JPH06186774A - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

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JPH06186774A
JPH06186774A JP5137030A JP13703093A JPH06186774A JP H06186774 A JPH06186774 A JP H06186774A JP 5137030 A JP5137030 A JP 5137030A JP 13703093 A JP13703093 A JP 13703093A JP H06186774 A JPH06186774 A JP H06186774A
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JP
Japan
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toner
magnetic materials
magnetic
particles
resin
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Application number
JP5137030A
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English (en)
Inventor
Masahisa Ochiai
正久 落合
Masaaki Tokunaga
雅亮 徳永
Masateru Hirayama
正輝 平山
Hisatomo Nakahara
久与 中原
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、磁性体粒子の分散が良好で、安定
した画像特性を持つ小粒径磁性トナーを提供することを
目的とする。 【構成】 少なくとも磁性体粒子を含む重合性単量体混
合液を、重合することにより磁性トナーを製造する方法
において、トナー中の磁性体粒子が樹脂により修飾され
ていることを特徴とする。これによりトナーの磁性粉分
散性が向上し、連続印字に対しても安定な画像特性を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電荷潜像を現像する
ための磁性トナーに関する。特に単量体組成物を重合す
ることにより得られる小粒子径トナーに於いて、高精細
画像を与える磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電気的または磁気的潜像を現像して画像
を形成し、記録する種々のプロセスの一つとして電子写
真法が知られている。この電子写真法では、一般に光導
電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像
を形成し、次いでこの潜像をトナーを用いて現像し、ト
ナー画像を形成する。得られたトナー画像はそのまま定
着するか、あるいは紙などに転写した後加熱、加圧等の
手段により定着され、複写物となる。トナーを用いて現
像する方法としては、パウダークラウド法やタッチダウ
ン法または磁気ブラシ現像法など種々の方法が提案さ
れ、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用さ
れている。
【0003】これらの現像方式の中で、磁気ブラシ現像
法は画質が良好であること、装置の小型化が容易である
こと、長寿命であることなどから広く普及している。磁
気ブラシ現像法の中にも磁性キャリアと非磁性トナーを
用いる二成分現像法とトナーのみを使用する一成分現像
法などがあり、それぞれに特徴を有している。その中で
磁性トナーを使用する現像方式は、装置がさらに小型で
あること、トナーの濃度制御が不要であるといった利点
を有する。
【0004】従来、これらの目的に用いるトナーは、一
般に熱可塑性樹脂中に磁性体あるいは染料、顔料からな
る着色剤を溶融混練し、着色剤を樹脂中に均一に分散さ
せた後、粉砕、分級することにより、所定の粒径分布を
持つトナーとして製造されてきた。ところが近年、さら
に高解像度の画像形成が要求され、これにはトナー粒子
径を小さくすることが有効であることがわかってきた。
そのため、トナーを小粒子径化する試みがなされている
が、粉砕法によるトナーは平均粒径7μm前後がその限
界であった。そこで、さらに小粒径のトナーを製造する
方法として重合法によるトナーが提案されている。
【0005】重合によるトナー製造法の一つに懸濁重合
法が知られている。懸濁重合法においては、重合性単量
体および着色剤、必要に応じて重合開始剤、帯電制御
剤、その他の添加剤を溶解または分散させた単量体組成
物を、懸濁安定剤を含む水相中に、攪拌下に加えて造粒
し、重合反応後、粒子を濾過、乾燥させてトナー粒子を
製造している。この懸濁重合法は、粉砕工程を全く含ま
ないため、比較的容易に小粒子径トナーを製造できる方
法である。
【0006】しかしながら、懸濁重合により磁性トナー
を製造する場合、磁性体粒子(以下単に磁性体という)
の表面は親水性であるため、磁性体をモノマー中に機械
的に分散させても再び凝集し、均一にモノマー中に分散
させることは困難であった。その結果、得られたトナー
