JPH06188310A - ウェハダイシング方法、およびこの方法に用いる放射線照射装置ならびにウェハ貼着用粘着シート - Google Patents
ウェハダイシング方法、およびこの方法に用いる放射線照射装置ならびにウェハ貼着用粘着シートInfo
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- JPH06188310A JPH06188310A JP4341807A JP34180792A JPH06188310A JP H06188310 A JPH06188310 A JP H06188310A JP 4341807 A JP4341807 A JP 4341807A JP 34180792 A JP34180792 A JP 34180792A JP H06188310 A JPH06188310 A JP H06188310A
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Abstract
素子小片に分離し、粘着剤層に放射線を照射して該粘着
剤層の粘着力を低下させ、素子小片のピックアップを行
なうウェハダイシング方法において、粘着剤層に放射線
を照射するにあたり、粘着剤層にパターン状に放射線を
照射する。 【効果】 エキスパンディング工程において、所望のチ
ップ間隔を得ることが容易になり、過剰のエキスパンデ
ィングが不要になる。
Description
よびこの方法に用いる放射線照射装置ならびにウェハ貼
着用粘着シートに関する。
導体ウェハは大径の状態で製造され、このウェハは素子
小片に切断分離(ダイシング)された後に次の工程であ
るマウント工程に移されている。この際、半導体ウェハ
は予じめ粘着シートに貼着された状態でダイシング、洗
浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップ、マウン
ティングの各工程が加えられている。
からピックアップ工程に至る工程で用いられる粘着シー
トとしては、ダイシング工程から乾燥工程まではウェハ
チップに対して充分な接着力を有しており、ピックアッ
プ時にはウェハチップに粘着剤が付着しない程度の接着
力を有しているものが望まれている。
0−196,956号公報および特開昭60−223,
139号公報に、基材面に、光照射によって三次元網状
化しうる、分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少な
くとも2個以上有する低分子量化合物からなる粘着剤を
塗布した粘着シートが提案されている。これらの提案
は、放射線透過性の基材上に放射線硬化性粘着剤を塗布
した粘着テープであって、その粘着剤中に含まれる放射
線硬化性化合物を放射線照射によって硬化させ粘着剤に
三次元網状化構造を与えて、その流動性を著しく低下さ
せる原理に基づくものである。
は、特にエキスパンディング工程において次のような問
題点がある。エキスパンディング工程は、ダイシングさ
れた素子小片(チップ)の間隔を広げ、チップのピック
アップを容易にする工程である。従来のウェハ貼着用粘
着シートを用いると、ウェハが貼着された部分の伸び率
(拡張率)と、ウェハが貼着されていない部分の拡張率
との間に差があるため、所望のチップ間隔を得るのが困
難であった。すなわち、ウェハが貼着された部分の拡張
率は、ウェハが貼着されていない部分の拡張率に比べて
小さいため、エキスパンディング工程において、ウェハ
が貼着されていない部分が優先的に伸長されてしまい、
ウェハが貼着された部分があまり伸びず、充分なチップ
間隔を得るためには、過剰にエキスパンドすることが必
要であった。また上記のような問題点があるため、用い
られる基材についても限定される場合があった。
えば特開平2−265,258号公報には、ウェハが貼
着される基材表面部分にのみ粘着剤を塗布し、かつ該部
分にのみ紫外線照射を行なえるダイシング装置が開示さ
れている。しかしながらこの方法では工程数が多く、ま
たその効果も充分であるとはいえなかった。
は、シート状基材上に放射線硬化型アクリル系粘着剤を
設け、放射線照射により粘着剤層をパターン状に硬化さ
せてなる半導体ウェハ固定用粘着シートが開示されてい
る。該公報の記載によれば、放射線の照射をウェハの貼
付に先立って行っており、後述するような本願発明とは
プロセスが全く異なっている。
みて鋭意研究を続けた結果、ウェハが貼着された部分に
おける粘着剤層の硬化を部分的に行なえば、ウェハが貼
着された部分の伸び率の大幅な低下を防げるため、過剰
なエキスパンドを行なうことなく、所望のチップ間隔が
