JPH06192144A - メタクロレイン及びメタクリル酸の製造方法 - Google Patents

メタクロレイン及びメタクリル酸の製造方法

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JPH06192144A
JPH06192144A JP35796992A JP35796992A JPH06192144A JP H06192144 A JPH06192144 A JP H06192144A JP 35796992 A JP35796992 A JP 35796992A JP 35796992 A JP35796992 A JP 35796992A JP H06192144 A JPH06192144 A JP H06192144A
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聖午 渡辺
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仁 吉岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イソブチレン又は三級ブタノールを気相接触
酸化してメタクロレイン及びメタクリル酸を長期にわた
り安定かつ高収率で得る。 【構成】 式Moa Bib Fecdefgh
(式中、Mo,Bi,Fe及びOは夫々の元素を、Aは
Ni及び/又はCo、XはMg、Zn、Mn、Sn及び
Pbから、YはP、B、S、Te、Si、Se、Ge、
Ce、Nb、Al、Ti、Zr、W及びSbから,Zは
K、Na、Rb、Cs及びTlから選ばれた元素を示
す。但し、a,b,c,d,e,f,g及びhは特定さ
れた各元素の原子比を表す。)で表される触媒活性成分
を担体に担持した触媒を、反応管を管軸方向に2層以上
に分割した複数個の反応帯に、原料ガス入口部から出口
部に向かって担持量がより高くなるように充填してイソ
ブチレン又は三級ブタノールを気相接触酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イソブチレン又は三級
ブタノールを分子状酸素により気相接触酸化してメタク
ロレイン及びメタクリル酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イソブチレン又は三級ブタノール
を高温気相下で接触酸化してメタクロレイン及びメタク
リル酸を製造する際に用いられる触媒に関して、例えば
特開昭56−2926号公報、特開昭56−16134
1号公報、特開昭59−31727号公報、特開昭60
−28824号公報等数多くの提案がなされている。こ
れらは主として触媒を構成する成分及びその比率に関す
るものである。しかしながら、これらの公知の触媒を用
いて工業的にメタクロレイン及びメタクリル酸の製造を
実施する場合には種々の困難を伴う。
【0003】上記酸化反応は発熱反応であるため、触媒
層における蓄熱が大きい。工業的には目的生成物の生産
性を高める必要があるが、原料ガス中のイソブチレン又
は三級ブタノールの濃度を不用意に高めると、触媒層の
原料ガス入口部付近でホットスポット(局所的異常高温
帯)を生じ易い。一般に、ホットスポットが生じた場
合、逐次酸化が促進されることにより目的生成物収率が
低下することが多い。さらには、ホットスポットでは熱
負荷により触媒を変質劣化させてしまい、触媒寿命に多
大な悪影響を与えることもある。このため、原料ガス中
のイソブチレン又は三級ブタノールの濃度をある程度低
くするなど、反応条件にかなりの制約を受けているのが
現状である。
【0004】このホットスポットでの蓄熱を抑制するこ
とは工業的に高収率でメタクロレイン及びメタクリル酸
を製造する上でも、また、触媒の変質劣化を抑え長期間
にわたり安定した運転を可能とする上でも非常に重要で
ある。
【0005】ホットスポットの発生防止策として、発熱
の大きな部分、具体的には原料ガス入口部付近の触媒を
不活性担体で希釈する方法は公知である。一般に、固定
床多管型反応器にて当反応を実施する場合、通常外径3
〜10mm程度の大きさを有する成型触媒又は担持触媒
が用いられる。これらの触媒体と不活性担体をむらなく
均一に混合することは非常に困難である。各反応管ごと
に触媒の希釈むらが生じた場合、各反応管ごとに発熱挙
動も異なるため、安定した運転が極めて難しくなる。し
たがって、工業的見地からこの用法はあまり好ましいと
はいえない。
【0006】特開平3−200733号公報、同3−2
