JPH06191931A - アルミナ焼結体用組成物及びアルミナ焼結体 - Google Patents

アルミナ焼結体用組成物及びアルミナ焼結体

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JPH06191931A
JPH06191931A JP43A JP35712192A JPH06191931A JP H06191931 A JPH06191931 A JP H06191931A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 35712192 A JP35712192 A JP 35712192A JP H06191931 A JPH06191931 A JP H06191931A
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JP
Japan
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alumina
composition
sintered body
particles
alumina sintered
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JP43A
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English (en)
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Makoto Hayakawa
信 早川
Toshiharu Sato
俊治 佐藤
Shigeru Ando
茂 安藤
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温焼結の可能なアルミナ焼結体用組成物、
及びこれによって得られるアルミナ焼結体を提供する。 【構成】 アルミナ粒子の粒径、粗粒子を構成するα-
アルミナ結晶子の粒径、粗粒子と微粒子との配合比を変
化させて、アルミナ焼結体用組成物を調製し、これにフ
ラックスとしての炭酸マグネシウム、バインダとしての
PVAを添加し、更に、固形分濃度が78重量%となる
ように純水を加えて泥漿を作成した。そしてこの泥漿を
鋳型に注入し、生乾燥させた後に脱型し、これを160
0℃で焼成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的低温度で焼成が
可能であり、特にシリコンウェハの鏡面研磨用固定治具
(ラップ・ポリッシュ盤)を形成するに好適なアルミナ
焼結体用組成物、及びこの組成物から形成されるアルミ
ナ焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、比較的大型のアルミナ焼結体は鋳
込成形によって製造するのが有利である。この製造方法
を説明すると、アルミナ原料に例えば炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等のフラックス及びポリビニルアル
コール等のバインダを添加し、更に水を加えて固形分濃
度を80重量%程度に調整した泥漿とする。この泥漿を
型に流し込んで成形する(これを固形鋳込成形と称す
る)。次に型内で生乾きになった成形体(wet cake)を
脱型し、形状を整えて焼成する。そして焼成後に研削、
鏡面研磨して前記ラップ・ポリッシュ盤等の焼結体を得
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の鋳込成形を効率
良く行うためには、下記数1に示すアドック(Adock)
の式より比表面積を減少するか生充填率を低下する必要
がある。生充填率を低下すると焼成収縮が大きくなり、
大型品ではクラックが発生する確率が高まる。他の手段
として比表面積の小さい比較的粗いアルミナ粒子を、ア
ルミナ微粒子と混合して使用することが考えられる。し
かし、このようなアルミナ粗粒子を焼結させるには17
10℃以上の加熱が必要であった。
【0004】
【数1】
【0005】上記1710℃以上の加熱は、焼成コスト
の問題ばかりでなく、焼結しようとする成形品を載置す
る焼成用棚の変形の原因ともなる。即ち、この焼成用棚
も90%アルミナから構成されるセラミックス製であ
り、上記温度になると大きなクリープ変形を生じやすく
なる。このため、特に重量のある大型の焼結体を製造す
る際に、棚の変形を生じ、その変形に伴って焼結体も大
きく変形し、変形に抗しきれずに割れてしまう現象が多
発した。
【0006】前記焼成温度を低下させる方法として、微
粒子のアルミナのみで焼結体を作製する方法が知られて
いる。具体的には1μm以下のアルミナ微粒子のみを用
いる。アルミナの粒径は小さければ小さいほど焼成温度
を低くすることができる。しかし、このような組成物を
用いて調製した泥漿は、流動性が低いため成形体の充填
性が悪くまた可塑性に乏しいため脱型あるいは乾燥時に
亀裂が入りやすい。更に、焼成時の収縮も大きいため、
亀裂が入りやすくまた寸法精度が悪くなり、このため歩
留りも低下する等の問題点があった。
【0007】焼成温度を低下させる別の方法として、F
e3+、Cr3+等の金属イオンを含む酸化物、水酸化物、複
合酸化物、炭酸塩等の添加助剤を多量に加える方法も知
られている。しかし、例えば前記焼結体をラップ・ポリ
ッシュ盤に用いる場合には、製品であるシリコンウェハ
が上記金属イオンによって汚染される心配があった。ま
た、Mg2+、Ca2+をより多く添加する方法もあるが、鋳
込成形時の流動性が悪化し、成形が困難であった。
【0008】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、比較的低い温度で焼成の可能なアルミナ焼結体
用組成物及びこの組成物から形成されたアルミナ焼結体
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のアルミナ焼結体用組成物は、平均粒径1.0〜
5.0μmのアルミナ粗粒子20乃至80重量%と、粒
径1.2μm以下のアルミナ微粒子80〜20重量%と
の混合物であって、前記粗粒子が粒径1.2μm以下の
α-アルミナ結晶子から構成した。また本発明のアルミ
ナ焼結体は、前記本発明の組成物を焼結したものであ
る。
【0010】前記アルミナ粒子は単数又は複数の結晶子
によって構成されているが、粗粒子中には当然大きな結
晶子も存在している。そしてこのような粗粒子は、微粒
子に比較して比表面積が小さく化学的活性が小さいため
高い温度でなければ焼結し難い。本発明者等は、アルミ
ナ粗粒子を使用した場合に1710℃以上の焼結温度が
必要となる理由は、この粗粒子が粒径2μm以上の大き
なα-アルミナ結晶子を含有しているためであることを
見出し、粗粒子中のα-アルミナ結晶子の粒径を微細化
することによって本発明を完成させたものである。
【0011】本発明に用いるアルミナ粒子のうち粗粒の
ものは、平均粒径が1.0〜5.0μm、好ましくは2
〜3μmであり、且つこの粗粒子を構成するα-アルミナ
の結晶子径が1.2μm以下、好ましくは0.6〜0.
