JPH06184983A - 紙および板紙の製造方法 - Google Patents

紙および板紙の製造方法

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JPH06184983A
JPH06184983A JP34038392A JP34038392A JPH06184983A JP H06184983 A JPH06184983 A JP H06184983A JP 34038392 A JP34038392 A JP 34038392A JP 34038392 A JP34038392 A JP 34038392A JP H06184983 A JPH06184983 A JP H06184983A
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JP
Japan
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pulp
paper
acid
copolymer
slurry
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JP34038392A
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English (en)
Inventor
Shigeto Makino
重人 牧野
Norio Kondo
則男 近藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 古紙パルプを含むパルプスラリーから、乾燥
強度に優れ、かつ加熱乾燥過程において割れの発生しに
くい紙を製造する。 【構成】 古紙パルプを含むパルプスラリーに、水溶性
リグニンを配合するとともに、(メタ)アクリルアミド
99〜50モル%および式 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素またはメ
チルを表し、HXは酸を表す)で示されるジアリルアミ
ン系モノマー1〜30モル%を必須の構成モノマーと
し、任意にさらにα,β−不飽和カルボン酸などのカル
ボン酸系化合物20モル%以下を構成モノマーとする共
重合体を配合して、抄造する。 【効果】 乾燥強度が高く、また割れの発生しにくい紙
が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、古紙パルプを含むパル
プスラリーから、乾燥強度に優れた紙または板紙(以
下、特に区別する必要がないかぎり、両者を含めて単に
紙という)を製造する方法に関するものである。さらに
詳しくは、古紙パルプを含むパルプスラリーに、特定の
成分を配合することにより、紙力増強をはかるととも
に、填料、微細繊維、サイズ剤などの歩留り向上作用を
付与し、さらには、製造された紙が中芯原紙など、後過
程において加熱成形加工を必要とする紙であっても、段
割れや罫割れといった割れが発生しにくい紙を製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護や資源保護の面から
古紙の利用が進んでおり、一方、都市問題の一つである
ゴミの大量発生を抑制するうえからも、さらなる古紙利
用が叫ばれている。古紙は回収されたあと、離解や脱墨
といった機械的および化学的処理を受け、再度パルプ化
されるが、古紙のリサイクル回数が増加するにつれ、前
述の処理が繰り返し行われるため、パルプ繊維の劣化や
短繊維化が起こる。このため古紙配合紙は、古紙を配合
していない紙に比べて紙力が低く、これを防止するため
に各種の紙力増強剤が用いられている。かかる紙力増強
剤として一般的には、カチオン化デンプン、アクリルア
ミド系ポリマーなどが多用されている。
【0003】しかるに、短繊維化されたパルプが使用さ
れ、またアクリルアミド系ポリマーなどの紙力増強剤が
多用される現状では、こうした方法により製造された紙
が柔軟性に欠け、また後過程の成形加工時に割れを発生
しやすいという問題がある。これは、短繊維パルプから
製造された紙やアクリルアミド系ポリマーなどが添加さ
れた紙にあっては、紙自身の伸びが少ないことによる。
さらには、紙力増強剤として多用されるアクリルアミド
系ポリマーは、加熱を受けることによりパルプ繊維を剛
直に固めるため、紙自身の伸びを一層制限する。
【0004】このような加熱成形を受ける代表的なもの
として、段ボールの中芯に用いられる中芯原紙がある。
中芯原紙は、原紙製造後、コルゲートマシンにより波状
に加熱成形され、段ボール中芯として使用される。コル
