JPH06184685A - 析出硬化性ニッケル系超合金およびこの合金を調整凝固された構造用部材の製造の際の材料として使用する方法 - Google Patents

析出硬化性ニッケル系超合金およびこの合金を調整凝固された構造用部材の製造の際の材料として使用する方法

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JPH06184685A
JPH06184685A JP5179112A JP17911293A JPH06184685A JP H06184685 A JPH06184685 A JP H06184685A JP 5179112 A JP5179112 A JP 5179112A JP 17911293 A JP17911293 A JP 17911293A JP H06184685 A JPH06184685 A JP H06184685A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニッケルのほかにその他の合金成分として少
なくともクロム、コバルト、タングステン、アルミニウ
ム、チタンおよびタンタルを含有し、タンタルの含量が
チタンの含量の少なくとも1.5倍である析出硬化性ニ
ッケル系超合金。 【構成】 この合金においては、析出硬化によって、γ
- 相の物質よりなる周囲のマトリックス中に粒子の形で
分布されているγ'-相が形成される。析出硬化の前に
γ'-相は、溶体化熱処理によって完全に溶解される。 【効果】 この合金は、調整凝固された部材の鋳造用に
従来技術によるニッケル系超合金に比較して実質的によ
り好適であり、更に後者の合金に比較して著しく改善さ
れたクリープ寿命を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケルのほかにその
他の合金成分として少なくともクロム、コバルト、タン
グステン、アルミニウム、チタンおよびタンタルを含有
する析出硬化性ニッケル系超合金に関する。本発明は、
また上記の合金の好ましい用途にも関する。
【0002】
【従来の技術】本発明においては、例えば、据置型のガ
スタービンにおいて硫黄を含有する燃焼ガスと接触する
際の十分な耐食性を保証するために必要とされるような
>10重量%のクロム含量を有する合金について米国特
許第3,459,545号、同第3,619,182号
または同第4,957,703号からほぼ明らかなよう
な従来技術が参照される。
【0003】米国特許第3,459,545号に記載さ
れているような合金は、しばしばガスタービンの回転羽
根用の材料として使用される。この合金は、高温度にお
ける極めてすぐれた耐食性を有する点において卓越して
いる。これはなかんずく約16重量%というこの合金の
比較的高いクロム含量によるものである。しかしなが
ら、高いクロム含量は、同時にまたクリープ強さを低下
させる。据置型のガスタービンにとって典型的なもので
ある150MPa/50,000hという負荷の場合に
は、この合金の耐え得る金属温度は、約820℃に制限
される。
【0004】米国特許第3,619,182号および同
第4,957,703号に記載されそして同様にガスタ
ービンの回転羽根用の材料として使用されるニッケル系
超合金は、クロム含量が比較的低いゆえに、約850℃
の温度においてこの回転羽根用材料を使用することを可
能にする耐クリープ性を示す。クロム含量を約10重量
%以下に更に減少させることによって耐熱性を更に高め
ることは、腐食性の媒質中において使用する場合には不
可能である。何故ならば、保護の酸化クロム被覆層を形
成するための十分なクロム蓄積が存在しなければならな
いからである。
【0005】しかしながら、ニッケル系超合金よりなる
部材の使用温度は、調整凝固(gerichtetes Erstarren)
によって更により上昇されうる。その際、上記の調整凝
固によってもたらされた好ましい方向に反して拡張され
た粒子限界(Korngrenzen) が除去され、そして凝固条件
は、この好ましい方向が部材の主要負荷方向に一致する
ように選択される。しかしながら、通常の種類の材料か
らおそらく冷却可能のガスタービンの回転羽根のような
特に中空の部材を製造する場合には、凝固の過程中に、
しばしば縦の粒子限界(Laengskorngrenzen) に沿ってひ
び割れが生じて、この材料を使用不可能にする。その原
因は、ニッケル系超合金の種々の膨張係数により、そし
て中空の部材を製出するために必要とされるセラミック
