JPH06195684A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06195684A
JPH06195684A JP4344180A JP34418092A JPH06195684A JP H06195684 A JPH06195684 A JP H06195684A JP 4344180 A JP4344180 A JP 4344180A JP 34418092 A JP34418092 A JP 34418092A JP H06195684 A JPH06195684 A JP H06195684A
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JP
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magnetic
amount
powder
parts
recording medium
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JP4344180A
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English (en)
Inventor
Atsuko Matsuda
敦子 松田
Tsutomu Kenpou
勉 見寳
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強磁性粉の分散性が良好で優れた電磁変換特
性と走行耐久性をバランス良く備えた磁気記録媒体の提
供。 【構成】 磁性層の少なくとも1層に、Al、B、Na、
Caを特定量含有する強磁性鉄合金粒子からなる粉末を
用い、またCOOH基、SO3基を有する有機染料、顔
料を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、さ
らに詳しくは、該媒体における強磁性粉体の分散性の向
上、電磁変換特性と走行耐久性との実用的調整に関す
る。
【0002】
【従来技術】情報処理機器における記録・再生素子とし
て有用な磁気記録媒体には、電磁変換特性が高度かつ精
密であること、記録容量が高密度であること、良好な走
行性、耐久性を保証する組成物質であることなどが要求
され、特にこれらの特性をバランスよく保つことが求め
られている。
【0003】電磁変換特性に関しては磁気記録媒体の高
画質化の傾向に伴ない、強磁性粉をより微細化し、粒子
性ノイズを減少させる必要がある。
【0004】更に特開平3-12902号には、高い保磁力と
大きな飽和磁化を有し、かつ酸化安定性と、S.F.D
(Switching field distribution)に優れる針状晶鉄
合金粉末を得るため、粒子表面殻層に硼素、コバルト、
珪素、アルミニウムを有する磁性粉末が提案されてい
る。
【0005】しかしながら、強磁性粉が微細になればな
るほど磁気的な相互作用が大きくなり、分散性が悪くな
る。その結果、出力特性不良、結合剤(バインダ)との
結着性の悪化を招き、磁気記録媒体の耐久性が劣化す
る。
【0006】特に、表面積の大きい強磁性粉や活性点の
多い強磁性粉を使用すると、その表面に水分が吸着し易
くなり、強磁性粉と結合剤との結着性が阻害され易い。
【0007】一方、強磁性粉の分散性を良くするため、
分散剤として脂肪酸などの低分子量成分を添加使用する
と、特に高温高湿下において磁気記録媒体の耐久性が劣
化する。
【0008】更に分散性の改良については、特開昭62-3
429号には、分散安定性を向上させるため、カルボキシ
ル基及び/又はスルホ基を有する有機染料及び顔料を磁
性層に含有させることが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記に表面殻層に有す
る硼素や珪素は徐酸化工程による表面の酸化や工程内で
混入される水分によって酸化物、水酸化物等に変化し、
強磁性粉末表面上に酸性点をつくりやすくなる。逆にア
ルミニウムは、上記のような工程を経ることによって、
塩基性点をつくりやすくなる。またコバルトは、強磁性
金属内部に移行するため、結果的には表面に大きな影響
を及ぼすことは少ない。
【0010】このようにつくられた酸性点や塩基性点は
適正値を有することによってバインダ中の官能基と強く
化学的に結合し、良好な分散安定性を得られるが、逆に
多すぎると潤滑剤を吸着し、走行性や耐久性を妨げる原
因となる。
【0011】カルボキシル基及び/又はスルホ基を有す
る有機染料及び顔料は、分散助剤として用いられ、極性
基部分と、強磁性金属粉末上の極性基、特に、塩基性点
に吸着する。また加えられた上記分散助剤の極性基と強
磁性金属粉末の塩基性点との結合整合量を満たさなけれ
ば効果は得られない。
【0012】また、分散助剤はバインダに比べ低分子量
のため多く使うことによって耐久性が劣る方向になる。
【0013】したがって、最小限の分散助剤量に対し
て、強磁性金属粉末表面の塩基性点が少なすぎると、余
剰の分散助剤は高温・高圧の工程条件下で滲み出した
