JP3481684B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3481684B2
JP3481684B2 JP19357794A JP19357794A JP3481684B2 JP 3481684 B2 JP3481684 B2 JP 3481684B2 JP 19357794 A JP19357794 A JP 19357794A JP 19357794 A JP19357794 A JP 19357794A JP 3481684 B2 JP3481684 B2 JP 3481684B2
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powder
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、さ
らに詳しくは、デジタル用記録媒体として好適で、表面
性に優れると共に、電磁変換特性および走行性に優れる
磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気記録媒体は、磁性粉末を微粉
末化させることにより、または、上層が磁性層であり、
下層が非磁性層であるところの、いわゆる重層構造にす
ることにより、高品質化を図ってきた。
【0003】しかしながら、前者の場合は、磁性粉末を
微粉末しただけであるので十分な性能が得られないし、
他方、後者の場合を開示するものとして特開昭63−1
87418号があるが、本発明者らの研究によれば、非
磁性粉末の特性を特定していないので、磁性層はあるい
は非磁性層形成用塗料における、磁性粉末あるいは非磁
性粉末の分散性を向上させることができず、またカレン
ダー工程におけるカレンダビリティーが低下し、その結
果として、磁気記録媒体の表面性を好ましい状態にする
ことができないし、デジタル用記録媒体として必要な優
れた電磁変換特性や走行性を有する磁気記録媒体を得る
のは困難であるということが明らかになった。
【0004】また、本発明者らは、単にα酸化鉄を主体
とする非磁性粉末を塗料中に含有させるだけでは塗料の
分散性と停滞安定性が低いために、これを重層構造とし
たとき充分に平滑な上層塗膜の形成が困難で、従って高
い電磁変換特性が得られず、走行耐久性も悪化するとい
う問題点を見い出した。
【0005】そこで、本発明者らは、α酸化鉄粉末自体
の表面と全体の組成に又は塗膜中に存在するα酸化鉄の
表面の組成に着目して、研究した結果、ある特定の組成
を満たすことによって前記問題を解決できることを見出
した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑み、デジタル用として好適な、表面性に優れると共
に、電磁変換特性及び走行性に優れた磁気記録媒体を提
供することを第1の目的とし、下層用塗料として分散性
と塗料の停滞安定性に優れ、ひいては平滑かつ走行耐久
性に優れた下層塗膜を有する磁気記録媒体を提供するこ
とを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の構成により達成される。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】1.非磁性支持体上に該非磁性支持体側か
ら順に、α酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末
を含有する層を上層として設けてなる磁気記録媒体であ
って、前記下層塗膜中のα酸化鉄粉末の表面を形成する
元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl
原子数1〜40、Si原子数1〜40、アルカリ土類元
素の原子数1〜30であり、且つ(1)前記下層が非磁
性層であること、又は(2)前記下層に含有されるα酸
化鉄粉末の形状が針状であることを特徴とする磁気記録
媒体。
【0016】2.非磁性支持体上に該非磁性支持体側か
ら順に、α酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末
を含有する層を上層として設けてなる磁気記録媒体であ
って、前記下層塗膜中のα酸化鉄粉末の表面を形成する
元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl
原子数1〜40、Si原子数1〜40、アルカリ土類元
素の原子数1〜30、Na原子数5未満であり、且つ
(1)前記下層が非磁性層であること、又は(2)前記
下層に含有されるα酸化鉄粉末の形状が針状であること
を特徴とする磁気記録媒体。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】本発明の参考例として、下記の参考発明を
挙げることができる。 (1)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
α酸化鉄粉末の全体組成における元素の重量比が、Fe
原子100重量部に対してAl原子0.05〜5重量
部、Si原子0.05〜5重量部であり、かつ該α酸化
鉄粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe原
子数100に対してAl原子数40以下、Si原子数1
〜60であることを特徴とする磁気記録媒体。 (2)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
α酸化鉄粉末の全体組成における元素の重量比が、Fe
原子100重量部に対してAl原子0.05〜2重量
部、Si原子0.05〜2重量部、P原子0.2〜5重
量部であり、かつ該α酸化鉄粉末の表面を形成する元素
の平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子
数10以下、Si原子数1〜40、P原子数1〜70で
あることを特徴とする磁気記録媒体。 (3)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
α酸化鉄粉末の全体組成における元素の重量比が、Fe
原子100重量部に対してAl原子0.05〜2重量
部、Si原子0.05〜2重量部、P原子0.2〜5重
量部、Na原子0.05重量部未満であり、かつ該α酸
化鉄粉末の表面を形成する元素の平均存在比率が、Fe
原子数100に対してAl原子数10以下、Si原子数
1〜40、P原子数1〜70、Na原子数5未満である
ことを特徴とする磁気記録媒体。 (4)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
α酸化鉄粉末の全体組成における元素の重量比が、Fe
原子100重量部に対してAl原子0.2〜5重量部、
Si原子0.2〜5重量部、アルカリ土類元素の原子
0.2〜5重量部であり、かつ該α酸化鉄粉末の表面を
形成する元素の平均存在比率が、Fe原子数100に対
してAl原子数1〜40、Si原子数1〜40、アルカ
リ土類元素の原子数1〜30であることを特徴とする磁
気記録媒体。 (5)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
