JPH06195782A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH06195782A
JPH06195782A JP34675392A JP34675392A JPH06195782A JP H06195782 A JPH06195782 A JP H06195782A JP 34675392 A JP34675392 A JP 34675392A JP 34675392 A JP34675392 A JP 34675392A JP H06195782 A JPH06195782 A JP H06195782A
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magnetic
temperature
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JP34675392A
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Inventor
Yoichi Osato
陽一 大里
Katsumi Miyata
克美 宮田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザビームによる書き込み時にレーザ出力
マージン、バイアス磁界マージンが大きく、記録ノイズ
が小さい光磁気記録媒体を提供する。 【構成】 キュリー温度が相対的に高く、室温において
垂直磁気異方性が小さい第1磁性層とキュリー温度が相
対的に低く、室温において垂直磁気異方性が大きい第2
磁性層の間に、記録温度よりも低い第3磁性層を設けた
記録膜を有する光磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばレーザ光照射によ
る熱磁気記録媒体に係わる。さらに詳しくはカー回転角
が大きく、記録再生信号が大きな磁性層とキュリー温度
が相対的に低く、記録感度が高い磁性層とが積層された
構成の光磁気記録媒体に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】いわゆる光学的記録方法としては従来は
熱磁気記録が行われている。これは光学的記録媒体の記
録層面にレーザ光等を照射し、記録層の温度をキュリー
温度付近まで、または記録時に照射面へ印加するバイア
ス磁界よりも記録層の保磁力、垂直磁気異方性が十分に
小さくなる温度まで昇温させる記録方法である。この後
の降温中に記録層の磁化はバイアス磁界の向きに発生
し、それによって記録が行われるのである。記録する信
号に応じて印加するバイアス磁界の方向を変調させる方
式は磁界変調方式と呼ばれる。これに対して記録を行う
前に一度一定バイアス磁界の下にレーザ光を照射し、そ
れによって記録層の磁化を一方向に揃え(消去)、この
後に記録信号に応じて照射レーザ光をON/OFF変調
する方式は光変調方式と呼ばれる。
【0003】これにたいして光磁気記録では形成された
記録ビットは再生光(直線偏光)の偏光面の回転方向の
変化として信号再生される。このとき再生信号の大きさ
は偏光面の回転角に対応し、これは記録磁性膜の示すカ
ー回転角に対応する。そこで大きな再生信号を得るため
には、大きなカー回転角を示す記録膜を用いればよいと
いう結論になる。
【0004】ところが従来検討されてきた光磁気記録材
料はカー回転角の大きなものほどキュリー温度も高く、
従って記録感度が低いという欠点があった。そこで特開
昭57−78652に開示されたように、キュリー温度
が高く、再生信号が大きな記録層と、キュリー温度が低
く、記録感度が高い記録層を積層させた記録媒体が考え
られた。この積層記録媒体を使用して記録する場合には
キュリー温度が低い記録層をキュリー温度付近までレー
ザ光照射によって昇温して、バイアス磁界を印加する。
ここでキュリー温度の高い層は保磁力、垂直磁気異方性
ともに小さく設計してあるので、バイアス磁界の方向へ
磁化が揃うことになる。次に降温中にキュリー温度の低
い層の磁化がキュリー温度の高い層の磁化方向に揃って
発生し、記録が終了する。ここでキュリー温度が低い層
は室温で大きな保磁力、大きな垂直磁気異方性を示すよ
うに設計されているので、安定な記録ビットが得られ
る。記録ビットへ再生光照射する際には、キュリー温度
