JPH06189198A - Ｘ線診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はＸ線診断装置に関し、Ｉ．Ｉ．拡大
時の位置決めを容易かつ正確に行うことを目的とする。 【構成】 テレビモニタの画面上で拡大したい部位をマ
ークで表示し、このマークの位置によって寝台の予想移
動距離を計算し、マークで示された領域の予想拡大画像
を表示し、予想拡大画像が所望通りであった時、予想移
動距離を実距離として寝台の位置決めをするように構成
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＸ線診断装置に関し、特
にＸ線診断装置のイメージインテンシファイア拡大撮影
時の位置決めに関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、Ｘ線診断装置は、イメージインテ
ンシファイア（以下Ｉ．Ｉ．という）およびディジタル
画像処理に関する各技術の目覚ましい進歩によって、そ
の診断機能及び性能が著しく向上しつつある。

【０００３】Ｉ．Ｉ．は、Ｘ線を入射して光電子を放出
する性質を有するＣｓＩ等の素子の配列からなり、被検
者の体を透過したＸ線像を光の像（光学像）に変換増幅
する機能を有する。Ｉ．Ｉ．から出力される光学像はテ
レビカメラによってビデオ信号に変換され、ディジタル
画像処理された後テレビモニタに表示される。

【０００４】上記のような、Ｉ．Ｉ．と、テレビカメラ
と、ディジタル画像処理との組み合わせにより、Ｘ線診
断装置のＩ．Ｉ．拡大撮影が比較的容易にできるように
なった。

【０００５】しかし、Ｉ．Ｉ．拡大撮影においては、拡
大画像の中心は、Ｉ．Ｉ．が出力する光学像の中心、す
なわち、照射野（Ｘ線が被検者に照射される範囲）の中
心と一致するので、拡大したい部位を照射野の中心と一
致させるように、被検者２または寝台１の位置決めをす
ることが良好な画像を得るために極めて重要なことであ
る。

【０００６】従来のＸ線診断装置においては、上記のよ
うな位置決めを行うのは中々容易でなかった。そのた
め、位置決めを正確に行おうとすると時間がかかり過ぎ
て技師と患者の両方の負担になり、また、位置決めが不
正確であると、希望する部位が拡大画像の中に入らない
ため撮り直しとなったり、拡大画像がどの部位のもので
あるのか判別できなかったりするという不具合があっ
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のＸ線診
断装置の上記欠点を除去し、Ｉ．Ｉ．拡大撮影時の位置
決めを簡単かつ正確に行うことができるＸ線診断装置を
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によるＸ線診断装
置は、拡大撮影したい部位を、テレビモニタの画面上に
マークで表示する手段と、マークで指示された領域の予
想拡大画像を表示する手段と、テレビモニタの画面内に
おけるマークの位置座標に基づき、寝台の位置決めを行
う寝台位置決め手段とを備えて構成される。

【０００９】また、寝台位置決め手段は、テレビモニタ
の画面の中心とマークの中心との間の距離に基づき寝台
の移動距離を算定する手段と、算定された距離だけ寝台
を動かす手段とを備えて構成される。

【００１０】

【作用】上記構成により、マーク表示手段は、テレビモ
ニタの画面上に、枠等のマークを表示することができ、
このマークは操作卓からの操作によって画面内で移動自
由である。

【００１１】技師は、操作卓を操作して、テレビモニタ
の画面に表示されている通常画像（拡大されていない画
像）の中で拡大したい部位をマークで指定し、拡大モー
ドを指定する。

【００１２】拡大モードにおいては、寝台位置決め手段
は、枠の中心と画面の中心との距離に基づき予想寝台移
動距離を計算し、この計算結果を保持して位置決め実行
指示があるまで待機する。

【００１３】一方、拡大画像を表示する手段は、テレビ
モニタの子画面または別のテレビモニタの画面に、寝台
を上記予想寝台移動距離だけ動かしたと仮定した場合の
予想拡大画像を表示する。

【００１４】技師は、予想拡大画像を観察し、それが自
分の希望通りであったら、操作卓から位置決めの実行を
指示する。すると、寝台位置決め手段は、保持している
予想寝台移動距離を実移動距離とみなして寝台を移動す
る。

【００１５】技師は、もし、予想拡大画像が希望通りの
ものでないならば、拡大部位を指定し直し、上記の動作
を繰り返す。

【００１６】このようにして、拡大したい部位を照射野
の中心と一致させるための位置決めが正確に行われる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。

【００１８】図１は本発明によるＸ線診断装置の一実施
例を示す。

【００１９】図１において、寝台１の上に寝せられた被
検者２の上方にＸ線発生部３が配置される。Ｘ線発生部
３は、Ｘ線を発生するＸ線管球と、Ｘ線管球から発生さ
れたＸ線ビームの断面を所定の形状および大きさに整形
するＸ線絞りとからなる。

