JP2011013457A - プリズムアセンブリの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合面を含むプリズムアセンブリを効率的かつ高精度に製造する。
【解決手段】ガラスプレート24をほぼ同サイズの平行平板26にカットし、これらを複数枚仮接合により厚み方向に積層して一次積層体27を得る。平行平板26の第1端面が露呈した面を平面研磨した後、その研磨仕上げ面に薄膜層12を成膜する。一次積層体27の仮接合を解いて平行平板26をその厚み分の段差をもたせて階段状にずらして配列し、平行平板26を互い強固に本接合する。薄膜層12が成膜された第1端面の配列面に向かって逆側から平面研磨し、平行平板26の互いの接合面を残した仕上げ線K1の位置まで研磨する。研磨後に端部を整形してシート状の接合プリズム体30を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、内部に接合面を含むように組み合わされたプリズムアセンブリの製造方法に関するものである。
液晶プロジェクタの照明光学系や光ディスクのピックアップ光学系などにはそれぞれ用途に応じた独特の形態のプリズムアセンブリが使用されている。液晶プロジェクタの照明光学系では、画像表示に用いられている液晶パネルを直線偏光光で照明しなければならないことから、光源からの無偏光光を偏光面がそろった直線偏光光に変換する偏光変換用のプリズムアセンブリが利用されている。光ディスクのピックアップ光学系では、光源からの光ビームを光ディスクの記録面に導き、さらに光ディスクから反射されてきた信号光を光センサまで導くためにプリズムアセンブリを利用するのが通常である。
こうした様々な用途で用いられるプリズムアセンブリは、一般に角柱状のガラスバー材を切断、研磨し、さらには必要に応じて所望の光学特性の薄膜層を成膜した後に接合することによって作製される。プリズムアセンブリのほとんどは、空気との界面や接合面に反射面を有するため、切断工程や研磨工程ではこれらの反射面の角度が一定に保たれるように厳密な管理を必要としている。特許文献1で知られるプリズムの製造法では、成形金型を用いてガラスをプレス加工して所望の頂角をもつプリズムの集合体を得た後、研削、研磨及び切断を行ってプリズムを個々に分離している。また、特許文献2で知られる製造方法では、プリズム内部の接合面に薄膜層を有するプリズムアセンブリを効率的に製造できるように工夫されている。
特開2001−166117号公報 特許第2639312号公報
特許文献1で知られる手法は、ガラス成形により多数のプリズムを一体に作製した後、所要部を研削、研磨、切断することによって多数のプリズムを得ることができるため、量産性に適している。しかし、ガラス成形のためには設備として成形機が不可欠で、さらに加熱したガラスプリフォームを準備し、プレス工程の後には冷却期間をおいてから研削、研磨、切断を行わなければならず、設備コストがかかるだけでなく工程数も多いという欠点がある。加えて、金型で成形された面は平坦度や表面粗さの点でそのまま光学面として利用することが難しいのが実情である。また、特許文献2記載の手法は、互いに平行な接合面に薄膜層が設けられたプリズムアセンブリの製造に好適で量産性にも優れているが、例えば互いに直交する接合面の双方、あるいは空気との界面となる内面全反射面に薄膜層を設けようとする場合には適していない。
本発明は以上を考慮してなされたもので、その目的は、量産適性を考慮して内部に接合面をもたせ、さらには光学的な薄膜層をも一部に有するプリズムアセンブリを高精度かつローコストで提供し得るプリズムアセンブリの製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するにあたり、角柱状を含む一定厚みをもつ平行平板を厚み方向で重ね合わせた一次積層体を基本に加工して量産適性を高め、この一次積層体、さらにはこの一次積層体の一対を組み合わせてから順次に加工を施してプリズムアセンブリを得るようにしている。特に本発明においては、一次積層体を構成する複数枚の平行平板の第1端面が同一平面で連なるように第1端面側から一斉に研磨した後、研磨後の各々の第1端面が順次に一定段差で配列されるように平行平板をずらして接合し、この接合で得られた二次積層体を逆側の端面から前記第1端面の配列面に向かって一斉に平面研磨し、第1端面の配列面から一定距離となる位置まで研磨して接合プリズム体を得ることを特徴とする。接合面に薄膜層を設ける場合にあっては、平行平板の第1端面が同一平面に連なるように積層体を研磨した後、その研磨仕上げ面に蒸着などにより薄膜層を成膜すればよい。
前記平行平板として幅広のものを用いて前記接合プリズム体を幅広のシート状にした場合には、接合プリズム体を幅方向に細分して切断することも可能となり、同一機能をもったプリズムアセンブリの量産適性をさらに高めることができる。また、接合プリズム体を切断する際に、研磨仕上げ面に現れた接合境界線と45°の角度で交差する切断線を基準に切断して矩形シート状のプリズムアセンブリを得ることも可能で、このようなプリズムアセンブリは、特に偏光ビームスプリッタと組み合わされ、偏光面を90°回転させる反射型の半波長板として用いることができる。
