JPH06184787A - フェノール類を含有する鉛及び鉛合金めっき浴 - Google Patents
フェノール類を含有する鉛及び鉛合金めっき浴Info
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- JPH06184787A JPH06184787A JP4336492A JP33649292A JPH06184787A JP H06184787 A JPH06184787 A JP H06184787A JP 4336492 A JP4336492 A JP 4336492A JP 33649292 A JP33649292 A JP 33649292A JP H06184787 A JPH06184787 A JP H06184787A
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Abstract
良好な均一電着性を示し、かつ、析出物の均一性及び平
滑性も良好な鉛及び鉛合金めっき浴を提供する。 【構成】 (a) 鉛イオン;鉛イオンと第一錫イオン;鉛
イオンと第一錫イオンと銅イオンの組み合わせから選ば
れるイオンまたはイオンの混合系; (b) 有機スルホン酸; (c) エチレンオキシド/プロピレンオキシド付加型非イ
オン界面活性剤;及び (d) フェノール類を含有するめっき浴。
Description
に関し、特に軸受けを鉛及び鉛合金めっきする際に使用
するめっき浴に関する。
き浴としては、ホウフッ化浴、硫酸浴、アルカリ浴、ス
ルファミン酸浴、中性カルボン酸浴が知られているが、
これら浴の中で、安定した析出が得られるホウフッ化浴
が現在最も多く用いられている。しかしながら、ホウフ
ッ化浴は腐食性及び毒性が高いため、めっきに使用する
設備の腐食防止及び作業環境の維持管理に大きな負担が
強いられる。また、ホウフッ化イオンは分解が困難なた
めこのめっき浴を使用した後の排水処理にも大きな問題
がある。また、硫酸浴は鉛の安定化が困難で沈殿の発生
が著しいという欠点がある。アルカリ浴は浴温度が高い
上にめっき速度が遅く平滑な析出が得難いという欠点が
あり、スルファミン酸浴は析出物が粗くデンドライトを
起こし易い。中性カルボン酸浴は有機カルボン酸を使用
するため排水性が悪く高速めっきを得ることができな
い。更に、錫を含む合金めっきを行う場合、これら浴は
いずれも、第一錫イオンの酸化に伴う析出速度の低下と
いう問題を内包している。
ールスルホン酸浴は、排水処理が容易でかつ高速めっき
が可能であるが、析出物の均一性及び平滑性に問題があ
る。アルカンスルホン酸浴及びアルカノールスルホン酸
浴のかかる問題を解決するものとして、特開昭62−4
895号公報に、(A) 第一錫塩、鉛塩および第一錫塩と
鉛塩の混合物よりなる群から選ばれる浴可溶性金属塩
と、(B) 少なくとも一種のアルカンスルホン酸またはア
ルカノールスルホン酸と、(C) 少なくとも一種の界面活
性剤のほかに、2種の特定の光沢剤を含む水性めっき浴
が開示されている。しかしながら、このめっき浴も、依
然として、錫を含む合金めっき浴では、第一錫イオンの
酸化に伴う析出速度の低下及び均一電着性が不充分であ
るという欠点を有している。この錫を含む合金めっき浴
の第一錫イオンの析出速度の低下という欠点を解決する
ものとして、特開平1−96392号公報には、水酸基
を有する含窒素複素環式化合物と1,4−または1,7−ジ
ヒドロキシナフタレンを共に含有する、錫−鉛合金めっ
き液が開示されている。しかしながら、このめっき浴
は、極めて特殊な2種の化合物を添加しなければならな
い。また、析出速度の低下の欠点を解決したとはいえよ
り高い析出速度を発揮することが望ましい。更に、均一
電着性も不充分である。従って、より高い析出速度を示
し均一電着性もよく、かつ、析出物の均一性及び平滑性
が良好な鉛及び鉛合金めっき浴の開発が望まれている。
処理が容易であり、より高い析出速度と良好な均一電着
性を示し、かつ、析出物の均一性及び平滑性も良好な鉛
及び鉛合金めっき浴を提供することにある。
した結果、鉛イオン;鉛イオンと第一錫イオン;鉛イオ
ンと第一錫イオンと銅イオンの組み合わせから選ばれる
イオンまたはイオンの混合系、有機スルホン酸及びエチ
レンオキシド/プロピレンオキシド付加型非イオン界面
活性剤を含有するめっき液に更にフェノール類を添加す
れば、上記の問題が解決できることを見出し、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明は、(a) 鉛イオン;鉛
イオンと第一錫イオン;鉛イオンと第一錫イオンと銅イ
オンの組み合わせから選ばれるイオンまたはイオンの混
合系;(b)有機スルホン酸;(c) エチレンオキシド/プ
ロピレンオキシド付加型非イオン界面活性剤;及び(d)
フェノール類を含有するめっき浴の発明である。
明する。本発明の鉛イオン;鉛イオンと第一錫イオン;
鉛イオンと第一錫イオンと銅イオンの組み合わせから選
ばれるイオンまたはイオンの混合系は、水溶液中でこれ
