JP2647958B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2647958B2 JP1094534A JP9453489A JP2647958B2 JP 2647958 B2 JP2647958 B2 JP 2647958B2 JP 1094534 A JP1094534 A JP 1094534A JP 9453489 A JP9453489 A JP 9453489A JP 2647958 B2 JP2647958 B2 JP 2647958B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光磁気記録媒体、特に膜面と垂直方向に磁
化容易軸を有する磁性膜を記録層とし、レーザーなどの
光ビームを照射した領域に反転磁区を作ることにより情
報を記録することができ磁気光学効果を利用して読み出
すことができる光磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
従来の光磁気記録媒体は、大容量ファイルメモリの一
つとして注目されており、記録情報の書換が可能である
と言う利点を持っていることから、コードデータファイ
ルメモリを始め、画像ファイルメモリ等広範囲な応用が
各所で盛んに研究されている。その記録媒体としては、
Tb、Gd、Dy、Ho等の希土類金属REと、Fe、Co、Ni等の遷
移金属TMとの組合せによって作成されるRE−TM系非晶質
磁性合金薄膜が、記録感度が高く、粒界ノイズが少な
く、膜面に垂直方向の磁気異方性を有する膜が容易に作
られる等の利点を有するため、最も有望視されている。
そして、記録層にTbFeCoやCdTbFeを用いた光磁気記録
媒体は、データ転送レイトが比較的低くても利用できる
コードデータファイル用としては、既に、実用レベルに
ある。
近年、この光磁気記録媒体の高性能化の一つとして、
データ転送レイトの高速化が挙げられる。これは画像フ
ァイルのように、実時間で大量のデータを記録再生する
分野では、特に強く要請されている。
データ転送レイトを高めるためには、ディスクの高速
回転時に十分な記録再生信号が得られることが必要であ
るので、記録層には、従来よりも高い記録感度と再生出
力が要求される。
記録層に対する情報の記録は、一方向に着磁させてお
きレーザビームを照射して、媒体温度をキューリー温度
Tc近傍まで上昇させ、外部印加磁界と記録層の反磁界に
よって、反転磁区を形成することにより行われる。
従って、記録層を高感度にするには、キューリー温度
Tcを低くする必要がある。
一方、再生は磁気光学効果を用いて、行われる。
すなわち、記録層の反転磁区の有無に対応して、媒体
からの反射光の偏向面が回転することを利用して、記録
層から情報を読み出すため、高い再生出力を得るために
は、上記偏向面の回転角すなわちカー回転角θを大き
くする必要がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような上述した従来の光磁気記録
媒体は、データ転送レイトの高速化の要請に答えるため
には、低いキューリー温度Tcで高いカー回転角θを有
する記録層が必要であるが、TbFeやTbFeCoに代表される
従来のRE−TM系非晶質磁性合金薄膜においては、一般
に、キューリー温度Tcが低下するに連れて、カー回転角
θは小さくなる傾向がある。(内山他、昭和60年電気
学会全国大会S・3−1参照。) 例えば、コードデータファイル用にしばしば用いられ
るRE量20at%近傍の組成を有する記録層のカー回転角θ
は、キューリー温度Tcが200℃の時0.37度であるが、
キューリー温度Tcを150℃に下げると、0.30度まで低下
する。このように従来の記録媒体では、高感度化を指向
すると再生出力が大きく低下するという欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の光磁気記録媒体は、希土類金属薄膜と遷移金
属を主成分とする薄膜とが、交互に積層された周期多層
膜を記録層とする光磁気記録媒体に於いて、前記希土類
金属薄膜の一層当たりの膜厚値がその希土類原子直径の
2倍より大きく希土類原子直径の3倍より小さくし、遷
移金属と希土類金属とのスパッタレート比が1.15から1.
