジ検知用センサ22は、渦流式センサに限らず、レーザセンサ等の他のセンサを用いることができる。設置される数も各辺2つに限られず、適宜増減してよい。
車輪26は、台車14の底部に各々独立に水平面に対して90°以上旋回可能に4つ設置されている。
駆動部50は、各車輪を独立して駆動するもので車輪毎に設けられており、それぞれ、図7に示すように、車輪用モータ27として、車輪駆動用モータ27aとステアリングのための旋回用モータ27bとを有する。ステアリングのための旋回用モータ27bの軸にはピニオンギア51が取り付けられており、そのピニオンギア51がステアリングターンテーブル52の外円周縁のラックギア53に噛合されている。
ステアリングターンテーブル52の上部には車輪駆動用モータ27aのハウジング(図示せず)が装着されており、車輪駆動用モータ27aの減速ギアの出力回転軸54がステアリングターンテーブル52を通過して下方に延びている。出力回転軸54の下端には、第1交差軸ギア55が結合されている。第1交差軸ギア55には第2交差軸ギア56が噛合されており、第2交差軸ギア56は車輪26の軸部材57に結合されている。軸部材57は、ステアリングターンテーブル52から下方に延びた懸架構造58により回転可能に支持されている。
したがって、駆動用モータ27aにより各車輪26が回転され、旋回用モータ27bにより車輪26がステアリングターンテーブル52および懸架構造58とともに旋回されるようになっている。車輪駆動用モータ27aは、車輪を正転・逆転させることができる。旋回用モータ27bは、車輪26に対し台車中心側にオフセットする軸まわりに90°以上旋回させることができるようになっている。
検査装置300の走行方向を決定するステアリングパターンとしては、図8に示すようなものを挙げることができる。図8の(a)は左右移動、(b)は斜め移動、(c)は前後移動、(d)は超信地旋回のステアリング状態を示している。なお、超信地旋回とは、油圧ショベルや戦車など履帯(クローラー)を持つ車輌が、左右のクローラーを同速度で互いに反対方向に動かすことによって、移動することなくその場で回転しながら所定の方向に向きを変えることをいうが、履帯が無く複数の車輪のみがある場合でも実現できる。
次に、第1の実施形態に係る検査装置300における検査動作について説明する。
金属板10の検査に際しては、以上のように構成された検査装置300を、あらかじめ決定された検査パターンに応じて金属板10上で走行させる。
このとき、ホストコンピュータ13における演算結果である検査装置300の位置情報および目標検査位置に関する情報は、それぞれ無線通信により搭載コンピュータ21に無線伝送され、搭載コンピュータ21において目標検査位置に対する現在位置の偏差を演算する。同偏差のうち検査装置300の位置に依存する偏差が0となるように、駆動制御部25から車輪用モータ27に速度指令等の制御信号を出力して、車輪26の正転・逆転・停止を指示するとともに、車輪26の速度、ステアリング角度のフィードバック制御を行うことで目標走行ルートに沿った自律走行を行う。
そして、金属板10と接触させて検査を行う超音波探触子を備えた探傷ヘッド35を含む検査機器15により、金属板10の検査を行う。このとき、必要に応じて、走査アクチュエータ24により探傷ヘッド35を走査する。この際には、搭載コンピュータ21において、ホストコンピュータ13からの目標検査位置と現在位置情報より、探傷ヘッド35を走査する走査アクチュエータ24の必要走査量を演算し、その演算結果に基づいて駆動制御部25により走査アクチュエータ24を走査させ、走査アクチュエータ24の位置情報を搭載コンピュータ21にフィードバックし、現在位置情報と合わせて検査位置情報として演算する。
具体的な検査パターンとしては、例えば、最初に金属板の四周辺(周縁部)の探傷を行い、次いでの四周辺以外の内側部分の探傷を所定ピッチで行うものを挙げることができる。
金属板の四周辺の探傷においては、探傷ヘッド35と同一線上となるように設けられた2つのエッジ検知用センサ22が常に板端を検出するように装置の走行方向を制御して走行しながら検査を行う。このとき、探傷ヘッド35は、目標検査位置および検査経路に基づき、走査アクチュエータ24により所定位置に設定されている。このようにして一辺の板端の探傷を行っているときに、走行方向の先にある板端位置が近づいてくると、検査装置300の減速を開始させ、検査装置300の正面に設置された、2つのエッジ検知用センサ22が金属板10のエッジを検出した時点で検査装置300を一旦停止させる。続いて、探傷ヘッド35を走査アクチュエータ24により、板端位置に到るまで移動させる。検査装置300が停止した状態で旋回用モータ27bを駆動し、車輪26をそれまでの進行方向と直交する向きとなるようにステアリングする。そして、検査装置300を前進させ、同様に次の辺の板端の検査を行う。以下、これらの動作を所定の四周探傷が完了するまで繰り返す。