粒子によって生じ、そして材料から塑性変形によっては
十分な程度には除去されない熱的ひずみである。
【0006】ジャーナル・オブ・メタルス(Journal of
Metals) 1971年7月号第38−40頁に記載された
ダール(D. N. Duhl)およびサリヴァン(C. P. Sullivan)
の論文 "カラム状粒子ニッケル系超合金の機械的性質に
対するハフニウム添加の効果について(Some effects of
hafnium additions on the mechanical propertiesof
a columnar-grained nickel-base superalloy)" によ
れば、ハウニウムの添加によってニッケル系超合金の横
方向の延性が改善されることができ、それはひび割れす
る傾向をそれ相応に減少せしめる。しかしながら、それ
によって、γ'-析出物の完全な溶解が溶体化熱処理の間
にもはや不可能である限り、ニッケル系超合金の融点が
低下する。これによって、耐クリープ性の減少がもたら
され、そして調整凝固の有利な効果が少なくとも部分的
に再び相殺される。もう一つの問題は、ハフニウムは、
ニッケル系超合金を製造する際に受入れる型の外皮の材
料と反応する傾向があるという点にある。特に、大きな
部材の場合には、凝固の過程の間にハフニウムが乏しく
なるので、横方向の延性の十分な改善がもはや保証され
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は、従来技術によるニッケル系超合金に比較して、調
整凝固された部材の製造にとって本質的によりすぐれて
適しており、そして高温度における耐クリープ寿命が前
者の超合金に比較してより改善されているニッケル系超
合金を提供することである。
【0008】本発明によるニッケル系超合金は、従来技
術による匹敵するニッケル系超合金に比較してより改善
された鋳造性およびより高いクリープ寿命によって卓越
している。改善された鋳造性は、驚くべきことには、ハ
フニウムを添加することなく出現し、そしてその際更に
従来は調整凝固される型においては作製されなかった部
材が今や調整凝固されうるかまたは例えばより効果的な
冷却概念が実現されうることを利用することができ、こ
のことは両方の場合においてクリープ寿命の改善をもた
らす。それ故、本発明によるニッケル系超合金から製造
され、そして高温度に曝される、特にガスタービンの回
転羽根のような部材は、機械的荷重および温度の同じ条
件下において、対応する寸法の従来技術によるニッケル
系超合金の部材に比較して数倍高い寿命を示す。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】本発明によるニッケル
系超合金のこれらの予期し得ない有利な効果は、おそら
くチタン含量の減少およびタンタル含量の増加によって
合金組織の特にすぐれた安定性が現れるということに起
因する。これはまた、溶体化焼なましの間に周囲のγ-
マトリックス中へのγ'-析出物の完全な溶解性の結果で
もある。この完全に溶解するという可能性は、驚くべき
ことには、タンタル対チタンの重量比が1.5という値
を超えると直ちに現れる。タンタルの含量ならびに場合
によってはタングステンの含量もまた増加することによ
って、組織安定性およびクリープ強度が更に改善され
る。しかしながら、チタン含量を比較的低くすることに
よって、脆いNi3 Tiを含有するエータ相の出現もま
たおおよそ回避される。それによって長手方向の粒子境
界面(Laengskorngrenzen)に沿ったひび割れの生成への
核の出現が避けられ、そのことは鋳造性を実質的に改善
する。
【0010】更に、鋳造性の改善は、製造の際の調整凝
固された部材がもはや小斑点(freckles)を形成し得ない
ということによっても明らかである。そのような「小斑
点」は、真珠のモール状に並列した等軸状粒子である。
それらは、樹枝状溶融物中のチタンの富有化と関係する
不安定な液体層(下方の軽質層、上方の重質層)中に発
生する。タンタル含量の増加(タンタルは重質でありそ
して同様に樹枝状に富有化する)ならびにチタン含量の
減少によって、「小斑点」の形成は、著しく減少し、そ
してそれによって鋳造性が著しく改善される。
【0011】従来技術による合金は、マトリックス格子
の格子定数aと上記マトリックス中に含有されたγ'-析
出物の格子定数との間の高い正の嵌合欠損(Fehlpassun
g)δa=(a'-a)/aを示す。これは、γ'-相の格子