ゲートマシンは従来、U段を持つ段ロールが主体であっ
たが、近年では、原料である中芯の使用量や糊の使用量
が少なくてすみ、かつフラット・クラッシュに優れるV
段を持つ段ロールが主流となりつつある。また操業性を
上げるために、コルゲートマシンの高速化が進行してい
る。こうした操業条件の苛酷化は、いずれも中芯原紙に
段割れを発生しやすくする。
【0005】以上述べてきたとおり、近年の製紙、製函
産業は、古紙配合による強度低下、紙力増強剤の添加に
よる紙の剛直化、加工機器の変遷など、いずれも段割れ
が発生しやすい状況を作り出している。
【0006】一方パルプは、木材をはじめ、わら、麻、
木綿などを原料とするが、最も一般的には木材を原料と
して製造される。製紙用パルプには化学パルプに分類さ
れるものがあるが、これは、薬品を用いた化学的処理に
より、原料中のリグニンを溶出させて得られるパルプで
あり、亜硫酸を用いるサルファイトパルプ、そして硫化
ソーダおよび苛性ソーダを用いるクラフトパルプが代表
的なものである。木材中に20〜30%存在するリグニ
ンは、上記のような化学処理により溶出され、セルロー
スと分離される。化学処理によって得られたセルロース
系材料は、製紙原料として有効に利用されている一方、
溶出したリグニンは、大部分がパルプ工場にて燃料とし
て燃焼されているほかは、接着剤、結合剤、分散剤用途
などに一部利用されているにすぎない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、古紙
パルプを少なくとも一部のパルプ原料としたパルプスラ
リーから、乾燥強度に優れ、かつ後過程、特に加熱成形
過程において割れの発生しにくい紙を製造することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべく
鋭意研究を行った結果、古紙パルプを含むパルプスラリ
ーに対し、(メタ)アクリルアミド系の両性またはカチ
オン性共重合体のなかでも特に、2級のジアリルアミン
系化合物の塩を共重合体の必須構成成分としたものを添
加するとともに、さらに水溶性リグニンを添加すること
によって、優れた紙力増強効果が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、古紙パルプを含むパル
プスラリーを調整し、次のAおよびBの両者を必須成分
としてこのパルプスラリーに添加し、抄造することによ
り、紙を製造する方法を提供するものである。
【0010】A.水溶性リグニンまたはその塩、ならび
に B.(a)(メタ)アクリルアミド99〜50モル%、
および(b)一般式(I)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に
水素またはメチルを表し、HXは酸を表す)
【0013】で示されるジアリルアミン系モノマー1〜
30モル%を含む構成モノマーから得られる共重合体。
【0014】上記共重合体Bは、構成モノマーとして好
ましくは、さらに(c)α,β−不飽和モノカルボン
酸、α,β−不飽和ジカルボン酸およびこれらの塩類か
らなる群より選ばれるカルボン酸系化合物を20モル%
以下の割合で含むものであることができる。
【0015】本発明において原料となるパルプスラリー
は、少なくとも古紙パルプを含むものであり、実質的に
古紙パルプだけであってもよいし、また古紙パルプ以外
に他のパルプを配合したものであってもよい。配合しう
る他のパルプとしては、例えばセミケミカルパルプ、ケ
ミグラインドパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、サ
ーモメカニカルパルプ、ストーングランドウッドパル
プ、クラフトパルプ、サルファイトパルプなどが挙げら
れる。これら他のパルプを配合した場合であっても、パ
ルプの全乾燥重量を基準として、通常は古紙パルプを5
重量%以上含むものが用いられる。
【0016】このような古紙パルプを含むパルプスラリ
ーに対して、本発明では、前記した水溶性リグニンAを
配合するとともに、さらに特定のカチオン性または両性
共重合体Bを、紙力増強剤として配合する。
【0017】ここで用いる水溶性リグニンAとしては、
リグニンスルホン酸およびその塩が代表的であるが、リ
グニンを水溶性としたものであれば、いかなるものでも
用いることができ、また1種のみならず、2種以上を組
み合わせて用いることもできる。本発明においては、市
販されているリグニンスルホン酸やリグニンスルホン酸
ソーダなどの水溶性リグニンを用いることも、もちろん
可能であるが、特に化学パルプ製造時に生成する蒸解廃
液中の水溶性リグニンを用いれば、製紙・パルプ工場で