金属板10の四周辺以外の内側部分は板端に依存せず、前述の目標検査位置および検査経路に基づいて検査を行う。検査経路としては、例えば、検査装置300を、最初に圧延方向に移動させ、所定の位置に達したら、圧延方向に直交する方向に所定ピッチで送り、さらに圧延方向と反対方向に移動させ、これらを繰り返すものを挙げることができる。このとき、目標検査位置および検査経路に応じて、走査アクチュエータ24の走査量を決定し、それに基づいて探傷ヘッド35を所定位置まで移動させておき、その状態で、車輪26の駆動、ステアリングに関する制御をして検査装置300を自律走行させながら、探傷ヘッド35を構成する超音波探触子により金属板10の超音波探傷を行う。
以上のような検査により得られた検査データを、IOボード23を介して搭載コンピュータ21に送り、搭載コンピュータ21は、検査データを検査位置情報と合わせて、ホストコンピュータ13に無線送信する。
このように、検査装置300を走行させながら超音波探傷により金属板10の検査を行う時には、上述したように、探傷ヘッド35と金属板10との間は常時水で満たしておく必要があるため、水供給手段としての水タンク34が検査装置300の中段部301bに設けられ、水タンク34から水供給用ホースを介して、探傷ヘッド35と金属板10との間に常時水を供給する。このため、検査開始直後と検査終了直前では供給された水量に応じて水タンク34に残っている水量は変化し、これにともなって検査装置300の本体の重量も変化し、この装置の重量変化が制御外乱となる。
車輪用モータ27を構成する車輪駆動用モータ27aおよび旋回用モータ27bとしては、低速域でのトルクが大きく、安価であり、しかも装置をコンパクト化することが可能なことから、本実施形態ではステッピングモータを採用している。
図9は、車輪駆動用モータ27aおよび旋回用モータ27bとしてステッピングモータを採用した場合において、検査装置300を目標地点に制御する場合における本体重量による速度パターンの違いを説明するための説明図である。図9(a)は水タンク34に水が存在しない場合、図9(b)は水タンク34に水が存在する場合を示す。
上述したように、搭載コンピュータ21において演算した目標検査位置に対する検査装置300の本体(台車14)の位置の偏差が0となるように、駆動制御部25は車輪用モータ27に速度指令を送り、この速度指令に従ってモータ固有の電圧および周波数特性に応じたトルクをモータが発生させる。このとき、図9(a)に示すように、装置自重の影響つまり慣性力によって、実際の走行速度パターンには、加速時および減速時ともに、速度指令に対して遅れやオーバーシュートが生じる。速度のずれは目標位置からの自己位置の偏差となるため、偏差を最小にするためには、遅れを見込んで速度指令のタイミングをΔtだけ早めに変更したり、速度指令における加速度をΔαだけ変更する等のチューニングが必要となる。
水タンク34に水が存在する場合は、水タンク34に水が存在しない場合よりも検査装置300の重量(自重)が大きくなるため、図9(b)に示すように、検査装置300の走行パターンは、水タンク34に水が存在しない図9(a)の走行パターンとは異なるものとなる。すなわち、検査装置300の本体の自重が増加することは慣性力が増加することであり、これにより、動き出し(加速)および停止(減速)における加速度が減少する。このため、ある重量を基準として、検査装置300の走行制御に関連するパラメータ調整を実施した場合、自重が異なることにより、所定の目標位置に到達させることが難しくなるという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、水タンク34の残りの水量を検知するための残水量センサ44を設け、残水量センサ44からの信号を、アンプ45、IOボード23を介して搭載コンピュータ21に取り込み、搭載コンピュータ21が駆動制御部25に与える速度指令に関するパラメータを自動調整するようにする。
本実施形態では、残水量センサ44としてフロート式レベル計を採用している。フロート式レベル計は、水タンク内でフロート(浮き)が浮力の原理によって上下し、フロート内のマグネットによりリードスイッチが作動して検出信号を出力する原理であり、加減速時のスロッシング現象を考慮しても、±10%の精度で残水量つまり本体の自重を測定することが可能となる。
検査装置300の本体の最初の速度をv1、時間Δt後の速度をv2とし、本体重量(質量)をmとすると、測定中に検査装置にかかる全ての負荷をFaとすれば、「力積=運動量の変化」からFaΔt=mv2−mv1が成り立ち、走行状態(v1)から装置を停止させる(v2=0)のに必要となる時間Δtは本体重量mと比例する。そのため、本実施形態においては、測定したタンク残水量に基づき計算した本体重量mにチューニングパラメータβを乗じた値であるΔt(=m・β)だけ、速度指令のタイミングを変更する制御を採用する。なお、チューニングパラメータβは目標位置と自己位置の偏差が最小となるように、路面状況を変化させた幾度かの試運転を経て決定すればよい。
