JPH06186419A - 円偏光ミラ− - Google Patents

円偏光ミラ−

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JPH06186419A
JPH06186419A JP35558392A JP35558392A JPH06186419A JP H06186419 A JPH06186419 A JP H06186419A JP 35558392 A JP35558392 A JP 35558392A JP 35558392 A JP35558392 A JP 35558392A JP H06186419 A JPH06186419 A JP H06186419A
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thf
znse
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light
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Hiromi Iwamoto
博実 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭酸ガスレ−ザ−光を円偏光に変えるミラ−
は誘電体多層膜と金属層の付着力が不十分であった。た
めに機械的な接触により損傷を受けることが多い。また
層の厚み誤差に対する余裕、光源の波長変動に対する余
裕が乏しかった。 【構成】 シリコンSiまたは銅Cuの基板上に、0.
03μmのCr層、0.3μmのAu、Ag層、0.1
μmのZnSe層、1.54μmのThF4 層、1.2
5μmのZnSe層、1.25μmのThF4 層、1.
15μmのZnSe層、0.96μmのThF4 層、
0.77μmのZnSe層を形成した。Cu基板を扱う
場合は、Cr層を省いても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高出力炭酸ガスレ−
ザ−の光を加工に用いる際にレ−ザ−光を円偏光にする
ための円偏光ミラ−に関する。炭酸ガスレ−ザ−は量子
効率が高く、その光は強力である。ために金属やセラミ
ック、半導体等の切断、熱処理など広く機械加工のため
に用いられる。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガスレ−ザ−光を対象物の加工に用
いる時には発振器から出た光をミラ−で反射させてから
対象物に当てる。左右に走査する必要があるときはミラ
−を左右に振って光を左右に振動させる。対象物は光の
振動方向と直角に動かすことによって、移動の線に沿う
ある広がりを持った領域に光を照射することができる。
発振器から出る光は直線偏光している。
【0003】対象物が金属の場合、切断速度は偏波面に
関連して異方性がある。炭酸ガスレ−ザ−光を直線偏光
のまま金属である対象物に照射すると、切断面が正しく
面に直角にならず、斜めになったりする。これは金属面
に対する反射率が偏光方向によって異なり直線偏光の場
合は切断線に対して異方性があるからである。
【0004】特に厚い金属板を高いパワ−で切断する場
合に切断線の乱れが著しい。それで偏波面に起因する異
方性を克服するために、直線偏光を円偏光に変換するこ
とが必要である。このために、炭酸ガスレ−ザ−は必ず
一つの円偏光ミラ−を必要とする。
【0005】図1は円偏光ミラ−を用いて炭酸ガスレ−
ザ−の直線偏光の光を円偏光に変換する構成を示す斜視
図である。炭酸ガスレ−ザ−の光11は、ある空間上に
想定されたx、y、z座標系に関してz方向に進行して
いるとする。この進行方向に円偏光ミラ−10がある。
ここで光は45度の角度で入射し、45度の角度で反射
される。反射方向をy軸とする。円偏光ミラ−の法線
は、y軸とz軸の2等分線に沿う方向である。直線偏光
の方向はx軸、y軸から45度傾いている。円偏光ミラ
−の作用で反射光は、偏波面が回転する円偏光になる。
【0006】図1において、円14は円偏光における電
場ベクトルの運動を模式的に示している。円偏光の光を
対象物に照射するので切断速度等については異方性がな
い。直線偏光を円偏光に変える作用があるのでこの反射
鏡を円偏光ミラ−というのである。
【0007】ミラ−の主軸に対し45°傾いた直線偏光
を円偏光にするのであるから、P偏光とS偏光の光につ
いて位相を90度ずらせば良い。P偏光というのは、、
電場ベクトルが、入射線、反射線、法線を含む面に(入
射反射面と仮に呼ぶ)平行である成分をいう。S偏光と
いうのは、同じ面に対して電場ベクトルが直角であるも
のをいう。ドイツ語で直角をゼンクレヒトといい、平行
をパラレルというので、それぞれS偏光、P偏光という
のである。
【0008】また光の偏光というのは電場ベクトルの方
向をいう。直線偏光の偏光を45°主軸から傾けるの
は、ミラ−に入射する時に、P偏光とS偏光の強度を等
しくするためである。もしも軸からの傾き角が入射反射
面に近いとP偏光が優越するし、反対であるとS偏光が
優越する。こうなると円偏光にすることができず、楕円
偏光になってしまう。
【0009】このように直線偏光を円偏光に変換するた
めに、屈折率の異なる2種類の透明物質を交互に積層し
た誘電体多層膜による円偏光ミラ−が考案された。
【0010】誘電体多層膜によって光を反射するという
ものは古くから知られている。光に対して透明の誘電体
を用い、屈折率と膜厚の積が波長の1/4である層を複
数層積層すれば、直角に入射する光に対してほぼ全反射
に近い特性が得られる。
【0011】円偏光ミラ−の場合はそうでなく、入射方
向と反射方向が45度である。またP偏光とS偏光に対
する反射率が高くなくてはならない。そしてP偏光、S
偏光に対する位相差が90度であることが必要である。
【0012】このような要求に答えるものとして、W.
H.Southwellや、E.Cojocaru等の
提案がある。
【0013】[1.Souhwell:米国特許第43
12570]これは銀基板の上に(Ge/ZnS)、
(ZnS/ThF4 )、(Ge/ThF4 )などの交互
誘電体多層膜を形成し円偏光ミラ−として提案してい
る。これは各層の膜厚ti を、
【0014】ti =λ0i /4(ni 2−sin2θ0
1/2
【0015】によって与えるとするものである。ただし
λ0 は炭酸ガスレ−ザ−の波長、iは空気に接する層か
ら数えた層の番号である。ni はi番目の誘電体層の炭
酸ガスレ−ザ−の光に対する屈折率である。θ0 は円偏
光ミラ−に対する入射角である。fi は右辺とti の比
を与えているだけで意味のある数ではない。fi が重要
であるがこれを与える指針を特許明細書中にはなにも提
示していない。
【0016】これは8層以上であればP偏光、S偏光に
対する反射率が99%以上になるとしている。8層以上
であれば両偏光に対する位相差は90°にできるとして
いる。これは多くの例を与えている。順に説明する。
【0017】[Southwellの1]Ge/ZnS
の4層誘電体多層膜を用いる。nGe=4.0、nZnS
2.2である。Geが高屈折率、ZnSが低屈折率の物
質である。これを銀などの金属基材の上に積層してい
る。図2は上から順に積層した誘電体層の厚みの比fi
を示めす。上というのは空気に接する部分である。下と
いうのは金属基材に接する部分である。Ge0.864 、Z
nS0.778 、Ge0.674 、ZnS0.319 という構造のも
のをであり、最下層はZnSである。
【0018】屈折率でいうと、高/低/高/・・/低と
なっている。これはfi であり、実際の厚みではない。
(1)式からfを計算しなければならない。Geに対す
るfは0.67μmであり、ZnSにたいするfは1.
