JPH06193962A - 強制循環式自動風呂装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴室暖房も含めた入浴準備を行うことで、一
層快適なバスライフを提供する。 【構成】 風呂の強制循環路に暖房回路を接続し、風呂
シーケンスと同期して暖房回路への湯の通水を制御す
る。暖房回路を経由して浴槽に給湯し、浴槽水の循環加
熱が終了すると暖房回路のみを循環加熱する。こうし
て、風呂の沸き上がりと浴室暖房が完了するとブザーを
鳴動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は浴槽への自動給湯、追い
焚き、足し湯等を自動的に行う強制循環式自動風呂装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、強制循環式自動風呂装置は、
所定水位まで適温湯を浴槽に落し込む自動給湯機能と、
浴槽水を所定温度に維持するための追い焚き機能と、浴
槽水を所定水位に維持するための足し湯機能等を備え、
リモコンの自動運転スイッチを押すだけで自動給湯から
保温まで全て自動的に行われ、非常に使い勝手のよいも
のであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た自動風呂装置を備えた環境であっても、冬期には浴室
に入った時に寒いとか床が冷たいといった不満が残って
いた。従って、せっかく風呂の機能が優れているにもか
かわらず、入浴を楽しめないといったケースが生じてい
た。本発明の強制循環式自動風呂装置は上記課題を解決
し、浴室暖房も含めた入浴準備を行うことで一層快適な
バスライフを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の強制循環式自動
風呂装置は、浴槽水を循環加熱する循環加熱回路と、そ
の循環路を経由して浴槽に給湯する給湯回路とを備え、
浴槽への自動給湯、追い焚き、足し湯動作を所定の風呂
シーケンスに沿って行うと共に、上記循環路に浴室暖房
回路を接続する強制循環式自動風呂装置であって、上記
浴室暖房回路への流路を開閉する切換弁と、上記風呂シ
ーケンスと同期して上記浴室暖房回路への湯の通水を制
御する切換弁制御手段と、上記浴室暖房回路による浴室
暖房の完了を判断する暖房完了判断手段と、上記風呂シ
ーケンスによる沸き上がりと、上記浴室暖房の完了との
両方を待って、入浴準備完了を報知する報知手段とを備
えたことを要旨とする。

【０００５】また、本発明の第２の強制循環式自動風呂
装置は、上記第１の発明において、上記浴室暖房が完了
した後も、上記風呂シーケンスと同期して上記浴室暖房
回路への湯の通水を制御することを要旨とする。

【０００６】

【作用】上記構成を有する本発明の強制循環式自動風呂
装置は、風呂シーケンスに沿う自動給湯、追い焚き、足
し湯動作だけでなく、切換弁を制御することにより循環
路から浴室暖房回路へ湯が通水される。こうして風呂シ
ーケンスと同期して浴室暖房回路への湯の通水が制御さ
れ浴室も暖められる。そして、風呂の沸き上がりだけで
なく浴室暖房が完了した時点で入浴準備完了が報知され
る。この報知に基づいて浴室に入れば室内が暖かく快適
に入浴することができる。また、浴室暖房完了後も浴室
暖房回路への湯の通水を制御すれば、浴室内を暖かく保
つことができる。

【０００７】

【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の強制循環式自動風呂装置
の好適な実施例について説明する。図１は一実施例とし
ての強制循環式自動風呂装置の概略構成図である。強制
循環式自動風呂装置（以下、単に風呂装置と呼ぶ）は、
浴槽水を循環加熱する循環加熱部１０と、ガス燃焼によ
り加熱した温水を循環加熱部１０を経由して浴槽２に供
給する給湯部３０と、これらの動作および後述の切換弁
８を制御するコントローラ５０とからなる。

【０００８】循環加熱部１０は、浴槽水を循環させる釜
内循環路１１と、釜内循環路１１の途中に設けられバー
ナ１２により加熱される熱交換器１３と、熱交換器１３
の上流側循環路に設けられる水流スイッチ１４，循環ポ
ンプ１５と、循環ポンプ１５の上流側（循環方向上流
側）で流路を開閉する開閉弁１６と、開閉弁１６より上
流側で水圧を検出する圧力センサ１７と、循環水温を検
出するサーミスタ１８とを備える。また、熱交換器１３
の出口側には、加熱された湯の温度を検出するサーミス
タ１９が設けられる。釜内循環路１１は、往き配管６，
戻り配管７に接続され浴槽２と連通する。