実際の制御においては、例えば、検査開始の初期状態である水タンク34が満水である状態を基準とし、検査の進行にともなう水の減少に対応して本体重量mを変化させて速度指令のタイミングを変更する制御を実施する。
このように、本実施形態によれば、水タンク34内の水量の変化にともなう検査装置300の本体の重量変化を加味して速度指令のタイミングを制御するので、位置制御精度が高い検査システム100を実現することができる。特に、ステッピングモータは、制御方式にオープンループ方式を採用しているため、このような制御による効果が大きい。
<第2の実施形態に係る金属板用自走式検査装置>
図10は、本発明の第2の実施形態に係る検査装置300を示すブロック図、図11は検査装置300の側面図、図12は検査装置300の正面図である。
本実施形態に係る検査装置300は、図10に示すように、基本的に第1の実施形態と同様に構成されるが、残水量センサ44とアンプ45の代わりに、摺動抵抗測定用センサ46と動歪アンプ47を有している点が第1の実施形態とは異なっている。摺動抵抗用センサ46は、探傷ヘッド35が金属板10に接触して摺動する場合に、探傷ヘッド35と金属板10との間に発生する摺動抵抗を検出するものであり、例えば歪ゲージを用いることができる。動歪アンプ47は、摺動抵抗用センサ46からの信号を増幅し、IOボード23を介して搭載コンピュータ21に導く。
図11、12に示すように、摺動抵抗測定用センサ46は、超音波探触子を備えた探傷ヘッド35を台車に支持するための垂直アーム39に貼り付けるように設けられた歪ゲージとして構成され、探傷ヘッド35が金属板10に接触して摺動する際の摺動抵抗に応じて発生する曲げ応力(歪み)を測定するようになっている。また、動歪アンプ47は、検査装置300の上段部301aに搭載されている。なお、本例では摺動抵抗測定用センサ46として歪ゲージを用いたが、これに限らず、静電容量型力覚センサ等を用いることもできる。また、摺動抵抗測定用センサ46としての歪ゲージを一方の垂直アーム39に設けた例を示したが、両方の垂直アーム39に設けてもよく、少なくとも一つであればよい。また、摺動抵抗が検出可能な他の位置に設けてもよい。
本実施形態では、第1の実施形態と同様、検査装置300は、目標ルートに沿って自律走行する機能と、金属板10の検査を行う機能の2つの機能を有する。前者の機能については、ホストコンピュータ13における演算結果である検査装置300の位置情報および目標検査位置に関する情報が搭載コンピュータ21に無線伝送され、搭載コンピュータ21において目標検査位置に対する現在位置の偏差を演算することにより行われ、同偏差のうち検査装置300の位置に依存する偏差が0となるようにして目標走行ルートに沿った自律走行を行う。また、搭載コンピュータ21では、摺動抵抗測定センサ46により探傷ヘッド35と金属板10との間の摺動抵抗を求め、本体の走行制御に関連する制御パラメータにフィードバックし、制御パラメータを自動調整する。後者の機能については、第1の実施形態と同様である。
このように構成された第2の実施形態に係る検査装置300においては、第1の実施形態と同様に、検査装置300自体の位置情報を取得し、目標検査位置および検査経路(検査パターン)を設定した後、検査パターンに応じて検査装置300を金属板10上で走行させ、金属板10の検査を行う。
このように、検査装置300を走行させながら超音波探傷により金属板10の検査を行う時には、検査対象である金属板10と探傷ヘッド35との間に摺動抵抗が発生する。この摺動抵抗は、金属板の種類や製造プロセスの違い等によって生じる鋼板表面の粗度や錆の状態の変化に応じて、その大きさが変化し、この摺動抵抗が制御の外乱となる。
第1の実施形態と同様、車輪用モータ27を構成する車輪駆動用モータ27aおよび旋回用モータ27bとしてステッピングモータを使用しているため、金属板10と、探傷ヘッド35との間の摺動抵抗の変化が制御に影響し、高速高精度な位置決めを行い難くなる。
図13は、車輪駆動用モータ27aおよび旋回用モータ27bとしてステッピングモータを採用した場合において、検査装置300を目標地点に制御する場合における摺動抵抗の有無による速度パターンの違いを説明するための説明図である。図13(a)は摺動抵抗が作用しない場合、図13(b)は摺動抵抗が作用する場合を示す。
