JPH0619131Y2 - 電線コネクタにおけるケーブル固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電線コネクタのコンタクトと、ケーブルとの結
線部に外力による悪影響の生じないようにケーブルをコ
ネクタに固定する電線コネクタにおけるケーブル固定装
置に関する。

［従来の技術］ コンタクトとケーブルの結線部分に外力が直接加わらな
いようにするため、ケーブルをクランプサドルで締付け
てコネクタに固定する事は公知である。

その固定方法は、一般にエンドベルの一端のケーブル取
り出し口側に複数個の貫通孔を有する突出片を対向させ
て設け、この突出片の上方には同数の貫通孔を有する弧
状をもったサドル、下方には貫通孔と同数のねじ孔を穿
った弧状のサドルを配し、更に上方のサドルの貫通孔は
突出片の貫通孔と対応させて下方のサドルのねじ孔に螺
合させて締付ける締付けねじ杆を前記上部のサドルの貫
通孔を通して、ねじ孔にねじ込んで、ケーブルを２つの
サドルで挾持して突出片に向けて締付け固定させる構造
となっている。

［考案が解決しようとする課題］ 従来のクランプ方法では、両サドルが弧状部の一点でケ
ーブルを押圧挾持する。従って挾持したケーブルは突出
片の間を左右に移動することがあり完全な挾持した固定
ではない。そのためコンタクトにケーブルを接続する場
合、コンタクトに張力がかかることもあり悪影響があ
る。さらに、塵埃等が入り易くなる等の欠点があった。
また、ケーブルを締付ける場合ねじ杆によって締付けて
いるためドライバー等の工具が必要であり、また作業に
時間がかかる等の欠点もある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は斯様な実情に鑑み、これ等の問題を解決するた
めに考案したもので、即ち一端挿入側を小径に内側に向
かって大径とした円錐面と、他端先端の内壁に複数個の
ラチェット爪を設けたクランプナットと、一端挿入口側
に間隔をおいて切欠溝を設け、これにより弾性をもたせ
た複数箇の係止片を周りに並設し、更に胴部に前記クラ
ンプナットのラチェット爪と噛合うラチェット歯を数条
設けたエンドベルによって構成され、前記クランプナッ
ト及びエンドベルを挿入口側から通したケーブルの外周
を、前記クランプナットの内壁の円錐面の挿込み移動で
エンドベルの係止片を縮小させて圧着挾持してラチェッ
ト歯とラチェット爪を噛合わせて係止しクランプするこ
とを特徴とした電線コネクタにおけるケーブル固定装置
で、クランプナット内壁の円錐面によってエンドベルに
設けたケーブルを囲む係止片で押圧挾持してクランプ
し、または解除するのであってクランプが簡単にでき、
また、エンドベル内に塵埃の入る事を防ぐ事を目的に提
供するものである。

［作用］ ケーブル８の先端をクランプナット１２の内壁の円錐面
１３側と、エンドベル１の一端係止片７，７側から係止
片７，７…内を通して先端をエンドベル１の他端側の絶
縁体５に設けた受栓に接続したのちクランプナット１２
をエンドベル１に沿って押込み移行させる。この押込み
による移行はクランプナット１２の内壁に成形した円錐
面１３が係止片７，７上をすべりながら徐々に係止片
７，７，７を押圧し、係止片７，７，７の端部を次第に
縮少しケーブル８を周りから圧着挾持してクランプナッ
ト１２に設けたラチェット爪１４を、これと噛合う位置
にあるエンドベル１のラチェット歯９にクランプナット
１２を回動してラチェット爪１４を噛合わせて係止しク
ランプする。

またクランプを解除する場合は前記クランプナット１２
を僅かに回わし噛合を解除すことで簡単に解除できる。

［実施例］ 次に本考案に係る電線コネクタにおけるケーブル固定装
置の一実施例を図面に基いて具体的に説明する。

１は合成樹脂で成形したエンドベルで、この一端には内
側に嵌合部２と周りの一部には相対して切欠溝３により
弾性をもたせた掛止体４を設け、前記嵌合部２内には受
栓を備えた絶縁体５の一部を嵌着して設け、更にエンド
ベル１の他端側には、周りに一定の間隔で切欠溝６を設
けて弾性をもたせた複数の係止片７を並行させて設け、
この係止片７の端縁部は内側に向け僅かに厚くしてあ
る。また係止片７，７，７の内側には後記ケーブル８の
端部を挿込み、このケーブル８の先端は分岐して受栓に
接続する。

またエンドベル１の胴部には一定の間隔で複数条（図面
では４条）のラチェット歯９を並設し、さらに、このラ
チェット歯９に隣接して後記カップリングナット１０の
移動を受止めるフランジ１ａを設けてある。

