JPH06186198A - 二酸化炭素センサ - Google Patents

二酸化炭素センサ

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JPH06186198A
JPH06186198A JP4339207A JP33920792A JPH06186198A JP H06186198 A JPH06186198 A JP H06186198A JP 4339207 A JP4339207 A JP 4339207A JP 33920792 A JP33920792 A JP 33920792A JP H06186198 A JPH06186198 A JP H06186198A
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gas
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zeolite
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Kazunari Kaneyasu
一成 兼安
Takeshi Nakahara
毅 中原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】二酸化炭素と共存し、その検出を妨害する有機
ガスによる測定値の誤差が著しく減少され、長期間安定
した性能を発揮する二酸化炭素センサを提供する。 【構成】一部にガス取込用の開口部5を有するケーシン
グ4内に、加熱手段を備えた二酸化炭素センサ素子2が
設けられ、該ガス取込用の開口部又は該ガス取込用の開
口部と二酸化炭素センサ素子との間に、該二酸化炭素セ
ンサ素子と間隔をあけてゼオライトよりなるフィルター
3が設けられた構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼制御、植物の育成
管理、発酵管理、環境制御あるいは医療診断など様々な
分野において雰囲気中の二酸化炭素ガスを検知するため
の新規な構造を有する二酸化炭素センサに関する。詳し
くは、二酸化炭素と共存し、その検出を妨害する有機ガ
スによる測定値の誤差が著しく減少され、長期間安定し
た性能を発揮する二酸化炭素センサである。
【0002】
【従来の技術】従来から、二酸化炭素の測定は、様々な
分野で雰囲気中の行われ、各種の制御や管理に利用され
ている。二酸化炭素の測定には赤外線吸収式やガラス電
極方式が主に用いられてきたが、これらの方式による装
置は、大型である上、通常の測定においてもメンテナン
スが必要であるといった問題点が指摘されてきた。
【0003】これに対して、二酸化炭素の測定に、固体
電解質を用いた二酸化炭素センサ素子を使用して起電力
変化を測定する方式のもの、複合酸化物を用いた二酸化
炭素センサ素子を使用して静電容量変化を測定する方式
のもの、ゼオライトを用いた二酸化炭素センサ素子を使
用して吸着熱変化を測定する方式のものなど、種々の小
型、簡便で安価な二酸化炭素センサが開発されている。
【0004】これらのセンサは、二酸化炭素センサ素子
を作動温度に加熱するための加熱手段を備え、該センサ
素子を300〜700℃程度の高温に加熱して使用され
る。
【0005】ところが、上記の二酸化炭素センサは一般
に被測定ガスの二酸化炭素の他に有機ガスにも感度を有
する場合が多く、該有機ガスが二酸化炭素と共存する場
合、二酸化炭素の濃度の検出時、この有機ガスの影響を
受けて正確な二酸化炭素の検出ができないという大きな
問題点を有していた。
【0006】従来、ガスセンサにおいて、被検出ガスで
ある無機ガスに有機ガスが共存する場合、有機ガスを除
去するための手段としてフィルターを設けることが知ら
れている。例えば、特開平1ー227951号には、半
導体式の一酸化炭素センサ素子の検出材料の上にゼオラ
イトを直接焼結することにより有機ガスの影響を防止し
た一酸化炭素センサが提案されている。かかる文献にお
いて、ゼオライトは高温で有機ガスを燃焼する触媒とし
て作用することが述べられている。また、活性炭よりな
るフィルターを設けることにより有機ガスを吸着する手