上述したように、搭載コンピュータ21において演算した目標検査位置に対する検査装置300の本体(台車14)の位置の偏差が0となるように、駆動制御部25は車輪用モータ27に速度指令を送り、この速度指令に従ってモータ固有の電圧および周波数特性に応じたトルクをモータに発生させる。このとき、図13(a)に示すように、装置自重の影響つまり慣性力によって、実際の走行速度パターンには、加速時および減速時ともに、速度指令に対して遅れやオーバーシュートが生じる。速度のずれは目標位置と自己位置との偏差となるため、偏差を最小にするためには、遅れを見込んで速度指令のタイミングをΔtだけ早めに変更したり、速度指令における加速度をΔαだけ変更する等のチューニングが必要となる。
摺動抵抗が作用する場合は、図13(b)に示すように、検査装置300の走行速度は、摺動抵抗が作用しない図13(a)の走行速度パターンとは異なるものとなる。すなわち、摺動抵抗が作用する方向は検査装置300の進行方向とは逆になるため、検査装置300には常時ブレーキが作用しているのと同じ状態になり、動き出し(加速)における加速度は減少し、停止(減速)における加速度は増加する。このため、摺動抵抗が作用しない条件を前提として、検査装置300の走行制御に関連するパラメータ調整を実施した場合、摺動抵抗が発生することにより、所定の目標位置に到達させることが難しくなるという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、摺動抵抗測定用センサ46を設け、摺動抵抗測定用センサ46からの信号を、装置に搭載する動歪アンプ47、IOボード23を介して搭載コンピュータ21に取り込み、搭載コンピュータ21が駆動制御部25に与える速度指令に関するパラメータを自動調整するようにする。
本実施形態では、摺動抵抗測定用センサ46として、超音波探触子を有する探傷ヘッド35と台車14とを連結する垂直アーム39に貼り付けた歪ゲージを用いる。垂直アーム39を梁と考えた場合、その先端に作用する摺動抵抗により、梁の曲げが生じるため、垂直アーム39に貼り付けられた歪ゲージにより、摺動抵抗に応じて発生する曲げ応力(歪み)を測定することが可能となる。
検査装置300の本体の最初の速度をv1、摺動荷重Fbを時間Δtだけ加えた後の速度をv2とし、本体重量(質量)をmとすると、「力積=運動量の変化」からFΔt=μFbΔt=mv2−mv1が成り立ち、走行状態(v1)から装置を停止させる(v2=0)ために必要となる時間Δtは、摺動荷重Fbと反比例する。そのため、本実施形態においては、測定した摺動荷重Fの逆数にチューニングパラメータγを乗じた値であるΔt(=1/Fb・γ)だけ、速度指令のタイミングを変更する制御を採用する。なお、チューニングパラメータγは目標位置と自己位置の偏差が最小となるように、路面状況を変化させた幾度かの試運転を経て決定すればよい。
このように、本実施形態によれば、検査対象である金属板10と探傷ヘッド35との間に摺動抵抗を加味して速度指令のタイミングを制御するので、位置制御精度が高い検査システム100を実現することができる。
<第3の実施形態に係る金属板用自走式検査装置>
図14は、本発明の第3の実施形態に係る検査装置300を示すブロック図、図15は検査装置300の側面図、図16は検査装置300の正面図である。
本実施形態に係る検査装置300は、図14に示すように、基本的に第2の実施形態と同様に構成されるが、摺動抵抗測定用センサ46と動歪アンプ47の代わりに、弾性体48と電磁石49を有している点が第2の実施形態とは異なっている。弾性体48は、探傷ヘッド35が金属板10に接触して摺動する場合に、探傷ヘッド35と金属板10との間に発生する摺動抵抗を軽減または無くすためのものであり、例えば一般的なバネを用いることができる。電磁石49は、電流が供給されることにより、金属板10に対し、制御可能な磁力を発生する。弾性体48の変位を制御に利用する場合は、弾性体48の変形量を測定することができる変位センサ48′も併せて設置することが好ましい。
図15、16に示すように、弾性体48は、基本的には超音波探触子を備えた探傷ヘッド35の支持機構36と台車に支持するための垂直アーム39間に設置され、探傷ヘッド35と金属板10に接触して摺動する際に変形して摺動抵抗を軽減または無くすようになっている。また、電磁石49は、基本的には探傷ヘッド35の底面に設置されている。なお、本例では弾性体48として一般的なバネを用いたが、これに限らず、ゴム等を用いることもできる。また、弾性体48としてのバネを一方の垂直アーム39に設けた例を示したが、両方の垂直アーム39に設けてもよく、少なくとも一つであればよい。また、摺動抵抗が調整可能な他の位置に設けてもよい。また、弾性体48の変位を検出するために変位センサ48′を用いたが、荷重を直接測定できる小型の力覚センサ(ロードセル)等を用いてもよい。