α酸化鉄粉末の全体組成における元素の重量比が、Fe
原子100重量部に対してAl原子0.2 〜5重量
部、Si原子0.2〜5重量部、Na原子0.05重量
部未満、アルカリ土類元素の原子0.2〜5重量部であ
り、かつ該α酸化鉄粉末の表面を形成する元素の平均存
在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数1〜4
0、Si原子数1〜40、Na原子数5未満、アルカリ
土類元素の原子数1〜30であることを特徴とする磁気
記録媒体。 (6)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
下層塗膜中のα酸化鉄粉末の表面を形成する元素の平均
存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数40
以下、Si原子数1〜60であることを特徴とする磁気
記録媒体。 (7)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
下層塗膜中のα酸化鉄粉末の表面を形成する元素の平均
存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数10
以下、Si原子数1〜40、P原子数1〜70であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 (8)非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順に、α
酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含有する
層を上層として設けてなる磁気記録媒体であって、前記
下層塗膜中のα酸化鉄粉末の表面を形成する元素の平均
存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数10
以下、Si原子数1〜40、P原子数1〜70、Na原
子数5未満であることを特徴とする磁気記録媒体。 (9)前記上層に含有される強磁性粉末が強磁性金属粉
末であることを特徴とする前記(1)乃至(8)のいず
れかに記載の磁気記録媒体。 (10)前記下層が非磁性層であることを特徴とする前
記(1)乃至(9)のいずれかに記載の磁気記録媒体。 (11)前記上層の乾燥膜厚が0.05〜1.0μmで
あり、前記下層の乾燥膜厚が0.1〜3.0μmである
ことを特徴とする前記(1)乃至(10)のいずれかに
記載の磁気記録媒体。
【0021】以下、本発明の磁気記録媒体について詳述
する。 −磁気記録媒体の構成− 本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上(A)に、非
磁性支持体側から順にα酸化鉄を含有する層を下層
(B)、強磁性粉末を含有する層を上層(C)として設
けられた磁性層を有する。更に本発明の磁気記録媒体
は、下層(B)と上層(C)との間、又は非磁性支持体
(A)と下層(B)との間に、さらに磁性層及び/また
は非磁性粉末を含有する非磁性層を設けてもよい。例え
ば、下層(B)と上層(C)又は非磁性支持体(A)と
下層(B)との間に設けられる層は、複数の非磁性層か
ら形成されていても、また磁性層と非磁性層とを有する
複数の層から成り立っていても良い。
【0022】また本発明において前記上層の乾燥膜厚は
好ましくは0.05〜1.0μm、より好ましくは0.
10〜0.60μm、さらに好ましくは0.10〜0.
30μmである。また下層の乾燥膜厚は好ましくは0.
1〜3.0μm、好ましくは0.2〜2.0μmさらに
好ましくは0.5〜2.0μmである。
【0023】(A)非磁性支持体 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、
ポリカーボネート等のプラスチックなどを挙げることが
できる。
【0024】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0025】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜1
00μm、好ましくは4〜50μmであり、ディスクや
カード状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の
場合はレコーダー等に応じて適宜に選択される。
【0026】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。
【0027】また、非磁性支持体上の磁性層が設けられ
ていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の向
上、帯電防止および転写防止などを目的として、バック
コート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性支
持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0028】(B)下層 下層は、本発明のα酸化鉄粉末及びバインダーを含有す
る層であり、且つ(1)前記下層が非磁性層であるこ
と、又は(2)前記下層に含有されるα酸化鉄粉末の形
状が針状であることのほかは特に制限はなく、種々の方
法を用いて形成することができ、この下層にはその他の
成分を必要に応じて含有してもよい。そして本発明のα
酸化鉄としてはα−Fe2O3が好ましい。本発明にお
ける下層は、非磁性層であることが好ましい。ここで非
磁性層とは、本来の目的とする磁気記録に影響を与えな
い程度の磁性を意味する。
【0029】本発明においては、必要に応じて使用され
るその他の成分としては各種の公知の非磁性粉末を適宜
に選択して使用することができる。使用することのでき
る非磁性粉末としては、例えば、カーボンブラック、グ
ラファイト、TiO、硫酸バリウム、ZnS、MgC
、CaCO、ZnO、CaO、二硫化タングステ
ン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、MgO、Sn
、SiO、Cr、α−Al、Si
C、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、ザ
クロ石、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒化ホウ
素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タ
ングステン、チタンカーバイド、トリボリ、ケイソウ
土、ドロマイト等を挙げることができる。
【0030】これらの中で好ましいのは、カーボンブラ
ック、CaCO、TiO、硫酸バリウム、α−Al
、Cr等の無機粉末やポリエチレン等のポ
リマー粉末等である。
【0031】本発明の前記下層に含有されるα酸化鉄は
粉末の形状が針状であるα酸化鉄粉末を使用する。この
理由は、前記針状のα酸化鉄粉末を用いると、下層の表
面の平滑性を向上させることができ、その上に積層され
る上層の表面の平滑性も同時に向上させることができる