25であるように構成する。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例について、図面を参照して説明
する。
第1図は本発明の一実施例を示す断面図である。
第1図に示す光磁気記録媒体は、厚さ1.2mmのガラス
の基板1上に、記録層としてTb3とFeCo膜4とが交互に
積層された厚さ1000Åの周期多層膜2が形成され、この
上にSi3N4膜から成る厚さ800Åの保護層5が形成されて
いる。
記録層は2元DCマグネトロンスパッタ法で作製され
る。第2図に示すような作成装置では、記録層は、基板
1を回転しながら、Tbのターゲット8とFe90Co10のター
ゲット9に、各々独立にDC電力を投入して同時成膜(共
スパッタ)することにより作製される。
記録膜の周期構造を決めるTb膜3とFeCo膜4のそれぞ
れ一層当たりの膜厚DTbとDFeCoは、基板回転数、DC投入
電力およびTb膜3に対するFeCo膜4のスパッタレート比
Rにより選択される。表1に、主なスパッタ条件を示
す。
Si3N4膜からなる厚さ800Åの保護層5は、Siターゲッ
トを用い、ArとN2の混合ガス(50%N2)を、スパッタガ
スとした反応性スパッタにより、パワー密度8w/cm2、ス
パッタガス圧2.5×10-1Paで作製される。
第3図に上記記録膜のキューリー温度Tcおよびカー回
転角θとTb膜3の一層当たりの膜厚DTbとの関係を、
スパッタレート比R(FeCo/Tb)が1.15と1.25の場合に
付いて示す。何れの場合も、膜厚DTbがTbの原子直径近
傍の3.5の2倍の7Åからその約3倍の10.8Åの範囲
で、キューリー温度Tcは、膜厚DTbの増加に伴って、減
少するが、カー回転角θは殆ど変わらないことが分か
る。膜厚DTbの増加に伴うキューリー温度Tcの減少は、
スパッタレート比Rが1.15より1.25の方が著しい。
また、上記記録膜は、膜厚DTbが10.8Åより小さい範
囲では、膜面に垂直方向に磁気異方性を有していた。
例えば、膜厚DTbが8Åスパッタレート比Rが1.25の
場合には、キューリー温度Tcが150℃、カー回転角θ
が0.4度の記録膜が得られる。
第4図に示す他の実施例では、直径130mm、厚さ1.2mm
のポリカーボネイトの基板14の上に、この記録膜を、Si
3N4膜からなる厚さ800Åの保護層5と15で挟むように形
成し、記録再生特性を測定した。記録再生特性の評価は
NA0.5の対物レンズを有するPIN−差動光学系を用い、周
速11.3m/s(ディスク回転数1800rpm、半径60mm)、記録
周波数2.5MHz、記録パルスデューティ50%、バイアス磁
界2500eで行った。その結果、搬送波の2次高調波歪が
極小となる最適記録パワーとして、7mWが得られた。こ
の値は従来の標準的な記録膜(Tc=200℃、θ=0.37
度)を用いた場合に比べて、2〜3mW小さく、記録感度
の大幅な高感度化が達成された。また、CNRは、従来よ
り1〜2dB高い、56〜57dBが得られた。
ここで、希土類金属薄膜と遷移金属を主成分とする薄
膜としては、上述のものに限定されるものではない。例
えば希土類金属薄膜として、Dy膜、Gd膜、GdTb合金膜、
遷移金属を主成分とする薄膜としてFe膜、Co膜、FeCoTi
合金膜を用いた場合でも、同様の効果がみられた。
〔発明の効果〕 本発明の光磁気記録媒体は、低いキューリー温度Tcで
高いカー回転角θを得ることができるので、高い記録
感度と高い再生出力を得ることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、第2図は第1
図に示す周期多層膜の作製装置を説明するための正面
図、第3図は第1図に示す実施例の特性図、第4図は本
発明の他の実施例を示す断面図である。 1,14……基板、2……周期多層膜、3……Tb膜、4……
FeCo膜、5,15……保護膜、6……基板ホルダ、7……ス
パッタチャンバ、8,9……ターゲット、10,11……ターゲ
ットホルダ、12,13……DC電源、θ……カー回転角、T
c……キューリー温度。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、希土類金属薄膜の一層当たりの膜
    厚値がその希土類原子直径の2倍より大きく希土類原子
    直径の3倍より小さいTb或いはDy或いはGd或いはGdTbの
    希土類金属薄膜とFeCo或いはFeCoTiの遷移金属薄膜とが
    交互に前記基板の上に形成された周期多層膜と、前記周
    期多層膜を覆うように形成された保護層とを含む光磁気
    記録媒体であって、前記遷移金属と前記希土類金属との
    スパッタレート比が1.15から1.25であるようにして得ら
    れた周期多層膜を含むことを特徴とする光磁気記録媒
    体。
JP1094534A 1989-04-13 1989-04-13 光磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP2647958B2 (ja)

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