JPH0618825B2 - エチレンの重合法 - Google Patents

エチレンの重合法

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JPH0618825B2
JPH0618825B2 JP60117832A JP11783285A JPH0618825B2 JP H0618825 B2 JPH0618825 B2 JP H0618825B2 JP 60117832 A JP60117832 A JP 60117832A JP 11783285 A JP11783285 A JP 11783285A JP H0618825 B2 JPH0618825 B2 JP H0618825B2
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ethylene
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compound
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満幸 松浦
勝己 平川
繁和 林
誠 菅原
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、特定の予備重合条件下に調製することによっ
て得られる固体触媒粒子の粒径の小さい触媒を用いて、
少なくとも125℃以上の温度でかつ少なくとも200気圧以
上の圧力のもとに、高活性かつ分子量の高いポリエチレ
ンを安定して製造するエチレンの重合法に関するもので
ある。
先行技術 近年、英国特許第828828号明細書などにみられるよう
に、高圧法ポリエチレン重合装置を使用してチーグラー
型触媒の存在下にエチレンを高温高圧下に重合させる方
法が提案されている。
上記の方法は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を工
業的に製造するにあたり多くの優位な点を有している。
すなわち、第一に既存の高圧法ポリエチレン製造装置を
そのまま使用できるので、新たな設備投資を必要としな
い事である。第二にエチレンの重合は発熱反応であるの
で除熱がプロセス上の大きな問題であるが、この手法は
高温で重合を行なうことができるので内温と冷却媒体と
の温度差を大きくすることができ、従って除熱効率が上
昇して重合転化率が向上する。第三に、生成するポリマ
ーから溶媒を除去する必要がなく、ポリマーの分離が容
易である。第四に、生成するポリマーが溶融状態にある
ので、気相重合や懸濁重合の場合と異なり、ペレットに
する為にあらためて溶融する必要がなく、従ってエネル
ギー的に有利であるといった有利な点を有している。
一方、上記の重合方法で使用するチーグラー触媒の懸濁
液は輸送操作で問題点を有している。
すなわち、触媒懸濁液中の固体成分の粒径が充分に小さ
くない場合には、固体成分が輸送ポンプ及び配管内に沈
降して、閉塞、装置の作動不良の原因となる。さらに、
それによって、重合装置への触媒の注入が安定に行えな
くなって、重合温度が変動することがある。その結果、
特にMFRを中心とする製品物性に悪影響が及ぼされ、ひ
いては特にフィルム外観を中心とする製品品質が悪化す
る。したがって、固体成分の粒径が充分に小さくて装置
内で沈降しにくい触媒懸濁液の製造技術の開発は、良好
な品質のポリマーを工業的に製造する上で特に重要であ
る。
また、上記の重合方法では、触媒の除去工程、すなわち
脱触工程、を省略することが困難であり、従って使用触
媒の重合活性が低い場合には生成オレフィン重合体には
触媒残渣が多くなって、製品重合体の熱安定性、酸化安
定性が悪化し、色相、臭等の品質上の大きな問題が生じ
る。このようなところから、触媒の重合活性の向上は重
要な課題である。
さらに、上記のような重合方法では、高温で重合を行な
うところから、連鎖移動速度が増加して、低いMFR(メ
ルトフローインデックス)を有するポリマーの製造が困
難である。生成ポリマーのMFRが高すぎるという問題は
重合温度を低下させることによって解決されようが、そ
のような手段に頼る場合には目標とするポリマーのMFR
との関係において重合反応温度に上限を生じ、ひいては
ポリマー収率を制限することになる。したがって、当該
技術を工業化するにあたって、充分に高い温度領域まで
MFR制御性の良好な触媒であることも重要な課題であ
る。
発明の概要 要 旨 本発明は上記の問題点に解決を与えることを目的とし、
特定の態様の予備重合条件下に3価のチタンの担持され
たマグネシウム系高活性触媒を処理することによって得
られる微細化された触媒による高温高圧下のエチレン重
合法で上記目的を解決しようとするものである。
したがって、本発明によるエチレン重合法は、少なくと
も125℃以上の温度でかつ少なくとも200Kg/cm2以上の圧
力でエチレンまたはエチレンと少なくとも一種のα−オ
レフィンを重合させる方法において、予め下記触媒成分
