JP2000129380A - ニッケル基単結晶超合金 - Google Patents
ニッケル基単結晶超合金Info
- Publication number
- JP2000129380A JP2000129380A JP10309651A JP30965198A JP2000129380A JP 2000129380 A JP2000129380 A JP 2000129380A JP 10309651 A JP10309651 A JP 10309651A JP 30965198 A JP30965198 A JP 30965198A JP 2000129380 A JP2000129380 A JP 2000129380A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nickel
- single crystal
- weight
- crystal superalloy
- silicon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
とのないシリコンを添加することで融点を上昇し、クリ
ープラプチャー強度など耐熱性の向上を図ることができ
るニッケル基単結晶超合金を提供すること。 【解決手段】 レニウム:2〜7重量%と、モリブデ
ン:0.5〜5.0重量%と、タングステン:2.0〜
6.0重量%と、クロム:0〜5.0重量%と、アルミ
ニウム:3.0〜6.0重量%と、タンタル:3.0〜
8.0重量%と、シリコン:0<〜2.0重量%と、残
部のニッケルおよび偶発的不純物とからなる。これによ
れば、シリコンを0<〜2.0重量%の範囲、特に0.
05〜2.0重量%の多量の添加によって融点が上昇す
るとともに、固溶強化が図られ、クリープラプチャー強
度など耐熱特性の向上を図ることができる。
Description
超合金に関し、シリコンを添加して耐熱性の向上を図る
ようにしたものである。
タービンエンジンのタービンブレードやベーンなどのに
使用される材料として、従来からニッケル基単結晶超合
金が知られている。
来、第1世代としてタングステン、モリブデン、タンタ
ルなどの重元素を添加して粒内強度を向上させたものが
開発され、さらに第2世代のニッケル基単結晶超合金と
してレニウムを2.8〜3.2重量%添加することによ
り、第1世代のものに比べ約25℃高い温度で使用可能
なものが開発され、米国キャノン・ムスケゴン社のCM
SX−4合金として商業的に知られている。
よりさらに優れた第3世代のものの開発が行われてお
り、特開平7−138683号公報には、耐火性元素で
あるタングステン+レニウム+モリブデン+タンタルの
含有総量をより多くすることで機械的性質を改善したニ
ッケル基単結晶超合金が開示されている。
ンエンジンの性能向上には、構成部材の耐熱温度に対す
る一層の性能向上が不可欠であり、特に、耐熱性に関す
る性質の1つであるクリープラプチャー強度の一層の向
上が課題となっている。
解決するためになされたもので、これまで不純物として
取り扱われ意図的に添加されていないシリコンを添加す
ることで融点を上昇し、クリープラプチャー強度など耐
熱性の向上を図ることができるニッケル基単結晶超合金
を提供しようとするものである。
は、ニッケルからなるマトリックスであるγ相と、合金
元素の金属間化合物からなるγ´相(Ni 3 (Al ,T
i )とで構成されている。
するγ´相の金属間化合物単体の研究で、これまで不純
物として取り扱われ意図的に添加されていないシリコン
を添加することで、γ´相の高温強度が向上することに
着目し、ニッケル基単結晶超合金にシリコンを添加する
ことで、本願発明を完成したものである。
決するため、この発明のニッケル基単結晶超合金は、レ
ニウム:2〜7重量%と、モリブデン:0.5〜5.0
重量%と、タングステン:2.0〜6.0重量%と、ク
ロム:0〜5.0重量%と、アルミニウム:3.0〜
6.0重量%と、タンタル:3.0〜8.0重量%と、
シリコン:0<〜2.0重量%と、残部のニッケルおよ
び偶発的不純物とからなることを特徴とするものであ
る。
リコンを0<〜2.0重量%の範囲、特に0.05〜
2.0重量%の添加によって融点が上昇するとともに、
固溶強化が図られ、クリープラプチャー強度など耐熱特
性の向上を図ることができる。
晶超合金の一実施の形態について詳細に説明する。
ム:2〜7重量%と、モリブデン:0.5〜5.0重量
%と、タングステン:2.0〜6.0重量%と、クロ
ム:0〜5.0重量%と、アルミニウム:3.0〜6.
