JPH06185164A - ビル等建造物の柱材の形成方法及びその柱材 - Google Patents

ビル等建造物の柱材の形成方法及びその柱材

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JPH06185164A
JPH06185164A JP35595292A JP35595292A JPH06185164A JP H06185164 A JPH06185164 A JP H06185164A JP 35595292 A JP35595292 A JP 35595292A JP 35595292 A JP35595292 A JP 35595292A JP H06185164 A JPH06185164 A JP H06185164A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コラム材を用いる建造物等の柱材において、
コラム材からコンクリートが剥離することを防ぐ。 【構成】 中空のコラム材1の長手方向に対し適宜間隔
を隔てた複数の位置にあって、その位置でのコラム材1
の少なくとも対向する2つの側面へ、コラム材1内部に
通じる複数の貫通孔10を設ける。そして、コラム材1
内部の貫通孔10が設けられた付近に網状に複数の針金
等の長尺条体30…30を貫通孔10へ通して、長尺条
体30…30をコラム材1内部に網状に固定する。この
後、コンクリート等の硬化性部材2を少なくともコラム
材1内部に流し込み、硬化させる。硬化性部材2が硬化
した後、コラム材1内部の硬化性部材2を長尺条体30
…30が保持し、硬化性部材2とコラム材1との剥離が
生じにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、コラム材を用いたビ
ル等建造物の柱材の形成方法及びその柱材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年コラム材を構造材として使用するビ
ル建築が普及している。この傾向は、特に高層ビルの建
築において顕著になりつつある。これは、コラム材を構
造材として用いる建築にあっては、コンクリートを使用
しないものであるため、コスト、施工期間、作業要員の
面で有利だからである。このようにコラム材を柱材とし
て用いる建築は、従来コンクリートを用いないものであ
るため、別途耐火手段を講ずる必要があり、コラム材の
表面にアスベストを吹きつけて対処していた。ところ
が、火災が生じた際、消火のための放水により、アスベ
ストが吹き飛ばされてしまい、コラム材が露出してしま
う。そして、露出したコラム材に火災が及ぶと、コラム
材が熱によって曲がったり、変形したりしてしまう。そ
のため、最近施工時中空のコラム材内部にコンクリート
を流すことによってコラム材に重量を付与し、このよう
な変形を抑制する方法が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法では、経時において、コンクリートと鉄製のコラム材
との接着性が充分に確保できず、コラム材からコンクリ
ートが剥離する事態が生じた。特に火災等の熱が発生し
た場合は、鉄性のコラム材の伸縮によって、このような
現象が増長される。このため、コラム材の内周面に凹凸
を付け、コンクリートとの固着性の向上を図ることも考
えられたが、充分な効果が得られなかった。本願発明
は、上記課題の解決を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係るビ
ル等建造物の柱材の形成方法は、中空のコラム材1の長
手方向に対し、適宜間隔を隔てた複数の位置にあって、
その位置でのコラム材1の少なくとも対向する2つの側
面へ、コラム材1内部に通じる複数の貫通孔10を設
け、針金等の長尺条体30…30を各貫通孔10へ通し
て、これらの長尺条体30…30をコラム材1内部に配
設し、その後コンクリート等の硬化性部材2をコラム材
1の少なくとも内部に流し込み、硬化させることを特徴
とする。本第2の方法に係るビル等建造物の柱材は、中
空のコラム材1と、このコラム材1の少なくとも内部に
充填されたコンクリート等の硬化性部材2と、このコラ
ム材1の少なくとも内部に配設された適宜数の保持部材
3とを有するものであり、下記の構成を採る。即ち上記
保持部材3同士は、硬化性部材2の内部にてコラム材1
の長手方向に適宜間隔を隔てて配設されると共に個々の
保持部材3は、コラム材1の長手方向に対して横断する
ように配設されたものである。そして、夫々の保持部材
3は、複数の針金等長尺条体30…30を上記横断面上
に配設することで構成されたものである。
【0005】
【作用】上記本願第1の発明に係る方法にあっては、コ