27μmである。これらをfに掛けると実際の厚みが得
られる。P偏光に対する反射率が87.33%、S偏光
に対する反射率が88.6%,S偏光とP偏光での位相
差Δθが86°であると述べている。すべてこれらは計
算の結果であり実際に物を作ったと言うのではない。
【0019】[Southwellの2]Ge/ZnS
の6層誘電体多層膜を用いる。nGe=4.0、nZnS
2.2、Geが高屈折率、ZnSが低屈折率の物質であ
る。これを銀などの金属基材の上に積層している。図3
は上から順に積層した誘電体層の厚みの比fi を示す。
上というのは空気に接する部分である。下というのは金
属基材に接する部分である。Ge0.672 、ZnS0.818
、Ge0.560 、ZnS0.679 、Ge0.836 、ZnS0.8
01 という構造のものである。最下層はZnSである。
P偏光に対する反射率が97%、S偏光に対する反射率
が98.4%、位相のずれが90.02°と計算されて
いる。
【0020】[Southwellの3]Ge/ZnS
の8層誘電体多層膜を用いる。nGe=4.0、nZnS
2.2。これを銀などの金属基材の上に積層している。
図4は上から順に積層した誘電体層の厚みの比fi を示
す。上というのは空気に接する部分である。下というの
は金属基材に接する部分である。Ge0.709 、ZnS0.
725 、Ge0.583 、ZnS0.737 、Ge0.784 、ZnS
0.902 、Ge0.933 、ZnS0.932 という構造のもので
ある。P偏光に対する反射率が99.1%、S偏光に対
する反射率が99.5%、位相のずれが90.00°と
計算されている。
【0021】[Southwellの4]Ge/ZnS
の10層誘電体多層膜を用いる。nGe=4.0、nZnS
=2.2。これを銀などの金属基材の上に積層してい
る。図5は上から順に積層した誘電体層の厚みの比fi
を示す。Ge0.711 、ZnS0.716 、Ge0.587 、Zn
S0.739 、Ge0.785 、ZnS0.892 、Ge0.953 、Z
nS0.964 、Ge0.970 、ZnS0.964 という構造のも
のである。P偏光に対する反射率が99.7%、S偏光
に対する反射率が99.8%、位相のずれが90.00
°と計算されている。
【0022】[Southwellの5]ZnS/Th
4 の8層誘電体多層膜を用いる。nZnS =2.2、n
Th4f=1.35である。ここではZnSが高屈折率物質
となっている。図6に空気に接する層からの厚みを示
す。これはfi ではなくて、実際の厚みで書いてある。
単位はμmである。ZnS0.947 μm、ThF4 1.566
μm、ZnS1.102 μm、ThF41.036μm、ZnS1.
427 μm、ThF41.796μm、ZnS1.790 μm、Th
41.543μmである。
【0023】これは前4例とは物質が異なっている。層
の構造は、空気に接する方から、高/低/高/・・低と
なっている。これに対しては、入射光の波長に対する安
定性を論じている。λ=10.571037 、10.591035 、10.6
11385 μmの光に対して、Rp 、Rs 、Δθを計算して
いる。
【0024】λ=10.571037 、Rp =93.08 %、Rs
97.79 %、Δθ=−88.6 λ=10.591035 、Rp =92.97 %、Rs =97.70 %、Δ
θ=−89.9 λ=10.611385 、Rp =92.86 %、Rs =97.62 %、Δ
θ=−91.27
【0025】であるとしている。これらの値は全て計算
によるものである。炭酸ガスレ−ザ−光の波長に対する
安定性に関する問題である。Southwell は、波長が1
0.6μmの近傍で変動しても、反射率や位相差の変動
は僅かだといっているのである。しかし本発明者には、
僅かな波長の変化に対して、これらの結果はむしろ大き
く変動しているように思える。
【0026】[Southwellの6]Ge/ZnS
の8層誘電体多層膜を用いる。nGe=4.0、nZnS
2.2である。ここではZnSが低屈折率物質となって
いる。図7に空気に接する層からの厚みを示す。これも
i ではなくて、実際の厚みで書いてある。単位はμm
である。Ge0.4686μm、ZnS 0.893μm、Ge0.48
26μm、ZnS0.6619μm、Ge0.6368μm、ZnS1.
066 μm、Ge0.6619μm、ZnS1.1842μmである。
これは前4例とは物質が同じものである。
【0027】層の構造は、空気に接する方から、高/低
/高/・・低となっている。これも同じである。これに
対しても、入射光の波長に対する安定性を論じている。
λ=10.571037 、10.591035 、10.611385 μmの光に対
して、Rp 、Rs 、Δθを計算している。
【0028】λ=10.571037 、Rp =99.09 %、Rs
99.59 %、Δθ=−88.28 λ=10.591035 、Rp =99.06 %、Rs =99.54 %、Δ
θ=−89.88 λ=10.611385 、Rp =99.03 %、Rs =99.49 %、Δ
θ=−91.21
【0029】これについても、Southwell はレ−ザ光の
波長変動に対して、Δθ、Rp 、Rsなどの変化が小さ
く優れた誘電体多層膜であるといっている。しかし本発
明者には寧ろ僅かな波長変動に対してこれらのパラメ−
タの変化が大きすぎるように思える。
【0030】[2.E.COJOCARU等の提案にな
る円偏光ミラ−]E.COJAOCARU等は炭酸ガス
レ−ザ−光に対する円偏光ミラ−を提案している。(T
hF4 /ZnS)、(ThF4 /CdTe)の誘電体多
層膜を用いる。
【0031】E.Cojocaru,T.Julea,
and F.Nichitiu,:”Absorbin
g multilayer Coatings Pro
ducing a 90° phase shif
t,”Appl.Opt.29,NO.28,p398
4,(1990)
【0032】は銀の基板の上に(ThF4 /ZnS)を
5回積層した構造体あるいは(ThF4 /CdTe)を
5回積層した構造体の誘電体多層膜を提案している。炭
酸ガスレ−ザ−に10.6μmに対して屈折率が、Zn
S=2.2、CdTe=2.692、ThF4 =1.3
5として計算している。COJOCARUは、炭酸ガス
レ−ザ−光の波長10.6μmの倍数として膜厚の表記
をしているので、彼の数字に10.6μmを掛けて実際
の膜厚を求めてここに記す。
【0033】[COJOCARUの提案1]吸収が無い
とした場合の、(ThF4 /ZnS)5 誘電体多層膜、
つまり10層の多層膜を提案している。nZnS =2.