8μmである。上記平均粒子径が1.0μm未満の場合に
は前記泥漿とした場合比表面積が大きいため成形(着
肉)速度が低下し、成形体の充填性も悪くなり、また
5.0μmを超えた場合は粒子が粗すぎて緻密な焼成体
が得られなくなる。またα-アルミナの結晶子径が1.
2μmを超える場合は、焼成温度を低下することができ
ない。
【0012】一方、本発明に用いるアルミナ粒子のうち
微粒のものは、粒径が1.2μm以下、好ましくは1.
0乃至1.2μmである。この粒径が1.2μm以上の場
合には、焼成温度を低下することができずまた微粒子が
少ないため成形体の充填性も悪くなる。なおこのアルミ
ナ微粒子は1.2μm以下であるため、この微粒を構成
するアルミナの結晶子径も必然的に1.2μm以下とな
る。なお、本発明で用いるアルミナは、粗粒子及び微粒
子のどちらもα-アルミナが99.9重量%以上を占め
るものである。
【0013】上述の、結晶子径1.2μm以下のα-アル
ミナは、ギブサイト(Al(OH)3)、ベーマイト(Al
OOH)等のアルミナ水和物を800〜900℃で加熱
することによって生成することができる。即ち、アルミ
ナ水和物を加熱すると、先ず数10nm程度の結晶径の
アルミナ前駆体(γ-アルミナとの説あり)が生成し、
これが700〜800℃付近で相転移してα-アルミナ
となる。通常は更に1200℃程度まで加熱を継続して
結晶を成長させ、粒径数μmの単一結晶からなるα-アル
ミナとするが、本発明に係るα-アルミナはここ迄加熱
せずに途中で止める。このため結晶の成長も途中で停止
し、適度な微小結晶が集合した多結晶アルミナを得るこ
とができる。
【0014】なお、α-アルミナ結晶子径の測定は、粉
末X線回折により、コランダムの最強ピーク(hkl)=(11
3)について、deconvolution補正後の積分幅を求め、下
記シェラー(Scherrer)式により算出した(但し、λ:
Kα線の波長、β:積分幅、θ:回折角)。 Dhkl=λ/βcosθ
【0015】本発明のアルミナ焼結体用組成物は、前記
アルミナ粗粒子を20〜80重量%、好ましくは40〜
70重量%、前記アルミナ微粒子を80〜20重量%、
好ましくは60〜30重量%混合して調製する。上記粗
粒子が20重量%未満の場合若しくは微粒子が80重量
%を超える場合、または粗粒子が80重量%を超えるか
若しくは微粒子が20重量%未満の場合には、粒子の幾
何学的充填が悪くなるというファーネスらの報告(C.C.