り、カレンダロール汚れの原因ともなる。また、多すぎ
ると、潤滑剤を吸着し、走行性や耐久性を劣化させる結
果となる。
【0014】本発明の目的は前記事情に照し、強磁性粉
の分散性が良好で優れた電磁変換特性と走行耐久性をバ
ランス良く備えた磁気記録媒体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記本発明の課題は;磁
性粉末をバインダ中に分散してなる磁性層を少なくとも
1層有する磁気記録媒体において、磁性層の少なくとも
1層に含まれる磁性粉末が強磁性金属粒子からなり、か
つ該粒子表面殻層に、存在係数で特定されるアルミニウ
ム量0.7〜3.0を含有し、更に前記少なくとも1層の磁性
層にカルボキシル基及び/又はスルホ基を有する有機染
料又は顔料を含有することを特徴とする磁気記録媒体、
或いは前記強磁性金属粒子の粒子表面殻層に、存在係数
で特定されるアルミニウム量0.5以上、同硼素量1.0以
下、同ナトリウム量1.0以下、同カルシウム量0.05〜0.5
0を含有することを特徴とする磁気記録媒体のいづれに
よっても解決される。
【0016】本発明に謂う存在係数とは、XPS表面分
析装置によって分析対象の全原子数を求め、主体組成金
属元素の内、鉄の原子数とAl,Na,Ca,Bの原子数
の比をとり、鉄の原子数を1としたときの各金属元素の
相対原子数である。
【0017】また粒子表面殻層の厚さは前記分析装置の
サーベイ測定の及ぶ範囲の厚みであり、測定条件によっ
て多少の変動はあるがほぼ100Å程度である。
【0018】尚本発明では、XPS表面分析装置とし
て、VG・サイエンティフィック・リミテッド社製のE
SCALAB−200Xを用い、X線源Mg 600Wでサーベ
イ測定したものである。
【0019】本発明の構成によれば、(1)アルミニウ
ムの表面存在量を存在係数0.7〜3.0、好ましくは0.8以
上2.5以下とすることにより、走行性、耐久性を損なわ
ない程度のカルボキシル基及び/又はスルホ基を有する
有機染料及び顔料に対し、適正な強磁性金属粉末表面の
塩基性点をつくることができ、分散性が良好で電磁変換
性がよく、同時に走行耐久性を満足させることができ
る。また(2)硼素を表面殻層に存在させると、強磁性
金属粉末の焼結が防止され、高い保磁力と飽和磁化を与
え、またナトリウム、カルシウム、アルミニウムによっ
て表面酸化、水酸化時に生ずる塩基性点と硼素からつく
られる酸性点と中和し、適正量の活性点がバインダに含
まれる官能基と強い吸着を直接つくることができる。
【0020】特にナトリウム、アルミニウムは、スルホ
基、ホスホ基等の強い極性点をつくるため、バインダ中
に含まれる官能基との強い吸着を促進し、カルシウムは
カルボキシル基との吸着に効果があり、磁気記録媒体の
バインダとして頻繁に用いられるポリウレタン樹脂中の
ウレタン基のカルボニル基や、官能基として含まれるカ
ルボキシル基との吸着に対し効果が高い。
【0021】そのため分散性が良好で電磁変換特性がよ
く、同時に走行耐久性を満足する磁気記録媒体が提供で
きる。
【0022】尚ナトリウムの存在係数0.1以下、好まし
くは0.02以上0.08以下、カルシウムは0.05〜0.50、好ま
しくは0.07〜0.30、アルミニウムは0.5以上、0.7〜3.
0、好ましくは1.0〜2.5である。
【0023】また前記強磁性粉末のBET法による比表
面積は、通常、30m2/g以上、好ましくは40〜80m2/gが好
ましい。
【0024】前記強磁性粉末の形状については特に制限
はなく、例えば、針状、球状あるいは楕円体状などのも
のをいずれも使用することができる。
【0025】本発明の磁気記録媒体に係る磁性層は、強
磁性粉をバインダ中に分散させた好ましくは複数の磁性
層を非磁性支持体上に設けたものである。
【0026】その少なくとも一層には強磁性金属粉末を
含み、Fe-Al金属粉末、Fe,Ni金属粉末などがあげ
られ、その他の層にも使用できる。
【0027】強磁性粉としては、たとえばCo含有γ-F
e23粉末、Co含有Fe34粉末、Co含有FeOx(4/3
<X<3/2)粉末、あるいはFe-Al金属粉末、Fe-Ni
金属粉末、CrO2粉末、Co-Ti変性バリウムフェライ
ト、Co-Ti変性ストロンチウムフェライトなどのよう
な変性六方晶フェライト粉末などのほか、特開平3-1138
20号p.4記載の強磁性粉末が挙げられる。
【0028】また本発明においては磁性層以外に非磁性
の補助構成層を設けることができ、非磁性層にはα-Fe
23、TiO2、Cr23、α-Al23などの非磁性粉体
等が用いられる。
【0029】本発明に係る粒子表面殻層にアルミニウム
又はナトリウム、カルシウム、アルミニウムを含有して
いる強磁性金属粉末粒子は針状晶鉄合金磁性粒子粉末が
好ましく、針状晶ゲータイト粒子の粒子表面をアルミニ
ウム又は硼素化合物及びナトリウム化合物とカルシウム
化合物及びアルミニウム化合物とで被覆した後、300〜6
00℃の温度範囲で加熱処理してアルミニウム酸化物又は
ナトリウム化合物、カルシウム化合物及び硼素酸化物被