0、nThF4=1.35 である。ZnSが高屈折率材料
である。図8に膜厚をグラフで示す。上にあるのが空気
に接する層で、下が金属基材に接する層でThF4 であ
る。
【0034】空気に接する上から順に、ZnS3.18μ
m、ThF40.95 μm、ZnS4.25μm、ThF40.62
μm、ZnS3.20μm、ThF41.84 μm、ZnS3.18
μm、ThF41.62 μm、ZnS3.22μm、ThF42.1
5 μmである。これは屈折率の虚数部のk(n=n−i
k)が0という仮定であり吸収が無いという場合であ
る。この場合に対して、COJOCARUは、
【0035】Rp =99.10%、Rs =98.533
%、位相差Δθ=−90.000を計算によって得てい
る。
【0036】[COJOCARUの提案2]吸収が有る
とした場合の、(ThF4 /ZnS)5 誘電体多層膜、
つまり10層の多層膜について演算している。図8に膜
厚をグラフで示す。前例と同様に下が金属層に接する層
でThF4 である。吸収を持たせるために、屈折率が虚
数部0.01を持つと仮定している。nZnS =2.0−
0.01i、nThF4=1.35−0.01iとしてい
る。
【0037】空気に接する上から順に、ZnS3.18μ
m、ThF41.24 μm、ZnS4.11μm、ThF41.04
μm、ZnS3.83μm、ThF40.89 μm、ZnS2.70
μm、ThF40.83 μm、ZnS4.28μm、ThF40.5
8 μmである。この場合に対して、COJOCARU
は、
【0038】Rp =55.630、Rs =47.384
%、位相差Δθ=+90.000を計算によって得てい
る。吸収があるので、反射率が低くなる。勿論これは吸
収がk=0.01とい形で例えば取り込んだ場合という
意味であり、実際に作った膜の吸収がこうなったという
ものではない。
【0039】またどのような製法で膜を作ると吸収が
0.01になるのかといことも分からない。僅かな吸収
の存在によって、反射率が著しく低下するので、極力吸
収のない膜を作るべきだといっているのである。
【0040】[COJOCARUの提案3]吸収が無い
とした場合の、10層からなる(ThF4 /CdTe)
5 誘電体多層膜についても計算を示している。nCdTe
2.692、nThF4=1.35 である。CdTeが高
屈折率材料である。図9に膜厚を棒グラフで示す。前例
と同様に、下が金属層に接する層でThF4 であり、上
が空気に接する層でCdTeである。
【0041】空気に接する上から順に、CdTe2.33μ
m、ThF43.51 μm、CdTe2.25μm、ThF43.1
4 μm、CdTe2.24μm、ThF42.85 μm、CdT
e2.62μm、ThF43.17 μm、CdTe2.33μm、T
hF43.17 μmである。
【0042】これは屈折率の虚数部のk(n=n−i
k)が0という仮定であり吸収が無いという場合であ
る。この場合に対して、COJOCARUは、Rp =9
9.940%、Rs =99.590%、位相差Δθ=−
90.002を計算によって得ている。
【0043】[COJOCARUの提案4]吸収が有る
とした場合の、(ThF4 /CdTe)5 誘電体多層
膜、つまり10層の多層膜について演算している。図1
0に膜厚をグラフで示す。前例と同様に下が金属層に接
する層でThF4 である。吸収を持たせるために、屈折
率が虚数部0.01を持つと仮定している。つまりn
CdTe=2.692−0.01i、nThF4=1.35−
0.01iとしている。
【0044】空気に接する上から順に、CdTe2.33μ
m、ThF42.79 μm、CdTe2.40μm、ThF43.3
7 μm、CdTe2.26μm、ThF42.22 μm、CdT
e2.97μm、ThF42.78 μm、CdTe2.99μm、T
hF41.10 μmである。この場合に対して、COJOC
ARUは、
【0045】Rp =67.048%、Rs =47.38
4%、位相差Δθ=+90.000を計算によって得て
いる。吸収があるので、反射率が低くなる。
【0046】[3.IWAMOTOによる提案(特願平
2−287888号)]本発明者は円偏光ミラ−に関し
て(ThF4 /ZnSe)の誘電体多層膜よりなるもの
を提案している。特願平2−287888(平成2年1
0月24日出願)である。
【0047】ZnSeはこれまで説明してきた従来例
(ZnS、Ge、ThF4 、CdTe)には使用されて
いなかった材料である。ZnSeが高屈折率、ThF4
が低屈折率材料である。nZnSe=2.403、nThF4
1.35である。
【0048】層構造を図12によって示す。空気に接す
る方から、ZnSe0.920 μm、ThF41.659μm、Z
nSe1.373 μm、ThF40.114μm、ZnSe1.154
μm、ThF42.189、ZnSe0.07μm、Ag0.35μ
m、Cu0.03μm、Si基板となっている。上からの4
層ZnSe/ThF4 /ZnSe/ThF4 を位相遅延
層と表現している。これらの4層は、P偏光とS偏光の
間の位相差を90度にするためのものである。だから位
相遅延層という。
【0049】これらの下にある2層のZnSe1.154 μ
m/ThF42.189μmを増反射層といっている。増反射
層といっているのは、この2層が位相差を増やす作用が
なく、反射率を増やすためだけに存在するからである。
厚みが45度入射の10.6μmの光に対して1/4の
厚みであることからこのように表現している。
【0050】より重要なのは最下層のZnSe0.07μm
である。これはバインダ層と表現しているが、これは金
属層と誘電体層の密着性を向上させるためである。これ
までに説明したものは全て、空気側から高/低/高/・
・・/低となっていたが、最下層が高屈折率材料になっ
ている。
【0051】勿論、増反射層、バインダ層も含めた誘電
体多層膜が、前記のΔθが90度、RP 、RS が約10
0%という条件をみたすように決める。しかし下の2層
は位相を変化させる作用はない。この例ではRP =9
9.12%、RS =98.64%であった。
【0052】
【発明が解決しようとする課題】従来から提案されてい
る円偏光ミラ−は機械的強度に難点がある。機械的な接
触によって多層膜が剥離し易い。また炭酸ガスレ−ザ−
光の強烈な光で加熱されたり常温に戻ったりする熱履歴
を繰り返すと、機械的強度の不足のために一部が剥離し
たりして性能が劣化する。これは実際にミラ−面を傷つ
けることで分かる。
【0053】もう一つの欠点は、波長変動にたいして位
相遅延度の変化が大きすぎるということである。以上は
原理的な難点であるが、さらに材料としての難点もあ
る。Geは10.6μmの光に対して、屈折率が4で極
めて高く境界での反射を高くできるので魅力的である。
しかしGeは吸収も大きい。高出力の炭酸ガスレ−ザの