得られることを見出した。
てなされたものであって、ウェハが貼着された部分の拡
張率とウェハが貼着されていない部分の拡張率との差に
起因するエキスパンディング工程における上記問題点を
解決することを目的としている。また本発明は、上記問
題点を解決することにより、基材の材料マージンを広げ
ることを目的としている。
基材と、放射線が照射されると粘着力が低下する粘着剤
層とを備えたウェハ貼着用粘着シートの粘着剤層上に貼
着されたウェハを切断して素子小片に分離し、粘着剤層
に放射線を照射して該粘着剤層の粘着力を低下させ、該
シートを拡張して素子間隔を拡張し、素子小片のピック
アップを行なう際に、粘着剤層に放射線を照射するにあ
たり、貼着されたウェハと略同一形状となるように、ウ
ェハが貼着されている粘着剤層部分にパターン状に放射
線を照射し、ウェハが貼着されていない粘着剤層部分に
は全面に放射線を照射することを特徴としている。
方法は、具体的には、以下の本発明に係る放射線照射装
置あるいはウェハ貼着用粘着シートを用いることにより
実施することができる。
放射線が照射されると粘着力が低下する粘着剤層とを備
えたウェハ貼着用粘着シートの粘着剤層上に貼着された
ウェハを切断して素子小片に分離し、粘着剤層に放射線
を照射して該粘着剤層の粘着力を低下させ、該シートを
拡張して素子間隔を拡張し、素子小片のピックアップを
行なうウェハダイシングに用いる放射線照射装置であっ
て、該装置の放射線発生部と、ウェハ貼着用粘着シート
の基材との間に、貼着されたウェハと略同一形状のパタ
ーン状の放射線減衰部を備えたフィルターが設けられて
なることを特徴としている。
基材と、この上に設けられた放射線硬化性粘着剤層とか
らなり、該基材の少なくとも一方の面上に、パターン状
の放射線減衰部が設けられてなることを特徴としてい
る。
グ方法およびこのダイシング方法に用いられる放射線照
射装置ならびにウェハ貼着用粘着シートについてさらに
具体的に説明する。
ては、基材と、放射線が照射されると粘着力が低下する
粘着剤層とを備えたウェハ貼着用粘着シートが用いられ
る。この粘着剤層は放射線が照射されると重合硬化し、
粘着力が低下するため、貼着された素子小片等のピック
アップが容易に行なえる。
を粘着剤層上に貼着後、公知の方法により、素子小片に
切断分離する。次いで、粘着剤層に放射線を照射して該
粘着剤層の粘着力を低下させ、該シートを拡張して素子
間隔を充分に拡張し、素子小片のピックアップを行な
う。本発明においては、粘着剤層に放射線を照射するに
あたり、ウェハが貼着されている粘着剤層部分に、貼着
されたウェハと略同一形状となるように、パターン状に
放射線を照射し、ウェハが貼着されていない粘着剤層部
分には全面に放射線を照射する。
ライプ状、格子状、水玉状、モザイク状あるいは放射状
といったパターンで放射線を照射し、放射線が照射され
た部分と放射線が照射されていない部分とで、ある種の
模様を形成することをいう。そして、このパターンは、
全体として、貼着されたウェハと略同一の形状を形成す
る。このように放射線照射を行なうと、ウェハが貼着さ
れた部分には、放射線が照射された部分と、放射線が照
射されていない部分とが形成される。具体的には、ウェ
ハが貼着された粘着剤層の全表面積のうち、5〜90%
程度に放射線照射を行なうことが好ましい。またウェハ
が貼着されていない部分には、全面に放射線が照射され
る。
射線が照射されるため、この部分に位置する粘着剤層は
充分に硬化が進行する。このため、エキスパンディング
工程における拡張率が低くなり、過剰のエキスパンディ
ングが不要になる。一方、ウェハが貼着された部分で
は、部分的にパターン状に粘着剤層の硬化が進行するた
め、粘着剤層の硬化が充分に進行しないため、エキスパ
ンディング工程における拡張率はあまり低下しない。し
たがって、ウェハ貼着用粘着シートのエキスパンドを行
なうと、ウェハが貼付された部分が優先的に拡張される
ため、過剰のエキスパンドを行なうことなく、容易に伸
長でき、充分なチップ間隔を得ることができる。しかし
ながら、ウェハが貼付された部分では硬化が充分に進行
しないとはいっても、チップをピックアップできる程度
には、粘着力が低下するため、エキスパンディング後に
は、容易にチップのピックアップを行なうことができ
る。
には、以下に説明するような本発明に係る放射線照射装
置あるいはウェハ貼着用粘着シートを用いることが好適
である。
に示す。粘着シート1への放射線照射は、基材2の粘着
剤層3が設けられていない面から行なう。放射線として
UVを用いる場合には基材2は光透過性であることが必
要であるが、放射線としてEBを用いる場合には基材2