覆されている針状晶ヘマタイト粒子を得、次いで、該針
状晶ヘマタイト粒子を300〜500℃の温度範囲で加熱還元
することによって得ることができる。
【0030】本発明における針状晶ゲータイト粒子粉末
は、周知の第一鉄塩水溶液と当量以上のアルカリ性溶液
とを混合して得られる水酸化第一鉄粒子を含む懸濁液を
pH11以上にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行う方法及び第一鉄塩水溶液と炭酸アルカ
リとを反応させて得られたFeCO3を含む懸濁液に酸素
含有ガスを通気して酸化反応を行う方法等のいずれの方
法によっても得ることができ、長軸0.1〜0.4μm、軸比
(長軸:短軸)5:1〜20:1の粒子を使用することが
できる。上記ゲータイトの生成反応においては、目的と
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の特性を向上させる為に
通常添加されるCo、Ni、Zn、Al、Mn、Cu等の金属
イオンを存在させてもよい。
【0031】本発明における硼素化合物としては、KB
2、H3BO3、HBO2、B23等を使用することがで
きる。針状晶ゲータイト粒子の硼素化合物による被覆
は、硼素を含む水溶液と針状晶ゲータイト粒子とを混合
撹拌した後、濾別、乾燥することによって行うことがで
きる。
【0032】本発明におけるアルミニウム化合物として
は、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、アル
ミナゾル等を使用することができる。針状晶ゲータイト
粒子のアルミニウム化合物による被覆は、アルミニウム
を含む水溶液と針状晶ゲータイト粒子とを混合撹拌した
後、又は、必要により、混合撹拌し、アルカリ性水溶液
又は酸性水溶液で中和した後、濾別、乾燥することによ
って行うことができる。カリウム及びカルシウム化合物
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどの
アルカリ性水溶液を用いる。針状晶ゲータイト粒子のp
Hを調整するときに、アルカリ性溶液として被覆に用い
るか、或いは水洗時に、少量混入させることによって被
覆させてもよい。
【0033】本発明における加熱焼成温度は、300〜600
℃である。300℃未満である場合には、粒子の高密度化
が困難である為、後の還元工程における加熱時に粒子の
形状を保持することができず、針状晶鉄合金磁性粒子粉
末の保磁力が低下してしまい、また、S.F.Dを0.5以
下とすることができない。S.F.Dが改良されない理由
について、加熱焼成温度が300℃未満である場合には、
再結晶化が不十分になる為、還元後の粒子の形状分布に
よる形状異方性の不均一化やFe、B、Coの構造的な分
布による結晶異方性の不均一化を招来するものと考えら
れる。600℃を越える場合には、粒子及び粒子相互間で
焼結が起こり、粒子の形状が崩れる。
【0034】本発明における加熱還元温度は、300〜500
℃である。300℃未満である場合には、還元反応が不十
分であり、大きな飽和磁化を有する針状晶鉄合金磁性粒
子粉末を得ることができない。500℃を越える場合に
は、粒子及び粒子相互間で焼結が生起し、粒子の形状が
くずれる為、針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力が低下
する。
【0035】本発明において得られる針状晶鉄合金磁性
粒子粉末は、長軸0.1〜0.4μm、軸比(長軸:短軸)
5:1〜15:1の範囲である。
【0036】本発明における加熱還元後の針状晶鉄合金
磁性粒子粉末は、周知の方法、例えば、トルエン等の有
機溶剤中に浸漬する方法及び還元後の雰囲気を不活性ガ
スに置換した後、不活性ガス中の酸素含有量を徐々に増
加させながら最終的に空気によって徐酸化する方法等に
より空気中に取り出すことができる。
【0037】本発明に用いられるバインダとしては陰性
官能基を有するバインダが好ましい。
【0038】この陰性官能基としては、−SO31、−
OSO21、−OSO31、−COOM2、−OH及び
1価の−{(OM2)(OM3)}P=O、−O{(OM2)(O
3)}P=O(ただし、式中、M1は水素原子、アルカリ
金属であり、M2およびM3は、それぞれ水素原子、アル
カリ金属およびアルキル基のいずれかである。またM2
とM3とは、互いに異なっていても良いし、同じであっ
ても良い。)を挙げることができる。
【0039】本発明では、前記強磁性粉末の活性点、つ
まり酸性点および塩基性点に見合った量の陰性官能基を
含有するポリマーからなるバインダを使用することが重
要である。
【0040】即ち、本発明における陰性官能基を有する
バインダの陰性官能基は、0.01〜0.50mmol/gである。
【0041】この陰性官能基量が上記範囲にあると、強
磁性粉末の分散性が向上し、その結果、磁気記録媒体の
出力が大きくなり、走行耐久性も向上する。
【0042】逆に上記範囲を外れると、これらの効果が
十分に奏されないことがある。