段も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゼオラ
イトをセンサ素子の検出材料の表面に直接焼結させる前
記の手段を二酸化炭素センサに適用した場合、該二酸化
炭素センサは、一般に300〜700℃の高温で使用さ
れるために、この技術を直接適用すると有機ガスの燃焼
により発生する二酸化炭素に対しても二酸化炭素センサ
が感度を有するため、雰囲気中の二酸化炭素の正確な測
定を行う場合にはやはり有機ガスが妨害となるという問
題を有する。また、活性炭よりなるフィルターを二酸化
炭素センサに適用した場合、活性炭のフィルターは有機
ガスの除去効果はあるものの、有機ガスと共に二酸化炭
素も一部吸着してしまうため、センサの応答を非常に遅
くしてしまうという大きな問題点があった。加えて、活
性炭には有機ガスの吸着能に限界があるため比較的短期
間で有機ガスの除去効果が失われてしまうといった問題
を有していた。
【0008】従って、二酸化炭素センサの精度、応答性
を大きく低下させることもなく、長期間の使用において
も安定して有機ガスの影響を抑制して二酸化炭素濃度が
測定可能な二酸化炭素センサの開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる特性
を有する有機ガスフィルターを開発すべく研究を重ねた
結果、二酸化炭素センサ素子と間隔をあけてゼオライト
よりなるフィルターを設け、該センサ素子と接触するガ
スを処理することにより、被検出ガス中に有機ガスが含
有される場合、該ガスの影響が効果的に抑制され、しか
も、それに伴うセンサの精度、応答性の低下をも防止で
き、長期間の使用においても安定して二酸化炭素濃度が
測定可能な二酸化炭素センサが得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】以下、本発明を添付図面に従って詳細に説
明するが、本発明は、これらの添付図面に限定されるも
のではない。
【0011】図1は、本発明の二酸化炭素センサの代表
的な態様を示す斜視図であり、一部破断した断面を表示
したものである。また、図2及び図3は、本発明に使用
される二酸化炭素センサ素子の代表的な態様を示す断面
図である。
【0012】本発明の二酸化炭素センサは、一部にガス
取込用の開口部5を有するケーシング4内に、加熱手段
を備えた二酸化炭素センサ素子2が設けられ、該ガス取
込用の開口部又は該ガス取込用の開口部と二酸化炭素セ
ンサ素子との間に、該二酸化炭素センサ素子と間隔をあ
けてゼオライトよりなるフィルター3が設けられたこと
を特徴とするである。
【0013】本発明において、ケーシング4は、一部に
ガス取込用の開口部5を有し、他は密封されている構造
であれば特に制限されない。一般には、底部に二酸化炭
素センサ素子を配置でき、上部に開口部を形成したもの
が好適である。例えば、図1に示した態様において、ケ
ーシング4は、筒状体の下部を二酸化炭素センサ素子2
を搭載するための底板(センサベース)によって密封
し、筒状体の上部に開口部5を有する蓋を設けることに
よって構成される。勿論、上記開口部は、図1のように
ケーシングの上部に設ける態様以外に、使用される環境
に応じてケーシングの側面や底部に設ける態様、ケーシ
ングを二ヵ所以上設ける態様等も実施することができ
る。また、ケーシング4の材質は、使用温度に耐えるも
のであれば、公知の材質が特に制限なく採用される。更
に、上記ケーシングに設ける開口部の形状、大きさは、
ケーシングの形状、大きさに応じて適宜決定すればよ
い。
【0014】本発明は、センサ素子を作動温度に加熱す
るための加熱手段を備えた二酸化炭素センサ素子を使用
した二酸化炭素センサを対象とする。
【0015】かかる二酸化炭素センサ素子としては、固
体電解質を用いて起電力変化を測定するもの(固体電解
質型)、複合酸化物を用いて静電容量変化を測定するも
の(静電容量型)、ゼオライトを用い吸着熱変化を測定
するもの(吸着熱型)等の加熱手段を備えた公知の方
式、構造を有するものが特に制限なく採用される。
【0016】以下、固体電解質型の二酸化炭素センサ素