は必ずしも光透過性である必要はない。
射線を粘着剤層に照射する。具体的には、後述するよう
な放射線減衰性化合物等により所定のパターンが形成さ
れているマスクを介して、放射線照射を行なう。パター
ンとしては、ストライプ状、格子状、水玉状、モザイク
状、放射状等が例示されるが、これらに限定はされな
い。これらの中で、特に好ましいパターンとしては、ス
トライプ状、格子状が挙げられる。なお、それぞれの模
様は製造されるべき素子小片よりも小さく、周期的に配
列していることが好ましい。
貼着されている部分の粘着剤層に行なわれ、ウェハが貼
着されていない粘着剤層には、全面に放射線が照射され
る。この結果、ウェハが貼着された部分には、放射線が
多量に照射される部分(以下、放射線非減衰部)と、照
射される放射線量の少ない部分(以下、放射線減衰部)
とがある特定のパターンを形成する。放射線減衰部に
は、放射線非減衰部の1〜90%、好ましくは5〜60
%、特に好ましくは5〜30%の放射線が照射される。
放射線量とウェハ非貼着部に照射される放射線量とを制
御するには、本発明に係るに放射線照射装置(図1参
照)が用いられる。放射線の照射は脱酸素装置を備えた
密閉容器中で行なわれる。この密閉容器の上部または下
部には放射線透過性の窓4が設けられており、この窓4
を通して放射線が照射される。放射線照射は、充分に酸
素を排気した後、不活性雰囲気中で行なわれる。放射線
発生部7とウェハ貼着用粘着シートの基材との間に、所
定パターンの放射線減衰部5aを備えたフィルター5
(図2参照)が設けられている。放射線減衰部5aは、
パターン全体として、貼着されたウェハと略同一の形状
を形成する。そしてこのフィルター5は、その放射線減
衰部5aとウェハが貼着された粘着剤部分とが対向する
ように設置される。このようなフィルター5を介して放
射線を照射することにより、パターン状に放射線が照射
されるようになる。
収して、透過する放射線量を減衰する機能を有する化合
物(以下、放射線減衰性化合物)を含有してなる。この
ような放射線減衰性化合物としては、特に限定されるこ
となく種々のものを用いることができる。本発明におい
て、特に好ましく用いられる放射線減衰性化合物として
は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化
合物、サルチレート系化合物、シアノアクリレート系化
合物などの紫外線吸収性化合物;アゾ顔料、フタロシア
ニン系顔料およびアントラキノン、ペリレンに代表され
る縮合多環系顔料などの有機顔料;または鉛、水酸化
鉛、バリウム、水酸化バリウム、ステアリン酸バリウム
などの電子線遮蔽効果を有する化合物等をあげることが
できる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合
わせて用いられる。
層に含まれる放射線減衰性化合物に依存し、いちがいに
はいえないが、一般的には0.5〜20μm、好ましく
は1〜8μm程度である。
率は、1〜90%であり、好ましくは5〜60%であ
り、特に好ましくは5〜30%である。ウェハが貼着さ
れていない部分の全面に放射線が照射されるため、この
部分に位置する粘着剤層は充分に硬化が進行する。この
ため、エキスパンディング工程における拡張率が低くな
り、過剰のエキスパンディングが不要になる。一方、ウ
ェハが貼着された部分では、放射線非減衰部においての
み粘着剤層の硬化が進行し、放射線減衰部においては粘
着剤層の硬化が起こらないため、全体として粘着剤層の
硬化が充分に進行しない。このため、エキスパンディン
グ工程における拡張率はあまり低下しない。したがっ
て、過剰のエキスパンドを行なうことなく、容易に伸長
でき、充分なチップ間隔を得ることができる。しかしな
がら、硬化が充分に進行しないとはいっても、チップを
ピックアップできる程度には、粘着力は低下するため、
エキスパンディング後には、容易にチップのピックアッ
プを行なうことができる。
ように、ここで常法に従って基材2の下面から突き上げ
針扞7によりピックアップすべきチップA1、A2……A
5を突き上げ、このチップA1……をたとえば吸引コレッ
ト8によりピックアップし、これを所定の基台上にマウ
ンディングする。このようにしてウェハチップA1、A2
……のピックアップを行なうと、充分なチップ間隔が得
られているので簡単にチップをピックアップすることが
でき、しかも粘着力は充分に低下しているので、汚染の
ない良好な品質のチップが得られる。
について説明する。本発明に係るウェハ貼着用粘着シー
ト1は、その断面図が図4、図5または図6に示される