【0043】前記陰性官能基を有するポリマーの分子量
は、通常2,000〜70,000、好ましくは4,000〜50,000であ
る。この分子量が70,000を超えると、磁性塗料の粘度が
許容範囲を超えて大きくなり、本発明の目的が達成でき
なくなることがある。
【0044】一方、分子量が2000未満であると、磁性塗
料を非磁性支持体上に塗布してから添加硬化剤による硬
化段階で、未反応部分が生じ、低分子量成分が残存する
ことになって塗膜の物性を劣化させることがある。
【0045】前記陰性官能基を有するポリマーを用いる
場合、その配合量は、前記強磁性粉末100重量部に対し
て、通常、2〜15重量部、好ましくは3〜10重量部であ
る。
【0046】この配合割合が2重量部未満であると、前
記陰性官能基を有するポリマーを配合した場合に奏され
るべき所期の効果が充分に奏されないことがある。15重
量部より多くすると、電磁変換特性やスチル耐久性の低
下を招くことがある。
【0047】本発明に係る有機染料又は有機顔料として
は、以下の4つの条件の少なくともいずれか1つの条件
の条件を満たしていることが望ましい。
【0048】1.アゾ系化合物であること 2.塩の形であること。塩としては、NH4(アンモニ
ウム塩)、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機
アミン塩が好ましい 3.一般式として、以下の骨格を有していること
【0049】
【化1】
【0050】R1、R2は炭化水素残基で、少なくともい
ずれかにカルボキシル基又はスルホ基を有している。
【0051】さらに好ましくは、次の基本構造式を有し
ているのがよい。
【0052】
【化2】
【0053】Y :−Cl、−NO2、−OCH3、−CH
3、−C25、−OC25、−CONH−R3、−H、−
OHのいずれか R3:−Cl、−NO2、−OCH3、−CH3、−C
25、−OC25、−H、−COOH、−SO3Hのい
ずれかを有するフェニル環又はナフタレン、インドー
ル、キノリン環等の縮合環 Z :−COOH又は−SO3H又はこれらの塩(塩とし
ては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、有機アミン塩)n1、n2=0〜5、m1、m2
0〜2 W :ベンゼン環、ピロール環、ピリジン環等の縮合環
を形成するに必要な原子群 X :Cl、−NO2、−OCH3、−CH3、−C25
−OC25、−H、−COOH、−SO3Hのいずれか なお、R3、Xの−COOH、−SO3HについてもZと
同じく塩を形成していてもよい。
【0054】4.赤色系統のものであること。
【0055】これらの有機色素又は有機顔料の例は下記
の通りである。
【0056】
【化3】
【0057】
【化4】
【0058】
【化5】
【0059】
【化6】
【0060】また、その他の使用できる例は次のもので
ある。
【0061】
【化7】
【0062】
【化8】
【0063】
【化9】
【0064】
【化10】
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】前記有機染料、顔料の磁性層中への添加量
には適切な範囲があり、磁性粉100重量部に対して合計
で1〜10重量部がよく、2〜7重量部が更によい。添加
量を1重量部以上とすることによって分散性、耐久性等
を充分とし、磁性層の表面性を良くし、また10重量部以
下とすることによって塗料の粘度を充分として膜厚の制
御をし易くなる。
【0068】本発明の化合物はプレミックスの段階で添
加してもよいし、ニーダなどで磁性粉と練合せてもよい
し、前処理として磁性粉を分散剤溶液に含浸させてもよ
い。
【0069】本発明においては、前記陰性官能基を有す
るポリマーとともにポリイソシアナート系硬化剤を併用
することにより、磁性層の耐久性の向上を図ることもで
きる。
【0070】このポリイソシアナート系硬化剤として
は、たとえばトリレンジイソシアナート、ジフェニルメ
タンジイソシアナート、などのほか、特開平3-113820
号、p.9〜10記載のものをいずれも使用することができ
る。
【0071】前記硬化剤の使用量は、通常、全バインダ
量の5〜80重量部である。
【0072】本発明では、バインダとして、前記陰性官
能基を有する塩化ビニル系共重合体、ポリウレタン樹脂
とともに、従来より磁気記録媒体に用いられている熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化
型樹脂またはこれらの混合物などを併用することができ
る。
【0073】上記熱可塑性樹脂としては、たとえば塩化
ビニル-酢酸ビニル共重合体などのほか、特開平3-11382
0号p.10〜11記載のものとを挙げることができる。
【0074】前記熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
は、たとえばフェノール樹脂、エポキシ樹脂などのほか
特開平3-113820号p.11記載の樹脂などが挙げられる。
【0075】前記電子線照射硬化型樹脂としては、たと