【００２０】Ｘ線発生部３から発生されたＸ線は、下方
に広がるＸ線線錐４を形成する。Ｘ線線錐４は、被検者
２を透過して、寝台１の下に配置されているＩ．Ｉ．６
に入射する。

【００２１】Ｉ．Ｉ．６は、被検者２の透過Ｘ線像を光
学像に変換、増幅する機能を有する。Ｉ．Ｉ．６から出
力される光学像は光学系（レンズ系）７を介してテレビ
カメラ８によって受像される。

【００２２】テレビカメラ８は、光学像を走査すること
によってビデオ信号を出力する。テレビカメラ８から出
力されるビデオ信号は、画像処理部９においてディジタ
ル信号に変換された後、画像メモリに格納される。

【００２３】画像処理部９は、拡大モードにおいて、操
作制御部１２からの拡大マーク位置座標Ｍに基づき、テ
レビモニタの画面上に表示する拡大マークデータを作成
すると同時に、後述するように、予想寝台移動距離を計
算しその計算結果を寝台位置制御部１３へ出力すると共
に、予想拡大画像データを作成しこれを表示部１０へ転
送する。

【００２４】寝台位置制御部１３は、画像処理部９で算
定された予想寝台移動距離を保持して待機し、操作制御
部１２から位置決め実行信号Ｐを受けると、寝台移動機
構１４に対して予想寝台移動距離を移動実行値として与
えると同時に寝台１の移動の実行開始を示す信号を送
る。

【００２５】寝台移動機構１４は寝台１に連結されたサ
ーボ機構を有し、寝台位置制御部１３から与えられる移
動実行値に従い、寝台１を前後方向および左右方向に動
かす機能を有する。

【００２６】表示部１０は、拡大画像を子画面に表示で
きる１つのテレビモニタ、または、通常画像と拡大画像
をそれぞれ表示する２つのテレビモニタを有する。テレ
ビモニタは通常画像と一緒に拡大マークを表示すること
ができる。

【００２７】操作制御部１２は、技師が操作卓により拡
大マーク表示の指示、拡大マークの画面上での移動を行
うと、画像処理部９に対して拡大マーク位置座標Ｍを出
力し、技師が位置決めの実行を指示すると、寝台位置制
御部１３に対して位置決め実行信号Ｐを出力する。

【００２８】図２は画像処理部９の構成を示す。図２に
おいて、テレビカメラ８からのビデオ信号はＡ／Ｄ変換
器２０によってＡ／Ｄ変換される。Ａ／Ｄ変換器２０か
らのディジタル信号は、拡大マーク発生部２１、画像メ
モリ２２、および、画像拡大演算部２３へ出力される。

【００２９】拡大マーク発生部２１は、操作制御部１２
からの拡大マーク位置座標Ｍに基づき、テレビモニタの
通常画像と一緒に拡大マークを表示させる。拡大マーク
としては、枠、矢印等種々考えられるが、図３の円形の
枠３２はその一例を示す。

【００３０】画像メモリ２２は、通常画像の１画面分の
画像データを格納する。画像メモリ２２に格納された画
像データは、Ｄ／Ａ変換器２５によってＤ／Ａ変換され
た後表示部１０へ送られ、テレビモニタの画面に通常画
像として表示される。

【００３１】画像拡大演算部２３は、拡大モード時に、
図３に示すように拡大マーク３２の中心３３とテレビモ
ニタ３０の画面の中心３１とを一致させたと仮定した場
合の拡大画像データ作成し、それを拡大後イメージメモ
リ２６に格納させる。

【００３２】拡大後イメージメモリ２６に格納された画
像データは、Ｄ／Ａ変換器２７によってＤ／Ａ変換され
た後、表示部１０へ出力される。表示部１０において
は、Ｄ／Ａ変換器２７の出力は、通常画像を現に表示し
ているテレビモニタの子画面か、あるいは、別のテレビ
モニタの画面に予想拡大画像として表示される。

【００３３】寝台移動量演算部２４は、拡大マーク発生
部２１から拡大マーク３２の中心位置３３の座標データ
を入力し、これに基づいて下記のように予想寝台移動量
の計算を行う。

【００３４】図３は、テレビモニタ３０に通常画像が表
示されており、部位３４を拡大撮影したいために、これ
を拡大マーク３２で囲んだところを示している。テレビ
モニタ３０の中心３１は、Ｉ．Ｉ．６の中心、すなわ
ち、照射野１１の中心と常に一致する。

【００３５】寝台移動量演算部２４は、拡大したい部位
３４と照射野１１の中心３１とを一致させるために寝台
１を動かさなければならない予想距離（矢印で示す）の
ＸおよびＹ方向成分を算出する。