ように、基材2と、放射線硬化性粘着剤層3と、パター
ン状に形成された放射線減衰部9とから構成されてい
る。放射線減衰部9は基材2と放射線硬化性粘着剤層3
との間に形成されているか(図4)、放射線硬化性粘着
剤層3とは反対側の基材2の面上に形成されているか
(図5)、または基材2の両面に形成されている(図
略)。使用前にはこの放射線硬化性粘着剤層3を保護す
るため、図6に示すように放射線硬化性粘着剤層3の上
面に剥離性シート10を仮粘着しておくことが好まし
い。
プ状、ラベル状などあらゆる形状をとりうる。以下、本
発明で用いられる基材2、放射線硬化性粘着剤層3およ
び放射線減衰部9について順次説明する。
材が用いられる。このような基材としては、従来より種
々のものが知られている。たとえば放射線として、紫外
線を使用する場合には、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、塩化ビ
ニル、塩化ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレ
ン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカー
ボネートなどの樹脂製基材、さらにはこれら樹脂製基材
表面にシリコーン樹脂等を塗布して剥離処理した基材等
をあげることができる。また、放射線として電子線を使
用する場合には、フッ素樹脂や着色不透明フィルム等が
用いられる。さらに本発明の目的から基材としては、1
02〜104Kg/cm2程度のヤング率を有する基材を用いる
ことが好ましい。
ムを1種単独で用いてもよく、また2種以上のフィルム
を積層してなる積層フィルムを用いてもよい。上記のよ
うな基材の厚さは、通常10〜300μmであり、好ま
しくは50〜150μmである。
に、その使用に当たり、電子線(EB)や紫外線(U
V)などの放射線照射が行なわれるが、EB照射の場合
には、該基材2は透明である必要はないが、UV照射を
して用いる場合には、透明である必要がある。
としては従来公知のものが広く用いられうるが、その主
剤としてはアクリル系粘着剤が好ましく、具体的には、
アクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独
重合体および共重合体から選ばれたアクリル系重合体そ
の他の官能性単量体との共重合体およびこれら重合体の
混合物が用いられる。たとえば、アクリル酸エステルと
しては、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチ
ル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル
酸グリシジル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチルな
ど、また上記のメタクリル酸をたとえばアクリル酸に代
えたものなども好ましく使用できる。
めるため、アクリル酸あるいはメタクリル酸、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させても
よい。これらのモノマーを重合して得られるアクリル系
重合体の分子量は、2.0×105〜10.0×105で
あり、好ましくは、4.0×105〜8.0×105であ
る。
射線重合性化合物を含ませることによって、ウェハを切
断分離した後、該粘着剤層に放射線を照射することによ
って、粘着力を低下させることができる。このような放
射線重合性化合物としては、たとえば特開昭60−19
6,956号公報および特開昭60−223,139号
公報に開示されているような光照射によって三次元網状
化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なく
とも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられ、具
体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒド
ロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販の
オリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
ようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリ
レート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンア
クリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリ
エーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアネ
ート化合物たとえば2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシ
リレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネート
などを反応させて得られる末端イソシアネートウレタン
プレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレート
あるいはメタクリレートたとえば2−ヒドロキシエチル
アクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコール
アクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート
などを反応させて得られる。このウレタンアクリレート
系オリゴマーは、炭素−炭素二重結合を少なくとも1個
以上有する放射線重合性化合物である。
マーとして、特に分子量が3000〜30000、好ま
しくは3000〜10000、さらに好ましくは400
0〜8000であるものを用いると、半導体ウェハ表面
が粗い場合にも、ウェハチップのピックアップ時にチッ
プ表面に粘着剤が付着することがないため好ましい。ま
たウレタンアクリレート系オリゴマーを放射線重合性化
合物として用いる場合には、特開昭60−196,95
6号公報に開示されたような分子内に光重合性炭素−炭
素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物
を用いた場合と比較して、粘着シートとして極めて優れ
たものが得られる。すなわち粘着シートの放射線照射前
の接着力は充分に大きく、また放射線照射後には接着力
が充分に低下してウェハチップのピックアップ時にチッ
プ表面に粘着剤が残存することはない。
クリル系粘着剤とウレタンアクリレート系オリゴマーの
配合比は、アクリル系粘着剤100重量部に対してウレ
タンアクリレート系オリゴマーは50〜900重量部の
範囲の量で用いられることが好ましい。この場合には、
得られる粘着シートは初期の接着力が大きく、しかも放
射線照射後には粘着力は大きく低下し、容易にウェハチ
ップを該粘着シートからピックアップすることができ
る。
ていてもよい。この砥粒は、粒径が0.5〜100μ
m、好ましくは1〜50μmであって、モース硬度は6
〜10、好ましくは7〜10である。具体的には、グリ
ーンカーボランダム、人造コランダム、オプティカルエ
メリー、ホワイトアランダム、炭化ホウ素、酸化クロム
(III)、酸化セリウム、ダイヤモンドパウダーなどが用
いられる。このような砥粒は無色あるいは白色であるこ
とが好ましい。このような砥粒は、基材2中に0.5〜
70重量%、好ましくは5〜50重量%の量で存在して
いる。このような砥粒は、切断ブレードをウェハのみな
らず基材2にまでも切り込むような深さで用いる場合
に、特に好ましく用いられる。
によって、切断ブレードが基材中に切り込んできて、切
断ブレードに粘着剤が付着しても砥粒の研磨効果によ
り、目づまりを簡単に除去することができる。
硬化剤を混合することにより、初期の接着力を任意の値
に設定することができる。このような硬化剤としては、
具体的には多価イソシアネート化合物、たとえば2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、
1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−
2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシア
ネートなどが用いられる。
合には、UV開始剤を混入することにより、UV照射に
よる重合硬化時間ならびにUV照射量を少なくなること
ができる。
は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラ
ムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
ベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンな
どが挙げられる。
粘着剤層3との間に形成されているか、放射線硬化性粘
着剤層3とは反対側の基材2の面上に形成されている
か、または基材2の両面に形成されている。この放射線