えば無水マレイン酸タイプ、ウレタンアクリルタイプな
どのほか、特開平3-113820号p.12記載の樹脂が挙げられ
る。
【0076】ポリウレタンと塩ビ系共重合体の配合割合
は、ポリウレタン(PU)樹脂:塩ビ系共重合体との重
量比で、通常、9:1〜1:9、好ましくは8:2〜
2:8である。この配合割合が前記範囲を外れると、本
発明の磁気記録媒体における磁性層の電極変換特性が低
下したり、前記強磁性粉末の分散性が低下したりするこ
とがある。
【0077】本発明では任意成分である分散剤として、
たとえばレシチン、脂肪酸、などのほか特開平3-113820
号記載の分散剤を磁性層に添加することができる。これ
らは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組合せて
使用しても良い。
【0078】本発明では前述したように特定したバイン
ダと強磁性粉を使用するので、前記分散剤の添加量を必
要最小限に抑えることができ、前記強磁性粉100重量部
に対して、通常、10重量部以下、好ましくは3重量部以
下とすることができる。
【0079】又、本発明では、脂肪酸エステルを磁性層
に添加することができる。この脂肪酸エステルとして
は、たとえばブチルステアレート、ブチルパルミテート
などのほか、特開平3-113820号p.13〜14記載の脂肪酸エ
ステルが挙げられる。これらの中でも、特に好ましいの
はブチルステアレート、ブチルパルミテートである。
【0080】前記種々の脂肪酸エステルは1種単独で使
用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
【0081】本発明では前述したように特定のバインダ
と強磁性粉とを使用するので、この脂肪酸エステルの添
加量も必要最小限に抑えることができ、前記脂肪酸エス
テルの配合割合は、前記強磁性粉100重量部に対して、
通常、0.5〜10重量部、好ましくは、1〜5重量部とす
ることができる。
【0082】このように脂肪酸等の分散剤や脂肪酸エス
テル等の可塑剤の添加量を少なくすると、特に高温高湿
下における磁気記録媒体の走行耐久性を向上させること
ができる。
【0083】本発明の磁気記録媒体における磁性層は、
潤滑剤を含有していてもよい。
【0084】潤滑剤として、脂肪酸及び/又は脂肪酸エ
ステルを含有せしめると、両者の各特長を発揮させなが
ら、単独使用の場合に生ずる欠陥を相殺し、潤滑効果を
向上させ、静止画像耐久性、走行安定性、S/N比等を
高めることができる。この場合、脂肪酸の添加量は、磁
性粉100重量部に対して0.2〜10重量部がよく、0.5〜8.0
重量部が更によい。この範囲を外れて脂肪酸が少なくな
ると磁性粉の分散性が低下し、媒体の走行性も低下し易
く、また多くなると脂肪酸が滲出したり、出力低下が生
じ易くなる。また、脂肪酸エステルの添加量は、磁性粉
100重量部に対して0.1〜10重量部がよく、0.2〜8.5重量
部が更によい。この範囲を外れてエステルが少なくなる
と走行性改善の効果が乏しく、また多くなるとエステル
が滲出したり、出力低下が生じ易くなる。
【0085】また、上記の効果をより良好に奏するうえ
で、脂肪酸と脂肪酸エステルの重量比率は脂肪酸/脂肪
酸エステル=10/90〜90/10が好ましい。なお脂肪酸に
は分散作用的効果もあり、脂肪酸の使用によって別の低
分子量の分散剤の使用量を低減させ、その分だけ磁気記
録媒体のヤング率を向上せしめることもできると考えら
れる。
【0086】脂肪酸は一塩基性であっても二塩基性であ
ってもよい。炭素原子数6〜30、更には12〜22の脂肪酸
が好ましい。脂肪酸としてはミリスチン酸、ステアリン
酸などのほか特開平2-110818号p.130〜131に記載の脂肪
酸などが挙げられる。
【0087】脂肪酸エステルとしては、ブチルステアレ
ート、ブチルパルミテートなどのほか、特開平2-110818
号p.181に記載の脂肪酸エステルなどが挙げられる。ま
た上述した脂肪酸、脂肪酸エステル以外にも、他の潤滑
剤(例えばシリコーンオイル;カルボン酸変性、エステ
ル変性であってもよい。)、グラファイト、弗化カーボ
ン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、脂肪酸ア
ミド、α-オレフィンオキサイド等を磁性層に添加して
もよい。
【0088】前記潤滑剤の配合割合は、前記強磁性粉10
0重量部に対して、通常、20重量部以下、好ましくは10
重量部以下である。この配合割合が20重量部を超える
と、潤滑剤量が過剰になって磁性層の表面に汚れが付着
し易くなることがある。
【0089】磁性層は、前記の種々の成分の他にさらに
研磨剤、帯電防止剤を含有していてもよい。
【0090】研磨剤としてはα-アルミナ、酸化クロム
などのほか特開平2-110818号p.131記載のものが挙げら
れる。
【0091】磁性層中にカーボンブラックを併用させる
と、走行性向上、電磁変換特性向上の点で更に有利であ
り、分散性も多少向上し、磁性層中の残留溶媒量よりも
少なくなり、帯電防止効果がある。