からである。
【0032】本発明のα酸化鉄粉末の球、針状のもの
は、長軸長としては、通常0.30μm未満のものがよ
く使用され、好ましくは0.20μm以下、特に好まし
くは、0.15μm以下のものが使用される。
【0033】前記本発明の針状α酸化鉄粉末の短軸長と
しては、通常0.10μm以下のものがよく使用され、
好ましくは0.08μm以下、特に好ましくは、0.0
6μm以下のものがよく使用される。
【0034】前記本発明の針状α酸化鉄粉末の軸比とし
ては、通常2〜20のものがよく使用され、好ましくは
5〜15、特に好ましくは、5〜10のものがよく使用
される。ここでいう軸比とは、短軸長に対する長軸長の
比(長軸長/短軸長)のことをいう。
【0035】前記本発明の針状α酸化鉄粉末の比表面積
としては、通常10〜250m/gのものがよく使用
され、好ましくは20〜150m/g、特に好ましく
は、30〜100m/gのものがよく使用される(こ
の比表面積については後に詳述する)。
【0036】前記範囲の長軸長、短軸長、軸比、および
比表面積を有するα酸化鉄粉末を使用すると、下層の表
面性を良好にすることができると共に、上層の表面性も
良好な状態にすることができる点で好ましい。
【0037】前記α酸化鉄粉末の下層中における含有量
としては、下層を構成する全成分の合計に対して50〜
99重量部、好ましくは、60〜95重量部、特に好ま
しくは、70〜95重量部である。α酸化鉄粉末の含有
量が前記範囲内にあると、下層および上層の塗膜表面の
状態を良好にすることができる点で好ましい。
【0038】本発明において、乾燥した下層塗膜中に存
在するα酸化鉄粉末の表面を形成する元素の平均存在比
率はXPS表面分析装置を用いてその値を測定する。
【0039】次にその方法について説明する。XPS表
面分析装置を以下の条件にセットする。 X線アノード;Mg 分解能 ;1.5〜1.7eV(分解能は清
浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定する) XPS表面分析装置としては、特に限定はなく、いかな
る機種も使用することが出来るが、本発明においては、
VG社製ESCALAB−200Rを用いた。
【0040】以下の測定範囲でナロースキャンを行い、
各元素のスペクトルを測定した。この時、データの取り
込み間隔は、0.2eVとし、目的とするピークが以下
に示す最低カウント数以上のカウントが得られるまで積
算することが必要である。
【0041】 ピーク 測定範囲 最低検出強度 (結合エネルギーeV) (カウント) C1s 305〜2 任意 Fe2p3/2 730〜700 60万 Na(KL2323) 280〜250 60万 オージェピーク 得られたスペクトルに対して、C1sのピーク位置が2
84.6eVになるようにエネルギー位置を補正する。
【0042】次に、VAMAS−SCA−JAPAN製
のCOMMON DATA PROCESSING S
YSTEM Ver.2.3(以下、VAMASソフト
と称する)上で処理を行うために、前記のスペクトルを
各装置メーカーが提供するソフトを用いて、VAMAS
ソフトを使用することができるコンピューターに転送す
る。そして、VAMASソフトを用い、転送されたスペ
クトルをVAMASフォーマットに転換した後、データ
処理を行う。
【0043】定量処理に入る前に、各元素についてCo
unt Scaleのキャリブレーションを行い、5ポ
イントのスムージング処理を行う。各元素のピーク位置
を中心として、次表に示す定量範囲でピークエリア強度
(cps*eV)を求める。以下に示した感度係数を使
用し、各元素の原子数を求める。原子数はFe原子数1
00に対する原子数に換算し定量値とする。
【0044】 元素 ピーク位置 定量範囲 感度係数 (B.E.:ev) (B.E.:ev) Fe 719.8付近 高B.E.側5eV, 10.54 低B.E.側7eV Na 264.0付近 高B.E.側2eV, 7.99 付近にある極小値, 低B.E.側6eV 上記元素以外については以下の条件で測定した。
【0045】
【表1】
【0046】〈試料準備方法〉上記測定をする前に媒体
(磁気テープ)の前処理を行う。
【0047】磁気テープからバインダー樹脂をプラズマ
低温灰化処理法で除去し磁性粒子を露出させる。処理方
法はバインダー樹脂は灰化されるが磁性粒子はダメージ
を受けない条件を選択する。例えば、以下に記す装置及
び処理条件で処理した後、配向処理された強磁性金属粉
末の表面を形成する元素の平均存在比率を測定した。
【0048】 装 置 ; 盟和商事 PL−850X 処理条件 ; FORWARD POWER 100W REFLECTED POWER 5W 真空度 10Pa 導入ガス種 Air 放電時間 1min 参考発明において、α酸化鉄粉末全体における元素の重
量比は、波長分散型蛍光X線分析装置(WDX)を用い
て、各元素の蛍光X線強度を測定した後、ファンダメン
タルパラメーター法(以下、FP法と称する。)に従い
算出して求める。
【0049】蛍光X線の測定には、理学電気(株)製の
WDXシステム3080を、以下の条件にて使用する。
【0050】X線管球 ;ロジウム管球 出力 ;50KV,50mA 分光結晶 ;LiF(Fe、Co、Ni、Nd、L
a、Y、Sr、Ca、Baに対して)、PET(Alに
対して)、RX−4(Siに対して)、RX−40(N
aに対して)、GE(Pに対して) アプソーバ/Al;1/1(Feのみ1/10) スリット ;COARSE フィルター;OUT PHA ;15〜30(Ai、Si、Na、Pに
対して)、10〜30(Fe、Co、Ni、Nd、L
a、Y、Sr、Ca、Baに対して) 計数時間 ;ピーク=40秒、バックグラウンド=4
0秒(ピーク前後の2点を測定) 尚、蛍光X線の測定を行うには、前記装置に限定される
ものではなく、種々の装置を使用することが出来る。
【0051】標準試料には、以下の8種類の金属化合物
を使用する。
【0052】標準試料1は、Analytical R
eference Materials intern
ational社製の合金SRM1219(Cを0.1
5重量%、Mnを0.42重量%、Pを0.03重量
%、Siを0.55重量%、Cuを0.16重量%、N
iを2.16重量%、Crを15.64重量%、Moを
0.16重量%、Vを0.06重量%を各々含有する)
である。
【0053】標準試料2は、Analytical R
eference Materials intern
ational社製の合金SRM1250(Niを3
7.78重量%、Crを0.08重量%、Moを0.0
1重量%、Coを16.10重量%、Alを0.99重
量%を各々含有する)である。
【0054】標準試料3は、磁性酸化鉄粉末(Mnを
0.14重量%、Pを0.15重量%、Sを0.19重
量%、Siを0.36重量%、Coを3.19重量%、
Znを1.26重量%、Caを0.07重量%、Naを
0.02重量%を各々含有する)である。
【0055】標準試料4は、強磁性金属粉末(Ndを
2.73重量%、Naを0.001重量%含有する)で
ある。
【0056】標準試料5は強磁性金属粉末(Srを0.