は磁力の点でバラツキを生じ、実用的でなかった。
【0007】そこで、磁性体のモノマーに対する分散性
を向上させるため、これまでいくつかの方法が提案され
ている。例えば、特開昭60−107656号公報で
は、磁性体を疎水化処理し、極性基を持つ樹脂と組み合
わせて重合性混合物中に添加することにより、磁性体が
トナーの表面に露出することなく、良好な特性が得られ
ると記載されている。しかし極性基を持つ樹脂は粒子の
外側に集まりやすく、粒子の懸濁安定化に寄与するとし
ているが、逆に極性基はトナーの高湿度環境下での帯電
を困難にするという問題がある。
【0008】また、磁性体を疎水化処理する方法として
は、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤
およびグラフト重合処理などの方法が知られている。例
えば、特開昭54−84731号公報には磁性体をカッ
プリング剤で処理する方法について記載がある。これら
磁性体を疎水化処理する場合、流動床法などの乾式法で
は1次粒子の状態まで解砕が起こらず、凝集体内部ま
で、疎水化することが出来ない。湿式法では1次粒子の
状態で表面処理できるが、これを分散媒から分離して乾
燥する時に、凝集が起こり、モノマー中に均一に分散さ
せることが困難となる。したがって、これらの方法で
は、磁性体を均一に含むトナー粒子を得ることは困難で
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】磁性トナーにおいて磁
性体の分散はトナー特性に影響する重要な因子であり、
トナー表面に磁性体の露出がなくても、磁性体が粒子内
部で凝集していたり、シェル構造を形成していた場合
は、定着性の低下等を生じて問題である。磁性体の分散
状態はトナー粒子断面を観察すれば良いが、磁性体が粒
子内部に分散した磁性トナーを得ることは困難である。
【0010】本発明の目的は、懸濁重合により作成した
粒子が磁性体を均質に含み、磁性体が粒子中に独立して
存在することができる小粒径磁性トナーを提供すること
である。本発明の他の目的は、高湿度や低湿度の環境下
でも、安定した帯電特性を有する磁性トナーを提供する
ことにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明は、上記問題点
を解決するために為されたもので、少なくとも磁性体を
含む重合性単量体混合液を、重合することにより得られ
る磁性トナーにおいて、トナー中に存在する磁性体粒子
表面が樹脂により修飾されていることを特徴とする。即
ち、赤外吸収スペクトル測定により磁性体粒子表面に樹
脂の被覆が認められることを特徴とする。
【0012】これまでに知られている磁性体の表面処理
方法により、疎水性化処理を行った磁性粉を、そのまま
重合性単量体中に分散させた。
【0013】しかしながら、このモノマー混合液を懸濁
重合した場合、得られたトナーの特性は電気抵抗や帯電
量が低く、画像濃度が低くかぶりの多い画像しか得られ
なかった。また、初期に良好な画像が得られても、多数
枚プリントや高湿度環境下では画像濃度が低下したり、
かぶりが増加するケースが認められた。このようなトナ
ーの性質を調べるため、トナー粒子薄片を透過型電子顕
微鏡観察したところ、磁性体の分散が不十分であること
がわかった。特に高精細画像を目標とする平均粒径7μ
m以下のトナーではその傾向が顕著であった。
【0014】本発明者らは、磁性体の分散に対し鋭意検
討の結果、分散方法として磁性体をラジカル発生剤と帯
電制御剤および分散剤と共に重合性単量体中に分散さ
せ、次いで重合開始剤を加え懸濁重合する方法を用いる
ことにより、磁性体がトナー粒子内部に均一に分散し、
極めて良好な画像を与えることを見出した。この原因に
ついてさらに調査したところ、磁性体の分散状態はトナ
ー粒子中の磁性体表面の状態に大きく影響され、磁性体
表面が樹脂により修飾されている場合、良好な分散を示
すことを見出し本発明に至った。
【0015】この理由については必ずしも明らかではな
いが、次のように推察している。ボールミルのような衝
撃力を用いる分散装置中で磁性体を単量体中にラジカル
発生剤と共に分散させると、磁性体は凝集が解かれ、1
次粒子化と共にその表面がトナー粒子を構成する樹脂に
より修飾される。これにより懸濁重合の過程を経る間
も、磁性体の凝集や分散媒界面への移動が起こらず磁性
体の分散が実現するものと考えられる。
【0016】トナー中の磁性体の表面状態は、トナーか
ら磁性体のみを分離し、赤外吸収スペクトルや表面構成
元素を測定することで判定できる。トナーを構成する樹
脂その他の成分は有機溶剤で溶解除去し、磁性体は磁石
により吸引捕集することにより分離可能である。ここ
で、磁性体表面が何ら修飾されていない場合、測定結果
は原料の磁性粉と比べ変化がないが、磁性体表面が樹脂
により修飾されている場合は、磁性粉のスペクトルに樹
脂のスペクトルが重なって出現する。
【0017】本発明において、磁性体粒子表面が樹脂に
より修飾されている状態とは、樹脂が磁性体粒子表面上
に吸着した状態または磁性体粒子表面にグラフト重合を
生じている状態、あるいは両者の中間の状態も含むもの
とする。
【0018】この方法で用いられる磁性体の有効な分散
剤としては、例えば次に挙げるものがある。シランカッ
プリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸
塩、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなど
がある。また、イソプロピルトリイソステアリックチタ
ネートなどのチタネートカップリング剤、p−スチレン
スルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸カリウ
ム、スチレンスルホン酸カルシウム、アクリル酸、メタ
クリル酸、p−クロロスチレンなどがある。
【0019】分散剤の添加量としては、特に制限はない
が磁性体100重量部に対し0.1〜10重量部の割合
で添加するのが良い。また、本発明に係る分散剤を、分
散助剤として既存の分散剤と組み合わせて使用すること
は何等差し支えない。磁性体の分散方法としては、単量
体モノマーと磁性体および分散剤と帯電制御剤を、ボー
ルミルやサンドミル、アトライターなど公知の混合装置
により分散すれば良い。
【0020】トナー粒子中の磁性粉の分散状態は、例え
ば次のような方法で調査することができる。トナーを包
埋カプセルに入れ、予め所定の割合で調合されたエポキ
シ樹脂溶液を混合して、樹脂を硬化させる。これをミク
ロトームカッターを用いて数百nmの薄片とし、透過型
電子顕微鏡で観察するか、または断面を光学顕微鏡やレ
ーザー顕微鏡で観察する。
【0021】本発明に使用する重合性単量体はラジカル
重合性のものであり、生成した重合体がトナーの要求さ
れる熱特性と静電気特性を有するよう一種または二種以
上を組合せて使用される。このような単量体の例として
は、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニ
ルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレ
フィン系単量体、モノオレフィン系単量体などがある。
【0022】モノビニル単量体としては、スチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n
−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
3,4−ジクロロスチレン等のスチレンとその誘導体が
挙げられる。
【0023】アクリル系単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ア
ミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチルなどがある。
【0024】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど、ビ
ニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニルフェニルエーテルなどがある。ジオレフィン
系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレンなど、モノオレフィン系単量体としてはエチ
レン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
【0025】本発明に使用するラジカル発生剤や重合開
始剤としては、公知の重合開始剤を一種または二種以上
組合せて使用することができる。例えば、2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,
4−ジメチル)バレロニトリル、2,2′−アゾビス4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾ
イルパ−オキサイド、2,4−ジクロロパ−オキサイ
ド、イソプロピルパ−オキシカ−ボネ−ト、クメンハイ
ドロパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド系開始
剤などを使用して重合を行なうことができる。これらの
重合開始剤の使用量は、磁性体分散のためのラジカル発
生剤としては、単量体組成物の約0.1〜2重量%程度
の添加が、またトナー粒子を構成するポリマーの重合用
としては単量体組成物の約0.1〜5重量%であること
が好ましい。
【0026】架橋剤としては一分子中に不飽和結合を二
個以上有する架橋性単量体を用い、共重合させることも
可能である。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレ
ングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。これらの架橋
性単量体を重合性単量体に対して共重合させる割合は、
単量体全量に対して0.2〜2重量%であることが好ま
しい。
【0027】着色剤として、磁性体の他に公知の染料お
よび顔料を使用することができる。例えば、染料は、ニ
グロシン染料、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダレクト
レッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッ
ド1、C.I.ソルベントレッド、C.I.バットレッド、C.I.
ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.ア
シッドブル−15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ソル
ベントブルー、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ソルベ
ントレッドなどがある。顔料としては、ファーネスブラ
ック、アセチレンブラック、カドミウムイエロー、ハン
ザイエローG、ナフト−ルイエローS、ピラゾロンレッ
ド、パーマネントレッド4R、モリブデンオレンジ、フ
ァストバイオレットB、フタロシアニンブルー、マラカ
イトグリーン、フタロシアニングリーンなどが挙げられ
る。これらの着色剤は、充分な濃度の可視像が形成され
るにふさわしい割合で含有されることが必要であり、通
常単量体組成物全量に対し、2〜20重量%の割合とさ
れる。
【0028】磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル
などの強磁性金属の粉末、またはこれらにクロム、マン
ガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加え
た合金、その酸化物であるマグネタイト、フェライトの
微粉末を用い得る。磁性体の粒径は0.1〜2μmの範
囲が好ましい。これらの磁性体の添加量はトナーの全重
量に対して、20〜70重量%が好ましい。
【0029】帯電制御剤としては、ニグロシン、四級化
アンモニウム塩、ポリアルキルアミド、モリブデン酸キ
レ−ト顔料、モノアゾ染料の金属錯体、ナフテン酸金属
塩、サリチル酸金属錯体などがある。これら帯電制御剤
の添加量はトナーの全重量に対して、0.1〜5重量%
が好ましい。
【0030】上記のモノマー組成物を、機械式や超音波
式のホモジナイザーにより水中に懸濁させて、重合する
際、水中での懸濁状態を安定化させるために、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸
バリウム、シリカ、アルミナなどの難水溶性無機塩類の
微粒子を分散安定剤として使用することが一般的であ
る。特にコロイダルシリカはその一次粒子径が10ない
し30nmと小さくより少ない量で目的の粒径を得られ
るためトナーの懸濁安定剤として適当である。これらの
分散安定剤は、単量体に対し、0.01〜10重量%の
割合で用いることが好ましい。これらの分散安定剤の他
に、少量の安定助剤を加えることはなんら差し支えな
い。分散安定助剤としては、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロ−ス、澱粉、ポリビニルアルコ−ルなどの水溶
性高分子、界面活性剤等を使用できる。
【0031】本発明において、上述した成分以外に必要
に応じて、帯電制御剤、流動性改質剤、クリーニング
剤、充填剤などの添加剤を添加しても良い。重合体粒子
表面に添加される微小ポリマー粒子としては、ポリエチ
レン、ポリポロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ四フッ化エチ
レンなどの重合体または共重合体などがある。特に、分
散重合やソープフリー乳化重合により得られた、表面に
吸水性の無い粒子が好ましい。
【0032】流動性改質剤としては、疏水性シリカ、酸
化チタン、ポリビニリデンフルオライド、金属石鹸など
の微粉末が、クリ−ニング助剤としては、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ポリメチルメタクリレ−ト、ナイロン、ポリ四フ
ッ化エチレン、シリコンカ−バイドなどの微粉末を用い
ることができる。これらの添加剤は、モノマ−組成物中
に混合分散させて用いるか、または、得られたトナ−粒
子の表面に添加しても良い。
【0033】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の内容をさらに
詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の部は重
量部を表わす。
【0034】(実施例1)スチレン43部、2−エチル
ヘキシルアクリレート7部、ジビニルベンゼン0.1
部、マグネタイト(関東電化工業〔株〕製KBC−10