が高く、カー回転角の大きな層からの反射が主となり、
大きな再生信号が得られる。
【0005】現在光磁気記録再生方式の装置は商品化さ
れ、普及しつつあり、さらに装置の小型化、例えば記録
バイアス用の電磁石をより小型にする試み、記録の高速
化、例えば磁界変調方式でオーバーライトする試みなど
が検討されている。そこでより小さなバイアス磁界で記
録が行える記録媒体が必要とされるようになった。
【0006】ここでこの積層記録媒体では記録過程でキ
ュリー温度が高く、垂直磁気異方性の小さい層の磁化反
転が重要な要点になる。すなわち小さなバイアス磁界で
磁化反転が均一に行われれば、キュリー温度の高い層の
無い単層記録膜に比べて、小さなバイアス磁界で良好な
記録ビットが形成される可能性を持つことになる。
【0007】反面キュリー温度付近で消磁した後に降温
過程で徐々に磁化を発生しながらバイアス磁界の方向に
備える単層記録膜に比べて、次の様な難点もある。すな
わち残留している大きな磁化を小さなバイアス磁界の向
きに揃えるためには、記録温度においてキュリー温度の
高い層の磁気異方性が充分に小さいことが必要条件にな
ってくる。また降温過程で両磁性層に磁化が発生、増大
する際の浮遊磁界の影響が単層の場合に比べて大きいこ
とが考えられる。また必要とされる小さな磁気異方性を
示す記録層は良好な形状の、しかも記録ノイズの小さい
記録ビットを形成しにくいことが考えられる。
【0008】このため現在キュリー温度が高い層の材料
組成、膜厚などを適宜選択し、磁気異方性をより小さく
し、しかも記録ノイズは小さいという条件を満たす要件
を検討、調査中である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者達は上
記積層記録媒体を改良し、小さな記録バイアス磁界でも
安定に良好な記録を行える3層の記録媒体を提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は基本的にはキュ
リー温度が相対的に高く、室温では垂直磁気異方性の小
さい第1磁性層と、キュリー温度が相対的に低く、室温
では垂直磁気異方性の大きい第2磁性層との間に、記録
温度よりも低い、言換えれば第2磁性層よりもキュリー
温度が低い、第3磁性層が設けられた記録膜を有する光
磁気記録媒体とその製造方法の発明である。
【0011】本発明の3層積層記録媒体の構成例を図1
に示し、この図によって本発明の概要を説明する。 1 透明基板、 2 誘電体保護膜、 3 第1磁性
層、 4 第3磁性層、5 第2磁性層、 6 誘電体
保護膜、 7 金属反射膜、 8 保護コート 本発明において光磁気記録媒体の透明基板の材料として
はガラスあるいは透光性のアクリル、ポリカーボネイ
ト、エポキシなどの樹脂を使用できる。磁性層記録媒体
の材料は種々の磁性材料によって構成することが考えら
れるが、 Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho等の希
土類(RE)の1種或は2種以上が10〜40原子%
と、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu等の遷移金属
(TM)の1種あるいは2種以上が90〜60原子%と
で構成される非晶質合金RE−TMによって構成するこ
とができる。
【0012】またPd,Ptの元素とCo,Fe,Ni
の元素との合金あるいは多層周期膜であって、垂直磁気
異方性を示すものでも良い。またMnBi,PtMnS
b,MnSb,MnAlなどの金属間化合物、ガーネッ
ト系などの結晶であっても可能である。
【0013】非晶質合金RE−TM材料を使用する場合
には、第1磁性層、すなはち室温で垂直磁気異方性が相
対的に小さい層には、Gd,Nd,Sm,Ho等の希土
類元素を主として含有するものが良い。また第2磁性層
すなはち室温で垂直磁気異方性が相対的に大きい層には
Tb,Dyなどの希土類元素を主として含有するものが
良い。
【0014】また第3磁性層としては、記録温度よりキ
ュリー温度が低いことが条件であるが、Dy,Hoなど
の希土類元素を主として含有する非晶質RE−TM材料
が好ましい。また更に好適な第3磁性層の条件としては
キュリー温度が再生時の温度よりも高いこと、あるいは
遷移元素を含有しない希土類元素の膜で構成し、かつ膜
厚を2〜10nmとすることあるいは、希土類元素の組