本実施形態では、第1および第2の実施形態と同様、検査装置300は、目標ルートに沿って自律走行する機能と、金属板10の検査を行う機能の2つの機能を有する。前者の機能については、ホストコンピュータ13における演算結果である検査装置300の位置情報および目標検査位置に関する情報が搭載コンピュータ21に無線伝送され、搭載コンピュータ21において目標検査位置に対する現在位置の偏差を演算することにより行われ、同偏差のうち検査装置300の位置に依存する偏差が0となるようにして目標走行ルートに沿った自律走行を行う。また、搭載コンピュータ21では、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御し、同時に本体の走行制御に関連する制御パラメータにフィードバックし、制御パラメータを自動調整する。後者の機能については、第1および第2の実施形態と同様である。
このように構成された第3の実施形態に係る検査装置300においては、第1および第2の実施形態と同様に、検査装置300自体の位置情報を取得し、目標検査位置および検査経路(検査パターン)を設定した後、検査パターンに応じて検査装置300を金属板10上で走行させ、金属板10の検査を行う。
このように、検査装置300を走行させながら超音波探傷により金属板10の検査を行う時には、上述したように、検査対象である金属板10と探傷ヘッド35との間に摺動抵抗が発生し、この摺動抵抗は、金属板の種類や製造プロセスの違い等によって生じる鋼板表面の粗度や錆の状態の変化に応じて、その大きさが変化し、この摺動抵抗が制御の外乱となる。
第2の実施形態と同様、車輪用モータ27を構成する車輪駆動用モータ27aおよび旋回用モータ27bとしてステッピングモータを使用しているため、金属板10と、探傷ヘッド35との間の摺動抵抗の変化が制御に影響し、高速高精度な位置決めを行い難くなる。
図17は、車輪駆動用モータ27aおよび旋回用モータ27bとしてステッピングモータを採用した場合において、検査装置300を目標地点に制御する場合における電磁石の磁力制御の有無による速度パターンの違いを説明するための説明図である。図17(a)は磁力制御がない場合、図17(b)は磁力制御がある場合を示す。
上述したように、搭載コンピュータ21において演算した目標検査位置に対する検査装置300の本体(台車14)の位置の偏差が0となるように、駆動制御部25は車輪用モータ27に速度指令を送り、この速度指令に従ってモータ固有の電圧および周波数特性に応じたトルクをモータに発生させる。このとき、図17(a)に示すように、装置自重の影響つまり慣性力によって、実際の走行速度パターンには、加速時および減速時ともに、速度指令に対して遅れやオーバーシュートが生じるため、本来実現したい速度パターンに制御遅れやオーバーシュートを考慮したうえの速度指令を出す。その結果、実際の速度パターンは理想パターンに近づいたものとなるが完全な一致は難しく、速度のずれは目標位置と自己位置との偏差となるため、偏差を最小にするためには、より細かい周期で遅れを見込んで速度指令のタイミングをΔtだけ早めに変更したり、速度指令における加速度をΔαだけ変更する等のチューニングが必要となる。しかし、図17(a)に示すように、それによっても本来実現したい速度パターンが得られない場合が生じる。
磁力制御がある場合は、図17(b)に示すように、検査装置300の走行速度は、磁力制御がない図17(a)の走行速度パターンとは異なるものとなる。すなわち、磁力付加は摺動抵抗を増加させることと等価であり、摺動抵抗が作用する方向は検査装置300の進行方向とは逆になるため、検査装置300にブレーキが作用しているのと同じ状態になり、動き出し(加速)における加速度を減少させ、停止(減速)における加速度を増加させることができる。このため、磁力制御がない条件を前提として、検査装置300の走行制御に関連するパラメータ調整を実施した場合、摺動抵抗と等価である磁力をきめ細かく制御することにより、所定の目標パターンに一致させることができるようになる。
このとき、弾性体48の存在により、金属板10と探傷ヘッド35との間の摺動抵抗をほぼキャンセルできるので、電磁石49による磁力制御により摺動抵抗をほぼゼロから完全固着まで制御することができる。
以下に、変位センサ48′により検出した弾性体48の変位量を用いた制御について説明する。
変位センサ48′からの信号をIOボード23を介して搭載コンピュータ21に取り込み、搭載コンピュータ21が電磁石49に与える電流指令および駆動制御部25に与える速度指令に関するパラメータを自動調整するようにする。
本実施形態では、弾性体48として、超音波探触子を有する探傷ヘッド35と台車14と連結する垂直アーム39にバネを組み込んで用い、また同位置に弾性体48の変形量を測定可能な変位センサ48′を設置しているので、変位センサ48′によりバネの復元力を測定することができる。