97重量%含有する)である。
【0057】標準試料6は強磁性金属粉末(Baを1.
40重量%,Caを0.40重量%含有する)である。
【0058】標準試料7は強磁性金属粉末(Laを2.
69重量%含有する)である。
【0059】標準試料8は強磁性金属粉末(Yを1.9
8重量%含有する)である。
【0060】前記標準試料1及び2における元素の重量
%は、メーカー供与のデータシートの値であり、前記標
準試料3から8における元素の重量%は、ICP発光分
析装置による分析値である。この値を以下のFP法の計
算における標準試料の元素組成値として入力する。FP
法の計算には、テクノス製のファンダメンタルパラメー
タソフトウェアVersion2.1を用い、次の条件
にて計算する。
【0061】試料モデル ;バルク試料 バランス成分試料;Fe 入力成分 ;測定X線強度(KCPS) 分析単位 ;重量% 算出された各元素の重量比は、Fe原子100重量%に
対する他の元素の重量%として換算し、定量値としたも
のである。
【0062】α酸化鉄粉末の表面における組成元素の平
均存在比率を求める方法は前述したが、補充すれば、次
の通りである。
【0063】α酸化鉄粉末の表面における組成中のF
e,Si,Al,Sr,Ca,Ba,Na各元素の平均
存在比率については、XPS表面分析装置を用いてその
値を求めた。
【0064】以下にその方法について説明する。先ずX
PS表面分析装置を以下の条件にセットする。 X線アノード;Mg 分離能 ;1.5〜1.7eV(分解能は、清浄な
Agの3d5/2ピークの半値巾で規定する。) なお、試料の固定には、いわゆる粘着テープは使用しな
い。XPS表面分析装置の機種としては、特に限定はな
く、種々の装置を使用することができるが、本願におい
ては、VG社製ESCALAB−200Rを用いた。
【0065】以下の測定範囲でナロースキャンを行い、
各元素のスペクトルを測定した。この時、データの取込
み間隔は0.2eVとし、表1に示す最低カウント数以
上のカウントが得られるまで積算した。
【0066】得られたスペクトルに対して、Cのピーク
位置が284.6eVになるようにエネルギー位置を補
正する。
【0067】次に、VAMAS−SCA−JAPAN製
のCOMMON DATA PROCESSING S
YSTEM Ver.2.3(以下、VAMASソフト
と称する)上で、データ処理を行うために、上記スペク
トルを各装置メーカーが提供するソフトを用いて、VA
MASソフトを使用することができるコンピュータに転
送する。
【0068】そして、VAMASソフトを用い、転送さ
れたスペクトルをVAMASフォーマットに変換した
後、以下のデータ処理を行う。
【0069】定量処理に入る前に、各元素についてCo
unt Scaleのキャリブレーションを行い、5ポ
イントのスムージング処理を行う。
【0070】定量処理は、次の通りである。各元素のピ
ーク位置を中心として下表に示す定量範囲でピークエリ
ア強度を求める。次に下表に示す感度係数を使用し、各
元素の原子数%を求めた。原子数%は、Fe原子数10
0に対する原子数に換算し定量値とした。
【0071】
【表2】
【0072】本発明においては、下層を構成するα酸化
鉄とは、その表面を形成する元素の平均存在比率が、A
l原子数1〜40、Si原子数1〜40、アルカリ土類
元素の原子数1〜30のα酸化鉄であり、更にNa原子
数5未満(0を含む)のものが好ましい。
【0073】
【0074】
【0075】ここで、上記α酸化鉄粉末の表面とは、X
PS表面分析装置(前述)を用いて分析可能な範囲を指
す。
【0076】更に本発明のα酸化鉄は、粉末全体組成に
おける元素の重量比が、Fe原子100重量部に対し
て、Al原子が0.05〜5重量部、Si原子が0.0
5〜5重量部であるもの又はAl原子0.5〜5重量
部、Si原子0.2〜5重量部、アルカリ土類0.2〜
5重量部であるものが好ましく、更にAl原子0.05
〜2重量部、Si原子0.05〜2重量部、P原子0.