減衰部9は、貼付されるべきウェハと略同一の形状であ
ることが好ましい。そしてこの放射線減衰部9は、パタ
ーン状に形成されている。パターンとしては、ストライ
プ状、格子状、水玉状、モザイク状、放射状等が例示さ
れるが、これらに限定はされない。これらの中で、特に
好ましいパターンとしては、ストライプ状、格子状が挙
げられる。なお、それぞれの模様は製造されるべき素子
小片よりも小さく、周期的に配列していることが好まし
い。このような放射線減衰部9の特に好ましい態様を図
7および図8に示す。
射線減衰性化合物を含有してなる層である。このような
放射線減衰性化合物は適当なバインダー剤に溶解また分
散して使用され、所定のパターン状に塗布または印刷さ
れ、放射線減衰部9が形成される。
に含まれる放射線減衰性化合物に依存し、いちがいには
いえないが、一般的には0.5〜20μm、好ましくは
1.0〜8μm程度である。
は、1〜90%であり、好ましくは5〜60%であり、
特に好ましくは5〜30%である。またこの放射線減衰
部9のヤング率は、1×102 〜5×104 Kg/cm2、好
ましくは5×102 〜1×104 Kg/cm2、特に好ましく
は1×103 〜5×103Kg/cm2程度であり、エキスパ
ンディング工程における基材および粘着剤層の伸びに影
響をおよぼさない。
上記の基材2、粘着剤層3および放射線減衰部9とから
なる。このような構成のウェハ貼着用粘着シートの基材
側から放射線を照射すると、粘着剤層3のうち放射線減
衰部9に覆われている部分に照射される放射線量が減衰
し、該部分以外の他の部分(以下、放射線非減衰部とよ
ぶことがある。)には多量の放射線が照射される。この
結果、放射線非減衰部の粘着剤層は充分に硬化が進行
し、エキスパンディング工程における拡張率が低くな
る。また放射線減衰部4に覆われた粘着剤層は充分に硬
化が進行しないので、エキスパンディング工程における
拡張率はあまり低下しない。したがって、過剰のエキス
パンドを行なうことなく、容易に伸長でき、充分なチッ
プ間隔を得ることができる。また放射線非減衰部におい
ては、粘着剤層の硬化が充分に進行し、粘着力が著しく
低下するため、チップのピックアップが容易に行なえる
ようになる。
ついて説明する。本発明に係る粘着シート1の上面に剥
離性シート10が設けられている場合には、該シート1
0を除去し、次いで粘着シート1の粘着剤層3を上向き
にして載置し、図9に示すようにして、この粘着剤層3
の上面にダイシング加工すべき半導体ウェハAを放射線
減衰部9と重ねるように粘着剤層3の上方に貼着する。
この貼着状態でウェハAをダイシング(図10)し、次
いで、洗浄、乾燥の諸工程が加えられる。この際、粘着
剤層3によりウェハチップは粘着シートに充分に接着保
持されているので、上記各工程の間にウェハチップが脱
落することはない。
ックアップして所定の基台上にマウンティングし、ピッ
クアップに先立って、図11に示すように、紫外線(U
V)あるいは電子線(EB)などの放射線Bを粘着シー
ト1の粘着剤層3に照射し、粘着剤層3中に含まれる放
射線重合性化合物を重合硬化せしめ、ついでエキスパン
ドを行なう。このように粘着剤層3に放射線を照射して
放射線重合性化合物を重合硬化せしめると、放射線減衰
部9に覆われている部分における粘着剤層の硬化が進行
しないため、その結果、当該部分におけるシートの拡張
率はあまり低下しない。一方、放射線非減衰部には多量
の放射線が照射されるので、硬化が充分に進行して拡張
率が大幅に低下する。この結果、エキスパンディング工
程において、放射線減衰部9に覆われている部分が容易
に拡張されるので、過剰のエキスパンドを行なうことな
く、所望のチップ間隔を得ることが容易になる。エキス
パンディング工程の後、常法に従ってチップAのピック
アップを行なう。
ウェハダイシング方法および放射線照射装置ならびにウ
ェハ貼着用粘着シートによれば、エキスパンディング工
程において、所望のチップ間隔を得ることが容易にな
り、過剰のエキスパンディングが不要になる。
明はこれら実施例に限定されるものではない。
剤30%含有、厚さ80μm)を用い、基材上に粘着剤
として、アクリル系ポリマー(n−ブチルアクリレート
とアクリル酸の共重合体)100重量部と、分子量80
00のウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部
と、硬化剤(芳香族ジイソシアネート系)10重量部と
から組成物をシリコーン処理したポリエチレンテレフタ
レートフィルム(38μm)からなる剥離材上にキャス
トして、上記基材と貼り合わせ粘着テープを作成した。