15441号公報及び同3−294238号公報には、
固定床多管型反応器を用いてイソブチレン又は三級ブタ
ノールを分子状酸素により気相接触酸化してメタクロレ
イン及びメタクリル酸を製造する方法において、触媒層
を分割して複数個の反応帯を設け、この複数個の反応帯
に、触媒構成元素の種類及び/又は比率及び触媒調製時
の焼成温度を変えることにより活性を調節した触媒を充
填して上記酸化反応を実施する方法が開示されている。
【0007】しかし乍ら、一般に、触媒構成元素の種類
及び/又は比率又は調製時の焼成温度の異なる触媒は、
活性だけでなく選択性、触媒寿命等種々の性質において
も異なった挙動を示す。したがって、構成元素の種類及
び/又は比率を変えることにより触媒の活性を調節する
ためには、目的生成物選択率及び触媒寿命をある程度犠
牲にせざるを得ない。したがって、この方法ではホット
スポットの発生防止策としてはある程度の効果が望める
ものの、工業的に長期間にわたり高収率でメタクロレイ
ン及びメタクリル酸を製造する方法としては好ましい手
法ではない。
【0008】また、特開昭51−127013号公報に
は、プロピレン又はイソブチレンから不飽和アルデヒド
及び不飽和カルボン酸を製造する方法において、本質的
に同一組成からなる担持触媒と成型触媒を組み合わせて
用いる方法が開示されている。しかし、担持触媒と成型
触媒の両方を用いることは触媒の製造を煩雑にするばか
りでなく、触媒コストをも著しく増大させることにな
り、結果的には目的生成物である不飽和アルデヒド及び
不飽和カルボン酸の製造コストを高める要因となる。し
たがって、この方法を工業的に用いることは好ましくな
い。以上、説明したように今迄に知られた触媒、反応手
段は充分とは言い難く、触媒製造工程及び目的生成物製
造工程の実用性の点で工業的見地から更に改良が望まれ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イソブチレ
ン又は三級ブタノールからメタクロレイン及びメタクリ
ル酸を有利に合成するための製造法の提供を目的として
いる。
【0010】
【課題が解決するための手段】本発明は、固定床多管型
反応器を用いてイソブチレン又は三級ブタノールを分子
状酸素により気相接触酸化してメタクロレイン及びメタ
クリル酸を製造する方法において、 (1)触媒として、一般式 Moa Bib Fecdefgh (式中、Mo,Bi,Fe及びOはそれぞれモリブデ
ン、ビスマス、鉄及び酸素を表し、Aはニッケル及び/
又はコバルト、Xはマグネシウム、亜鉛、マンガン、ス
ズ及び鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元
素、Yはリン、ホウ素、イオウ、テルル、ケイ素、セレ
ン、ゲルマニウム、セリウム、ニオブ、アルミニウム、
チタン、ジルコニウム、タングステン及びアンチモンか
らなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Zはカリ
ウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウム
からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。
但し、a,b,c,d,e,f,g及びhは各元素の原
子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦5,0.1
≦c≦5、1≦d≦12,0≦e≦10、0≦f≦1
0、0.01≦g≦3であり、hは前記各成分の原子価
を満足するのに必要な酸素原子数である。)で表される
複合酸化物からなる触媒活性成分を、不活性担体に担持
した担持触媒を使用し、 (2)各反応管内の触媒層を管軸方向に2層以上に分割
して設けた複数個の反応帯に、 (3)上記(1)の触媒において、担体単位重量に対す
る触媒活性成分の担持量を変更して調製した複数の担持
触媒を原料ガス入口部から出口部に向かって担持量がよ
り高くなるように充填することを特徴とするメタクロレ
イン及びメタクリル酸の製造方法である。
【0011】本発明において、触媒活性成分を構成する
元素の原料としては特に限定されるものではないが、通
常は酸化物又は強熱することにより酸化物になり得る塩
化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウ
ム塩又はそれらの混合物が用いられる。
【0012】本発明において、担体の種類については特