(A)〜(C)の組合せからなる触媒の存在下に炭素数4以上
のα−オレフィンを予備重合させて、成分(A)の固体触
媒粒子を重量平均粒径が1.0ミクロン以下に破砕させて
から、該触媒によるエチレンの重合を行なうこと、を特
徴とするものである。
(A)塩化マグネシウムに三塩化チタンを担持して得られ
る固体触媒成分。
(B)有機アルミニウム化合物。
(C)C−O結合もしくはC−N結合を有する電子供与体
化合物。
効 果 本発明による予備重合した触媒分散液を用いることによ
って、少なくとも125℃の温度でかつ少なくとも200Kg/c
m2の圧力でエチレンの単独重合もしくは共重合を行なう
際に、触媒の閉塞等による運転トラブルや重合温度のふ
れによる製品品質の悪化といった問題がなくなった。
さらに、遷移金属当りの重合活性および固体触媒当りの
重合活性が増加して、触媒残渣が減少した。その結果、
触媒の使用量の減少によるコスト低下、ならびに色相、
臭等の品質の向上を計ることが出来た。
その上、MFR制御性が改善され、高温では製造すること
の困難な低MFRポリマーを製造することができるように
なった。
このような効果が実現しえた理由は明らかではないが、
特定の態様で予備重合して微細化された触媒がこれらの
効果を発現したものと推測される。
特定の予備重合によって触媒が微細化されること、なら
びにこのように微細化された触媒によって本発明条件下
でエチレンを重合させることによって前記した問題点が
解決されること、は思いがけなかったことと考えられ
る。
発明の具体的説明 触 媒 本発明による触媒は、下記の成分(A)〜(C)の組合せから
なるものである。
成分(A)(固体触媒成分) 固体触媒成分(A)は、塩化マグネシウムに三塩化チタ
ンを担持して得られる固体組成物である。
この固体触媒成分は、3価のチタン、マグネシウム及び
塩素の外に他の元素や有機化合物を含有しても良い。
このような固体触媒成分(A)は従来からポリエチレンの
高活性触媒として知られているが、高温高圧下のポリエ
チレンの重合では特に有効である。
多くの場合、3価のチタン化合物がマグネシウム化合物
に担持された形で存在しており、塩素成分はチタン化合
物またはマグネシウム化合物から供給される。
好適なものは、チタン含量が0.5〜15重量%、チタン/
マグネシウム原子比が0.05〜0.5、そしてハロゲン含量
が30〜70重量%であるものである。
このような担持触媒成分の製造法は公知のもののいずれ
も採用が可能であり、具体的製造法としては以下のもの
を例示することができる。
(1)ハロゲン化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸
化マグネシウム、アルコキシマグネシウム、有機マグネ
シウムとハロゲン含有化合物との反応生成物等のマグネ
シウム化合物と、3価のチタン化合物とを直接に反応さ
せるか、あるいは電子供与体や金属ハロゲン化合物を予
め前記マグネシウム化合物に作用させた後、3価チタン
化合物を反応させる方法(特公昭50-28479号、特公昭54
-23394号、特公昭58-35521号各公報等)。
(2)前記マグネシウム化合物もしくは前記予備処理した
マグネシウム化合物に、4価チタン化合物と、有機アル
ミニウム化合物や水素化ケイ素化合物等の還元剤とを用
いて、3価チタン成分を還元担持する方法(特開昭55-2
1435号、特開昭57-180612号各公報等)。
(3)グリニアール試薬やジアルキルマグネシウム等の還
元能を有するマグネシウム化合物と4価チタン化合物と
を接触させることによって、マグネシウム化合物担体上
に3価チタンを担持させる方法(特開昭57-190009号公
報等)。
本発明で使用するのに特に好ましい成分Aとしては、具
体的には、以下のものを例示できる。
(イ)ジハロゲン化マグネシウム、三塩化チタンおよび電
子供与体化合物を混合粉砕して得られる固体組成物。
(ロ)ジハロゲン化マグネシウム、三塩化チタン、四塩化
ケイ素および電子供与体化合物を混合粉砕して得られる
固体組成物。
(ハ)ジハロゲン化マグネシウムおよびチタン酸エステル
を含む組成物に、メチルハイドロジエンポリシロキサン
および液状のハロゲン化チタンを添加して得られる固体
組成物。
ここで用いられることのあるべき電子供与体化合物は、
特開昭58-125706号、特開昭59-204604号各公報等記載の
ものであって、好ましくは、エステル、エーテルおよび
ケトンである。
具体的には、たとえば酢酸エチル、安息香酸エチル、フ
タル酸ジブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル等のエステル類、ジブチルエーテル、ジイソアミルエ
ーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジブチルケトン等のケトン類が挙げられる。
成分(B)(有機アルミニウム化合物) 有機アルミニウム化合物(B)としては、具体的には次の