ヒドロキシベンゾフェノンを3重量部含有するアクリル
系ポリマーをスクリーン印刷により2mm□の形状を縦横
とも1mmの間隔で配置した形状に印刷したフィルターを
作成した。
後、フラットフレームに装着し、この後、50μm厚の
ダイヤモンドブレードで5mm□のチップにフルカットし
た。この後、フィルターを介して基材側の面から照度2
00mW/cm2の紫外線を2秒間照射した。
シングテープを15%拡張した。ウェハが貼着された部
分の拡張率は8〜10%であった。
体を用いた以外は実施例1と同様に行った。
%であった。
線を照射した以外は実施例1と同様に行った。
%であった。
線を照射した以外は実施例1と同様に行った。
あった。
剤30%含有、厚さ80μm)を用い、基材表面に2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノンを3重量部含有するア
クリル系樹脂をスクリーン印刷により幅1mm、間隔2mm
のストライプ状に印刷した。粘着剤として、アクリル系
ポリマー(n−ブチルアクリレートとアクリル酸との共
重合体)100重量部と、分子量8000のウレタンア
クリレート系オリゴマー100重量部と、硬化剤(芳香
族ジイソシアネート系)10重量部とからなる組成物
を、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(38μm)からなる剥離材上にキャストし、上
記基材と貼り合わせ粘着テープを作成した。
ハを貼付した後、フラットフレームに装着し、50μm
厚のダイヤモンドブレードで、5mm□のチップにフルカ
ットした。この後、基材側の面から照度200mW/cm2の
紫外線を2秒間照射した。
シングテープを15%拡張した。ウェハが貼着された部
分の拡張率を表1に示す。
ベンゾフェノンの代わりにモノアゾ染料を用いた以外
は、実施例1と同様の操作を行なった。ウェハが貼着さ
れた部分の拡張率を表1に示す。
外は実施例1と同様の操作を行なった。ウェハが貼着さ
れた部分の拡張率を表1に示す。
ーを示す図面である。
である。
である。
である。
である。
である。
付した状態を示す。
す。
パンドする状態を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 基材と、放射線が照射されると粘着力が
低下する粘着剤層とを備えたウェハ貼着用粘着シートの
粘着剤層上に貼着されたウェハを切断して素子小片に分
離し、粘着剤層に放射線を照射して該粘着剤層の粘着力
を低下させ、該シートを拡張して素子間隔を拡張し、素
子小片のピックアップを行なうウェハダイシング方法に
おいて、 粘着剤層に放射線を照射するにあたり、貼着されたウェ
ハと略同一形状となるように、ウェハが貼着されている
粘着剤層部分にパターン状に放射線を照射し、ウェハが
貼着されていない粘着剤層部分には全面に放射線を照射
することを特徴とするウェハダイシング方法。 - 【請求項2】 基材と、放射線が照射されると粘着力が
低下する粘着剤層とを備えたウェハ貼着用粘着シートの
粘着剤層上に貼着されたウェハを切断して素子小片に分
離し、粘着剤層に放射線を照射して該粘着剤層の粘着力
を低下させ、該シートを拡張して素子間隔を拡張し、素
子小片のピックアップを行なうウェハダイシングに用い
る放射線照射装置において、 該装置の放射線発生部と、ウェハ貼着用粘着シートの基
材との間に、貼着されたウェハと略同一形状のパターン
状の放射線減衰部を備えたフィルターが設けられてなる
ことを特徴とする放射線照射装置。 - 【請求項3】 基材と、この上に設けられた放射線硬化
性粘着剤層とからなるウェハ貼着用粘着シートにおい
て、 該基材の少なくとも一方の面上に、パターン状の放射線
減衰部が設けられてなることを特徴とするウェハ貼着用
粘着シート。
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JP34180792A JP3255741B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | ウェハダイシング方法、およびこの方法に用いる放射線照射装置ならびにウェハ貼着用粘着シート |
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- 1992-12-22 JP JP34180792A patent/JP3255741B2/ja not_active Expired - Fee Related
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