に限定はなく、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、
炭化ケイ素、ジルコニア、マグネシア、チタニア等の通
常の担体が用いられる。また、その形状についても特に
限定されるのもではなく、球状、円柱状、リング状、板
状等が挙げられる。
【0013】本発明において用いる触媒活性成分は、公
知の方法で調製される。一般に、不飽和アルデヒド及び
不飽和カルボン酸合成用触媒の触媒活性成分の調製法で
は、400〜600℃程度で熱処理する工程が含まれる
場合が多い。本発明では、このようにして得られた触媒
活性成分を担体に担持することにより担持触媒を製造し
ても良いし、また、熱処理前の触媒前駆体を担体に担持
した後、得られた担持体を該温度で熱処理することによ
り担持触媒を製造しても良い。
【0014】触媒活性成分を担体に担持する手段として
は特に限定されるものではなく、通常の含浸担持法、浸
漬担持法等が用いられる。また、担持量の比較的多いも
のを調製する場合、触媒活性成分又は触媒前駆体を液状
物に分散したスラリーを担体に付着させつつ、同時に該
液状物を気化蒸発させる方法が特に好ましい。ここで用
いられる液状物については特に限定はなく、水、アルコ
ール類、ケトン類、エステル類等加熱により容易に気化
蒸発し、かつ触媒に対して無害なものであれば良い。工
業的には水が特に好ましい。
【0015】スラリーを担体に付着させつつ同時に液状
物を気化蒸発させる方法としては例えば、回転している
ドラム内で流動状態にある担体に該スラリーを振りかけ
又は吹きつけにより付着させ、同時にドラムの外部から
加熱するかもしくは担体へ直接熱風又は赤外線等を照射
することにより該液状物を気化蒸発させる方法が容易に
実施でき好ましい。また、この方法による場合、用いら
れる担体の形状は板状等よりも球状の方が好ましい。
【0016】さらに、触媒活性成分層の比表面積、細孔
容積及び細孔分布を再現性良く制御したり、機械的強度
を高めたりするために、硫酸バリウム、硝酸アンモニウ
ム等の無機塩類、セルロース類、でんぷん、ポリビニル
アルコール、ステアリン酸等の有機物、シリカゾル、ア
ルミナゾル等の水酸化物ゾル、ウィスカー、ガラス繊
維、炭素繊維等の無機質繊維等を適宜添加しても良い。
【0017】本発明は、各反応管内の触媒層を管軸方向
に2層以上に分割して設けた複数個の反応帯に担体単位
重量に対する触媒活性成分の担持量を変更して調製した
複数の担持触媒を原料ガス入口部から出口部に向かって
担持量がより高くなるように充填する。
【0018】一般に、担体単位重量に対する触媒活性成
分の担持量の異なる担持触媒を同種の触媒活性成分及び
担体を用いて同様の方法で調製した場合、得られる担持
触媒の単位重量あたりの触媒活性は触媒活性成分含有量
の増加、すなわち担持量の増加に伴い増加する。また、
担持触媒における触媒活性成分層の厚みも担持量の増加
に伴い増加する。
【0019】本発明では、担持量の異なる複数の担持触
媒を反応管内の原料ガス入口部から出口部に向かって担
持量がより高くなるように充填する。すなわち、活性が
最も低く、触媒活性成分層の厚みが最も小さい担持触媒
を入口部に、活性が最も高く、触媒活性成分層の厚みが
最も大きい担持触媒が出口部に配置される。入口部で
は、反応物質であるイソブチレン又は三級ブタノール濃
度が高いため、反応頻度が高くなりやすい。この部分に
比較的活性の低い触媒を配置することにより、酸化反応
による発熱を抑制することができる。さらに、この部分
に触媒活性成分層の薄い触媒を配置することにより、触
媒の除熱を促進し、蓄熱を抑える効果も期待される。一
方出口部側に担持量の高い触媒を配置することによりプ
ロセス全体としての触媒活性及び触媒寿命は十分実用的
な水準にまで達する。
【0020】不活性担体に対する触媒活性成分の担持量
としては、不活性担体100重量部に対して触媒活性成
分を10〜400重量部担持するのが好ましい。詳しく
は、原料ガス入口部に配置される触媒では、不活性担体
100重量部に対して触媒活性成分を10〜200重量
部、原料ガス出口部に配置される触媒では、不活性担体
100重量部に対して触媒活性成分を100〜400重
量部程度担持するのが好ましい。
【0021】本発明において、反応管内の触媒層を管軸
方向に分割して設ける反応帯の数については、2〜4層
とすることが好ましい。反応帯の数を多くするほど、触
媒層の温度分布制御の効果は増すが、触媒の製造及び充
填が著しく煩雑になるため、4層を超える分割は好まし
くない。工業的には2〜4層に分割することにより十分
目的とする効果を得ることができる。また、分割比につ
