JPH06184817A - ポリ−ε−カプロラクトンフイラメントの製造法 - Google Patents

ポリ−ε−カプロラクトンフイラメントの製造法

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JPH06184817A
JPH06184817A JP35583092A JP35583092A JPH06184817A JP H06184817 A JPH06184817 A JP H06184817A JP 35583092 A JP35583092 A JP 35583092A JP 35583092 A JP35583092 A JP 35583092A JP H06184817 A JPH06184817 A JP H06184817A
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JP
Japan
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roller
take
filament
winding
speed
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Application number
JP35583092A
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English (en)
Inventor
Madoka Hirano
まどか 平野
Naotaka Kanemoto
直貴 金元
Yoshihiro Kan
喜博 冠
Masatsugu Mochizuki
政嗣 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用に耐える強度を有するポリ−ε−カプロ
ラクトンフイラメント(モノフイラメント及びマルチフ
イラメント) を安価の装置を用いて、操業性良く製造す
る糸質性能が優れたフイラメントを効率的に製造する。 【構成】 溶融紡糸法によって単糸繊度が 0.7〜50dの
ポリ−ε−カプロラクトンフイラメントを製造する方法
において、紡出されたフイラメントを空冷固化し、油剤
を付与した後、引取ローラで引取り、続いて巻取ローラ
で2000m/分以下の速度で巻取るに際し、巻取ローラの
速度を引取ローラの速度の 2.0〜6.0 倍とし、引取ロー
ラと巻取ローラとの間の張力を0.04〜1.0 g/dとして
巻取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有するポリ
−ε−カプロラクトンフイラメントを安価な装置で効率
的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリ−ε−カプロラクトン(PC
Lという。)から溶融紡糸法によってフイラメントを製
造する場合、溶融紡出されたフイラメントを冷却し、一
旦巻取った後、延伸する方法が採用されている。しか
し、単糸繊度の小さいフイラメントを製造する場合、紡
糸巻取り時及び次の未延伸糸の調糸(延伸工程までの
間、未延伸糸を定められた温湿度の雰囲気中に放置して
おくこと)時に、PCLはガラス転移温度が約−60℃と
低く、室温でさえもガラス転移温度より約80℃以上高い
状態であるために、未延伸糸の自己伸長が発生し、紡糸
巻取り中に巻崩れが発生したり、調糸中に巻取ボビンと
巻糸間に隙間ができ、移動時等の振動による巻糸の乱れ
が発生したり、延伸糸の糸質差が発生したり、安定して
良質の製品を生産することは困難であった。
【0003】引取ローラ間で延伸する方法、いわゆる、
スピンドロー法を採用すればこのような問題は解消され
るが、紡糸装置を大幅に改良するか新設備を造る必要が
あり経済的に不利である。
【0004】また、他の方法は、巻取速度を非常に高速
(例えば、3500m/分以上)とし、延伸を省略する方法
も考えられるが、PCLのような低融点ポリマーにおい
ては巻取パッケージ端部が融着したり、融着に至らない
場合も解舒不良が発生し、良好なパッケージを得ること
はできなかった。また、得られるフイラメントは強度の
低いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なトラブルなしに、実用に耐える強度を有するPCLフ
イラメントを経済的に有利に製造する方法を提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであり、その要旨は、溶融紡糸法によって
単糸繊度が 0.7〜50dのPCLフイラメントを製造する
方法において、紡出されたフイラメントを空冷固化し、
油剤を付与した後、引取ローラで引取り、続いて巻取ロ
ーラで2000m/分以下の速度で巻取るに際し、巻取ロー
ラの速度を引取ローラの速度の 2.0〜6.0 倍とし、引取
ローラと巻取ローラとの間の張力を0.04〜1.0 g/dと
して巻取ることを特徴とするPCLフイラメントの製造
法。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において用いられるPCLは、分子量が 40000〜10
0000のものが製糸性及び得られたフイラメントの特性の
点で好ましい。
【0008】紡糸に供するPCLには、炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、アルミナ、シリカ、タルク等の無機
系結晶核剤を0.01〜5.0 重量%、好ましくは0.05〜2.0
重量%含有させることが望ましい。
【0009】また、滑剤として、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の第II属金属
塩を0.01〜0.2 重量%、好ましくは0.05〜0.1 重量%含
有させることが望ましい。
【0010】本発明においては、まず、PCLを溶融紡
出し、空冷固化した後、紡糸油剤を付与する。溶融紡糸
の温度は、用いるPCLの分子量により異なるが、通常
190〜300 ℃、好ましくは 200〜250 ℃とするのが適当
である。紡糸温度が 190℃未満であると溶融粘度が高す
ぎて溶融押し出しが困難であり、 300℃を超えるとPC
Lの分解が顕著となり、高強度のフイラメントを得るこ
とが困難となる。溶融紡出糸の空冷は、常法によって、
横吹きつけ又は円筒吹きつけによって行えばよい。