前記カップリングナット１０は先端の内側にねじ１０ａ
を螺設すると共に、このねじ１０ａに連設してフランジ
１１を内側に向けて設けてあって、このカップリングナ
ット１０は先ず相対した前記掛止体４，４を押して突出
掛止部４ａがカップリングナット１０のフランジ１１を
通り過ぎると弾性作用で掛止体４は復元することで突出
係止部４ａとフランジ１ａ間を移動するだけで抜出しを
防ぐようになっている。

１２はクランプナットで、このクランプナット１２は、
一端側（ケーブル８の挿入側）の内壁に、内部方向に行
くに従って大径とした円錐面１３を成形し、押込み方向
に進むに従って小径となって、前記係止片７，７…を押
圧するようにしてある。またクランプナット１２の他端
の先端側内壁には、前記エンドベル１の外周に設けた数
条のラチェット歯９と噛合うラチェット爪１４を設け、
クランプナット１２をエンドベル１に沿って押し進め移
動させ、ラチェット爪１４を噛合い位置にあるエンドベ
ルのラチェット歯９にクランプナット１２に回動を与え
て噛合わせて係止させるようにして作業を簡便にするよ
うにしてある。クランプナット１２は前記円錐面１３側
からケーブル８を挿込み、係止片７，７を夫々クランプ
ナット１２の円錐面１３で押圧することで係止片７，７
でケーブル８を周りから押圧挾持し圧着してクランプす
る。

［効果］ 本考案は上述のようにエンドベルの一端ケーブル挿入口
側に切欠溝により弾性をもたせた係止片を設け、さらに
クランプナットのケーブル挿入口側から内壁を内部に向
かって徐々に大径とした円錐面を形成する事により、ク
ランプナットをエンドベルに嵌合させて、クランプナッ
トを押し進める時クランプナット内壁の円錐面が係止片
上をすべり、この円錐面のすべりにより係止片は内側に
夫々押されるので係止片の内側にあって受栓に接続され
ているケーブルを内側に押される係止片が徐々に押圧さ
れる事になる。また、クランプナット先端部の内壁には
ラチェット爪が設けてあり、さらにエンドベル胴部の外
周には、前記ラチェット爪に噛合う複数条のラチェット
歯が設けてあり、従ってクランプナットを押込み移動し
クランプナットを僅かに回動することで噛合わせ係止し
クランプする事ができ、操作は簡単である。

また、エンドベルに設けた係止片をクランプナットの内
壁の円錐面で押圧することで、常時ケーブル周囲は均一
に力をうけ圧着保持されるのでコンタクトにかかる張力
が小さい。それに、クランプナットがエンドベルを覆う
形になっているためエンドベル内側に塵埃等が入る等の
トラブルを防ぐ事ができる。

更に先に述べたようにクランプナットを押圧する事のみ
でクランプナットとエンドベルが嵌合でき、さらにケー
ブルの締付けができるため、ドライバー等の工具が不要
になり、結線作業が簡単にかつ短時間でできる等の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る電線コネクタにおけるケーブル固定
装置の一実施例を示したもので、第１図は一部を断面し
たクランプ時の側面図、第２図はクランプ前の一部を断
面じた側面図、第３図はエンドベルの斜視図、第４図は
クランプナットの一部を断面した斜視図である。 １……エンドベル、１ａ……フランジ、２……嵌合部、
３……切欠溝、４……掛止体、４ａ……掛止部、５……
絶縁体、６……切欠溝、７……係止片、８……ケーブ
ル、９……ラチェット歯、１０……カップリングナッ
ト、１０ａ……ねじ、１１……フランジ、１２……クラ
ンプナット、１３……円錐面、１４……ラチェット爪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端ケーブル挿入側の周りにに間隔をおい
   て切欠溝を設けて弾性をもたせた複数箇の係止片を並設
   し、更に胴部に複数条のラチェット歯を軸線方向に設け
   たエンドベルと、一端ケーブル挿入側の内壁を小径に徐
   々に内部に向かって大径とした円錐面と、他端先端の内
   壁に前記エンドベル胴部のラチェット歯に噛合わせる複
   数条のラチェット爪を設けてエンドベルに嵌合させるク
   ランプナットとによって構成され、前記クランプナット
   及びエンドベルの一端挿入口側から通したケーブルの外
   周を、前記クランプナットの内壁の円錐面の挿込み移動
   でエンドベルの係止片を縮小させ圧着挾持してラチェッ
   ト歯とラチェット爪を噛合わせて係止しクランプするこ
   とを特徴とした電線コネクタにおけるケーブル固定装
   置。