を拡げるチタンおよびタンタルの比較的高い含量の結果
であり、そしてまたγ- マトリックスの格子を拡げるタ
ングステンの比較的僅少な含量の結果である。チタンの
含量の減少によって、高い嵌合欠損δaが著しく低下す
る。これによって、本発明による合金にとって、2つの
全く本質的な利点が得られる。すなわち、一方では合金
の調整凝固の際にひび割れする傾向をそれによって減少
せしめ延性が向上する。何故ならば、誘導された応力が
塑性変形によって減少されうるからである。他方におい
て、僅かな嵌合欠損においてγ'-析出物の拡大運動が緩
やかになり、このことは、組織の改善された長期的安定
性、すなわち、高い温度における改善された長期的安定
性へと導かれる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を添付の図面の参照の下に以
下に更に詳細に説明する。図1は、本発明による合金C
の示差熱分析(DTA)によって測定された熱共鳴(Wa
ermetoenung)W〔相対的単位〕と温度T〔℃〕との相関
関係を示す図である。
【0013】図2は、従来技術による合金Iについて第
1図に対応して測定されたグラフである。図3は、本発
明による合金Hについて図1および図2に対応して測定
されたグラフである。
【0014】以下に重量%で示された組成を有する合金
を真空誘導炉中で溶融した。合金 A B C D E F G H I Ni <-------------------基材 ------------------------> Cr 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.5 12.5 12.0 12.4 Co <---------------------- 9.0 ---------------------> Mo - - - - - 1.85 1.85 - 1.87 W 9.0 9.0 6.0 5.7 5.0 4.1 4.1 6.0 4.0 Al 3.5 3.7 4.2 4.0 5.0 3.4 3.4 4.1 3.4 Ti 3.0 2.0 2.0 1.9 1.5 3.8 3.8 3.3 3.9 Ta 5.0 5.8 6.8 6.5 5.0 4.1 4.1 5.0 4.1 Zr <---------------------- 0.02 ----------------> 0.01 Hf - - - - - - 0.45 - 0.87 B <---------------------- 0.015 --------------> 0.013 C <---------------------- 0.07 ---> 0.08 0.07 0.08 真空誘導炉中で溶融した後に、上記の合金から、それぞ
れ約14mmの直径およびそれぞれ250mmの長さを
有する調整凝固された棒ならびに同様に約250mmの
長さのガスタービンの中空の回転羽根を鋳造した。その
際、すべての合金について下記の鋳造パラメーターに調
整した: 引抜き速度: 8mm/min 鋳造温度: 1550℃ シエル温度: 1550℃ 合金F、GおよびIは、比較用合金として使用され、そ
してほぼニューヨーク市所在のインターナショナル・ニ
ッケル社(The International Nickel Company,Inc. New
York)から型番IN792として販売されている合金と
同様な、従来技術による合金に対応する。
【0015】合金AおよびFによる棒は、従来技術によ
る合金において通例の熱処理工程にかけられた:120
0−1250℃/4h(溶体化処理)+1080−11
20℃/2−4h(析出硬化)+850℃/24h(析
出硬化)。調整凝固された棒から46mmの全長および
測定区間において5mmの直径を有する試料を調製し
た。これらの試料を950℃の温度において応力を生ぜ
しめる予め規定された一定の力を負荷しそしてそれぞれ
の試料が破断するまでの時間を記録した。その際、下記
の数値が確認された: 合金 温度〔℃〕 応力〔MPa〕 破壊までの時間〔h〕 A 950 250 153 A 950 225 243 A 950 200 636 F 950 250 83 F 950 225 126 F 950 200 204 上記のことから、本発明による組成Aによる合金からな
る部材は、従来技術による合金からなる部材に比較して
2〜3倍も改善されたクリープ特性および従って対応す
るより高い寿命を示すことが看取される筈である。
【0016】合金CおよびGから同じプロセスパラメー
ターを用いて約1400ないし1500℃において、2
