JPH0619175B2 - 軸受ブシュ、射出成形用型および軸受ブシュの製造方法 - Google Patents

軸受ブシュ、射出成形用型および軸受ブシュの製造方法

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JPH0619175B2
JPH0619175B2 JP6436889A JP6436889A JPH0619175B2 JP H0619175 B2 JPH0619175 B2 JP H0619175B2 JP 6436889 A JP6436889 A JP 6436889A JP 6436889 A JP6436889 A JP 6436889A JP H0619175 B2 JPH0619175 B2 JP H0619175B2
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博一 米田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、たとえば自動車のラックピニオン式パワー
ステアリング装置などに使用される軸受ブシュ、射出成
形用型および軸受ブシュの製造方法に関する。
従来の技術 第11図は、自動車のラックピニオン式パワーステアリ
ング装置の一部を示す。
第11図において、(1) は車体の左右方向にのびるシリ
ンダであり、その内側にラック(2) が通されている。図
示は省略したが、シリンダ(1) はギヤハウジングと一体
に形成されており、ラック(2) に形成された歯がギヤハ
ウジング内でピニオン軸のピニオンの歯とかみ合ってい
る。シリンダ(1) の端部に軸受ブシュ(3) がはめ止めら
れ、これにラック(2) が摺動自在に受けられている。
軸受ブシュ(3) は、内周面でラック(2) を受ける厚肉円
筒部(3a)の一端面外周部に薄肉円筒部(3b)が一体に形成
されたものであり、薄肉円筒部(3b)の内側に、ラック
(2) との間を密封するオイルシール(4) が圧入などによ
りはめ止められている。また、厚肉円筒部(3a)の外周面
に、シリンダ(1) との間を密封するOリング(5) が取付
けられている。
軸受ブシュ(3) は、現在のところ、金属で作られている
が、軽量化などの目的でプラスチック化の傾向にある。
発明が解決しようとする課題 上記の軸受ブシュ(3) のような円筒状の部品をプラスチ
ックの射出成形で製造する場合、1点ゲートで成形する
と歪が生じるので、多点ゲートで成形を行なう。第12
図および第13図はこのように多点ゲートで射出成形し
た従来の軸受ブシュ(3) の第11図A−A線およびB−
B線の断面図であり、薄肉円筒部(3b)の厚肉円筒部(3a)
の端面に複数のゲート部(6) を設けている。
ところが、このようにすると、厚肉円筒部(3a)から遠い
薄肉円筒部(3b)の部分はほぼ真円になる(第12図参
照)が、厚肉円筒部(3a)に近い薄肉円筒部(3b)の部分で
は、射出成形時の収縮によってゲート部(6) の外側に位
置する部分の内径が小さくなり(第13図参照)、真円
度が悪くなる。このため、ブシュ(3) の薄肉円筒部(3b)
とその内側のオイルシール(4) との間からオイルが洩れ
てしまうという問題が生じる。
この発明の目的は、上記の問題を解決した軸受ブシュ、
射出成形用型および軸受ブシュの製造方法を提供するこ
とにある。
課題を解決するための手段 この発明による軸受ブシュは、 厚肉円筒部の一端面外周部に薄肉円筒部が一体に形成さ
れ、薄肉円筒部側の厚肉円筒部の端面に射出成形時のゲ
ート部が円周方向に等間隔をおいて形成されているプラ
スチック製軸受ブシュにおいて、 薄肉円筒部の内周面のうち、ゲート部相互間の外側に位
置する部分に、背の低い突部が一体に形成され、ゲート
部の外側に位置する薄肉円筒部の内周面の部分の内径と
突部の部分の内径がほぼ等しくなっていることを特徴と
するものである。
この発明による射出成形用型は、 上記の軸受ブシュを製造するためのものであって、 軸受ブシュの薄肉円筒部側の厚肉円筒部の端面に対応す
る部分に、複数のゲートが円周方向に等間隔をおいて設
けられ、軸受ブシュの薄肉円筒部の内周面に対応する部
分のうち、ゲート相互間の外側に位置する部分に、浅い
凹部が形成されていることを特徴とするものである。
この発明による軸受ブシュの製造方法は、 上記の軸受ブシュを射出成形により製造する方法であっ
て、 軸受ブシュの薄肉円筒部側の厚肉円筒部の端面に対応す
る型の部分に、複数のゲートを円周方向に等間隔をおい
て設けるとともに、薄肉円筒部の内周面に対応する型の
部分のうち、ゲート相互間の外側に位置する部分に、浅
い凹部を形成しておき、これらの凹部に対応する軸受ブ
シュの薄肉円筒部の内周面に背の低い突部を一体に形成