光に対して使用するとミラ−の発熱、パワ−損失が大き
くて使い物にならない。Ge以外の材料によってミラ−
を製作したいものである。
【0054】後者の位相差の問題について説明する。S
outhwellや、Cojocaruは光源の波長変
動について殆ど調べていないから、本発明者は彼らの膜
構造について、光源の波長変動があるときに位相遅延度
がどうなるかということについて計算機でシミュレ−シ
ョンを行った。するとこれらの膜が波長変動に対して十
分な性能を持っていないことが分かった。
【0055】1.まずSouthwellの6番目の例
(図7に示した膜構造)(Ge0.4686、ZnS0.893 、
Ge0.4826、ZnS0.6619、 Ge0.6368、ZnS1.066、
Ge0.6619、ZnS1.1842)について波長を変えて、位
相遅延度Δps(Δθ)がどのように変化するかを計算
した。
【0056】この結果を図13に示す。横軸が波長であ
る。10.6μmでは90度になっているが、9.5μ
mで160度である。波長が長い場合の位相遅延度のず
れが大きくより致命的である。11μmの光に対して位
相遅延度は160度になる。これは波長に対して鋭敏で
あり、波長の安定性の悪い炭酸ガスレ−ザ−光に対して
は使用できない。
【0057】2.次にSouthwellの5番目の例
(図6に示した膜構造)(ZnS0.947 、ThF4 1.56
6 、ZnS1.102 、ThF4 1.036 、ZnS1.427 、T
hF41.796 ZnS1.790 、ThF4 1.543 )について
波長を変えて、位相遅延度Δps(Δθ)がどのように
変化するかを計算した。この結果を図14に示す。横軸
が波長である。
【0058】Southwellは10.6μmでは9
0度になっているというが、本発明者の計算では、1
0.6μmで100度である。極小値は11.1μmで
70度である。これは10.6の近傍での位相遅延度が
90度からずれている。λ=9.5μmで150度であ
る。波長が短い場合の位相遅延度のずれがより問題であ
る。
【0059】3.さらにCojocaruの1番目の例
(図8に示した膜構造)(ZnS3.18、ThF4 0.95、
ZnS4.25、ThF4 0.62、ZnS3.20、ThF4 1.8
4、ZnS3.18、ThF4 1.62、ZnS3.22、ThF4
2.15)について波長を変えて、位相遅延度Δps(Δ
θ)がどのように変化するかを計算した。この結果を図
15に示す。横軸が波長である。10.6μmでは90
度になっており極小ではあるが、波長がずれると、位相
遅延度が著しく変動することが分かる。
【0060】λ=11μmで、位相遅延度が160度で
ある。10μmでも150度となり理想的な値の90度
から大きくずれている。既に延べたように、炭酸ガスレ
−ザ−光源の波長は9.5μm〜11.5μmの範囲で
変動するということが有りうる。ためにこの範囲で位相
遅延度が90度に近いということが円偏光ミラ−には強
く望まれる。
【0061】これらは従来例の数例についてのシミュレ
−ションに過ぎない。計算には多大の時間がかかるので
全ての従来例についての本発明者の計算結果を示すこと
ができない。しかしこれらの例からだけでも、従来例の
円偏光ミラ−は光源の波長変動について十分な特性を持
たないことが分かるであろう。
【0062】このように炭酸ガスレ−ザ−の光を45°
の角度で反射し、直線偏光を円偏光にすることのできる
円偏光ミラ−については計算機を用いてさまざまな構造
のものが設計されている。しかしながらこれらの円偏光
ミラ−は、高出力炭酸ガスレ−ザ−の光に耐えず、寿命
が短いという難点がある。使用を重ねると膜が基板から
剥離してしまう。また刃物などでミラ−面を押さえると
容易に傷が付く。膜の付着力が弱いのである。
【0063】さらに波長変動に対して位相差が90°か
ら容易にずれてしまうということがある。炭酸ガスレ−
ザ−の光の波長は10.6μmであるがこれが僅かに変
動してもP偏光、S偏光に対する位相差が90°からず
れないようになっていることが望ましい。
【0064】4.IWAMOTO(特願平2−2878
88)は、(ZnSe/ThF4 )の6層からなる。し
かし位相遅延を与えるものは上の4層であり、下の2層
は反射率を高めるだけのものであった。このために膜厚
の変動に対して、位相遅延度の変動が大きいという欠点
があった。90度の位相遅延を与えるためには最低4層
が必要である。この先願は最小の層数によって90度の
位相遅延を得ることができる。一般に層の数が少ない
と、膜厚選択の自由度と膜厚の許容誤差の幅が限定され
る。ために4層遅延の場合は、膜厚変動により位相遅延
度が著しく変化するという難点があった。
【0065】図16は、このミラ−の光源の波長変化に
対する位相差(位相遅延度)変化を示す。これは位相差
の波長依存性が大きいということが分かる。例えばλ=
11.0で位相差が0度に落ちてしまう。波長が大きい
方での位相差の変化が著しい。先に述べたように、位相
遅延度の個々の膜厚依存性を調べることが難しいので、
光源の波長変動に対する位相遅延度の変化を調べること
が多い。膜厚の誤差は光源の光の波長変動と同じ効果を
位相遅延度に対して持っているといえるので、膜厚変動
に対する位相遅延度の変化を調べる代わりに、計算しや
すく実証しやすい波長依存性を調べるのである。
【0066】また位相遅延度は90±5度の範囲でなら
使用可能と言われている。しかしより望ましくは3度の
範囲つまり90±3度の範囲に入っているのが望まし
い。従来のもので多少の膜厚のずれや波長変動に対して
常に90±5度の範囲に入るようなものはなかった。
【0067】このように従来の円偏光ミラ−はそれぞれ
欠点を持っている。本発明は基板に対する膜の付着力の
大きい、長年の使用や機械的衝撃によって膜が剥離脱落
せず、高出力の炭酸ガスレ−ザ−の光に対して良く耐
え、波長変動に対して位相差の変化が少ない円偏光ミラ
−を提供することを目的とする。
【0068】
【課題を解決するための手段】本発明の円偏光ミラ−
は、鏡面加工したシリコンSiまたは銅Cuの基板と、
基板の上に形成された厚みが0.01〜0.1μmのC
r層と、該Cr層の上に形成された厚みが0.1〜1.
0μmの金Au、または銀Ag層と、前記金又は銀層の
上に形成された厚みが0.07〜0.13μmのZnS
e層1と、該ZnSe層1の上に形成された厚みが1.
39μm〜1.69μmのThF4 層2と、該ThF4
層2の上に形成された厚みが1.12μm〜1.38μ
mのZnSe層3と、該ZnSe層3の上に形成され厚
みが1.06μm〜1.44μmのThF4 層4と、該
ThF4 層4の上に形成された厚みが1.06μm〜
1.24μmのZnSe層5と、該ZnSe層5の上に
形成された厚みが0.87μm〜1.05μmのThF
4 層6と、該ThF4 層6の上に形成された厚みが0.