さらに本発明は、表裏面が研磨された一定厚みの平行平板を厚み方向に複数枚ずつ積層して一対の一次積層体を得る第1工程、積層された複数枚の平行平板の各々の第1端面が同一平面で連なるように前記一対の一次積層体をそれぞれの第1端面側から一斉に研磨する第2工程、前記第2工程で研磨された平行平板の第1端面が一定段差で配列されるように前記一対の積層体ごとにそれぞれの平行平板を順次にずらして接合した一対の二次積層体を得る第3工程、第3工程で得た一対の二次積層体をそれぞれの前記第1端面側で互いに密着させて接合する第4工程、接合された一対の二次積層体を逆の端面側から各々の第1端面の配列面に向かって両側から平行に研磨し、各研磨仕上げ面が前記第1端面の配列面からそれぞれ一定距離となる位置まで研磨された接合プリズム体を得る第5工程にしたがって実施することも可能である。この場合には、第2工程で得た一対の一次積層体の研磨仕上げ面の一方または双方に薄膜層を成膜することも可能で、双方に薄膜層を設けた際には、それぞれの薄膜層が互いに重ならない向きで一対の一次積層体を互いに接合することにより、2つの薄膜層が組み合わされたプリズムアセンブリを製造することができる。
また、2つの薄膜層を組み合わせた上記プリズムアセンブリの製造方法は、前記一対の一次積層体を構成するそれぞれの複数枚の前記平行平板として、前記第1端面と平行かつ前記一次積層体の積層方向と直交する向きに厚みよりも十分に大きな幅を有するものを用いることにより、前記第5工程で得られたシート状の接合プリズム体を前記第5工程の研磨仕上げ面に現れた接合境界線と45°の角度で交差する切断線を基準に切断して矩形シート状のプリズムアセンブリを製造する際に有効である。そして、このプリズムアセンブリは偏光ビームスプリッタアレイと組み合わされ、偏光面を90°回転させる透過型の半波長板として効果的に用いることができる。
上記の透過型の半波長板を製造するにあたっては、さらに表裏面が研磨された一定厚みの平行平板を厚み方向に複数枚積層した第1の一次積層体を得る第1工程、表裏面が研磨され前記平行平板と同一厚みをもつ複数枚の平行平板の表面に第1薄膜層を形成した後、前記第1薄膜層が互いに接しないように厚み方向に積層した第2の一次積層体を得る第2工程、積層された複数枚の平行平板の各々の第1端面が同一平面で連なるように前記第1及び第2の一次積層体を第1端面側からそれぞれ研磨する第3工程、前記第3工程の研磨で得られた前記第2の一次積層体の第1端面側の研磨仕上げ面に第2薄膜層を形成する第4工程、前記第3工程で研磨された第1の一次積層体の平行平板の第1端面、及び第4工程で成膜された第2薄膜層がそれぞれ一定段差で配列されるように、第1及び第2の一次積層体のそれぞれについて平行平板を順次にずらして接合した第1及び第2の二次積層体を得る第5工程、第5工程で得た二種類の二次積層体をそれぞれの前記第1端面側で互いに密着させて接合する第6工程、接合された一対の二次積層体をそれぞれ逆の端面側から各々の第1端面に向かって両側から平行に研磨し、少なくとも第2の二次積層体については第1及び第2薄膜層の縁が露呈する位置まで研磨して接合プリズム体を得る第7工程を含む製造方法を用いることが可能で、この場合にも前記第1及び第2の一次積層体を構成するそれぞれの複数枚の前記平行平板には、前記第1端面と平行かつ前記積層体の積層方向と直交する向きに厚みよりも十分に大きな幅を有するものを用い、前記第7工程で得られたシート状の接合プリズム体を第7工程の研磨仕上げ面に現れた接合境界線と45°の角度で交差する切断線を基準に切断して矩形状のプリズムシートに整形すればよい。
本発明方法は、表裏面が研磨された複数枚の平行平板を厚み方向で重ね合わせた一次積層体を基準のユニットとして利用し、一次積層体の第1端面が同一平面となるように一斉に平面研磨した後、それぞれの第1端面が一定段差で順次に配列されるように平行平板をずらして接合した二次積層体を得、第1端面の配列面から一定距離となる位置まで二次積層体を平面研磨するといういずれも簡便な工程で構成されているから、ガラス成形を基本とするイニシャルコストが高い手法と比較して低コストでプリズムアセンブリを製造することができ、また高い面精度をもつプリズムアセンブリが得られる。さらに、接合面や空気との界面に薄膜層を成膜することも容易であり、90°あるいは任意の角度で交差する2面の双方に薄膜層を成膜することもできるから、薄膜層の有無にかかわらず用途に応じた種々の形態をもつプリズムアセンブリの製造にも広く適用することが可能である。
液晶プロジェクタの偏光照明光学素子の概略平面図である。 偏光照明光学素子に用いられる偏光変換素子を示す斜視図である。 偏光変換素子の基体となる接合プリズム体の製造工程を示す説明図である。 接合プリズム体から偏光変換素子を切り出すときの説明図である。 偏光ビームスプリッタアレイの製造工程の要部を示す説明図である。 偏光照明光学素子の他の例を示す概略平面図である。 偏光変換素子の他の例を示す斜視図である。 図6の偏光ビームスプリッタアレイの製造工程の要部を示す説明図である。 偏光変換素子の製造工程の要部を示す説明図である。 光ディスクのピックアップ光学系を示す概略図である。 図10のプリズムアセンブリの製造工程を示す説明図である。 他のプリズムアセンブリの製造工程を示す説明図である。 さらに別のプリズムアセンブリの製造工程を示す説明図である。 さらに他のプリズムアセンブリの製造工程の要部を示す説明図である。
液晶プロジェクタの照明光学系中に用いられる偏光照明光学素子の一例を図1に示す。液晶プロジェクタの光源から放射された無偏光の照明光は、略平行な照明光束となってこの偏光照明光学素子2に図中の下方から入射する。偏光照明光学素子2は、図2に示すように偏光ビームスプリッタアレイ3と偏光変換素子5とから構成されている。
偏光ビームスプリッタアレイ3は、それぞれの底面が交互に入射側、出射側に向くように、頂角が90°のガラス製の細長い直角プリズム3a,3bを順次に接合してプレート状にしたもので、それぞれの接合面には薄膜層6が形成されている。この薄膜層6は、蒸着やスパッタリングなどにより直角プリズム3a,3bの一方の斜面に成膜され、紙面と平行な偏光面をもつP成分の直線偏光光を透過し、これと直交する偏光面をもつS成分の直線偏光光を反射する偏光分離作用をもつ。
直角プリズム3aは入射側に向けられた底面を縦に二分するようにエリアA1、A2に分割して用いられ、それぞれのエリアA1には短冊状の偏光変換素子5が接合される。図2では省略してあるが、偏光変換素子5の入射側には空気間隔を空けて遮光プレート5aが設けられ、偏光変換素子5に照明光束が直接入射することはない。この偏光変換素子5は、図1に示すように、直交する薄膜層6,6でそれぞれ反射してほぼ垂直に入射してくるS成分の直線偏光光をP成分の直線偏光光に変換して出射側へとほぼ垂直に反射させる反射型の1/2波長板として機能する。このような偏光照明光学素子2を用いることにより、光源からの照明光に含まれる直線偏光光を全てP成分の直線偏光光に変換し、液晶パネルを効率的に照明することができる。
図2に示すように、反射型の1/2波長板として機能する偏光変換素子5は、頂角が90°の細長い直角プリズム要素10を複数本配列した矩形シート状の一体型のプリズムアセンブリとして構成され、直角プリズム要素10の各稜線は入射してくるS成分の直線偏光光の偏光面に対して45°傾斜している。偏光変換素子5は直角プリズム3a,3bと同一のガラス素材でつくられ、直角プリズム3aの底面との接合面に不要な反射が生じないようにしてある。
直角プリズム3aの薄膜層6で反射したS成分の直線偏光光は、直角プリズム要素10の頂角90°をなす一対の斜面で一回ずつ内面全反射し、180°反転して直角プリズム3aにその底面から再入射する。このとき、直角プリズム要素10の一対の斜面は、入射してくるS成分の直線偏光光の偏光面に対して45°傾けられているため、その偏光面は一回目の内面反射で45°回転し、さらに2回目の内面反射で同方向に45°回転する。結果的に偏光変換素子5に入射したS成分の直線偏光光の偏光面は90°回転し、P成分の直線偏光光となって薄膜層6に再入射する。薄膜層6はP成分の直線偏光光はそのまま透過する特性をもつから、最終的に偏光照明光学素子2からは全てP成分の直線偏光光が出射するようになる。
ところで、直角プリズム要素10の一対の斜面による内面全反射だけで偏光面を回転させようとすると、例えば設計中心波長を550nmにした場合、設計中心波長550nmから離れるにつれて位相差ずれの影響が生じ、例えば短波長側では440nm付近、長波長側では650nm付近になると、2回の内面全反射で偏光面が90°を越えてさらに+40°程度まで回転させる位相差が生じ、偏光変換効率が低下してしまう。このため、より好ましくはこれを防ぐ目的で、図示のように直角プリズム要素10の一方の斜面に−40°分の位相差補償を行う薄膜層12を蒸着などにより成膜しておくのがよい。この作用をもつ薄膜層12は、例えばTa膜とSiO膜とを交互に12層程度積層した多層膜で実現することができる。なお、それぞれの斜面に−20°分の位相差補償を行う薄膜層を設けても同様の効果が得られる。
この偏光変換素子5は図3に示す手順にしたがって製造することができる。同図(A)に示すように、表裏面24a,24bが互いに平行となるように光学研磨されたガラスプレート24を切断線25で一定サイズごとにほぼ方形になるように切断して複数枚の平行平板26を得る。切断後の平行平板26を同図(B)に示すように厚み方向に複数枚配列し、一体に束ねて一次積層体27とする。なお、予めほぼ同じサイズの方形に切断された同一厚みの平行平板であればそのまま同図(B)のように厚み方向に配列すればよい。厚みが一定の複数の平行平板26を一次積層体27にまとめるには、平行平板26の表裏面を互いに仮接合するのが簡便で、この仮接合は後工程で解くことができる。
続いて図3(B)に二点鎖線で示すように、一次積層体27の一端面(以下、第1端面)が光学的な同一平面になるように精密に研磨される。一般にガラスプレート24は、表裏面24a,24bについては光学面として用いることができるように仕上げられてはいるが、端面については精密な光学面に仕上げられていないことが多い。そこで、同図(B)に示すように、上記薄膜層12を成膜する前処理として第1端面の研磨を行った後、同図(C)に示すように薄膜層12の蒸着を行う。この蒸着時には、一次積層体27を構成する複数枚の平行平板26の第1端面が同一平面で連なっていること、また隣接し合う平行平板26は光学面に仕上げられた表裏面が互いに密着した状態となっていることから、平行平板26の各々の第1端面に均質な薄膜層6を成膜することができ、しかも平行平板26の表裏面に薄膜層12が回り込んで成膜されることはない。
蒸着を行った後、仮接合を解いて一次積層体27を個々の平行平板26に一旦分離し、同図(D)に示すように平行平板26の表裏面を反転させないように、かつ薄膜層12を成膜した第1端面が一定段差で段違いに配列されるように、平行平板26を表裏面に沿ってその厚みと同じ段差量で順次にずらす。そして、平行平板26を互いの表裏面で隙間なく本接合して二次積層体28を得る。この本接合にあたっては、平行平板26の接合面で反射が生じないように平行平板26と同じ屈折率をもつ接合剤を用いることができるが、特に好ましくは、各々の平行平板26の表裏面の一方にガラスの主成分であるSiO膜を蒸着やイオンプレーティングなどで0.1〜0.3μmの膜厚で成膜し、このSiO膜と平行平板26の他方の面を接合するときにその相互間に水を介在させて密着させ、しかる後に水を蒸発させて緊密に接合する方法が用いられる。
上記接合方法は、互いの接合面に要求される算術平均粗さ(Ra)が10nm程度で十分で、オプティカルコンタクトで知られる公知の接合方法では、互いの接合面に要求される算術表面粗さがオングストロームオーダー、粗くても1〜2nm程度まで平滑化する必要があるのと比較して格段に有利であり、非常に実用的な手法である。この手法を採る場合、水を蒸発させる際には大気中で常温以上かつ水の沸点未満の温度で行うのがよく、また水を蒸発させた後には真空中で325〜375°C程度で3〜5時間加熱し、接合を強化させるのが好ましい。この接合方法は、接合対象となる平行平板26の接合面の一方あるいは双方に所定の機能をもたせた薄膜層がすでに成膜されている場合でも適用が可能である。
図3(D)に示すように平行平板26を強固に接合して二次積層体28を得た後、同図(E)に示すように、薄膜層12が成膜された第1端面の配列面に向かって二次積層体28を他方の端面側から二点鎖線で示す研磨仕上げ線K1まで平面研磨する。研磨量が大き過ぎる場合には、仕上げ線K1よりも上方のラインで一旦切断してから研磨してもよい。このような切断や研磨を行っても、平行平板26は分離することなく一体化された状態が保たれている。そして、同図(D)の階段接合工程で得られた接合面を残し、かつ薄膜層12が成膜された平行平板26の第1端面の配列面から一定距離となる仕上げ線K1まで紙面と垂直な研磨面で研磨すると、同図(F)に示す接合プリズム体30が得られる。
この接合プリズム体30の研磨仕上げ面には平行平板26の表裏面が接合された境界線が露呈するが、境界線を含むその両側で屈折率が等しくなっているため全体として一体の接合プリズム体30となる。そしてこの接合プリズム体30は、図中の下面に頂角90°のプリズム要素10が一定間隔で配列された前述の偏光変換素子5の基体となる。また、平行平板26の第1端面に成膜された薄膜層12が、直角プリズム要素10の一方の斜面に形成された薄膜層12となる。なお、ローコスト化のために、短波長側及び長波長側で生じやすい位相差ずれを無視するのであれば、図3(C)の蒸着工程を省いて位相差補償用の薄膜層12を省略するだけでよい。
上記接合プリズム体30から偏光変換素子5を得るには、図4に示すように、接合プリズム体30の研磨仕上げ面に現れた接合の境界線に対し、45°の角度で交差する切断線で切り出せばよい。このように、接合プリズム体30から斜めに偏光変換素子5を切り出すには、直角プリズム要素10の長さ方向に加え、直角プリズム要素10の配列方向にも十分な長さが必要になる。したがってこの場合には、平行平板26として、第1端面と平行かつ平行平板26の積層方向と直交する向きに十分に大きな幅をもった平行平板26が用いられる。
図3に示すプリズムアセンブリの製造方法の一部は、図1に示す偏光ビームスプリッタアレイ3の製造にも適用することができる。偏光ビームスプリッタアレイ3は、上記偏光変換素子5よりも厚手のプレート状であるため、平行平板26として厚手のものが用いられる。厚手の平行平板26を用い、図3(B)までは同一手順で一次積層体27を用意し、その第1端面を研磨する。そして、同図(C)の蒸着工程では薄膜層12に代えて、偏光分離作用をもつ薄膜層6を研磨後の第1端面に成膜するが、この一次積層体27は全く同一のものを2つ用意しておく。
2つ用意された一次積層体27の一方は、個々の平行平板26に分離された後、図3(D)に示すように、個々の平行平板26の第1端面(薄膜層の成膜面)が平行平板26の厚みと同じ段差量でずらし配列され、それぞれの表裏面が隙間なく強固に接合される。そして、他方の一次積層体27は個々の平行平板26に分離された後、成膜面となっている第1端面が平行平板26の厚みと同じ段差量で逆向きにずらし配列された後、平行平板26の表裏面が同様に隙間なく強固に接合される。
こうして用意された一対の二次積層体28a,28bをそれぞれの薄膜層6の配列面側で対面させると、図5に示すようにそれぞれの薄膜層6は互いにずれた位置関係になる。そしてこれらの二次積層体28a,28bを、同図(B)に示すように、互いに隙間なく強固に接合することによって接合プリズム体32が得られる。このプリズム接合体32を必要に応じて適切なサイズに切断し、図中に二点鎖線で示す仕上げ線K2まで上下から平面研磨し、そしてそれぞれの研磨仕上げ面に薄膜層6,6のエッジが露呈する瞬間の位置まで研磨を行う。なお、研磨の仕上げ線K2はつづら折り状に連なる薄膜層6の頂点を結ぶラインと一致する。この研磨工程の後、左右両端を整形することによって、図1、図2に示す偏光ビームスプリッタアレイ3として用いられるプリズムアセンブリが得られる。
こうして製造された偏光ビームスプリッタアレイ3は薄膜層6の成膜面以外には接合面がなく、同様の機能をもつ従来の偏光ビームスプリッタアレイと比較して、接合面数が大幅に少なくなっている。また、薄膜層6も上記のように一連となった同一平面上に成膜されているので、均一かつ優れた偏光分離特性が得られる。なお、図3(C)に示す蒸着工程を省略し、薄膜層6を成膜せずに図5(A)の二次積層体28a,28bを用意した上で、その一方の二次積層体28aの下面に一斉に蒸着すれば、二次積層体28aの下面につづら折り状に連なる薄膜層6を成膜することができる。しかし、この場合には薄膜層6の成膜面が互いに逆向きに傾斜した二種類の面となるだけでなく、直角プリズムの稜線部分や谷線部分で成膜が不均一になりやすいことから、上述のように一連となった同一平面上に成膜する方が格段に有利である。