成が30〜50原子%の膜で構成し、かつ膜厚を2〜4
0nmとすること、あるいは成膜時の基板の回転数を小
さく設定することなどが挙げられる。
【0015】また第1磁性層、第3磁性層としてPd,
Ptの元素とコバルト、鉄、ニッケルの元素の多層周期
膜を使用する場合には、第1磁性層ではPd/Ptは1
層あたり0.5〜3nm膜厚、コバルト、鉄、ニッケル
あるいは、これらの合金より成る層は1層あたり0.2
〜1nmの膜厚が好ましい。また第3磁性層はキュリー
温度を低下させるために第1磁性層にたいしてPd/P
t層の1層あたりの膜厚さを大きくするか、コバルト、
鉄、ニッケルより成る層の1層あたりの膜厚を小さく
し、膜厚を1〜5nm程度にすることが好ましい。ここ
で、第1、第3磁性層がPd,Pt/コバルト、鉄、ニ
ッケル多層周期膜の場合の第3磁性層の磁化状態につい
て考える。第3磁性層は第1磁性層に対してPtおよび
Pd層の膜厚が大きいので、Pt,Pd層とコバルト、
鉄、ニッケル層との交換結合力が弱くなり、キュリー温
度、磁気異方性共に低下する。
【0016】記録媒体の反射率の低減、カー回転角の増
大、ヒートシンクなどの効果が期待される金属反射膜材
料としてはAl,Au,Pt,Pd,Cuなどを挙げる
ことができる。
【0017】また保護コートの材料は種々の金属の酸化
物、窒化物および弗化物から選択される。この目的に使
用できる金属としてはAl,Si,Y,Ti,Cr,M
n,Nb,Mo,In,Sn,Ta,W,Biなどを挙
げることができる。図1において保護コートに接着剤を
用いて1から7までの構成の基板を2枚、基板1が最外
側を向く様に貼り合わせて、両面記録可能な媒体構成と
することもできる。
【0018】
【作用】次に図2を用いて本発明の構成の記録層の記録
過程を説明する。図2(イ)は比較のために従来の積層
記録膜すなはちキュリー温度が高く、室温で垂直磁気異
方性が小さい第1磁性層とキュリー温度が低く、室温で
垂直磁気異方性が大きい第2磁性層の積層構成の記録過
程を示すものである。
【0019】まず両層の磁化が平行なときに安定な、界
面磁壁を生じない場合を考える。磁化が上向きのときが
消去状態であり、バイアス磁界Hbは下向きと仮定す
る。レーザ光照射により記録膜の昇温が始まり、室温状
態(a)から、状態(b)を経て、第2磁性層のキュリ
ー温度Tc付近の状態(c)となる。ここでは第2磁性
層は磁化を消失し、第1磁性層はバイアス磁界Hbによ
り磁化反転し、第1磁性層内では記録ビットの周りに磁
壁を生じる。第2磁性層内では反転磁化は発生していな
いので、磁壁はまだできていない。次にレーザビームの
スポット部を通過して降温が始まり、状態(d)になる
と第2磁性層にも磁化が生じる。このとき第1磁性層の
磁化に安定な(図では平行)方向、あるいはバイアス磁
界の方向である下向きに第2磁性層の磁化が生じる。
【0020】ここで問題になるのは、バイアス磁界Hb
が充分大きくない場合に限って、第1磁性層はTcの温
度ではまだ大きな磁化を持ち、その場合には垂直磁気異
方性が小さいので、第1磁性層内で形成された記録ビッ
トのフリンジ(磁壁形成部)は浮遊磁界、反磁界の影響
によって上向きおよび下向きの磁化が交互に並んだギザ
ギザ状となる。あるいは完全に垂直方向に配列しない磁
化などを生じている。言い替えれば、形成された記録ビ
ット内の周辺、あるいは内部の一部に磁化方向が不揃い
な微細構造を持つのである。
【0021】状態(d)において第1磁性層の磁化状態
が第2磁性層に充分に転写されて降温が進んだ場合に
は、室温状態(e)においても、第2磁性層の記録ビッ
トが微細構造を持ち、この結果ノイズの大きな記録とな
る。
【0022】次に図2(ロ)を用いて本発明の3層積層
記録膜の記録過程を示す。
【0023】ここでも3層の磁化が平行なときには安定
な、界面磁壁を生じない場合を考える。磁化がそれぞれ
上向きである場合には消去状態であり、バイアス磁界H
bは下向きと仮定する。
【0024】まずレーザ光照射により室温状態(a)か
ら状態(b)へ昇温する。ここでは第3磁性層のキュリ
ー温度付近ではあるが、第1,第2層の磁化が残ってい
るので、3層とも磁化は弱く、上向きに揃っている。従
って、小さい矢印にこのことをしめす。さらに第2磁性
層のキュリー温度Tc付近の状態(c)となる、ここで
は第2,第3磁性層は磁化を消失し、第1磁性層はバイ