の副生物の再利用につながることから、一層有効であ
る。
【0018】ここでいう化学パルプとは、薬品を用いた
化学的処理により、原料中のリグニンを溶出させて得ら
れるパルプであり、サルファイトパルプ、クラフトパル
プ、中性亜硫酸セミケミカルパルプ、酸性サルファイト
セミケミカルパルプ、バイサルファイトセミケミカルパ
ルプ、クラフトセミケミカルパルプ、冷ソーダケミメカ
ニカルパルプ、ホットサルファイトケミメカニカルパル
プなどが包含される。
【0019】化学パルプを製造する際、蒸解残渣は製紙
原料のパルプとして用いられるが、パルプ以外のものを
蒸解廃液といい、酸またはその塩となった水溶性リグニ
ンを含有している。水溶性リグニンとは、元来水不溶性
であるリグニンが、化学パルプ製造時に蒸解薬剤によっ
て水可溶性となったものであり、水溶性リグニンの構造
は蒸解方法や蒸解条件などに支配される。本発明で使用
する水溶性リグニンの種類は特に制限されるものでな
く、例えばサルファイトパルプ製造時に生成するリグニ
ンスルホン酸、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニ
ンスルホン酸カルシウム、リグニンスルホン酸マグネシ
ウム、およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。こ
こでいう蒸解廃液中の水溶性リグニンは、他の不純物例
えばヘミセルロースをはじめ、他の木材構成成分および
これらの誘導体を含有していても、本発明の効果が制限
されるものではない。
【0020】本発明において用いる共重合体Bを構成す
る(a)成分の(メタ)アクリルアミドは、アクリルア
ミドまたはメタアクリルアミドであり、それぞれ単独で
用いてもよいし、また併用してもよい。工業的にはアク
リルアミドが好ましく用いられる。
【0021】(b)成分の前記一般式(I)で示される
ジアリルアミン系モノマーは、ジアリルアミンおよびジ
メタアリルアミンに代表される2級アミンの塩である。
一般式(I)においてHXで表され、塩を構成する酸
は、無機酸、有機酸のいずれでもよく、無機酸として
は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられ、また有
機酸としては、酢酸、蟻酸、プロピオン酸などが挙げら
れる。一般には、塩酸、硫酸などが好ましい。ジアリル
アミンまたはジメタアリルアミンをこれらの酸と混合す
ることによって、容易に一般式(I)で示されるジアリ
ルアミン系モノマー(塩)が形成される。これらのジア
リルアミン系モノマーは、それぞれ単独で用いてもよい
し、また2種以上を併用してもよい。
【0022】(c)成分のカルボン酸系化合物は、共重
合体の任意成分であり、この成分が存在していなくても
十分効果を発揮するが、紙力増強効果をより有効に発揮
させるためには、この成分も存在させるのが好ましい。
カルボン酸系化合物(c)の具体例としては、アクリル
酸、メタアクリル酸のようなα,β−不飽和モノカルボ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のようなα,
β−不飽和ジカルボン酸、それらのナトリウム塩、カリ
ウム塩のような金属塩類、それらのアンモニウム塩など
が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸系化合物を用
いる場合は、それぞれ単独であってもよいし、また2種
以上の混合物であってもよい。
【0023】本発明で用いる共重合体Bにおいて、必須
成分である(メタ)アクリルアミド(a)およびジアリ
ルアミン系モノマー(b)は、(a)成分が99〜50
モル%および(b)成分が1〜30モル%の範囲で含ま
れる。(a)と(b)の二成分を共重合させることによ
って、カチオン性の共重合体が得られ、この場合は、
(a)成分が99〜70モル%、および(b)成分が1
〜30モル%の範囲で用いられる。また任意成分である
カルボン酸系化合物(c)は、0〜20モル%の範囲で
用いられ、前記成分(a)および(b)に加えて成分
(c)を共重合させることにより、両性の共重合体が得
られる。カルボン酸系化合物(c)を存在させることに
よる効果を有効に発揮させるためには、1〜20モル%
の範囲で用いるのが好ましい。さらには、少なくとも
(a)、(b)および(c)の三成分を構成モノマーと
するものであって、(a)成分96〜65モル%、
(b)成分2〜20モル%および(c)成分2〜15モ
ル%の範囲で共重合させたものが、より好ましい。
【0024】また本発明で用いる共重合体は、上記のよ
うな必須の構成モノマーである(メタ)アクリルアミド