0重量%と、タンタル:3.0〜8.0重量%と、シリ
コン:0<〜2.0重量%と、残部のニッケルおよび偶
発的不純物とからなるものである。
それぞれについて説明すると、まず、レニウムは、2〜
7重量%含有される。このレニウムの添加により、固溶
強化がなされるとともに、溶融開始温度を高めるのに効
果がある。
れる。このモリブデンの添加により固溶強化がなされる
が、レニウムほど効果的ではない。
される。このタングステンの添加により、固溶強化がな
されるとともに、γ一次相の強化に寄与する。また、合
金の溶融開始温度を高めるのに効果がある。
重量%含有される。このクロムの添加により、耐高温腐
蝕性の向上に寄与する。
される。このアルミニウムはγ一次相を構成する主要な
元素であり、このアルミニウムの添加により、耐酸化性
および析出強化がなされる。
る。このタンタルの添加により、固溶強化がなされる。
好ましくは0.05〜2.0重量%である。シリコン
は、従来、不純物として取り扱われ、意図的に添加され
ることはなく、ニッケル基単結晶超合金の場合でも偶発
的な不純物として0〜0.05重量%程度含まれること
を許容しているに過ぎなかったが、このニッケル基単結
晶超合金では、シリコンを意図的に添加し、その添加量
も0<〜2.0重量%、好ましくは0.05〜2.0重
量%と多量とされる。
れると考えられるもので、ニッケル基単結晶超合金を構
成するγ´相の金属間化合物単体の研究で、これまで不
純物として取り扱われ意図的に添加されていないシリコ
ンを添加することで、γ´相の高温強度が向上すること
に基づくものである。
残りの部分は、ニッケルおよび偶発的不純物からなる。
この偶発的不純物は工業的製造過程で入り込むものであ
り、その混入量は極力抑えるべきものである。
結晶超合金は、予め目標組成に溶製したメルティング・
ストックを用い、これを鋳型で単結晶化すること等で得
ることができ、得られた単結晶化後の成分分析結果も目
標組成通りのものが得られることを確認している。ま
た、この単結晶化には、工業レベルの大型炉を用いて試
作したが、単結晶化および鋳造性について、特に試作上
の問題を生じることはなかった。
は、モリブデン、レニウム、タングステンなどが多く固
溶していること、特に単結晶化はデンドライト凝固範囲
で温度勾配、凝固速度を制御するため、凝固偏析が避け
られないこと、また、固液界面における偏析係数には合
金元素によって差異があり、デンドライト内および最終
凝固部周辺で顕著な濃度勾配が生じることから、成分元
素の拡散を利用しながら適切な昇温速度の設定、あるい
は保持時間設定による溶体化を多段階で施して最高温温
度での溶体化処理が行われる。例えば、鋳造のままの単
結晶材で、昇温・降温速度を20℃/min とし、最高温
温度での溶体化処理条件を1340℃、3時間に設定す
れば良い。
理が行われる。例えば、上記溶体化処理後、1080
℃、4時間の時効処理を行う。
600〜1000℃での高温引張試験において、シリコ
ンを添加しないものに比べ、改善効果が著しく、100
0℃/200MPa 及び1050℃/140MPa のク
リープ破断試験においてもシリコン添加による一層著し
い効果が認められた。
のニッケル基単結晶超合金と同程度の値であった。
金によれば、シリコンの意図的な添加によって、固溶強
化が図られ、融点が上昇するとともに、クリープラプチ
ャー強度など耐熱特性の向上を図ることができる。
を高温度に対する耐熱性が要求されるガスタービンエン
ジンのタービンブレードやベーンなどの材料として使用
することで、一層の性能向上を図ることができる。
一実施例について、比較例とともに説明するが、この発
明はこれら実施例に何等限定されるものではない。
表1に示す目標組成の実施例(STDSi )と、比較の
ためシリコンが添加されていない以外に同一目標組成の
ものを比較例(STD)として用意した。
D)それぞれの超合金について予め溶製した10kg の
メルティング・ストックを用い、13mmφ×100mmの
丸棒の鋳型で単結晶化を行った。
析し、表1に示すように、ほぼ目標通りの化学成分であ
ることを確認した。
ついて、示差熱分析を利用した溶体化処理温度の推定を
行い、その結果として比較例(STD)の場合を図1に
示すように、昇温、降温速度をいずれも20℃/min と
した。
を観察した結果、図示省略したが、凝固偏析を示し、デ
ンドライトコアが明瞭に認められた。
を、示差熱分析結果、ミクロ組織の観察結果などに鑑
み、1340℃、3時間に設定した。
が完全に固溶した良好な溶体化組織が得られた。
4時間の時効処理を行った。
比較例(STD)とのそれぞれについて、特性評価のた
め、高温引張試験、クリープ破断試験およびヤング率の
測定試験を行った。
あり、同図から明らかなように、600〜1000℃ま
での範囲おいて、比較例(STD)に比べてシリコン添
加の実施例(STDSi )の高温引張特性が著しく改善
されることが分かる。
50℃/140MPa のクリープ破断試験結果を示した
ものが図3であり、同図から明らかなように、比較例
(STD)に比べてシリコン添加の実施例(STDSi
)のクリープ破断時間が著しく改善され、約2倍にも
なっている。
験結果から、粒界が存在しない単結晶合金においても、
シリコンの添加により高温特性の改善が認められたこと
から、シリコン添加がγ´相そのものの強化に寄与して
いる可能性が高いと推察される。
T)、900、1000、1100℃のヤング率を測定
し、その結果を図4に示した。
0mm、長さ100mmの試料を用い、真空理工製の内部摩
擦測定装置で共振法により求めた。
ぼ同等であり、その絶対値も第2世代のニッケル基単結
晶超合金の値と比較して室温においては低めの値を示す
が、600〜1100℃の範囲ではむしろ高い値を示し
た。
明したように、この発明のニッケル基単結晶超合金によ
れば、シリコンを0<〜2.0重量%の範囲、特に0.