図6に別構造の偏光照明光学素子の例を示す。この偏光照明光学素子35は、偏光ビームスプリッタアレイ36と偏光変換素子37とからなり、図中上方から入射する無偏光光をP成分の直線偏光光に変換して下方に出射する。偏光ビームスプリッタアレイ36は、断面が平行四辺形状の細長いプリズム36aを順次に接合してプレート状にしたもので、それぞれの接合面には、P成分の直線偏光光を透過しS成分の直線偏光光を反射する偏光分離膜として作用する薄膜層39と、金属薄膜からなる反射層40とが交互に設けられている。また、偏光変換素子37と対面する入射面側には不要光の入射を阻止する遮光プレート42が設けられている。
偏光変換素子37は、プリズムロッド36aの出射面に一つおきに間隔をおいて接合され、薄膜層39及び反射層40で反射されたS成分の直線偏光光の偏光面を90°回転して透過させる透過型の1/2波長板として作用する。このような偏光照明光学素子35を用いることにより、光源からの照明光に含まれる直線偏光光を全てP成分の直線偏光光に変換し、液晶パネルを効率的に照明することができる。
図7において、偏光変換素子37はプリズムロッド36aの出射面を一つおきに全体的に覆うように縦長の矩形状に整形されたもので、その内部に細長い複数の直角プリズム要素10をそれぞれの稜線が平行かつ同一面上に並ぶように配列した一体型のプリズムアセンブリとして構成されている。直角プリズム要素10の各稜線は入射してくるS成分の直線偏光光の偏光面に対して45°傾斜しており、直角プリズム要素10のそれぞれの稜線を挟む一対の斜面には、光学異方性をもつ薄膜層44が所定の膜厚で成膜されている。
このような薄膜層44は、屈折率が互いに異なる二種類の誘電体薄膜を例えば140層程度まで交互に積層して製造することができる。このとき、個々の誘電体薄膜の光学膜厚は十分に薄く、いわゆる光学干渉薄膜で多用されるλ/4、λ/2の十数分の1以下である。光学異方性を発現する複屈折Δnの値は、積層される二種類の誘電体薄膜の屈折率差及び個々の膜厚比に応じて決まることが知られており、誘電体多層膜全体の物理的膜厚dと複屈折Δnとの積によってレタデーションが決まる。
このように直角プリズム要素10の斜面に成膜された薄膜層44は、光学軸がそれぞれの斜面の法線と一致する一軸性の負のCプレートとなる。そして予め設定した複屈折Δnの値、及び薄膜層44内における光路長を考慮して全体の膜厚dを調整することによって、偏光ビームスプリッタアレイ36の反射層40で反射して入射してくるS成分の直線偏光光に1/2波長の位相差を与え、結果的にその偏光面が90°回転したP成分の直線偏光光に変換することができる。なお、直角プリズム要素10の稜線を挟む一対の斜面は、入射するS成分の直線偏光光の偏光面に対して互いに逆向きに45°傾いているから、それぞれの斜面に成膜された薄膜層44により偏光面の回転方向も±90°になるが、結果的に偏光面はP成分の直線偏光光の偏光面として同一面にそろうので支障はない。
薄膜層44を透過したP成分の直線偏光光が内面全反射することがないように、直角プズム要素10を形成したガラス素材と同じ屈折率をもつプリズム素材で薄膜層44が一体的に覆われる。薄膜層44をポリシラザンなどの透明なオーバーコート層で全体的に覆い、その表面を平滑化することでも対応は可能であるが、後述するように、薄膜層44の表面側についても同様のプリズム素材で覆い、全体的に一体化されたプリズムアセンブリとしてこの透過型の偏光変換素子37を得ることができる。
図8に上記偏光ビームスプリッタアレイ36の製造工程の一部を参考までに示す。偏光分離膜となる薄膜層39を下面に成膜した平行平板45と、金属薄膜からなる反射層40を下面に成膜した平行平板46とを交互に積層し、互いに強固に接合した積層体48を得る。この積層体48を、二点鎖線で示すように互いの接合面に対して45°傾いた切断線K3で切断し、切断面を研磨するとともに端部を整形すれば上記偏光ビームスプリッタアレイ36が得られる。
図7に示す透過型の偏光変換素子37は、図9に示す手順にしたがって効率的に製造することができる。図9(A)に示すように、表裏面が互いに平行になるように光学面研磨されたガラスプレート50の一方の面に、Cプレートとして機能する薄膜層44を成膜した後、切断線51にしたがって一定サイズごとにほぼ方形となるように切断し、薄膜層44が成膜された複数枚の平行平板50aを得る。この平行平板50aを同図(B)に示すように、薄膜層44を片側にそろえて厚み方向に隙間なく複数枚配列し、図3(B)と同様に仮接合して一次積層体52とする。なお、予めほぼ同じサイズの方形に切断された同一厚みの平行平板50aを用いる場合には、その複数枚に同時に薄膜層44を蒸着した後、同様に厚み方向に隙間なく積層し、仮接合して一次積層体52としてもよい。
図3(B)と同様に、一次積層体52の第1端面を平面研磨する。そして、図9(B)に示すように、同一平面に精密研磨された平行平板50aの各々の第1端面に同じ薄膜層44を一斉に成膜する。これにより、平行平板50aの各々には、表裏面の一方と第1端面との互いに直交する2面に薄膜層44が成膜される。蒸着の後には一次積層体52の仮接合が解かれ、平行平板50aが一旦個々に分離された後、図9(C)に示すように、2面に成膜されたそれぞれの薄膜層44が露呈する向きに平行平板50aを階段状にずらして本接合し、第1の二次積層体55を得る。平行平板50aをずらすときの段差量は、平行平板50aの厚みに一致させておく。