2〜5重量部のものが好ましく、特にNa原子0.05
未満(0を含む)、更にAl原子0.2〜5重量部、S
i原子0.2〜5重量部、Na原子0.05未満(0を
含む)、アルカリ土類原子0.2〜5重量部であるもの
が好ましい。
【0077】本発明のα酸化鉄の製造方法は、その形状
に係わりなく同様な方法を採用でき、以下に好ましいα
酸化鉄の製造方法の代表例を説明する。
【0078】本発明における針状α酸化鉄(α−Fe
)粉末は、第一鉄塩とアルカリを混合した水懸濁液
に、酸化性ガスを吹き込むことによって得られるオキシ
水酸化鉄を出発原料とする。このオキシ水酸化鉄として
はα−FeOOHが好ましく、その製法としては、第一
鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)の水懸
濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状の
α−FeOOHとする製法がある。一方、第一鉄塩を炭
酸アルカリで中和してFeCOの水懸濁液とし、この
懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで紡錘状のα−FeOO
Hとする製法がある。本発明では後者の方法が適してい
る。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアル
カリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶
液を得、これを空気酸化等により酸化して得られるもの
であることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi
塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩、Mg塩等のアルカリ土
類元素の塩、Cr塩、Zn塩、リン化合物などを共存さ
せてもよく、このような化合物を適宜選択して用いるこ
とによって粒子形状(針状比)等を制御できる。第一鉄
塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄等が
好ましい。また、アルカリとしてはNaOH、NH
H(NHCO、NaCO等が好ましい。ま
たNi塩としては塩化ニッケル、Ca塩、Ba塩、Sr
塩、Mg塩としては各々、塩化カルシウム、塩化バリウ
ム、塩化ストロンチウム、塩化マグネシウム、Cr塩、
Zn塩としては各々塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が
好ましい。
【0079】次にAl、Siの導入について説明する。
第一の製法は前記スラリーにAl化合物および/または
Si化合物を含有する水溶液を添加し、攪拌混合する製
法である。このスラリーを十分にろ過、水洗、乾燥し、
非還元性雰囲気中で、300〜800℃の温度で加熱処
理し、α酸化鉄(α−Fe)粉末を得る。処理温
度が300℃未満では、α−FeOOHが脱水して生じ
たα酸化鉄(α−Fe)粉末中の空孔が多くな
り、その結果、α酸化鉄(α−Fe)の分散性が
劣化する。第二の製法は前記スラリーを十分に水洗して
乾燥し、非還元性雰囲気中で、300〜800℃の温度
で加熱処理し、α酸化鉄(α−Fe)粒子を得、
これを水溶液中に分散して水懸濁液とし、Al化合物お
よび/またはSi化合物を添加し攪拌混合する製法であ
る。この後ろ過、水洗、乾燥、粉砕、脱気等をすること
によりα酸化鉄(α−Fe)が得られる。Al化
合物としてはアルミン酸ナトリウム、メタルアミン酸ナ
トリウム等があり、Si化合物としてはケイ酸ナトリウ
ム等がある。
【0080】このような製法を用いてα酸化鉄(α−F
)粉末を請求項に示す範囲になるようにAl、
Si、P、アルカリ土類元素、Naの添加量を調整す
る。
【0081】Al原子、Si原子の全体組成における存
在量、表面での存在比率が請求の範囲外になるとα酸化
鉄(α−Fe)粉末とバインダーの接着性が確保
できないために分散性が劣化し、結果的に下層の平滑性
を劣化させて磁性層(上層)の平滑性をも低下させる。
また、アルカリ土類元素の原子、P原子、Na原子の全
体組成における存在量、表面での存在比率が請求の範囲
外になるとα酸化鉄(α−Fe)粒子の針状性が
悪くなる。例えば加熱処理時に焼結したり、枝分かれし
たり、また、針状性が低下することにより、分散性の悪
化、形状の不均一性による平滑性の低下となる。
【0082】本発明の下層に用いられるバインダーとし
ては、例えばポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル
共重合体等の塩化ビニル樹脂等が代表的なものであり、
これらの樹脂は−SO3M、−OSO3M、−COOM及
び−PO(OM12及びスルホベタイン基から選ばれた
少なくとも一種の極性基を有する繰り返し単位を含むこ
とが好ましい。
【0083】但し、前記極性基においてMは水素原子又
はNa、K、Li等のアルカリ金属を表し、またM
水素原子、Na、K、Li等のアルカリ金属又はアルキ
ル基を表す。
【0084】本発明の下層に用いられる、バインダーと
して次の樹脂を全バインダーの20〜80重量部の使用
量で併用することができる。
【0085】その樹脂としては、重量平均分子量が1
0,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキ
シ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルム
アミド樹脂、各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0086】本発明においては、下層の品質の向上を図
るために、研磨剤、潤滑剤、硬化剤、分散剤、帯電防止
剤及び導電性微粉末等の添加剤をその他の成分として含
有させることが出来る。
【0087】研磨剤としては、例えば特開平4−214
218号の段落番号0105に記載の公知の物質を使用
することが出来る。この研磨剤の平均粒子径は、通常
0.05〜0.6μmであり、好ましくは0.05〜
0.5μmであり、特に好ましくは0.05〜0.3μ
mである。この研磨剤の下層における含有量としては、
α酸化鉄100重量部に対して通常3〜20重量部であ
り、好ましくは5〜15重量部である。
【0088】潤滑剤としては、脂肪酸及び/又は脂肪酸
エステルを使用することが出来る。この場合、脂肪酸の
添加量は磁性粉末又は非磁性粉末に対して0.2〜10
重量部が好ましく、特に好ましくは0.5〜5重量部で
ある。脂肪酸と脂肪酸エステルとを併用して潤滑効果を
より高めたい場合には、脂肪酸と脂肪酸エステルは重量
比で10:90〜90:10が好ましい。脂肪酸として
は一塩基酸であっても二塩基酸であってもよく、炭素原
子数は6〜30個が好ましく、より好ましくは12〜2
4個である。
【0089】脂肪酸の具体例としては、特開平4−21
4218号の段落番号0102に記載の脂肪酸が、脂肪
酸エステルの具体例としては、同公報の段落番号010
3に記載の脂肪酸エステルが挙げられる。