【0092】こうしたカーボンブラックとして、遮光用
カーボンブラックを用いれば、光遮蔽の度合を高めるこ
とができる。遮光用カーボンブラックとしては、例えば
コロンビアカーボン社製のラーベン2000(比表面積190m
2/g、粒径18mμ)など特開平2-110818号p.129記載のカ
ーボンブラックがあげられる。
【0093】また、導電性カーボンブラックとしては、
例えばコロンビアカーボン社のコンダクテックス(Con
ductex)975(BET値(以下BETと略)250m2/g、D
BP吸油量(以下DBPと略)170ml/100gr、粒径24m
μ)コンダクテックス900(BET125m2/g、粒径27m
μ)など特開平2-110818号p.129記載のカーボンブラッ
クがあげられる。
【0094】また、本発明で使用可能な他のカーボンブ
ラックとしては、コロンビアン・カーボン社製のコンダ
クテックス(Conductex)−SC.(BET220m2/g、D
BP115ml/100g、粒径20mμ)、キャボネット社製バル
カン(Vulcan)9(BET140m2/g、DBP114ml/100
g、粒径19mμ)など特開平2-110818号p.129〜130に記載
のものがあげられる。
【0095】なお、前記帯電防止剤あるいは後述の分散
剤等は、単独の作用のみを有するものではなく、たとえ
ば、1つの化合物が潤滑剤および帯電防止剤として作用
する場合がある。
【0096】したがって、この発明における前述の分類
は主な作用を示したものであり、分類された化合物の作
用が分類に示す作用によって限定されるものではない。
【0097】前記の複数の磁性層を積層する非磁性支持
体の形成材料としては、たとえばポリエチレンテレフタ
レートおよびポリエチレン-2,6-ナフタレート等のポリ
エステル類;ポリプロピレン等のポリオレフィン類;セ
ルローストリアセテートおよびセルロースダイアセテー
ト等のセルロース誘導体;ならびにポリカーボネート,
ポリアミド,ポリアミドイミド,ポリイミドなどのプラ
スチックを挙げることができる。さらにCu、Al、Zn
などの金属、ガラス、いわゆるニューセラミック(例え
ば窒化硼素、炭化珪素等)の各種セラミックなども使用
することができる。
【0098】非磁性支持体の形態については特に制限は
なく、テープ状、シート状、カード状、ディスク状、ド
ラム状等いずれであってもよく、形態に応じて、また、
必要に応じて種々の材料を選択して使用することができ
る。
【0099】支持体の厚みはテープ状あるいはシート状
の場合には、通常、3〜100μm、好ましくは5〜50μm
である。また、ディスク状、カード状の場合には、通
常、30〜100μmである。さらにドラム状の場合には円筒
状とする等、使用するレコーダーに対応させた形態とす
ることができる。
【0100】非磁性支持体における前記磁性層が設けら
れていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向
上、帯電防止および転写防止などを目的として、バック
コート層を設けてもよい。
【0101】また、非磁性支持体における前記磁性層が
設けられる面には、磁性層と非磁性支持体との接着性の
向上等を目的として、中間層(例えば接着剤層)を設け
ることもできる。
【0102】次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方
法について説明する。
【0103】本発明の磁気記録媒体は、前記強磁性粉、
陰性官能基を有するポリウレタンなどの磁性層形成成分
を溶媒に混練分散して磁性塗料を調製した後、この磁性
塗料を前記非磁性支持体上に塗布及び乾燥することによ
り製造することができる。
【0104】磁性層形成成分の混練・分散に使用する溶
媒としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン
(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)およ
びシクロヘキサノン等のケトン系などのほか、特開平3-
113820号p.18〜19記載の溶媒を使用することができる。
【0105】磁性塗料成分の組成混練にあたっては、前
記強磁性粉およびその他の磁性塗料成分(以下、これら
を原料と呼ぶことがある。)を、同時に又は個々に順次
混練機に投入する。例えば、まず分散剤を含む溶液中に
前記強磁性粉を加え、所定時間混練した後、残りの各成
分を加えて、さらに混練を続けて磁性塗料とする。
【0106】混練分散にあたっては、各種の混練機を使
用することができる。この混練機としては、たとえば二
本ロールミル、三本ロールミルなどのほか、特開平3-11
3820号p.20記載の混練機が挙げられる。
【0107】このようにして調製した磁性層形成成分の
塗布液は、公知の方法により、非磁性支持体上に塗布さ
れる。
【0108】本発明において利用することのできる塗布
方法としては、たとえばグラビアロールコーティング、
マイヤバーコーティングなどのほか特開平3-113820号p.