いては、各層の触媒をいかなる担持量にするかによって
左右されるため一概に特定できず、全体として最適な活
性、選択率が得られるように適宜選択する。
【0022】本発明の、イソブチレン又は三級ブタノー
ルを分子状酸素により気相接触酸化して、メタクロレイ
ン及びメタクリル酸を製造するに際しては、イソブチレ
ン又は三級ブタノール対酸素のモル比は1:0.5〜3
が好ましい。原料のイソブチレン又は三級ブタノールは
不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。酸化に用
いられる分子状酸素は純酸素ガスでも良いが、工業的に
は空気が有利である。反応圧力は常圧ないし数気圧まで
用いられる。反応温度は200〜450℃の範囲が好ま
しい。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。説明文中の
「部」は重量部を意味し、また、分析はクロマトグラフ
ィーにより行った。反応用原料としてのイソブチレン又
は三級ブタノールの反応率、生成されるメタクロレイン
及びメタクリル酸の選択率及びΔTは以下のように定義
される。
【0024】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【0024】実施例1 水6000部に、パラモリブデン酸アンモニウム300
0部、硝酸セシウム165.6部、酸化スズ19.1
部、二酸化ケイ素85.1部、二酸化チタン1.1部及
び三酸化アンチモン103.2部を加え加熱撹拌した
(A液)。別に、水5000部に60%硝酸450部を
加え、均一にした後、硝酸ビスマス618.2部を加え
溶解した。これに硝酸第二鉄1430.2部、硝酸ニッ
ケル823.3部、硝酸コバルト2059.9部、硝酸
マグネシウム290.5部及び硝酸セリウム12.3部
を順次加え溶解した(B液)。A液にB液を加えスラリ
ー状とした後、加熱撹拌し水の大部分を蒸発させた。得
られたケーキ状物質を120℃で10時間乾燥した後、
500℃で5時間焼成し、24メッシュ以下に粉砕し
た。
【0025】こうして得られた触媒活性成分の組成は次
式で示される。 Mo12Bi0.9 Fe2.5 Ni2 Co5 Mg0.8 Sn0.1
Si1 Ce0.02 Ti0.01Sb0.5 Cs0.6X (式中、Mo,Bi,Fe,Ni,Co,Mg,Sn,
Si,Ce,Ti,Sb,Cs及びOはそれぞれモリブ
デン、ビスマス、鉄、ニッケル、コバルト、マグネシウ
ム、スズ、ケイ素、セリウム、チタン、アンチモン、セ
シウム及び酸素を表す。また、元素記号右部の数字は各
元素の原子比であり、Xは前記各成分の原子価を満足す
るのに必要な酸素原子数である。)水450部に得られ
た触媒活性成分300部及び平均直径10μm、平均長
さ約200μmのガラス繊維21部を混合し、均一なス
ラリー状にした(スラリーC)。直径5mmの球状アル
ミナ担体1000部を、回転しているドラム内で流動さ
せながら、該担体にスラリーCをスプレーを用いて徐々
に吹きつけ、同時にドラム外部からガスバーナーにより
加熱し、水分を気化蒸発させた。スラリーC全量の吹き
つけが終了した後、得られた担持体をさらに130℃で
3時間乾燥して触媒(1)を得た。
【0026】次に、水1200部に上記で得られた触媒
活性成分800部及び平均直径10μm、平均長さ約2
00μmのガラス繊維56部を混合し、均一なスラリー
状にした(スラリーD)。直径5mmの球状アルミナ坦
体1000部を、回転しているドラム内で流動させなが
ら、該担体にスラリーDをスプレーを用いて徐々に吹き
つけ、同時にドラム外部からガスバーナーにより加熱
し、水分を気化蒸発させた。スラリーD全量の吹きつけ
が終了した後、得られた担持体をさらに130℃で3時
間乾燥して触媒(2)を得た。
【0027】別に、水3000部に上記で得られた触媒
活性成分2000部及び平均直径10μm、平均長さ約
200μmのガラス繊維140部を混合し、均一なスラ
リー状にした(スラリーE)。直径5mmの球状アルミ
ナ坦体1000部を、回転しているドラム内で流動させ
ながら、該担体にスラリーEをスプレーを用いて徐々に
吹きつけ、同時にドラム外部からガスバーナーにより加
熱し、水分を気化蒸発させた。スラリーE全量の吹きつ
けが終了した後、得られた担持体をさらに130℃で3
時間乾燥して触媒(3)を得た。触媒(1),(2)及
び(3)の触媒活性成分の組成及び担体単位重量に対す
る触媒活性成分の担持量を表1に再記する。
【0028】直径25.4mmのステンレス製反応器の