(1)〜(5)がある。下記において、「アルキル」は、炭素
数1〜12程度のものが好ましい。また、この場合の「ア
ルキル」は、フエニルを包含するものとする。
(1)トリアルキルアルミニウム トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウ
ム、トリデシルアルミニウム等。
(2)アルキルアルミニウムハライド ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルア
ルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキ
クロライド、エチルアルミニウムジクロライド等。
(3)アルキルアルミニウムハイドライド ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアル
ミニウムハイドライト等。
(4)アルキルアルミニウムアルコキシド ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウ
ムブトキシド、ジエチルアルミニウムフエノキシド等。
(5)アルキルシロキサラン トリメチルジメチルシロキサラン、トリメチルジエチル
シロキサラン、ジメチルエチルジエチルシロキサラン
等。
これらアルキルシロキサラン類はトリアルキルアルミニ
ウムとポリシロキサン類とを反応させる事によって予じ
め合成したものを用いるのが一般的であるが、両者をSi
/Al原子比1〜15の割合で混合し、その場で(in situ)
調製したものでも良い。
上記(1)〜(5)の有機アルミニウム化合物は、単独でまた
二種以上組み合わせて使用することができる。
これらのうちで、本発明の高温下の重合で用いる場合に
は、(2)のハロゲン含有アルミニウムを単独もしくは他
の有機アルミニウムと併用して用いることが特に好まし
い。
成分(C)(電子供与体化合物) 本発明に用いられる電子供与体化合物は、C−O結合も
しくはC−N結合を有する電子供与体化合物であり、好
ましくは以下のものを例示することができる。
(1)C−O−C結合を有する化合物 オルトカルボン酸エステル、ケタール、アセタール、ま
たはエーテルであって、合計炭素数が2〜20程度のもの
が好ましい。
具体的には、オルトギ酸エチル、オルト酢酸エチル、オ
ルト安息香酸メチル、オルト安息香酸エチル等のオルト
カルボン酸エステル、2,2−ジメトキシプロパン、
2,2−ジエトキシプロパン、1,1−ジメトキシシク
ロヘキサン、1,1−ジメトキシ−1−フエニルエタ
ン、ジフエニルジメトキシメタン、ジフエニルエチレン
ケタール等のケタール化合物、1,1−ジメトキシエタ
ン、フエニルジメトキシメタン、フエニルジエトキシメ
タン等のアセタール化合物、1−メトキシ−1−フエニ
ルメタン、1−メトキシ−1−フエニルエタン、2−メ
トキシ−2−フエニルプロパン、1−エトキシ−1,1
−ジフエニルメタン等のエーテル化合物を例示すること
ができる。
(2)C−N−C結合を有する化合物 アミンまたはN−置換アミドであって、合計炭素数2〜
20程度のものが好ましい。
具体的には、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエ
チルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、2,2,5,5−テトラメチルピロール等のアミン
化合物、N−ベンジルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド等のアミド化合物を例示することができ
る。
(3)Si−O−C結合を有する化合物 アルコキシシランまたはカルボキシシランであって、合
計炭素数が1〜40程度のものが好ましい。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フエニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、トリメチル
メトキシシラン、トリメトキシヒドロシラン等のアルコ
キシシラン、ジフエニルジアセトキシシラン、ジエチル
ジアセトキシシラン、フエニルトリアセトキシシラン、
エチルトリアセトキシシラン等のカルボキシシランを例
示することができる。
(4)Si−N−C結合を有する化合物 アミノシランであって合計炭素類が1〜40程度のものが
好ましい。
具体的には、テトラキスジエチルアミノシラン、ビスジ
エチルアミノジメチルシラン、ジエチルアミノトリメチ
ルシラン等のアミノシランを例示することができる。
(5)P−O−C結合を有する化合物 亜リン酸エステルまたはリン酸エステルであって、合計
炭素数が1〜30程度のものが好ましい。
具体的には、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチ
ル、ジエチルフエニルホスホナイト、エチルジフエニル
ホスホナイト、エチルジエチルホスホナイト等の亜リン