(a)およびジアリルアミン系モノマー(b)、あるい
は任意に用いられるカルボン酸系化合物(c)のほか、
これら各成分と共重合可能なモノマーを、紙力増強効果
および共重合体の水溶性を害しない程度に導入すること
もできる。任意に使用しうる他のモノマーとしては、例
えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸
メチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、スチ
レン、酢酸ビニルのようなノニオン性モノマー、ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドやそれらの4
級化物のようなカチオン性モノマー、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アク
リルアミドのような二官能性モノマーなどが挙げられ
る。
【0025】本発明に用いる共重合体は、上記のような
必須のモノマー成分、あるいはさらに任意のモノマー成
分を共重合させることにより、製造できる。この共重合
体の製造自体は公知の方法で行うことができ、重合形式
は限定されないが、水または水溶性の混合溶媒中で、重
合開始剤の存在下に重合を行うのが好ましい。
【0026】重合開始剤としては、通常用いられるもの
が使用できる。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウムのような過硫酸塩、2,2′−ジアミジノ−2,
2′−アゾプロパンジ塩酸塩、アゾビスイソブチロニト
リルのようなアゾ化合物、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素のよう
な過酸化物が例示できる。また公知のレドックス系開始
剤、例えば過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのよう
な酸化剤と、亜硫酸水素ナトリウムや3級アミンのよう
な還元剤との組合せ、などを用いることもできる。
【0027】さらには必要に応じて、イソプロピルアル
コール、アリルアルコール、次亜リン酸ナトリウムな
ど、公知慣用の連鎖移動剤を用いることもできる。
【0028】重合は、通常約10〜100℃、好ましく
は約40〜90℃の温度で、約1〜20時間かけて行わ
れる。この重合は、酸素存在下で行うこともできるが、
窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好まし
い。重合にあたって、必須成分(a)および(b)、任
意成分(c)、あるいは必要に応じて用いられるこれら
と共重合可能なモノマーは、全成分を一括して仕込んで
から重合反応を開始してもよいし、あるいは全成分のう
ちの一部を仕込んで重合反応を開始したあと、残りの成
分を連続的にまたは分割して添加し、重合を継続しても
よい。
【0029】こうして得られる共重合体のなかでも、1
5重量%濃度の水溶液の25℃における粘度が10〜1
000ポイズ程度のもの、特に20〜200ポイズ程度
のものが好ましい。共重合体の粘度は、紙力増強剤とし
ての特性に影響を与え、粘度が低くなるとその紙力効果
を低下させ、また粘度が高くなると紙の地合をくずす傾
向にあるので、10〜1000ポイズの粘度範囲をはず
れるものはあまり好ましくない。
【0030】本発明により、水溶性リグニンAおよび共
重合体Bをパルプスラリーに配合するにあたって、水溶
性リグニンは、パルプの乾燥重量を基準として0.1〜1
0重量%程度、また共重合体は、同じくパルプの乾燥重
量を基準として0.05〜3重量%程度添加するのが好ま
しい。水溶性リグニンと共重合体をパルプスラリーへ添
加する際の添加順序に特別な制限はないが、水溶性リグ
ニンの定着を考慮すると、水溶性リグニンを先に添加
し、次いで共重合体を添加する方法が好ましい。
【0031】本発明を実施するにあたり、抄紙自体は従
来公知の方法に従って行うことができる。すなわち、パ
ルプの水性分散液に、前記のような水溶性リグニンおよ
び共重合体を添加し、よく混合してから抄紙すればよ
い。この際、硫酸アルミニウム(いわゆる硫酸バン
ド)、通常のサイズ剤、紙力増強剤、濾水性向上剤、あ
るいはクレー、タルク、酸化チタンなどの填料を添加す
ることができる。 本発明では、紙力増強剤として、前
記のような特定のジアリルアミン系モノマーを構成成分
の一つとする共重合体を添加することが必須であるが、
他の紙力増強剤を併用することは、もちろん差し支えな
い。
【0032】蒸解廃液中の水溶性リグニンおよび前述の