7μm〜0.84μmのZnSe層7とよりなり、Zn
Se層1、ThF4 層2、ZnSe層3、ThF4
4、ZnSe層5、ThF4 層6、ZnSe層7は位相
遅延層を構成することを特徴とする。ただし、基板とし
てCu基板を用いる場合は、バッファ層としてCr層が
必ずしも要求されない。この場合は、Cu基板の上へ直
接にAu、Ag層が形成されることになる。
【0069】図17は本発明の円偏光ミラ−の層構造を
示す。図18は各層の厚みの例を示す。図19は空気に
接する層を上にして書いた厚みの棒グラフである。
【0070】基板は機械的強度があり、放熱性も良いS
i、Cuを用いる。特に熱伝導度が高く冷却に適してい
るということが重要である。冷却水を通して水冷するこ
とが多い。これは位相差や反射率など光学的なパラメ−
タに関係しない。
【0071】基板の上に金属層としてCr層と、Au又
はAg層を設ける。Cr層は、Au、Ag層を基板に強
固に付けるためのものである。これはみずからが応力を
発生するほど厚いものであってはいけない。0.01〜
0.1μm程度で、0.03μmが最適である。円偏光
ミラ−の基板は屈折率に虚数部を持つ金属でなければな
らないが、これに当たるものがAu、Ag層である。こ
れは機械的強度を担うものでないから薄くても良い。し
かしここで光が透過してはいけないから0.3μmの厚
みを与えている。これ以上の厚みであるのは差し支えな
いが高価な材料を無駄にするのは望ましくない。一般に
AuまたはAgの金属層は0.1〜1.0μm程度で良
い。。
【0072】位相遅延層は、S偏光とP偏光成分の間に
90°の位相差を与えるものであるが、1〜7の7層の
ThF4 /ZnSe層よりなる。最下層の薄い(約0.
1μm)のZnSeは金属層に対して強固な付着力を得
るためのものである。従来のように偶数層とすると、最
下層が低屈折率の物質になったが、ここでは高屈折率の
物質であるZnSeを最下層にして付着力を高揚させて
いる。
【0073】この点が本発明の特異なところである。従
来例として様々のものをこれまで説明した。South
wellやCojocaruなどの円偏光ミラ−はいず
れも最下層は低屈折率物質層であり、全体として誘電体
層の数は偶数であった。本発明はそうでなく、金属層へ
の密着性を高めるために、最下層を高屈折率のZnSe
にしているのである。これがあるので密着性が良く、機
械的強度に優れる。硬いもので面を擦っても傷が付かな
い。高出力の炭酸ガスレ−ザ−光を繰り返し照射しても
劣化しない。
【0074】
【作用】本発明の特徴のひとつは密着性である。金属層
に付ける物質が従来は低屈折率物資で多くの場合、Th
4 ということになる。図6、図8〜図11などの例が
そうである。しかし金属の上に蒸着したときThF4
圧縮応力を生ずる。ために金属層との密着性が悪い。反
対にZnSeは金属の上に蒸着すると引っ張り応力を生
ずる。これはもちろん膜厚が増えるにしたがって増え
る。引っ張りであると、金属との接触が安定で剥離し難
い。
【0075】そこで本発明では最下層に極薄い、ZnS
e層を形成する。最下層の材料として、ThF4 よりも
ZnSeが適しているのである。厚みは0.1μm程度
が最適である。これが厚過ぎると自ら発生する応力が大
きくなり過ぎて剥離の原因になる。
【0076】実際に最下層がThF4 である円偏光ミラ
−を刃物で傷付けると、傷の線の横にこれに沿って、層
全体が隆起する部分が現れる。これの縦断面を顕微鏡で
見てみると、金属層と最下層の間にくさび型の空隙がで
きているのがわかる。
【0077】しかし本発明のように、最下層がZnSe
であるものは、これが薄くて引っ張り応力を生ずるため
に、刃物で傷をつけても、その部分が剥がれるだけであ
る。傷の近くが隆起するということがない。また縦断面
を顕微鏡でみても、金属層と最下層の間に空隙がない。
このように最下層に薄いZnSeを用いるので密着性が
良い。こうすると層の数が奇数になる。この点でSou
thwellやCojocaruとは違う。
【0078】光源の波長変動に対する本発明の円偏光ミ
ラ−の性能について計算した。入射角が45°で、直線
偏光の偏波面が、面の主軸に対して45°傾いていると
いう条件は同様であるが、光源の波長を変えた場合にど
うなるかということを計算によって調べた。炭酸ガスレ
−ザ−光といっても常に厳密に10.6μmの波長の光
を出すわけではない。
【0079】この波長で最適化してあるが、もしもこの
波長からずれたときにどれほどパラメ−タが変化するか
ということも検討しなければならない。波長変動に対し
て円偏光ミラ−としての性能があまり変わらないのが望
ましい。図20は計算結果を示すグラフである。横軸は
炭酸ガスレ−ザ−光の波長で、9.5μm〜11.5μ
mの範囲で変動する場合を考える。縦軸は、位相遅延度
である。10.6で極小を取るようにしてある。
【0080】これは微分が0であるので、この近傍での
変化が少なく安定性に優れるためである。10.6での
曲率も小さくて極めて波長安定性が良い。λが大きくず
れてもあまり位相遅延度が変わらない。λ=9.5μm
で、Δθは130度、λ=11.5μmで140度であ
る。
【0081】すでに述べたように、誘電体多層膜で円偏
光ミラ−を作る場合、自由度が高くて、最適のものが一
義的には決まらない。位相遅延度が90度であること、
P偏光、S偏光の反射率が1に近い事という条件を立て
ても、未知数が多いので一義的に最適条件を決定できな
い。n層であれば、前記の3つの条件を課しても、(n
−3)の自由度が残る。この自由度をどのように決めて
も良いということになる。
【0082】これが円偏光ミラ−について様々のものが
提案される大きい理由であろうと思われる。これらの層
の厚みを変化させた時の、位相遅延度、反射率の変化等
も調べるべきであろうが、パラメ−タの数が多すぎてこ
れができない。しかし層の厚み変動と、光源の波長変動
とにはある相関があるから、厚み変動による位相遅延度
や反射率の変動は、光源の波長変動による変動と比例す
る筈である。この意味でも光源の波長変動によるパラメ
−タの変動が小さいということは円偏光ミラ−の性能の
優れていることの証左になる。
【0083】以上で本願発明の密着性と波長に対する安
定性を説明した。次にIWAMOTOの先願との相違を
述べる。先願は4層が位相遅延のため、2層を反射率高
揚のために用いていた。本願発明は全層を位相遅延に用
いるから自由度が高い。このような事は既に述べたが、
この違いを理解するには誘電体多層膜での電界、磁界の
変化を追跡しなければならない。