子について説明する。固体電解質型の二酸化炭素センサ
素子についてはすでに特開昭60ー256043でも報
告されているが、その代表的な構造を図2に示した。固
体電解質10には、ナトリウム、リチウム等のイオン伝
導性を有するNa1+XZr2SiX3ーX12(但しxは0
〜3で、一般にNASICONと呼ばれる)、β−Al
23、β−Ga23、Li16ー2XZnX(GeO44(但
しxは0≦x<8で、一般にLISICONと呼ばれ
る)、Li4GeO4−Li3VO4等が制限なく使用でき
るが、そのうちイオン伝導度の大きいNASICON、
β−Al23、LISICONが特に好適である。上記
固体電解質10の両面には電極9、11が存在する、電
極9、11は、各々同種または異種の導電体で構成され
る。好ましい材質の例は、白金、金、銀、パラジウム、
ロジウム等の貴金属類およびそれらの酸化物、一般式L
1-XSrXBO3(但しBはCo、Cu、Fe、Ni等
の元素を表し、Xは0.01〜0.5の数)で表される
ペロブスカイト型複合酸化物、上記貴金属と金属酸化物
を混合した複合組成物等が挙げられる。電極9、11の
製造方法は特に制限されず、一般にはスクリーン印刷
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着
法等による方法が好適に採用される。電極11上には金
属炭酸塩層12が形成され、この金属炭酸塩は雰囲気中
の二酸化炭素ガスと解離平衡を有するものであれば制限
なく使用できるが、特にNa、K、Li等のアルカリ金
属やCa、Mg、Ba等のアルカリ土類金属の炭酸塩が
単独であるいは任意の割合で混合され好適に使用され
る。金属炭酸塩層の形成方法としては特に制限はない
が、電極11上に金属炭酸塩の水溶液やスラリーを含浸
させる方法、テレピネオール等でペースト化し印刷した
後溶融する方法、またはあらかじめ電極と金属炭酸塩を
混合してペースト化し印刷、焼成する方法等が好適に用
いられる。
【0017】上記センサ素子は、一般に300〜700
℃に加熱して用いられる。かかる加熱手段はガスセンサ
から離れた位置に熱源を設けその放熱によって行っても
よいし、図2に示したように電極9上にアルミナ基板7
を積層し、その上に、例えば、Ptペーストを波型にス
クリーン印刷して、1000℃で焼成したヒーター6を
形成し、該ヒーターを導線13で電源14に接続し、直
流電圧を印加することによって直接加熱するような方法
でもよい。ガスセンサへのヒーターの装着位置は、ガス
センサの作動を阻害しない位置であれば、上記以外の位
置に設けてもよい。図2において、8はガラス等の封止
材、15は電圧計である。
【0018】図3には、加熱ヒーターを備えた静電容量
型の二酸化炭素センサ素子の代表的な態様を示す。かか
るセンサ素子は、感ガス体24の両面に電極21を積層
したものであり、一方の電極には、前記固体電解質型の
二酸化炭素センサ素子と同様に、アルミナ基板19を積
層し、その上にヒーター18を形成し、該ヒーターを導
線17で電源16に接続し、直流電圧を印加することに
よって直接加熱するようにしたものである。上記感ガス
体の材料としては、CuOとBaTiO3との混合物、
PbOとBaTiO3との混合物、CuOとBaSnO3
との混合物、CuとSrTiO3との混合物等を成型、
焼結して得ることができる。また、電極の材質として
は、Ag、Pt、Pd等の導電物質が一般に使用され
る。各電極は、Pt等の導線21により電流計23に接
続され、静電容量を測定される。
【0019】本発明において、ゼオライトよりなるフィ
ルター3は、ケーシング4のガス取込用の開口部又は該
ガス取込用の開口部と該ケーシングに内蔵された上記の
二酸化炭素センサ素子と間隔をあけて設けられる。該フ
ィルター3を二酸化炭素センサ素子と間隔をおいて設け
ることにより、該二酸化炭素センサ素子の加熱手段によ
りフィルターが過度に加熱される現象を防止でき、フィ
ルターで有機ガスが二酸化炭素に変化し、測定に悪影響
を与えるという問題を解消することができるばかりでな
く、かかる条件下においても有機ガスを極めて高度に除
去できるという驚くべき効果も発揮する。