【０００９】往き配管６，戻り配管７の途中には、暖房
回路２０が接続される。この暖房回路２０は、浴室の床
あるいは壁内に設けられる放熱コイルからなる。往き配
管６には切換弁（３方電磁弁を用いる）８が設けられて
暖房回路２０の入口端が接続され、戻り配管７には暖房
回路２０の出口端が接続される。この切換弁８は、コン
トローラからの制御信号により２通りの状態に切り換え
られる。つまり、循環加熱部１０からの湯が浴槽２に送
られる状態（図１の状態：以下風呂側と呼ぶ）と、暖房
回路２０に送られる状態（図２，図３の状態：以下暖房
側と呼ぶ）とに切り換えられる。

【００１０】給湯部３０は、冷水が供給される給水路３
１と、給水路３１に接続される熱交換器３２と、熱交換
器３２の下流側に接続される出湯路３３と、出湯路３３
を分岐して設けられる風呂給湯路３４，一般給湯路３５
とで流路を構成する。給水路３１には流量を検出する水
流センサ３６と、入水温を検出するサーミスタ３７が、
出湯路３３には流量を調整する流量制御弁３８と、出湯
温を検出するサーミスタ３９が設けられる。給水路３１
から導かれた冷水は、熱交換器３２を通過するときにバ
ーナ４０の燃焼熱により加熱され、流量制御と燃焼量制
御（図示しないガス比例制御弁による）とにより所定温
度となって送り出される。

【００１１】出湯路３３から分岐した風呂給湯路３４に
は、この流路の開閉を行う給水弁４１と、縁切り弁とし
てのホッパー４２と、強制加熱部１０からの逆流を防止
する逆止弁４３とを備え、強制加熱部１０に接続され
る。一方、出湯路３３から分岐した一般給湯路３５に
は、洗面所，シャワー等の給湯口に通じる外部給湯管４
が接続される。

【００１２】コントローラ５０は、全自動給湯制御，循
環加熱制御および暖房通水制御を司るもので、図示しな
い周知の算術論理演算回路を構成するＣＰＵ，ＲＡＭ，
ＲＯＭと、各種センサからの信号を入力する入力インタ
フェースと、各種のアクチュエータに駆動信号を出力す
る出力インタフェース等から構成される。尚、図中にお
いては、本発明の特徴と暖房通水制御に係る構成のみの
入出力関係を破線にて表している。

【００１３】このコントローラ５０には、遠隔操作用の
リモコン６０が接続される。リモコン６０は、温度やタ
イマ等の各種の設定を行う設定スイッチ６２，それらの
設定値等を表示する表示器６１，自動風呂運転スイッチ
６３のほか、浴室暖房を働かせる暖房スイッチ６４およ
びお知らせブザー６５等を備える。

【００１４】次に、全自動風呂運転および暖房運転制御
処理について説明する。図４は、コントローラ５０の実
行する全自動風呂・暖房制御ルーチンを表すもので、リ
モコン６０の暖房スイッチ６４が押されている状態で自
動運転スイッチ６３が押されたときに起動する。尚、暖
房スイッチ６４が押されていない場合には、以下の処理
において切換弁８は常に風呂側状態（図１の状態）に維
持される。

【００１５】本ルーチンが起動すると、まず切換弁８を
暖房側に切り換える（Ｓ１０）。そして給湯部３０によ
る燃焼制御により給湯を開始する（Ｓ１１）。給湯部３
０から供給される湯は、図３に示すように、循環加熱部
１０を経由して往き配管６，戻り配管７に送られるが、
切換弁８が暖房側に切り換えられているため、往き配管
６を流れる湯は途中で暖房回路２０に送られた後戻り配
管７に合流して浴槽２に送られる。こうして、暖房回路
２０を加熱しつつ浴槽２への給湯が行われ、所定の水位
に達すると（Ｓ１２）、給湯を停止する（Ｓ１３）。
尚、水位検出は、給湯の途中で開閉弁１６を一時的に閉
じて圧力センサ１７により検出する。

【００１６】続いて、切換弁８を風呂側に切り換えた後
（Ｓ１４）、循環加熱部１０による循環加熱制御により
浴槽水の追い焚きを開始する（Ｓ１５）。この場合、循
環流路は図１の矢印に示すように構成され、暖房回路２
０内には湯が流入しない。こうして設定温度にまで沸き
上がると（Ｓ１６）、切換弁８を暖房側に切り換える
（Ｓ１７）。従って、図２に示すように、浴槽２を迂回
したかたちで流路が構成され、暖房回路２０内の湯が循
環加熱される。

【００１７】こうして循環加熱が開始されて所定時間経
過すると（Ｓ１８）、循環加熱を終了する（Ｓ１９）。
つまり、暖房回路２０を所定時間循環加熱することで浴
室内が暖められたと判断している。こうして風呂の沸き
上げと浴室暖房とが完了すると、リモコン６０のお知ら
せブザー６５を鳴動して入浴準備完了を報知する（Ｓ２
０）。従って、この報知を待って浴室に入れば非常に気
持ちよく入浴することができる。