【0084】誘電体多層膜に於ける電界と磁界の変化を
説明する。図24は、P偏光の成分の電界、磁界を示
す。電界成分は入射、反射、屈折光線を含む面に平行で
ある。電界の入射成分にはiを、反射成分にはrを、屈
折成分にはtをサフィックスとして付ける。正の方向の
定義を図のようにする。磁界は前記の面に直角である。
【0085】入射、屈折成分の磁界は上向きを正とし、
反射については下向きを正とする。入射、反射角をθ
0 、屈折角をθ1 とする。磁界Hと電界Eの比をアドミ
ッタンスYというが、これはY=(ε/μ)1/2 で表さ
れる。真空中のアドミッタンスY0 は、2.65×10
-3S(ジ−メンス)である。H=YEである。
【0086】斜め方向のベクトルの大きさを考えるの
は、斜め入射の多層膜での波動を扱うには不便である。
そこで、電界、磁界の境界面方向成分について考える。
スネルの法則が成り立つので、真空中からの入射角が決
まると、媒質での屈折率により、光線の屈折角が決まる
ので、境界面方向成分が決まると当然に、法線方向の成
分も、大きさの絶対値も決まるのである。本願発明は円
偏光ミラ−を対象にしているから、真空中(空気中)か
らの入射角は45°と決まっている。すると屈折率がn
の媒質での屈折角はθ=sin {(21/2 n)-1}とな
る。
【0087】境界面方向の成分と、全体の関係を初めに
考察する。P偏光の場合は、磁界が境界面に平行である
から、境界面平行成分と、全磁界は等しい。しかし、電
界は境界面とθの角度をなすので、境界面平行成分はE
cos θになる。そこで境界面平行成分についての磁界/
電界の比ηp は、アドミッタンスYにcos θ-1が付い
て、ηp =Y/cos θとなる。
【0088】S偏光の場合の電界、磁界を図22に示
す。電界が紙面に直角であるから、境界面平行成分は、
全電界に等しい。磁界が境界面と角θをなすので、磁界
の境界面平行成分は全磁界にcos θを掛けたものであ
る。すると境界面平行成分の磁界/電界の比ηs は、η
s =Ycos θである。
【0089】図23は誘電体多層膜での波動の伝搬を示
す。a、bの誘電体が接触しているものとする。進行波
には+を付け、反射波には−を付けて区別する。電界、
磁界は境界面平行成分について考えている。媒質b内部
での電界、磁界の境界面平行成分をEb 、Hb とする。
境界面a/bでの入射光、反射光の電界、磁界の境界面
平行成分をEb +、Eb -、Hb +、Hb - とすると、境界面
平行成分は連続であるので、P偏光であろうが、S偏光
であろうが、
【0090】 Eb =Eb ++Eb - (1) Hb =Hb ++Hb - (2)
【0091】となる。Hb +=ηEb +、Hb -=−ηEb -
であるから、
【0092】 Eb +=(Eb +Hb /η)/2 (3) Eb -=(Eb −Hb /η)/2 (4)
【0093】 Hb +=(ηEb +Hb )/2 (5) Eb -=(−ηEb +Hb )/2 (6)
【0094】進行波は同じ媒質内で位相が変化するだけ
である。位相変化は媒質での光の進行した長さδに等し
いので、
【0095】 δ=2πnaacosθa /λ (7)
【0096】となる。ここでna は媒質aの屈折率、d
a は厚み、θa は媒質aでの光線の進行角で前記のスネ
ルの式で決まる。進行波は+、反射波は−の位相変化を
しますので、媒質aでの進行波、反射波をEa +、Ea -
する。Ea +=Eb +exp(iδ)、Ea -=Eb -exp
(−iδ)となる。これは吸収を考慮に入れていない。
【0097】 Ea =Ea ++Ea -=Eb +exp(iδ)+Eb -exp(−iδ) =Ebcosδ+iHbsinδ/η (8)
【0098】 Ha =Ha +−Ha -=Hb +exp(iδ)+Hb -exp(−iδ) =iηEbsinδ+Hbcosδ (9)
【0099】これで2行2列の変換行列を得る。これは
常に行列の値が1である。
【0100】
【数10】
【0101】
【数11】
【0102】ここでηはP偏光ではY/cos θであり、
S偏光についてはYcos θである。一つの層での磁界電
界の境界面平行成分の関係が前記の式で与えられる。誘
電体層が多数ある場合は前記の式Maを積算したもの
が、全体の層での電界、磁界の変化を与える。各層での
変化行列をM1 、M2 、・・・Mn とすると、これらの
積Q(2×2行列)が、
【0103】 Q=M12 ・・・Mn (12)
【0104】全体での電界、磁界の変化を与える。空気
中での電界、磁界の境界面平行成分を(E0 ,H0 )と
しこれの転置行列を t(E0 ,H0 )とする。最下層で
の電界、磁界の境界面平行成分を(En+1 ,Hn+1 )と
しこれの転置行列を t(En+1,Hn+1 ) とすると、
【0105】 t(E0 ,H0 )=M12 ・・・Mn t(En+1 ,Hn+1 ) (13)
【0106】となる。これらの式はP偏光とS偏光で全
く別異の式になっている。それはηの定義が違うからで
ある。いずれの偏光についても多層膜を介しての電界、
磁界の変化を求めることができる。
【0107】磁界を電界で割った値がηであり(P偏光
ηp =Y/cos θ、S偏光ηs =Ycos θ)、空気中で
のηをη0 、最下層でのηをηn+1 とすると、上の式
は、
【0108】 t(1,η0 )=M12 ・・・Mn t(1,ηn+1 ) (14)
【0109】と書き換えることができる。最下層は金属
層であるから、これのηをηm とした場合、最上層(空
気中)での電界、磁界の比をB、Cとして、
【0110】 t(B,C)=M12 ・・・Mn t(1,ηm ) (15)
【0111】ηm は金属層でのηであり、
【0112】 ηm =Ymcosθ (S偏光に対して) (16) ηm =Ym /cos θ (P偏光に対して) (17)
【0113】であるが、アドミッタンスYは複素数とな
る。 Ym =(ε/μ)1/2 =Y0m (18)
【0114】である。Y0 は真空のアドミッタンスで
0.00265Sであり、Nm は金属の複素屈折率であ
る。これは実数部より虚数部の方がずっと大きい。また
金属のなかであるので、磁界と電界の比であるηm が決
まっている。上の式でC/BはアドミッタンスYに等し
い。
【0115】複素反射率rは r=(η0 −Y)/(η0 +Y) (19)
【0116】で示される。エネルギ−反射率Rはこれの
絶対値の2乗である。 R=|(η0 −Y)/(η0 +Y)|2 (20)
【0117】アドミッタンスYをY=a+ibというよ