【0011】空冷固化したフイラメントには紡糸油剤が
付与されるが、紡糸油剤としては、水系エマルジョン油
剤及び非水系油剤のいずれを用いてもよい。水系エマル
ジョン油剤としては、鉱物油、高級脂肪酸のアルキルエ
ステル、ポリアルキレンエーテル化合物及び乳化剤の配
合物を水エマルジョンとしたもの、非水系油剤として
は、鉱物油、高級脂肪酸のアルキルエステル及び乳化剤
の配合物等が好ましく用いられる。
【0012】空冷固化し、紡糸油剤が付与されたフイラ
メントは、引取ローラで引取られ、続いて巻取ローラで
2000m/分以下の速度で巻取られる。この際、巻取ロー
ラの速度を引取ローラの速度の 2.0〜6.0 倍にし、引取
ローラと巻取ローラとの間の張力 (巻取張力という) を
0.04〜1.0 g/dとして巻取ることが必要である。
【0013】巻取ローラの速度が引取ローラの速度の
2.0倍未満であると自己伸長によるトラブルが発生する
とともに、強度の低いフイラメントしか得られない。一
方、この倍率が 6.0倍を超えると糸切れが発生して操業
性が悪くなる。
【0014】また、巻取張力が0.04g/d未満になると
巻取り中に巻取糸が徐々に自己伸長し、巻取ボビンに対
する把持が悪くなり、巻崩れが発生したり、部分未延伸
糸が発生し、正常なフイラメントが得られない。また、
巻取張力が 1.0g/dを超えるとフイラメントの締付け
力により巻崩れが発生したり、フイラメントの切断が発
生したりして操業性が低下する。巻取張力は、引取ロー
ラと巻取ローラとの速度比、溶融紡糸温度、紡出糸の冷
却条件、引取ローラの速度等を適切にに選定することに
よって調整することができる。
【0015】なお、巻取ローラの速度は、2000m/分以
下とすることが必要で、この速度であれば、通常の溶融
紡糸巻取機そのままで或いはそれを若干改造するだけで
対応できるが、これを超える速度で巻取るには、高速巻
取機が必要となり、設備費が嵩み、好ましくない。
【0016】本発明におけるフイラメントは、モノフイ
ラメントでもマルチフイラメントでもよいが、単糸繊度
が 0.7〜50dの範囲のものである。単糸繊度が 0.7d未
満のものでは単糸切断が発生して操業性が悪い。また、
単糸繊度が50dを超えるものでは冷却不足のために巻取
りが不可能である。
【0017】なお、本発明の方法で得られるフイラメン
トは、必要に応じて通常の延伸機で延伸して高強力糸と
して使用することも可能である。
【0018】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0019】実施例1〜3、比較例1〜3 分子量 80000のPCLに、ステアリン酸マグネシウム0.
1 重量%及び二酸化チタン 0.1重量%を添加して溶融紡
糸し、表1に示す繊度のモノフイラメントを製造した。
この際、紡糸温度は 210℃とし、常法によって空冷後、
紡糸油剤として、鉱物油、オクチルパルミテート、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテル及び乳化剤の配合物を
15重量%水系エマルジョンとしたものを付与した。引取
ローラ速度(S1)と巻取ローラ速度(S2)及び巻取張力
を変更し、巻取状況及び解舒状況を検討した結果並びに
得られたモノフイラメントの強伸度を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例4〜6、比較例4〜6 実施例1と同様の方法により、表2に示す繊度のマルチ
フイラメントを製造した。なお、紡糸油剤として、鉱物
油、イソオクチルステアレート及び乳化剤の配合物(非
水油剤)を用いた。引取ローラ速度(S1)と巻取ローラ
速度(S2)及び巻取張力を変更し、巻取状況及び解舒状
況を検討した結果並びに得られたマルチフイラメントの
強伸度を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、実用に耐える強度を有
するPCLフイラメントを安価の装置を用いて、操業性
良く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 政嗣 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融紡糸法によって単糸繊度が 0.7〜50
    dのポリ−ε−カプロラクトンフイラメントを製造する
    方法において、紡出されたフイラメントを空冷固化し、
    油剤を付与した後、引取ローラで引取り、続いて巻取ロ
    ーラで2000m/分以下の速度で巻取るに際し、巻取ロー
    ラの速度を引取ローラの速度の 2.0〜6.0 倍とし、引取
    ローラと巻取ローラとの間の張力を0.04〜1.0 g/dと
    して巻取ることを特徴とするポリ−ε−カプロラクトン
    フイラメントの製造法。
JP35583092A 1992-12-17 1992-12-17 ポリ−ε−カプロラクトンフイラメントの製造法 Pending JPH06184817A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011524475A (ja) * 2008-06-12 2011-09-01 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー メルトブローン微細繊維及び製造方法
JP2013515174A (ja) * 2009-12-17 2013-05-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 寸法安定性不織布繊維ウェブ、メルトブローン微細繊維、並びにこれらの製造及び使用方法
US9487893B2 (en) 2009-03-31 2016-11-08 3M Innovative Properties Company Dimensionally stable nonwoven fibrous webs and methods of making and using the same
US10138576B2 (en) 2008-06-12 2018-11-27 3M Innovative Properties Company Biocompatible hydrophilic compositions

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