【0020】上記フィルター3は、使用条件下で二酸化
炭素センサ素子2の加熱手段により150℃を超えた温
度に加熱されないように間隔をあけて設けることが好ま
しい。一般に、かかる間隔は0.5〜30mmである。
【0021】また、フィルター3は、二酸化炭素センサ
素子とケーシング外気とを区画するものであり、その設
置は、上記二酸化炭素センサ素子との間隔を有する範囲
内で、ガス取込用の開口部を覆うように設ける態様、該
ガス取込用の開口部と二酸化炭素センサ素子との間の空
間を区画するように設ける態様等が採用される。
【0022】本発明において、フィルター3の形成方法
は、特に制限されない。好適な方法を例示すれば、図1
に示すように、2枚のメッシュ板1により形成された保
持空間にゼオライトを充填して構成する態様、ゼオライ
トの焼結体によって直接構成する態様等が挙げられる。
そのうち、後述するように比表面積の大きいゼオライト
を使用することが望ましいことを勘案すれば、ゼオライ
トを保持空間に充填する態様が好適である。
【0023】また、ゼオライトよりなるフィルターの厚
みは、あまり薄い場合は、有機ガスの除去効果が十分で
なく、あまり厚い場合は、応答性が低下する傾向があ
る。従って、0.5〜15mmの厚みとなるように構成
することが好ましい。
【0024】本発明に使用するゼオライトは、公知のも
のが何等制限なく使用できるが、一般に比表面積が小さ
くなると有機ガスの除去効果が低下するとともに二酸化
炭素に対する応答性を減少させる傾向にある。そのた
め、その比表面積は300m2/g以上、好ましくは5
00m2/g以上、さらに好ましくは700m2/g以上
のゼオライトが好適に使用される。またゼオライトはA
型、X型、Y型、L型、ZSM−5型、USY型、ジャ
バサイト、エリオナイト、オフレタイト、モルデナイ
ト、フェリエライト等の天然または合成のものが制限な
く使用できる。なお、ゼオライトはSi/Al比やカチ
オンを任意に変えることが可能であるが、本発明に使用
するゼオライトはSi/Al比やカチオンの種類に何等
制限を受けるものではない。
【0025】上記ゼオライトのうち、カチオンの種類が
Na、NH4又はHであり、Si/Al比が2〜140
のY型、モルデナイト、USYが好適であり、中でも、
カチオンの種類がNaであり、Si/Al比が2〜5の
Y型ゼオライト又はカチオンの種類がNaであり、Si
/Al比が4〜8のUSYゼオライトが好ましい。
【0026】上記ゼオライトは、粉末で使用してもよ
く、ペレットやビーズに造粒して使用してもよい。しか
し、比表面積が300m2/g以上が有機ガスフィルタ
ーとして好適であることを考えると、ゼオライトは粒径
が3μm以下の微粉末を用いることが好ましい。粉末の
造粒は、通常、カオリナイト、アタパルジャイト、モン
モリロナイト、シリカ、アルミナなどの結合剤とポバー
ル、エチレングリコールなどの粘結性添加物を水で混練
し、ペレットの場合は押出造粒機でビーズの場合は転動
造粒機などを用いることにより行うことができる。
【0027】ゼオライトを粉末状で使用する場合、保持
空間への充填密度は、用いるゼオライトによって異なる
が、一般に0.01〜2g/cm3が適当である。
【0028】本発明において、フィルター3は二酸化炭
素センサ素子に対して、前記したように、150℃以下
となるよう間隔をあけて設けられ、且つ該温度範囲内で
使用されていれば、任意の温度で使用できるが、一般に
は、20℃〜150℃の温度範囲、特に、30℃〜11
0℃の温度範囲で使用することが好ましい。即ち、前記
したように、ゼオライトよりなるフィルターを150℃
以上の高温で使用すると有機ガスの燃焼反応が一部起こ
り、その結果生成した二酸化炭素を二酸化炭素センサ素
子が感知してしまい雰囲気の二酸化炭素の正確な測定が
難しくなる。一方、20℃以下の温度では前記フィルタ
ーの有機ガス除去効果が減少するとともに比較的短期間
にフィルター能力が低下してしまう傾向がある。
【0029】本発明のフィルターを一定の温度に保持す
る方法としては、公知の方法が特に制限なく適用でき
る。最も好適な方法を例示すれば、二酸化炭素センサ素
子2と有機ガスフィルター3との距離を調節し、該セン
サ素子からの余熱によって加熱する方法が採用される。
また、場合によってはフィルターを外部の加熱手段によ
って、一定の温度に加熱して使用しても良い。
【0030】上記フィルターにより除去できる有機ガス
としては、トルエンやベンゼンなどの芳香属系化合物の
蒸気、酢酸エチルやアクリル酸メチルなどのエステル化
合物の蒸気、アセトンやメチルエチルケトンなとのケト
ン類の蒸気あるいはガソリン蒸気など多岐にわたる。ま
た、エタノールやメタノールなどのアルコール類の除去
にも有効である。
【0031】本発明の二酸化炭素センサの他の構造は、
上述の構成を満足するものであれば特に制限されない。
【0032】例えば、センサ素子2と外部との電気的な
接続は、ケーシング4を貫通して導電ピンを出し、該導
電ピンと内部の導線とを電気的に接続して行うのが一般
的である。
【0033】
【発明の効果】本発明の二酸化炭素センサは、妨害ガス
となる有機ガスを選択的に除去しながら、二酸化炭素を
正確に検知することができる。また、かかる効果を長期
的に安定して発揮することが可能である。さらには、本
発明の二酸化炭素センサは、応答性においても優れた特
性を有し、比表面積の大きいゼオライトを使用した場合
にかかる効果が顕著である。
【0034】
【発明の作用】本発明の二酸化炭素センサが上記効果を
発揮する機構は明らかではないが、ゼオライトよりなる
フィルターを二酸化炭素センサ素子と間隔をあけて設け
ることにより、該フィルターにおける有機ガスの燃焼が
防止できると共に、ゼオライトによる極性分子への特異
な吸着親和性が働き、有機ガスのが除去されるものと考
えられる。また、一般に、無機ガスは有機ガスに比べて
分子径が小さく、ゼオライトが固有の細孔径を有するこ
とから、分子サイズの違いによる分子ふるい機能により
除去されるのではないかと推定している。さらに、ゼオ
ライトが触媒としての機能を有することより、有機ガス
が二酸化炭素センサに影響を与えない他のガスに変化し
ていることも考えられる。また、比表面積の大きいゼオ
ライトは、その中に二酸化炭素が十分通過できる空間を
多く有しているために良好な応答性を確保できるものと
考えられる。
【0035】
【実施例】本発明を具体的に説明するために以下の実施
例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0036】実施例1〜12、比較例1、2 図2に示すような構造の加熱用ヒーターを備えた固体電
解質式の二酸化炭素センサ素子を作製した。固体電解質
10はNASICONの粉末を成型、焼結して得られた
直径約5mm、厚さ約0.7mmの円盤上の焼結体を用
いた。その両面の電極9、11は金ペーストをスクリー
ン印刷、乾燥後、700℃で焼き付けすることにより形
成した。電極9、11には白金よりなる導線13が取り
付けられている。一方の電極上には、二酸化炭素と解離
平衡を有する金属炭酸塩12として炭酸リチウムを、テ
レピネオールに5wt.(重量)%のエチルセルロース
を溶解させたビヒクルでペースト化したものをスクリー
ン印刷、乾燥後、650℃で熱処理することにより形成
した。もう一方の電極側には、アルミナ基板7の上に白
金ペーストでヒーター6をスクリーン印刷により形成し
たものを、ガラスよりなる封止材8により接合した。セ
ンサ素子はヒーター6に電源14により直流電圧を印加
することにより450℃に加熱して使用した。
【0037】上記二酸化炭素センサは、雰囲気の二酸化
炭素濃度の変化を、電圧計15で測定した電極9、11
間の起電力変化で検出するもので、大気中の起電力から
測定ガス中の起電力を差し引いた値を感度として示し
た。
【0038】白金よりなる導線13を図1のケーシング
4の底部に設けた導電ピンにスポット溶接により取付け
た。フィルター3は、メッシュ板1によって構成された
厚み4.0mmの充填空間に、表1に示す各種のゼオラ
イトを充填して構成した。
【0039】また、上記フィルターは、二酸化炭素セン
サ素子のヒーター6によって、30、60、100およ
び130℃となるように該素子と間隔をあけて設けた。
【0040】
【表1】
【0041】上記のように構成されたそれぞれの二酸化