うに実部と虚部に分けると、 R={(η0 −a)2 +b2 }/{(η0 +a)2 +b2 } (21)
【0118】となる。位相遅延φは、 tan φ=(−2bη0 )/(η0 2−a2 −b2 ) (22)
【0119】によって与えられる。これはP偏光とS偏
光について別々の式になる。それぞれをφS 、φP とし
て求めその差を計算すると位相遅延の値が分かる。円偏
光ミラ−であるからこれが90°になるように層の種類
と厚みを決定する。従来技術をして説明した何れの提案
もこれらの式に従って反射率や位相遅延を計算している
のである。金属層として実際に実部と虚部の値を入れる
と、層毎に計算を分離できない。しかし金属の複素屈折
率が虚数だけとすると計算が簡単になり、層毎の位相遅
延を計算できる。
【0120】先述のIWAMOTOの先願は、6層の誘
電体多層膜を重ねている(1層さらに密着性を高めるた
めにある)が上の4層だけが位相を遅延させる作用があ
り、下2層は位相変化を起こさせない。これは(22)
の式でφが求まるが、最下層2層でのφS とφP がほぼ
同じということである。最下層の2層が位相遅延をして
いないというのはこのようなことである。
【0121】より詳しく説明する。この円偏光ミラ−の
第6層目は2.189μmのThF4 で、第5層目は
1.154μmのZnSeである。ThF4 の屈折率を
1.35、ZnSeの屈折率を2.403とする。45
度入射の場合、スネルの法則から、ZnSe中での光の
法線となす角は17.113度、ThF4 中での光の法
線となす角は31.5度である。第6層のThF4 、第
5層のZnSeに対するδは、
【0122】 δ(ThF4 )=2π×2.189×1.35×0.8526/10.6 =1.493 (23)
【0123】 δ(ZnSe)=2π×1.154×2.403×0.9557/10.6 =1.571 (24)
【0124】となる。これらはラジアンを単位とする。
ほぼπ/2に等しいので、cos δがほぼ0になる。sin
δがほぼ1である。このために前記の変換行列の対角項
がほぼ0になる。非対角項が値を持ちこれらの積がほぼ
1となる。(25)にcos を0、sin を1とした例を示
す。
【0125】
【数25】
【0126】このような変換行列を二つ掛けると、対角
項に負の実数が現れるが、非対角項はほぼ0となる。
【0127】
【数26】
【0128】簡単のため最下層の金属の屈折率が純虚数
であるとする(例えばAgで、n=5.9−i76.1
3)と、上記の行列にかかるものは t(0,Cm )とな
る。但しCm は金属層の磁界成分である。屈折率が純虚
数であれば、電界が存在しない。これらの積として得ら
れる2層分の電界、磁界成分を表す量である、BとCは
t(B,C)=M12 t(0,Cm )で得られるが、
B=0、C=−η2m/η1 となる。
【0129】Bが0であるので、位相の変化は0であ
る。また実効的なアドミッタンスがY=C/Bであるか
らこれが無限大になる。従ってこの2層での反射率はほ
ぼ1になる。こうしてこの2層(第5、第6層)では位
相遅延はおこらず、反射率を高めているだけであるとい
うことが分かるであろう。
【0130】これが増反射層と命名した所以である。下
層の2層に付いてδ=π/2という条件を課すのでこれ
らの膜厚選択の自由度がない。結局上の4層の膜厚のみ
が自由なパラメ−タになっていた訳である。
【0131】本願発明の上の6層はそうでなく、全て少
しずつ位相遅延に寄与している。金属層のアドミッタン
スを純虚数とすると、層毎の位相変化を計算できるの
で、このようなことが良く分かる。6層の全てに位相遅
延を割り振るので、層の厚み誤差に対して、また光の波
長変動に対して余裕が増えるのである。
【0132】
【実施例】Cu基板の上に、0.03μmのCr層、
0.3μmのAu層、0.15μmのZnSe層、1.
54μmのThF4 層、1.25μmのZnSe層、
1.25μmのThF4 層、1.15μmのZnSe
層、0.96μmのThF4 層、0.77μmのZnS
e層を形成した。
【0133】金属膜を基板に堆積する場合は、基板温度
を50℃にし、抵抗加熱により材料を蒸着した。真空度
は、1×10-5mbである。Crの蒸着速度は、0.8
±0.1Å/sec である。Auの蒸着速度は7.0±
0.5Å/sec である。
【0134】誘電体膜を基板に堆積する時は、基板を1
50度に保持し、真空度は3〜8×10-6mbとして蒸
着した。ZnSe層は6.0±0.5Å/sec の蒸着速
度で、ThF4 層は4.0±0.5Å/sec の蒸着速度
で蒸着した。
【0135】図21に、実際に製作した上記の円偏光ミ
ラ−について、光源の波長を変化させ、赤外エリプソメ
−タによって、位相遅延度Δpsを測定した結果を示
す。横軸は光源の波長である。縦軸が位相遅延度Δps
である。10.6μmにたいして丁度90°となってい
る。10.6μmで極値を取り、これよりずれると位相
遅延度が増える。波長が長いほうにずれると10.8μ
m程度で95°になる。短い方にずれると、10.33
μm程度で95°になる。ThF4 の屈折率は1.3
5、ZnSeの屈折率は2.403としている。スネル
の式から求めた光線の法線となす角はZnSe中で1
7.11度、ThF4中で31.5度となる。
【0136】位相遅延のずれをどれだけ許容するかによ
るが、90±5°まで良いとすれば、10.33〜1
0.8μm程度までの波長のゆらぎは許容できることに
なる。波長のゆらぎの許容範囲が広い。従来例として説
明しもののいずれよりも広いことが分かる。
【0137】これは単に光の波長に対する余裕が大きい
ということではなくて、誘電体多層膜の層の厚みに関す
る余裕度が大きいということも意味する。また鏡面を刃
物で傷つけた場合、傷が拡がらず、層の基板に対する密
着性の良いことを確かめた。Cr層を除き、銅基板(C
u)の上に直接にAu、Ag層を形成し、その上にZn
Se/ThF4 多層膜を形成した円偏光ミラ−も作製し
たが、密着性は同様に優れていた。
【0138】
【発明の効果】従来の誘電体多層膜は例外なく、基材に
接する層は低屈折率層であり、空気側が高屈折率物質で
あった。だから層の数は必ず偶数であった。ところが、
本発明では、金属に接する側の層が、薄い(0.1μm
程度)ZnSeである。これが金属層との付着力を著し
く増強することができる。空気に接する層は高屈折率で
あるから、膜の配置を屈折率で言えば、高/低/高/・
・・/高となる。つまり膜の数が本発明では7枚で奇数
である。
【0139】最下層のZnSeは膜の付着力を高めるた