し、ゲートの外側に位置する軸受ブシュの薄肉円筒部の
部分の射出成形時の収縮によって、このゲートの外側に
位置する薄肉円筒部の内周面の部分の内径と突部の部分
の内径がほぼ等しくなるようにすることを特徴とするも
のである。
作 用 軸受ブシュをプラスチックの射出成形により成形する
と、ゲート部の外側に位置する薄肉円筒部の部分が収縮
し、この部分の内径が小さくなるが、ゲート部相互間の
外側に位置する薄肉円筒部の内周面に突部が形成され
て、この部分の内径がはじめから小さくされているの
で、両方の部分の内径をほぼ等しくすることができる。
このため、軸受ブシュの薄肉円筒部全体の内径がほぼ均
一になり、薄肉円筒部とその内側にはめられるオイルシ
ールなどとの間からのオイル洩れのおそれがない。
実施例 以下、第1図〜第10図を参照して、この発明の実施例
を説明する。
第1図および第2図は第1実施例を示し、第11図〜第
13図のものと同じ部分には同一の符号を付している。
第1図は軸受ブシュ(3) の一部を、第2図はこのブシュ
(3) を射出成形により製造するための金型(10)の一部を
それぞれ示す。
第1図において、ブシュ(3) の薄肉円筒部(3b)の内周面
のうち、ゲート部(6) 相互間の外側に位置する部分に、
背の低い突部(11)が一体に形成されている。突部(11)
は、厚肉円筒部(3a)の端面から少し離れた部分と薄肉円
筒部(3b)の先端から少し離れた部分との間に形成され、
内側から見て略三角形状をなす。突部(11)の円周方向の
幅は、厚肉円筒部(3a)から遠くなるにつれて徐々に小さ
くなっている。また、突部(11)の高さも、厚肉円筒部(3
a)から遠くなるにつれて徐々に小さくなっている。な
お、突部(11)の高さの最大値は、たとえば約0.1mm程
度である。
第2図において、プシュ(3) の薄肉円筒部(3b)側の厚肉
円筒部(3a)の端面に対応する部分に、複数のゲート(12)
が円筒方向に等間隔をおいて形成されている。また、ブ
シュ(3) の薄肉円筒部(3b)の内周面に対応する部分の外
周面のうち、ゲート(12)相互間の外側に位置する部分
に、ブシュ(3) の突部(11)に対応する浅い凹部(13)が形
成されている。凹部(13)は外側から見て略三角形状をな
し、円周方向の幅はゲート(12)から遠くなるにつれて徐
々に小さくなっている。また、突部(11)の深さも、ゲー
ト(12)から遠くなるにつれて徐々に小さくなっている。
なお、凹部(13)の深さの最大値は、たとえば約0.1mm
程度である。
第2図の型(10)を用いて第1図のブシュ(3) を製造する
場合、加熱溶融したプラスチック材料をゲート(12)の部
分から型(10)のキャビティ内に射出充填し、これを冷却
固化させる。型(10)内に充填されたプラスチック材料の
一部は凹部(13)内に入り、この部分がブシュ(3) の薄肉
円筒部(3b)内周面の突部(11)となる。また、プラスチッ
ク材料が固化するときに、ゲート部(6)の外側に位置す
る薄肉円筒部(3b)の部分が収縮し、この部分の内径が小
さくなる。なお、この収縮の度合は、厚肉円筒部(3a)か
ら遠くなるほど小さくなる。ところが、ゲート部(6) 相
互間の外側に位置する薄肉円筒部(3b)の内周面に、厚肉
円筒部(3a)から遠くなるにつれて円周方向の幅と高さが
徐々に小さくなった突部(11)が形成されて、この部分の
内径がはじめから小さくされているので、薄肉円筒部(3
b)全体の内径をほぼ均一にすることができる。このた
め、ブシュ(3) の薄肉円筒部(3b)の内周面にオイルシー
ルをはめてこれをラックピニオン式パワーステアリング
装置に組込んだときに、薄肉円筒部(3b)とオイルシール
との間からのオイル洩れのおそれがない。
射出成形時の薄肉円筒部(3b)の収縮の状態は、ブシュの
材質、形状寸法、成形条件などによって変わり、これに
合わせて、薄肉円筒部(3b)全体の内径がほぼ均一になる
ように、突部(11)の形状、寸法などが変えられる。
第3図および第4図は第2実施例を示し、第1実施例の
ものと同じ部分には同一の符号を付している。
第2実施例の場合、突部(11)の円周方向の幅は厚肉円筒
部(3a)から遠くなるにつれて徐々に小さくなっている
が、高さは一定である。他は、第1実施例の場合と同様
である。
第5図および第6図は第3実施例を示し、第2実施例の
ものと同じ部分には同一の符号を付している。
第3実施例の場合、突部(11)は、厚肉円筒部(3a)の端面
に接するように形成されている。他は、第2実施例の場
合と同様である。
第7図および第8図は第4実施例を示し、第1実施例の
ものと同じ部分には同一の符号を付している。
第4実施例の場合、突部(11)は内側から見て長方形状ま
たは正方形状をなし、突部(11)の高さは厚肉円筒部(3a)
から遠くなるにつれて徐々に小さくなっているが、円周