摺動抵抗FはF=μN(μ:摩擦係数、N:垂直抗力)で表される。また、向きも考慮するとN=−Fb(Fb:摺動荷重)の関係がある。これら2つの式から、F=−μFbが成り立つ。また、電磁石と金属板間に働く電磁力をFm、弾性体のバネ係数をk、長さ変化量をΔlとするとFb=Fm−kΔlとなりΔl=a・Fm(a:比例定数)よりFb=Fm(1−k・a)、電磁力Fmはコイル電流Iにて制御可能なため摺動荷重Fbも制御することができ、よって摺動抵抗Fも制御することができる。検査装置300の本体の最初の速度をv1、摺動荷重Fbを時間Δtだけ加えた後の速度v2とし、本体重量(質量)をmとすると、「力積=運動量の変化」からFΔt=μFbΔt=mv2−mv1が成り立ち、走行状態(v1)から装置を停止させる(v2=0)ために必要となる時間Δtは、摺動荷重Fbと反比例する。そのため、本実施形態においては、摺動荷重Fの逆数にチューニングパラメータγを乗じた値であるΔt(=1/Fb・γ)だけ、速度指令のタイミングを変更する制御を採用する。なお、チューニングパラメータγは目標位置と自己位置の偏差が最小となるように、路面状況を変化させた幾度かの試運転を経て決定すればよい。
このように、本実施形態によれば、検査対象である金属板10と探傷ヘッド35との間の摺動抵抗をほぼゼロから完全接着まで積極的に制御することにより位置制御精度が高い検査システム100を実現することができる。
<第4の実施形態に係る金属板用自走式検査装置>
第4の実施形態では、第1の実施形態から第3の実施形態の2つ以上を組み合わせて検査装置300を構成する。
すなわち、残水量センサ44および摺動抵抗測定用センサ46の両方を設け、検査装置300の本体の重量変化、および金属板10と探傷ヘッド35との間に発生する摺動抵抗の両方を加味して、駆動制御部25から車輪用モータ27に送られる速度指令のタイミングを制御する。または、残水量センサ44および摺動抵抗測定用センサ46の一方または両方を設けた上で、さらに弾性体48および電磁石49を設けて、駆動制御部25から車輪用モータ27に送られる速度指令のタイミングを制御するとともに、磁力により摺動抵抗を直接制御する。これにより、検査装置300の位置制御精度をより高くすることができる。
<実施形態の効果等>
上述したように、自己位置と目標位置からの偏差を演算し、その偏差に応じて車輪の正転・逆転・停止を指示して金属板用自走式検査装置を所定の目標位置に自律走行させる際に、第1の実施形態では、自重の変化を加味して速度指令のタイミングを制御し、また、第2の実施形態では、検査対象である金属板と探傷ヘッドとの間に発生する摺動抵抗を加味して速度指令のタイミングを制御するので、いずれも目標走行ルートに対して位置制御精度が高い金属板用自走式検査装置を実現することができる。さらに、第3の実施形態では、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することにより、目標走行ルートに対して位置制御精度が高い金属板用自走式検査装置を実現することができる。
また、位置測定手段として、三角測量の原理に基づいて屋内空間での自己位置測定を行う屋内位置測定システム(IGPSまたはレーザ三角測量)を用いたので、金属板のマーキングや画像処理用のマークを用いることなく、金属板上における台車の位置および角度を高精度で認識することができる。
さらに、予め測定した検査装置自体の位置情報に基づき、金属板に対して走査する探傷ヘッドの走査パターン、ならびに所定パターンに対応した検査位置および経路を決定し、その走査経路を達成するように、探傷ヘッドの台車に対する位置を決定するアクチュエータおよび台車位置の目標位置を決定することができるので、種々な走査パターンに対応できる。
さらに、金属板面を走行する台車が、正転・逆転可能な4つの車輪を有し、駆動部が、各車輪に対応して設けられ、各車輪を回転駆動させる駆動用モータと、台車が走行する金属板面と直行し、かつ車輪に対し台車中心側にオフセットする軸まわりに、車輪を90°以上旋回させることが可能な旋回用モータとにより構成されることよって、一般的な前進後進に加え、台車正面の向きを保持した状態での斜め移動、左右移動が可能、更にその場での旋回動作が可能となり、目標位置に対する現在位置の偏差を生じさせる各種外乱に対して、台車のきめ細かい位置調整が可能であり、目標走行経路に対する直進性を極めて高いものとすることができる。
さらにまた、金属板面を走行する台車に、検査対象である金属板のエッジを検知するためのエッジ検知用センサを設けたので、台車が金属板からはみ出して落下することが防止され、かつ金属板のエッジの検査の際に、金属板のエッジに沿った検査が可能となる。
さらにまた、金属板の製品検査規格に則って金属板表面の傷や内部欠陥を自動的に探傷することが可能であり、検査員が探傷ヘッドを操作して金属板表面の傷を探査する必要がなくなり、水を散布した金属板上での転倒事故等から解放される利点がある。
<他の適用>