酸エステル化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリブチ
ル、ジエチルフエニルホスホネート、ジエチルメチルホ
スホネート、エチルジフエニルホスフィネート、メチル
ジエチルホスフィネート等のリン酸エステル化合物等を
例示することができる。
これらの中でも特に好ましいのは、オルト酢酸エチルや
オルト安息香酸メチル等のオルトカルボン酸エステル
類、2,2−ジメトキシプロパンやジフエニルジメトキ
シメタン等のケタール類、テトラエトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフエニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン
類、亜リン酸トリエチルや亜リン酸トリブチル等の亜リ
ン酸エステル類である。
これらの電子供与体化合物は、予備重合工程で固体触媒
粒子の破砕および分散安定化に寄与するとともに、重合
時に生成ポリマーのMFRの低下にも有効である。
触媒の予備重合処理 触媒の予備重合処理は、成分(A)、(B)及び(C)の組合せ
からなる触媒に炭素数4以上のα−オレフィンを接触さ
せて重合させ、その結果として該触媒を微細に分散させ
ることからなるものである。
触媒の形成 触媒成分は、任意の順序で混合して触媒を形成させるこ
とができる。すなわち、成分(C)の電子供与体化合物は
予じめ成分(A)または成分(B)に混合しておいてもよく、
また成分(A)及び(B)の接触物に成分(C)を加えても良
い。
この量比関係は、成分(A)と成分(B)との比が成分(A)中
のTi原子に換算して、Ti/Al(原子比)=1〜100、好
ましくは5〜20、また成分(B)と成分(C)の比が(C)/Al
(モル比)=0.05〜2.0、好ましくは0.1〜1.0、の範囲
にあるのが良い。
予備重合 上記のようにして形成された触媒に接触させて重合させ
るべき炭素数4以上のα−オレフインは、具体的にはブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−
1等の高級α−オレフィンである。これらは、単独で
も、組み合わせて用いてもよい。
これらは、触媒成分(A)中のTi成分に対し、α−オレフ
ィン/Ti(モル比)=5〜100の範囲で用いることが好
ましい。
重合時には、適当な不活性溶媒、好ましくは、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素媒体を用い
て、触媒を0.1g/リットル〜100g/リットルの濃度で
分散させることが好ましい。
予備重合温度は、0℃〜100℃、好ましくは30℃〜80
℃、の間が良い。これより低い温度では触媒の破砕効果
が充分でなく、またこれより高い温度では触媒の再凝集
が進行するので好ましくない。
予備重合時間は、本発明の効果が実現されるに足る時間
である必要がある。通常は、30分〜24時間程度である。
このような予備重合を行なうことによって、触媒成分
(A)は微細化される。高圧の重合帯域に触媒成分を高圧
ポンプで圧入する際の閉塞あるいはポンプの損傷を防ぐ
為に、また高い触媒活性を得る為に、固体触媒粒子の平
均粒径は1.0ミクロン以下であることが好ましい。
ここで用いる触媒平均粒径とは、沈降法によって求めら
れる重量平均粒径である。
固体触媒粒子の粒径は触媒成分(A)〜(C)の種類および量
比ならびに予備重合α−オレフィンまた予備重合条件に
よって影響を受けるが、触媒成分(C)の種類および量の
効果が大きい。
エチレンの重合 本発明の触媒系を用いて行なわれる重合は、エチレンの
単独重合またはエチレンと一般式 R−CH=CH2(Rは、炭素数1〜14のアルキル基)で表
わされる少なくとも一種類のα−オレフィンとの共重合
である。
重合装置 本発明の重合は回分式操作としても実施できるが、重合
を連続式で行なうのが一般的である。重合装置として
は、エチレンの高圧ラジカル重合で一般的に用いられて
いるものを使用することができる。具体的には、連続攪
拌式槽型反応器または連続式管型反応器である。
重合はこれら単一の反応器を用いて単一区域法として実
施することができるが、多くの反応器を連続に、場合に
よっては冷却器を連結して用いることも、あるいは多区
域法になるように内部をいくつかの区域に効果的に分割
した単一の反応器を用いることもできる。多区域法では
各区域における反応条件に差をつけて、それらの各反応
器または各反応区域で得られる重合体の特性をコントロ
ールするように、それぞれの反応器または反応区域ごと
に単量体組成、触媒濃度、分子量調節剤量等を調節する
ことができる。また、複数反応器を組み合わせる場合に
は、管型と管型、槽型と槽型、槽型と管型というように
各種の組み合わせを選ぶことができる。
反応器で生成した重合体は、未反応の単量体を分離し
て、高圧法ポリエチレンと同様に処理することができ
る。また、未反応の単量体は、再加圧して反応器に循環