05〜2.0重量%の多量の添加によって融点が上昇す
るとともに、固溶強化が図られ、クリープラプチャー強
度など耐熱特性の向上を図ることができる。
を高温度に対する耐熱性が要求されるガスタービンエン
ジンのタービンブレードやベーンなどの材料として使用
することで、一層の性能向上を図ることができる。
晶超合金の示差熱分析結果を示すグラフである。
の高温引張試験結果を示すグラフである。
のクリープ破断試験結果を示すグラフである。
のヤング率測定試験結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】レニウム:2〜7重量%と、モリブデン:
0.5〜5.0重量%と、タングステン:2.0〜6.
0重量%と、クロム:0〜5.0重量%と、アルミニウ
ム:3.0〜6.0重量%と、タンタル:3.0〜8.
0重量%と、シリコン:0<〜2.0重量%と、残部の
ニッケルおよび偶発的不純物とからなることを特徴とす
るニッケル基単結晶超合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30965198A JP4003319B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | ニッケル基単結晶超合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30965198A JP4003319B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | ニッケル基単結晶超合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129380A true JP2000129380A (ja) | 2000-05-09 |
JP4003319B2 JP4003319B2 (ja) | 2007-11-07 |
Family
ID=17995623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30965198A Expired - Fee Related JP4003319B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | ニッケル基単結晶超合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4003319B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100254822A1 (en) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Brian Thomas Hazel | Super oxidation and cyclic damage resistant nickel-base superalloy and articles formed therefrom |
-
1998
- 1998-10-30 JP JP30965198A patent/JP4003319B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100254822A1 (en) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Brian Thomas Hazel | Super oxidation and cyclic damage resistant nickel-base superalloy and articles formed therefrom |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4003319B2 (ja) | 2007-11-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR0126120B1 (ko) | 터빈 엔진용 단결정 니켈기저 초합금 | |
JP4995570B2 (ja) | ニッケル基合金及びニッケル基合金の熱処理法 | |
JP4885530B2 (ja) | 高強度高延性Ni基超合金と、それを用いた部材及び製造方法 | |
AU2007345231C1 (en) | Nickel-base alloy for gas turbine applications | |
JP4036091B2 (ja) | ニッケル基耐熱合金及びガスタービン翼 | |
RU2415959C1 (ru) | МОНОКРИСТАЛЛИЧЕСКИЙ СУПЕРСПЛАВ НА ОСНОВЕ Ni И СОДЕРЖАЩАЯ ЕГО ЛОПАТКА ТУРБИНЫ | |
EP0434996A1 (en) | Nickle-based single crystal superalloy | |
JPH0245694B2 (ja) | ||
JP3902714B2 (ja) | γ′ソルバスの高い、ニッケル系単結晶超合金 | |
KR20040007212A (ko) | 니켈계 초합금 및 그로부터 제조된 터빈 구성요소 | |
JPS61147839A (ja) | 耐疲労性ニツケル基超合金鍛造体とその製法 | |
JPS60155637A (ja) | 単結晶キヤステイング製造用合金 | |
JP4719583B2 (ja) | 強度、耐食性及び耐酸化特性に優れた一方向凝固用ニッケル基超合金及び一方向凝固ニッケル基超合金の製造方法 | |
JP3559670B2 (ja) | 方向性凝固用高強度Ni基超合金 | |
TW201710519A (zh) | 雙相Ni-Cr-Mo合金之製造方法 | |
JP4222540B2 (ja) | ニッケル基単結晶超合金、その製造方法およびガスタービン高温部品 | |
JP4579573B2 (ja) | ニッケル基合金 | |
KR100219929B1 (ko) | 고온내식성 단결정 니켈계 초내열 합금 | |
JPH11246924A (ja) | Ni基単結晶超合金、その製造方法およびガスタービン部品 | |
JP3679973B2 (ja) | 単結晶Ni基耐熱合金およびタービン翼およびガスタービン | |
JPH06184685A (ja) | 析出硬化性ニッケル系超合金およびこの合金を調整凝固された構造用部材の製造の際の材料として使用する方法 | |
JPH028016B2 (ja) | ||
JP4003318B2 (ja) | ニッケル基単結晶超合金 | |
JP4003319B2 (ja) | ニッケル基単結晶超合金 | |
US8241560B2 (en) | Nickel base superalloy and single crystal castings |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070509 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070731 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070813 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120831 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130831 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |