JPH0618626B2 - レシチン−蛋白質複合体からなる乳化剤 - Google Patents

レシチン−蛋白質複合体からなる乳化剤

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JPH0618626B2 JP62118118A JP11811887A JPH0618626B2 JP H0618626 B2 JPH0618626 B2 JP H0618626B2 JP 62118118 A JP62118118 A JP 62118118A JP 11811887 A JP11811887 A JP 11811887A JP H0618626 B2 JPH0618626 B2 JP H0618626B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レシチン−グルテン又はレシチン−グロビン
複合体からなる乳化剤に関する。
〔従来の技術〕
従来、レシチンは天然乳化剤として、食品、医薬品、化
粧品等に広く利用され、その改変もいろいろ試みられて
きた。
従来知られているレシチンの改変方法としては、化学的
方法としてレシチンをアセチル化する方法(Journal of
the American Oil Chemists'Society,53,425,(1976))、
レシチンの脂肪酸をヒドロキシ化する方法(上記のJAOC
S,53,425,(1976))が、又、酵素的方法としては、レシチ
ンの脂肪酸エステルを加水分解する方法(U.S.P.365239
7)がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来のレシチンの改変方法は、それぞれ、つぎのよ
うな問題点があった。
すなわち、レシチンをアセチル化したり、脂肪酸をヒド
ロキシル化する方法は、食品への適用は不適当であり、
しかも、前記反応の過程で副反応を起こし、褐変、重
合、分解等によるレシチンの品質低下を伴いやすい。
また、酵素による加水分解法では、加水分解によって生
成する遊離脂肪酸が反応系のpHを下げるため、pHを調整
する必要がある。しかも、このpH調整のために使用した
薬剤の除去や脂肪酸の除去が必要となり、その除去手段
として、溶剤分別等が行われている。この溶剤分別等の
操作は手間がかかるうえ、製品の安全性の点等でも問題
がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決すべく研究した結果、
レシチンとグルテン又はレシチンとグロビンとの混合物
を超音波処理することにより、レシチン−グルテン又は
レシチン−グロビン複合体が形成され、得られたレシチ
ン−グルテン又はレシチン−グロビン複合体は乳化剤と
して優れた性質を有することを見出し、とり分け、従来
の乳化剤であるレシチンより乳化安定性に優れたことを
見出し、この新しい知見に基づいてさらに研究を重ねて
本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、レシチン2〜20重量部とグルテン
又はグロビン1重量部との混合物を超音波処理すること
により得られるレシチン−グルテン複合体又はレシチン
−グロビン複合体からなる乳化剤である。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
本発明でいうレシチンとは、レシチンと称せられている
りん脂質一般を示すものである。このようなレシチンと
しては、卵黄レシチン、大豆レシチン等の動植物レシチ
ンが挙げられるが、乳化活性、価格、供給面から考える
と卵黄レシチンより大豆レシチンを使用する事が有利で
ある。また、本発明では通常のトリグリセリドを含有し
たペースト状レシチン、トリグリセリドを除去した粉末
レシチンや改変レシチン、即ち酵素処理レシチン、化学
処理レシチン等の改変レシチン等も利用することができ
る。
グルテンとしては、小麦グルテンがグロビンとしては血
液グロビンが乳化活性、価格、供給面を考慮すると好適
に利用できる。
グルテン又はグロビンとレシチンとの重量混合比は1:
20〜1:2の範囲である。
本発明の乳化剤の形成方法としては、レシチンとグロビ
ン又はグルテンを混合した溶液を特に超音波処理するこ
とにより達成できる。超音波処理は室温にて周波数5〜
40KHzで10〜90W.Hr処理する事により行なう事が出来
る。
本発明のレシチン−グロビン又はレシチン−グルテン複
合体形成の確認は、ゲル濾過法等により行うことができ
る。ゲル濾過法による確認は、セファクリンS-400を用
いて行なう事が出来る。すなわちレシチン−グルテン又
はレシチン−グロビン複合体はレシチン単独よりも溶出
位置が高分子側に移り、かつ、複合体中のグルテン又は
グロビン及びレシチンの溶出位置が一致し及びそのパタ
ーンが類似することにより確認することができる。
つぎに、本発明の実施例により詳しく説明する。
〔実施例〕
実施例1 グルテンは小麦粉より酸抽出法によって、また、グロビ
ンはSigma社のヘモグロビンより早川らの方法(Journal
of Food Technology 1681〜91(1981))で調製して用い
た。大豆レシチンは日清製油KKのものを用いた。グルテ
ン及びグロビンを各々16.7mg秤量し、HCあるいはNaOH
によりpHを3に調整しながら各々全量1mlの溶液とし
た。又、大豆レシチンを1ml当り10mg含む溶液を別に作
成した。グルテン溶液3mlに大豆レシチン溶液を1ml,
2.5ml,5ml,10ml添加し、NaOH,HCにてpHを7に調
整しながら全量を10mlとした。これらを久保田製作所製
インソネータモデル200Mを用いて超音波処理(200W、室
温にて10分間)し、Pearceらの方法(Journal of Agricu
ltual Food Chemistry26,716(1978))に準じ波長500nmに
て吸光度を測定し、乳化活性とした。グロビン溶液につ
いても同様の処理を行ない乳化活性を測定した。
乳化活性を測定した結果を図示すると第1図となった。
第1図よりレシチン単独よりもレシチン−グルテン又は
レシチン−グロビン複合体を形成する事により乳化活性
は大幅に増加する事がわかる。
次にレシチン−グロビン又はレシチン−グロビン複合体
のpH安定性をみる為、レシチン−グルテン複合体及びレ
シチン−グロビン複合体をpH3〜11に各種調整し、その
乳化活性を測定した。又、グルテン、グロビン、レシチ
ン溶液についても同様な乳化活性を測定した。
乳化活性を測定した結果を図示すると第2図,第3図と
なった。第2図,第3図よりpHを変化させても、一部の
例外を除いて複合体を形成した方が乳化活性が増加する
事がわかる。又、グルテン、グロビン共に単独では中性
付近での乳化活性は低いが、複合体を形成する事により
乳化活性が大幅に増加した。
次に複合体が形成されている事を確認する為、セファク
リルS-400(2.2×70cm)を用いてゲル濾過を行なった結
果を第4図に示す。
複合体はレシチンとグロビンを10:1となるように前述
の実施例1の方法で調整した。溶媒はNaOH溶液(pH10)と
した。ゲル濾過によって複合体が形成されていることを
確認するためにグロビンは蛋白質含量を測定し、レシチ
ンはレシチン含量を測定し、グロビン、レシチン及び本
願発明の複合体のそれぞれの溶出図を重ね合わせてみた
ものが第4図である。
グロビン単独の場合の溶出位置は蛋白質量の測定により
破線のようになった。レシチン単独の場合はその溶出位
置はフラクション容量が350ml以上に認められた。
本願発明の複合体中の蛋白質及びレシチンの溶出位置
は、蛋白質及びグロビン単独の溶出位置より高分子側に
移り、又、その位置が全く一致した事及びパターンが類
似した事によりレシチン−グロビン複合体が形成されて
いる事が確認出来た。
又、レシチン−グルテン複合体についてもレシチン−グ
ルテン複合体と同様な方法でゲル濾過を行った結果を図
示したものが第5図である。即ち複合体はレシチンとグ
ルテンを10:1となるように前述の実施例1の方法で調
整した。溶媒はNaOH溶液(pH10)とした。ゲル濾過によっ
て複合体が形成されていることを確認するためにグルテ
ンは蛋白質含量を測定し、レシチンはレシチン含量を測
定し、グルテン、レシチン及び本願発明のそれぞれの単
独の場合は溶出しないため記載できないが、又レシチン
単独の場合は溶出量が350ml以上に認められた。レシチ
ン−グルテン複合体は溶出位置が明らかに高分子側に移
行していること、及び該複合体中のレシチンの溶出位置
と該複合体中のグルテンの溶出位置が全く一致している
こと及びその両者のパターンが類似していることより、
レシチン−グルテン複合体が形成されていることが確認
できた。
続いて複合体の安定性を確認する為、前述の実施例1の
方法に準じてレシチン−グルテン比率が10:1及びレシ
チン−グロビン比率が10:1の複合体を形成した複合体
のpHはNaOH,HCによりpH7に調整した。又、保存中の
微生物汚染を防止する為、無菌的条件で25℃に保存し
た。そして保存日数0日,1日,2日,4日,10日,10
0日目に無菌的にサンプリングしPearceの方法にて500nm
で吸光度を測定し乳化活性とした。
その結果を表1に示した。
以上のようにレシチン−グロビン複合体で100日保存し
ても初期の89%の活性が維持され、又、レシチン−グル
テン複合体では90%の活性が維持されていた。つまり、
本願発明の複合体は100日後でも乳化活性が保持されて
いることがわかり、充分食品工業乳化剤として利用出来
る事がわかった。
更に本願発明のレシチン−グルテン複合体の乳化剤と市
販の乳化剤の乳化活性を比較した。使用した市販乳化剤
はエルマイザーA(協和醗酵製、酵素分解レシチン)、
BOLEC ITD(光陽商会製)、キラヤニンC−10
0(丸善化成製)であり、本願発明のレシチン−グルテ
ン複合体の乳化剤は、レシチン50mg/mlとグルテン5mg/
mlから生成した。又市販乳化剤の各々の濃度は50mg/ml
とした。
本願発明の乳化剤及び各々の市販乳化剤を共に緩衝液を
用いて、pH7及び6及び4に調整し、それぞれを実施例
1で使用した方法で乳化活性を測定した。その結果を表
2に示す。
以上のように本願発明のレシチン−グルテン複合体は、
いずれのpHにおいても乳化活性が高く、市販の乳化剤よ
りも優れていることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、乳化活性及び乳化安定性に優れ、か
つ、食品として安全なレシチン−グロビン又はレシチン
−グルテン複合体が得られ、このレシチン−グロビン又
はレシチン−グルテン複合体からなる乳化剤は、食品、
医薬品、化粧品等の製造に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はレシチン−蛋白複合体の乳化活性を示す図、第
2図はレシチン−グルテン複合体の各pHでの乳化特性を
示す図、第3図はレシチン−グロビン複合体の各pHでの
乳化特性を示す図、第4図はレシチン−グロビン複合体
のゲル濾過の結果を示す図、第5図はレシチン−グルテ
ン複合体のゲル濾過の結果を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レシチン2〜20重量部とグルテン又はグロ
    ビン1重量部との混合物を超音波処理することにより得
    られるレシチン−グルテン複合体又はレシチン−グロビ
    ン複合体からなる乳化剤。
  2. 【請求項2】グルテンが小麦グルテンであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の乳化剤。
  3. 【請求項3】グロビンが血液グロビンであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の乳化剤。
  4. 【請求項4】レシチンが大豆レシチンであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかの項
    記載の乳化剤。
  5. 【請求項5】レシチンが改変レシチンであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかの項
    記載の乳化剤。
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