【００３６】寝台移動量演算部２４によって計算され
た、寝台１の予想移動距離のＸおよびＹ方向成分は、寝
台位置制御部１３へ出力され、そこで一時格納される。

【００３７】以下、図１、２に示すＸ線診断装置の動作
の流れについて図４を用いて説明する。いま、図４
（Ａ）に示すような被検者２の胃３５の通常画像がテレ
ビモニタ３０に表示されているものとする。

【００３８】技師は、胃３５の左上部位３４を拡大撮影
したい場合、拡大モードにして拡大マーク３２を表示さ
せ、図４（Ｂ）に示すように拡大マーク３２でその部位
３４を囲むように操作する。

【００３９】すると、前述のように、画像拡大演算部２
３、拡大後イメージメモリ２６が動作して、予想拡大画
像が、図４（Ｃ）のように別のテレビモニタ３６、ある
いは図４（Ｄ）に示すようにテレビモニタ３０の子画面
３０’に表示される。

【００４０】上記予想拡大画像の表示と同時に、前述の
ように、寝台移動量演算部２４によって寝台１の予想移
動距離の計算が行われ、計算結果（Ｘ，Ｙ）が寝台位置
制御部１３へ送られる。寝台位置制御部１３はその計算
値を保持して位置決め実行信号Ｐが来るまで待機する。

【００４１】そこで、技師は、テレビモニタ３０に表示
された予想拡大画像を観察し、それが自分の所望通りで
あることを確認したら、操作卓で位置決めの実行を指示
する。それによって、操作制御部１２から寝台位置制御
部１３へ位置決め実行信号Ｐが送られ、その結果、寝台
移動機構１４が動作し、寝台１を左右方向にＸ、前後方
向にＹだけ動かす。

【００４２】寝台１の移動が完了すると、拡大撮影した
い部位はＸ線の照射野１１の中心部にあることになり、
従って、その部位が真ん中に明瞭に写った高画質の画像
が得られる。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るＸ線
診断装置によれば、テレビモニタにＩ．Ｉ．拡大したい
部位を表示すると共に、その部位をＸ線照射野の真ん中
に位置決めするために必要な寝台の予想移動量を計算す
ると共に、もしそのように寝台を移動したと仮定した時
の予想拡大画像を表示し、更に、上記予想移動量に従っ
て寝台を自動的に動かすようにしたので、Ｉ．Ｉ．拡大
撮影の際の位置決めを早く、容易にかつ正確に行うこと
ができるようになり、その結果、再撮影の頻度も減り、
Ｘ線撮影における技師および患者の負担が減少すると共
に患者の無駄な被爆も低減され、引いては、医師の診断
や手術の開始までに行われるＸ線写真撮影に要する時間
を短縮することができるから臨床検査の能率向上に寄与
するところ大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＸ線診断装置の全体構成を示す図
である。

【図２】図１の画像処理部９の構成を示す図である。

【図３】寝台移動量演算部２４の動作を説明するための
図である。

【図４】図１のＸ線診断装置の動作を説明するための図
である。

【符号の説明】

１ 寝台 ２ 被検者 ３ Ｘ線発生部 ４ Ｘ線線錐 ５ Ｘ線線錐の中心線 ６ Ｉ．Ｉ． ７ 光学系 ８ テレビカメラ ９ 画像処理部 １０ 表示部 １１ 照射野 １２ 制御部 １３ 寝台位置制御部 １４ 寝台移動機構 ２０ Ａ／Ｄ変換器 ２１ 拡大マーク発生部 ２２ 画像メモリ ２３ 画像拡大演算部 ２４ 寝台移動量演算部 ２５ Ｄ／Ａ変換器 ２６ 拡大後イメージメモリ ２７ Ｄ／Ａ変換器 ３０ テレビモニタ ３０’ 子画面 ３１ テレビモニタの中心 ３２ 拡大マーク ３３ 拡大マークの中心 ３４ 拡大したい部位 ３５ 胃 Ｍ 拡大マーク位置座標 Ｐ 位置決め実行信号

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 明 栃木県大田原市下石上1385番の１ 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 永井 清一郎 栃木県大田原市下石上1385番の１ 東芝メ ディカルエンジニアリング株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 拡大撮影したい部位を、テレビモニタの
   画面上にマークで表示する手段と、 前記マークで指示された領域の予想拡大画像を表示する
   手段と、 前記テレビモニタの画面内における前記マークの位置座
   標に基づき、寝台の位置決めを行う寝台位置決め手段と
   を備えることを特徴とするＸ線診断装置。
2. 【請求項２】 前記寝台位置決め手段は、前記テレビモ
   ニタの画面の中心と前記マークの中心との間の距離に基
   づき寝台の移動距離を算定する手段と、算定された距離
   だけ寝台を動かす手段とを備えることを特徴とする請求
   項１のＸ線診断装置。