20記載の方法が挙げられる。
【0109】このようにして塗布された前記磁性層の厚
みは、最上層の磁性層の乾燥厚が0.1〜5μm、特に0.2
〜4μmであり、各磁性層の乾燥厚の合計が、通常、1
〜6μmである。
【0110】こうして、磁性層形成成分を塗布した後、
未乾燥の状態で、必要により磁場配向処理を行い、さら
に、通常はスーパカレンダロールなどを用いて表面平滑
化処理を行う。
【0111】次いで、所望の形状に裁断することによ
り、磁気記録媒体を得ることができる。
【0112】本発明の磁気記録媒体は、たとえば長尺状
に裁断することにより、ビデオテープ、オーディオテー
プ等の磁気テープとして、あるいは円盤状に裁断するこ
とにより、フロッピーディスク等として使用することが
できる。さらに、通常の磁気記録媒体と同様に、カード
状、円筒状などの形態でも使用することができる。
【0113】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。
【0114】実施例1 表1に示した強磁性粉及び下記の原料をそれぞれボール
ミルを用いて充分に撹拌混合し、この混合物に多官能イ
ソシアネート(コロネートL:日本ポリウレタン社製)
をそれぞれ5部ずつ添加して、平均孔径1μmのフィル
タで濾過し、調製した。
【0115】 Fe-Al系金属粉末 100部 塩化ビニル共重合体(重合度300、−SO3Na 0.007mmol/g含有) 15部 ポリエステルタイプポリウレタン樹脂(トルエンジイソシアネート、 1,6ヘキサンジオール、アジピン酸、−SO3Na 0.07mmol/g含有 平均Mw=20000) 10部 有機顔料例示化合物(1) 3部 アルミナ粉末 5部 カーボンブラック 3部 ミリスチン酸 2部 ステアリン酸 2部 パルミチン酸ブチルエステル 2部 ステアリン酸ブチルエステル 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 150部 トルエン 50部 上記磁性塗料を厚み14μmの広幅のポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に乾燥後の厚みが3.5μmとなるよう
にして塗布し、乾燥した。次いで、このフィルムを70
℃、300kg/cmにおいてスーパカレンダロールで処理し
た。
【0116】次に、下記組成からなるバックコート層塗
料を調製した。
【0117】 カーボンブラック(コロンビアカーボン社 コンダクテックス975)11部 ウレタンエラストマー(グッドリッチ社 エスタン5701) 6部 ニトロセルロース(旭化成工業社 セルノバBTH1/2) 4部 メチルエチルケトン 80部 トルエン 60部 上記組成物をボールミルで充分に撹拌混合し、更に、多
官能イソシアネート(コロネートL)を5部添加した
後、平均孔径1.5μmのフィルタで濾過した。得られたバ
ックコート層塗料を幅広の磁性フィルムの裏面に乾燥厚
さ1.1μmとなるように塗布した。このフィルムを8mm幅
に裁断し、ビデオ用の磁気テープを作成した。
【0118】比較例(1)は強磁性粉末のみ表1のよう
に変え、実施例4、比較例(2)、(9)は強磁性粉末
を表1のように変え、有機顔料を加えないほかは同様に
作成、同条件で測定した。また比較例(6)は強磁性粉
末を表1のように変え、有機顔料のかわりに燐酸エステ
ルを同部加えたほかは同様に作成、同条件で測定した。
【0119】実施例2 上層塗料処方 実施例1で示した処方のうち、強磁性粉末を表1のよう
に変えたほかは、同様に作成した。
【0120】 下層塗料処方 Co被着γ-Fe23粉末 100部 塩化ビニル共重合体(実施例1と同様) 15部 ポリエステルタイプポリウレタン樹脂(4,4′ジフェニルメタンジ イソシアネート、1,4ブタンジオール、アジピン酸、−SO3Na 0.05mmol/g含有、平均Mw=20000) 10部 ミリスチン酸 2部 パルミチン酸ブチルエステル 2部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 150部 トルエン 50部 次に前記下層磁性塗料と上層磁性塗料とを用いて、非磁
性支持体に接する層を下層、下層に接する層を上層と
し、厚み14μmの広幅のポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に乾燥後の最下層の厚みが30μm、最上層の厚
みが0.5μmとなっている。
【0121】次いでこの2層を有するフィルムを70℃、
300kg/cmにおいてスーパカレンダロールによって処理
した。次に実施例1と同様にバックコート層を塗布し、
このフィルムを8mm幅に裁断し、ビデオ用の磁気テープ
を作成した。
【0122】実施例5、比較例(3)、(7)は、上層
・下層の塗料処方のうちそれぞれの強磁性粉末を表1の
ように変えるほかは同様に作成し、同条件で測定した。
【0123】実施例3、比較例(4)、(5)について
は、上層、下層塗料処方ともに表1のように強磁性粉末
を変えるほかは同様に作成、同条件で測定した。実施例
6、比較例(8)については、上層塗料処方のうち、強
磁性金属粉末を表1のように変え、有機顔料を除くほか
は、同様にし、また下層塗料処方のうち強磁性金属粉末
を表1のように変えるほかは同様に作成、同条件で測定
した。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】この強磁性金属粉末の酸性点の量として、
ステアリルアミン、塩基性点の量としてステアリン酸、
アルキルスルホン酸ナトリウムの吸着量で示した。
【0127】 ステアリン酸吸着量:ステアリン酸を
シクロヘキサンに溶解し、ステアリン酸濃度5000ppmの
溶液を調製する。30mlのナスフラスコに強磁性粉末500m
gを秤量し、上記溶液25mlを加えて超音波を15分間照射
する。さらにこのナスフラスコを振盪機にかけ、300rpm
で室温で5時間振盪した後、磁石で上澄みが透明になる
まで沈殿させ、上澄液5mlをホールピペットで採取し、
10mlのナスフラスコに入れ、蒸発乾固する。一方、パル
ミチルラウレートをシクロヘキサンに溶解して、内部標