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、台車に車輪を4つ設けた例について示したが、車輪の数は4つに限らず、2つ以上であればよい。また、金属板用自走式検査装置自身の位置を測定する位置測定手段としては、三角測量の原理に基づいて屋内空間での自己位置測定を行う屋内位置測定システムに限らず、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の他の測定手段を用いることもできる。さらに、金属板用自走式検査装置の制御系を構成するコンピュータとして、自身に搭載されている搭載コンピュータと、位置測定手段との連携制御を行うためのホストコンピュータを用いた例を示したが、搭載コンピュータのみを用いてもよい。
10 金属板
11 航法用送信機
11′ リフレクタ
12 航法用受信機
12′ 航法用送信機
13 ホストコンピュータ
14 台車
15 検査用機器
21 搭載コンピュータ
22 エッジ検知用センサ
24 走査アクチュエータ
26 車輪
27 車輪用モータ
27a 駆動用モータ
27b 旋回用モータ
34 水タンク
35 探傷ヘッド(超音波探触子(検査用センサ))
44 残水量センサ(フロート式レベル計)
46 摺動抵抗測定用センサ(歪みゲージ)
47 動歪アンプ
48 弾性体
48′ 変位センサ
49 電磁石
100、100′ 検査システム
200、200′ 屋内位置測定システム
300 金属板用自走式検査装置

Claims (17)

  1. 位置測定手段からの情報に基づいて金属板上を自走し、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査装置であって、
    前記検査装置は、正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪と前記車輪を駆動する駆動部を有する台車と、
    台車に搭載され、金属板を検査する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドと、
    前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与え、前記検査装置を所定の目標位置に自律走行させるように制御する制御手段と
    を具備し、
    前記制御手段は、前記検査装置の重量変化、または前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗、またはこれらの両方を検出し、その検出値から求められた補正値を前記指令にフィードバックする機能を有することを特徴とする金属板用自走式検査装置。
  2. 前記検査装置は、前記探傷ヘッドと前記金属板との間に水を供給する水タンクを有し、
    前記制御手段は、前記水タンクの残水量を検出する残水量センサを有し、前記残水量センサの検出値から前記検査装置の重量変化を求めて補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載の金属板用自走式検査装置。
  3. 前記検査装置は、前記探傷ヘッドを支持する支持部材を有し、前記制御手段は、前記支持部材の曲げ応力を検出する歪ゲージを有し、前記歪ゲージの検出値から前記摺動抵抗を求めて補正値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属板用自走式検査装置。
  4. 前記探傷ヘッドの底面に設けられた電磁石をさらに具備し、前記制御手段は、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金属板用自走式検査装置。
  5. 位置測定手段からの情報に基づいて金属板上を自走し、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査装置であって、
    前記検査装置は、正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪と前記車輪を駆動する駆動部を有する台車と、
    台車に搭載され、金属板を検査する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドと、
    前記探傷ヘッドの底面に設けられた電磁石と、
    前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与え、前記検査装置を所定の目標位置に自律走行させるように制御する制御手段と
    を具備し、
    前記制御手段は、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする金属板用自走式検査装置。