共重合体を併用することにより、リグニン系物質および
この共重合体が高い歩留りで紙中に保持され、紙力増強
が有効にはかられるとともに、填料、微細繊維、サイズ
剤などの歩留りをも向上させることができる。さらに
は、後過程において加熱成形加工を受ける際、段割れや
罫割れといった割れの発生が少なく、良質の紙を製造す
ることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、例中にある%は、特にことわりがないか
ぎり重量%を表す。
【0034】合成例1
【0035】攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素
ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、36%塩酸3.0
gおよびイオン交換水178.2gとともに(b)成分と
してジアリルアミン2.9gを仕込み、36%塩酸でpH
を2.0に調整し、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除
去した。次いで内温を60℃に上昇し、重合開始剤とし
て過硫酸アンモニウム0.45gを投入したあと、(a)
成分として50%アクリルアミド水溶液61.8gおよび
(c)成分として80%アクリル酸水溶液3.2gの混合
物を、内温60℃を保ったままで5時間かけて滴下し
た。滴下終了後、内温60℃で4時間保温した。
【0036】その後冷却することにより、pH2.7、2
5℃における粘度52ポイズ、濃度15%の両性共重合
体水溶液を得た。これを重合体P1とし、その性状値を表
1に示す。
【0037】合成例2〜合成例5
【0038】構成モノマー成分(a)、(b)および
(c)の組成を表1に示すようにした以外は、合成例1
と同様の操作を繰り返した。各合成例で得られた両性共
重合体をそれぞれ重合体P2〜P5とし、その性状を表1に
示す。
【0039】合成例6
【0040】攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素
ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、(a)成分とし
て50%アクリルアミド水溶液61.1g、(b)成分と
してジメチルアミノエチルメタアクリレート4.7g、
(c)成分として80%アクリル酸水溶液3.6g、およ
びイオン交換水184.5gを仕込み、20N硫酸でpH
を4.5に調整し、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除
去した。次いで、攪拌しながら昇温し、内温が55℃に
なったら、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.10
gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.04gを投入した。さ
らに60分かけて内温を90℃まで昇温し、90℃で4
時間保温した。
【0041】その後冷却することにより、pH4.0、2
5℃における粘度49ポイズ、濃度15%の両性共重合
体水溶液を得た。これを重合体wとし、その性状値を表
1に示す。
【0042】合成例7〜合成例9
【0043】構成モノマー成分(a)、(b)および
(c)の組成を表1に示すようにした以外は、合成例6
と同様の操作を繰り返した。各合成例で得られた両性共
重合体をそれぞれ重合体x〜zとし、その性状を表1に
示す。
【0044】なお、表1における構成モノマーの略号は
次のとおりである。
【0045】AM : アクリルアミド MAM : メタアクリルアミド DAA : ジアリルアミン DMM : ジメチルアミノエチルメタアクリレート Q-DM : メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモ
ニウムクロライド DADMAC: ジアリルジメチルアンモニウムクロライド AA : アクリル酸 MAA : メタアクリル酸
【0046】
【表1】
【0047】応用例1
【0048】段ボールから得られたカナディアン・スタ
ンダード・フリーネスが440ccの古紙パルプを2%濃
度のスラリーとし、市販のリグニンスルホン酸ソーダを
対パルプ乾燥重量基準で1%添加混合したあと、さらに
硫酸アルミニウムを対パルプ乾燥重量基準で0.5%添加
混合し、次いで合成例1〜9で得られた重合体P1〜P5お
よびw〜zを、それぞれ対パルプ乾燥重量基準で0.6%
添加混合した。1分間攪拌後、角型抄紙機で抄紙し、脱
水プレス後110℃で4分間乾燥して、米坪量120±