準液として濃度2000ppmの溶液を調製する。この溶液5m
lを上記10mlのナスフラスコ中の蒸発乾固物に加えてこ
れを溶解し、この溶液1μlをガスクロマトグラフィ
(島津製作所製GC−7A)にカラム(ガスクロ工業社
製Unisole-400、5%2.6mmΦ×1.1m)を用いて打込み、
予め内部標準液とステアリン酸のピークの面積比と濃度
比とで描いた検量線よりステアリン酸量を求め、全体の
ステアリン酸量より差引き秤量した強磁性粉の重量で割
り、さらに比表面積で割り、この値をステアリン酸の吸
着量とする(mg/m2)。
【0128】 ステアリルアミン吸着量:ステアリル
アミンをクロロホルムに溶解して濃度1000ppmの溶液を
調製する。30mlのナスフラスコに強磁性粉500mgを入
れ、上記溶液25mlを加えて、超音波を15分照射する。さ
らにこのフラスコを振盪機にかけ、300rpmで2時間室温
で振盪した後、磁石で上澄みが透明になるまで沈殿さ
せ、上澄液を採取する。
【0129】三菱化成製微量窒素分析装置TN−10型を
用い、予めステアリルアミンの濃度とN%の検量線をつ
くっておく。気化濃度800℃、900℃、cycle time 300se
cの条件下で、この上澄液を30μlとり、このときのN%
からステアリルアミンの濃度を求め、もとの溶液の濃度
から差引き、25mlの溶液に対する重量を求め、強磁性粉
の重量で割り、さらに比表面積で割り、この値をステア
リルアミン吸着量とする(mg/m2)。
【0130】 アルキルスルホン酸ナトリウム吸着
量:例えばC=14のアルキル基をもち、末端に−SO3
Naをもつアルキルスルホン酸ナトリウムをクロロホル
ムに溶解し、濃度6000ppmの溶液を調製する。30mlのナ
スフラスコに強磁性粉末500mgを秤量し、上記溶液25ml
を加えて超音波を15分間照射する。さらにこのナスフラ
スコを振盪機にかけ、300rpmで室温で3時間振盪した
後、磁石で上澄みが透明になるまで沈殿させ、上澄液5
mlをホールピペットで採取し、10mlのナスフラスコに入
れ、蒸発乾固する。一方、トリステアリルフォスファイ
トをクロロホルムに溶解して、内部標準液として濃度26
00ppmの溶液を調製する。この溶液5mlを上記10mlのナ
スフラスコ中の蒸発乾固物に加えてこれを溶解し、この
溶液50μlを点滴濾紙(理学電機製蛍光X線システム308
0用マイクロキャリーCN3379)に滴下し、乾燥させる。
これを蛍光X線システム3080にかけ、予め、内部標準液
をアルキルスルホン酸ナトリウムのPとSのX線強度比
と濃度比とで描いた検量線よりアルキルスルホン酸ナト
リウム量を求め、全体のアルキルスルホン酸ナトリウム
量より差引き秤量した強磁性粉の重量で割り、さらに比
表面積で割り、この値をアルキルスルホン酸ナトリウム
の吸着量とする(mg/m2)。
【0131】前記のようにして得られた試料について下
記の特性を測定し、表3にその結果を示した。
【0132】〈特性測定法〉 ・RFout,LumiS/N, chromaS/Nの測定。
【0133】ソニー製EV−A300デッキでシバソク製
ノイズメータ925Cを用い、RFout,LumiS/Nは7
MHz, chromaS/Nは500KHzの信号における値をリ
ファレンステープに対する値(dB)で表した。
【0134】・角形比 東栄工業(株)製の振動試料型磁束計を用い、Hmが5K
Oeのときの残留磁束密度を飽和磁束密度で除した値で
示した。
【0135】・走行耐久性 40℃、80%RH環境下でソニー製EV−A300デッキ中
を連続して再生させ、100時間走行させた後のRF出力
が、初回出力との差0.5dB以内のときOKとする。また
100時間たたずにストップした場合は、その時間を示し
た。
【0136】
【表3】
【0137】
【発明の効果】本発明の構成によって、角形比が大き
く、電磁変換特性が良好でかつ走行耐久性の大きな磁気
記録媒体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/047

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末をバインダ中に分散してなる磁
    性層を少なくとも1層有する磁気記録媒体において、磁
    性層の少なくとも1層に含まれる磁性粉末が強磁性金属
    粒子からなり、かつ該粒子表面殻層にアルミニウムを存
    在係数で特定されるアルミニウム量0.7〜3.0を含有し、
    更に前記少なくとも1層の磁性層にカルボキシル基及び
    /又はスルホ基を有する有機染料又は顔料を含有するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性粉末をバインダ中に分散してなる磁
    性層を少なくとも1層有する磁気記録媒体において、磁
    性層の少なくとも1層に含まれる磁性粉末が強磁性金属
    粒子からなり、かつ該粒子表面殻層に、存在係数で特定
    されるアルミニウム量0.5以上、同硼素量1.0以下、同ナ
    トリウム量0.1以下、同カルシウム量0.05〜0.50を含有
    することを特徴とする磁気記録媒体。
JP4344180A 1992-12-24 1992-12-24 磁気記録媒体 Pending JPH06195684A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8911663B2 (en) 2009-03-05 2014-12-16 Quebec Metal Powders, Ltd. Insulated iron-base powder for soft magnetic applications

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8911663B2 (en) 2009-03-05 2014-12-16 Quebec Metal Powders, Ltd. Insulated iron-base powder for soft magnetic applications

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