原料ガス入口部に触媒(1)300mlを充填し、反応
器中央部に触媒(2)400mlを充填し、原料ガス出
口部に触媒(3)を500ml充填した。上記反応器入
口からイソブチレン5容量%、酸素12容量%、水蒸気
10容量%及び窒素73容量%の原料混合ガスを導入
し、反応温度345℃、空間速度1400hr-1で反応
を行った。結果を表2に示す。
【0029】比較例1 実施例1において、触媒(1)のみを1200ml充填
した外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に
示す。 比較例2 実施例1において、触媒(2)のみを1200ml充填
した外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に
示す。 比較例3 実施例1において、触媒(3)のみを1200ml充填
した外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に
示す。
【0030】実施例1及び比較例1〜3の結果から、触
媒(1)は活性が著しく低く、触媒(2)もやや低活性
であり、一方触媒(3)では活性は十分に高いが、反応
温度とホットスポット部温度の差(ΔT)が非常に大き
くなるため、選択率の低下が著しく、結局いずれにおい
ても合計単流収率が低いのに対し、これら触媒(1)、
(2)及び(3)を組み合わせた本発明の方法において
は目的とするメタクロレイン及びメタクリル酸が高収率
で得られることがわかる。
【0031】実施例2 表1に示す触媒活性成分組成及び担体単位重量に対する
触媒活性成分の担持量を有する触媒(4)及び(5)を
実施例1と同様にして調製した。直径25.4mmのス
テンレス製反応器の原料ガス入口部に触媒(4)400
mlを充填し、原料ガス出口部に触媒(5)800ml
を充填し、反応器入口から三級ブチルアルコール5容量
%、酸素12容量%、水蒸気10容量%及び窒素73容
量%の原料混合ガスを導入し、反応温度345℃、空間
速度1400hr -1で反応を行った。結果を表3に示
す。
【0032】比較例4 実施例2と同組成の触媒活性成分を用い、実施例2と同
様にして、触媒(6)を調製した。この触媒の担体単位
重量に対する触媒活性成分の担持量を表1に示す。実施
例2において触媒(6)のみを1200ml充填した外
は実施例2と同様に反応を行った。結果を表3に示す。 実施例3 表1に示す触媒活性成分組成及び担体単位重量に対する
触媒活性成分の担持量を有する触媒(7)及び触媒
(8)を実施例1と同様にして調製した。直径25.4
mmのステンレス製反応器の原料ガス入口部に触媒
(7)600mlを充填し、原料ガス出口部に触媒
(8)600mlを充填し、続いて、実施例1と同様に
して反応を行った。結果を表2に示す。
【0033】比較例5 実施例3において触媒(8)のみを1200ml充填し
た外は実施例3と同様に反応を行った。結果を表2に示
す。 実施例4 実施例3において、反応を5000時間まで長期にわた
って行った外は実施例3と同様にして反応を行った。結
果を表2に示す。 比較例6 比較例5において、反応を5000時間まで長期にわた
って行った外は比較例5と同様にして反応を行った。結
果を表2に示す。
【0034】実施例3、4及び比較例5、6の結果か
ら、本発明の方法によれば、ΔTが非常に低いため、触
媒活性の経時劣化が少なく、5000時間反応後でも活
性低下は非常に僅かであり、収率の低下はほとんどな
い。したがって、本発明の方法によれば、長期にわたり
安定した連続運転を行うことができる。
【0035】実施例5 実施例1と同様にして触媒(9)、(10)及び(1
1)を調製した。これらの触媒活性成分の組成及び担体
単位重量に対する触媒活性成分の担持量を表1に示す。
直径25.4mmのステンレス製反応器の原料ガス入口
部に上記触媒(9)300mlを充填し、反応器中央部
に上記触媒(10)400mlを充填し、原料ガス出口
部に上記触媒(11)500mlを充填し、続いて、実
施例1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0036】実施例6 実施例5において原料混合ガス中のイソブチレン及び窒
素の濃度をそれぞれ6容量%及び72容量%に変更した
外は実施例5と同様にして反応を行った。結果を表2に
示す。 比較例7 実施例5において、触媒(10)のみを1200ml充
填した外は実施例5と同様に反応を行った。結果を表2
に示す。