一方、全く同様の手順でいずれの面にも薄膜層44を成膜しない平行平板50aだけの一次積層体を用意し、その第1端面については同様に同一平面となるように精密研磨する。この精密研磨の後、薄膜層44が成膜されていない一次積層体についても、仮接合を解いた後に、図9(C)に示すように第1端面を階段状にずらして本接合し、薄膜層44が成膜されていない第2の二次積層体を用意する。そして、図9(D)に示すように、第1の二次積層体55と、薄膜層44がない第2の二次積層体56とをそれぞれの第1端面側で互いに密着させ一体に接合する。なお、この接合工程では、図示のようにそれぞれの第1端面が互いに密着する姿勢で接合させるほか、一方の平行平板の第1端面が他方の平行平板の表裏面のいずれかに接合される姿勢で接合するようにしてもよい。
一対の二次積層体55,56を各々の第1端面側で強固に接合した後には、同図(D)に示すように、薄膜層44が成膜された第1端面の配列面に向かって二次積層体55,56を対向する他方の端面側から二点鎖線で示す仕上げ線K4,K5まで平面研磨する。このとき、薄膜層44が形成された二次積層体55の仕上げ線K4は、薄膜層44が交差する位置に設定されるが、他方の仕上げ線K5は図示のように薄膜層44に達する手前の位置に設定してもよい。なお、二次積層体55,56を互いに接合しているから、より薄型化を図るために、仕上げ線K5についても薄膜層44のエッジに達する位置に設定することも可能である。
こうして得られた接合プリズム体の一対の研磨仕上げ面には平行平板50a相互を接合した境界線が露呈するが、全体として一体化されているので個々に分離することはない。そして、図4で説明したように、接合プリズム体の研磨仕上げ面に現れた接合の境界線に対し、45°の角度で交差する切断線で短冊状にプリズムアセンブリを切り出せば、これを図7に示す偏光変換素子37として用いることができる。
図10は光ピックアップ光学系を概略的に示すもので、光ディスク60のピット記録面に、信号読み取り用に青色レーザビームと赤色レーザビームとを選択的に照射できるようにしたものである。青色光源61Bには、波長405nmのレーザビームを放射するレーザダイオードと、レーザビームを偏光面が所定方向にそろった直線偏光光に変換する波長板が組み込まれ、同様に赤色光源61Rには波長650nmのレーザビームを放射するレーザダイオードと、レーザビームをP成分の直線偏光光に変換する波長板とが組み込まれている。
これらの光源61B,61Rからのレーザビームは、ダイクロイックプリズム62の異なる面から入射し、接合面に設けられた青色透過、赤色反射の分光特性をもつダイクロイック膜62aに入射する。ダイクロイックプリズム62から出射したレーザビームは、プリズムアセンブリ63に入射する。プリズムアセンブリ63には、それぞれの接合面に偏光分離膜63a、赤色透過青色反射の特性をもつダイクロイック膜63b、赤色反射の特性をもつダイクロイック膜63cが成膜されている。偏光分離膜63aは、それぞれの光源61B,61Rから放射された直線偏光のレーザビームを透過し、透過した直線偏光に対して偏光面が90°回転した直線偏光については反射する特性をもつ。
光ディスク60の種類に対応し、青色光源61bからのレーザビームが用いられるときには、ダイクロイック膜62aを透過した青色レーザビームはプリズムアセンブリ63の偏光分離膜63aを透過し、対物光学系65を通って光ディスク60に達する。対物光学系65には、公知のレンズ系に加え1/4波長板が組み込まれており、直線偏光された青色レーザビームは円偏光に変換されてから光ディスク60に達する。光ディスク60で反射された青色レーザビームは、逆向きの円偏光になる。したがって、再び1/4波長板を通過したときには入射時とは偏光面が90°回転した直線偏光となっているから、偏光分離膜63aで反射され、ダイクロイック膜63bで反射して検出器66Bで検出される。
一方、赤色光源61Rからの赤色レーザビームが用いられるときには、ダイクロイック膜62aで反射された赤色レーザビームは同様に偏光分離膜63aを透過した後、対物光学系65により直線偏光が円偏光に変換されてから光ディスク60に入射する。そして、光ディスク60の記録面で反射されることによって逆向きの円偏光になって対物光学系65内の1/4波長板を通過する。このとき、入射時の直線偏光がもつ偏光面は90°回転されるから、赤色レーザビームも同様に偏光分離膜63aで反射されることになり、以後はダイクロイック膜63bを透過し、そしてダイクロイック膜63cで反射して検出器66Rで検出される。
この用途で用いられるプリズムアセンブリ63は、図11に示す手順で効率的に製造することができる。図11(A)に示すように、一定厚みの平行平板68の複数枚を厚み方向で積層・仮接合して3種類の一次積層体70a,70b,70cを用意する。これらの一次積層体70a〜70cの第1端面を同一平面となるように研磨した後、一次積層体70aの研磨仕上げ面には偏光分離膜63aを蒸着し、一次積層体70bの研磨仕上げ面にはダイクロイック膜63bを蒸着し、また一次積層体70cの研磨仕上げ面にはダイクロイック膜63cを蒸着する。
一次積層体70a〜70cの仮接合を解いて各々の一次積層体70a〜70cから一枚ずつ平行平板68を抜き出し、図11(B)に示すように、平行平板68の厚み分だけ段差がつくように3枚の平行平板68を配列し、互いを強固に接合して第1の二次積層体69を得る。一方では、図9に示す製造工程と同様に、蒸着工程を省略した3枚の平行平板68だけからなる第2の二次積層体72を用意しておく。そして図11(C)に示すように、第1の二次積層体69と第2の二次積層体72とをそれぞれの第1端面側で密着させて強固に接合する。なお、この接合時には、図9(D)に示すように、二次積層体69,72の第1端面が互いに密着する姿勢で接合してもよい。