個の、冷却の目的で中空に形成された同じ寸法を有しそ
して調整凝固された、据置型ガスタービン用の回転羽根
を鋳造した。合金Gから製造された回転羽根は、長手方
向の粒子境界面に沿って割れを形成したことが確認され
た。これに反して、合金Cから鋳造された回転羽根の場
合には、ケイ光を発する液体を用いる浸透試験のよう
な、極めて敏感な試験方法を用いた場合においても、割
れは発見できなかった。従来技術による合金Gに比較し
て、合金Cは、従って、特におそらく冷却可能のガスタ
ービン用回転羽根のような、中空に形成された、調整凝
固された部材を製造する際に材料として使用することを
可能にする鋳造性を示す。この場合、ニッケル系超合金
の鋳造性を向上せしめるハフニウムを添加することな
く、すぐれた鋳造性が達成されるということは、特別な
利点である、すなわち、ハフニウムの添加は、一方では
ニッケル系超合金の溶融温度を著しく低下させる。これ
によって、溶体化処理の間のγ'-相の溶解が困難になる
かあるいは更に不可能になる。他方では、ハフニウム
は、溶融物を受入れる型の殻と反応する傾向があり、そ
のことは、大型の部材の製造の際に悪影響を及ぼすこと
がある。
【0017】その他の鋳造実験をもって、合金Cのほか
に、ニッケルと共にその他の合金成分として少なくとも
クロム、コバルト、タングステン、アルミニウム,チタ
ンおよびタンタルを含有するその他の析出硬化性ニッケ
ル系超合金もまた、タンタルの含量が重量%で表してチ
タンの含量の少なくとも1.5倍である限りにおいてす
ぐれた鋳造性を示す。
【0018】すぐれた機械的性質を得るためには、鋳造
性のほかに、なかんずく、本発明によるニッケル系超合
金の熱処理の際に実施された溶体化処理の工程において
γ'-相が溶解されうる。その時のみ、付加的な工程とし
て後に続く析出熱処理の際に、γ- 相の周囲に並立する
マトリックス材料中へのγ'-粒子の均一な分布が保証さ
れうる。これに反して、γ'-相が完全には溶解され得な
い場合には、主として粗大に形成され、しかもγ- マト
リックス中に不均一に分布されたγ'-粒子が生ずる結果
になる。このことは、一方ではクリープ強度に影響を及
ぼしまた他方において腐食および酸化を促進する。
【0019】この度、示差熱分析によって、本発明によ
る合金においては、γ'-相の溶解と分析された合金の試
料の溶融との間に広い温度間隔が存在することが見出さ
れた。この温度間隔においては、一般に、γ'-相の完全
な、しかし少なくともほとんど完全な溶解が可能であ
る。
【0020】このことは、例えば、図1から明らかであ
る。この図においては、相を包含しない比較試料の熱共
鳴は、ほぼ直線として経過する。これに反して、合金C
の熱共鳴は、約900ないし950℃以上の温度におい
てはγ'-相の溶解が始まるので、これらの直線から吸熱
的熱共鳴の方向にそれる。約1240℃の温度Tgにお
いては、γ'-相は、完全に溶解し、そして合金Cの熱共
鳴は、約1280℃の温度Tiまで比較の試料の熱共鳴
に再び一致する。再度の吸熱的熱共鳴のお蔭で、合金C
は、温度Ti以上で融解し始める。この融解過程は、加
熱速度の僅かな上昇の際には、γ'-相の完全な溶解後長
時間経て初めて始まる。温度TgおよびTiによって限
定された温度範囲の比較的広い幅のゆえに、γ'-相は、
正確な温度の一定化が実現され得ない工業的熱処理工程
においても、合金の局部的融解をもたらすという危険を
冒すことなく、完全に溶解されうる。
【0021】合金A、B、DおよびEのような、本発明
によるその他のニッケル系超合金もまた、相応する性状
を示す。これらの合金は、約1200℃と1300℃と
の間で、溶体化処理のような熱処理工程が、合金の融解
が始まることなく実施されうる温度範囲を示す。
【0022】これらのすべてのニッケル系超合金は、重
量%で表されたそれらのタンタル含量がそれらのチタン
含量を数倍超えているということによって卓越してい
る。タンタルの重量割合とチタンの重量割合が互いに匹
敵しうる程度になると直ちに、上記の温度範囲が得ら
れ、そして当該のニッケル系超合金の融解なしに、γ'-
相の完全な溶解は、不可能である。このことは、図2に
よる約1.05のTa/Ti重量比を有する従来技術に
属するニッケル系超合金IのDTA- 図表から明らかで
ある。この合金の場合には、融解を開始する温度Ti
は、γ'-相の溶解が終了する温度より低い。それ故、こ
の合金の場合には、γ'-相の完全な溶解は不可能であ
り、そして析出硬化の際に単に粗大に形成されかつ不均