らイオンに解離することのできる鉛塩、第一錫塩及び銅
塩を水に添加することにより調製される。本発明で用い
ることのできる鉛塩、第一錫塩及び銅塩としては、各々
の酸化物、アルカンスルホン酸塩、アルカノールスルホ
ン酸塩、フェノールスルホン酸塩、メタンスルホン酸鉛
が挙げられる。アルカンスルホン酸の具体例としては、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホ
ン酸、イソプロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペ
ンタンスルホン酸及びヘキサンスルホン酸を挙げること
ができ、アルカノールスルホン酸の具体例としては、2
−ヒドロキシエタンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパ
ンスルホン酸、2−ヒドロキシブタンスルホン酸を挙げ
ることができる。また、フェノールスルホン酸の具体例
としては、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン
酸及びジメチルフェノールスルホン酸を挙げることがで
きる。好ましいめっき浴はイオン混合系のめっき浴であ
り、その場合の金属イオンの比率は、鉛イオンと第一錫
イオン混合系の場合、鉛イオン:第一錫イオン=2〜1
0:1、好ましくは3〜5:1であり、鉛イオンと第一
錫イオンと銅イオン混合系の場合、鉛イオン:第一錫イ
オン:銅イオン=10〜200:5〜20:1、好まし
くは14〜150:7〜15:1である。金属イオンの
めっき浴中での濃度は、0.5〜200g/L、好ましく
は10〜100g/Lとなる濃度である。
酸の具体例は、上記の鉛塩、第一錫塩及び銅塩の例で挙
げたものと同じものを挙げることができる。これらスル
ホン酸は単独でまたは2種以上の混合物として使用する
ことができる。これらスルホン酸のめっき浴中での濃度
は、50〜500g/L、好ましくは100〜300g
/Lである。上記のイオンまたはイオンの混合系を形成
する際に上記に列記したスルホン酸塩を使用した場合
は、金属イオンの対イオンであるスルホン酸もこの有機
スルホン酸の一部を構成する。次に、本発明で用いるこ
とのできるエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加
型非イオン界面活性剤としては、例えば、1〜100モ
ルのエチレンオキシドと1〜50モルのプロピレンオキ
シドの共重合体またはROH(Rは1〜50、好ましく
は2〜15の炭素原子を有する置換若しくは無置換のア
ルキルまたはアリール基を表わす)に1〜100モルの
エチレンオキシドと1〜50モルのプロピレンオキシド
を重合させて得られた共重合体が挙げられる。重合の形
態は、交互重合、ランダム重合、ブロック重合のいずれ
であってもよい。ROHの具体例としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール類、β−
ナフトール等の芳香族アルコール類及びノニルフェノー
ル、オクチルフェノール等のフェノール類が挙げられ
る。特に好ましい非イオン界面活性剤は式
炭素原子を有するアルキルまたはアリール基を表し、
l、m及びnはそれぞれ1〜50の整数を表す。)で示
されるブロックコポリマーである。かかるブロックコポ
リマーの好ましい具体例としては、エパン 420(第一工
業製薬社製)、セドラン FF200(三洋化成社製)、ペレ
テックスHM-1(ミヨシ油脂社製)等がある。エパン 420
は、エタノールに7モルのエチレンオキシドとプロピレ
ンオキシド21モルを重合させて得られたブロックコポ
リマーであり、セドラン FF200は、ノニルフェノールに
エチレンオキシドとプロピレンオキシドを重合させて得
られたブロックコポリマーである。非イオン界面活性剤
のめっき浴中での濃度は、0.5〜20g/L、好ましく
は2〜15g/Lである。この非イオン界面活性剤の添
加により、被めっき体への金属の析出が緻密となって、
電気密度による合金比が均一になり高電流部のコゲが減
少する。
フェノール類としては、フェノール、α−ナフトール、
β−ナフトール、ハイドロキノン、カテコール、α−ナ
フトハイドロキノン、β−ナフトハイドロキノン等が挙
げられる。これらフェノール類は単独でまたは2種以上
の混合物として使用することができる。これらフェノー
ル類のめっき浴中での濃度は、0.1〜10g/L、好ま
しくは0.5〜5g/Lである。このフェノール類の添加
により析出速度が向上し、均一電着性も向上する。本発
明のめっき浴の他の成分は、通常の鉛及び鉛合金めっき
浴で使用するものがそのまま使用でき、例えば、脂肪族
アルデヒド及び芳香族アルデヒドの如き光沢剤、ペプト
ン及びゼラチンの如き平滑剤等を添加することができ
る。
方法について説明する。本発明のめっき浴を使用する被
めっき物は、鋼板、アルミクラッド板等の金属であり、
これを試料陰極としてめっきを行う。特に軸受けに使用