【００１８】続いて、快適な状態を維持するために、保
温（追い焚き），足し湯，暖房保温処理を行う（Ｓ２
１）。即ち、圧力センサ１７により水位を常時チェック
し、水位が低いときには所定水位にまで給湯（足し湯）
する。この場合、切換弁８は風呂側にして暖房回路２０
には通水しない。また、所定時間毎に（例えば１０分
毎）循環ポンプ１５により浴槽水を循環させて湯温を検
出し、湯温が低い場合には循環加熱回路１０を動作させ
て所定温度にまで追い焚きする。この追い焚きにより湯
温が所定温度にまで上昇すると、切換弁８を暖房側に切
り換え（図２の状態）、所定時間だけ暖房回路２０を循
環加熱する。つまり、浴槽水温が低下したことは浴室内
温度も低下しているとみなして、追い焚き終了時に浴室
暖房も行うのである。そして、暖房回路２０の加熱が終
了すると、再び水位チェック処理に移行する。

【００１９】こうしたステップ２１の処理が所定期間
（例えば、４時間）繰り返されたのち本ルーチンを終了
する（Ｓ２２）。尚、この期間設定は、家庭の状況や省
エネルギーを加味してリモコンにより任意に設定でき
る。従って、この間は風呂が沸き上げ状態に維持される
だけでなく浴室も保温されるため、いつ入浴しようと常
に快適である。特に、冬場では浴室に入るときに気温の
変化により高齢者が倒れるといったケースがあるが、本
実施例の風呂装置によれば、そうした事態もなくなる。

【００２０】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施例
では浴室暖房の完了を時間経過で判断しているが、この
時間をリモコンのタイマー設定により任意に調整できる
ようにしてもよい。また、浴室に設けられる風呂リモコ
ン（図示略）に温度センサを設けて、浴室温度を直接検
出して暖房完了を判断してもよい。更に、循環加熱回路
１０の戻り側温度と往き側温度（加熱後の温度）の温度
差が所定値以下にまで減少したとき暖房完了と判定して
もよい。これは、浴室温度が高いほど暖房回路２０の放
熱量が小さくなることを利用したものである。また、入
浴準備完了後の浴槽暖房を省略した構成や、選択できる
ようにしてもよい。更に、本実施例では暖房回路２０を
外部配管（往き配管６，戻り配管７）に接続している
が、風呂装置内に接続するようにしてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の強制循環
式自動風呂装置によれば、風呂の沸き上がりと浴室暖房
の両方が完了した時点で入浴準備完了が報知される。従
って、この報知に基づいて浴室に入れば室内が暖かく快
適に入浴することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】暖房回路を接続した強制循環式自動風呂装置の
概略構成図であり、浴槽水の追い焚き状態を表す。

【図２】暖房回路を接続した強制循環式自動風呂装置の
概略構成図であり、暖房回路の循環加熱状態を表す。

【図３】暖房回路を接続した強制循環式自動風呂装置の
概略構成図であり、浴槽への給湯状態を表す。

【図４】全自動風呂・暖房制御ルーチンを表すフローチ
ャートである。

【符号の説明】

２…浴槽、 ６…往き配管、 ７…戻り配管、 ８…切
換弁、１０…循環加熱部、 ２０…暖房回路、 ３０…
給湯部、５０…コントローラ、 ６０…リモコン、 ６
４…暖房スイッチ、６５…お知らせブザー。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽水を循環加熱する循環加熱回路と、
   その循環路を経由して浴槽に給湯する給湯回路とを備
   え、浴槽への自動給湯、追い焚き、足し湯動作を所定の
   風呂シーケンスに沿って行うと共に、上記循環路に浴室
   暖房回路を接続する強制循環式自動風呂装置であって、 上記浴室暖房回路への流路を開閉する切換弁と、 上記風呂シーケンスと同期して上記浴室暖房回路への湯
   の通水を制御する切換弁制御手段と、 上記浴室暖房回路による浴室暖房の完了を判断する暖房
   完了判断手段と、 上記風呂シーケンスによる沸き上がりと、上記浴室暖房
   の完了との両方を待って、入浴準備完了を報知する報知
   手段とを備えてなる強制循環式自動風呂装置。
2. 【請求項２】 上記浴室暖房が完了した後も、上記風呂
   シーケンスと同期して上記浴室暖房回路への湯の通水を
   制御することを特徴とする請求項１記載の強制循環式自
   動風呂装置。