一に分布されたγ'-粒子が得られる結果になる。合金F
に従えば、この合金から調整凝固された部材としては、
本発明による合金に比較してより劣った鋳造性と伴って
2ないし3倍も低いクリープ寿命を示すことが明らかで
ある。
【0023】重量%で表されたタンタルの含量がチタン
の含量の1.5倍に達するニッケル系超合金の場合に
は、融解の前に全γ'-相がほとんど溶解される。図3に
示された合金HのDTA- 図表から明らかなように、こ
のことは、約1.5のTa/Ti比の場合には、同等の
ニッケル系超合金は、完全な溶解をもたらす温度範囲を
もはや示さないが、しかし熱共鳴は、融解の始まる前お
よびγ'-相のほとんど完全な溶解後に、比較試料の基準
線に著しく接近する。
【0024】チタンは、γ'-相の一定の強度の改善に寄
与するので、チタンの含量は、少なくとも0.8重量%
とすべきである。それに従ってタンタルの含量は、重量
%で表してチタンの含量の多くとも10倍とすべきであ
る。
【0025】ガスタービンの回転羽根のような調整凝固
された部材の製造に特に適しているものは、ニッケルの
ほかに重量%において次の組成: クロム 11.0〜15.0 コバルト 2.0〜11.0 タングステン 3.5〜10.0 アルミニウム 3.0〜5.5 チタン 3.5まで タンタル 4.0〜9.0 モリブデン 0〜3 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 および炭素 0.01〜0.15 を有し、その際Ta/Ti≧1.5であるニッケル系超
合金である。
【0026】タングステンの含量を少なくとも5重量%
まで高めることによって、γ'-相の粒子の粗大化に対す
る安定性そして従って本発明によるニッケル系超合金の
長期的耐ひずみ性ならびにクリープ強度が更に改善され
る。好ましい合金は、従って、ニッケルのほかに重量%
において次の成分を含有すべきである: クロム 11.5〜14.0 コバルト 3.0〜11.0 タングステン 5.0〜9.5 アルミニウム 3.0〜5.0 チタン 3.5まで タンタル 4.0〜8.0 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 炭素 0.01〜0.15 ここでTa/Ti≧1.5。
【0027】Niを基礎にして次の組成: クロム 11.5〜14.0 コバルト 3.0〜11.0 タングステン 7.5〜9.6 アルミニウム 3.1〜4.0 チタン 2.2〜3.3 タンタル 4.4〜5.8 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 炭素 0.01〜0.15 ここでTa/Ti≧1.5、ならびに特に、Niを基礎
にして次の組成: クロム 11.8〜12.5 コバルト 5.0〜10.0 タングステン 8.5〜9.5 アルミニウム 3.3〜3.7 チタン 2.7〜3.2 タンタル 4.8〜5.3 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.03 ホウ素 0.005〜0.03 炭素 0.02〜0.10 を有する本発明によるニッケル系超合金は、特にすぐれ
たクリープ強度を示す。
【0028】基礎金属としてのニッケルのほかに重量%
において以下に記載された組成: クロム 11.5〜14.0 コバルト 3.0〜11.0 タングステン 5.0〜7.0 アルミニウム 3.6〜4.8 チタン 1.4〜2.4 タンタル 5.6〜7.3 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 炭素 0.01〜0.15 そして更に クロム 11.8〜13.0 コバルト 5.0〜10.0 タングステン 5.5〜6.3 アルミニウム 3.9〜4.4 チタン 1.7〜2.2 タンタル 6.4〜7.0 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.03 ホウ素 0.005〜0.03 炭素 0.02〜0.10 を有する本発明によるニッケル系超合金は、すぐれたク
リープ強度およびすぐれた鋳造性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による合金Cの示差分析(DTA)によ
って測定された熱共鳴W〔相対的単位〕と温度T〔℃〕
との相関関係を示すグラフである。
【図2】従来技術による合金Iについて図1に対応して
作成されたグラフである。