ラム材1に設けられた貫通孔10に両端が固定され且つ
網状に配された複数の長尺条体30…30がコラム材1
の内部に適宜間隔をおいて配設され、このようなコラム
材1の内部へコンクリート等の硬化性部材2が流し込ま
れるものであるため、コラム材1内部の硬化性部材2を
網状に配された複数の長尺条体30…30が保持し、硬
化性部材2とコラム材1との剥離を防止する。又上記本
願第2の発明に係る柱材にあっては、コラム材1内部に
充填されたコンクリート等の硬化性部材2の内部に、適
宜間隔を隔てて複数の針金等長尺条体30…30により
構成された保持部材3が配設されるものであるため、硬
化性部材2とコラム材1の剥離を保持部材3が阻み、コ
ラム材1の伸縮等によっても、硬化性部材2とコラム材
1の一体性が阻害されない。
【0006】
【実施例】以下、図面を基に本願発明の実施例を具体的
に説明する。図1に本願発明の一実施例を掲げる。中空
のコラム材1の長手方向に対し適宜間隔を隔てた複数の
位置a…aにあって、その位置aでのコラム材1の各側
面11,11,11,11へ、コラム材1内部に通じる
複数の貫通孔10…10を設ける。この貫通孔10…1
0の位置aにおける数及びコラム材1の周方向bにおけ
る間隔については、図示したものに限定するものではな
く、適宜変更可能である。又複数の位置a…a同士の間
隔も図示したものに限定するものではなく、適宜変更可
能である。
【0007】そして、網状に形成された保持部材3の端
部を上記貫通孔10…10に通すことによって、各位置
aのコラム材1内部に保持部材3を配設する。この保持
部材3の形成方法について詳述すると、コラム材1内部
の貫通孔10に複数の針金等の長尺条体30…30を通
し、長尺条体30…30をコラム材1内部に固定するこ
とによって、網状の部材を形成し、保持部材3とするの
が最も簡単である。勿論最初から長尺条体30…30が
網状に形成されたものを保持部材3として、コラム材1
内部に配し、その端部を貫通孔10…10に通すことに
よって保持部材3を配設するものであっても実施可能で
ある。
【0008】長尺条体30…30の端部31…31は、
図1に示す通り、コラム材1の外周に配設されたフープ
筋32…32に溶接或いは巻付け等によって、固定する
ものであっても実施可能である。このフープ筋32…3
2の保持は、バー33…33を用いて行えばよい。この
バー33…33は、コラム材1の外周に、コラム材1の
表面より幾分間隔を開けて、コラム材1の長手に沿って
配設されたものである。フープ筋32…32を用いる場
合、このようなバー33…33に、フープ筋32…32
を溶接或いは針金等によって固定すればよいのである。
この長尺条体30…30の端部31…31は、溶接或い
は螺子締め等の適当な固定手段によって直接コラム材1
に固定するものであっても実施可能である(図2)。
【0009】又、この図1において、長尺条体30…3
0は、碁盤目のように長尺条体30…30同士が交差す
る。この交差する長尺条体30…30同士は、その交差
点において、互いに溶接或いはその他の固着方法によっ
て固着されるものであってもよいが、単に交差するだけ
であっても実施可能である。更に、交差する長尺条体3
0…30は、図1及び図2へ示す実施例のように、必ず
しもコラム材1の側面11,11,11,11に平行に
設けられるものに限定するものではなく、例えば、図3
へ示すような位置関係を採るものであってもよい。又図
4に示すように、長尺条体30…30は、長尺条体30
…30同士が交差しないものとして実施することも可能
である。又このような交差しない形態を採る場合も、長
尺条体30…30は、必ずしもコラム材1の側面11,
11,11,11に平行に設けられるものに限定するも
のではなく、例えば、図5へ示すような位置関係を採る
ものであってもよい。更には長尺条体30…30同士自
身も、平行になってなくてもよく、交差する長尺条体3
0…30同士にあっては、直角に交差するものでなくて
もよい。
【0010】上述のように保持部材3が内設されたコラ
ム材1の外側(フープ筋32…32とバー33…33を
用いる実施例にあっては、これらの外側)に、図6へ示
すコンクリートパネル100…100を配する。この
後、コンクリートパネル100…100に囲まれた空間
にコンクリート等の硬化性部材2を流し込む。このと
き、硬化性部材2は、コラム材1内部20と、コラム材
1外側21に流し込まれる。しかし、コラム材1外側2
1には、硬化性部材2を流し込まずに、コラム材1内部
20にのみ硬化性部材2を充填するものとして、実施す
ることも可能である。この場合、コンクリートパネル1
00…100は不要であり、コラム材1の側面11,1
1,11,11の仕上げは、従来周知の方法にて行えば
よい。
【0011】図6に示す実施例において、コンクリート