炭素センサについて、有機ガスによる影響を見るため、
該センサを二酸化炭素濃度2%と、有機ガスとして、ト
ルエン濃度1000ppm、酢酸エチル濃度1000p
pm及びエタノール濃度1000ppmの被検ガス中に
設置し、各ガスに対する感度を測定した。
【0042】また、応答性は、雰囲気の二酸化炭素濃度
を350ppmから3000ppmに置換して評価し、
応答時間は雰囲気ガスを置換した際のセンサの起電力
が、二酸化炭素濃度3000ppm中での起電力の90
%の値に達するまでの時間を測定した。
【0043】その結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】比較例としてゼオライトに代えて活性炭を
用いた場合及び何も充填しなかった場合についても、上
記と同様にガス感度の測定を行い、結果を表2に併記し
た。
【0046】二酸化炭素ガス感度は、有機ガスフィルタ
ーに実施例1〜12で示したゼオライトを用いても、ま
た比較例1の活性炭を使用した場合にも、比較例2の何
も充填しない場合とほとんど変化はなく、フィルターに
よる二酸化炭素ガスへの応答性への影響がないことが明
らかとなった。一方、有機ガスに対する感度は、比較例
1の活性炭を充填した場合、比較例2の充填無しの場合
の1/4から1/5程度には低減された。これに対し、
ゼオライトを用いた場合はいずれも比較例1の活性炭を
充填した場合よりさらに有機ガスに対する感度は低くな
った。特に実施例1〜4、8、9および10〜12のゼ
オライトを用いた場合、有機ガスの除去効果が大きく特
に良好であった。また一般にゼオライトの有機ガス除去
効果は、トルエンおよび酢酸エチルに対してより発揮さ
れる傾向を示した。
【0047】比較例1の活性炭を充填した場合の応答時
間は、比較例2の何も充填しない場合と比べて4倍以上
になり二酸化炭素に対する応答性の低下が顕著であっ
た。これに対して、実施例1、2、5〜8に示したよう
な比表面積が300〜650m2/g程度のゼオライト
では、比較例2の何も充填しない場合よりは応答は遅く
なるが、応答時間は活性炭を用いた場合の1/2程度で
あった。さらに、実施例3、4、9〜12に示したよう
に比表面積700m2/g以上のゼオライトを用いる
と、応答性を損なうことなくエタノール感度のみを十分
小さくすることが可能となった。
【0048】実施例13〜20、比較例3、4 図3に示すような加熱ヒーターを備えた静電容量型のC
2センサを作製した。感ガス体24にはCuOとBa
TiO3をモル比で1:1となるように混合した粉末
を、成型、焼結して得られた直径約5mm、厚さ約0.
7mmのディスクを用い、両面に電極21をAgペース
トをスクリーン印刷し、乾燥後、500℃で焼き付けし
て形成した。センサはアルミナ基板19の上にPtペー
ストを波型にスクリーン印刷し、乾燥後、1000℃で
焼き付けることにより形成したヒーター18に電源16
で直流電圧を印可することにより450℃に加熱して使
用した。
【0049】上記二酸化炭素センサは、雰囲気のCO2
濃度変化を静電容量の変化として検出するため、電極2
1から取り出した白金よりなる導線22を電流計(LC
Rメーター)23に接続して静電容量を測定するするも
のであり、測定条件は、周波数100Hz、印可電圧1
Vとした。なおCO2感度は、任意のCO2濃度の雰囲気
での静電容量を大気中の静電容量で割った値として示し
た。
【0050】上記二酸化炭素センサ素子を実施例1と同
様にしてケーシング4に取り付けた。フィルター3は、
メッシュ板1によって構成された厚み4.0mmの充填
空間に、表3に示す各種のゼオライトを充填して構成し
た。
【0051】また、上記フィルターは、二酸化炭素セン
サ素子のヒーター6によって、60および100℃とな
るように該素子と間隔をあけて設けた。
【0052】
【表3】
【0053】上記のように構成されたそれぞれの二酸化
炭素センサについて、有機ガスによる影響を見るため、
該センサを二酸化炭素濃度2%と、有機ガスとして、ト
ルエン濃度1000ppm、酢酸エチル濃度1000p
pm及びエタノール濃度1000ppmの被検ガス中に
設置し、各ガスに対する感度を測定した。
【0054】また、応答性は、雰囲気の二酸化炭素濃度
を350ppmから3000ppmに置換して評価し、
応答時間は雰囲気ガスを置換した際のセンサの起電力
が、二酸化炭素濃度3000ppm中での起電力の90
%の値に達するまでの時間を測定した。
【0055】その結果を表4に示した。
【0056】
【表4】
【0057】二酸化炭素ガス感度は、有機ガスフィルタ
ーに実施例13〜20のゼオライトあるいは比較例3の
活性炭を充填しても、比較例4の何も充填しない場合と
ほとんど変化はなく、フィルターによる二酸化炭素ガス
への影響はないことが明らかとなった。有機ガスに対す
る感度は、比較例3の活性炭を充填した場合 比較例4
の充填無しの1/3〜1/4程度に低減された。これに
対し、実施例のゼオライトを充填した場合はいずれもさ
らに有機ガスに対する感度が低下し、比較例3の活性炭
を充填した場合より高い有機ガスの除去効果を示した。
また有機ガスの除去効果はトルエンおよび酢酸エチルに
ついてより顕著であった。
【0058】比較例3の活性炭を充填した場合の応答時
間は、比較例4の何も充填しない場合と比べて5倍以上
に増加し、二酸化炭素に対する応答性の低下がみられ
た。これに対して、実施例13、14、17および19
に示したような比表面積が300〜650m2/g程度
のゼオライトでは、比較例14の何も充填しない場合よ
りは応答は遅くなるが、応答の遅れは活性炭を用いた場
合の1/2から1/3程度であった。さらに、実施例1
5、16、18および20に示したように比表面積70
0m2/g以上のゼオライトを用いると、応答性を損な
うことなく有機ガス感度のみを十分小さくすることが可
能となった。
【0059】実施例21〜23、比較例5 実施例1、4及び8、比較例1で作製した二酸化炭素セ
ンサを用いて有機ガス中での長期的な安定性試験を行っ
た。二酸化炭素センサを3000ppmのトルエン濃度
に設定した密閉空気中に設置し、一定期間ごとに前記雰
囲気から取り出して二酸化炭素濃度2%および酢酸エチ
ル濃度1000ppmに対する感度を実施例1〜12と
同様な方法で測定し、その結果を表5に示した。
【0060】
【表5】
【0061】活性炭を有機ガスフィルターに用いた比較
例5では二酸化炭素に対する感度は変化しないものの、
酢酸エチルに対する感度は30日程度から徐々に増加し
100日経過時点では初期の3倍程度の感度を示した。
これに対し、ゼオライトを有機ガスフィルターに使用し
たセンサはいずれも100日経過しても二酸化炭素およ
び酢酸エチルに対する感度は初期と変わらず、長期間に
わたって雰囲気の二酸化炭素を正確に測定できることが
わかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な有機ガスフィルターの斜視図
(断面部を含む)
【図2】本発明に使用される代表的な固体電解質式の二
酸化炭素センサ素子の構造を示す断面図
【図3】本発明に使用される代表的な静電容量式の二酸
化炭素センサ素子の構造を示す断面図
【符号の説明】
1 メッシュ板 2 二酸化炭素センサ素子 3 フィルター 4 ケーシング 5 開口部 6、18 ヒーター 7、19 アルミナ基板 8、20 封止材 9、11、21 電極 10 固体電解質 12 金属炭酸塩 13、17、22 導線 14、16 電源 15 電圧計 23 電流計 24 感ガス体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7235−2J G01N 27/46 376

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一部にガス取込用の開口部を有するケーシ
    ング内に、加熱手段を備えた二酸化炭素センサ素子が設
    けられ、該ガス取込用の開口部又は該ガス取込用の開口
    部と二酸化炭素センサ素子との間に、該二酸化炭素セン
    サ素子と間隔をあけてゼオライトよりなるフィルターを
    設けたことを特徴とする二酸化炭素センサ。
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