続いて図11(D)に示すように、第1及び第2の二次積層体69,72を両面から平面研磨し、それぞれの研磨仕上げ面に偏光分離膜63a,ダイクロイック膜63b,63cが露呈する仕上げ線K6まで平面研磨し、端部を整形することによって同図(E)に示す接合プリズム体73が得られる。図10に示すプリズムアセンブリ63は、角柱状にして用いるのが通常であるから、接合プリズム体73を幅方向に一定ピッチで切断し、その切断面を研磨することによってプリズムアセンブリ63を得ることができる。
なお、図11(B)に示す第1の二次積層体69を作製するときに、偏光分離膜63a,ダイクロイック膜63b,63cがそれぞれ成膜された3枚の平行平板68の組をさらに複数組分積層し、これに対応して積層枚数を増やした第2の二次積層体72を用意しておく。そして、これらの二次積層体69,72を接合してから平面研磨を行って接合プリズム体73を得れば、幅方向だけでなく長さ方向についても複数個分のプリズムアセンブリ63が連結された形となるから、長さ方向についても切断・研磨を行うことによって、さらに多くのプリズムアセンブリ63を製造することが可能となる。
この製造方法によれば、簡単な製造工程で大量のプリズムアセンブリ63を得ることができ、その製造効率を大幅に向上させることができる。なお、プリズムアセンブリ63に必要とされる光学薄膜の種類はそれぞれの成膜工程で膜構成を変更するだけで任意に変えることができ、さらに光学薄膜の種類数を増やすことも二次積層体69,72を得るときの平行平板68の枚数を増やすことで簡単に対応することが可能である。
本発明の製造方法は、図12示す形態で実施することも可能である。図12(A)に示すように、ガラスプレート75の表面に薄膜層76を蒸着する際に、成膜不要な領域についてはマスキングなどの手法により蒸着が行われないようにしておき、蒸着の後に切断して一定サイズの平行平板75aにする。そして同図(B)に示すように、薄膜層76を片側に寄せて平行平板75aを厚み方向に積層・仮接合して一次積層体77を得、第1端面を平面研磨した後に、その研磨仕上げ面に薄膜層78を一斉に成膜する。続いて同図(C)に示すように仮接合を解き、第1端面が一定段差になるように平行平板75aをズラシ配列して本接合し、二次積層体80を得る。
続いて図12(D)に示すように、第1端面と対向する側から二次積層体80を仕上げ線K7まで平面研磨してプリズム接合体とする。さらに、このプリズム接合体を、例えば第1端面側の谷線から研磨仕上げ面に向かって垂直に切断すれば、90°の頂角を挟む斜面に2種類の薄膜層76,78が成膜された断面五角形状のプリズムロッドを得ることができる。もちろん、このプリズムロッドを紙面と垂直な幅方向に一定ピッチで切断してさらに細分されたプリズムアセンブリに整形することも可能である。また、頂角の部分を同図中に破線で示す仕上げ線まで研磨すれば、さらに異形のプリズムアセンブリとすることもでき、用途に応じた種々の形態のプリズムアセンブリが得られる。
なお、断面五角形状の上記プリズムロッドの底面にのみ光学薄膜を成膜したプリズムアセンブリを得るには、同図(A),(B)の成膜工程を省略し、同図(D)に示す仕上げ線K7まで平面研磨した後、その研磨仕上げ面に所望の特性をもった薄膜層を成膜すればよい。また、いずれの表面にも薄膜層が成膜されていないプリズムアセンブリにすることも可能で、この場合にも上記製造工程を用いれば五角形状のような複雑な外形形状をもつプリズムアセンブリを効率的かつローコストで製造することができる。もちろん、上記製造工程によりプリズムアセンブリを作製した後に、その後工程で任意の表面に薄膜層を成膜することも可能である。
また、図12(B)に示す一次積層体77を得た後、図13(A)に示すように第1端面側を傾斜した仕上げ線K8に向かって平面研磨した後、同図(B)のようにその研磨仕上げ面に薄膜層78を成膜する。そして、同様に平行平板75aを配列し直して互いを強固に接合して二次積層体80を得、同図(C)に示す仕上げ線K7まで平面研磨した後、その研磨仕上げ面に向かって第1端面側の谷線から垂直に切断すれば、頂角が90°以外の断面五角形状のプリズムロッドも得られるようになる。なお、こうして頂角を適宜に設定することが可能であることに加え、研磨仕上げ面に向かって第1端面側から切断するときの切断線の位置や角度を適宜に設定すればさらに異形のプリズムロッドを得ることも可能で、この場合においても薄膜層は必ずしも設けなくてもよい。
さらに、図14(A)に示すように、平行平板82の第1端面に薄膜層83を成膜した第1の二次積層体84と、薄膜層を成膜しない平行平板82を積層していない第2の二次積層体85とを得る際に、平行平板82の厚み寸法と異なる一定の段差量でそれぞれの平行平板82をずらして本接合しておく。続いて同図(B)に示すようにそれぞれの第1端面側を密着させて強固に接合し、上下からそれぞれ研磨して各々の研磨仕上げ面に薄膜層83が露呈する位置まで平面研磨して接合プリズム体を得る。そして、この接合プリズム体の両端を切断、研磨してプレート状に整形したプリズムアセンブリにすれば、プリズムアセンブリの上面に対して薄膜層83の傾斜角度を45°以外の角度、すなわち二次積層体84を得るときの平行平板82のずらし段差量に応じた傾斜角度に調節することもできる。
2,35 偏光照明光学素子
3,36 偏光ビームスプリッタアレイ
5,37 偏光変換素子
6,12,39,44,76,78,83 薄膜層
10 直角プリズム要素
26,50a,68,75a,82 平行平板