【0037】比較例8 実施例6において、触媒(10)のみを1200ml充
填した外は実施例6と同様に反応を行った。結果を表2
に示す。実施例5、6及び比較例7、8の結果から、本
発明の方法によれば、ΔTが低く抑えられるため、イソ
ブチレンの濃度を上げた場合の収率の低下が非常に少な
いことがわかる。 実施例7 実施例1と同様にして、触媒(12)及び(13)を調
製した。これらの触媒活性成分の組成及び担体単位重量
に対する触媒活性成分の担持量を表1に示す。直径2
5.4mmのステンレス製反応器の原料ガス入口部に上
記触媒(12)500mlを充填し、原料ガス出口部に
上記触媒(13)700mlを充填し、続いて、実施例
1と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0038】比較例9 実施例7において、反応器の原料ガス入口部に上記触媒
(13)700mlを充填し、原料ガス出口部に上記触
媒(12)500mlを充填した外は実施例7と同様に
して反応を行った。結果を表2に示す。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば(1)高収率で目的生産
物が得られ、(2)ホットスポット部における蓄熱を抑
制でき、(3)ホットスポット部における逐次酸化等の
副反応が抑制でき、(4)熱負荷による触媒の変質劣化
が防止できるなどの多大の効果により、安定かつ安全に
長期にわたり高収率でメタクロレイン及びメタクリル酸
を製造することができる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 47/22 7188−4H 57/055 B 8930−4H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定床多管型反応器を用いてイソブチレ
    ン又は三級ブタノールを分子状酸素により気相接触酸化
    してメタクロレイン及びメタクリル酸を製造する方法に
    おいて、 (1)触媒として、一般式 Moa Bib Fecdefgh (式中、Mo,Bi,Fe及びOはそれぞれモリブデ
    ン、ビスマス、鉄及び酸素を表し、Aはニッケル及び/
    又はコバルト、Xはマグネシウム、亜鉛、マンガン、ス
    ズ及び鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元
    素、Yはリン、ホウ素、イオウ、テルル、ケイ素、セレ
    ン、ゲルマニウム、セリウム、ニオブ、アルミニウム、
    チタン、ジルコニウム、タングステン及びアンチモンか
    らなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Zはカリ
    ウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウム
    からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。
    但し、a,b,c,d,e,f,g及びhは各元素の原
    子比を表し、a=12のとき、0.1≦b≦5,0.1
    ≦c≦5、1≦d≦12,0≦e≦10、0≦f≦1
    0、0.01≦g≦3であり、hは前記各成分の原子価
    を満足するのに必要な酸素原子数である。)で表される
    複合酸化物からなる触媒活性成分を、不活性担体に担持
    した担持触媒を使用し、 (2)各反応管内の触媒層を管軸方向に2層以上に分割
    して設けた複数個の反応帯に、 (3)上記(1)の触媒において、担体単位重量に対す
    る触媒活性成分の担持量を変更して調製した複数の担持
    触媒を原料ガス入口部から出口部に向かって担持量がよ
    り高くなるように充填して反応させることを特徴とする
    メタクロレイン及びメタクリル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 不活性担体100重量部に対する触媒活
    性成分の担持量が10〜400重量部であることを特徴
    とする請求項1のメタクロレイン及びメタクリル酸の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 反応帯の数が2〜4であることを特徴と
    する請求項1又は2のメタクロレイン及びメタクリル酸
    の製造方法。
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