方向の幅は一定である。他は、第1実施例の場合と同様
である。
第9図および第10図は第5実施例を示し、第4実施例
のものと同じ部分には同一の符号を付している。
第5実施例の場合、突部(11)の円周方向の幅および高さ
は一定である。他は、第4実施例の場合と同様である。
なお、本発明に使用するプラスチック材料としては、ガ
ラス繊維で強化したポリアミド系樹脂やポリブチレンテ
レフタレート樹脂などが好適に用いられる。
発明の効果 この発明によれば、上述のように、軸受ブシュの薄肉円
筒部の内径をほぼ均一にして、オイル洩れを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例の軸受ブシュの一部を取
除いて示す斜視図、第2図は第1図の軸受ブシュを製造
するための金型の一部を取除いて示す斜視図、第3図は
第2実施例の軸受ブシュの一部を取除いて示す斜視図、
第4図は第3図の軸受ブシュを製造するための金型の一
部を取除いて示す斜視図、第5図は第3実施例の軸受ブ
シュの一部を取除いて示す斜視図、第6図は第5図の軸
受ブシュを製造するための金型の一部を取除いて示す斜
視図、第7図は第4実施例の軸受ブシュの一部を取除い
て示す斜視図、第8図は第7図の軸受ブシュを製造する
ための金型の一部を取除いて示す斜視図、第9図は第5
実施例の軸受ブシュの一部を取除いて示す斜視図、第1
0図は第9図の軸受ブシュを製造するための金型の一部
を取除いて示す斜視図、第11図はラックピニオン式パ
ワーステアリング装置の軸受ブシュの部分を示す縦断面
図、第12図は従来のプラスチック製軸受ブシュを示す
第11図A−A線の断面図、第13図は従来のプラスチ
ック製軸受ブシュを示す第11図B−B線の断面図であ
る。 (3) ……軸受ブシュ、(3a)……厚肉円筒部、(3b)……薄
肉円筒部、(6) ……ゲート部、(10)……金型、(11)……
突部、(12)……ゲート、(13)……突部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 博一 大阪府大阪市中央区南船場3丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 横畠 浩之 大阪府大阪市中央区南船場3丁目5番8号 光洋精工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚肉円筒部の一端面外周部に薄肉円筒部が
    一体に形成され、薄肉円筒部側の厚肉円筒部の端面に射
    出成形時のゲート部が円周方向に等間隔をおいて形成さ
    れているプラスチック製軸受ブシュにおいて、 薄肉円筒部の内周面のうち、ゲート部相互間の外側に位
    置する部分に、背の低い突部が一体に形成され、ゲート
    部の外側に位置する薄肉円筒部の内周面の部分の内径と
    突部の部分の内径がほぼ等しくなっていることを特徴と
    する軸受ブシュ。
  2. 【請求項2】請求項(1) の軸受ブシュを製造するための
    射出成形用型であって、 軸受ブシュの薄肉円筒部側の厚肉円筒部の端面に対応す
    る部分に、複数のゲートが円周方向に等間隔をおいて設
    けられ、軸受ブシュの薄肉円筒部の内周面に対応する部
    分のうち、ゲート相互間の外側に位置する部分に、浅い
    凹部が形成されていることを特徴とする射出成形用型。
  3. 【請求項3】請求項(1) の軸受ブシュを射出成形により
    製造する方法であって、 軸受ブシュの薄肉円筒部側の厚肉円筒部の端面に対応す
    る型の部分に、複数のゲートを円周方向に等間隔をおい
    て設けるとともに、薄肉円筒部の内周面に対応する型の
    部分のうち、ゲート相互間の外側に位置する部分に、浅
    い凹部を形成しておき、これらの凹部に対応する軸受ブ
    シュの薄肉円筒部の内周面に背の低い突部を一体に形成
    し、ゲートの外側に位置する軸受ブシュの薄肉円筒部の
    部分の射出成形時の収縮によって、このゲートの外側に
    位置する薄肉円筒部の内周面の部分の内径と突部の部分
    の内径がほぼ等しくなるようにすることを特徴とする軸
    受ブシュの製造方法。
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JP4515824B2 (ja) 2004-05-27 2010-08-04 Ntn株式会社 高精度すべり軸受
JP2017019414A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 株式会社ジェイテクト ラックブッシュ

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