される金属が好ましい。この対極には、鉛単独めっきの
ときは鉛電極を、鉛−錫合金めっきのときは鉛−錫合金
電極を、そして、鉛−錫−銅合金めっきのときは鉛−錫
−銅合金電極を使用することができる。被浴温は通常1
0〜40℃、好ましくは15〜30℃である。電流密度
は通常0.5〜10A/dm2 、好ましくは1〜5A/dm2
であり、めっき時間は要求されるめっきの膜厚にもよる
が、1〜60分、好ましくは5〜30分である。膜厚
は、広い範囲のものが可能であるが、一般に、1〜50
μm、好ましくは、5〜20μmである。めっきに際し
て、被めっき物は、常法により前処理したあとにめっき
工程に付される。前処理工程では、浸漬脱脂、酸洗、陽
極の電解洗浄及び活性化の少なくとも1つの操作が行わ
れる。各操作間は水洗を行う。めっき後は得られた皮膜
を簡単に洗浄して乾燥すればよい。めっき工程は、静止
浴のみならずバレルでも実施することができる。本発明
のめっき液は、浴成分を適当な補給剤により一定に保つ
ことにより、液更新することなく長期に使用することが
できる。次に実施例により本発明を説明する。
脂−39〔ディップソール(株)製〕で脱脂し、10.5
w/w%塩酸で酸洗した後、5 w/w%NC−20〔ディッ
プソール(株)製〕及び7 w/v%水酸化ナトリウムの溶
液で電解洗浄を行い、電解洗浄後3.5%塩酸で活性化し
た。各操作間で水洗を行った。一方、表−1に示すめっ
き液を250mlハルセル容器に入れ、陽極にPb−S
n合金(Pb/Sn=90/10重量%)を使用し、陰
極に上記の活性化した鋼板を接続して、総電流2A、2
5℃で10分間めっきを行った。金属イオン源としての
鉛塩には酸化第一鉛、錫塩には酸化第一錫、銅塩には酸
化第一銅を使用した。得られためっきの外観評価とめっ
き膜厚及び合金比の測定を行った。めっき膜厚の測定は
電磁式膜厚計で行い、合金比の測定はケイ光X線分析で
行った。それぞれの測定は、陰極電流密度の異なる3点
で行った。これらの結果を表−2に示した。比較例1〜9 表−1に示す組成のめっき液を使用して、実施例1〜3
と同様に行った。これらの結果を表−2に示した。
キノンを添加した実施例1〜4のめっき浴では、各金属
イオン組成のめっき浴においてハイドロキノンを添加し
ていない場合よりも膜厚があり、析出速度が高いことが
わかる。また、各金属イオン組成における高電部からの
距離ごとの膜厚をみると、実施例1は比較例1及び2に
比して、実施例2は比較例3及び4に比して、実施例3
は比較例5に比して、更に実施例4は比較例6に比し
て、8.5cmでの向上分が5cmでの向上分より大きく、均
一電着性が向上していることがわかる。
るだけで、より高い析出速度と良好な均一電着性を示
し、かつ、析出物の均一性及び平滑性が良好な鉛及び鉛
合金めっき浴が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a) 鉛イオン;鉛イオンと第一錫イオ
ン;鉛イオンと第一錫イオンと銅イオンの組み合わせか
ら選ばれるイオンまたはイオンの混合系; (b) 有機スルホン酸; (c) エチレンオキシド/プロピレンオキシド付加型非イ
オン界面活性剤;及び (d) フェノール類を含有するめっき浴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4336492A JPH06184787A (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | フェノール類を含有する鉛及び鉛合金めっき浴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4336492A JPH06184787A (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | フェノール類を含有する鉛及び鉛合金めっき浴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184787A true JPH06184787A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18299694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4336492A Pending JPH06184787A (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | フェノール類を含有する鉛及び鉛合金めっき浴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06184787A (ja) |
-
1992
- 1992-12-17 JP JP4336492A patent/JPH06184787A/ja active Pending
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