JPH0618660U - 燃料噴射ノズル・クランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、エンジン内に燃料を噴射する燃料
噴射ノズルのクランプ装置に関し、燃料噴射ノズルの点
検、交換に際し、その着脱を容易にすることを目的とす
る。 【構成】 シリンダの外面に螺合されているボルトで押
圧されて、一端で燃料噴射ノズルの押圧段部を押下し
て、燃料噴射ノズルをシリンダヘッドに取り付けている
ノズルクランプの他端を、ロッカーシャフトに嵌合し
て、支点とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジンのシリンダ内に、燃料噴射ノズルの噴射端を臨ませてシリ ンダヘッドに取り付け、エンジンの圧縮工程において、シリンダ内に燃料を噴射 させてこれを燃焼し、この燃焼エネルギで回転するエンジンに、前記の燃料噴射 ノズルを取り付ける燃料噴射ノズル・クランプ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の燃料噴射ノズル・クランプ装置を図３、図４に示し、以下これ について説明する。

【０００３】 同図において、１はエンジンのシリンダヘッドで、現在の殆どのエンジンは、 その燃焼エネルギの有効利用のため、このシリンダの吸気バルブ２、排気バルブ ３は、このシリンダヘッド１の頂面に形成されており、特に最近は吸気効率、排 気効率を高めるため、２個の吸気バルブ２、排気バルブ３が用いられている１シ リンダ４バルブ形式のエンジンが多くなってきた。

【０００４】 ４は燃料噴射ノズルで、この燃料噴射ノズル４には押圧段部４ａが設けられて おり、一端５ａがシリンダヘッド１の上面に接触しているノズルクランプ５をシ リンダヘッド１に螺合しているボルト６で押下し、該ノズルクランプ５の他端の 二股部５ｂで、燃料噴射ノズル４の前記の押圧段部４ａを押下して、燃料噴射ノ ズル４をシリンダヘッド１に取り付けていた。

【０００５】 この燃料噴射ノズル４の点検、交換に際しては、ボルト６のシリンダヘッド１ に対する螺合を解除して取り外した後、ノズルクランプ５を取り除いて、燃料噴 射ノズル４を上方に抜き上げてシリンダヘッド１から取り外していた。

【０００６】 この種の燃料噴射ノズル・クランプ装置としては、実開昭６４−４７９７８号 公報記載の内燃機関の燃料噴射ノズル取付装置があるが、この燃料噴射ノズル取 付装置は、ロッカーアームを軸支するロッカーシャフトのスタッドに、前記のノ ズルクランプの一端が支持されるよう、ノズルクランプをロッカーシャフトのス タッドに取り付けたものである。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

現在の、特に前述のような４バルブのエンジンにおいては、この吸気バルブ２ 、排気バルブ３を動作させるロッカーアーム８を軸支するロッカーシャフト７が 各シリンダヘッド１の一側に、且つ前記のロッカーアーム８が燃料噴射ノズル４ の上部両側に設けられていて、図示しないカムシャフトの回転でロッカーアーム ８が押されて、吸気バルブ２、排気バルブ３を動作させている。

【０００８】 従って、燃料噴射ノズル４の点検、交換に際して、前述のように燃料噴射ノズ ル４をシリンダヘッド１から取り外しても、その上部のロッカーシャフト７、お よび上部両側のロッカーアーム８が邪魔をして、これらをを取り外さない限り、 燃料噴射ノズル４をシリンダヘッド１から、離脱できなかった。

【０００９】 又、燃料噴射ノズル４を取り外す際、ボルト６のシリンダヘッド１に対する螺 合を外すと、ノズルクランプ５はシリンダヘッド１から自由に移動できるため、 その移動により紛失してしまったり、組立て時に正確な位置に戻して、ボルト６ をシリンダヘッド１に螺合する作業がやりにくい等の欠点もあった。