アス磁界Hbにより磁化反転し、第1磁性層内では記録
ビット周りに磁壁を生じる。また第2,第3磁性層内で
は反転磁化は発生していないので、磁壁はまだできな
い。
【0025】次にレーザビームのスポット部を通過して
降温が始まり、状態(d)になると第2磁性層にも磁化
が生じる。さらに第3磁性層はキュリー温度付近である
が、第1,第2磁性層にはさまれて弱く、磁化の配向、
磁化の発生が起こることになる。従って小さな矢印でこ
れを示す。このとき第1磁性層の磁化に安定な方向、図
では平行方向、あるいはバイアス磁界の方向である下向
きに第2,第3磁性層の磁化が生じる。
【0026】図2(イ)の記録過程で説明した様な微細
構造を持つ第1磁性層の記録ビットを転写する際に、第
3磁性層の存在のために第1,第2磁性層は弱く交換結
合しているので、第2磁性層内にはなめらかな均一な下
向き磁化のビットが転写形成される。更に降温が進み、
室温状態(e)になった場合には、第2磁性層は大きな
保磁力、大きな垂直磁気異方性を示し、強く交換結合す
る第1,第3磁性層は第2磁性層の記録ビット状態を転
写し、良好な再生信号を示す。
【0027】
【実施例】
実施例 1〜3 、比較例 1〜4 厚さ1.2mm、直径130mmのポリカーボネイト基
板上にスパッタリング法によって、厚さ約80nmのS
34 からなる誘電体保護膜を、次にGd22Fe7
8(原子%)の第1磁性層を約20nmの厚さに設け、
次にDy24Fe76(原子%)の第3磁性層を約5n
mの厚さに設けた。更にTb24Fe69Co7(原子
%)の第2磁性層を約20nmの厚さに設けた。さらに
厚さ約40nmのSi34 からなる誘電体保護膜を、
さらに約50nmのAl95Cr5(原子%)からなる
金属反射膜を設け、スパッタリングを終了した。最後に
スピンナーにより、アクリレート系樹脂をコートし保護
コートとした。こうして実施例1のサンプルは作製され
た。
【0028】次に同様の方法で、第1,第2,第3磁性
層の材料及び膜厚を変えたサンプルを作製した。これら
を実施例 2〜3 、比較例1〜4とする。
【0029】次にそれぞれのサンプルディスク媒体を1
800rpmで回転させ、半径35mmの位置で、周波
数3.7MHzのレーザビームを2〜10mWの範囲で
変化させながら記録し、1mWの連続ビームで再生した
信号のキヤリアとノイズのレベルを測定した。ただしこ
のときの記録バイアス磁界は110 Oeとした。
【0030】
【表1】 表1中の()内の材料については表3の後の注 参照の
こと 表1に各サンプルについての測定結果を示す。最適記録
パワーはC/N比が最大になる値を示し、Hcはそれぞ
れの磁性層の室温での保磁力を示す。またKuはトルク
メータで測定した室温でのそれぞれの磁性層の異方性定
数を示す。
【0031】表1の結果により、実施例 1の様に第3磁
性層を持つ記録膜は小さな記録バイアス磁界においても
記録ノイズが小さく、良好な記録特性を示すことが明ら
かである。
【0032】実施例 4、比較例 5〜7 厚さ1.2mm、直径130mmのポリカーボネイト基
板上にスパッタリング方法によって厚さ約70nmのZ
nSからなる誘電体保護膜を、次にTb23Fe70C
o7(原子%)の第2磁性層を約30nmの厚さに設
け、次にPtとCo多層膜の第3磁性層を約5.8nm
の厚さに設けた。ここで第3磁性層の第1磁性層との界
面で接するPt層は2.5nm、つぎのCo層は0.4
nm、さらに同様にしてPt2.5nm、Co0.4n
mを積層後にPt1nm/Co0.4nmの繰り返しで
2周期、14nmのPt/Co多層膜を設けた。次に厚
さ約35nmのZnSからなる誘電体保護膜を、さらに
約50nmのAlからなる金属反射膜を設け,スパッタ
リングを終了した。最後にスピンナーによりアクリレー
ト系樹脂をコートし保護コートとした。(実施例 5)次
に同様の方法で、第1、第2、第3磁性層の材料及び膜
厚を変えたサンプルを作製した。
【0033】次にそれぞれのサンプルディスク媒体を1
800rpmで回転させ、半径35mmの位置で、周波
数3.7MHzのレーザービームを2〜10mWの範囲
で変化させながら記録し、1mWの連続ビームで再生し
た信号のキヤリアとノイズのレベルを測定した。ただし
この時の記録バイアス磁界は110 Oeとした。
【0034】
【表2】 表2中の()内の材料については表3の後の注 参照の