0)48部、p−スチレンスルホン酸ナトリウム0.5
部、帯電制御剤(日本化薬〔株〕製カヤチャージT−2
N)0.8部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成
〔株〕製ビスコール660P)1部、過酸化ベンゾイル
1部を室温にてボールミルで6時間混合分散させた。
【0035】次に、容器に窒素ガスにより曝気したイオ
ン交換水1000部と微粉末シリカ(日本アエロジル
〔株〕製#130)5部を入れ、アゾビス2,4−ジメ
チルバレロニトリル2.5部を加えたモノマ−分散液1
00部を上記分散媒中に加え、ホモジナイザ−(日本特
殊機化工業〔株〕製ホモミキサ−)で6000rpmで
10分間懸濁造粒した。反応容器を窒素置換した後、パ
ドル攪拌翼を備えた攪拌装置に変更し、200rpmで
攪拌を続けながら70℃で8時間、更に80℃で2時間
反応させた。この重合懸濁液に水酸化ナトリウム30部
を加えて50℃で2時間攪拌し。これを濾過、水洗、脱
水を行なった後50℃で12時間減圧乾燥を行ない粉体
を得た。
【0036】この粉体に疎水性シリカ(日本アエロジル
〔株〕製R972)0.5部をヘンシェルミキサーで添
加し、トナーを得た。このトナーの粒子径をコールター
カウンターで測定したところ、体積平均粒径が6.2μ
mであった。また、ガードリング電極を備えた平行平板
セル中にトナーをタッピング充填し、1万V/cmの電
圧により電気抵抗率を測定したところ、5×1015Ω-c
mであった。磁性体の分散性を観察したところ磁性体は
トナー粒子中に良好な分散を示した。さらに、トナーか
らクロロホルムによって樹脂成分を溶解除去し、磁性体
のみを取り出して、FT−IRにより赤外吸収スペクト
ルを測定したところ、図1に示す結果が得られた。これ
を、図2に示す原料磁性粉の赤外吸収スペクトル及び図
2に示すトナー中の樹脂成分の赤外スペクトルと比較す
ると、磁性体表面がポリマーにより被覆されていること
がわかる。
【0037】このトナ−を用いて市販プリンタ(日本電
気〔株〕製PC−PR601)にて作像したところ、画
像濃度1.32で、ブラシマ−クやかぶりのない、解像
度、階調性、ベタ部の緻密性の良好な高品位の画像が得
られた。定着率もテープ剥離で99%であった。またA
4、5000枚連続印字テストでも画質にほとんど変化
が見られなかった。
【0038】(実施例2)スチレン37部、n−ブチル
メタクリレ−ト13部、ジビニルベンゼン0.1部、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3
部、ポリエステル系分散剤(ICI〔株〕製ハイパーマ
ーPS3)0.5部、帯電制御剤(オリエント化学工業
〔株〕製ボントロンE−81)1部、マグネタイト(戸
田工業〔株〕製MAT−222)48部、ラウロイルパ
ーオキサイド2部をアトライターに入れ30℃で8時間
混合分散した。得られたモノマー分散液を実施例1と同
様の方法で重合と後処理を行い、粉体を得た。
【0039】この粉体500部に平均粒径0.4μmの
アクリル微粒子(綜研化学〔株〕製MP−4000)5
部を加えトナーを得た。このトナーの体積平均粒径は
7.5μm、電気抵抗率は8×1015Ω-cmであった。
ミクロトーム薄片を作製し、観察したところ、図1に示
すように磁性体はトナー粒子中に良好な分散を示した。
また、磁性体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、
磁性体表面がポリマーにより被覆されていることがわか
った。このトナーを用いて実施例1と同様の方法で画像
評価を行なったところ、画像濃度1.30で、かぶりや
文字のちりが極めて少ない高品位の画像が得られた。ま
たA4、5000枚のテストパターン印字を行ったとこ
ろ、画質の変化が少なくクリーニング性も良好であっ
た。
【0040】(実施例3)トナー組成としてスチレン4
2部、2−エチルヘキシルアクリレ−ト8部、ジビニル
ベンゼン0.1部、帯電制御剤(オリエント化学〔株〕
製ボントロンS−34)1部、チタネートカップリング
剤(味の素〔株〕製プレンアクトTTS)1部、p−ス
チレンスルホン酸カリウム0.2部、マグネタイト(戸
田工業〔株〕製EPT−500)50部、アゾビスイソ
ブチロニトリル2部を加えた他は実施例1と同様の方法
により重合体粒子の製造を行い、これに、シリカ(アエ