【００１０】 前記実開昭６４−４７９７８号公報記載の内燃機関の燃料噴射ノズル取付装置 においても、前述の問題点は、解決されていないものである。 本考案は、従来の燃料噴射ノズル・クランプ装置における前述の問題点を解決 し、ロッカーアームの取り外しを行わなくても、燃料噴射ノズルの着脱を可能な らしめると共に、ノズルクランプの紛失、組立て時の位置合わせが容易な燃料噴 射ノズルの点検、交換に至便な燃料噴射ノズル・クランプ装置を提供することを 目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前述の目的を達成するための燃料噴射ノズル・クランプ装置の手段 に関し、シリンダの外面に螺合されているボルトで押圧されて、一端で燃料噴射 ノズルの被押圧面を押下し、エンジンに燃料噴射ノズルを固定させるノズルクラ ンプの他端を、ロッカーシャフトに嵌合、支持させたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】

本考案の燃料噴射ノズル・クランプ装置においては、燃料噴射ノズルをシリン ダヘッドに取り付けているノズルクランプは、その一端がロッカーシャフトに支 持されているので、これを押下しているボルトを取り外せば、ノズルクランプが ロッカーシャフトに嵌合されていて、ロッカーシャフトはノズルクランプの上方 には位置せず、且つロッカーアームはノズルクランプの両側となるので、ロッカ ーシャフトを中心として、ノズルクランプを上方に回動することができ、燃料噴 射ノズルが簡単に取り外せ、又取り付けに際してもノズルクランプを反対方向に 回動して、ノズルクランプを正しい位置にセットできるものである。

【００１３】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を、図１、図２について説明する。 １はシリンダヘッド、２は吸気バルブ、３は排気バルブ、４は押圧段部４ａが 設けられている燃料噴射ノズル、６はボルト、７はロッカーシャフト、８はロッ カーアームで、これらは従来の装置と同様なものである。

【００１４】 そして、燃料噴射ノズル４の押圧段部４ａを先端の二股部５ｂで、燃料噴射ノ ズル４の押圧段部４ａを押下するノズルクランプ５の他端の軸受部５ｃは、ロッ カーシャフト７に嵌合されている。

【００１５】 従って、ボルト６を抜き取れば、ロッカーアーム８はノズルクランプ５の上方 ではなく、側方に位置するので、ノズルクランプ５はロッカーシャフト７を中心 として、上方に回動可能となり、これを上方に退避させることにより、燃料噴射 ノズル４に対する押下力がなくなるので、燃料噴射ノズル４は上方に抜き差し可 能な状態となるものである。

【００１６】 このように、ノズルクランプ５は、ボルト６の抜取り後でも、ロッカーシャフ ト７に嵌まった状態であるので、ノズルクランプ５を何処かに紛失してしまうこ とがなく、更にロッカーシャフト７、ロッカーアーム８の位置を低くすることも 可能であるため、空間スペースの有効利用を計ることができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、エンジン整備の際に、燃料噴射ノズルの点検、 或いはその交換を行う際、従来のようにロッカーアームまで取り外す必要がなく なり、ボルトの抜脱して、ロッカーシャフトを中心として、ノズルクランプを上 方に回動するだけで、燃料噴射ノズルの着脱が行えるものである。

【００１８】 そのため、燃料噴射ノズルの点検、交換が容易となり、エンジン整備の時間の 短縮、容易さを実現できるばかりでなく、シリンダ上部のスペースの有効利用が 図れる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の断面図である。

【図２】同上の平面図である。

【図３】従来の燃料噴射ノズル・クランプ装置の断面図
である。

【図４】同上の平面図である。

【符号の説明】

４ 燃料噴射ノズル ４ａ 押圧段部 ５ ノズルクランプ ６ ボルト ７ ロッカーシャフト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダの外面に螺合されているボルト
   で押圧されて、一端で燃料噴射ノズルの被押圧面を押下
   し、エンジンに燃料噴射ノズルを固定させるノズルクラ
   ンプの他端を、ロッカーシャフトに嵌合、支持させたこ
   とを特徴とする燃料噴射ノズル・クランプ装置。