こと 表2に各サンプルについての測定結果を示す。最適記録
パワーはC/N比が最大になる値を示し、Hcはそれぞ
れの磁性層の室温での保磁力を示す。またTcはそれぞ
れの磁性層のキュリー温度を示す。またKuはトルクメ
ータで測定した室温でのそれぞれの磁性層の異方性定数
を示す。
【0035】第1磁性層、第2磁性層と第3磁性層との
界面部分については、PtまたはPd膜とコバルト、
鉄、またはニッケル膜の多層膜と他の部分とを比較する
と、他の部分ではPtまたはPdの膜厚が大きいので、
PtまたはPd層とコバルト、鉄またはニッケル層との
交換結合が弱くなり、キュリー温度、磁気異方性が低下
する。
【0036】表2の結果より、実施例 4のような第3磁
性層を持つ記録膜は小さな記録バイアス磁界においても
記録ノイズが小さく、良好な記録特性を示すことが明ら
かである。
【0037】実施例 6〜 9、比較例 8 厚さ1.2mm、直径130mmのポリカーボネイト基
板上にスパッタリング方法により、Si34 ターゲッ
トをスパッタし、厚さ約80nmのSi34からなる
誘電体保護膜を、次にGdターゲットとFeターゲット
を同時にスパッタしてGd22Fe78(原子%)の第
1磁性層を約20nmの厚さに設けた。さらにGdター
ゲットをスパッタしてGdの第3磁性層を約3nmの厚
さに設けた。さらにTbターゲットとTb24Fe69
Co7(原子%)ターゲットを同時スパッタして、Tb
24Fe69Co7(原子%)の第2磁性層を約20n
mの厚さに設けた。次に厚さ約40nmのSi34
らなる誘電体保護膜を、さらにAlCrターゲットをス
パッタし、約50nmのAl95Cr5(原子%)から
なる金属反射膜を設け、スパッタリングを終了した。最
後にスピンナーにより、アクリレート系樹脂をコートし
保護コートとした。次に同様の方法で、第1、第2、第
3磁性層の材料及び膜厚を変えたサンプルを作製した。
【0038】次にそれぞれのサンプルディスク媒体を1
800rpmで回転させ、半径35mmの位置で、周波
数3.7MHzのレーザービームを2〜10mWの範囲
で変化させながら記録し、1mWの連続ビームで再生し
た信号のキヤリアとノイズのレベルを測定した。ただし
この時の記録バイアス磁界は110 Oeとした。最適
記録パワーはC/N比が最大になる値を示し、Hcはそ
れぞれの磁性層の室温での保磁力(kOe)を示す。ま
たTcはそれぞれの磁性層のキュリー温度を示す。また
Kuはトルクメータで測定した室温でのそれぞれの磁性
層の垂直磁気異方性定数を示す。
【0039】
【表3】 注 表中の()内の材料は下の意味を有する。ただし、
(10),(11),(14),(15) を除いて元素記号の後の数値
はその材料中の原子%を示す。 (1) Gd22Fe78 (2) Gd24Co76 (3) Gd22Fe68Co10 (4) Tb24Fe69Co7 (5) Tb27Fe67Co6 (6) Gd9Tb15Fe76 (7) Dy24Fe76 (8) Tb15Ho10Fe75 (9) Dy17Ho7Fe76 (10) Pt1.0nm,Co0.4nmの交互の層が1
0回積層されている。 (11) Pt1.0nm,Co0.5nmの交互の層が1
0回積層されている。 (12) Tb23Fe70Co7 (13) Dy24Fe65Co11 (14) Pt2.5nm,Co0.4nmの交互の層が2
回積層されている。 (15) Pt3.0nm,Co0.5nmの交互の層が2
回積層されている。 (16) Gd45Fe55 (17) Tb40(Fe93Co7)60 (18) Gd30Fe70 表3の結果より実施例 6の様に第3磁性層を持つ記録膜
は小さな記録バイアス磁界においても記録ノイズが小さ
く,良好な記録特性を示すことが明らかになった。
【0040】実施例10〜13 実施例10〜13ではスパッタ時に基板を35rpmで回転
させた。Si34 ターゲットのスパッタ速度は約10
nm/分、Gd、Tbターゲットのスパッタ速度は3〜
6nm/分、Fe、Fe−Coターゲットのスパッタ速
度は5〜9nm/分であった。RE−TM膜同時スパッ
タの際に1〜3原子層づつが積層され均一な合金膜とな
る。第3磁性層の材料として希土類元素だけを使うこと
もできるが、これは腐食されやすいので,出来るだけ遷
移元素を添加する。ここで成膜時の基板回転を遅くする
と、第3磁性層の希土類元素と遷移金属が充分混合せ