【0090】また、前記脂肪酸、脂肪酸エステル以外の
潤滑剤としてそれ自体公知の物質を使用することが出
来、例えばシリコーンオイル、フッ化カーボン、脂肪酸
アミド、α−オレフィンオキサイド等を使用することが
出来る。
【0091】硬化剤としては、ポリイソシアネートを挙
げることが出来、ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート(TDI)等と活性水素
化合物との付加体等の芳香族ポリイソシアネートと、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と活性水
素化合物との付加体等の脂肪族ポリイソシアネートがあ
る。尚、前記ポリイソシアネートの重量平均分子量は、
100〜3,000の範囲にあることが望ましい。
【0092】分散剤としては、同公報の段落番号009
3に記載の化合物を挙げることが出来る。これらの分散
剤は、通常、磁性粉末又は非磁性粉末に対して0.5〜
5重量%の範囲で用いられる。
【0093】帯電防止剤としては、同公報の段落番号0
107に記載の界面活性剤を挙げることが出来る。この
帯電防止剤は、通常バインダーに対して0.01〜40
重量%の範囲で添加される。更に本発明においては、帯
電防止剤として導電性微粉末を好ましく用いることが出
来る。前記帯電防止剤としては、カーボンブラック、グ
ラファイト、酸化錫、銀粉、酸化銀、硝酸銀、銀の有機
化合物、銅粉等の金属粒子等、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、酸化チタン等の金属酸化物等の顔料を酸化錫皮膜又
はアンチモン固溶酸化錫皮膜等の導電性物質でコーティ
ング処理したもの等を挙げることができる。
【0094】前記導電性微粉末の平均粒子径としては、
5〜700nmであり、より好ましくは5〜200nm
である。この導電性微粉末の含有量としては、α酸化鉄
粉末100重量部に対して、1〜20重量部であり、好
ましくは2〜7重量部である。
【0095】(C)上層 上層は強磁性粉末を含有する層であることのほかは特に
制限はなく、種々の方法を用いて形成することができ、
バインダー及びその他の成分を含有しても良い。
【0096】本発明に用いられる強磁性粉末としては、
強磁性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、六方晶板状粉末等
を挙げることができる。
【0097】これらの中でも、後述する強磁性金属粉末
を好適に用いることができる。
【0098】前記強磁性酸化鉄粉末としては、γ−Fe
、Fe、または、これらの中間酸化鉄でF
eO(1.33<x<1.5)で表わされるものや、
Coが付加されたもので(コバルト変性)Co−FeO
(1.33<x<1.5)で表わされるもの等を挙げ
ることができる。
【0099】強磁性金属粉末としては、Fe、Coをは
じめ、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al
−Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca系、
Fe−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−Co
系、Fe−Ni−Si−Al系、Fe−Ni−Si−A
l−Co(又はCa)系、Fe−Ni−Si−Al−M
n系、Fe−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Al−
Si系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、F
e−Ni−Si系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Co−
Ni−P系、Ni−Co系、Fe、Ni、Co等を主成
分とするメタル磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙げられ
る。中でも、Fe系金属粉が電気的特性に優れる。
【0100】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe−Al系、Fe−Al−Ca系、Fe−Al−
Ni系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系、F
e−Ni−Si−Al−Co系、Fe−Co−Al−C
a系等のFe−Al系強磁性金属粉末が好ましい。
【0101】特に、本発明の目的に好ましい強磁性金属
粉末は、鉄を主成分とする金属磁性粉末であり、Al、
または、AlおよびCaを、Alについては重量比でF
e:Al=100:0.5〜100:20、Caについ
ては重量比でFe:Ca=100:0.1〜100:1
0の範囲で含有するのが望ましい。
【0102】Fe:Alの比率をこのような範囲にする
ことで耐蝕性が著しく改良され、またFe:Caの比率
をこのような範囲にすることで電磁変換特性を向上さ
せ、ドロップアウトを減少させることができる。
【0103】電磁変換特性の向上やドロップアウトの減
少がもたらされる理由は明らかでないが、分散性が向上
することによる保磁力のアップや凝集物の減少等が理由
として考えられる。
【0104】本発明の上層に用いられる強磁性粉末は、
その長軸径が0.30μm未満、好ましくは0.06〜
0.20μm、更に好ましくは0.06〜0.17μm
であることが好ましい。強磁性粉末の長軸径が前記範囲
内にあると、磁気記録媒体の表面性を向上させることが
できると共に電磁変換特性の向上も図ることができる。
【0105】結晶子サイズは100〜200Å、軸比は
4〜15である。
【0106】また、この本発明の強磁性粉末は、その保
磁力(Hc)が通常1200〜5,000 Oeの範囲
にあることが好ましい。この保磁力が1200 Oe未
満であると、電磁変換特性が劣化することがあり、また
保磁力が5,000 Oeを超えると、通常のヘッドで
は記録不能になることがあるので好ましくない。
【0107】また、前記強磁性粉末は、磁気特性である
飽和磁化量(σ)が通常、110emu/g以上であ
ることが好ましい。この飽和磁化量が110emu/g
未満であると、電磁変換特性が劣化することがある。さ
らにこの飽和磁化量が125emu/g以上であること
が望ましい。
【0108】さらにこの発明においては、記録の高密度
化に応じて、BET法による比表面積で30m/g以
上、特に、45m/g以上の強磁性金属粉末が好まし
く用いられる。
【0109】この比表面積ならびにその測定方法につい
ては、「粉体の測定」(J.M.Dallavell
e,Clyeorr Jr.共著、牟田その他訳;産業
図書社刊)に詳述されており、また「化学便覧」応用編
P1170〜1171(日本化学会編;丸善(株)昭和
41年4月30日発行)にも記載されている。
【0110】比表面積の測定は、例えば、粉末を105
℃前後で13分間加熱処理しながら脱気して粉末に吸着
されているもの除去し、その後、この粉末を測定装置に