Furnas Bur Miner Bull 307,74,1929)があり、成形体
の充填性が悪くなる。
【0016】本発明のアルミナ焼結体用組成物には、前
記アルミナ粒子の他に炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム等のフラックス及びポリビニルアルコール等のバイン
ダを適宜添加し、これに水を加えることによって前記泥
漿とすることができる。この泥漿を用いて鋳込成形を行
い、脱型、生乾燥、加工、焼成、焼成後の研削、鏡面研
磨を行うが、これらの工程は焼成温度を低下させる以外
は従来技術と変るところはない。
【0017】本発明の組成物から形成したラップ・ポリ
ッシュ盤によるウェハの研磨例を図1に示す。ラップ・
ポリッシュ盤1は治具2に取り付けられ、研磨用台板3
上に載置されたウェハ4の上面を回転しながら鏡面研磨
する。ウェハ4の直径は4〜8インチであり、この径に
合わせてラップ・ポリッシュ盤1の直径も変える必要が
ある。なお、研磨用台板3も本発明の焼結体によって形
成することが可能である。
【0018】
【作用】微細なα-アルミナ結晶子から構成されるアル
ミナ粗粒子をアルミナ微粒子と混合して用いることによ
り、低温で焼結可能となり、また泥漿とした場合生充填
率を向上させつつ、成形(着肉)速度を生産レベルに保
てる。
【0019】
【実施例】以下に本発明に基づく実施例及び比較例を説
明する。実施例1〜9、比較例1〜5 下記(表1)に示すように、アルミナ粒子の粒径、粗粒
子を構成するα-アルミナ結晶子の粒径、粗粒子と微粒
子との配合比を変化させて、本発明に基づくアルミナ焼
結体用組成物を調製した。ここにおいて、粗粒子の粒径
は平均粒径であり、α-アルミナ結晶子及び微粒子の粒
径は下記数2に示す粒径の平均値と標準偏差との合計の
D86(Dは、粒子直径分布を表し、86は、小さいほ
うから86%の位置を示す。)である。
【0020】
【表1】
【0021】
【数2】
【0022】上記組成物に対して、フラックスとしての
炭酸マグネシウムを0.25重量%、バインダとしての
PVAを0.6重量%添加し、更に、固形分濃度が78
重量%となるように純水を加えて泥漿を作成した。そし
てこの泥漿をφ200×20mmの鋳型に注入し、生乾
燥させた後に脱型し、これを1600℃で焼成した。こ
うして得られたアルミナ焼結体の相対密度及び収縮率を
同じく(表1)に示した。
【0023】(表1)から明らかなように、本発明に基
づくアルミナ焼結体用組成物を用いて作製した焼結体は
相対密度(加熱前の成形体密度で加熱後の焼結体密度を
除した値)が高い。このことは泥漿の流動性がよいため
生充填が良好に行われたことを意味している。また、従
来の焼成温度に比較して110℃も低い1600℃の温
度で焼成したにも拘らず、収縮率(加熱前の成形体容積
と加熱後の焼結体容積との差を、加熱前の成形体容積で
除した値)が低い。即ち、本発明に基づくアルミナ焼結
体用組成物を用いて作製した焼結体はラップ・ポリッシ
ュ盤等の用途に好適なものである。
【0024】
【発明の効果】以上に説明した如く本発明のアルミナ焼
結体用組成物を用いれば、従来の鋳込成形性等を低下さ
せることなく、焼成温度のみを100℃以上低下させて
本発明のアルミナ焼結体を得ることができる。従って、
焼成温度の低下による焼成用棚板の変形が殆どなくなる
ため、成形されるラップ・ポリッシュ盤等を大型化する
ことが可能となる。また、上記焼成用棚板盤の寿命が長
くなり、同時に、エネルギーの節約にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくラップ・ポリッシュ盤の使用例
を示す断面図
【符号の説明】
1…ラップ・ポリッシュ盤、2…治具、3…研磨用台
板、4…ウェハ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径1.0乃至5.0μmのアルミ
    ナ粗粒子20乃至80重量%と、粒径1.2μm以下の
    アルミナ微粒子80乃至20重量%との混合物であっ
    て、前記粗粒子は粒径1.2μm以下のα-アルミナ結晶
    子から構成されていることを特徴とするアルミナ焼結体
    用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物が焼結されてな
    ることを特徴とするアルミナ焼結体。
JP43A 1992-12-22 1992-12-22 アルミナ焼結体用組成物及びアルミナ焼結体 Withdrawn JPH06191931A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004188958A (ja) * 2002-11-26 2004-07-08 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 緻密質セラミックスシート及びその製造方法
JP2006273634A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Matsushita Electric Works Ltd アルミナ基板及びその回路形成方法
JP2007119334A (ja) * 2005-09-28 2007-05-17 Kyocera Corp アルミナ質焼結体及びこれを用いた処理装置用部材と処理装置ならびに試料処理方法
JP2008247672A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Toray Ind Inc セラミックス焼結体の製造方法

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