  6. 前記探傷ヘッドを支持する支持部材を有し、前記支持部材は弾性体を介して前記台車に支持され、前記弾性体により、前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗をキャンセルすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属板用自走式検査装置。
  7. 前記弾性体の変位を検出する検出器をさらに有し、前記制御手段は、前記検出器の検出値に基づいて前記電磁石の磁力を制御することを特徴とする請求項6に記載の金属板用自走式検査装置。
  8. 前記探傷ヘッドは、前記金属板用自走式検査装置の進行方向に沿って前後に移動可能であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の金属板用自走式検査装置。
  9. 位置測定手段からの情報に基づいて金属板上で金属板用自走式検査装置を自走させ、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査方法であって、
    正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪を駆動部により駆動させる台車に金属板を検査する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドを装備した状態とし、
    前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与えるとともに、前記検査装置の重量変化、または前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗、またはこれらの両方を検出し、その検出値から求められた補正値を前記指令にフィードバックすることを特徴とする金属板用自走式検査方法。
  10. 前記検査装置は、前記探傷ヘッドと前記金属板との間に水を供給する水タンクを有し、前記水タンクの残水量を検出する残水量センサの検出値から前記検査装置の重量変化を求めることを特徴とする請求項9に記載の金属板用自走式検査方法。
  11. 前記検査装置は、前記探傷ヘッドを支持する支持部材を有し、前記支持部材の曲げ応力を検出する歪ゲージの検出値から前記摺動抵抗を求めることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の金属板用自走式検査方法。
  12. 前記探傷ヘッドの底面に電磁石を設け、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の金属板用自走式検査方法。
  13. 位置測定手段からの情報に基づいて金属板上で金属板用自走式検査装置を自走させ、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査方法であって、
    正転・逆転可能な少なくとも2つの車輪を駆動部により駆動させる台車に金属板を検査する超音波探傷の探触子を備えた探傷ヘッドを装備した状態とし、
    前記探傷ヘッドの底面に電磁石を設け、
    前記位置測定手段により認識した前記検査装置の位置と別途与えられる検査地点である目標位置との偏差を演算し、その偏差が最小になるように前記駆動部に前記車輪の正転・逆転・停止の指令を与えるとともに、検査装置の目標位置と自己位置の偏差もしくは目標制御パターンと実績の偏差を検出し、その検出量に応じて電磁石の磁力を制御することを特徴とする金属板用自走式検査方法。
  14. 前記探傷ヘッドは支持部材により支持され、前記支持部材は弾性体を介して前記台車に支持され、前記弾性体により、前記金属板と前記探傷ヘッドとの摺動抵抗をキャンセルすることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の金属板用自走式検査方法。
  15. 前記弾性体の変位を検出器により検出し、前記検出器の検出値に基づいて前記電磁石の磁力を制御することを特徴とする請求項14に記載の金属板用自走式検査方法。
  16. 金属板上を自走し、金属板表面または内部に存在する欠陥の有無を検査する金属板用自走式検査装置と、前記検査装置の位置の測定を行う位置測定手段とを有し、前記位置測定手段により測定された位置情報に基づいて前記検査装置を自走させて金属板の測定を行う検査システムであって、
    前記検査装置は、請求項1から請求項8のいずれかの構成を有することを特徴とする検査システム。
  17. 前記位置測定手段は、三角測量の原理に基づいて屋内空間での前記検査装置の位置を測定する屋内位置測定システムであることを特徴とする請求項16に記載の検査システム。
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