2g/m2 の手抄き紙を得た。
【0049】また比較のため、同様のパルプスラリーに
リグニンスルホン酸ソーダを添加せず、硫酸アルミニウ
ムを対パルプ乾燥重量基準で0.5%添加混合し、次いで
合成例1〜3で得られた重合体P1〜P3を、それぞれ対パ
ルプ乾燥重量基準で0.6%添加混合した。1分間攪拌
後、上に述べたのと同様の方法で抄紙し、後処理を施す
ことにより、米坪量120±2g/m2 の手抄き紙を得
た。
【0050】各試料につき、JIS P 8113 に従って引張
強度(裂断長)を、また JIS P 8126に従って比圧縮強
度を測定した。別途、各試料について紙中の窒素含量を
求め、下式により紙力増強剤の歩留率を求めた。
【0051】
【0052】 A:紙力増強剤添加紙の窒素含量 (%) B:紙力増強剤未添加紙の窒素含量 (%) N:使用紙力増強剤の窒素含量 (%) F:紙力増強剤添加率(対パルプ乾燥重量%)
【0053】さらに、各試料をミディアムフィルター
(熊谷理器製)により、180℃、8m/min で段繰り
し、加工試料の段割れ状態を次の3段階で目視判定し
た。
【0054】 ○ 段割れなし。 △ 少し段割れが認められる。 × 著しい段割れが認められる。
【0055】以上の試験結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】応用例2
【0058】カナディアン・スタンダード・フリーネス
440ccのNUKP(針葉樹材未晒クラフトパルプ)
と、同フリーネスの段ボールから得られた古紙パルプと
を、乾燥パルプ重量比で60/40に配合して、2%濃
度のパルプスラリーを調製し、市販のリグニンスルホン
酸ソーダを対パルプ乾燥重量基準で1%添加混合したあ
と、これに硫酸アルミニウムを対パルプ乾燥重量基準で
1%添加混合し、次いで合成例1〜9で得られた重合体
P1〜P5およびw〜zを、それぞれ対パルプ乾燥重量基準
で0.3%添加混合した。1分間攪拌後、角型抄紙機で抄
紙し、脱水プレスしたあと110℃で4分間乾燥して、
米坪量120±2g/m2 の手抄き紙を得た。
【0059】また比較のため、同様のパルプスラリーに
リグニンスルホン酸ソーダを添加せず、硫酸アルミニウ
ムを対パルプ乾燥重量基準で1%添加混合し、次いで合
成例1〜3で得られた重合体P1〜P3を、それぞれ対パル
プ乾燥重量基準で0.3%添加混合した。1分間攪拌後、
上に述べたのと同様の方法で抄紙し、後処理を施すこと
により、米坪量120±2g/m2 の手抄き紙を得た。
【0060】各試料につき、JIS P 8113 に従って引張
強度(裂断長)を、また JIS P 8126に従って比圧縮強
度を測定した。別途、各試料について紙中の窒素含量を
求め、前記計算式により紙力増強剤の歩留率を求めた。
さらに各試料をミディアムフィルター(熊谷理器製)に
より、180℃、8m/min で段繰りし、加工試料の段
割れ状態を応用例1に示したのと同様の3段階で目視判
定した。それらの結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】本発明に従って古紙パルプを含有するパ
ルプスラリーに、水溶性のリグニン系物質および、特定
のジアリルアミン系モノマーを構成モノマーとする共重
合体を添加することにより、乾燥強度が高く、かつ段割
れを発生しにくいなど、優れた品質の紙が製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D21H 3/38 101

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】古紙パルプを含むパルプスラリーを調整
    し、 A.水溶性リグニン、ならびに B.(a)(メタ)アクリルアミド99〜50モル%お
    よび(b)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に、水素または
    メチルを表し、HXは酸を表す)で示されるジアリルア
    ミン系モノマー1〜30モル%を含む構成モノマーから
    得られる共重合体を前記パルプスラリーに添加し、抄造
    することを特徴とする紙または板紙の製造方法。
  2. 【請求項2】共重合体Bの構成モノマーが、さらに
    (c)α,β−不飽和モノカルボン酸、α,β−不飽和
    ジカルボン酸およびこれらの塩類からなる群より選ばれ
    るカルボン酸系化合物を20モル%以下含む請求項1記
    載の方法。
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