めのバッファ層ということができる。基材はSi、Cu
など熱伝導度の高い材料であれば良い。金属層Crと、
Au、Ag層は基材のSi、Cuの上にZnSeを強く
つけるために必要である。
【0140】膜の機械的強度が強く、高出力炭酸ガスレ
−ザ−光に良く耐えることができる。従来のものはいず
れも膜の付着力が弱くて、高出力のレ−ザ−光を当てる
と劣化し易い。
【0141】さらに、光の変化にたいする位相遅延度の
安定性が高い。ために炭酸ガスレ−ザ−光の波長が多少
変動しても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】円偏光ミラ−の作用原理を示すミラ−と偏波面
の関係の概略斜視図。
【図2】Southwellの提案した第1例のGe/
ZnSの4層よりなる誘電体多層膜の円偏光ミラ−の層
の厚みを示す棒グラフ。
【図3】Southwellの提案した第2例のGe/
ZnSの6層よりなる誘電体多層膜の円偏光ミラ−の層
の厚みを示す棒グラフ。
【図4】Southwellの提案した第3例のGe/
ZnSの8層よりなる誘電体多層膜の円偏光ミラ−の層
の厚みを示す棒グラフ。
【図5】Southwellの提案した第4例のGe/
ZnSの10層よりなる誘電体多層膜の円偏光ミラ−の
層の厚みを示す棒グラフ。
【図6】Southwellの提案した第5例のThF
4 /ZnSの8層よりなる誘電体多層膜の円偏光ミラ−
の層の厚みを示す棒グラフ。
【図7】Southwellの提案した第6例のGe/
ZnSの8層よりなる誘電体多層膜の円偏光ミラ−の層
の厚みを示す棒グラフ。
【図8】Cojocaruの提案した第1例のZnS/
ThF4 の10層よりなり吸収の無い誘電体多層膜の円
偏光ミラ−の層の厚みを示す棒グラフ。
【図9】Cojocaruの提案した第2例のZnS/
ThF4 の10層よりなり吸収のある誘電体多層膜の円
偏光ミラ−の層の厚みを示す棒グラフ。
【図10】Cojocaruの提案した第3例のCdT
e/ThF4 の10層よりなり吸収の無い誘電体多層膜
の円偏光ミラ−の層の厚みを示す棒グラフ。
【図11】Cojocaruの提案した第1例のCdT
e/ThF4 の10層よりなり吸収のある誘電体多層膜
の円偏光ミラ−の層の厚みを示す棒グラフ。
【図12】Iwamotoの提案したZnSe/ThF
4 の7層よりなる誘電体多層膜の円偏光ミラ−の層の厚
みを示す棒グラフ。
【図13】Southwellの第6例(図7)につい
て本発明者が計算した位相遅延度の光源波長依存性を示
すグラフ。
【図14】Southwellの第5例(図6)につい
て本発明者が計算した位相遅延度の光源波長依存性を示
すグラフ。
【図15】Cojocaruの第1例(図8)について
本発明者が計算した位相遅延度の光源波長依存性を示す
グラフ。
【図16】Iwamotoの特願平2−287888号
に提案した円偏光ミラ−の位相遅延度の光源波長依存性
を示すグラフ。
【図17】本願発明で提案する7層のZnSe/ThF
4 よりなる誘電体多層膜の膜構造を示す断面図。
【図18】本願発明で提案する7層のZnSe/ThF
4 よりなる誘電体多層膜の膜構造を数値で示す図。
【図19】本願発明で提案する7層のZnSe/ThF
4 よりなる誘電体多層膜の膜構造をの各層の厚みを示す
棒グラフ。
【図20】本願発明で提案する7層のZnSe/ThF
4 よりなる誘電体多層膜の膜構造を持つ円偏光ミラ−の
位相遅延度の光源波長依存性の計算値を示すグラフ。
【図21】本願発明で提案する7層のZnSe/ThF
4 よりなる誘電体多層膜の膜構造を持つ円偏光ミラ−の
位相遅延度の光源波長依存性の赤外エリプソメ−タによ
る測定結果を示すグラフ。
【図22】S偏光の成分が境界面に入射する時の電界、
磁界の正の方向を示す図。
【図23】誘電体のa層からb層に光が進行した場合の
面に平行な電界、磁界成分の定義を示す概略図。
【図24】P偏光の成分が境界面に入射する時の電界、
磁界の正の方向を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡面加工したシリコンSiまたは銅Cu
    の基板と、基板の上に形成された厚みが0.01〜0.
    1μmのCr層と、該Cr層の上に形成された厚みが
    0.1〜1.0μmの金Au、または銀Ag層と、前記
    金又は銀層の上に形成された厚みが0.07〜0.13
    μmのZnSe層1と、該ZnSe層1の上に形成され
    た厚みが1.39μm〜1.69μmのThF4 層2
    と、該ThF4 層2の上に形成された厚みが1.12μ
    m〜1.38μmのZnSe層3と、該ZnSe層3の
    上に形成され厚みが1.06μm〜1.44μmのTh
    4層4と、該ThF4 層4の上に形成された厚みが
    1.06μm〜1.24μmのZnSe層5と、該Zn
    Se層5の上に形成された厚みが0.87μm〜1.0
    5μmのThF4 層6と、該ThF4 層6の上に形成さ
    れた厚みが0.7μm〜0.84μmのZnSe層7と
    よりなり、ZnSe層1、ThF4 層2、ZnSe層
    3、ThF4 層4、ZnSe層5、ThF4 層6、Zn
    Se層7は位相遅延層を構成することを特徴とする円偏
    光ミラ−。
  2. 【請求項2】 鏡面加工した銅Cuの基板と、基板の上
    に形成された厚みが0.1〜1.0μmの金Au、また
    は銀Ag層と、前記金又は銀層の上に形成された厚みが
    0.07〜0.13μmのZnSe層1と、該ZnSe
    層1の上に形成された厚みが1.39μm〜1.69μ
    mのThF4 層2と、該ThF4 層2の上に形成された
    厚みが1.12μm〜1.38μmのZnSe層3と、
    該ZnSe層3の上に形成され厚みが1.06μm〜
    1.44μmのThF4 層4と、該ThF4 層4の上に
    形成された厚みが1.06μm〜1.24μmのZnS
    e層5と、該ZnSe層5の上に形成された厚みが0.
    87μm〜1.05μmのThF4 層6と、該ThF4
    層6の上に形成された厚みが0.7μm〜0.84μm
    のZnSe層7とよりなり、ZnSe層1、ThF4
    2、ZnSe層3、ThF4 層4、ZnSe層5、Th
    4 層6、ZnSe層7は位相遅延層を構成することを
    特徴とする円偏光ミラ−。
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