導入して窒素の初期圧力を0.5kg/mに設定し、
窒素により液体窒素温度(−105℃)で10分間測定
を行なう。
【0111】測定装置はたとえばカウンターソープ(湯
浅アイオニクス(株)製)を使用する。
【0112】さらに好ましい強磁性金属粉末としては、
下記のものが代表的な例として挙げられる。 前記強磁性金属粉末が、その構成元素としてFe、A
l、及び、SmとNdとYとPrとからなる群より選択
される1種以上の希土類元素を含有するものである。 また、強磁性金属粉末が、その全体組成におけるF
e、Al、及び、SmとNdとYとPrとからなる群よ
り選択される1種以上の希土類元素の存在比率が、Fe
原子100重量部に対して、Al原子は2〜10重量部
であり、前記希土類元素は1〜8重量部であり、かつ、
その表面におけるFe、Al、及び前記希土類元素の存
在比率が、Fe原子数100に対して、Al原子数は7
0〜200であり、前記希土類元素の原子数は0.5〜
30であるものである。 強磁性金属粉末が、その構成元素として更にNa及び
Caを含有し、その全体組成におけるFe、Al、Sm
とNdとYとPrとからなる群より選択される1種以上
の希土類元素、Na及びCaの存在比率が、Fe原子1
00重量部に対して、Al原子は2〜10重量部であ
り、前記希土類元素は1〜8重量部であり、Na原子は
0.1重量部未満であり、Ca原子は0.1〜2重量部
であり、かつ、その表面におけるFe、Al、前記希土
類元素、Na及びCaの存在比率が、Fe原子数100
に対して、Al原子数は70〜200であり、前記希土
類元素の原子数は0.5〜30であり、Na原子数は
0.1〜30であり、Ca原子数は5〜30であるもの
である。 強磁性金属粉末が、その構成元素として更にCo、N
i及びSiを含有し、その全体組成におけるFe、C
o、Ni、Al、Si、SmとNdとYとPrとからな
る群より選択される1種以上の希土類元素、Na及びC
aの存在比率が、Fe原子100重量部に対して、Co
原子は2〜20重量部であり、Ni原子は2〜20重量
部であり、Al原子は2〜10重量部であり、Si原子
は0.3〜5重量部であり、前記希土類元素の原子は1
〜8重量部であり、Na原子は0.1重量部未満であ
り、Ca原子は0.1〜2重量部であり、かつ、その表
面におけるFe、Co、Ni、Al、Si、前記希土類
元素、Na及びCaの存在比率が、Fe原子数100に
対して、Co原子数は0.1未満であり、Ni原子数は
0.1未満であり、Al原子数は70〜200であり、
Si原子数は20〜130であり、前記希土類元素の原
子数は0.5〜30であり、Na原子数は0.1〜30
であり、Ca原子数は5〜30であるものである。
【0113】強磁性粉末を含有する上層が含有するバイ
ンダーは、下層で用いるバインダーと同様のものを用い
ることができる。
【0114】上層におけるバインダーの含有量として
は、強磁性粉末100重量部に対して、通常10〜40
重量部、好ましくは10〜30重量部である。
【0115】また、上層に含有できるその他の成分は下
層に含有できるものと同様のものを用いることができ
る。
【0116】潤滑剤の含有量としては、強磁性粉末に対
して、0.2〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量
%がより好ましい。
【0117】分散剤の含有量としては、強磁性粉末に対
して、0.5〜5重量%である。
【0118】導電性微粉末の含有量としては、磁性粉末
100重量部に対して、通常1〜20重量部であり、よ
り好ましくは、3〜15重量部である。
【0119】本発明にかかる磁気記録媒体は、磁性層の
塗設を下層が湿潤状態にあるときに行う所謂ウェット−
オン−ウェット塗布方式で塗設することが好ましい。こ
のウェット−オン−ウェット塗布方式は公知の重層構造
の磁気記録媒体の製造に使用される方法を適宜に採用す
ることが出来る。
【0120】例えば、一般的には磁性粉末、バインダ
ー、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等と溶媒とを
混練して高濃度磁性塗料を調整し、次いでこの高濃度磁
性塗料を希釈して磁性塗料を調整したあと、この磁性塗
料を非磁性支持体の表面に塗布する。前記溶媒として
は、例えば特開平4−21418号の段落番号0119
に記載の溶媒を用いることが出来る。これらの各種溶媒
は単独で使用することも出来るし、またそれらの二種以
上を併用することも出来る。
【0121】磁性層形成成分の混練にあたっては、各種
の混練分散機を使用することが出来る。この混練分散機
としては上記公報の段落番号0112に記載のものを挙
げることが出来る。
【0122】混練分散機のうち、0.05〜0.5KW
(磁性粉末1kgあたり)の消費電力負荷を提供するこ
との出来る混練分散機は、加圧ニーダー、オープンニー
ダー、連続ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミル
である。
【0123】また、塗料の塗布にあたっては、ウェット
−オン−ウェット塗布方式では、リバースロールと押し
出しコーターとの組み合わせ、グラビアロールと押し出
しコーターとの組み合わせ等も使用することが出来る。
更にはエアドクターコーター、ブレードコーター、エア
ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、ト
ランスファロールコーター、キスコーター、キャストコ
ーター、スプレイコーター等を組み合わせることが出来
る。
【0124】ウェット−オン−ウェット塗布方式におけ
る重層塗布においては、下層が湿潤状態のままで上層を
塗布を行うので、下層の表面(即ち、上層との境界面)
が滑らかになるとともに上層塗膜の表面性が良好にな
り、かつ上下層間の接着性も向上する。
【0125】この結果、特にデジタル用気記録媒体に要
求される性能を満たしたものとなる。またウェット−オ
ン−ウェット塗布方式により塗膜強度が向上し、耐久性
も十分となり、ドロップアウトも低減することで信頼性
も向上する。
【0126】次にカレンダリングにより表面平滑化処理
を行ってもよい。その後は、必要に応じてバーニッシュ
処理又はブレード処理を行ってスリッテイングされる。
【0127】表面平滑処理においては、カレンダ条件と
して温度、線圧力、コーティングスピード(C/S)等
を挙げることができ、本発明においては前記温度を50
〜140℃、前記線圧力を50〜1200kg/cm、
前記C/Sを20〜600m/分に保持することが好ま
しい。これらの範囲を外れると、磁気記録媒体の表面性
を良好な状態に保つことが困難になる。
【0128】
【実施例】以下の実施例によって本発明の構成、効果を
具体的に説明するが、以下に示す成分、割合、操作順序
は本発明の範囲に逸脱しない範囲において種々変更可能
であり、以下の実施例に限定されるものではないことは
言うまでもない。尚、以下の実施例において、「部」は
すべて重量部である。
【0129】下記組成を有する上層用磁性塗料及び下層
用塗料の各成分を、それぞれニーダー及びサンドミルを