27,52,70a,70b,70c,77 一次積層体
28,55,56,69,72,80,84,85 二次積層体
30,32,73 接合プリズム体

Claims (9)

  1. 表裏面が研磨された一定厚みの平行平板を厚み方向に複数枚積層した一次積層体を得る第1工程、
    積層された複数枚の平行平板の各々の第1端面が同一平面で連なるように前記積層体を第1端面側から一斉に研磨する第2工程、
    第2工程で研磨された平行平板の第1端面がそれぞれ一定段差で配列されるように平行平板を順次にずらして接合する第3工程、
    接合された積層体を逆の端面側から前記第1端面の配列面に向かって一斉に研磨し、前記第3工程による接合面を残し、かつ前記第1端面の配列面から一定距離となる位置まで研磨して接合プリズム体を得る第4工程、
    とを含むことを特徴とするプリズムアセンブリの製造方法。
  2. 第2工程で得られた積層体の第1端面側の研磨仕上げ面に薄膜層を形成する成膜工程を設けたことを特徴とする請求項1記載のプリズムアセンブリの製造方法。
  3. 複数枚の前記平行平板が、前記第1端面と平行かつ前記一次積層体の積層方向と直交する向きに厚みよりも十分に大きな幅を有し、前記第4工程で得られたシート状の接合プリズム体を第4工程の研磨仕上げ面に現れた接合境界線と45°の角度で交差する切断線を基準に切断して矩形状のプリズムシートに整形することを特徴とする請求項1又は2記載のプリズムアセンブリの製造方法。
  4. 表裏面が研磨された一定厚みの平行平板を厚み方向に複数枚ずつ積層して一対の一次積層体を得る第1工程、
    積層された複数枚の平行平板の各々の第1端面が同一平面で連なるように前記一対の一次積層体をそれぞれの第1端面側から一斉に研磨する第2工程、
    第2工程で研磨された平行平板の第1端面が一定段差で配列されるように前記一対の一次積層体ごとにそれぞれの平行平板を順次にずらして接合した一対の二次積層体を得る第3工程、
    第3工程を経た一対の二次積層体をそれぞれの前記第1端面側で互いに密着させて接合する第4工程、
    接合された一対の二次積層体を逆の端面側から各々の第1端面の配列面に向かって両側から平行に研磨し、各研磨仕上げ面が前記第1端面の配列面からそれぞれ一定距離となる位置まで研磨された接合プリズム体を得る第5工程、
    とを含むことを特徴とするプリズムアセンブリの製造方法。
  5. 前記第2工程で得た一対の一次積層体の一方の研磨仕上げ面に、薄膜層を成膜することを特徴とする請求項4記載のプリズムアセンブリの製造方法。
  6. 前記第2工程で得た一対の一次積層体のそれぞれの研磨仕上げ面に薄膜層を形成し、前記第4工程ではそれぞれの薄膜層が互いに重ならない向きで一対の二次積層体を互いに接合することを特徴とする請求項4記載のプリズムアセンブリの製造方法。
  7. 前記一対の一次積層体を構成するそれぞれの複数枚の前記平行平板が、前記第1端面と平行かつ前記一次積層体の積層方向と直交する向きに厚みよりも十分に大きな幅を有し、前記第5工程で得られたシート状の接合プリズム体を前記第6工程の研磨仕上げ面に現れた接合境界線と45°の角度で交差する切断線を基準に切断して矩形状のプリズムシートに整形することを特徴とする請求項6記載のプリズムアセンブリの製造方法。
  8. 表裏面が研磨された一定厚みの平行平板を厚み方向に複数枚積層した第1の一次積層体を得る第1工程、
    表裏面が研磨され前記平行平板と同一厚みをもつ複数枚の平行平板の表面に第1薄膜層を形成した後、前記第1薄膜層が密着しないように厚み方向に積層した第2の一次積層体を得る第2工程、
    積層された複数枚の平行平板の各々の第1端面が同一平面で連なるように前記第1及び第2の一次積層体を第1端面側からそれぞれ研磨する第3工程、
    前記第3工程の研磨で得られた前記第2の一次積層体の第1端面側の研磨仕上げ面に第2薄膜層を形成する第4工程、
    前記第3工程で研磨された第1の一次積層体の平行平板の第1端面、及び第4工程で成膜された第2薄膜層がそれぞれ一定段差で配列されるように、第1及び第2の一次積層体のそれぞれについて平行平板を順次にずらして接合して第1及び第2の二次積層体を得る第5工程、
    第5工程で得た第1の二次積層体と第2の二次積層体とをそれぞれの前記第1端面側で互いに密着させて接合する第6工程、
    接合された一対の二次積層体をそれぞれ逆の端面側から各々の第1端面に向かって両側から平行に研磨し、少なくとも第2の二次積層体については第1及び第2薄膜層の縁が露呈する位置まで研磨して接合プリズム体を得る第7工程、
    とを含むことを特徴とするプリズムアセンブリの製造方法。
  9. 前記第1及び第2の一次積層体を構成するそれぞれの複数枚の前記平行平板が、前記第1端面と平行かつ前記一次積層体の積層方向と直交する向きに厚みよりも十分に大きな幅を有し、前記第7工程で得られたシート状の接合プリズム体を前記第7工程の研磨仕上げ面に現れた接合境界線と45°の角度で交差する切断線を基準に切断して矩形状のプリズムシートに整形することを特徴とする請求項8記載のプリズムアセンブリの製造方法。
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CN112313499A (zh) * 2018-06-21 2021-02-02 鲁姆斯有限公司 光导光学元件(loe)的板之间折射率不均匀性的测量技术

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