させることができる。
触媒は、しかるべき不活性媒体中の微細な分散体として
これを直接ポンプにて反応器中へ注入することが好まし
い。この際に用いられる適切な不活性媒体は、例えばホ
ワイトスピリット、炭化水素油、ペンタン、ヘキサン、
シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン等の炭化水素系溶
媒である。
単量体および共単量体 本発明の触媒系を用いて、エチレンの単独重合を行なう
ことができる。この場合には、ポリマーの比重が0.95〜
0.97の範囲の高密度ポリエチレンが普通得られる。ま
た、エチレンと少なくとも一種類のα−オレフィンとの
共重合も行なうことができる。この場合には、ポリマー
の比重は0.89〜0.95程度の直鎖状の中〜低密度ポリエチ
レンを得ることができる。本発明の方法は、特に上記共
重合体の製造に好適であって、高収率で中〜低密度のエ
チレン共重合体を得ることができる。
上記共単量体は、一般式R−CH=CH2(ここでRは炭素
数1〜12の炭化水素残基である。)で表わされるα−オ
レフィンであって、具体的にはプロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン
−1等を例示することができる。これらは、一種類だけ
でも、複数種組み合わせてもエチレンと共重合させるこ
とができる。これらα−オレフィンは生成共重合体中に
0〜30重量%の範囲で、好ましくは3〜20重量%まで、
共重合させることができる。
重合条件 (1)重合圧力 本発明に於いて採用される重合圧力は少なくとも200Kg/
cm2であり、好ましくは300〜4000Kg/cm2、さらに好まし
くは500〜3500Kg/cm2、の範囲の圧力である。
(2)重合温度 重合温度は少なくとも125℃であり、好ましくは150〜35
0℃、さらに好ましくは200〜320℃、の範囲内である。
なお、本発明において、本質的なことではないが、採用
される重合圧力および重合温度の組み合わせに次第で
は、重合反応混合物は単一の流動体相を形成しても、二
相に分離しても良い。
(3)反応器供給ガス組成 本発明において採用される供給ガス組成は、エチレン5
〜100重量%、少なくとも一種のα−オレフィン性共単
量体0〜95重量%、および分子量調節剤の水素0〜20モ
ル%の範囲内にあることが好ましい。
(4)滞留時間 反応器内での平均滞留時間は、採用される反応条件下で
の触媒の活性持続時間と関係する。使用する触媒の半減
期は反応条件の中でも特に温度により左右され、触媒の
寿命が長くなるに伴って反応器内での平均滞留時間も長
くすることが好ましい。
本発明において採用される平均滞留時間は2〜600秒の
範囲内であり、好ましくは5〜150秒、さらに好ましく
は10〜120秒、の範囲内である。
実験例 実施例−1 固体触媒成分(A)の製造 内容積1リットルのステンレス鋼製ポットに12.7mmφの
ステンレス鋼製ボールを見掛け容積で900ml充填し、予
め40時間粉砕処理した金属アルミニウム還元の三塩化チ
タン〔TiCl3(AA)〕40g、無水塩化マグネシウム130g、
四塩化ケイ素15g及びメタクリル酸メチル15gを窒素雰
囲気下に封入して、振動ミルで振幅5mm、モーター回転
数1700rpmの条件下に80時間粉砕した。以下、これをA
−1と称する。
このようにして得られた固体触媒成分(A)のTi担持率
は、5.07重量%であった。
触媒分散液の調製 充分に窒素置換した1リットルのフラスコに充分脱気精
製したn−ヘプタンを400ml導入し、次いで前述の固体
触媒成分A−1を1.0g導入し、ジエチルアルミニウム
クロライド(B)を15.3g、テトラエチルシリケート(C)を
2.64g導入した。次いで、充分に脱気精製したヘキセン
−1を66ml導入し、60℃で1.5時間反応させた。
この様にして得られた触媒分散液についてセイシン、ミ
クロン、フォト、サイザー(Seishin Micron Photo Siz
er)SKN1000を用いて粒径を測定したところ、触媒平均粒
径は0.5μ以下であった。
この触媒分散液をn−ヘプタンで希釈して、0.4g−触
媒/リットル−ヘプタンの濃度の触媒分散液を調製し
て、重合に供した。
エチレンの高圧重合 内径4.8mm、長さ84mの管型反応器を用い、表1に示す
条件下にエチレンとヘキセン−1を共重合させた。
重合の結果を表2に示す。
実施例−2 触媒成分(C)のテトラエチルシリケートを触媒分散液の
調製時に6.60g用いたこと以外は実施例−1と同様の実
験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
実施例−3 触媒成分(C)の電子供与体化合物としてメチルトリメト
キシシランを触媒分散液の調製時に4.32g用いたこと以
外は実施例−1と同様の実験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