用いて混練分散して上層用磁性塗料及び下層用塗料を調
製した。
【0130】 {上層用磁性塗料} 強磁性金属粉末 100部 A Fe Co Ni Nd Al Si Na 全体組成(重量部) 100 6 7 4 4 1 0.0001 表面組成(原子数比) 100 0 0 10 100 80 0.5 (長軸径0.10μm、σs135emu/g、BET比表面積55m2/g) スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 10部 (日本ゼオン(株)製 MR-110) スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂 10部 (東洋紡績(株)製、UR-8700) α-アルミナ(平均粒径0.15μm) 8部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部
【0131】 {下層用塗料} α酸化鉄粉末(α−Fe)(表3〜4に記載) 100部 スルホン酸カリウム基含有塩化ビニル系樹脂 12部 (日本ゼオン(株)製 MR-110) スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン樹脂 8部 (東洋紡績(株)製、UR-8700) α-アルミナ(平均粒径0.2μm) 5部 カーボンブラック(平均粒径15nm) 10部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 得られた上層用磁性塗料及び下層用塗料のそれぞれに、
ポリイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウ
レタン工業(株)製)5部を添加した。
【0132】(実施例A−1〜B−12及び比較例A−
1〜B−5)各表に示した、強磁性金属粉末を含有する
上述の上層用磁性塗料及び下層用塗料を用いて、ウェッ
ト−オン−ウェット方式で厚さ10μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に塗布した後、塗膜が未乾燥
であるうちに磁場配向処理を行ない、続いて乾燥を施し
てから、カレンダーで表面平滑化処理を行ない、各表に
示された厚さを有する下層及び上層を形成した。
【0133】更に、この下層及び上層が設けられた側と
反対側の前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの面
(裏面)に下記の組成を有する塗料を塗布し、この塗膜
を乾燥し、上述したカレンダー条件にしたがってカレン
ダー加工をすることによって、厚さ0.8μmのバック
コート層を形成し、広幅の原反磁気テープを得た。
【0134】 {バックコート層用塗料} カーボンブラック(ラベン1035)(平均粒径25nm) 40部 硫酸バリウム(平均粒径300nm) 10部 ニトロセルロース 25部 ポリウレタン系樹脂 25部 (日本ポリウレタン(株)製、N-2301) ポリイソシアネート化合物 10部 (日本ポリウレタン(株)製、コロネートL) シクロヘキサノン 400部 メチルエチルケトン 250部 トルエン 250部 こうして得られた原反磁気テープをスリットして、8m
m幅のビデオ用磁気記録媒体を作成した。この磁気記録
媒体につき、以下の評価を行った。その結果を表3〜4
に示した。
【0135】《評価》 〈下層塗膜に存在するα酸化鉄粉末の表面組成〉;本文
中の記載方法で測定した。 〈α酸化鉄粉末の全体組成〉;本文中の記載方法で測定
した。 〈α酸化鉄粉末の表面組成〉;本文中の記載方法で測定
した。 〈再生出力〉ソニー(株)製8ミリビデオカメラCCD
V−900により、9MHzでのRF出力(dB)を測
定した。 〈ヘッドクロッグ〉40℃・10%RHと20℃・20
%RHにおける100回繰り返し走行時に発生したヘッ
ドクローグ(ヘッド目詰まり)の回数(1回(1pas
s)ごとの平均)を示した。 〈表面粗さ:Ra〉タリステップ粗さ計(ランクテイラ
ホブソン社製)を用いた。スタイラスは2.5×0.1
μm、針圧を2mg、カットオフフィルターを0.33
Hz、測定スピード2.5μm/secの条件で測定し
た。 〈粘度〉B型年度計No.4ローターを用いて、塗料粘
度を測定した。
【0136】
【表3】
【0137】
【表4】
【0138】上記の表の結果から明らかな如く、本発明
が比較例に比して優れていることがわかる。
【0139】
【発明の効果】本発明による磁気記録媒体は、デジタル
用として好適な表面性に優れると共に、電磁変換特性及
び走行性に優れ、また下層用塗料として分散性と塗料の
停滞安定性に優れひいては平滑かつ走行耐久性に優れた
下層塗膜を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 彰 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 関 昭彦 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−182177(JP,A) 特開 平4−285726(JP,A) 特開 平6−338045(JP,A) 特開 平4−325915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/68 - 5/738

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順
    に、α酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含
    有する層を上層として設けてなる磁気記録媒体であっ
    て、 前記下層塗膜中のα酸化鉄粉末の表面を形成する元素の
    平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数
    1〜40、Si原子数1〜40、アルカリ土類元素の原
    子数1〜30であり、 且つ(1)前記下層が非磁性層であること、又は(2)
    前記下層に含有されるα酸化鉄粉末の形状が針状である
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】非磁性支持体上に該非磁性支持体側から順
    に、α酸化鉄粉末を含有する層を下層、強磁性粉末を含
    有する層を上層として設けてなる磁気記録媒体であっ
    て、 前記下層塗膜中のα酸化鉄粉末の表面を形成する元素の
    平均存在比率が、Fe原子数100に対してAl原子数
    1〜40、Si原子数1〜40、アルカリ土類元素の原
    子数1〜30、Na原子数5未満であり、 且つ(1)前記下層が非磁性層であること、又は(2)
    前記下層に含有されるα酸化鉄粉末の形状が針状である
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
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