ロジルR972)0.7部を加え磁性トナーを得た。得
られたトナーは、体積平均粒径が5.8μmであった。
【0041】このトナーの電気抵抗率は3×1015Ω-c
m、帯電量はフェライトキャリア(日立金属〔株〕製K
BN−100、74〜149μm)を用い、トナー濃度
30重量%の条件で−23μC/gを示した。このトナ
ーを用いて、実施例1と同様の方法により画像評価を行
った。その結果、画像濃度は1.38で、かぶりや滲み
の無いシャープな画像が得られた。トナーからクロロホ
ルムにより磁性体のみを分離し、ESCA−XPS(X
線電子放出スペクトル)により磁性体表面を観察したと
ころ、樹脂に起因する炭素が確認された。
【0042】(比較例1)実施例1において、過酸化ベ
ンゾイル1部を加えない以外は実施例1と同様なモノマ
ー組成および方法で、平均粒径7.5μmのトナーを得
た。このトナーの電気抵抗率は1×109Ω-cmと低く、
実施例1と同様に画像評価を行ったところ、画像濃度は
0.87と低く、背景部のかぶりも多かった。画像の定
着率も、テープ剥離で47%と低かった。このトナーの
磁性粉分散性を調べたところ、磁性粉はトナー粒子の外
周には存在するが、トナー粒子内部には観察されなかっ
た。トナーから磁性体を分離し、赤外吸収スペクトルを
測定したところ、磁性体の吸収のみ観察された。
【0043】(比較例2)実施例2において、ラウロイ
ルパーオキサイド2部を用いず、磁性粉を予めチタネー
トカップリング剤(味の素製プレンアクトTTS)で表
面処理したものを用いた以外は実施例2と同様の組成お
よび方法によりトナーを作成し、平均粒径10.8μm
のトナーを得た。このトナーは電気抵抗率が5×108
Ω-cmで、画像濃度は1.15と低かった。磁性体の分
散性はトナー内部に凝集体が多数見られた。磁性体を分
離し、赤外吸収スペクトルを測定したところ、チタネー
トカップリング剤の吸収は観察されたが、樹脂の吸収は
観察されなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明のトナーは、以上記述のような構
成および作用であり、懸濁重合により製造されるトナー
において、磁性体の分散性に優れ、画像濃度が高くかぶ
りのない高精細画像を与えるトナーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例によるトナー中の磁性体の
赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図2】原料磁性粉の赤外吸収スペクトルを示す図であ
る。
【図3】トナー中の樹脂成分の赤外吸収スペクトルを示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 久与 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁性体粒子を含む重合性単量
    体混合液を重合することにより得られる磁性トナーにお
    いて、トナー中に存在する磁性体粒子表面が樹脂により
    修飾されていることを特徴とする磁性トナー。
JP5137030A 1992-10-23 1993-06-08 磁性トナー Pending JPH06186774A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1061420A3 (en) * 1999-06-18 2000-12-27 Chukyo Yushi Co., Ltd. Charge control agent, manufacturing process thereof and toner for developing electrostatic images

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1061420A3 (en) * 1999-06-18 2000-12-27 Chukyo Yushi Co., Ltd. Charge control agent, manufacturing process thereof and toner for developing electrostatic images

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