【図3】本発明による合金Hについて図1および図2に
対応して作成されたグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルのほかにその他の合金成分とし
    て少なくともクロム、コバルト、タングステン、アルミ
    ニウム、チタンおよびタンタルを含有する析出硬化性ニ
    ッケル系超合金であって、重量%において次の組成: クロム 11.0〜15.0 コバルト 2.0〜11.0 タングステン 3.5〜10.0 アルミニウム 3.0〜5.5 チタン 3.5まで タンタル 4.0〜9.0 モリブデン 0〜3 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 炭素 0.01〜0.15 を有し、そしてタンタルの含量が重量%で表されたチタ
    ンの含量の1.5倍であることを特徴とする上記析出硬
    化性ニッケル系超合金。
  2. 【請求項2】 チタンの含量が少なくとも0.8重量%
    であることを特徴とする請求項1による合金。
  3. 【請求項3】 タンタルの含量が重量%で表したチタン
    の含量の多くとも10倍であることを特徴とする請求項
    1または2による合金。
  4. 【請求項4】 重量%で表した次の組成を有することを
    特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれかによる合
    金: クロム 11.5〜14.0 コバルト 3.0〜11.0 タングステン 5.0〜9.5 アルミニウム 3.0〜5.0 チタン 3.5まで タンタル 4.0〜8.0 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 炭素 0.01〜0.15。
  5. 【請求項5】 重量%で表した次の組成を有することを
    特徴とする請求項4による合金: クロム 11.5〜14.0 コバルト 3.0〜11.0 タングステン 7.5〜9.5 アルミウニム 3.1〜4.0 チタン 2.2〜3.3 タンタル 4.4〜5.8 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 炭素 0.01〜0.15。
  6. 【請求項6】 重量%で表した次の組成を有することを
    特徴とする請求項5による合金: クロム 11.8〜12.5 コバルト 5.0〜10.0 タングステン 8.5〜9.5 アルミニウム 3.3〜3.7 チタン 2.7〜3.2 タンタル 4.8〜4.3 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.03 ホウ素 0.005〜0.03 炭素 0.02〜0.10。
  7. 【請求項7】 重量%で表した次の組成を有することを
    特徴とする請求項6による合金: クロム 11.5〜14.0 コバルト 3.0〜11.0 タングステン 5.0〜7.0 アルミニウム 3.6〜4.8 チタン 1.4〜2.4 タンタル 5.6〜7.3 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.05 ホウ素 0〜0.05 炭素 0.01〜0.15。
  8. 【請求項8】 重量%で表した次の組成を有することを
    特徴とする請求項7による合金: クロム 11.8〜13.0 コバルト 5.0〜10.0 タングステン 5.5〜6.3 アルミニウム 3.9〜4.4 チタン 1.7〜2.2 タンタル 6.4〜7.0 モリブデン 0〜2 ジルコニウム 0〜0.03 ホウ素 0.005〜0.03 炭素 0.02〜0.10。
  9. 【請求項9】 合金が析出硬化によって得られた、γ-
    マトリックス格子およびその中に包含された、析出硬化
    の前に溶体化処理によってほとんど完全にマトリックス
    中に溶解されているγ'-析出物を有する組織を有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし8のうちのいずれかによ
    る合金。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のうちのいずれかに
    よる合金を、特にガスタービンの回転羽根のような調整
    凝固された構造用部材の製造の際の材料として使用する
    方法。
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