等の硬化性部材2が硬化した後、図7へ示すようにコン
クリートパネル100…100を外し、柱材が完成する
のである。
【0012】上述のように、コラム材1の外部にもコン
クリート等の硬化性部材2によって覆う場合は、コラム
材1外側21の仕上げを工場で済ませ、コラム材1内部
20への硬化性部材2の充填のみを建設現場にて行うこ
とも可能である。従ってコラム材外部21の仕上げ工程
を終えた柱材は、現場において、旧来のような大掛かり
なコンクリートの成形作業を必要としない。
【0013】
【発明の効果】本願第1の発明の実施によって、本願第
2の発明に係る、コラム材1と硬化性部材2との剥離が
生じにくい柱材を提供することが可能である。又このよ
うな施工法を採用することによって、旧来の(コラム材
を使用しない)コンクリート建築では、コンクリートの
流し込み作業は全て建設現場にて行わねばならなかった
が、工場にて、コラム材外部のコンクリート等の硬化性
部材2の流し込み作業を終えることが可能となり、現場
では、コラム材内部のコンクリートの流し込み作業のみ
で済む。従って、現場でのコンクリートの成形作業を大
幅に省くことができる。このため、施工期間やコスト、
作業要員(人件費)の低減に著しく功を奏するものであ
る。又本願第2の発明の柱材は、コラム材1と硬化性部
材2との剥離が生じにくく、火災発生や長期の使用によ
っても、変形が生じにくい。従って、建築構造の信頼性
を著しく向上し得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部切欠斜視図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例を示す略横断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す略横断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す略横断面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す略横断面図である。
【図6】本発明の図1に示す実施例の次工程を示す略横
断面図である。
【図7】本発明の一実施例を示す略横断面図である。
【符号の説明】
1 コラム材 2 硬化性部材 3 保持部材 10 貫通孔 30 長尺条体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空のコラム材(1) の長手方向に対し、
    適宜間隔を隔てた複数の位置にあって、その位置でのコ
    ラム材(1) の少なくとも対向する2つの側面へ、コラム
    材(1) 内部に通じる複数の貫通孔(10)を設け、針金等の
    長尺条体(30)…(30)を各貫通孔(10)へ通して、これらの
    長尺条体(30)…(30)をコラム材(1) 内部に配設し、その
    後、コンクリート等の硬化性部材(2) をコラム材(1) の
    少なくとも内部に流し込み、硬化させることを特徴とす
    るビル等建造物の柱材の形成方法。
  2. 【請求項2】 中空のコラム材(1) と、このコラム材
    (1) の少なくとも内部に充填されたコンクリート等の硬
    化性部材(2) と、このコラム材(1) の少なくとも内部に
    配設された適宜数の保持部材(3) とを有し、 上記保持部材(3) 同士は、硬化性部材(2) の内部にてコ
    ラム材(1) の長手方向に適宜間隔を隔てて配設されると
    共に個々の保持部材(3) は、コラム材(1) の長手方向に
    対して横断するように配設されたものであり、 夫々の保持部材(3) は、複数の針金等長尺条体(30)…(3
    0)を上記横断面上に配設することで構成されたものであ
    ることを特徴とするビル等建造物の柱材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101812898A (zh) * 2010-05-25 2010-08-25 西安建筑科技大学 45度角布置带翼缘十字型钢src柱
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KR102331140B1 (ko) * 2020-12-24 2021-12-01 아이에스동서 주식회사 단위 덕트 모듈을 이용한 중공형 구조 및 이의 제조방법

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0293421U (ja) * 1989-01-13 1990-07-25
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