実施例−4 触媒成分(C)の電子供与体化合物としてジフエニルジエ
トキシシランを触媒分散液の調製時に8.64g用いたこと
以外は、実施例−1と同様の実験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
実施例−5 触媒成分(C)の電子供与体化合物としてオルト安息香酸
メチルを触媒分散液の調製時に2.31g用いたこと以外
は、実施例−1と同様の実験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
実施例−6 触媒成分(C)の電子供与体化合物として2,2,6,6
テトラメチルピペリジンを触媒調製時に2.69g用いたこ
と以外は実施例−1と同様の実験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
実施例−7 触媒成分(C)の電子供与体化合物として亜リン酸トリエ
チルを触媒分散液の調製時に2.11g用いたこと以外は、
実施例−1と同様の実験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
比較例−1 触媒成分(C)のテトラエチルシリケートを触媒分散液調
製時に用いなかったこと以外は、実施例−1と同様の実
験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
比較例−2 触媒成分(C)のテトラエチルシリケートを触媒分散液の
調製時には用いずに比較例−1と同様の触媒分散液を用
いて、重合時に重合添加物としてテトラエチルシリケー
トを触媒成分(B)の有機アルミニウムに対してモル比で
0.25添加して、エチレンの高圧重合を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表1および表2に示
す。
実施例−8 固体触媒成分(A)の製造 内容積1リットルのステンレス鋼製ポットに12.7mmφの
ステンレス鋼製ボールを見掛け容積で900ml充填し、予
め40時間粉砕処理した金属アルミニウム還元の三塩化チ
タン〔TiCl3(AA)〕40g、無水塩化マグネシウム130gお
よびフタル酸ジブチル15gを窒素雰囲気下に封入して、
振動ミルで振幅5mm、モーター回転数1700rpmの条件下
に80時間粉砕した。以下、これをA−2と称する。
この様にして得られた固体触媒成分(A)のTi担持率は、
4.82重量%であった。
触媒分散液の調製 充分に窒素置換した1リットルのフラスコに充分脱気精
製したn−ヘプタンを400ml導入し、次いで前述の固体
触媒成分A−2を10g、ジエチルアルミニウムクロライ
ド(B)を15.3gそれぞれ導入して、50℃にて1時間攪拌
した。さらに、ジフエニルジメトキシメタン(C)を2.75
g、および充分に脱気精製したヘキセン−1を66ml導入
し、60℃で1.5時間重合させた。
この様にして得られた触媒分散液の触媒平均粒径は0.5
μ以下であった。
この触媒分散液をn−ヘプタンで希釈して、 0.4g−触媒/リットル−ヘプタンの濃度の触媒分散液
を調製して、重合に供した。
エチレンの高圧重合 内径4.8mm、長さ84mの管型反応器を用い、表3に示す
条件下にエチレンとヘキセン−1を共重合させた。
重合の結果を表4に示す。
実施例−9 触媒成分(C)の電子供与体化合物として亜リン酸トリブ
チルを触媒分散液の調製時に7.55g用いたこと以外は、
実施例−8と同様の実験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表3および表4に示
す。
比較例−3 触媒成分(C)のジフエニルジメトキシメタンを触媒分散
液の調製時に用いなかったこと以外は、実施例−8と同
様の実験を行なった。
重合条件と結果の詳細をそれぞれ表3および表4に示
す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技術内容の
理解を助けるためのものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも125℃以上の温度でかつ少な
    くとも200Kg/cm2以上の圧力で、エチレンまたはエ
    チレンと少なくとも一種のα−オレフィンを重合させる
    エチレンの重合法において、予め下記触媒成分(A)〜
    (C)の組合せからなる触媒の存在下に炭素数4以上の
    α−オレフィンを予備重合させて、成分(A)の固体触
    媒粒子を重量平均粒径が1.0ミクロン以下となるよう
    に破砕させてから、該触媒によるエチレンの重合を行な
    うことを特徴とする、エチレンの重合法。 (A) 塩化マグネシウムに三塩化チタンを担持して得
    られる固体触媒成分。 (B) 有機アルミニウム化合物。 (C) C−O結合もしくはC−N結合を有する電子供
    与体化合物。
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