ず、遷移金属が多く添加されてもキュリー温度は高くな
らない。
【0041】実施例 6と同様にしてサンプルを作製する
が、第3磁性層を次のようにして成膜した。GdとFe
のターゲットを同時スパッタしてGd30Fe70(原
子%)の組成の膜10nmを設ける。基板回転数は5r
pmとした。(実施例10)実施例10と同様にして、基
板回転を10、20、35rpmとしたサンプル実施例
11〜13を作製した。これらの実施例も同様の記録評価を
行った。結果を表3に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明による光磁気記録媒体はレーザビ
ームにより情報をこの媒体に書き込む際において、小さ
な記録バイアス磁界においても良好なC/N比を確保で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光磁気記録媒体の断面説
明図である。
【図2】本発明の記録媒体の記録過程を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 透明基板 2 誘電体保護膜 3 第1磁性層 4 第3磁性層 5 第2磁性層 6 誘電体保護膜 7 金属反射膜 8 保護コート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2磁性層において、希土類−遷
    移金属元素の非晶質合金であって、室温で垂直磁気異方
    性が小さい第1磁性層と、室温で垂直磁気異方性が大き
    い第2磁性層との間に、キュリー温度が記録温度よりも
    低い第3磁性層が設けられた記録膜を有することを特徴
    とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 キュリー温度が高く、室温で垂直磁気異
    方性が小さいコバルト、鉄、又はニッケルの0.2−1
    nmの膜とPtまたはPdの0.5−3nmの膜が交互
    に積層された、5−50nmの第1磁性層とキュリー温
    度が第1磁性層より低く、室温で垂直磁気異方性が大き
    い第2磁性層と、該第1、第2の両磁性層間にキュリー
    温度が記録温度より低く、かつPtあるいはPdの層の
    厚さが大きく、相対的にコバルト、鉄、あるいはニッケ
    ルの層の厚さが小さく、第2磁性層との接触界面部分で
    はPtまたはPd層が接触している第3磁性層とを有す
    ることを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 キュリー温度が相対的に高く、室温で垂
    直磁気異方性が小さい第1磁性層と、キュリー温度が相
    対的に低く、室温で垂直磁気異方性が大きい第2磁性層
    との間に、キュリー温度が再生時の温度よりも高く、か
    つ記録温度よりも低い第3磁性層が設けられた記録膜を
    有することを特徴とする光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1による光磁気記録媒体におい
    て、該第3磁性層は遷移金属元素を含有せず、膜厚が2
    −10nmである光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1による光磁気記録媒体におい
    て、第3磁性層の希土類元素の組成が30−50原子%
    の遷移金属元素との合金であって、その膜厚が2−40
    nmである光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 キュリー温度が相対的に高く、室温で垂
    直磁気異方性が小さい第1磁性層と、キュリー温度が相
    対的に低く、室温で垂直磁気異方性が大きい第2磁性層
    との間に、キュリー温度が再生時の温度よりも高く、か
    つ記録温度よりも低い第3磁性層を設けた記録膜を有す
    ることを特徴とする光磁気記録媒体において、それぞれ
    独立した希土類元素と遷移金属元素の蒸発源から第3磁
    性層を成膜する場合に、その基板の回転数を第1、第2
    磁性層の成膜回転数より小さくすることを特徴とする光
    磁気記録媒体の製造方法。
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